(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明によれば、親カードの利用限度額の範囲においては、子カードの利用が制限される。しかしながら、親カードの利用限度額の範囲内においては、決済が可能であるため、利用限度額が高額の場合、子カードで高額な商品を購入したり、無駄遣いをする虞がある。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、電子決済での浪費を防ぐ技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子決済を行う決済手段と、自装置の位置を測位する測位手段と、自装置に対応付けられた親端末装置の位置情報を取得する取得手段と、前記測位手段が測位した位置と、前記取得手段が取得した位置情報が表す位置に基づいて、自装置から前記親端末装置までの距離を求める演算手段と、
前記演算手段が求めた距離が予め定められた閾値を超える場合、前記親端末装置へ電子決済の許可を要求する通知を送信する送信手段と、前記通知への応答を受信する受信手段と、前記決済手段による電子決済の処理を前記演算手段が求めた距離に応じて変更する制御手段と、を有
し、前記制御手段は、前記受信手段が受信した応答が電子決済を禁止する応答である場合、前記決済手段による電子決済を禁止する端末装置を提供する。
【0008】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記演算手段が求めた距離が前記閾値以下である場合、前記決済手段に対して第1金額までの電子決済を許可し、前記演算手段が求めた距離が前記閾値を超える場合、前記決済手段に対して第1金額より低い第2金額までの電子決済を許可する構成としてもよい。
【0009】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記測位手段が測位した位置が所定の位置の場合、前記決済手段に対して所定の商品以外の商品の電子決済を禁止する構成としてもよい。
【0010】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記演算手段が求めた距離が閾値を超える場合、前記決済手段に対して所定の商品以外の商品の電子決済を禁止する構成としてもよい。
【0011】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記測位手段が測位した位置が予め定められた第1領域内である場合、前記決済手段に対して第1金額までの電子決済を許可する構成としてもよい。
【0012】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記測位手段が測位した位置が前記第1領域より外の第2領域内である場合、前記決済手段に対して第1金額より低い第2金額までの電子決済を許可する構成としてもよい。
【0013】
また、本発明は、子端末装置の位置を測位する測位ステップと、親端末装置の位置情報を取得する取得ステップと、前記測位ステップで測位した位置と、前記取得ステップで取得した位置情報が表す位置に基づいて、前記子端末装置から前記親端末装置までの距離を求める演算ステップと、
前記演算ステップで求めた距離が予め定められた閾値を超える場合、前記親端末装置へ電子決済の許可を要求する通知を送信する送信ステップと、前記通知への応答を受信する受信ステップと、前記子端末装置が行う電子決済の処理を前記演算ステップで求めた距離に応じて変更する制御ステップと、を有
し、前記制御ステップは、前記受信ステップで受信した応答が電子決済を禁止する応答である場合、前記子端末装置が行う電子決済を禁止する電子決済の制限方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータを、電子決済を行う決済手段と、自装置に対応付けられた親端末装置の位置情報を取得する取得手段と、自装置の位置を測位する測位手段が測位した位置と、前記取得手段が取得した位置情報が表す位置に基づいて、自装置から前記親端末装置までの距離を求める演算手段と、
前記演算手段が求めた距離が予め定められた閾値を超える場合、前記親端末装置へ電子決済の許可を要求する通知を送信する送信手段と、前記通知への応答を受信する受信手段と、前記決済手段による電子決済の処理を前記演算手段が求めた距離に応じて変更する
