【文献】
勝倉 真 他,ライフログによる居住者安否確認システムの開発,FIT2013 第12回情報科学技術フォーラム 講演論文集 第4分冊 査読付き論文・一般論文,日本,一般社団法人情報処理学会,2013年 8月20日,p.659〜663
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態による見守りシステム1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による見守りシステム1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、見守りシステム1は、AP(アプリケーション)サーバ装置10、緊急通報装置21、シート型センサー22、計測機器23、端末装置24、DB(データベース)サーバ装置30、及び見守り端末装置40を備えている。
なお、APサーバ装置10、緊急通報装置21、シート型センサー22、計測機器23、端末装置24、DBサーバ装置30、及び見守り端末装置40は、ネットワークNWを介して互いに接続され、データ通信を行うことができる。
【0017】
また、緊急通報装置21、シート型センサー22、計測機器23、及び端末装置24は、対象者宅2内にあるものとし、APサーバ装置10及びDBサーバ装置30は、データセンター3に設置されているものとして説明する。また、見守り端末装置40は、コールセンター4に設置されているものとして説明する。
ここで、対象者(利用者)とは、例えば、高齢者など、見守りシステム1において、緊急事態の検知や安否確認を行う対象となる者のことであり、対象者宅2とは、対象者が居住する場所又は建物のことである。なお、
図1には、説明上、1つの対象者宅2を記載しているが、複数の対象者それぞれに対応した複数の対象者宅2があるものとする。
【0018】
また、コールセンター4は、例えば、病院、医療機関などの見守り拠点であり、例えば、看護師などが見守りシステム1を利用して対象者を見守る作業を行う場所又は建物である。また、コールセンター4において、見守りシステム1を利用して対象者を見守る作業を行う者をオペレータと称して以下説明する。また、データセンター3は、見守りシステム1において利用する各種データを記憶するとともに、見守りシステム1の各種処理を実行する場所又は建物のことである。
【0019】
緊急通報装置21は、対象者がボタンを押下するなどの操作することにより、対象者の緊急事態を示す緊急通報を、有線通信又は無線通信により、データセンター3のAPサーバ装置10に通報する装置である。緊急通報装置21は、対象者が携帯可能なものであってもよいし、対象者宅2に備えられているものでもよい。また、緊急通報装置21は、対象者が携帯可能なものである場合には、例えば、加速度センサー及びGPS(Global Positioning System)機能を有しているものとする。この場合、緊急通報装置21は、GPS機能を利用して対象者の位置情報を検出し、対象者が予め定められた範囲を超えて移動した場合に、緊急通報をAPサーバ装置10に通報する。また、緊急通報装置21は、加速度センサーを利用して、対象者が転倒したおそれがあるなどが考えられる場合に、緊急通報をAPサーバ装置10に通報する。
【0020】
また、緊急通報装置21は、検出した位置情報や加速度データなどを、定期的にデータセンター3のDBサーバ装置30にネットワークNWを介して送信して、DBサーバ装置30に記憶させる。なお、送信する位置情報や加速度データなどのデータは、対象者が生活(活動)していることを示す活動データ(活動情報)として、DBサーバ装置30に記憶される。
【0021】
シート型センサー22は、例えば、ベッドのマットレスの下等に設置するセンサーであり、対象者がベッドに寝るだけで、対象者の心拍数、呼吸数、体動レベルを連続的に検出するとともに、対象者の在床(就寝)及び離床(起床)の時刻などを検出可能である。シート型センサー22は、検出したデータをDBサーバ装置30にネットワークNWを介して送信して、活動データとして、DBサーバ装置30に記憶される。なお、心拍数、呼吸数、及び体動レベルは、人体の現在の状態を示す数値情報であるバイタルデータに含まれる。
【0022】
計測機器23は、例えば、血圧計、体温計、血糖計、パルスオキシメータなどの機器であり、対象者の血圧、体温、血糖値、動脈血の酸素飽和度などのデータを計測し、計測したデータをDBサーバ装置30にネットワークNWを介して送信して、活動データとして、DBサーバ装置30に記憶される。
なお、
図1には、説明上、1台の計測機器23を記載しているが、対象者宅2内には、複数の計測機器23(複数種類の計測機器23)が配置されており、様々のデータを計測し、活動データ(複数種類の活動データ)としてDBサーバ装置30にネットワークNWを介して送信する。
【0023】
端末装置24は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどの装置であり、対象者によって、服薬をおこなったことを示す情報の入力、自覚症状の入力などが行われる。端末装置24は、入力された各種情報を活動データとして、DBサーバ装置30にネットワークNWを介して送信する。
なお、本実施形態では、一例として、端末装置24が、スマートフォンなどの携帯電話である場合について説明する。端末装置24は、対象者に携帯されているものとする。
【0024】
DBサーバ装置30は、見守りシステム1で利用する各種データを記憶する記憶装置である。DBサーバ装置30は、記憶部31を備えており、記憶部31は、対象者記憶部311と、活動データ記憶部312とを備えている。
