(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<全体構成>
【0014】
まずは、
図1から
図3を参照して、本実施の形態にかかる手押し車100の全体構成について説明する。なお、
図1は、本実施の形態にかかるハンドルが高い状態における手押し車100全体の前方斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかるハンドルが高い状態における手押し車100全体の後方斜視図である。
図3は、本実施の形態にかかるハンドルが低い状態における手押し車100全体の前方斜視図である。
【0015】
本実施の形態にかかる手押し車100は、その下部に、一対の前側フレーム111L,111Rと、一対の前側車輪112L,112Rと、一対の後側フレーム113L,113Rと、一対の後側車輪114L,114Rと、一対の連結部材116L,116Rと、一対のリンク部材117L,117Rと、腰掛けフレーム180と、バッグ取付フレーム190とを備えている。
【0016】
前側フレーム111L,111Rのそれぞれの上端部は連結部材116L,116Rに固定されている。後側フレーム113L,113Rのそれぞれの上端部は、連結部材116L,116Rに対して回動可能に軸着されている。これにより、後側フレーム113L,113Rを、それぞれ、前側フレーム111L,111Rに近づけるように回動させることによって、手押し車100を前後方向にコンパクトに畳むことができるようになっている。
【0017】
また、前側フレーム111L,111Rのそれぞれの下端には前側車輪112L,112Rが水平方向に回動自在に取り付けられている。これによって、ユーザは、行きたい方向に手押し車100を進めることができるようになっている。本実施の形態の手押し車100に用いられている前側車輪112L,112Rのそれぞれは、回動規制スライド115L,115Rを有している。ユーザは、この回動規制スライド115L,115Rそれぞれの上下方向の位置を変えることにより、前側フレーム111L,111Rに対する前側車輪112L,112Rの水平方向の回動を許可したり規制したりすることができる。もちろん、回動機構を持たない前側車輪112L,112Rを採用してもよい。
【0018】
後側フレーム113L,113Rのそれぞれの下端には後側車輪114L,114Rが取り付けられている。また、後側フレーム113L,113Rそれぞれの後側車輪114L,114Rの近傍には、後述するように当該後側車輪114L,114Rに制動力を付与する車輪当接部165L,165Rが取り付けられている。
【0019】
リンク部材117L,117Rの各々は、その中央部で折れ曲がり自在に構成された短冊状部材である。リンク部材117L,117Rのそれぞれは、その一端が前側フレーム111L,111Rの上下中央部に軸着されているとともに、その他端が後側フレーム113L,113Rの上下中央部に軸着されている。後側フレーム113L,113Rのそれぞれを前側フレーム111L,111Rから遠ざけて展開すると、リンク部材117L,117Rが一直線状に延びきるようになる。これによって、前側フレーム111L,111Rに対する後側フレーム113L,113Rの開き角度を規定できるようになっている。
【0020】
腰掛けフレーム180は、バッグ取付フレーム190よりもやや上方において一対の前側フレーム111L,111R間に取り付けられている。この腰掛けフレーム180は前側フレーム111L,111Rに対して回動可能に取り付けられている。ユーザは、腰掛けが不要な時は、腰掛けフレーム180を跳ね上げる。ユーザは、腰掛けを使用する時は、腰掛けフレーム180を倒して、その上に座る。
【0021】
バッグ取付フレーム190は、一対の前側フレーム111L,111R間に固定されている。
【0022】
なお、上述したもの以外にも、一対の前側フレーム111L,111R間に1または複数の補強用フレームが固設されてもよいし、一対の後側フレーム113L,113R間に1または複数の補強用フレームが固設されてもよい。
【0023】
そして、本実施の形態にかかる手押し車100は、その上部に、一対の縦フレーム131L,131Rと、ハンドル120とを備えている。
【0024】
一対の縦フレーム131L,131Rの各々は、鉄、アルミニウム、それらの合金、あるいは樹脂などで形成された略円筒形の棒状部材である。一対の縦フレーム131L,131Rは、位置調節機構130の一部を構成する。また、一対の縦フレーム131L,131Rは、ハンドル120とともに、ハンドル高さ調節機構140の一部も構成する。なお、位置調節機構130およびハンドル高さ調節機構140に機構については、後述する。
