(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368510
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】PC箱桁橋と、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法
(51)【国際特許分類】
E01D 1/00 20060101AFI20180723BHJP
E01D 21/00 20060101ALI20180723BHJP
E01D 19/10 20060101ALI20180723BHJP
E01D 19/12 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
E01D1/00 D
E01D21/00 Z
E01D19/10
E01D19/12
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-56802(P2014-56802)
(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公開番号】特開2015-178741(P2015-178741A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】松岡 由高
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英夫
(72)【発明者】
【氏名】笠倉 和義
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 紀彦
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−355906(JP,A)
【文献】
特開2006−316580(JP,A)
【文献】
特開2003−251623(JP,A)
【文献】
特開2003−055916(JP,A)
【文献】
特開昭61−024799(JP,A)
【文献】
特開2002−038420(JP,A)
【文献】
米国特許第04912794(US,A)
【文献】
米国特許第05596856(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形鋼板と、波形鋼板に接続された鋼フランジと、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブおよびスタッドジベルと、パーフォボンドリブが埋設される下床板コンクリートと、を少なくとも備えたPC箱桁橋であって、
パーフォボンドリブには、鋼フランジとの境界領域から下方に延びた縦長の孔が設けてあり、縦長の孔が、鉄筋挿通用の孔と下床板コンクリートを施工する際の空気抜き孔を兼用しており、縦長の孔の下方位置に鉄筋が挿通されているPC箱桁橋。
【請求項2】
波形鋼板と、波形鋼板に接続された鋼フランジと、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブおよびスタッドジベルと、パーフォボンドリブが埋設される下床板コンクリートと、を少なくとも備えたPC箱桁橋において、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する施工方法であって、
パーフォボンドリブには、鋼フランジとの境界領域から下方に延びた縦長の孔であって、鉄筋挿通用の孔と下床板コンクリートを施工する際の空気抜き孔を兼用している縦長の孔が設けてあり、
縦長の孔の下方位置に鉄筋を挿通するとともに波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に型枠を組み、
型枠内にフレッシュコンクリートを充填し、縦長の孔を介して上方に空気を抜きながら型枠内にフレッシュコンクリートを満たし、硬化させて下床板コンクリートを施工する、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC箱桁橋と、このPC箱桁橋を構成する波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PC橋に関し、コンクリートウェブを波形鋼板に置き換えた波形鋼板ウェブ橋は、主桁重量の軽減と波形鋼板の奏するアコーディオン効果や高いせん断座屈性能によって、プレストレスの高い導入効率に起因する優れた施工性と、補剛材等を省略できることに起因する優れた経済性の双方を有する構造体である。たとえば特許文献1に波形鋼板を適用したPC箱桁橋に関する技術が開示されている。
【0003】
ここで、従来のPC箱桁橋の構成を
図5に示す。同図で示すように、PC箱桁橋Bは、上床板コンクリートS1と下床板コンクリートS2を左右の波形鋼板Wが繋ぎ、橋軸直角方向の縦断面において箱型形状を呈している。
【0004】
図示するPC箱桁橋Bにおいて、波形鋼板Wと下床板コンクリートS2の接続部(