【0025】
対象者記憶部311は、対象者に関する情報(対象者情報)を記憶する。対象者記憶部311は、例えば、対象者を識別する識別情報(例えば、ユーザID、名前など)と、対象者の電話番号と、見守り拠点を識別する識別情報と、担当の医師を識別する識別情報と、緊急事態の場合の連絡先を示す情報とを関連付けて記憶する。ここで、
図2を参照して、対象者記憶部311が記憶するデータ例について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態における対象者記憶部311のデータ例を示す図である。
この図に示すように、対象者記憶部311は、「UID」と、「名前」と、「電話番号」と、「見守り拠点UID」と、「医師UID」と、「連絡先」とを関連付けて記憶している。ここで、「UID」は、対象者を識別するユーザIDであり、「名前」は、対象者の名前を示している。また、「見守り拠点UID」は、コールセンター4を識別する識別情報であり、「医師UID」は、担当の医師を識別する識別情報である。また、「連絡先」は、緊急時(緊急事態)における対象者以外の連絡先を示している。なお、「連絡先」には、対象者との間柄(関係)を示す「関係」と、SMS(Short Message Service)の宛先である携帯電話番号を示す「SMS番号」とが含まれる。
【0027】
図2に示す例では、「UID」が、例えば、“toyosu1”である対象者は、「名前」が“豊洲一郎”であり、「電話番号」が“080−2222−000X”であることを示している。また、この対象者は、「見守り拠点UID」が“ntthosp1”であり、「医師UID」が“doctor1”であることを示している。また、「連絡先」は、“妻”であり、「SMS番号」が“080−2222−111X”であることを示している。
このように、対象者記憶部311には、対象者に関する情報が予め記憶されている。
【0028】
図1の説明に戻り、活動データ記憶部312は、少なくともバイタルデータを含む複数種類の活動データを、対象者ごとの時系列な履歴情報として記憶する。活動データ記憶部312は、例えば、上述した、緊急通報装置21、シート型センサー22、計測機器23、及び端末装置24から送信された様々な活動データと、時刻情報(例えば、日付及び時刻)と、対象者のユーザIDと関連付けて記憶する。ここで、
図3及び
図4を参照して、活動データ記憶部312が記憶するデータ例について説明する。
【0029】
図3は、本実施形態における活動データ記憶部312におけるバイタルデータの記憶例を示す図である。ここでは、バイタルデータの一例として、心拍数の記憶例について説明する。
図3に示すように、活動データ記憶部312は、「UID」と、「日時」と、「心拍(bpm:Beats Per Minute)」とを関連付けて記憶する。ここで、「UID」は、上述した対象者のユーザIDであり、「日時」は、時刻情報(例えば、「日付」及び「時刻」)を示している。また、「心拍(bpm)」は、心拍数を示している。
図3に示す例では、「UID」が、例えば、“toyosu1”である対象者において、「日付」が“2014−01−20”で「時刻」が“23:20:13”に、「心拍(bpm)」が“74”であることを示している。
【0030】
また、
図4は、本実施形態における活動データ記憶部312における服薬情報の記憶例を示す図である。
図4に示すように、活動データ記憶部312は、「UID」と、「薬名称」と、「服薬日時」とを関連付けて記憶する。ここで、「UID」は、上述した対象者のユーザIDであり、「服薬日時」は、対象者が薬を服薬した時刻情報(例えば、「日付」及び「時刻」)を示している。また、「薬名称」は、服薬した薬名を示している。
図4に示す例では、「UID」が、例えば、“toyosu1”である対象者において、「日付」が“2014−01−20”で「時刻」が“23:17:13”に、“胃薬”が服薬されたことを示している。なお、このような服薬情報を活動データとして、活動データ記憶部312に記憶させることにより、対象者が服薬という活動を行っており、緊急事態などの異常が発生していないことを知ることができる。
【0031】
再び、
図1の説明に戻り、APサーバ装置10(サーバ装置の一例)は、見守りシステム1において、例えば、対象者の異常を検知する処理、対象者に安否確認を行う優先順位付けを行う処理、及び、見守り端末装置40で表示する対象者のリストを生成する処理などを実行するコンピュータ装置である。APサーバ装置10は、記憶部11と、制御部12とを備えている。
【0032】
記憶部11は、APサーバ装置10が実行する各種処理に利用する情報を記憶する。記憶部11は、例えば、優先度記憶部111と、リスト記憶部112とを備えている。
優先度記憶部111は、対象者に安否確認を行う優先度(すなわち、対象者が緊急事態にあると検知する優先度)を対象者ごとに記憶する。優先度記憶部111は、例えば、対象者を識別する識別情報(ユーザID)と、優先度を示す優先度情報とを関連付けて記憶する。ここで、
図5を参照して、優先度記憶部111が記憶するデータ例について説明する。
【0033】
図5は、本実施形態における優先度記憶部111のデータ例を示す図である。
図5に示すように、優先度記憶部111は、「UID」と、「優先度」とを関連付けて記憶する。ここで、「優先度」は、上述した優先度を示す優先度情報である。なお、優先度情報の値(優先度)が高い程、対象者が緊急事態である可能性が増し、優先度情報の値(優先度)が低い程、対象者が緊急事態である可能性が減るものとする。
