(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前後に長い卓台状に形成した架台(1)の台枠(10)の上面側には、架台1に組み付けたモータ(M)による駆動で作動して苗箱(B)を台枠(10)の前端側から後端側に向け搬送する搬送コンベア(C)と、その搬送コンベア(C)により搬送される苗箱(B)を誘導する搬送路(W)とが装備され、
台枠(10)の長手方向における中間部の上方位置には、底面に下方に開放する下口(2a)を設けたホッパ(2)が、前記台枠(10)上面の搬送路(W)から苗箱(B)の高さ寸法の略数倍の寸法の距離をおいた高さ位置に配位して架台(1)に装架され、
該ホッパ(2)の下面側の下方には、架台(1)に装架せるモータ(M)による駆動によって作動し、ホッパ(2)内に装填せる種籾を前方に向け繰り出す繰出コンベア(D)が装架され、
前記搬送路(W)の連続方向の途中で、繰出コンベア(D)の放出口(Y)の下方に位置する部位には、搬送路(W)を移動してくる苗箱(B)の底部下面に対する作動アームの接触によりオンに作動し、その作動アームの苗箱(B)の底部下面との接触の解放によりオフに復元作動するよう構成された第1のリミットスイッチ(LS1)が設置され、
かつ、この第1のリミットスイッチ(LS1)の設置位置より手前にずれ込んだ位置に、前記第1のリミットスイッチ(LS1)と同様に構成された第2のリミットスイッチ(LS2)が設置され、
第2のリミットスイッチ(LS2)の設置位置を、次順位の苗箱(B)の底部との接触により行われる第2のリミットスイッチ(LS2)のオン作動が、次順位の苗箱(B)の前端側の縁部(B3)の前端面と搬送路(W)上に停止している先順位の苗箱(B)の後端側の縁部(B3)の後端面とが当接乃至種籾の粒径よりも狭い間隔をおいて対向する状態となったときに行われる位置とし、
前記両方のリミットスイッチ(LS1)・(LS2)を、繰出コンベア(D)を駆動せしめるモータ(M)の制御回路に対し、オン作動によりその制御回路を閉成して繰出コンベア(D)の作動を開始させ、オフ作動により制御回路を開成して繰出コンベア(D)の作動を停止せしめるように、制御回路上に直列に配置して制御回路に接続された土入機を利用する種籾のコーティング処理の仕上装置。
【背景技術】
【0002】
直播きにより播き付けた種籾が、鳥害を受けるのを防止するための手段として、播き付ける種籾を、鉄粉に焼石膏の粉末を添加するなどで調整した鉱物の粉末でまぶし、それに加水してこねあわせ、鉱物の粉末を、加水により生じてくる鉱物の酸化による酸化鉄(さび)により結合させて、種籾の周面に凝結させることにより、種籾に鉱物のコーティング処理を施しておくことが有効であることは知られている。
【0003】
この種籾を鉱物でコーティングする際、種籾にまぶし加水してこねあわせた鉱物の粉末を、鉄粉の粉末の酸化により生成してくる酸化鉄(さび)による結合で凝結させるときに、鉄粉の酸化の際に生じてくる酸化熱の放散が充分でないと、その酸化熱が、種籾にまぶした鉱物粉末の層内に集積して、種籾を昇温させ、発芽障害を起こすようになることから、この鉱物の粉末を加水して種籾の周面に付着させ、凝結させることにより行う種籾の鉱物によるコーティング処理は、種籾に付着させた鉱物粉末を凝固させる工程においては、その鉱物粉末を付着させた種籾を薄い層に拡げた状態に保持して、酸化熱の放散が充分に行われるようにしておく必要があることも知られている。
【0004】
そして、加水した鉱物粉末を付着せしめた種籾を、拡散させた状態とするのに、浅い平箱状の容器を用意しておいて、これに、鉱物の粉末を付着せしめた種籾を投入して、該容器の床板の上面に薄く拡げるように均らし、拡散させた状態とし、この状態のまま、数日乃至1週間程度放置し、鉱物粉末の固結が終えたところで、容器内から所定の籾袋に移し換える手段の試みもなされている。
【0005】
さらに、鉱物の粉末を付着させた種籾を拡散させた状態に保持するための容器としては、田植機に用いる土付き苗を育生するのに通常使用されている育苗箱(苗箱)を、そのまま利用できること、そして、この田植機用の土付き苗の育成に用いる苗箱を、鉱物の粉末を付着させた種籾を拡散させるための容器に利用するとき、この苗箱内に土付き苗を育成するための床土を、均分して投入し得ように構成してある土入機の装置、設備を、そっくり、そのまま利用して、その苗箱内に、鉱物の粉末を付着させた種籾を、拡散させた状態として投入していけること、が判り、このような技術手段が試行されてきている。
【0006】
次に、この、鉱物の粉末を付着させた種籾を、容器として用いる苗箱内に拡散させた状態に投入する手段に用いる土入機の構成を、
図1及び
図2により説明する。
図1及び
図2において、Aは土入機の全体を示し、1はその土入機Aの主体枠となる架台を示す。架台1は、前後に永い左右の桁材10aとこれら左右の桁材10aと桁材10aとの間に渡架した短い横桟10bとにより前後に長い角枠状乃至梯子状に組み立てられた台枠10と、その台枠10の下面側に組み立てた支脚11とにより、前後に長い卓台状に構成してある。また、図において鎖線で表示し、符号Bを付している部材は、土入機Aにより床土を投入する対象とする苗箱を示し、前記土入機Aの台枠10の上面で、前端側(図において右端側)に寄る部位に載架した状態を表している。該苗箱Bは周囲の壁板B1と床板B2とからなる浅い平箱状の容器であり、前後の端部には、壁板B1の上端から外側に張り出す持ち手状の縁部B3が設けてある。
【0007】
台枠10には、それの上面側で、左右の桁材10aと桁材10aとの間に、該台枠10の前端側に載架せしめた苗箱Bを該台枠10の後端側に搬送せしめるための搬送路Wが、苗箱Bの底部を嵌入せしめる浅いチャンネル状に形成してある。そして、この搬送路Wの床面には、台枠10上面の前端部位に載架した苗箱Bを、この搬送路Wに沿い後方に搬送せしめる搬送コンベアCが装備されている。
【0008】
搬送コンベアCは、台枠10の内腔の、前端部位(図において右端部位)において、台枠10の左右の桁材10aと桁材10aとの間に渡架するように支架せる支軸20と、その支軸20の左右の端部にそれぞれ軸支せる遊動プーリー21・21と、台枠10の前後の中間部位において、左右の桁材10aと桁材10aとの間に渡架軸支せる駆動軸22と、その駆動軸22に軸支せる駆動プーリー23と、この駆動プーリー23と前記支軸20に軸支せる遊動プーリー21との間にかけ回した無端のベルト24と、により構成されて、前述の駆動軸22が駆動されて回転することで、無端の搬送ベルト24が、
図2において細線の矢印で示している如く回動して、台枠10の前端部に載架した苗箱Bを、台枠10の前後の中間部に向けて搬送する搬送コンベア前半部C’と、台枠10の後端部位において左右の桁材10aと10aとの間に支架せる第2の支軸25と、その第2の支軸25の左右の端部にそれぞれ軸支せる第2の遊動プーリー26・26と、前記搬送コンベア前半部の駆動軸22に、その駆動軸22に軸支してある駆動プーリー23と並列させて軸支せる第2の駆動プーリー27と、その第2の駆動プーリー27と前記台枠10の後端側に支架した支軸25に軸支せる第2の遊動プーリー26との間に無端に掛け回した第2の搬送ベルト28とにより構成されて、前記搬送コンベア前半部が駆動されて回動したときに、同時に駆動されて、苗箱Bを台枠10の前後の中間部位から該台枠10の後端側に搬送する搬送コンベア後半部C”とからなる。
【0009】