図5のVI部)の構成を
図6を用いて説明する。なお、
図6では、理解を容易とするために下床板コンクリートの図示を省略している。
【0005】
波形鋼板Wの下端は鋼フランジFと接続されており、鋼フランジFの下面には、中央位置にパーフォボンドリブRが取り付けられ、その左右位置には多数のスタッドジベルSDが取り付けられている。
【0006】
パーフォボンドリブRには鉄筋RSが貫通する孔Raが開設され、ここに不図示の鉄筋が挿通された状態で、パーフォボンドリブRと多数のスタッドジベルSDが下床板コンクリートS2内に埋設され、鋼フランジFを介して波形鋼板Wと下床板コンクリートS2の接続が図られている。
【0007】
図6で示すように、鋼フランジFには多数の孔Faが開設されており、この孔Faを介して、下床板コンクリート施工時に生じ得る空気が抜かれるようになっている。この空気抜き用の孔Faはたとえばその径がφ30mm程度の大きさで、波形鋼板の一波長当たり数個の頻度で形成されている。この空気抜き用の孔Faを介してコンクリート打設時の空気が抜かれることを、
図7を参照してさらに説明する。
【0008】
同図で示すように、波形鋼板Wと接続されている鋼フランジFの下方に型枠Kを組み、フレッシュコンクリートCを型枠K内に充填する。このフレッシュコンクリートCの充填の際に、型枠K内の空気はコンクリートCで片押しされて移動する。仮に鋼フランジFに孔Faが開設されていないと、移動した空気は鋼フランジFの下方にその一部が留まり、空気溜りを生じてしまう。
【0009】
従来の施工においては、鋼フランジFに孔Faが開設されていることで、コンクリートCで押されて移動した空気は孔Faを介して上方に排出され(X方向)、鋼フランジFの下方に空気溜りが生じるのを解消することができる。
【0010】
しかしながら、この従来の施工方法では、鋼フランジFに孔Faが開設されていることで以下のような課題が生じることが分かった。この新たな課題を
図8を参照して説明する。
【0011】
フレッシュコンクリートCが硬化して下床板コンクリートS2が形成された際に、コンクリートの硬化過程でその水分が上方に移動し、骨材等が下方へ移動する関係上、下床板コンクリートS2の上面には若干の陥没箇所が生じてしまう。そして、この陥没箇所が鋼フランジFの下方に存在する場合は、ここが空隙Gとなり、孔Faを介してこの空隙Gに水溜りが生じてしまう。
【0012】
この水溜りの発生を抑止するべく、この空隙Gに樹脂を充填する後施工を実施することがおこなわれているが、この充填された樹脂の耐久性に疑問があり、コンクリートに比して樹脂部分が早期に経年劣化した際には新たに水溜りが生じる可能性が高い。
【0013】
また、仮に、コンクリートの硬化過程で下床板コンクリートS2の上面に隙間Gが生じなかったとしても、鋼フランジFの孔Faを介して水が下床板コンクリートS2の上面に流れ込み、スタッドジベルSDや鉄筋RSの腐食の原因となることは否めない。
【0014】
このように、下床板コンクリートS2の施工時に問題となる空気抜きを保証するべく、鋼フランジFに多数の孔Faを開設していることで、この孔Faを介して下床板コンクリートS2の上面に水溜りを生じさせてしまうというのが新たな課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−316589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを備えたPC箱桁橋に関し、鋼フランジの下方の下床板コンクリート上面に水溜りが生じることなく、したがって、耐久性の高いPC箱桁橋と、このPC箱桁橋を構成する波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成すべく、本発明によるPC箱桁橋は、波形鋼板と、波形鋼板に接続された鋼フランジと、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブおよびスタッドジベルと、パーフォボンドリブが埋設される下床板コンクリートと、を少なくとも備えたPC箱桁橋であって、パーフォボンドリブには、鉄筋を貫通させる第1の孔と、鋼フランジとの境界領域に開設された第2の孔が設けてあり、第2の孔は、下床板コンクリートを施工する際の空気抜き孔となっているものである。
【0018】
本発明のPC箱桁橋は、鋼フランジに下床板コンクリート施工時の空気抜き孔を開設する代わりに、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブの鋼フランジとの境界領域に空気抜き孔(第2の孔)が開設されている点に特徴を有するものである。
【0019】
鋼フランジに空気抜き孔が開設されていないことから、この空気抜き孔を介して鋼フランジの下方に水が入り込み、水溜りを生じるといった課題は生じ得ないし、下床板コンクリートの硬化過程でその上面であって鋼フランジの下方位置に空隙が仮に生じた場合でも、この空隙に樹脂を注入するといった後施工をおこなう必要はない。
