特許第6368508号(P6368508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368508
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】基材浮上装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 51/03 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   B65G51/03 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-53963(P2014-53963)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2015-174747(P2015-174747A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本田 顕真
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−008368(JP,A)
【文献】 特開2011−191729(JP,A)
【文献】 特開2011−219238(JP,A)
【文献】 特開2012−190890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 51/00−51/03
B65G 49/00−49/08
B65G 7/06
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質体から形成され、表面が基材と対向する浮上ブロックと、
前記浮上ブロックを載置する台座部と、
前記浮上ブロックが前記台座部に載置された際に前記浮上ブロックと前記台座部との間に形成される空間であるマニホールド部と、
前記マニホールド部に接続され、前記マニホールド部に気体を供給する気体供給部と、
を備え、
前記気体供給部から供給され、前記マニホールド部および前記浮上ブロックの内部を経由して前記浮上ブロックの表面から噴出する気体を用いて、前記浮上ブロックの上方で基材を浮上させる基材浮上装置であって、
前記気体供給部は、基材の長尺方向に関して前記マニホールド部の両端部のみに接続されており、
前記マニホールド部は、基材の長尺方向に関して前記マニホールド部の中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっていることを特徴とする、基材浮上装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を噴出させることにより基材を浮上させる基材浮上装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタ、有機ELなどに代表される画像表示機器を製作する際に画素要素を形成する色素を塗布する方法の一つとして、従来からインクジェット法が提案されている。具体的には、マトリクス状に遮光部が基材上に形成された複数の区画のそれぞれに、塗布ヘッドのノズルからインクを吐出して塗布し、インク層が形成される。
【0003】
近年では、画像表示機器、特に携帯用の画像表示機器に対する耐衝撃性の向上、軽量化、および薄型化等の要求に応えるために、樹脂などの可撓性を有する基材が用いられることも多い。
【0004】
このように可撓性を有する基材は、上記の塗布などの処理が行われる間はロールに巻かれた長尺の帯状の形態を有している場合が多く、この場合、このロール(巻き出しロール)から基材を連続して巻き出し、同時に別のロール(巻き取りロール)で巻き取ることによって基材を搬送するという、いわゆるロールトゥロール方式で基材は搬送されて、インクの塗布などが実施される。そして、一連の処理が実施されたあと、長尺の基材は製品サイズに切断される。
【0005】
図5は、このロールトゥロール方式を採用した塗布システムの概略図である。この塗布システム80において、基材Wが巻き出しロール81から巻き出され、巻き取りロール82に巻き取られることによって所定の張力が付与された状態で搬送され、この搬送経路の途中で口金83が塗布液を基材Wへ吐出することにより、基材Wへの塗布液の塗布が行われる。ここで、巻き出しロール81と巻き取りロール82との間の搬送経路では、基材Wは所定の位置を維持するようにサポートロール84や基材浮上装置85により適宜保持される。
【0006】
この基材浮上装置85は、たとえば下記特許文献1および図6に示すように、多孔質体からなる浮上ブロック91と、基材Wを浮上させる気体を供給する気体供給部92と、浮上ブロック91の下面に接して設けられた空間であるマニホールド部93とを備える形態を有しており、気体供給部92から供給されてマニホールド部93および浮上ブロック91の内部を経由した気体が浮上ブロック91の上面の多数の孔から噴出し、この気体が下方から基材Wに吹き付けられることによって、基材Wが浮上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−41989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年では、上記の通りロールトゥロール方式で基材を搬送するにあたり、基材Wに負荷をかけないことを目的として、基材Wを低い張力で搬送する要求が高まっている。