(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368557
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】シートレール装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/30 20060101AFI20180723BHJP
B60N 2/07 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
B60N2/30
B60N2/07
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-130055(P2014-130055)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-7948(P2016-7948A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】松田 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】植田 勝
【審査官】
森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−081829(JP,A)
【文献】
特開2006−327501(JP,A)
【文献】
特開平07−257240(JP,A)
【文献】
実開昭63−096049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/90
A47C 7/00 − 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
跳ね上げ式の車両用シートに取り付けられ、車両用シートを前後に移動するシートレール装置において、
前記車両用シートが取り付けられるアッパーレールと、前記アッパーレールをスライド自在に支持するロアレールと、を有するスライドレールと、
前記スライドレールの前記ロアレールと車両とに固定され、前記スライドレールに取り付けられる前記車両用シートを跳ね上げる方向に回動し、スライドレールよりアウター側にあるピボット部を有する跳ね上げ部材と、
ローラーと、を備え、
前記ローラーは、前記アッパーレールから直接又は間接的に延出する第2ローラー当接部及び前記跳ね上げ部材に形成される第1ローラー当接部の間に当接して配置されてなることを特徴とするシートレール装置。
【請求項2】
前記第1ローラー当接部又は前記第2ローラー当接部に取り付けられてなり、前記ローラーのローラー軸をスライド方向に移動可能な長孔からなるローラー軸案内孔を有するローラー案内部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシートレール装置。
【請求項3】
前記ローラーの直径は、前記第1ローラー当接部と前記第2ローラー当接部との間隔と同じ長さ又はわずかに長く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートレール装置。
【請求項4】
前記第1ローラー当接部には、前記ローラーの過移動を防止する過移動防止突起が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシートレール装置。
【請求項5】
前記跳ね上げ部材のピボット部が前記スライドレールよりアウター側にあり、前記ローラーが前記スライドレールよりインナー側にあることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシートレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートを自動車の側面に跳ね上げて収納する、いわゆる跳ね上げ式の車両用シートに装置されて、車両用前後にスライド可能とするスライドレールを有するシートレール装置が種々提案されている(特許文献1)。
【0003】
跳ね上げ式の車両用シートは、アウター側に跳ね上げ機構を有する跳ね上げ装置が設けられており、跳ね上げ装置は、常に跳ね上げる方向に力が働いて、使用者が容易に車両用シートを跳ね上げられるように補助している。一方でインナー側は、使用時に車両用シートを水平に固定するため、固定機構が設けられている。そのため、車両用シートが水平に固定されている状態においては、アウター側のシートレール装置のスライドレールは、跳ね上げによる補助の力によって、車両用シートに接続されているアッパーレールと跳ね上げ装置に接続されているロアレールとで互いに異なる方向に力が加わり続けられており、アッパーレールとロアレールで捻りが発生する可能性があった。
【0004】
このスライドレールによる捻れにより、アッパーレールとロアレールとの位置関係が崩れて、アッパーレールとロアレールの摺動抵抗が増したり、内部に配置されたスライド用のボールやローラーによって圧痕が発生したりする可能性があった。圧痕が発生するとスライドレールのスライドはさらに摺動抵抗が増大することになる。
【0005】