この搬送コンベアCは、それの駆動軸22が、台枠10の中間部で左右の一側に配位して架台1に組み付け装架せる伝導機筐4内に組み付け装備せしめたモータMの回転軸に対し、適宜の伝導機構を介し伝導連繋させてあり、そのモータMを作動させることで、搬送作動を開始し、モータMの作動を停止させることで、搬送作動を停止するようにしてある。そして、そのモータMは、そのモータMの駆動をオン・オフ制御する制御回路(図示省略)に接続させて設けたメインスイッチ(図示省略)を、前記伝導機筐4の外面に組み付け付設せるメインスイッチレバー41の手動操作による切り替え作動により、オンに作動させて制御回路を閉成することで駆動が開始し、また、メインスイッチレバー41をオフの位置に作動させてメインスイッチをオフに作動させ、制御回路を開成することで、駆動が停止するように制御せしめてある。そしてこれにより、搬送コンベアCは、メインスイッチレバー41をオンの位置に作動させてモータMの作動を開始することで搬送作動を開始し、メインスイッチレバー41をオフの位置に作動させてモータMの作動を停止させることで、搬送作動を停止するようにしてある。
【0010】
2は、苗箱B内に供給する床土を貯留しておくホッパで、台枠10の前後方向(図において左右方向)における中間部位の上方側で、台枠10の上面から苗箱Bの高さ寸法の略数倍の距離寸法をおいた位置に装架せる角枠状の組付座板12の上面側に組み付け支架せしめてある。該ホッパ2は、それの底部が、前記角枠状の組付座板12の内側に形成される枠穴13に対応する形状の下口2aとして開放していて、その下口2aは前記組付座板12の枠穴13に接続連通している。
【0011】
前記組付座板12の下面側には、遊動ローラ30と駆動ローラ31とが、前後に一対に対向するように並列して軸支してあり、これら遊動ローラ30と駆動ローラ31とには、無端の搬送ベルト32が巻きかけてあり、その搬送ベルト32の上方回動側の上面側は、前記組付座板12の枠穴13を介して、前述のホッパ2の下口2aに対して連通してあって、そのホッパ2の底壁の機能を果すようにしている。
【0012】
そして、この搬送ベルト32は、駆動ローラ31の回転軸が、前述の伝導機筐4内に装備せしめたモータMの回転軸に対し、伝導機筐4内に設けた適宜の伝導機構を介して伝導していて、駆動ローラ31がモータMにより駆動されて回転することで、
図2において細線の矢印で示している如く、上周面側が後方から前方に向けて回動するように作動する。そして、この作動により該搬送ベルト32の上面に支承されているホッパ2内の床土を、ホッパ2の下口2aの前縁側に形成している繰出口33から繰り出して、前記搬送ベルト32の、搬送方向における終端側の回行部の外周面側に形成される放出口Yにおいて放出して落下させ、台枠10に組み付け装備せしめた搬送コンベアC上に載架せる苗箱B内に投入せしめる繰出コンベアDを構成している。
【0013】
34は、前記繰出口33の前面に、前後に自在に回動するよう軸支して、繰出口33を開閉せしめるシャッタ板で自重により垂直に垂下する姿勢に向け回動せしめて繰出口33を閉塞した状態とし、繰出コンベアDの作動により床土が繰出口33から繰り出されてくると、その床土の繰出圧力により前方に向け回動して繰出口33を開放し、床土の繰り出しを許容するとともに、自重による後方への復元回動の作動で、繰り出される床土の流れの上面側を抑えて繰出量を一定の量に規制し、繰出コンベアDの作動が停止すると自重による復元回動力で繰出口33を閉塞するように機能する。
【0014】
しかして、この繰出コンベアDと台枠10に組み付けた搬送コンベアCとは、前述した如く、伝導機筐4内に設けたモータMの作動によって、それぞれ駆動されて、床土を繰り出す繰出作動、苗箱Bを搬送する搬送作動を開始するように制御せしめていることから、伝導機筐4の外面に組み付けて設置してあるメインスイッチレバー41を操作してオンの位置に作動させ、モータMを起動させると、これら搬送コンベアCと繰出コンベアDは、ともに作動を開始し、繰出コンベアDにあっては、ホッパ2内に投入しておいた床土を、繰出口33から連続して繰り出す状態となり、搬送コンベアCにあっては、苗箱Bを搬送する搬送作動を連続して行う状態となる。
【0015】
このことから、土入機Aは、台枠10の前端側(図において右端側)の上面に苗箱Bを供給すれば、その苗箱Bは、搬送コンベアCにより、台枠10上を後端側に向けて搬送されていき、床土を連続して繰り出している繰出コンベアDの繰出口33の下方を通過していく間に、その繰出コンベアDから繰り出される床土の供給を受け、該苗箱Bの箱内に床土が装填された状態となって台枠10の後端側に搬送されるようになるので、空の苗箱Bを台枠10上面の前端側に供給さえすれば、箱内に対する床土の投入が自動的に行われて、床土の装填を終えた苗箱Bとして、台枠10の後端部において取り出せるようになり、苗箱B内に苗の育成用の床土を装填する手段として、能率のよい土入機を構成している。
【0016】
このように構成されている土入機Aは、それのホッパ2内に、鉱物の粉末を加水して付着させてコーティング処理を施した種籾を投入しておき、また、鉱物の粉末によるコーティング処理を施した種籾を拡散させた状態に受け入れさせるための容器として苗箱Bを用い、この苗箱Bを台枠10の上面の前端側(搬送コンベアCの搬送方向の始端側)に載置した状態で、作動させれば、ホッパ2内に投入しておいた種籾が、繰出コンベアDの作動で、順次繰出口33から繰り出されて、搬送ベルト32の搬送方向の終端側の回行部の外周面により形成される放出口Yにおいて、自由空間に放出され、自然の流下により下方に落下していくようになる。そして、この落下してくる種籾を、搬送コンベアCの作動で移動してくる苗箱Bが、それの内部の床板B2の上面に前端側(苗箱Bの移動方向における前端側)の部分から、床板B2の上面の後端側の部位に至る間に、順次受け入れ場所を変えながら、受け入れていくようになり、受け入れた種籾を床板B2上に拡げた状態にする。従って、種籾のコーティング処理装置を構成するようになる。
【0017】
このようにして構成する種籾のコーティング処理装置は、上述の土入機Aのホッパ2内に、鉱物の粉末を加水して付着させる処理を施した種籾を投入しておいて、繰出コンベアDの作動により繰出口33から繰り出されるようにし、また、この鉱物の付着処理を施した種籾を、拡散させた状態に保持して、鉱物の粉末によるコーティング処理を完結させるための容器として、苗箱Bを用い、これを、台枠10上に供給して、その苗箱Bが繰出口33の下方を通過していく間に、繰出口33から繰り出されて落下してくる種籾を、該苗箱B内の床板B2の前端側の部位から後端側の部位に向け順次受け入れ部位を変えながら受け入れて、拡散した状態に保持せしめるようにしている手段であり、上述の土入機Aを、そっくりそのまま利用して構成している手段であって、鉱物の粉末を加水して付着させる処理を施した種籾を、それに付着させた鉱物粉末によるコーティング処理が鉄粉の酸化の際に生ずる酸化熱の放散が充分に行われるようにするために容器内に投入して拡散した状態にするのが、手間をかけずに能率的に行えるようにしている手段である。
【0018】
しかし、この土入機を利用して構成する種籾のコーティング処理手段は、土入機の、搬送コンベアCに繰出コンベアDとが、作業中、常時連続して作動することから、台枠10の上面に対する苗箱Bの供給が途絶えるなどで、繰出コンベアDの繰出口33の下方に苗箱Bが存在していないときでも、繰出コンベアDが連続して作動していることで繰出口33から種籾を繰り出し続けることにより、苗箱B内に投入する種籾に多量のロスが生じる問題がある。
【0019】
このロスの問題は、土入機Aを、本来の、苗箱B内に育苗用の床土を装填する作業に用いる場合にも必然的に生じてくる問題であるが、ホッパ2内に投入する床土が安価に得られるものであることから損失となるまでには至らないことで許されていたものである。
【0020】
しかし、土入機を利用して種籾のコーティング処理の仕上げ手段を構成した場合は、繰出コンベアDの作動により繰出口33から繰り出されて落下し、移動してくる苗箱B内に供給されていくのが、鉱物粉末を加水して付着処理を施した種籾であり、コストのかかった高価なものなので、ロスが損失となり許されず、解消すべき問題となってくる。