【0025】
ハンドル120は、縦フレーム131L,131Rの上端に固定された略U字状のハンドルフレーム121と、一対の肘置き125L,125Rを含む。
【0026】
ハンドルフレーム121は、縦フレーム131L,131Rと同様に鉄、アルミニウム、それらの合金、あるいは樹脂などで形成されている。ハンドルフレーム121は、略水平、かつ、手押し車100の進行方向に凸となるように(換言すれば、両先端が手押し車100の進行方向とは反対方向を向くように)配設されている。
【0027】
一対の肘置き125L,125Rは、自力では起立状態を維持できないユーザなどが肘を置いて手押し車100に体重の一部を掛けるのに用いられる部分である。一対の肘置き125L,125Rのそれぞれは、パット部材126L,126Rと、ヒンジ部材127L,127Rとで構成されている。本実施の形態の肘置き125L,125Rのそれぞれは、パット部材126L,126Rを跳ね上げた状態、あるいは、倒した状態にすることが可能になっている。ユーザがハンドル120の両端部の後側握り部121L,121Rを握る場合はパット部材126L,126Rを跳ね上げた状態で使用し、ユーザが肘置き125L,125Rに肘を置きたい場合はパット部材126L,126Rを倒した状態で使用することになる。
【0028】
本実施の形態にかかる手押し車100は、ブレーキ機構として、レバー161L,161Rと制動バー165とを含む。制動バー165は、略U字状に形成された棒状部材である。制動バー165の両端はそれぞれ外向きに折り曲げられて車輪当接部165L,165Rが形成されている。このようにして、ユーザが、レバー161L,161Rを操作すると、図示しないワイヤーを介して、制動バー165が回動し、車輪当接部165L,165Rが後側車輪114L,114Rに当接することにより、後側車輪114L,114Rに制動力を付勢することができるようになっている。
<ハンドル高さ調節機構140>
【0029】
本実施の形態にかかる手押し車100は、ハンドル120の高さを調節することができる。たとえば、
図3に示すようなハンドル120が低い状態から、
図1および
図2に示すようなハンドル120の高い状態へと変更することができる。以下では、
図4から
図7を参照しながら、ハンドル高さ調節機構140の一部である位置調節機構130の説明を行う。
【0030】
なお、
図4は、本実施の形態にかかるハンドル120の高さをロックしている状態からハンドル120の高さを変更可能な状態への推移を示すハンドル高さ調節機構140の一部である位置調節機構130の外側の後方斜視図である。
図5は、本実施の形態にかかるハンドル120の高さをロックしている状態からハンドル120の高さを変更可能な状態への推移を示すハンドル高さ調節機構140の一部である位置調節機構130の内側の後方斜視図である。
【0031】
まず、
図1〜
図5に示すように、本実施の形態の縦フレーム131L,131Rのそれぞれは、上述した連結部材116L,116Rのそれぞれに嵌挿される。そして、縦フレーム131L,131Rの各々は、ハンドル120の高さが調節できるように、他方の縦フレーム131L,131Rに対向する面に複数の高さ調節用孔131X,131X,・・・が縦方向に所定の間隔で形成されている。
【0032】
図1〜
図4に示すように、連結部材116L,116R同士は、水平支持部材132によって連結される。すなわち、本実施の形態にかかる左の連結部材116Lは、左の前側フレーム111Lの上端と、左の後側フレーム113Lの上端と、左の縦フレーム131Lの途中と、水平支持部材132の左端とに連結される。同様に、右の連結部材116Rは、右の前側フレーム111Rの上端と、右の後側フレーム113Rの上端と、右の縦フレーム131Rの途中と、水平支持部材132の右端とに連結される。
【0033】
図4および
図6を参照して、水平支持部材132の形状について説明する。なお、
図6は、本実施の形態にかかる水平支持部材132を示す底面図である。
【0034】
水平支持部材132は、右の端部が右の連結部材116Rの左側面に固設され、左の端部が左の連結部材116Lの右側面に固設される。水平支持部材132には、下部あるいは後部あるいは後下部の左側に左スリット132XLが形成されている。これによって、後述する左の操作部材134Lが左スリット132XLに沿って左右方向に摺動することができる。より詳細には、左スリット132XLを左操作部材134Lの前端部134LXがスライドする。左スリット132XLの右端部には、左操作部材134Lが右方向に押された状態で保持できるように、上方または下方または上方と下方の両方に凹部132XLYが形成されている。