かかる問題を解決する技術として、アウター側スライドレールの固定レールには、スライドレールの可動レール側に第1オーバーハング部材を張り出し形成し、アウター側スライドレールの可動レールには、第1オーバーハングと可動レールとの間に第2オーバーハング部材を張り出し形成し、第1オーバーハング部材及び第2オーバーハング部材32の一方に回転自在に軸支したローラーが、第1オーバーハング部材及び第2アーバーハング部材の他方に常時接触してなる技術が公開されている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、かかる技術は、オーバーハング部材やローラーの組付けが複雑であることから、コストが高くなるおそれがある。また、ピボット部がアウター側シートレールとイン側スライドレールとの間にあるためスライドレールに加わる力が複雑であり、ローラーに変則的な力が加わる可能性があった。また、ロアレールが車両に直接固定されているため、スライドレールに意図しない大きな力が加えられた場合には、力が全て第1オーバーハング部材に集中し、第1オーバーハング部材又はこれに接触しているローラーを損傷する可能性があった。また、ローラーは、ベアリングを有するものを使用しなければならないため、この点においてもコストがかかるという問題があった。さらに、ローラー軸が固定式であるため、スライドと同じ距離分ローラーを移動させなければならない。従って、第1オーバーハング部材及び第2オーバーハング部材がスライドする長さ以上の長さが必要であるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−244848号公報
【特許文献2】特開2006−327501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明はこうした課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、組付けが容易で、かつ摺動抵抗が増大することが防止でき、また、第1オーバーハング部材及び第2オーバーハング部材の長さを短くすることができるシートレール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0010】
本発明にかかるシートレール装置は、
跳ね上げ式の車両用シートに取り付けられ、車両用シートを前後に移動するシートレール装置において、
前記車両用シートが取り付けられるアッパーレールと、前記アッパーレールをスライド自在に支持するロアレールと、を有するスライドレールと、
前記スライドレールの前記ロアレールと車両とに固定され、前記スライドレールに取り付けられる前記車両用シートを跳ね上げる方向に回動し、
スライドレールよりアウター側にあるピボット部を有する跳ね上げ部材と、
ローラーと、を備え、
前記ローラーは、前記アッパーレールから直接又は間接的に延出する第
2ローラー当接部及び前記跳ね上げ部材に形成される第
1ローラー当接部の間に当接して配置されてなる
ことを特徴とする。
【0011】
本発明にかかるシートレール装置は、アッパーレールと連結されている第1ローラー当接部と、ロアレールが固定される跳ね上げ部材に設けられる第2ローラー当接部との間に、これらの両方と当接するローラーを配置することによって、第1ローラー当接部と第2ローラー当接部の相対位置が固定され、結果として、アッパーレールとロアレールの相対位置が位置決めされる。このため、跳ね上げ部材によってスライドレールに力が加えられても、アッパーレールとロアレールに捻りが発生する可能性を低減することができる。そのため、摺動抵抗が高くなることを低減でき、またスライドレールに使用されているボール等による圧痕の発生を低減することができる。また、第1ローラー当接部及び第2ローラー当接部のいずれかから強い力が加わったとしても、ローラーはいずれかに支持されているので、ローラー軸に大きな力が加わることが防止され、ローラー軸が曲がったり、折れたりすることを防止することができる。また、第1ローラー当接部と第2ローラー当接部にほぼ均等の力がかかることになるので、一方のローラー当接部のみが大きく摩耗したりする可能性を低減することができる。
【0012】
また、本発明にかかるシートレール装置において、前記第1ローラー当接部又は前記第2ローラー当接部に取り付けられてなり、前記ローラーのローラ軸をスライド方向に移動可能な長孔からなるローラー軸案内孔を有するローラー案内部材を備えていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、ベアリングを有するローラーを使用する必要なく、ローラー軸が固定されたローラーを使用することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかるシートレール装置において、前記ローラーの直径は、前記第1ローラー当接部と前記第2ローラー当接部との間隔と同じ間隔又はわずかに長く形成されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、ローラーがどの位置に存在しても第1ローラー当接部及び第2ローラー当接部を支持することができる。
【0014】
さらに、本発明にかかるシートレール装置において、前記第
1ローラー当接部には、前記ローラーの過移動を防止する過移動防止突起が設けられていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、ローラーが本来移動すべき距離以上に移動することが防止される。そのためアッパーレールが過移動する可能性を低減することができる。また、ローラー案内部材を破損する可能性を低減することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかるシートレール装置において、前記跳ね上げ部材のピボット部が前記スライドレールよりアウター側にあり、前記ローラーがスライドレールよりインナー側にあることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、シートレール装置全体を車両用シートの下方に配置することができる。