【0021】
そこで、この対策として、次に記載するような手段が試みられている。
この手段は、
図3に示しているように搬送コンベアCの作動により搬送される苗箱Bを誘導するよう台枠10の上面側に形成されている搬送路Wの途中で、繰出コンベアDの搬送ベルト32の搬送方向終端側の回行部の外周面により形成される放出口Yの下方に位置する部位に、搬送路Wを移動してくる苗箱Bの底部との接触により作動アームrが押し込まれてオンに作動し、接触が外れると作動アームrがオフの位置に復元してオフに作動するリミットスイッチLSを設置し、このリミットスイッチLSを、繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御する駆動回路に、該リミットスイッチLSがオンに作動するとその繰出コンベアDの駆動回路を閉として繰出コンベアDの作動を開始させ、オフに作動するとその駆動回路を開として繰出コンベアDの作動を停止させるように接続して構成する手段である。
【0022】
そして、この構成により、搬送路Wを進行する苗箱Bの前端部が、搬送路Wの、繰出コンベアDの放出口Yの下方に位置する部位にまで進んでくると、
図3の上半側に示している如く、苗箱Bの底部の前端部がリミットスイッチLSの作動アームrに当接し、これを押し込むことでリミットスイッチLSをオンに作動させ、そのリミットスイッチLSのオン作動で、モータMの駆動回路を閉として、繰出コンベアDの繰り出し作動を開始させ、その繰出コンベアDの繰り出し作動により、ホッパ2内の種籾が、繰出口33から繰り出されて放出口Yにおいて落下し、搬送路W上の苗箱Bに対しその苗箱Bの放出口Yの下方に位置する部位に、供給されていく状態となる。
【0023】
進行し続ける苗箱Bは、その進行により、前述の放出口Yの下方に位置する部位が、該苗箱Bの前端部位から、順次、後端部位に向け移動していくようになる。しかし、この苗箱Bの進行の間、リミットスイッチLSは、それの作動アームrが、苗箱Bの底部の底面に当接し続けて押し込まれた状態に保持されることで、オンに作動した状態を続け、繰出コンベアDの種籾を繰り出す作動が引き続いて行われる状態とする。
【0024】
苗箱Bがさらに進んで放出口Yの下方位置を通りすぎ、苗箱Bの底部の後端部がリミットスイッチLSを通り越すと、
図3の下半側の図に示している如く、リミットスイッチLSの作動アームrが、苗箱Bの底部の後端から外れて、接触が解放されることによりオフの状態位置に復元し、駆動回路を開として繰出コンベアDの作動を停止させ、種籾の繰り出しをストップさせる。
【0025】
このように、繰出コンベアDの作動を制御することで、搬出コンベアCにより搬送されて移動してくる苗箱Bが繰出コンベアDの放出口Yの下方に位置しているときだけ、繰出コンベアDが作動して、床土または種籾を繰り出すようにし、苗箱Bが存在しないところに、種籾が繰り出されることで生ずる種籾のロスを防止する手段である。
【0026】
この手段は、
図3の上半側に示している如く、搬送路Wの途中で、繰出コンベアDの放出口Yの下方に位置する部位に、その搬送路Wを移動してくる苗箱Bの底部の前端部との接触により作動アームrがオンの作動位置に押し込まれてオンに作動し、繰出コンベアDの作動を開始させて種籾の繰り出しを開始せしめるリミットスイッチLSを設置する際、作動アームrがオンの作動位置に押し込まれることで、作動を開始した繰出コンベアDの繰り出し作動により繰り出されて放出口Yから放出されて落下する種籾が、苗箱Bの床面に届くまでに要する時間を見込んで、リミットスイッチLSの設置位置を、放出口Yより少し手前の位置に設定して、
図3の上半側の図にあるように設置しておくことにより、リミットスイッチLSの作動アームrが、搬送路Wを移動してくる苗箱Bとの接触によりオンに作動して、繰出コンベアDが繰り出し作動を開始し、それにより繰出口33から繰り出された放出口Yにおいて放出される種籾が、搬送路W上の苗箱Bに向け落下して供給されていくようになったときの、種籾の苗箱B内の床板B2の床面に対する供給が、その床板B2の床面の前端側の際の位置から行われるようになって、苗箱Bの床面の前端側に、種籾が存在しない空白部を生ぜしめることなく、床面の全面に種籾を供給していけるようになる。
【0027】
しかし、このように、設置位置を設定して、搬送路Wに設定したリミットスイッチLSにより種籾を繰り出す繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御せしめる手段には、苗箱Bの内部の床面の後端部が、繰出コンベアDの放出口Yの下方位置を占めるところまで、苗箱Bが移動してきても、リミットスイッチLSの作動アームrが苗箱Bの底部に接触し続けていることで繰出コンベアDの作動はオフとならず、種籾を繰り出し続け、放出口Yの下方に、苗箱Bの後端側の縁部B3が位置してくるところまで苗箱Bが移動してきて、作動アームrが苗箱Bの底部から外れたときに、繰出コンベアDの作動がオフとなって種籾の繰り出しを停止させるようになるので、
図3の下半側に示しているように、放出口Yから繰り出されて落下する種籾が苗箱Bの縁部B3の上面に落ち、その縁部B3上に落ちた種籾が、苗箱Bの外に流れることによる種籾のロスを発生させる問題が起きてくる。
【0028】
このリミットスイッチLSが苗箱Bの通過によりオフに作動して種籾の繰り出しを停止させるときに、苗箱Bの後端側に生じてくる種籾が苗箱Bの外に逸出して、種籾のロスを発生させる現象は、リミットスイッチLSの作動アームrのオフの作動点p1が、
図3の下半側に示す図にあるように作動アームrの先端にあるのに対し、作動アームrがオンに作動する作動点p2が、
図3の上半側の図にあるように、作動アームrの中間部にあることから、オフとする作動点p1がオンとする作動点p2よりも、苗箱Bの進行方向にずれ込んでいることで生ずるものであるが、作動アームrは、通過していく苗箱Bの凹凸のある底面に対し連続して接触する状態を保持しているようにするために長く形成し、かつ、上下方向の可動範囲を大きくすることから、作動点p1のずれ込みはどうしても生じてくるので、この苗箱Bの後端側に生ずる種籾の逸出の現象は、必然的に起きてくる現象である。
【0029】
この種籾が苗箱Bの後端側において苗箱Bの外に逸出する現象は、リミットスイッチLSの設置位置を、繰出コンベアDの放出口Yの下方位置に対し手前にずらして、苗箱B内の床板B2の後端部が放出口Yの下方位置を占めるところまで進んだ時に、オフに作動して種籾の繰り出しを停止するように制御せしめることで解消させ得るが、このようにリミットスイッチLSの設置位置を設定して設置すると、作動アームrをオンに作動させる作動点p2も手前にずれ込んだ位置に移動してくることで、苗箱Bが放出口Yの下方位置に到達する前に、作動アームrに苗箱Bの底部の前端部が当接して、これをオンに作動させ、繰出コンベアDの作動を開始させるようになるから、繰り出されはじめた種籾が、苗箱Bの前方の空間乃至苗箱Bの前端側の縁部B3の上面の範囲に落下してくるようになって、苗箱Bの前端側に種籾の逸出が生じてくるようになる。
【0030】