図5に示す例では、「UID」が“toyosu1”である対象者の「優先度」が“2”であり、「UID」が“toyosu2”である対象者よりも、優先度が高いことを示している。
【0034】
再び、
図1の説明に戻り、リスト記憶部112は、対象者を上述した優先度に応じて優先順位付けして、例えば、優先度を高い順に並べ替えた(ソートした)対象者のリスト(一覧)を記憶する。リスト記憶部112が記憶する対象者のリストは、見守り端末装置40に表示され、対象者の安否確認を行う際に利用される。なお、対象者のリストの具体例については、後述する。
【0035】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、APサーバ装置10を統括的に制御する。制御部12は、例えば、活動データ記憶部312から対象者ごとの複数種類の活動情報を取得し、取得した対象者ごとの複数種類の活動情報に基づいて、優先度を示す優先度情報を対象者ごとに生成し、生成した優先度情報に応じて、対象者を順位付けする。
【0036】
具体的に、制御部12は、例えば、心拍、呼吸、血圧、体温、血糖値、動脈血の酸素飽和度などのバイタルデータが所定の範囲外になった場合に、優先度情報の優先度を上げる。また、制御部12は、例えば、過去に取得した活動データと、新たに取得した活動データとの比較結果に基づいて、優先度情報の優先度を変更する。そして、制御部12は、生成した優先度情報の優先度に応じて、対象者を順位付けしたリストを生成し、生成したリストを、見守り端末装置40にネットワークNWを介して送信する。
また、制御部12は、データ取得部121、優先度処理部122、リスト生成部123、及びリスト出力部124を備えている。
【0037】
データ取得部121は、制御部12の処理に利用する各種データを取得する。データ取得部121は、例えば、DBサーバ装置30の対象者記憶部311が記憶する対象者情報を取得する。また、データ取得部121は、例えば、DBサーバ装置30の活動データ記憶部312が記憶する活動データを取得する。すなわち、データ取得部121は、例えば、DBサーバ装置30の活動データ記憶部312が記憶する活動データを対象者ごとに取得する。
【0038】
優先度処理部122は、取得した対象者ごとの複数種類の活動情報に基づいて、対象者が緊急事態にあると検知する優先度を示す優先度情報を対象者ごとに生成し、生成した優先度情報に応じて、対象者を順位付けする処理を行う。優先度処理部122は、例えば、以下の7つの処理により、優先度情報を変更する。
【0039】
<緊急通報処理>
優先度処理部122は、緊急通報装置21からの緊急通報をAPサーバ装置10が受信した場合に、例えば、受信したユーザIDの優先度を“+5”して、優先度を高める。
【0040】
<閾値チェック>
優先度処理部122は、活動データ記憶部312から取得した、心拍、呼吸、血圧、体温、血糖値、動脈血の酸素飽和度などのバイタルデータが、予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。なお、活動データ記憶部312から取得したバイタルデータは、シート型センサー22及び計測機器23が計測したデータである。優先度処理部122は、バイタルデータが、予め設定された閾値を超えている場合に、バイタルデータに対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。
【0041】
<トレンドチェック>
優先度処理部122は、直近の活動データを対象者ごとに取得し、生活パターンや心拍数、呼吸数の平均値及び標準偏差値などのトレンド(傾向)を算出する。優先度処理部122は、過去のトレンドと、取得した活動データとを比較して、過去のトレンドの所定の範囲から外れている場合に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。例えば、優先度処理部122は、日ごとのバイタルデータの平均値及び標準偏差値(統計量の一例)を対象者ごとに算出する。優先度処理部122は、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値と、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値とに基づいて、優先度情報の優先度を変更する。具体的には、優先度処理部122は、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値と、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値とを比較して、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値が、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値から所定の閾値以上変化があった場合に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。
【0042】
また、優先度処理部122は、数日前と比較して、バイタルデータの漸増傾向、又は漸減傾向があるか否かを判定し、漸増傾向、又は漸減傾向がある場合に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。例えば、優先度処理部122は、バイタルデータが、上述した閾値チェックの閾値に近づいて行く傾向にある場合には、対象者が要注意の状態であると判定し、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。このように、優先度処理部122は、バイタルデータの経時変化に基づいて、優先度情報の優先度を変更する。