【0035】
同様に、水平支持部材132には、下部あるいは後部あるいは後下部の右側に右スリット132XRが形成されている。これによって、後述する右の操作部材134Rが右スリット132XRに沿って左右方向に摺動することができる。より詳細には、右スリット132XRを右操作部材134Rの前端部134RXがスライドする。右スリット132XRの左端部には、右操作部材134Rが左側に押された状態で保持できるように、上方または下方または上方と下方の両方に凹部132XRYが形成されている。
【0036】
次に、
図5および
図7を参照して、位置調節機構130の水平支持部材132の内部の構造について説明する。
図7は、本実施の形態にかかる水平支持部材132の内部の構造を示す分解斜視図である。
【0037】
水平支持部材132の内側には、左スライド133Lと右スライド133Rと、バネ137とが配置されている。右スライド133Rは、右スライド本体136Rと、右操作部材134Rとが固設されることによって構成される。左スライド133Lは、左スライド本体136Lと、左操作部材134Lとが固設されることによって構成される。
【0038】
右スライド本体136Rの右部136RYは、右スライド本体136Rの他の部分よりも細く形成されている。右スライド本体136Rの右端部は、右連結部材116Rの左側面を貫通して、右連結部材116R内において右縦フレーム131Rの高さ調節用孔131X,131X,・・・に嵌挿可能になっている。ただし、右スライド本体136Rとその右部136RYは、別々の部材であってもよい。この場合でも、右スライド本体136Rとその右部136RYとは、左右方向に連動して摺動することが好ましい。
【0039】
左スライド本体136Lの左部136LYは、左スライド本体136Lの他の部分よりも細く形成されている。左スライド本体136Lの左端部は、左連結部材116Lの左側面を貫通して、左連結部材116L内において左縦フレーム131Lの高さ調節用孔131X,131X,・・・に嵌挿可能になっている。ただし、左スライド本体136Lとその左部136LYは、別々の部材であってもよい。この場合でも、左スライド本体136Lとその左部136LYとは、左右方向に連動して摺動することが好ましい。
【0040】
右スライド本体136Rには、左スライド本体136Lの右部136LXが摺動自在に嵌挿される。より詳細には、右スライド本体136Rの左面には、長方形の孔136RXが形成されている。一方、左スライド本体136Lの右部136LXは、断面が長方形の棒状に形成されている。
【0041】
これによって、左スライド本体136Lの右部136LXは、右スライド本体136Rの孔136RXに摺動自在に嵌挿される。そして、左スライド本体136Lの右部136LXの断面も、右スライド本体136Rの孔136RXの断面も、ともに円形ではないため、左スライド本体136Lと右スライド本体136Rとは、軸方向に摺動するが、すなわち左右方向に近づいたり離れたりはするが、円周方向には連動して回動するように形成されている。
【0042】
右スライド本体136Rの後部には、右操作部材134Rが固設される。より詳細には、右操作部材134Rは、細く形成された前端部134RXを介して、右スライド本体136Rに固設されている。ユーザから右操作部材134Rに加わる力によって、前端部134RXが水平支持部材132の右スリット132XR内をスライドすることにより、右スライド133R全体が左右方向に移動する。
【0043】
同様に、左スライド本体136Lの後部には、左操作部材134Lが固設される。より詳細には、左操作部材134Lは、細く形成された前端部134LXを介して、左スライド本体136Lに固設されている。ユーザから左操作部材134Lに加わる力によって、前端部134RXが水平支持部材132の左スリット132XL内をスライドすることにより、左スライド133L全体が左右方向に移動する。
【0044】
左スライド本体136Lの右部136LXの周囲には、バネ137が配置されている。すなわち、右スライド本体136Rと左スライド本体136Lとは、バネ137によって、両者が離れるように付勢されている。さらに換言すれば、バネ137によって右スライド本体136Rは、右縦フレーム131Rの高さ調節用孔131X,131X,・・・に向けて付勢されている。逆に、バネ137によって左スライド本体136Lは、左縦フレーム131Lの高さ調節用孔131X,131X,・・・に向けて付勢されている。