かかる構成を採用することによって、無理な力が加わった場合においても、ロアレールが車両に直接固定されていないので、跳ね上げ機構にも力が分散され、第1ローラー当接部と第2ローラー当接部が破損する可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるシートレール装置によれば、組付けが容易で、かつ摺動抵抗が増大することを防止できるシートレール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるシートレール装置100を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかるシートレール装置100の正面図である。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、実施形態にかかるシートレール装置100の動きを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」とは、
図1における矢印の方向を示す。また、「インナー側」とは、シートレール装置が車両に取り付けられた際に、車両の中央側といい、「アウター側」とは車両の側面側をいう。
【0019】
本実施形態にかかるシートレール装置100は、車両側面に跳ね上げて収納する、いわゆる跳ね上げ式の車両用シート(図示しない。)に使用するものであり、車両用シートを前後方向にスライド可能に支持するものである。シートレール装置100は、
図1及び
図2に示すように、主として、跳ね上げ部材10と、車両の前後方向のスライド機能を有するロアレール21及びアッパーレール22を備えたスライドレール20と、ロアレール21及びアッパーレール22のがたつきを抑えるための第1ローラー当接部14、第2ローラー当接部24、ローラー40及びこのローラー40を案内するローラー案内部材30を備えている。
【0020】
跳ね上げ部材10は、車両本体に取り付けられる車両固定部11、ロアレール21が直接又は間接的に取り付けられるロアレール固定部12及び車両固定部11に対してロアレール固定部を、車両を跳ね上げる方向に回動可能に軸支するピボット部13を備えている。なお、ピボット部
13は、スライドレール20に対してアウター側に配置されている。ロアレール固定部12には、ロアレール21が固定された位置より、インナー側に延出して形成された第1ローラー当接部14を備えており、この第1ローラー当接部14には、後述するローラー40が当接している。
【0021】
スライドレール20は、主として、ロアレール21とアッパーレール22を有しており、アッパーレール22とロアレール21との間にはボールやローラーが介在しており、アッパーレール22がロアレール21に対して前後方向にスライド自在となるように組み付けられている。一方、アッパーレール22には、車両用シートが取着されるシートフレーム50が取り付けられる。このため、アッパーレール22がロアレール21に対してスライドすることによって、車両用シートが前後方向にスライドされることになる。アッパーレール22とロアレール21の構成は、アッパーレール22が前後にスライド可能に支持可能であれば、その構成は特に限定するものではない。なお、スライドレール20には、適宜、前後方向のスライドを防止するストッパーやスライド移動を制御する制御装置等、種々の機能を付加させてもよい。
【0022】
第1ローラー当接部14は、ロアレール固定部12にロアレール21よりインナー側へ延出して形成されている。第1ローラー当接部14の底面14aは、ローラー40が回転することができるように平面で形成されている。また、第1ローラー当接部14には、ローラー40が所定の場所以上に過移動することを防止する過移動防止突起25が、移動部位の前後に設けられている。
【0023】
第2ローラー当接部24は、アッパーレール22から一体的に、又は
図2に示すように、アッパーレール22に固定された別部材によって、アッパーレール22からインナー側に延出して形成されている。第2ローラー当接部24は、第1ローラー当接部14に対して平行となるように配置されている。この第2ローラー当接部24は、第1ローラー当接部14に対し、ローラー40の直径と同じ長さ離間して配置されており、ローラー40が第1ローラー当接部14及び第2ローラー当接部24の両方に当接しながら回転することができるように配置されている。また、後述するローラー案内部材30を取り付けるための取付孔24a、及びローラー案内部材30の位置が移動しないように位置決めする位置決め用孔24bが設けられている。
【0024】
ローラー案内部材30は、ローラー40の軸を移動可能に支持し、ローラー40の回転方向を案内するための部材であり、
図1に示すように、内側にローラー40が前後に移動可能な空間αが形成されている。また、ローラー40の一部がローラー案内部材30の下方及び上方に飛び出しており、それぞれ直接に第1ローラー当接部14及び第2ローラー当接部24に当接できるように形成されている。右側側面及び左側側面には、上下方向がローラー軸41とほぼ同じ幅に形成され、前後方向がローラー軸41が移動する距離に合わせた長さの長孔からなるローラー軸案内孔31が形成されており、ローラー軸41が挿入されている。よって、ローラー40は、前後方向にのみ移動可能である。また、ローラー案内部材30は、上方側に延設して形成され、前述した取付孔24aに嵌め込むのみで固定することができる鈎状の鈎状固定部32と、前述した位置決め用孔24bに差し込むことによって、前後左右へのガタつきを防止する位置決め用突起33が設けられており、これら鈎状固定部32と位置決め用突起33をそれぞれの孔に差し込むことによって、位置決めされた状態でローラー案内部材30を第2ローラー当接部24に固定することができる。
【0025】