【0043】
<生活リズムチェック>
優先度処理部122は、時間帯ごとの在床・離床の傾向(確率)を算出し、算出した在床・離床の傾向(確率)から、当日の在床・離床パターンが外れている場合に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。
【0044】
<孤独死リスクチェック>
優先度処理部122は、在床する時間帯になっても在床になっていない場合、且つ、日中の活動データがない場合に、孤独死の恐れがあると判定し、対応するユーザIDの優先度を“+1”して、優先度を高める。
【0045】
<自覚症状チェック>
優先度処理部122は、対象者自身が、端末装置24から入力した自覚症状が「健康」以外である場合に、対応するユーザIDの優先度を“+2”して、優先度を高める。
【0046】
<確認済チェック>
優先度処理部122は、コールセンター4のオペレータによって、安否確認が行われてから一定期間内である場合に、対応するユーザIDの優先度を“0”にして、優先度を低くめる。すなわち、優先度処理部122は、対象者に対して安否確認が行われた場合に、優先度情報の優先度を下げる。
【0047】
リスト生成部123は、優先度処理部122が変更した優先度情報の優先度に基づいて、対象者を順位付けする。すなわち、リスト生成部123は、優先度順に対象者をソートした対象者のリスト(一覧)を生成し、生成した対象者のリストをリスト記憶部112に記憶させる。
【0048】
リスト出力部124は、リスト生成部123が生成した対象者のリストをリスト記憶部112から取得し、例えば、ウェブ表示形式(HTML形式)で、ネットワークNWを介して見守り端末装置40に出力する。
【0049】
見守り端末装置40(表示装置の一例)は、オペレータが操作することにより、対象者の見守る作業を行うための端末装置である。見守り端末装置40は、例えば、制御部12が順位付けた順位付けに基づく対象者のリストを表示する。なお、
図1には、説明上、1台の見守り端末装置40を記載しているが、コールセンター4内には、複数の見守り端末装置40が配置されていてもよい。
また、見守り端末装置40は、操作部41、表示部42、記憶部43、及び制御部44を備えている。
【0050】
操作部41は、例えば、キーボードやマウスなどオペレータにより操作される入力装置である。操作部41は、オペレータの操作に伴う各種情報を取得する。
表示部42は、例えば、液晶表示装置などの表示装置であり、対象者のリストや、対象者の状態を確認するための最新の活動データなどの各種データを表示する。
記憶部43は、見守り端末装置40の各種処理に利用される情報を記憶する。記憶部43は、例えば、APサーバ装置10から取得した対象者のリストなどの情報を記憶する。
【0051】
制御部44は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、APサーバ装置10を統括的に制御する。また、制御部44は、リスト取得部441と、表示処理部442と、安否確認処理部443とを備えている。
【0052】
リスト取得部441は、APサーバ装置10が生成した対象者のリスト(優先度の高い順に並べられたリスト)を、ネットワークNWを介して取得する。なお、リスト取得部441は、対象者情報及び対象者の最新の活動データを確認する際に、DBサーバ装置30から、対象者情報及び最新の活動データを、ネットワークNWを介して取得する。
【0053】
表示処理部442は、リスト取得部441が取得した表示データ(例えば、対象者のリストなど)を表示部42に表示させる処理を実行する。
安否確認処理部443は、オペレータが表示部42に表示された対象者のリストに基づいて、安否を確認した場合に、安否確認が完了したことをAPサーバ装置10に通知する。この通知により、APサーバ装置10は、安否が確認された対象者の優先順位が下げる処理を実行する。
【0054】
なお、オペレータは、見守り作業を行う際に、表示部42に表示されている対象者のリストの優先度の高い順(例えば、表示の上から順)に、対象者の安否を確認する。具体的には、オペレータは、見守り端末装置40を操作して、対象者情報や最新の活動データを確認するとともに、対象者本人に例えば、電話などで緊急事態であるか否か、体調不良の兆候があるか否かなどの安否確認を行う。また、オペレータは、緊急事態の場合の連絡先に、電話又はSMSにより連絡する。
【0055】
次に、図面を参照して、本実施形態による見守りシステム1の動作について説明する。
図6及び
図7は、本実施形態による見守りシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図6において、まず、APサーバ装置10は、緊急通報装置21からの緊急通報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。すなわち、制御部12の優先度処理部122は、APサーバ装置10が緊急通報装置21からの緊急通報を受信したか否かを判定する。優先度処理部122は、緊急通報装置21からの緊急通報を受信した場合(ステップS101:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+5”して(ステップS102)、処理を
図7のステップS121に進める。また、優先度処理部122は、緊急通報装置21からの緊急通報を受信していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS103に進める。
なお、
図6及び