手段であって、前記受信手段が受信した応答が電子決済を禁止する応答である場合、前記決済手段による電子決済を禁止する制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子決済での浪費を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る装置を示した図である。移動体通信網20は、端末装置10A,10Bに対して音声通話やデータ通信のサービスを提供する通信網である。本実施形態に係る端末装置10A,10Bは、スマートフォンである。なお、端末装置10A,10Bは、スマートフォンに限定されるものではなく、移動体通信網20を介して通信を行うタブレット端末やフィーチャフォン、データ通信に特化したコンピュータ装置などであってもよい。端末装置10A,10Bは、移動体通信網20の無線基地局と通信を行い、音声通信やデータ通信を行う。端末装置10A,10Bは、位置を測位する機能や、近距離無線通信で電子マネーによる電子決済を行う機能を有している。なお、本実施形態においては、端末装置10Bは、子供が所有し、端末装置10Aは、端末装置10Bのユーザーの親が所有する端末とする。
【0018】
(端末装置10A,10Bの構成)
図2は、端末装置10A,10Bのハードウェア構成を示した図である。なお、端末装置10Aと端末装置10Bのハードウェア構成は同じであり、以下、端末装置10Aと端末装置10Bの各部を区別する必要がある場合、説明の便宜上、端末装置10Aの各部の符号の末尾には「A」を付し、端末装置10Bの各部の符号の末尾には「B」を付して説明を行い、各部を区別する必要がない場合、符号の末尾への「A」または「B」の付加を省略して説明を行う。
【0019】
タッチパネル103は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ)と、表示装置の表示面においてユーザーが指で触れた位置を検出する位置検出装置とを組み合わせた装置である。タッチパネル103は、文字やグラフィック画面、端末装置を操作するためのメニュー画面などを表示する。また、タッチパネル103は、ユーザーが指で触れた位置を検出する。マイクロコンピュータ101は、タッチパネル103が検出した位置と、タッチパネルに表示されている画面に応じてユーザーの操作を特定し、特定した操作に応じて各部の制御や各種処理を実行する。
【0020】
操作部104は、端末装置を操作するための複数のキーを有している。ユーザーが、操作部104のキーを操作すると、マイクロコンピュータ101は、操作されたキーに応じて各部を制御する。通信部105は、移動体通信網20を介して無線通信を行う通信インターフェースとして機能する。近距離通信部108は、NFC(Near Field Communication)の通信方式のうち、非接触ICカードの通信方式に従った通信を行う通信インターフェースである。
【0021】
音声処理部107は、マイクロホンとスピーカを有している。音声処理部107は、端末装置同士が音声通話を行う場合、通話相手の音声に係るデジタル信号が通信部105から供給されると、供給されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。このアナログ信号は、スピーカへ供給され、スピーカからは、通話相手の音声が放音される。また、音声処理部107は、マイクロホンが音声を収音すると、収音した音声をデジタル信号に変換する。音声処理部107は、端末装置で音声通話を行う場合、ユーザーの音声を変換したデジタル信号を通信部105へ供給する。このデジタル信号は、通信部105から移動体通信網20へ送信され、通話相手の端末装置へ送信される。
【0022】
測位部109は、衛星航法システムや無線LANを利用して端末装置の位置を測位する。測位部109は、衛星航法システムが有する人工衛星からの電波や、無線LANのアクセスポイントから送信されている電波を取得し、取得した電波に基づいて端末装置の位置を示す位置情報を生成する。
【0023】
記憶部102は、不揮発性メモリを有しており、オペレーティングシステムのプログラムや複数のアプリケーションプログラムを記憶する。例えば、記憶部102は、端末装置で行われる電子決済を制限する機能を実現するアプリケーションプログラム(以下、制限アプリと称する)を記憶している。
【0024】
また、記憶部102は、制限アプリが使用するデータを記憶する。記憶部102は、制限アプリが使用するデータとして、電子決済の許可を要求する側の端末装置を識別する識別子と、電子決済を許可する側の端末装置を識別する識別子とを記憶する。本実施形態においては、子の端末装置10Bが行う電子決済を許可する端末装置が端末装置10Aであり、電子決済の許可を要求する端末装置が端末装置10Bである。このため、記憶部102Aと記憶部102Bには、子の端末装置10Bが行う電子決済を許可する端末装置10Aの識別子として端末装置10Aの電話番号が記憶され、電子決済の許可を要求する端末装置10Bの識別子として、端末装置10Bの電話番号が記憶される。
【0025】
マイクロコンピュータ101は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)を有し、CPUが不揮発性メモリに記憶されているオペレーティングシステムのプログラムを実行すると、スマートフォンのオペレーティングシステムが実現する。また、マイクロコンピュータ101が制限アプリを実行すると、子供の所有する端末装置による電子決済を制限する機能が実現する。
【0026】
(端末装置の機能構成)