<ハンドル高さ調節機構140の使用方法>
【0045】
次に、
図4から
図7を参照しながら、ハンドル高さ調節機構140の使用方法についての説明を行う。
【0046】
図4(a)および
図5(a)に示すように、通常は、右スライド本体136Rと左スライド本体136Lとが、バネ137によって、両者が離れるように付勢されている。そのため、右スライド本体136Rの右端部136RYは、右縦フレーム131Rの高さ調節用孔131Xに嵌挿されており、左スライド本体136Lの左端部136LYは、左縦フレーム131Lの高さ調節用孔131Xに嵌挿されている。この状態においては、縦フレーム131L,131Rが連結部材116L,116Rに対して摺動できないため、ハンドル120の高さは変化しない。ユーザは、この状態において、手押し車100を押しながら歩行したり、座部に座ったりする。
【0047】
図4(b)および
図5(b)に示すように、ユーザが、操作部材134L,134Rをつまんで両者を引き寄せると、右スライド本体136Rと左スライド本体136Lとが、バネ137の付勢力に抗して、互いに近寄る。そのため、右スライド本体136Rの右端部は、右縦フレーム131Rの高さ調節用孔131Xから抜け、左スライド本体136Lの左端部は、左縦フレーム131Lの高さ調節用孔131Xから抜ける。この状態においては、縦フレーム131L,131Rが連結部材116L,116Rおよびスライド本体136L,136Rに対して上下方向に摺動できるようになるため、ユーザは、ハンドル120の高さを自由に変更することができる。しかし、ユーザは、一方の手で操作部材134L,134Rをつまんで両者を引き寄せながら、他方の手でハンドル120を持ち上げるのは、大変である。特に、ハンドル120や縦フレーム131L,131Rが重たい場合には、それらを高齢者が片手で持ち上げるのは非常に困難である。
【0048】
そこで、本実施の形態においては、
図4(c)および
図5(c)に示すように、ユーザは、操作部材134L,134Rをつまんで両者を引き寄せた状態で、操作部材134L,134Rを後上方に回動させることができる。より詳細には、ユーザは、左の操作部材134Lの前端部134LXを、左スリット132XLの右端部の凹部132XLY内に移動させ、右の操作部材134Rの前端部134RXを、右スリット132XRの左端部の凹部132XRY内に移動させる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、左スリット132XLの右端部には、後上方に凹部132XLYが形成されている。また、右スリット132XRの左端部には、後上方に凹部132XRYが形成されている。しかしながら、左スリット132XLの右端部に、前下方に凹部132XLYが形成されてもよい。そして、右スリット132XRの左端部にも、前下方に凹部132XRYが形成されてもよい。このような構成の場合、ユーザは、操作部材134L,134Rをつまんで両者を引き寄せた状態で、操作部材134L,134Rを前下方に回動させることになる。
【0050】
これによって、ユーザが手を放しても、左の操作部材134Lの前端部134LXが左スリット132XLの右端部の凹部132XLYに当接するため、左の操作部材134Lと左スライド本体136Lとがバネ137の付勢力に抗することになり、左スライド133Lが左方に移動することが防止される。同様に、右の操作部材134Rの前端部134RXが右スリット132XRの左端部の凹部132XRYに当接するため、右の操作部材134Rと右スライド本体136Rとがバネ137の付勢力に抗することになり、右スライド133Rが右に移動することが防止される。
【0051】
その結果、ユーザは、操作部材134L,134Rから手を放すことができるようになり、両方の手でハンドル120を持ち上げることが可能になる。ユーザは、ハンドル120を所望の位置まで持ち上げた状態で、
図4(b)および
図5(b)に示すように、操作部材134L,134Rをつまんで下方に回動させることができる。
【0052】
なお、縦フレーム131L,131Rと連結部材116L,116Rとは、ハンドル120および縦フレーム131L,131Rの自重でハンドル120および縦フレーム131L,131Rが下降しない程度の摩擦抵抗を有していることが好ましい。あるいは、縦フレーム131L,131Rと連結部材116L,116Rとが、少しの力で支えるだけでハンドル120および縦フレーム131L,131Rが下降しないぐらいの摩擦抵抗を有していてもよい。
【0053】
ユーザが、操作部材134L,134Rから指を離すと、
図4(a)および