図7に示すフローチャートに説明において、優先度を変更した場合には、優先度処理部122は、対応するユーザIDと、優先度を示す優先度情報とを関連づけて、優先度記憶部111に記憶させて、優先度情報を更新させるものとして説明する。
【0056】
ステップS103において、優先度処理部122は、取得したバイタルデータが予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。ここではまず、データ取得部121が、例えば、シート型センサー22や計測機器23が計測した最新のバイタルデータをDBサーバ装置30の活動データ記憶部312から取得する。そして、優先度処理部122は、データ取得部121が取得したバイタルデータが予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。
【0057】
ここで予め設定された閾値とは、例えば、医学的に、又は看護学的に医者に通知(ドクターコール)すべきとされる数値であり、所定の範囲であってもよい。すなわち、優先度処理部122は、バイタルデータが所定の範囲外であるか否かを判定する。優先度処理部122は、取得したバイタルデータが予め設定された閾値を超えている場合(ステップS103:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS104)、処理をステップS105に進める。また、優先度処理部122は、取得したバイタルデータが予め設定された閾値を超えない場合(ステップS103:NO)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS105に進める。このように、優先度処理部122は、バイタルデータが所定の範囲外になった場合に、優先度情報の優先度を上げる。また、優先度処理部122は、複数種類のバイタルデータそれぞれについて、所定の範囲外であるか否かを判定し、優先度を変更するので、複数種類のバイタルデータの組み合わせにより、優先度を変更することになる。
【0058】
ステップS105において、優先度処理部122は、日ごとのバイタルデータの平均値及び標準偏差値を求める。すなわち、データ取得部121が、シート型センサー22や計測機器23が計測したバイタルデータをDBサーバ装置30の活動データ記憶部312から取得する。優先度処理部122は、取得したバイタルデータの平均値及び標準偏差値を日ごとに生成(算出)する。
【0059】
次に、優先度処理部122は、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値を大きく外れているか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、優先度処理部122は、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値と、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値とを対象者ごとに比較して、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値が、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値から所定の閾値分以上外れている場合(ステップS106:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS107)、処理をステップS108に進める。また、優先度処理部122は、当日のバイタルデータの平均値及び標準偏差値が、前日までのバイタルデータの平均値及び標準偏差値から所定の閾値分以上外れていない場合(ステップS106:NO)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS108に進める。
【0060】
ステップS108において、優先度処理部122は、数日前と比較して、バイタルデータの漸増傾向、又は漸減傾向があるか否かを判定する。優先度処理部122は、漸増傾向、又は漸減傾向がある場合(ステップS108:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS109)、処理をステップS110に進める。また、優先度処理部122は、漸増傾向、又は漸減傾向がない場合(ステップS108:NO)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS110に進める。
【0061】
ステップS110において、優先度処理部122は、時間帯ごとの在床・離床の傾向(確率)を求める。すなわち、優先度処理部122は、シート型センサー22によって計測された過去の在床・離床情報に基づいて、時間帯ごとの在床・離床の傾向を対象者ごとに算出する。
【0062】
次に、優先度処理部122は、在床・離床の傾向から外れているか否かを判定する(ステップS111)。すなわち、優先度処理部122は、最新(当日)の在床・離床のパターンと過去の在床・離床の傾向とを比較して、在床・離床の傾向から外れているか否かを判定する。優先度処理部122は、在床・離床の傾向から外れている場合(ステップS111:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS112)、処理をステップS113に進める。優先度処理部122は、在床・離床の傾向から外れていない場合(ステップS111:NO)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS113に進める。