図3の(a)は、制限アプリを実行することにより端末装置で実現する機能を示したブロック図であり、子の端末装置10Bで実現する機能を示したものである。決済部1001は、近距離通信部108を介して電子レジスターと通信を行い、電子マネーによる電子決済の処理を行う。取得部1002は、通信部105を介して他の端末装置と通信を行い、他の端末装置の位置情報を取得する。演算部1003は、測位部109が生成した位置情報の位置と、取得部1002が取得した位置情報の位置とに基づいて、自装置から他の端末装置までの距離を求める。送信部1004は、演算部1003が求めた距離が予め定められた閾値を超える場合、他の端末装置へ電子決済の許可を要求する通知を通信部105を介して送信する。受信部1005は、送信部1004が送信した通知への応答を受信する。制御部1006は、演算部が求めた距離が予め定められた閾値を超える場合、決済部1001による電子決済を禁止する。また、制御部1006は、受信部1005が受信した通知が電子決済を禁止する通知である場合、決済部1001による電子決済を禁止し、受信部1005が受信した通知が電子決済を許可する通知である場合、決済部1001による電子決済を許可する。
【0027】
図3の(b)は、制限アプリを実行することにより端末装置で実現する機能を示したブロック図であり、親の端末装置10Aで実現する機能を示したものである。
位置送信部1010は、測位部109Aが生成した位置情報を、通信部105Aを介して他の端末装置へ送信する。
応答部1011は、電子決済の許可を要求する通知を通信部105Aが受信した場合、許可または禁止を選択させる画面をタッチパネル103Aに表示させる。応答部1011は、タッチパネル103Aにて行われた操作に応じて、電子決済の許可または禁止を、通信部105Aを介して当該要求を送信した端末装置へ送信する。
【0028】
(実施形態の動作例)
次に、本実施形態の動作例について説明する。制限アプリを実行しているマイクロコンピュータ101Bは、電子決済の許可を要求する側の端末装置の識別子として自装置の電話番号が記憶されている場合、予め定められた周期で
図4に示した処理を実行し、位置情報を取得する。なお、位置情報を取得する周期は、秒単位から分単位の間で設定することができる。まず、マイクロコンピュータ101B(演算部1003)は、測位部109Bから位置情報を取得する(ステップSA1)。測位部109Bから位置情報を取得したマイクロコンピュータ101B(取得部1002)は、電子決済を許可する側の端末装置10Aの識別子を記憶部102Bから取得し、取得した識別子で特定される端末装置10Aへ、位置情報を要求する位置要求メッセージを送信する(ステップSA2)。この位置要求メッセージは、通信部105Bから移動体通信網20へ送信され、移動体通信網20から端末装置10Aへ送られる。
【0029】
この位置要求メッセージを通信部105Aが受信すると、マイクロコンピュータ101A(位置送信部1010)は、
図5に示した処理を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ101Aは、測位部109Aから位置情報を取得する(ステップSB1)。マイクロコンピュータ101Aは、取得した位置情報を通信部105Aを制御して位置要求メッセージの送信元である端末装置10Bへ送信する(ステップSB2)。
【0030】
端末装置10Aから送信された位置情報を通信部105Bが受信すると(ステップSA3でYES)、マイクロコンピュータ101B(演算部1003)は、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置と、通信部105Bが受信した位置情報が表す位置との間の距離、即ち、子の端末装置から親の端末装置までの距離を算出する(ステップSA4)。
端末装置10Bが定期的に端末装置10Aまでの距離を得ている状態で端末装置10Bのユーザーが買物のために店舗へ行くと、端末装置10Bは、店舗から親の端末装置10Aまでの距離を得ることになる。
【0031】
次に、端末装置10Bのユーザーは、店舗において、購入する商品について電子マネーで決済を行う場合、電子マネーで決済を行うことを店舗の店員に伝える。店員は、電子マネーで決済を行うことを伝えられると、電子レジスターを操作し、電子マネーよる決済処理の実行を電子レジスターへ指示する。この指示を受けた電子レジスターは、非接触ICカードの通信インターフェースを制御し、非接触ICカードの通信方式に対応した装置を検出するポーリング信号を送信する。
【0032】
このポーリング信号を近距離通信部108Bが受信すると、マイクロコンピュータ101Bは、ポーリング信号に対する応答となる信号を、近距離通信部108Bを制御して電子レジスターへ送信する。電子レジスターは、この信号を受信すると、電子決済を行うための信号を送信する。
【0033】
電子決済を行うための信号を近距離通信部108Bが受信すると、マイクロコンピュータ101Bは、