【0020】
また、パーフォボンドリブの鋼フランジとの境界領域に空気抜き孔(第2の孔)が開設されていることにより、型枠内に充填されたフレッシュコンクリートによって片押しされた空気はこの空気抜き孔を介して移動し、鋼フランジと型枠の間の空間を介して上方に排出されることになり、鋼フランジの下方にコンクリート打設時の空気溜りが生じるのを解消することができる。
【0021】
ここで、パーフォボンドリブにおいて、鉄筋が貫通する第1の孔はリブの縦方向の幅の中央付近の位置に開設され、空気抜き用の第2の孔はリブの上縁、すなわち鋼フランジとの境界領域に開設されている。空気抜き用の第2の孔がリブの上縁に開設されていることで、コンクリート充填時に上方に集まり易い空気の逃げ場として好適となる。
【0022】
ここで、前記第1の孔が鋼フランジとの境界領域から下方に延びた細長の孔であり、前記第2の孔が該第1の孔に含まれている実施の形態であってもよい。
【0023】
この形態によれば、第1の孔と第2の孔の加工位置をそれぞれ調整して個別に加工する必要がなくなり、空気抜き用の開口と鉄筋挿通用の開口を同時に加工できることから加工時間の短縮に繋がる。
【0024】
また、本発明はPC箱桁橋を構成する波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法にも及ぶものであり、この施工方法は、波形鋼板と、波形鋼板に接続された鋼フランジと、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブおよびスタッドジベルと、パーフォボンドリブが埋設される下床板コンクリートと、を少なくとも備えたPC箱桁橋において、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する施工方法であって、パーフォボンドリブには、鉄筋を貫通させる第1の孔と、鋼フランジとの境界領域に開設された第2の孔が設けてあり、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に型枠を組み、型枠内にフレッシュコンクリートを充填し、第2の孔を介して上方に空気を抜きながら型枠内にフレッシュコンクリートを満たし、硬化させて下床板コンクリートを施工するものである。
【0025】
本発明の施工方法によれば、型枠内に充填されたフレッシュコンクリートによって片押しされた空気をパーフォボンドリブにおける鋼フランジとの境界領域に開設された第2の孔を介して移動させ、鋼フランジと型枠の間の空間を介して上方に排出することにより、鋼フランジの下方に空気溜りと水溜りが生じるのを解消しながら、耐久性の高いPC箱桁橋を製造することができる。
【0026】
なお、この施工方法においても、第1の孔が鋼フランジとの境界領域から下方に延びた細長の孔であって第2の孔が第1の孔に含まれている実施の形態を適用することで、孔の加工手間が低減され、施工コストの削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上の説明から理解できるように、本発明のPC箱桁橋と、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法によれば、鋼フランジに下床板コンクリート施工時の空気抜き孔を開設する代わりに、鋼フランジの下面から下方に延びるパーフォボンドリブの鋼フランジとの境界領域に空気抜き孔(第2の孔)が開設されていることにより、型枠内に充填されたフレッシュコンクリートによって片押しされた空気をパーフォボンドリブにおける鋼フランジとの境界領域に開設された第2の孔を介して移動させ、鋼フランジと型枠の間の空間を介して上方に排出することにより、鋼フランジの下方に空気溜りと水溜りが生じるのを解消しながら、耐久性の高いPC箱桁橋を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明のPC箱桁橋を構成する、波形鋼板とリブ付き鋼フランジの接続体を斜め下方から見た斜視図である。
【
図2】(a)、(b)はともに、リブ付き鋼フランジの実施の形態の側面図である。
【
図3】波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法を説明した模式図である。
【
図4】製造された、波形鋼板に接続された鋼フランジと下床板コンクリートの接続構造を示した模式図である。
【
図6】
図5のVI部の拡大図であって、PC箱桁橋を構成する、波形鋼板とリブ付き鋼フランジの接続体を斜め下方から見た斜視図である。
【
図7】従来のPC箱桁橋において、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法を説明した模式図である。
【