【0063】
ステップS113において、優先度処理部122は、対象者が在床の時間帯になっても在床になっているか否かを判定する。優先度処理部122は、対象者が在床の時間帯になっても在床になっている場合(ステップS113:YES)に、処理をステップS114に進める。また、優先度処理部122は、対象者が在床の時間帯になっても在床になっていない場合(ステップS113:NO)に、処理をステップS116に進める。
【0064】
ステップS114において、優先度処理部122は、日中の活動データがあるか否かを判定する。優先度処理部122は、例えば、緊急通報装置21が検出する位置情報、加速度データ、計測機器23が計測する活動データ、端末装置24から入力される服薬情報、又は端末装置24が操作された痕跡などの情報に基づいて、日中の活動データがあるか否かを判定する。優先度処理部122は、日中の活動データがある場合(ステップS114:YES)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS116に進める。また、優先度処理部122は、日中の活動データが
ない場合(ステップS114:NO)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS115)、処理をステップS116に進める。
【0065】
ステップS116において、APサーバ装置10が、対象者からの自覚症状を受信する。なお、対象者からの自覚症状は、端末装置24によって、APサーバ装置10に送信される。
【0066】
次に、優先度処理部122は、受信した自覚症状が「健康」以外であるか否かを判定する(ステップS117)。優先度処理部122は、自覚症状が「健康」以外である場合(ステップS117:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”又は“+2”して(ステップS118)、処理をステップS119に進める。また、優先度処理部122は、自覚症状が「健康」である場合(ステップS117:NO)に、対応するユーザIDの優先度を変更せずに、処理をステップS119に進める。
【0067】
次に、ステップS119において、優先度処理部122は、コールセンター4の安否の確認時刻から一定期間以内であるか否かを判定する。優先度処理部122は、確認時刻から一定期間以内である場合(ステップS119:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“0”にして(ステップS120)、処理をステップS121に進める。また、優先度処理部122は、確認時刻から一定期間以内でない場合(ステップS119:NO)に、処理をステップS121に進める。
【0068】
ステップS121において、リスト生成部123は、優先度順にソートする。すなわち、データ取得部121が、対象者情報をDBサーバ装置30の対象者記憶部311から取得し、取得した対象者情報をリスト記憶部112に記憶させる。リスト生成部123は、リスト記憶部112に記憶されている対象者のリストを優先度情報の優先度に基づいて、優先度の値が大きい順番に並べ替える(ソートする)。リスト生成部123は、並べ替えた対象者のリストをリスト記憶部112に記憶させる。
【0069】
次に、リスト出力部124は、コールセンター4の一覧画面(リストの表示画面)を更新する(ステップS122)。すなわち、リスト出力部124は、リスト記憶部112が記憶している最新の並べ替えた対象者のリストを取得し、取得した対象者のリストを、ネットワークNWを介して見守り端末装置40に出力する。見守り端末装置40のリスト取得部441は、APサーバ装置10から対象者のリストを取得し、表示処理部442が、対象者のリストを表示部42に表示させる。これにより、コールセンター4の一覧画面(リストの表示画面)の表示が更新される。
【0070】
次に、コールセンター4のオペレータが、見守り端末装置40の表示部42に表示された対象者のリストを確認し、優先度の高い対象者に対して、安否確認を実行すると、見守り端末装置40の安否確認処理部443は、APサーバ装置10に対して、安否確認を実行した対象者に対応するユーザIDとともに、確認結果を含む通知を出力する。
【0071】
次に、優先度処理部122は、安否確認をした対象者がいるか否かを判定する(ステップS123)。すなわち、優先度処理部122は、見守り端末装置40の安否確認処理部443が出力した安否確認を実行した通知に基づいて、安否確認をした対象者がいるか否かを判定する。優先度処理部122は、安否確認をした対象者がいる場合(ステップS123:YES)に、対象者の安否確認をした結果をリストに追加して(ステップS124)、処理をステップS119に戻す。この場合、ステップS119及びステップS120の処理により、優先度処理部122が、対応するユーザIDの優先度を“0”にする。
また、優先度処理部122は、安否確認をした対象者がない場合(ステップS123:NO)に、処理をステップS125に進める。
【0072】
ステップS125において、優先度処理部122は、優先度が“1”以上、且つ、コールセンター4の確認が一定期間ないかを判定する。優先度処理部122は、優先度が“1”以上、且つ、コールセンター4の確認が一定期間ない場合(ステップS125:YES)に、対応するユーザIDの優先度を“+1”して(ステップS126)、処理をステップS101に戻す。これは、一定期間、安否確認の行われていない対象者の優先度を高くして、安否確認を忘れ去られることを防止するためのものである。