図6に示した処理を実行する。まずマイクロコンピュータ101Bは、ステップSA4で求めた距離に基づいて、電子決済の処理を進めるか否かを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ101B(制御部1006)は、ステップSA4で求めた親の端末装置10Aまでの距離が予め定められた閾値以下である場合(ステップSC1でYES)、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済の処理を実行する(ステップSC2)。
【0034】
一方、マイクロコンピュータ101B(送信部1004)は、ステップSA4で求めた親の端末装置10Aまでの距離が予め定められた閾値を超えている場合(ステップSC1でNO)、電子決済で支払う金額を含み、電子決済の許可を依頼する許可依頼メッセージを、通信部105Bを制御して端末装置10Aへ送信する(ステップSC3)。
【0035】
この許可依頼メッセージを通信部105Aが受信すると、マイクロコンピュータ101Aは、
図7に示した処理を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ101A(応答部1011)は、許可依頼メッセージに含まれる金額を取得し、
図8に例示したように、子の端末装置10Bが行う電子決済の金額、電子決済を許可するボタンB1及び電子決済を禁止とするボタンB2が表示されるようにタッチパネル103を制御する(ステップSD1)。
【0036】
端末装置10Aの所有者である親は、電子決済を許可する場合にはタッチパネル103AにおいてボタンB1の部分を押し、電子決済を禁止する場合にはボタンB2の部分を押す。マイクロコンピュータ101A(応答部1011)は、ユーザーがタッチパネル103AにおいてボタンB1の部分を押した場合(ステップSD2でYES)、電子決済の許可を表す許可メッセージを通信部105Aを制御して端末装置10Bへ送信し(ステップSD3)、ユーザーがボタンB2の部分を押した場合(ステップSD2でNO)、電子決済を禁止することを表す禁止メッセージを通信部105Aを制御して端末装置10Bへ送信する(ステップSD4)。
【0037】
マイクロコンピュータ101B(受信部1005)は、端末装置10Aが送信して通信部105Bが受信したメッセージを受信する。マイクロコンピュータ101B(制御部1006)は、許可メッセージを受信した場合(ステップSC4でYES)、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済の処理を実行する(ステップSC2)。一方、マイクロコンピュータ101B(制御部1006)は、禁止メッセージを受信した場合(ステップSC5でYES)、決済部1001による電子決済の処理を禁止し、
図9に例示したように、電子決済の処理を中止したことを報知する画面をタッチパネル103Bに表示させる(ステップSC6)。
【0038】
本実施形態によれば、子の端末装置10Bから親の端末装置10Bまでの距離が閾値を超える場合、即ち、親と子の距離が遠い場合には子の端末装置においては、電子決済の際に親の許可が必要となる。これにより、親から離れて親の知らない店舗にて商品の購入を行うことができなくなるため、子が高額な商品を購入したり、無駄遣いしたりするのを防ぐことができる。
【0039】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0040】
上述した実施形態においては、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離に応じて、電子決済の利用限度額が異なるようにしてもよい。例えば、親の端末装置10Aと子の端末装置10Bとの距離が閾値以下である場合、端末装置10Bは、予め定められた第1金額までは、親の許可を得なくても電子決済を行い、第1金額を超えると、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信するようにしてもよい。
また、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超える場合、第1金額より低い第2金額までは、親の許可を得なくても電子決済を行い、第2金額を超えると、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、電子決済の方法はプリペイド式であるが、ポストペイ式の方法であってもよい。また、電子決済の方法がポストペイ式である場合、子の端末装置10Bは、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超え、決済金額と1ヶ月の利用額との和が、1ヶ月の利用限度額より低く予め設定された所定金額を超える場合、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信するようにしてもよい。
【0041】