図8】従来のPC箱桁橋において、製造された、波形鋼板に接続された鋼フランジと下床板コンクリートの接続構造を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法と、PC箱桁橋の実施の形態を説明する。
【0030】
(波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法の実施の形態)
図1は本発明のPC箱桁橋を構成する、波形鋼板とリブ付き鋼フランジの接続体を斜め下方から見た斜視図であり、
図3は波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法を説明した模式図である。
【0031】
まず、
図1を参照してリブ付き鋼フランジの構成を説明する。同図で示すように、本発明の施工方法で適用されるリブ付き鋼フランジ3は、鋼フランジ1の下面中央位置に下方に延びるパーフォボンドリブ2が接続され、その両サイドにスタッドジベル4が接続されてその全体が構成されている。そして、鋼フランジ1の上面中央位置に波形鋼板5が接続されている。
【0032】
パーフォボンドリブ2には、その高さ方向の中央付近に二点鎖線で示した鉄筋6が挿通される第1の孔2aがリブの長手方向に間隔を置いて開設され、その上縁の鋼フランジとの境界領域に第2の孔2bが同様にリブの長手方向に間隔を置いて開設されている。
【0033】
この第2の孔2bは、下床板コンクリートを施工する際の空気抜き孔としての機能を奏する。
【0034】
すなわち、従来のリブ付き鋼フランジにおいては、鋼フランジに空気抜き孔が開設されていたのに対して、図示するリブ付き鋼フランジ3では、鋼フランジに空気抜き孔を開設せず、その代わりにパーフォボンドリブ2の鋼フランジとの境界領域に空気抜き孔を開設したものである。
【0035】
ここで、
図2a、bにはリブ付き鋼フランジの2つの実施の形態を側面図で示している。
【0036】
図2aで示すリブ付き鋼フランジ3は、
図1で記載したものを側面図で示してたものであり、パーフォボンドリブ2において、鉄筋6が挿通される第1の孔2aと、空気抜き用の第2の孔2bは個別に加工されている。たとえば、リブの高さが125mmの場合に、リブの上縁から70mm程度の位置(中央位置より若干下方の位置)にφ50mmの第1の孔2aが加工され、第1の孔2aの上方でリブの上縁にφ20〜30mm相当の円形もしくは縦長の第2の孔2bが加工される実施例を挙げることができる。
【0037】
一方、
図2bで示すリブ付き鋼フランジ3Aは、リブの上縁から縦長の第1の孔2a’が加工され、この第1の孔2a’が鉄筋6挿通用の孔と空気抜き孔を兼用するものとなっている。このリブ付き鋼フランジ3Aによれば、第1の孔と第2の孔の加工位置をそれぞれ調整して個別に加工する必要がなくなり、空気抜き用の開口と鉄筋挿通用の開口を同時に加工できることから加工時間の短縮に繋がる。
【0038】
次に、
図3を参照して、波形鋼板に接続された鋼フランジの下方に下床板コンクリートを施工する方法を説明する。
【0039】
波形鋼板5に接続されたリブ付き鋼フランジ3を構成する鋼フランジ1の下方に型枠Kを組み、型枠K内にフレッシュコンクリートCを充填する。
【0040】
型枠K内に充填されたフレッシュコンクリートCにより、型枠K内にある空気は片押しされ、パーフォボンドリブ2の鋼フランジとの境界領域に開設されている第2の孔2bを介し(Y方向)、鋼フランジ1と型枠Kの間の空間を介して上方に排出される。したがって、鋼フランジ1の下方に空気溜りが生じるのを解消しながら、型枠K内にフレッシュコンクリートCを満たすことができる。
【0041】
そして、図示する鋼フランジ1は従来のリブ付き鋼フランジのように空気抜き孔が開設されたものでないことから、鋼フランジに設けられた空気抜き孔を介して水が下床板コンクリートの上面に進入し、水溜りが生じるといった課題も生じ得ない。
【0042】
図3で示す施工方法により、
図4で示すように、施工された下床板コンクリート7の上面には空気溜りがなく、また、鋼フランジ1の下方に水溜りのない、波形鋼板5に接続された鋼フランジ1と下床板コンクリート7の接続構造体が形成される。
【0043】
なお、フレッシュコンクリートの硬化過程で下床板コンクリート7の上面が若干沈み込み、下床板コンクリート7の上面と鋼フランジ1の間に隙間が生じる場合であっても、鋼フランジ1に空気抜き孔が開設されていないことで、この隙間が水溜りになることはない。
【0044】
図示を省略するが、
図4で示す波形鋼板5に接続された鋼フランジ1と下床板コンクリート7の接続構造体を備え、さらに、左右の波形鋼板5で上床板コンクリートが支持されて、本発明のPC箱桁橋が形成される。
【0045】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1…鋼フランジ、2…パーフォボンドリブ、2a、2a’…第1の孔、2b…第2の孔、3,3A…リブ付き鋼フランジ、4…スタッドジベル、5…波形鋼板、6…鉄筋、7…下床板コンクリート、K…型枠、C…フレッシュコンクリート