また、優先度処理部122は、優先度が“0”、又は、コールセンター4の確認が一定期間内にある場合、処理をステップS101に戻し、ステップS101〜ステップS126の処理が繰り返し実行される。
【0073】
次に、
図8〜
図10を参照して、見守り端末装置40の表示例について説明する。
図8は、本実施形態における見守り端末装置40が表示する対象者のリストの表示例を示す図である。
この図において、画面G1は、見守り端末装置40の表示部42に表示する対象者のリストL1の表示画面を示している。この図に示すように、対象者のリストL1は、「名前」と、「問診/SMS日時」と、「体調」及び「日時」と、「在離床」及び「日時」とを含んでいる。なお、対象者のリストL1は、上から順に優先度の高い順番に並べられている。コールセンター4のオペレータは、対象者のリストL1の上から順番に、安否確認を行うことにより、優先度の高い対象者に対して、効率良く、安否確認を行うことができる。
【0074】
また、コールセンター4のオペレータは、
図8に示すような対象者のリストを確認した上で、各対象者の最新データを確認することが可能である。
図9は、本実施形態におけるシート型センサー22による計測結果の表示例を示す図である。
【0075】
この図において、画面G2は、見守り端末装置40の表示部42に表示するシート型センサー22による計測結果の表示画面を示している。この図に示すように、見守り端末装置40は、シート型センサー22の最新データとして、“睡眠”(体動レベル)、“心拍”、及び“呼吸”の計測グラフを表示する。なお、この図において、横軸は、1日における時刻を示している。また、波形W1は、“睡眠”の波形を示し、波形W2は、心拍数の波形を示し、波形W3は、呼吸数の波形を示している。また、平均値m1は、心拍数の平均値を示し、平均値m2は、呼吸数の平均値を示している。
コールセンター4のオペレータは、このような計測結果の表示画面を確認することで、対象者ごとの在離床の状態を遠隔地から確認することができる。
【0076】
また、
図10は、本実施形態における活動データの表示例を示す図である。
この図において、画面G3は、見守り端末装置40の表示部42に表示する活動データの表示画面を示している。画面G3では、シート型センサー22の計測結果、計測機器23の計測結果、端末装置24からの入力データ(服薬など)などを日ごとの情報として表示している。なお、この図において、横軸は、1日における時刻を示しており、コールセンター4のオペレータは、日ごとの生活リズムを確認することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によるAPサーバ装置10(サーバ装置)は、制御部12を備えている。制御部12は、対象者が生活していることを示す活動データ(活動情報)であって、少なくともバイタルデータを含む複数種類の活動データを、対象者ごとの時系列な履歴情報として記憶した活動データ記憶部312から対象者ごとの複数種類の活動データを取得する。そして、制御部12は、取得した対象者ごとの複数種類の活動データに基づいて、対象者が緊急事態にあると検知する優先度を示す優先度情報を対象者ごとに生成し、生成した優先度情報に応じて、対象者を順位付けする。
【0078】
これにより、本実施形態によるAPサーバ装置10は、優先度情報に応じて、対象者を順位付けするので、対象者の緊急事態を効率良く検知することができる。また、本実施形態によるAPサーバ装置10は、緊急度が高いと考えられる対象者を優先的に、安否確認することが可能になるので、対象者が大人数である場合であっても、少ないオペレータ数で効率良く対応することが可能である。また、本実施形態によるAPサーバ装置10は、複数種類の活動データの組み合わせにより、優先度情報を生成するので、緊急事態が発生する前に、安否確認の問い合わせなどの対応を開始することができる。
【0079】
さらに、本実施形態によるAPサーバ装置10は、対象者の各個人ごとに時系列な活動データを大量に取得して、活動データを分析することにより、緊急事態の予兆検知の精度を向上させることができる。また、本実施形態によるAPサーバ装置10は、対象者の所在(例えば、屋内、屋外、就寝中)にかかわらずに、緊急事態の通報が可能になるとともに、緊急事態の予兆を通報することができる。
【0080】
また、本実施形態では、制御部12は、バイタルデータが所定の範囲外になった場合に、優先度情報の優先度を上げる。
これにより、バイタルデータの値が異常である場合に、制御部12は、優先度情報の優先度を上げる。よって、本実施形態によるAPサーバ装置10は、優先度により、対象者の緊急事態を効率良く検知することができる。
【0081】
また、本実施形態では、制御部12は、過去に取得した活動情報と、新たに取得した活動情報との比較結果に基づいて、優先度情報の優先度を変更する。
これにより、過去の実績データとの比較で優先度を変更するので、本実施形態によるAPサーバ装置10は、対象者にあった適切な基準により、対象者の緊急事態を適切に検知することができる。
【0082】
また、本実施形態では、制御部12は、日ごとのバイタルデータの統計量(例えば、平均値及び標準偏差値)を生成し、前日までのバイタルデータの統計量と、当日のバイタルデータの統計量とに基づいて、優先度情報の優先度を変更する。例えば、制御部12は、前日までのバイタルデータの統計量と、当日のバイタルデータの統計量とを比較して、当日のバイタルデータの統計量が、前日までのバイタルデータの統計量から所定の閾値以上変化があった場合に、優先度を上げる。
これにより、本実施形態によるAPサーバ装置10は、簡易な方法により、対象者の緊急事態を適切に検知することができる。
【0083】