ローラー40は、円柱状の回転体の軸部が両側に突出したローラー軸41を有する。ローラー軸41と回転体は、固定されていても良いし、ベアリング等によって軸と回転体自体が回転可能に形成されていてもよいが、コスト及び作製容易性の観点からベアリングを使用していないものでよい。ローラー40の大きさは、第1ローラー当接部14と第2ローラー当接部24の間隔と同一又はわずかに長い直径を有し、ローラー40は第1ローラー当接部14と第2ローラー当接部24との間でほぼ完全に当接し、上下にはガタつきがないように取り付けられる。ローラー40の素材としては、プラスチック、ウレタン、金属等限定するものではないが、加わった力を緩衝可能なプラスチックやウレタンを使用するとよい。
【0026】
以上のように構成されたシートレール装置100は、以下のように可動する。
図3Aにアッパーレール22が最も後方に配置された状態、すなわち車両用シートが最も後方に配置された状態の側面図が示されている。この状態では、ローラー40のローラー軸41は、ローラー軸案内孔31の前方端部又は端部近傍にあり、ローラー40は、前側の過移動防止突起25に当接しているか、又はその近傍に配置されている。この状態からアッパーレール22をロアレール21に対して前方へスライドしていくと、ローラー軸41がローラー軸案内孔31を後方へ移動し、ローラー40が矢印の方向へ回転しながらローラー案内部材30の内部空間を後方に移動していく。この際にローラー40は、第1ローラー当接部14上を前方に回転していき、第2ローラー当接部24上を前方に回転していくことになる。すなわち、第1ローラー当接部14との関係では、ローラー40は相対的に前方へ移動し、第2ローラー当接部24との関係では、ローラー40は相対的に後方へ移動することになる。こうして第1ローラー当接部14と第2ローラー当接部24の両方を転がることによって、ロアレール21とアッパーレール22の移動距離に対して、約半分の距離ローラーが転がればよいことになる。そのため、第1ローラー当接部14と第2ローラー当接部24の移動部位は、意図する移動距離の半分の長さの移動部位があればよい。そして、ローラー軸41は、
図3Bに示すように、ローラー軸案内孔31の後方端部又は端部近傍に配置され、ローラー40は、第1ローラー当接部14に設けられた後側の過移動防止突起25によって当接し、ローラー40が必要以上に移動することが防止され、最も前方へ配置された状態になる。アッパーレール22を後方へ移動する場合は、前述と逆の動きをすることになる。
【0027】
以上のシートレール装置100によれば、
図2に示すように、跳ね上げ部材10による跳ね上げ方向Aに常に加わっている力によって、シートレール装置100のロアレール21には、
図1において左回転の力が加わり、アッパーレール22には、インナー側のシートフレーム50は車両に固定されているにもかかわらず、跳ね上げ方向に力が加わることから、シートフレーム50には、矢印Bの方向に力が加わり、アッパーレール22には右回転の力が加わることになる。第2ローラー当接部24は、矢印Cの方向へ力が加わることになる。これにより、スライドレール20が撓んでガタつきが発生する可能性があるが、第1ローラー当接部14及び第2ローラー当接部24の間にローラー40が配置されているので、ロアレール21にかかる左回転の力及びアッパーレール22にかかる右回転の力を支持することができるので、この撓みを抑えることができる。よって、スライドレール20のガタつきを低減することができ、摺動抵抗が増加する可能性を低減することができる。結果として、シートレール装置100の寿命を長くすることができる。また、この支持をローラー40で行なうことによって、アッパーレール22及びロアレール21は支障がなく、スライドを行なうことができる。
【0028】
また、本実施形態にかかるシートレール装置100によれば、跳ね上げ部材10のピボット部13がスライド装置のアウター側にあり、スライドレール20との間にロアレール固定部12が配置されている。そしてロアレール21はこのロアレール固定部12に取り付けられているので、もしスライドレール20に意図しない大きな力が加わった場合であってもロアレール21が車両本体に固定されている場合と比較して、ロアレール固定部12が緩衝することで、ローラー40及び第1ローラー当接部14及び第2ローラー当接部24、ひいてはスライドレール20自体が損傷する可能性を低減することができる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
【0030】
上記実施形態においては、ローラー案内部材30を第2ローラー当接部24に取り付けるものとしたが、第1ローラー当接部14に設けても良い。
【0031】
また、上記実施形態においては、2つのローラー案内部材30がシートレール装置100に取り付けられている例が図面に表されているが、取り付けられるローラー案内部材30の数量は限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
上述した実施形態で示すように、自動車用シートを取り付けるためのシートレール装置として、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10…跳ね上げ部材、11…車両固定部、12…ロアレール固定部、13…ピボット部、14…第1ローラー当接部、15…ピボット部、20…スライドレール、21…ロアレール、22…アッパーレール、24…第2ローラー当接部、24a…取付孔、24b…位置決め用孔、25…過移動防止突起、30…ローラー案内部材、31…ローラー軸案内孔、32…鈎状固定部、33…位置決め用突起、40…ローラー、41…ローラー軸、50…シートフレーム、100…シートレール装置