上述した実施形態においては、子が予め定められた場所にいる場合、子の端末装置による電子決済を許可する構成としてもよい。例えば、店舗の位置を予め端末装置10Bに登録しておき、マイクロコンピュータ101Bは、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置が、登録されている店舗の位置である場合、端末装置10Bから端末装置10Aまでの距離が閾値を超えていても、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済の処理を実行する構成としてもよい。
また、本変形例においては、店舗の位置と商品の種類とを対応付けて子の端末装置10Bに登録しておき、端末装置10Bは、電子決済で支払う金額と購入する商品の種類を表す情報を電子レジスターから取得し、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置が登録されている店舗の位置であり、購入する商品が予め登録された種類の商品である場合、端末装置10Bから端末装置10Aまでの距離が閾値を超えていても、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済の処理を実行するようにしてもよい。
【0042】
上述した実施形態においては、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離に応じて、購入可能な商品を制限するようにしてもよい。例えば、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値以下のときに購入可能な商品として文房具と書籍とを端末装置10Bに登録し、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値を越えたときに購入可能な商品として文房具を端末装置10Bに登録する。
子の端末装置10Bは、購入する商品の種類を表す情報を電子レジスターから取得し、親の端末装置10Aまでの距離が閾値以下であり、且つ、購入する商品が予め登録された種類の商品である場合、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済を行う。また、端末装置10Bは、親の端末装置10Aまでの距離が閾値以下であり、且つ、購入する商品が予め登録された種類の商品ではない場合、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信するようにしてもよい。
また、子の端末装置10Bは、電子レジスターから購入する商品の種類を表す情報を取得し、親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超え、且つ、購入する商品が予め登録された種類の商品である場合、電子レジスターから送られた信号に応じて電子決済を行い、親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超え、且つ、購入する商品が予め登録された種類の商品ではない場合、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信するようにしてもよい。
【0043】
上述した実施形態においては、子の端末装置10Bは、親の端末装置10Aまでの距離に応じて電子決済の処理が制限されるが、この構成に限定されるものではない。
例えば、予め定められた位置として、子の自宅の位置を端末装置10Bに登録する。端末装置10Bは、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置から登録されている自宅の位置までの距離が予め定められた閾値以下である場合、即ち、自宅から所定の第1領域内に子の端末装置10Bが位置している場合、許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信せずに、電子決済を行うようにしてもよい。
また、この変形例においては、以下の構成としてもよい。具体的には、第1閾値と第2閾値を設け(第2閾値>第1閾値)、端末装置10Bは、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置から自宅の位置までの距離が第1閾値以下であり(即ち、所定の第1領域内に子の端末装置10Bが位置している場合)、決済の金額が所定の第1金額以下である場合、許可依頼メッセージを親の端末装置へ送信せずに電子決済を行う。
また、端末装置10Bは、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置から自宅の位置までの距離が第1閾値を超え且つ第2閾値以下である場合(即ち、所定の第2領域内に子の端末装置10Bが位置している場合)、電子決済の金額が第1金額より低い所定の第2金額以下であると、許可依頼メッセージを親の端末装置へ送信せずに電子決済を行い、電子決済の金額が第2金額を超えていると、許可依頼メッセージを親の端末装置へ送信するようにしてもよい。