従って、この手段には、放出口Yの下方を通過していく苗箱B内に対し、放出口Yから放出されて落下していく種籾を供給するときに、苗箱Bの前端側と後端側との何れかに種籾の逸出損失を生ぜしめる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明において解決しようとする課題は、搬送路Wに組み込んだ搬送コンベアCにより、その搬送路W上を移動してくる苗箱に対し、搬送路Wの連続方向における中間部の上方に装架せるホッパ2内の床土を、そのホッパ2の下口の下面側に設けた繰出コンベアCにより繰り出し、放出口Yから落下させて、苗箱内に投入する形態の土入機を利用し、周面に鉱物の皮膜によるコーティング処理を施した種籾を、容器の床面に拡散させてコーティング処理を仕上げる仕上装置を構成する際に、そのコーティング処理の仕上装置を、搬送路Wに設けたリミットスイッチLSの、搬送路Wを移動してくる苗箱Bとの接触によるオン作動で、作動を開始する繰出コンベアDの作動によって、ホッパ2から種籾が繰り出されて放出口Yにおいて放出されて落下し、搬送路W上の苗箱Bに落下していくことで行われる苗箱Bに対する種籾の供給が、苗箱Bの前後の縁部B3の上面に種籾が落下することによる苗箱Bの外側への種籾の逸出を生ぜしめず、かつ、落下してくる種籾を承ける苗箱Bの床板B2の上面に、種籾が存在しない空白部を生ぜしめることなく、行われるように構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであるが、上述した、リミットスイッチLSによる苗箱Bの存否を検出する作動により繰出コンベアDの作動を作動開始と作動停止とに切り換えることで、繰出コンベアDにより繰り出されて苗箱B内に供給されていく種籾が苗箱Bの前方及び後方の苗箱Bから外れたところに落下していくのを抑止するようにしたときにおいて、苗箱Bの前端側の縁部と後端側の縁部との何れか一方の縁部の上面に種籾が落下して、苗箱Bの外に逸出する損失を生ぜしめている問題が、繰出コンベアDの作動をオンとする制御のための、搬送路Wの所定位置に苗箱Bが存在していることの検出作動と、繰出コンベアDの作動をオフとする制御のための搬送路Wの所定位置には苗箱Bが存在していないことの検出作動とを、1つのリミットスイッチLSのオン・オフ作動により行っていたことに起因して生じていることに想到し、このことから、搬送路Wの所定位置における苗箱Bの存否を検出せしめるよう搬送路Wに設置するリミットスイッチには、2つのリミットスイッチを用い、一方のリミットスイッチに苗箱Bが存在していることの検出作動を行わせ、他方のリミットスイッチに苗箱Bが不存在であることの検出作動を行わすことで解決し得ることに想到したことによりなされたものである。
【0033】
搬送路Wに、苗箱Bの存否を検出させるリミットスイッチLSを設置する際、そのリミットスイッチLSは、第1のリミットスイッチLS1と第2のリミットスイッチLS2との2つのリミットスイッチを設置する。これら、第1及び第2のリミットスイッチは、例えば、
図4に示しているように、第1のリミットスイッチLS1にあっては、繰出コンベアDの放出口Yの下方に位置する部位に配位して設置し、第2のリミットスイッチLS2にあっては、第1のリミットスイッチLS1の設置位置よりも、少し手前にずれ込んだ位置に設置し、これにより、第1と第2のリミットスイッチLS1・LS2を、搬送路Wの苗箱Bの搬送方向において、前後に喰い違うように配位して搬送路Wに設置する。そして、これら第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2は、それぞれ、繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御する駆動用のモータMの制御回路に対し接続するが、この制御回路に対する接続は、制御回路上に直列に配置して接続する。これにより、制御回路の閉成は、第1と第2との2つのリミットスイッチがともにオンに作動したときに行われ、制御回路の開成は、何れか一方のリミットスイッチがオフに作動したときに行われるようにしておく。
【0034】
このように、搬送路Wに2つのリミットスイッチLS1・LS2を配設すれば、搬送路W上に苗箱Bが存在しないときは、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2はともにオフの状態にあり、これにより制御回路は“開”の状態にある。従って、繰出コンベアDは、作動を停止した状態にある。
【0035】
この状態から搬送路Wに苗箱Bが供給され、その苗箱Bが移動してくると、まず、第1のリミットスイッチLS1の手前に位置している第2のリミットスイッチLS2に当接し、これをオンに作動させる。このとき、制御回路は、直列に配置して接続した第1と第2の2つのリミットスイッチLS1・LS2のうちの一方のリミットスイッチがオンに作動しただけで、他方のリミットスイッチはオフの状態にあることから、“開”の状態に保持される。従って、繰出コンベアDは、作動を停止した状態に維持される。
【0036】
苗箱Bの移動がさらに進むと、搬送路Wの搬送方向において、前記第2のリミットスイッチLS2に対し前位を占める第1のリミットスイッチLS1に当接し、このスイッチLS1をオンに作動させる。このとき、先にオンに作動した第2のリミットスイッチLS2は、それの作動アームrが移動していく苗箱Bの底部に接触し続けていることで、オンに作動した状態にある。この状態で行われる第1のリミットスイッチのオン作動は、直列に配置して制御回路に接続した2つのスイッチを共にオンに作動させたことになり、制御回路を“閉”とし、繰出コンベアDの作動を開始させる。従って、第1のリミットスイッチLS1は、苗箱Bの存否を検出する検出作動のうちの、苗箱Bが存在していることの検出作動を行うように機能するものとなる。
【0037】
苗箱Bの移動がさらに進み、繰出コンベアDの放出口Yの下方位置に設置してある第1及び第2のリミットスイッチを越すところまで移動してくると、苗箱Bの底部と第1及び第2のリミットスイッチとの接触が外れることで、これら第1及び第2のリミットスイッチは、それぞれオフに作動するようになるが、第2のリミットスイッチLS2が第1のリミットスイッチLS1より手前にずらした位置に設置してあることで、まずこの第2のリミットスイッチLS2のオフ作動が行われ、その後に第1のリミットスイッチLS1のオフ作動が行われるようになる。この第2のリミットスイッチLS2のオフ作動は、第1のリミットスイッチLS1がオンに作動していても、繰出コンベアDの駆動をオン・オフ制御する制御回路を“開”とするから、繰出コンベアDの作動を停止させる。従って、この第2のリミットスイッチLS2は、繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御するための、苗箱Bの存否を検出する検出作動のうちの、苗箱Bが存在していないことの検出作動を行うように機能するリミットスイッチとなる。
【0038】
このように、2つの苗箱Bの存否を検出させるリミットスイッチには2つのリミットスイッチを用い、それらスイッチのうちの一方のリミットスイッチに苗箱Bが存在していることの検出作動を行わせ、他方のリミットスイッチに苗箱Bが存在していないことの検出作動を行わすようにすれば、苗箱Bの不存在を検出させる他方のリミットスイッチの設置位置を所望に選択設定することで、繰出コンベアDの作動を停止させたときにおける、搬送路W上を移動している苗箱の、繰出コンベアDの放出口Yの下方を占める部位は、所望の位置に設定できるようになるので、繰出コンベアDの作動を停止させたときに、落下してくる種籾が苗箱Bの縁部B3の上面に落下して堆積するようになることで生じている上述の問題を解消せしめ得るようになる。
そして、このことから、本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、