この場合、図6のような基材浮上装置85では浮上ブロック91の端部において基材Wと干渉し、基材Wが傷つくおそれがあった。具体的には、気体供給部92から供給される気体はマニホールド部93を通ることによって、このマニホールド93内である程度流量が平準化されて浮上ブロック91への流入するものの、気体供給部92からマニホールド部93への流入口94に近い部分の方が遠い部分と比べて気体の流量が大きくなる傾向がある。ここで、図6の基材浮上装置85では流入口94がマニホールド部93の中央にあり、また、これに加えてマニホールド部93の端部ではマニホールド部93自身の壁面の影響で気体の流れが遅くなることから、流量を太さで表すようにマニホールド部93内に図示した矢印が示すように、マニホールド部93の両端部における気体の流量は中央部における流量よりも少なくなるため、浮上ブロック91から噴出する気体の噴出量も浮上ブロック91の端部では小さくなってしまう。この端部において、気体の噴出によって基材Wを浮上させる力よりも基材Wが撓む力の方が大きくなった場合、基材Wと基材浮上装置85とが干渉して基材Wが傷つくおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、基材の長尺方向の両端部において基材との干渉を回避しつつ基材を浮上させることのできる基材浮上装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の基材浮上装置は、多孔質体から形成され、表面が基材と対向する浮上ブロックと、前記浮上ブロックを載置する台座部と、前記浮上ブロックが前記台座部に載置された際に前記浮上ブロックと前記台座部との間に形成される空間であるマニホールド部と、前記マニホールド部に接続され、前記マニホールド部に気体を供給する気体供給部と、を備え、前記気体供給部から供給され、前記マニホールド部および前記浮上ブロックの内部を経由して前記浮上ブロックの表面から噴出する気体を用いて、前記浮上ブロックの上方で基材を浮上させる基材浮上装置であって、前記気体供給部は、基材の長尺方向に関して前記マニホールド部の両端部のみに接続されており、前記マニホールド部は、基材の長尺方向に関して前記マニホールド部の中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっていることを特徴としている。
【0011】
上記基材浮上装置によれば、気体供給部は、基材の長尺方向に関してマニホールド部の両端部に接続されていることにより、気体供給部からの気体の流入口に近いマニホールド両端部における気体の流量の方が中央部の流量よりも多くなるため、浮上ブロックの両端部における気体の噴出量を確保して基材との干渉を防ぐことができる。さらに、マニホールド部は、基材の長尺方向に関してマニホールド部の中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっていることにより、基材の長尺方向に関してマニホールド部の中央部では気体が流れにくくなることから、マニホールド部の両端部における気体の流量をさらに中央部の流量よりも大きくすることができ、浮上ブロックの両端部における気体の噴出量をさらに大きくすることができる
【発明の効果】
【0016】
本発明の基材浮上装置によれば、基材の長尺方向の両端部において基材との干渉を回避しつつ基材を浮上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態における基材浮上装置を表す概略図である。
図2】本実施形態の基材浮上装置の正面図である。
図3】他の実施形態における基材浮上装置を表す概略図である。
図4】他の実施形態における基材浮上装置を表す概略図である。
図5】基材浮上装置を備える塗布システムを表す概略図である。
図6】従来の基材浮上装置を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0019】
本発明の一実施形態における基材浮上装置を図1に示す。
【0020】
本実施形態における基材浮上装置1は、浮上ブロック2、気体供給部3、および台座部4を有しており、台座部4に浮上ブロック2が載置された状態において浮上ブロック2と台座部4との間に形成されるマニホールド部5に気体供給部3から気体が供給され、この気体が浮上ブロック2の内部を経由して浮上ブロック2の表面から上向きに噴出することにより、この気体によって基材Wを上方へ浮上させる。
【0021】
なお、基材Wは本実施形態では長尺の帯状の形状を有しており、その両端は図示しない巻き出しロールと巻き取りロールに巻かれている。そして、巻き出しロールによる基材Wの巻き出しと巻き取りロールによる基材Wの巻き取りとが同時に行われることにより、基材Wが基材浮上装置1の上方で搬送される。なお、本説明では、基材浮上装置1の上方で基材Wが搬送される方向をX軸方向、水平面上でX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向の両方に直交する方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向と呼ぶ。
【0022】