また、端末装置10Bは、測位部109Bから取得した位置情報が表す位置から自宅の位置までの距離が第2閾値を超える場合、許可依頼メッセージを親の端末装置へ送信するようにしてもよい。
【0044】
本発明においては、子の保護者が複数人である場合、子の端末装置は、子の端末装置から各保護者が有する端末装置までの距離に基づいて、電子決済の処理を行うようにしてもよい。例えば、第1の保護者の端末装置と第2の保護者の端末装置とがある場合、子の端末装置から第1の保護者の端末装置までの距離が閾値以下の場合、または子の端末装置から第2の保護者の端末装置までの距離が閾値以下の場合、子の端末装置においては、許可依頼メッセージを保護者の端末装置へ送信せずに、電子決済を行うようにしてもよい。
また、この変形例においては、子の端末装置から第1の保護者の端末装置までの距離が閾値を超え、子の端末装置から第2の保護者の端末装置までの距離も閾値を超えている場合、第1の保護者の端末装置または第2の保護者の端末装置へ許可依頼メッセージを送信するようにしてもよい。
また、この変形例においては、子の端末装置から閾値以下の距離にある端末装置が第1の保護者の端末装置である場合と第2の保護者の端末装置である場合とで、電子決済可能な金額の上限を異ならせるようにしてもよい。例えば、子の端末装置から閾値以下の距離にある端末装置が第1の保護者の端末装置ある場合、電子決済の金額が予め定められた第1金額以下であると許可依頼メッセージを第1の保護者の端末装置へ送信せずに電子決済を行うことを可能とし、子の端末装置から閾値以下の距離にある端末装置が第2の保護者の端末装置ある場合、電子決済の金額が予め定められた第2金額以下(第1金額>第2金額)であると許可依頼メッセージを第2の保護者の端末装置へ送信せずに電子決済を行うことを可能としてもよい。
【0045】
上述した実施形態においては、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超えている場合、電子決済を許可するか禁止とするかを親の端末装置10Aで親が決定しているが、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離が閾値を超える場合、端末装置10Bは、許可依頼メッセージを送信せず、電子決済の処理を中止し、電子決済を中止したことを報知するようにしてもよい。
【0046】
上述した実施形態においては、子の端末装置10Bが許可依頼メッセージを親の端末装置10Aへ送信する際、この許可依頼メッセージに端末装置10Bの測位部109Bから取得した位置情報を含め、許可依頼メッセージを受信した端末装置10Aにおいては、メッセージに含まれている位置情報が表す位置を地図上で表示するようにしてもよい。
【0047】
本発明においては、子の端末装置10Bは、測位部109Bから取得した位置情報を定期的に親の端末装置10Aへ送信する構成としてもよい。この構成の場合、親の端末装置10Aは、子の端末装置10Bから送られた位置情報が表す位置から測位部109Aから取得した位置情報が表す位置までの距離を求め、求めた距離が予め定められた閾値以下の場合には、決済を許可する許可メッセージを送信し、求めた距離が閾値を超える場合には、決済を禁止する禁止メッセージを送信する。本変形例においては、子の端末装置10Bは、電子決済を行う前に受信している最新のメッセージが許可メッセージである場合、端末装置10Bがリーダー/ライターにかざされると電子決済を行い、電子決済を行う前に受信している最新のメッセージが禁止メッセージである場合、端末装置10Bがリーダー/ライターにかざされると、電子決済を実行できないことをユーザーに報知する。
【0048】
上述した実施形態では、子の端末装置10Bが親の端末装置10Aの位置情報を定期的に取得しているが、子の端末装置10Bが親の端末装置10Aの位置情報を取得する構成は、この構成に限定されるものではない。例えば、子の端末装置10Bは、電子レジスターからのポーリング信号を受信すると、親の端末装置10Aの位置情報を取得する構成としてもよい。また、子の端末装置10Bが親の端末装置10Aへ位置情報を要求するのではなく、親の端末装置10Aが測位部109Aから取得した位置情報を定期的に子の端末装置10Bへ送信する構成としてもよい。これらの構成でも、子の端末装置10Bから親の端末装置10Aまでの距離を端末装置10Bで求めることができる。
【0049】
上述した実施形態においては、端末装置10Aを親が所有し、端末装置10Bを子が所有しているが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置10Aを夫が所有し、端末装置10Bを妻が所有してもよい。
【0050】
端末装置のプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、インストールしてもよい。また、通信回線を介してプログラムをダウンロードしてインストールしてもよい。