前後に長い卓台状に形成した架台1の台枠10の上面側には、架台1に組み付けたモータMによる駆動で作動して苗箱Bを台枠10の前端側から後端側に向け搬送する搬送コンベアCと、その搬送コンベアCにより搬送される苗箱Bを誘導する搬送路Wとを装備せしめ、台枠10の長手方向における中間部の上方位置には、底面に下方に開放する下口2aを設けたホッパ2を、前記台枠10上面の搬送路Wから苗箱Bの高さ寸法の略数倍の寸法の距離をおいた高さ位置に配位して架台1に装架せしめ、該ホッパ2の下面側の下方には、架台1に装架せるモータMによる駆動によって作動し、ホッパ2内に装填せる種籾を前方に向け繰り出す繰出コンベアDを装架し、前記搬送路Wの連続方向の途中で、繰出コンベアDの放出口Yの下方に位置する部位には、搬送路Wを移動してくる苗箱Bの底部下面に対する作動アームの接触によりオンに作動し、苗箱Bの底部下面との接触の解放によりオフに復元作動するよう構成せる第1のリミットスイッチLS1を配位して設置し、かつ、このリミットスイッチLS1の設置位置より手前にずれ込んだ位置に、第2のリミットスイッチLS2を配位して設置し、これらスイッチLS1・LS2を、繰出コンベアDを駆動せしめるモータMの制御回路に対し、オン作動によりその制御回路を閉成して繰出コンベアDの作動を開始させ、オフ作動により制御回路を開成して繰出コンベアDの作動を停止せしめるように、制御回路上に直列に配置して制御回路に接続せしめた土入機を利用する種籾のコーティング処理の仕上装置。
を提起するものである。
また、上述した如く、構成する本発明による土入機を利用する種籾のコーティング処理装置は、繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御したときに、苗箱Bを搬送する搬送コンベアCの作動が、一緒にオン・オフするようにしても、2つのリミットスイッチLS1・LS2による苗箱Bの存否を検出する作動によって繰出コンベアDの作動をオン・オフ制御する作用・機能には影響がなく支障をきたさないことが試行の結果わかってきたことと、繰出コンベアDを駆動するモータM及びそのモータの制御回路を、搬送コンベアCを駆動するモータ及びそのモータの制御回路と共用させて、一つのモータにより繰出コンベアDと搬送コンベアCとの両方の駆動が行えるようにすれば、繰出コンベアD及び搬送コンベアCのモータによる駆動手段の製造コストを半減し得ることに想到したことから、
前後に長い卓台状に形成した架台1の台枠10の上面側には、架台1に組み付けたモータMによる駆動で作動して苗箱Bを台枠10の前端側から後端側に向け搬送する搬送コンベアCと、その搬送コンベアCにより搬送される苗箱Bを誘導する搬送路Wとを装備せしめ、台枠10の長手方向における中間部の上方位置には、底面に下方に開放する下口2aを設けたホッパ2を、前記台枠10上面の搬送路Wから苗箱Bの高さ寸法の略数倍の寸法の距離をおいた高さ位置に配位して架台1に装架せしめ、該ホッパ2の下面側の下方には、架台1に装架せるモータMによる駆動によって作動し、ホッパ2内に装填せる種籾を前方に向け繰り出す繰出コンベアDを装架し、前記搬送路Wの連続方向の途中で、繰出コンベアCの放出口Yの下方に位置する部位には、搬送路Wを移動してくる苗箱Bの底部下面に対する作動アームの接触によりオンに作動し、苗箱Bの底部下面との接触の解放によりオフに復元作動するよう構成せる第1のリミットスイッチLS1を配位して設置し、かつ、このリミットスイッチLS1の設置位置より手前にずれ込んだ位置に、同様に構成せる第2のリミットスイッチLS2を配位して設置し、これらスイッチLS1・LS2を、繰出コンベアD及び搬送コンベアCを駆動せしめるよう架台1に組み付け装架せるモータMの制御回路に対し、オン作動によりその制御回路を閉成して搬送コンベアC及び繰出コンベアDの作動を開始させ、オフ作動により制御回路を開成して搬送コンベアC及び繰出コンベアDの作動を停止せしめるように、直列に配置して接続せしめた土入機を利用する種籾のコーティング処理の仕上装置。
を併せて提起するものである。
また、繰出コンベアDの作動により、放出口Yから放出されて、その放出口Yの下方を移動していく苗箱B内に向け落下していく種籾のうちの、苗箱B内の前後の縁部B3の上面に落下した種籾は、苗箱Bの移動方向における前端側の縁部B3に落下した種籾については、例えば、実施例の
図15及び
図16に示しているように、繰出コンベアDの放出口Yの下方における左右の両側位置に、放出口Yから落下してくる種籾を、苗箱Bの内部に向けて誘導するサイド案内板Fを装設し、また、搬送路Wの終端側(後端側)の上方には、繰出コンベアDの放出口Yの下方を通過して搬送路Wの終端側(後端側)に向け移動していく苗箱Bの上面に対して摺接する摺接部材Eを垂設しておいて、この摺接部材Eの、移動してくる苗箱Bに対する摺接作動で、縁部B3上の種籾を苗箱B内に掃き込むことによって、損失粒とならないようにできるが、苗箱Bの移動方向における後端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾は、苗箱Bの移動による摺接部材Eの掃き払いの作動が、苗箱Bの移動方向における後端側の後方に種籾を掃き出すようになることで、苗箱Bの内部に回収するようにはならず、苗箱Bの外に散逸する損失粒となる。
しかし、この損失粒となる苗箱Bの後端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾は、
図17に示しているように、供給する苗箱Bを、先順位の苗箱Bの後端側の縁部B3と次順位の苗箱Bの前端側の縁部B3とが、互いに密接ないし種籾の粒径より狭い間隔をおいて連続する状態としておけば、苗箱Bが摺接部材Eの下方を通過するときに、先順位の苗箱Bの後端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾は、先順位の苗箱Bの前端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾と一緒に次順位の苗箱Bの内部に掃き込まれるようになって、損失粒にならないこと。
そして、このような条件で苗箱Bが供給されていくようにするには、搬送路W上に停止している先順位の苗箱Bの後方から次順位の苗箱Bを供給したときの、その次順位の苗箱Bによる第2のリミットスイッチLS2のオン作動が、その次順位の苗箱Bの前端と先順位の苗箱Bの後端とが当接または略当接する状態となったときに行われるようにすればよいこと、そして、このようにするには、第2リミットスイッチLS2を、第1リミットスイッチLS1から少し手前にずれ込んだ位置に設置する際のずれ込み距離を、先順位の苗箱Bと次順位の苗箱Bとが、後端側の縁部B3と前端側の縁部B3とを接合させて前後に並列して連続する状態となったときに、先順位の苗箱Bの後壁と次順位の苗箱Bの前壁との間に形成される間隔の距離を規準として設定し、第2のリミットスイッチLS2を、第1のリミットスイッチLS1に対し、この間隔に略対応する距離をもってずれ込んだ位置に設置しておけばよいことに想到した。
このことから、本発明においては、さらに、
前後に長い卓台状に形成した架台1の台枠10の上面側には、架台1に組み付けたモータMによる駆動で作動して苗箱Bを台枠10の前端側から後端側に向け搬送する搬送コンベアCと、その搬送コンベアCにより搬送される苗箱Bを誘導する搬送路Wとを装備せしめ、台枠10の長手方向における中間部の上方位置には、底面に下方に開放する下口2aを設けたホッパ2を、前記台枠10上面の搬送路Wから苗箱Bの高さ寸法の略数倍の寸法の距離をおいた高さ位置に配位して架台1に装架せしめ、該ホッパ2の下面側の下方には、架台1に装架せるモータMによる駆動によって作動し、ホッパ2内に装填せる種籾を前方に向け繰り出す繰出コンベアDを装架し、前記搬送路Wの連続方向の途中で、繰出コンベアCの放出口Yの下方に位置する部位には、搬送路Wを移動してくる苗箱Bの底部下面に対する作動アームの接触によりオンに作動し、苗箱Bの底部下面との接触の解放によりオフに復元作動するよう構成せる第1のリミットスイッチLS1を配位して設置し、かつ、このリミットスイッチLS1の設置位置よりも、先順位の苗箱Bと次順位の苗箱Bとが、後端側の縁部B3と前端側の縁部B3とを接合させて、前後に並列して連続したときに先順位の苗箱Bの後壁B1と次順位の苗箱Bの前壁B1との間に形成される間隔に略対応する距離をもって、手前にずれ込んだ位置に、同様に構成せる第2のリミットスイッチLS2を配位して設置し、これらスイッチLS1・LS2を、繰出コンベアD及び搬送コンベアCの駆動を制御せしめる制御回路に対し、オン作動によりその制御回路を閉成して搬送コンベアC及び繰出コンベアDの作動を開始させ、オフ作動により制御回路を開成して搬送コンベアC及び繰出コンベアDの作動を停止せしめるように、直列に配置して接続せしめた土入機を利用する種籾のコーティング処理の仕上装置。