浮上ブロック2は、基材Wを浮上させる際に上面が基材Wと対向し、気体供給部3から供給された気体を上方の基材Wに向かって噴出するブロックであり、たとえば、セラミック、アルミニウムなどを材料とする多孔質体から形成されている。多孔質体は、その表面および内部に多数の孔を有し、これらの孔が周囲の孔とつながった形態となるように製造されたものであり、この形態によって高い通気性を有している。この多孔質体から形成される浮上ブロック2に対して気体を吹き付けた場合、この気体は浮上ブロック2の内部の孔を通って、浮上ブロック2の表面の多数の孔から外部に噴出する。
【0023】
ここで、本実施形態では浮上ブロック2の側面の孔はパテなどによって塞がれており、また、浮上ブロック2の下面の外周部は後述の台座部4に接しており、実質的に孔が塞がっている。そのため、浮上ブロック2の下面であり後述のマニホールド部5を形成している部分から流入し、浮上ブロック2の内部を通った気体は、浮上ブロック2の側面や下面からは噴出せずに浮上ブロック2の上面の孔から噴出する。すなわち、基材Wを浮上させる方向にのみ気体が噴出するようになっている。なお、本説明では浮上ブロック2から噴出する気体を鉛直上向きの矢印で模式的に図示しているが、実際は気体が噴出する方向は鉛直上向きに限らず、斜め上向きにも気体は噴出する。
【0024】
気体供給部3は、ポンプ、ブロアなどの気体供給源11および配管12を有し、気体供給源11が送り出した気体が配管12を通ってマニホールド部5へ供給される。なお、本実施形態において基材浮上装置1が基材Wを浮上させるのに用いる気体はたとえば乾燥空気、窒素などであり、この気体が気体供給源11から送り出される。また、配管12はSUSなどの金属製でも良く、また、たとえば樹脂製などの可撓性を有するものであっても構わない。
【0025】
台座部4は、浮上ブロック2を載置することにより浮上ブロック2を下方から支持する台座であり、この台座部4と基材Wの搬送システムとが物理的に連結されることにより、基材浮上装置1が搬送システムに組み込まれている。
【0026】
台座部4の上面において、外周部は浮上ブロック2と当接する面であり、その外周部よりも内側は下方に落ち込んだ形状となっている。この形状を有していることにより、浮上ブロック2が台座部4に載置された際に浮上ブロック2の下面と台座部4との間に閉じた空間が形成される。これを本説明ではマニホールド部5と呼び、マニホールド部5は、その内部全体での気体の流量を平準化させる働きを有する。
【0027】
また、台座部4は、気体供給部3の配管12とも連結されており、配管12と台座部4との連結部からマニホールド部5を形成する面に向かって台座部4には貫通穴13が設けられており、この貫通穴13がマニホールド部5への気体の流入口となっている。これにより、気体供給源11から配管12を通って送られた気体は貫通穴13を通ってマニホールド部5の所定箇所に供給される。
【0028】
ここで、本実施形態では、貫通穴13の開口は、基材Wの長尺方向(X軸方向)に関してマニホールド部5の両端部に設けられており、気体供給部3から送り出された気体は、マニホールド部5の両端部に供給される。
【0029】
なお、本実施形態では、先述の通り台座部4に載置された浮上ブロック2の側面の孔をパテなどにより塞ぐことにより、気体が浮上ブロック2の上面からのみ噴出するようにされているが、このような形態とは別に、台座部4に浮上ブロック2を上方から入れ込むような形態として、台座部4が浮上ブロック2の側面を塞ぐようにしても良い。
【0030】
次に、基材浮上装置1の正面図を図2に示す。
【0031】
本発明にかかる基材浮上装置1では、先述の通り、マニホールド部5への気体の流入口(貫通穴13)が基材Wの長尺方向(X軸方向)に関してマニホールド部5の両端部に設けられている。
【0032】
本来、マニホールド部5はその内部全体において浮上ブロック2へ流入する気体の流量を平準化する働きを有するが、実際には完全に平準化するのは困難であり、マニホールド部5への流入口に近い部分で気体の流量は大きく、そこから離れるにつれて流量は少しずつ小さくなる。そのため、本発明では、流量を太さで表すように図2のマニホールド部5内に図示した矢印が示すように、貫通穴13に最も近いマニホールド部5の両端部において太い矢印で示している通り気体の流量は最も大きくなり、両端部から離れるほど(中央部に近くなるほど)、細い矢印で示している通り流量は小さくなる。
【0033】
これにより、浮上ブロック2の上面における気体の噴出量に関しても、基材Wの長尺方向(X軸方向)に関して両端部における噴出量を中央部における噴出量よりも大きくなり、このような気体の噴出量の分布を有した浮上ブロック2の上方において、基材Wは図1に示したように略水平の形態を有したり、もしくは図2のように両端部が高くなるように反った形態を有しながら浮上する。
【0034】
ここで、本実施形態のように基材Wが長尺な形状を有する場合、特に基材Wが可撓性を有するときにその長尺方向(X軸方向)において両端が垂れ下がるように撓み変形する挙動を示す可能性があるため、仮に第2の浮上領域22における基材Wを浮上させる力が小さ過ぎる場合には、基材Wが自重により垂れ下がる力に基材Wを浮上させる力が負けて、浮上ブロック2の端部が基材Wと干渉するおそれがある。これに対し、本発明では浮上ブロック2の両端部において中央部以上の気体の噴出量を確保できるため、基材Wとの干渉を回避することができる。