図5(a)に示すように、右スライド本体136Rと左スライド本体136Lとが、バネ137によって離れていく。そして、右スライド本体136Rの右端は、右縦フレーム131Rの高さ調節用孔131Xに嵌挿され、左スライド本体136Lの左端は、左縦フレーム131Lの高さ調節用孔131Xに嵌挿される。これによって、縦フレーム131L,131Rが連結部材116L,116Rに対して摺動できなくなる。ユーザは、この状態において、手押し車100を押しながら歩行したり、座部に座ったりする。
<まとめ>
【0054】
以上のように、本実施の形態にかかる手押し車100は、第1の筒体116Rと、第1の筒体の内側を摺動し、側面に複数の第1の穴131X,131X,・・・が形成された第1の軸131Rと、第1の穴の方向へ付勢される第1のスライド部材133Rと、第1の筒体に略直角に固設され、軸方向に第1の操作部材が摺動するための第1のスリット132XRが形成された支持部材132と、を含む位置調節機構130が提供される。第1のスライド部材133Rは、複数の第1の穴に挿通可能な第1の端部136RYと、第1の操作部材134Rとを含む。第1のスリット132XRの、第1のスライド部材133Rが付勢される方向と逆方向の端部に、第1の操作部材を係止するための第1の凹部132XRYが形成される。
【0055】
さらに、本実施の形態においては、位置調節機構130は、第1の筒体と平行な第2の筒体116Lと、第2の筒体の内側を摺動し、複数の第1の穴に対向する複数の第2の穴131X,131X,・・・が形成された第2の軸131Lと、第2の穴の方向へ付勢される第2のスライド部材133Lと、をさらに含む。第2のスライド部材133Lは、複数の第2の穴に挿通可能な第2の端部136LYと、第2の操作部材134Lとを含む。支持部材132は、第2の筒体に略直角に固設され、軸方向に第2の操作部材が摺動するための第2のスリット132XLが形成される。第2のスリットの、第2のスライド部材が付勢される方向と逆方向の端部に、第2の操作部材を係止するための第2の凹部132XLYが形成される。
【0056】
さらに、本実施の形態においては、第1のスライド部材133Rと第2のスライド部材133Lとが支持部材132の周方向に連動して回動する。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、上記の位置調節機構130を備えるハンドル高さ調節機構140が提供される。第1の軸131Rが、略垂直方向に配置される。ハンドル高さ調節機構140は、第1の軸の上方に取り付けられるハンドル120をさらに備える。
【0058】
さらに、本実施の形態においては、上記のハンドル高さ調節機構140と、第1の軸の下方に取り付けられる複数の車輪112R,114Rとを備える、手押し車100が提供される。なお、第1の軸の下方に取り付けられる複数の車輪としては、個数、配置位置、サイズなどに関して、様々な形態が考えられる。本実施の形態のように、4つの前後左右の車輪112L,112R,114L,114Rに限られない。
【0059】
ただし、上記のハンドル高さ調節機構140は、第1の軸の下方に取り付けられる複数の車輪112R,114Rを含む上記のような手押し車100に利用されるものに限らない。たとえば、上記のハンドル高さ調節機構140は、自転車やバイクや電動式歩行補助具などに利用することもできる。
【0060】
また、上記の位置調節機構130は、第1の軸132Rが、略垂直方向に配置され、第1の軸の上方に取り付けられるハンドル120を含む上記のようなハンドル高さ調節機構140に利用されるものに限らない。たとえば、上記の位置調節機構130は、椅子の背もたれの高さ調節機構や、左右の肘掛の幅調節機構や、右車輪と左車輪の幅調節機構などに利用することもできる。
【0061】
また、第1のスライド部材133Rと第2のスライド部材133Lとが支持部材132の周方向に連動していなくてもよい。たとえば、第1のスライド部材133Rと第2のスライド部材133Lとが別々に、支持部材132の円周方向に回動するものであってもよい。
【0062】
また、位置調節機構130が、第2の筒体116Lと、第2の軸131Lと、第2のスライド部材133Lとを含まなくてもよい。すなわち、位置調節機構130が、1つの筒体116Rと、1つの第1の軸131Rと、1つの第1のスライド部材133と、支持部材132と、を含むものであってもよい。たとえば、位置調節機構130が、片手用の歩行者の高さを調節するために利用されても良い。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。