を併せて提起するものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明手段によれば、繰出コンベアDにより繰り出して放出口Yから落下させることで行う搬送路W上を移動していく苗箱Bの箱内に対する種籾の供給が、苗箱Bの前後の縁部B3の上面への種籾の落下による苗箱の外への種籾の逸出を生ぜしめず、かつ、落下してくる種籾を承ける苗箱Bの床板B2の上面に空白部を生ぜしめることなく行われるようになる。
また、第2の発明手段においては、上述の本発明手段を、繰出コンベアDと搬送コンベアCとを、一つのモータで駆動せしめることで、コストを低減させて構成し得るようになる。
また、第3の発明手段においては、苗箱Bの後端側の縁部B3の上面に落下した種籾を、前端側の縁部B3の上面に落下した種籾と併せて苗箱Bの箱内に適確に回収し得るようになる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に本発明手段の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0042】
図5は本発明手段を実施せる土入機を利用した種籾のコーティング処理の仕上装置の全体の側面図、
図6は同上の種籾のコーティング処理の仕上げ装置の平面図、
図7は同上装置の縦断面図、
図8は同上装置の、ホッパ及び伝導機筐とを取り外した状態における平面図である。
【0043】
これらの図において、符号Aは、土入機の全体、1は土入機Aの主体枠となる架台、鎖線で示しているBは苗箱、Cは架台1の台枠10の上面側に装架した搬送コンベア、2は、架台1の前後の中間部で、台枠10の上面より上方に離した部位に装架したホッパ、Dは、そのホッパ2の下面2aの下方に配位して、架台1に装架した繰出コンベアをそれぞれ示す。
【0044】
これら、架台1及びホッパ2及び搬送コンベアCならびに繰出コンベアDは、前述した
図1及び
図2に示して説明している従前の土入機Aに装備してあるものと同様に構成してあるものなので、これらについての説明は、同じ構成部材について同一の符号を付して行う。
【0045】
符号Aにて示す土入機は、
図1、
図2で示している従前の土入機と同様の構成のものである。また、符号1に示す架台は、前後に長い角枠状乃至梯子状に形成した台枠10の下面側に、支脚11を組み付けて卓台状に構成したものである。
【0046】
この架台1の台枠10の上面側に装備せしめた搬送コンベアCは、搬送コンベア前半部C’と、搬送コンベア後半部C”とからなり、その搬送コンベア前半部C’は、台枠10の内部の前端部位において、左右の桁材10aと桁材10aとの間に渡架するように支架せる支軸20と、その支軸20の左右の両端部位に軸支せる遊動プーリー21・21と、台枠10の前後の中間部位に配位して左右の桁材10a・10a間に渡架するように軸支せる駆動軸22と、この駆動軸22の左右の端部に軸支せる駆動プーリー23・23と前記支軸20に軸支せる遊動プーリー21・21とにかけまわした無端のベルト24・24とによって構成されている。
【0047】
また、搬送コンベア後半部C”は、前記駆動軸22に、前述の駆動プーリー23・23と並列させて組み付けた第2の駆動プーリー27・27と、台枠10の後端側の部位において左右の桁材10aと10a間に渡架するよう軸支せる第2の支軸25と、その第2の支軸25に組み付け軸支せる第2の遊動プーリー26・26と、その第2の遊動プーリー26・26と前記第2の駆動プーリー27・27との間にかけまわした第2の搬送ベルト28・28とにより構成してある。
【0048】
そして、この搬送コンベア前半部C’と搬送コンベア後半部C”とは、駆動軸22を共用していることから、台枠10の前後の中間部で左右の一側に組み付けた伝導機筐4内に装備せしめたモータMを作動させて、伝導機筐4内に組み込んである伝導機構を介し駆動軸22を駆動し回動作動させることで、一緒に回動して、台枠10の上面側に形成せる搬送路Wの前端側に供給した苗箱Bを、その搬送路Wに沿い台枠10の後端側に向けて搬送する搬送コンベアCを構成するようにしてある。
【0049】
ホッパ2は、それの漏斗状をなす底部を、台枠10の前後の中間部において台枠10の上面より上方に離した位置に配位して架台1に組み付けた角枠状の組付座板12に組み付け支持せしめることで、架台1に装備せしめてある。該ホッパ2は、それの漏斗状の底部の底面が、下口2aとして開口させてあって、この下口2aが、前記角枠状の組付座板12の内周側に形成される枠穴13に対し接続・連通させてあり、これにより、組付座板12の下面側に装架される繰出コンベアDの上周面側の回行部の上面が、該ホッパ2の底面となるようにしてある。
【0050】
2bは、ホッパ2内に棚設した篩網で、鋼板に種籾の粒径に対応する口径の細孔を、打抜き加工により無数に形設して構成してあり、周面にコーティング材を付着させてこねあわせることで塊になっている種籾を、塊のままホッパ2内に投入し、ホッパ2内において手動操作による揉みほぐしで、単粒の種籾にばらすときに、ばらして単粒化した種籾だけが、篩目の細孔を通過してホッパ2内の底部に落下していくように機能する。
【0051】
33は、ホッパ2内に投入した種籾を繰り出す繰出口で、ホッパ2の周壁の下端部で下口2aの前縁となる部位の下端部を切除することで形成してあり、繰出コンベアDの作動により、該繰出コンベアDの上面に支承されている種籾が、前方に運ばれることによって、この繰出口33を経て繰り出されるようにしてある。
【0052】
繰出コンベアDは、前記組付座板12の下面側で、その組付座板12の前縁部と後縁部とのそれぞれの下方に位置する部位に、遊動ローラ30と駆動ローラ31とを、それぞれ軸支し、これら遊動ローラ30と駆動ローラ31とに搬送ベルト32をエンドレスに巻き掛けてなり、台枠10の左右の一側に組み付けた伝導機筐4内に装備せしめてあるモータMを作動させることにより、伝導機筐4内に組み込んである伝導機構Gを介して駆動ローラ31のローラ軸を駆動させることで、
図10において細線の矢印にて示している如く、上方回動側が前方に回動して、支承する種籾を繰出口33から繰り出すように構成してある。
【0053】
なお、34は、前記繰出口33の前面位置に設けたシャッタ板で、上端部を支軸により軸支して、前後に回動するよう吊り下げ支持し、自重により垂直な姿勢に向け回動するようにしてあり、繰出コンベアDが作動を停止して種籾の繰り出しがないときは、繰出口33を閉塞する姿勢に向け回動し、繰出コンベアDが回動して繰出作動を行っているときは、繰り出される種籾の圧力で前方に向け回動して種籾の繰り出しを許容するとともに、自重による復元回動力により、繰り出されてくる種籾を抑えて、繰出量を一定に規制するようになり、従前の土入機Aのシャッタ板34と同様に機能する。
【0054】
LS1は、搬送コンベアCにより搬送される苗箱Bを誘導するよう台枠10に設けた誘導路の途中に、苗箱Bの有無を検知するように装設せる第1のリミットスイッチである。LS2は前記第1のリミットスイッチLS1と同様に、搬送コンベアCで搬送される苗箱Bの誘導路の途中に装設せる第2のリミットスイッチである。
【0055】
これらリミットスイッチLS1・LS2は、
図7の側面図に示している如く、それらの設置位置が、搬送コンベアCの搬送方向において、前後にずらしてあり、搬送コンベアCの上面に載置した苗箱Bが、台枠10に形成した搬送路Wに導かれて前方に移動してきたとき、まず搬送方向の