【0035】
また、本実施形態では図2に示すように、マニホールド部5の底面の形状は基材Wの長尺方向(X軸方向)に関して中心部に近くなるほど高くなっている。これにより、マニホールド部5は、中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっている。このような形状を有することにより、マニホールド部5の中央部では気体が流れにくくなることから、マニホールド部5の両端部における気体の流量をさらに中央部の流量よりも大きくすることができ、浮上ブロック2の両端部における気体の噴出量をさらに大きくすることができる。
【0036】
図3は他の実施形態における基材浮上装置1である。本実施形態では、図2に示すようにマニホールド部5の底面の形状が基材Wの長尺方向(X軸方向)に関して中心部に近くなるほど高くなっていることによって、マニホールド部5は中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっているのに対し、この実施形態では、浮上ブロック2の下面の形状が中心部に近くなるほど低くなっていることによって、マニホールド部5は中央部に近いほど鉛直方向の寸法が狭くなっている。
【0037】
このような形状であっても、本実施形態と同様に浮上ブロック2の両端部における気体の噴出量をさらに大きくする効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、図3に示すように浮上ブロック2の厚さが中央部に近いほど大きくなっているため、浮上ブロック2を通る気体が浮上ブロック2によって受ける圧力損失は中央部に近いほど大きい。このことからも、浮上ブロック2の両端部における気体の噴出量が中央部における噴出量に対して大きくなる効果が得られる。
【0038】
以上に説明した基材浮上装置により、基材の長尺方向の両端部において基材との干渉を回避しつつ基材を浮上させることが可能である。
【0039】
なお、以上の説明ではロールトゥロール方式で搬送される帯状の基材Wを浮上させる実施形態を示しているが、これに限らず、たとえばガラス基板のような矩形状の基材を浮上させるために本発明にかかる基材浮上装置1が用いられても良い。
【0040】
また、以上の説明では基材の長尺方向に関してマニホールド部の両端部のみに接続されている例を示したが、それには限られず、両端部に加えてそれら以外の部分と接続されても構わない。
【0041】
図4に示す実施例は、マニホールド部の両端部とそれら以外の部分とで気体供給部が接続されたものである。
【0042】
この実施例では、マニホールド部は隔壁21により3つの小マニホールド部(小マニホールド部5a、小マニホールド部5b、小マニホールド部5c)に区画されており、マニホールド部の両端部にあたる小マニホールド部5a、小マニホールド部5b以外の小マニホールド部(小マニホールド部5c)にも貫通穴が設けられ、そこにも配管12を通じて気体が供給される。
【0043】
ここで、各貫通穴13に向かって分岐した配管12のそれぞれにはバルブ14が設けられており、これらバルブ14によって、各小マニホールド部へ流入する気体の流量が調節されている。具体的には、マニホールド部の両端部にあたる小マニホールド部5a、小マニホールド部5bを経由して浮上ブロック2から噴出する気体の噴出量が他の小マニホールド部5cを経由して浮上ブロック2から噴出する気体の噴出量よりも大きくなるように気体の流量が調節されている。
【0044】
このように、基材の長尺方向に関してマニホールド部を複数の小マニホールド部に区画し、両端の小マニホールド部を経由して浮上ブロックから噴出する気体の噴出量が他の小マニホールド部を経由して前記浮上ブロックから噴出する気体の噴出量よりも大きくなるように気体の流量を調節しながら各小マニホールド部へ気体を供給することにより、先述の実施形態と同様に基材の長尺方向に関して浮上ブロック端部における気体の噴出量を中央部の噴出量より大きくすることができ、浮上ブロック端部での基材との干渉を防ぐことができる。
【0045】
なお、図4に示す実施形態では、隔壁21はマニホールド部の底面と浮上ブロック2の両方に接続されているが、そうではなく多少隙間を有していても構わない。また、図4に示す実施形態では、図示しない1つの気体供給源から各小マニホールド部へ配管を分岐して気体を供給し、バルブ14で流量の調節を行っているが、そうではなく、たとえば両端の小マニホールド部用とそれ以外の小マニホールド部用のように、複数の気体供給源を準備し、これらの気体供給源の出力に差を持たせることにより浮上ブロック端部における気体の噴出量を中央部の噴出量より大きくするようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 基材浮上装置
2 浮上ブロック
3 気体供給部
4 台座部
5 マニホールド部
5a 小マニホールド部
5b 小マニホールド部
5c 小マニホールド部
11 気体供給源
12 配管
13 貫通穴
14 バルブ
21 隔壁
80 塗布システム
81 巻き出しロール
82 巻き取りロール
83 口金
84 サポートロール
85 基材浮上装置
91 浮上ブロック
92 気体供給部
93 マニホールド部
94 流入口
W 基材
図1
図2
図3
図4
図5
図6