また、本実施形態では、制御部12は、バイタルデータの経時変化に基づいて、優先度情報の優先度を変更する。例えば、制御部12は、バイタルデータが、上述した所定の範囲の閾値に近づいて行く傾向にある場合には、対象者が要注意の状態であると判定し、優先度を上げる。
なお、虚弱高齢者が、体調不良を訴えて医療機関で診療を受ける前に、通常よりもベッドに在床している時間が長くなる傾向や、心拍数や呼吸数が少しずつ高くなる傾向が知られている。本実施形態によるAPサーバ装置10は、緊急事態が発生する前に、発生するバイタルデータの経時変化により優先度を変更するので、緊急事態が発生する前に、対象者の異常を検知することができる。よって、本実施形態によるAPサーバ装置10は、安否確認の問い合わせなどの対応を開始することができる。
【0084】
また、本実施形態では、制御部12は、対象者に対して安否確認が行われた場合に、優先度情報の優先度を下げる。
これにより、本実施形態によるAPサーバ装置10は、安否確認が行われた対象者の優先順位を下げることができるので、対象者の緊急事態をより効率良く検知することができる。
【0085】
また、本実施形態による見守りシステム1は、上述のAPサーバ装置10と、活動データを計測する計測装置(例えば、シート型センサー22、計測機器23など)と、APサーバ装置10(制御部12)が順位付けた順位付けに基づく対象者のリストを表示する表示装置(例えば、見守り端末装置40)とを備える。
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、オペレータに、順位付けに基づく対象者のリストを表示(提示)することができるので、対象者の緊急事態を効率良く検知することができる。よって、本実施形態による見守りシステム1は、対象者の孤独死のリスクを低減することができる。
【0086】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、見守りシステム1は、APサーバ装置10と、DBサーバ装置30と、見守り端末装置40とを備える一例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、DBサーバ装置30の記憶部31の一部又は全部をAPサーバ装置10が備える形態であってもよい。また、APサーバ装置10が備える記憶部11の一部又は全部をDBサーバ装置30が備える形態であってもよい。
【0087】
また、APサーバ装置10の制御部12の一部の機能を複数のサーバ装置に分散させて処理してもよい。また、見守りシステム1は、APサーバ装置10と、DBサーバ装置30との他に、活動データを定期的に受信(収集)するデータ受信サーバ装置を備えてもよい。
また、見守り端末装置40が、APサーバ装置10又はDBサーバ装置30の一部又は全部を備える形態であってもよい。
【0088】
また、上記の実施形態において、シート型センサー22は、対象者の心拍数、呼吸数、及び体動レベルを計測する一例を説明したが、これに限定されずに、血圧、体温、その他の生体情報などを計測して、見守りシステム1は、これらの情報を活動データとして利用してもよい。
また、上記の実施形態において、優先度情報として優先度を算出する場合について説明したが、優先とは逆の指標を示す劣後度を優先度情報として利用してもよい。この場合、優先度を高める(上げる)変更を、劣後度を低める(下げる)変更で代用する。
【0089】
また、上記の実施形態において、対象者宅2が、緊急通報装置21、シート型センサー22、計測機器23、及び端末装置24を有する一例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、対象者宅2が、ドアの開閉などを検出するセンサーを備えて、ドアの開閉情報を活動データとして検出してもよい。
【0090】
また、上記の実施形態において、コールセンター4のオペレータが、電話やSMSなどによって、対象者の安否を確認する例について説明したが、APサーバ装置10又は見守り端末装置40が、順位付けされた対象者のリストの優先度の高い対象者に対して、自動的に、安否確認及び連絡先への連絡をSMSや電子メールなどで実行してもよい。また、優先度が高くて、緊急性を必要とする場合には、APサーバ装置10又は見守り端末装置40は、医者や救急車の手配などを実行するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、統計量の一例として、平均値及び標準偏差値を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、統計量として、平均値及び標準偏差値のうちのいずれか一方を用いてもよいし、分散値、中央値、カイ二乗値などの他の統計量を用いてもよい。
【0091】
なお、上述した見守りシステム1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した見守りシステム1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した見守りシステム1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0092】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に見守りシステム1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0093】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。