前位にある第2のリミットスイッチLS2の作動アームrに苗箱Bの底部の前端部が当接することで、該
第2のリミットスイッチLS2が検知作動を行い、さらに、苗箱Bが搬送コンベアCの搬送方向の
終端方向に移動して、搬送方向の
後位にある第1のリミットスイッチLS1の作動アームrに苗箱Bの底部の前端部が当接することで、該
第1のリミットスイッチLS1が検知作動を行うようにしてある。
【0056】
これらリミットスイッチLS1及びLS2の搬送路Wの途中における装設場所は、図示する実施例装置においては、
図8の平面図に示している如く、第1のリミットスイッチLS1にあっては、台枠10の左右の桁材10a・10aのそれぞれの内面によって形成している苗箱Bの搬送路Wの右側の側端部に設け、第2のリミットスイッチLS2にあっては、苗箱Bの搬送路Wの左側の側端部に設けているが、前述したごとく、苗箱Bが、搬送コンベアCの始端側(前端側)に供給されて、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2が設置してあるところまで移動してきたときに、まず、第2のリミットスイッチLS2が苗箱Bの存在を検出し、次いで、苗箱Bがさらに前方に移動したときに、第1のリミットスイッチLS1が苗箱Bの存在を検出するように、苗箱Bの後方移動に従い2段に検出作動を行うようになっていればよく、設置場所はどこでもよいものである。
【0057】
しかして、これら第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2は、それらの、苗箱の存在を検知した検知作動により、搬送コンベアCの作動を停止させるよう、その搬送コンベアCの作動を駆動せしめる駆動回路に対し、接続せしめるが、この実施例においては、
図9の回路図に示しているように、搬送コンベアC及び繰出コンベアDの駆動用のモータMの制御回路Uに対し、オン作動によりその制御回路Uを閉として、モータMを起動させて搬送コンベアCと繰出コンベアDとを作動させ、オフ作動によりその制御回路Uを開として、モータMの回転作動を停止させて、搬送コンベアCと繰出コンベアDの回動作動を停止させるように、接続せしめてあり、かつ、これらリミットスイッチLS1・LS2は、前記制御回路Uに対し、接続せしめる際に、直列に配置せしめて接続してある。これにより、本発明手段を実施せるこの実施例装置の土入機Aは、それの搬送コンベアC及び繰出コンベアDの作動の制御が次のように構成されるようにしている。
【0058】
モータMの制御回路Uをオン・オフするメインスイッチM・sw(通常機筐4の外面に組み付けられている)が、オフに保持されている状態時にあっては、制御回路Uが開になっていることによりモータMが回動しないことで、搬送コンベアCと繰出コンベアDとは、共に作動せず、停止状態に保持される。
【0059】
次に、上述の状態から、モータMの制御回路UのメインスイッチM・swを手動操作により切り替えてオンに作動させたときは、台枠10の上面に対する苗箱Bの供給がなく、このことから、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2による苗箱Bの検知が行われない場合にあっては、前記第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2が、オフの状態位置にあって、制御回路Uを開としていることから、モータMは作動せず、また、搬送コンベアC及び繰出コンベアDは、共に停止した状態に保持される。
【0060】
次に、上述の状態のもとにおいて、
図10にあるように、台枠10の前端側に苗箱Bを供給し、搬送コンベアCの始端側の上面に載架したときは、搬送コンベアCが、上述した理由により停止状態に保持されていて、搬送作用を行わないことから、苗箱Bは載架した位置から動かず、その位置に位置し続ける。従って、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2は苗箱Bの感知作動を行うことはなく、また、搬送コンベアC及び繰出コンベアDは、停止状態を保持し続ける。
【0061】
次に、上述の状態から、台枠10の前端側の上面に載架した苗箱Bを、手動操作により搬送コンベアCの搬送方向の前方に向け押し出して移動させると、その苗箱Bの移動方向における前端部が、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2に対し順次接触して、それらスイッチLS1・LS2に検知作動(オン作動)を行わせるようになるが、まず、
図11に示している如く、搬送方向の手前に位置している第2のリミットスイッチLS2だけに検知作動を行わせる。
【0062】
この第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2は、検知作動(オン作動)により、モータMの制御回路Uを閉成させるように、制御回路Uに接続させて装設してあるものであるが、制御回路Uに直列に接続させてあるので、第2のリミットスイッチLS2が苗箱Bを検知する作動によりオンに作動しただけでは、検知作動を行わない第1のリミットスイッチLS1がオフの状態にあることにより、制御回路Uは開の状態を維持し続ける。従って、搬送コンベアC及び繰出コンベアDは作動せず、苗箱Bは第2のリミットスイッチLS2を検知した位置にとどまるようになる。
【0063】
次に、この状態から、苗箱Bを、手動操作により、前方に向けさらに押し出すと、苗箱Bの底面の前記押し出し方向における前端側が、
図12に示している如く、第1のリミットスイッチLS1の作動アームrに当接して、これにのり上がり、該第1のリミットスイッチLS1に検知作動を行わせて、オンの状態とする。このとき、苗箱Bの底面が、第2のリミットスイッチLS2にも当接し続けていることで、この第2のリミットスイッチLS2はオンの状態に保持されている。このことから、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2の両方がオンに作動した状態となって、制御回路Uは閉成し、それにより、モータMが起動し、搬送コンベアCと繰出コンベアDの両方が作動を開始する。
【0064】
従って、第1のリミットスイッチLS1は、苗箱Bの存在を検出する作動を行って、搬送コンベアCと繰出コンベアDの作動を開始させる。そして、苗箱Bは、作動を開始した搬送コンベアCにより搬送されて自動的に台枠10の後端側に移動していき、これに、作動を開始した繰出コンベアDによりホッパ2内から繰り出される種籾が、落下してきて投入されていく状態となる(
図13)。
【0065】
次に、上述の状態において、繰出コンベアDの作動で繰り出されてくる種籾の内部に受け入れながら搬送コンベアCの作動で搬送されて台枠10の後端側に向け移動していく苗箱Bが、その移動により、
図14に示している如く、第2のリミットスイッチLS2を越した位置まで進むと、その第2のリミットスイッチLS2は、苗箱Bとの当接から脱出することで、検知作動が解除されてオフの状態に復元する。
【0066】
そして、この第2のリミットスイッチLS2のオフ作動により、制御回路Uは開となり、搬送コンベアCと繰出コンベアDとは、共に作動を停止する。従って、苗箱Bは、種籾の受け入れが終了した状態で、後端側が第2のリミットスイッチLS2を越した位置に停止するが、その停止位置が、第1のリミットスイッチLS1に対しては、当接を続けている位置であることで、この第1のリミットスイッチLS1は、オンの状態に保持される。即ち、第2のリミットスイッチLS2は、苗箱Bが存在しないことを検出する作動を行って、繰出コンベアDおよび搬送コンベアDの作動を停止させるようになる。そして、苗箱Bは、第1のリミットスイッチLS1をオンの状態に保持せしめて、第2のリミットスイッチLS2を越した位置に、種籾の受け入れが終了した状態となって停止することになる(
図14)。
【0067】
次に、この状態から、台枠10の前端側(始端側)に次位の苗箱Bを供給すると、供給した苗箱Bは、第2のリミットスイッチLS2がオフの状態にあることで搬送コンベアCが作動を停止した状態にあることにより、供給した位置に保持される。そこで、この供給した苗箱Bを手動操作により台枠10の後端側(終端側)に向け押し出して移動させると、その移動で、前述の
図14で説明したように、苗箱Bの前端部が
第2のリミットスイッチ
LS2に当接する位置まで進んだところで、その当接により
第2のリミットスイッチ
LS2をオンに作動させる。
【0068】
このとき、第1のリミットスイッチLS1が、前位の苗箱Bの底部に当接していてオンの状態にあることから、この次位の苗箱Bによる第2のリミットスイッチLS2のオン作動により、第1及び第2のリミットスイッチLS1・LS2の両方がオンに作動した状態となって、制御回路Uは開成され搬送コンベアCと繰出コンベアDは、共に作動を開始する。
【0069】
従って、種籾の受け入れが終了した状態となって停止していた前位の苗箱Bは、作動を開始した搬送コンベアCの搬送作動により台枠10の後端側に向け移動していき、また、前端部が第2のリミットスイッチLS2に当接してその第2のリミットスイッチLS2をオンに作動させる位置まで押し出された次位の苗箱Bも、作動を開始した前記搬送コンベアCの搬送作動により自動的に台枠10の後端側に向け移動していく状態となる。
【0070】
次に、この状態での作動により、前順位の苗箱Bが、それの後端側(苗箱Bの移動方向における後端側で、図において右端側)の端部の底面(リミットスイッチLS1・LS2の作動アームrに対する当接面)が第2のリミットスイッチLS2の作動部から脱出する位置まで移動すると、この第2のリミットスイッチLS2は、前順位の苗箱Bに対する検知作動が解除されることでオフに作動するようになるが、このときには、前順位の苗箱Bと共に移動してくる次位の苗箱Bの底面の前端部が、この第2のリミットスイッチLS2の作動アームrに当接してのり上がり、検知作動を行わせていることから、この第2のリミットスイッチLS2はオンの状態に保持される。従って、制御回路Uは開となることはなく閉の状態を保持し続け、搬送コンベアC及び繰出コンベアDは、作動し続ける。
【0071】
これにより、種籾の受け入れが終了した前位の苗箱Bは台枠10の後端側の苗箱取出口に向け移動し、種籾を繰り出して落下させる繰出コンベアDの下方には、次位の苗箱Bが切り替わって位置してきて、繰出コンベアDから落下してくる種籾を受け入れながら後方に移動していくようになる。
【0072】
次に、この次位の苗箱Bの移動が進み、それの底面の後端部が第2のリミットスイッチLS2の作動アームrを越した位置まで移動してくると、前述した前位の苗箱Bと同様に、第2のリミットスイッチLS2がオフに作動して制御回路Uを開とし、搬送コンベアCと繰出コンベアDとの両方の作動をオフとする。
【0073】
従って、この次位に供給した苗箱Bは、ホッパ2から繰出コンベアDにより繰り出される種籾の受け入れが終了したところで停止し、また、同時にホッパ2からの種籾の繰り出しが停止する状態となる。
【0074】
そして、この状態は、さらに、次々位の苗箱Bが台枠10の前端部に供給され、その苗箱Bが手動の操作により押し出されて、第2のリミットスイッチLS2に当接して、そのリミットスイッチLS2をオンに作動させるまで続けられる。
【実施例2】
【0075】
図15及び
図16は別の実施例を示し、その
図15は同上実施例の全体の縦断側面図、
図16は同上実施例の縦断正面図である。
【0076】
この実施例は、前述した実施例1の土入機を利用した種籾のコーティング処理における仕上装置に対し苗箱Bの前端側の縁部B3の上面に落下した種籾が苗箱Bの外に逸出して損失粒となるのを防止するため、その苗箱Bの縁部B3の上面に落下して堆積した種籾を苗箱B内部に回収せしめる摺接部材Eと、繰出コンベアDの放出口Yから落下してくる種籾を縁部B3の上面の左右の幅内に誘導せしめるサイド案内板Fとを組み付け、付加せしめた例である。
【0077】
全体の基本的な構成およびこの付加せる摺接部材Eとサイド案内板Fとを除いた各構成部材は、上述の実施例1のものと変わりがないので、同じ摺接部材について同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0078】
しかして、摺接部材Eにあっては、左右の幅を搬送路W上を移動してくる苗箱Bの左右の幅に対応する寸法に形成した平板状のブラシまたは柔軟なシートであり、搬送路Wの後端側(終端側)の上方で、移動してくる苗箱Bの上面に対し、下縁が摺接する高さ位置に配位して、架台1に組み付けた支持機枠E’により吊り下げ支持せしめてある。
【0079】
この摺接部材Eは、繰出コンベアDにより繰り出されて落としてくる種籾の供給を受けた苗箱Bが、該摺接部材Eの下方を通過していくときに、その苗箱Bの前端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾を、苗箱Bの内部に掃き込み、回収するように機能する。また、苗箱Bが、後端側の縁部B3に対し次位の苗箱Bの前端側の縁部B3を当接させた状態に連続して供給されてきたときにあっては、後端側の縁部B3の上面に落下して堆積した種籾を、次位の苗箱Bの前端側の縁部B3の上面に堆積した種籾と併せて次位の苗箱Bの箱内に回収するように機能する。
【0080】
サイド案内板Fにあっては、繰出コンベアDの放出口Yの下方における搬送路Wの左右の両側位置に、それぞれ、下端側が搬送路Wの左右の中央部に向け傾斜する傾斜板状に形成して配置し、架台1に組み付けた支持機枠F’に支架せしめることで装備せしめてあり、繰出コンベアDの放出口Yから放出されて落下してくる種籾が、苗箱Bの左右の外側に逸出していくのを防止するよう機能する。
【実施例3】
【0081】
図17は、さらに別の実施例の要部の縦断した側面図である。この実施例は、前述した実施例1及び実施例2の土入機を利用した種籾のコーティング処理の仕上装置の手段において、搬送路Wの途中で、繰出コンベアDの放出口Yの下方を占める位置に、配位して設置する第1のリミットスイッチLS1と、このリミットスイッチLS1よりも手前に少しずらした位置に配位して設置する第2のリミットスイッチLS2との、2つのリミットスイッチLS1・LS2のうちの、手前にずらした位置に設ける第2のリミットスイッチLS2について、それの設置位置を、搬送路W上に停止している先順位の苗箱Bの後端部に対し、搬送路W上に供給して前方に移動させた次順位の苗箱Bの前端部を突き当てたときに、先順位の苗箱Bの後壁B1と次順位の苗箱Bの前壁B1との間に形成される間隔に対応する距離をもって、第1のリミットスイッチLS1から手前にずれ込んだ位置に設定してあり、これにより、次順位の苗箱Bを供給して移動させていくことで、該苗箱Bの底部との接触により行われる第2のリミットスイッチLS2のオン作動が、この次位の苗箱Bの前端側の縁部B3の前端面と先順位の苗箱Bの後端側の縁部B3の後端面とが当接乃至種籾の粒径よりも狭い間隔をおいて対向する状態となったときに、行われるようになって、この状態で、繰出コンベアD及び搬送コンベアCの作動が開始されるようにしている例である。
【0082】
この実施例は、第2のリミットスイッチLS2の設置位置を、先順位の苗箱Bの後端に次順位の苗箱Bの前端を突き当てたときに、それら苗箱の後壁と前壁との間に形成される間隔の距離を規準として、手前にずれ込ませた位置に設定している構成を除いたその余の構成については、前述した実施例1及び実施例2のものと変わりがないので、同じ構成部材について同一の符号を付して詳細な説明は省略する。