(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、工場や倉庫等においては、区画されたエリア毎にセキュリティレベルを設定し、そのセキュリティレベルに応じて作業者のエリアへの入退出を管理することが行われている。
【0003】
このようにセキュリティレベルに応じて作業者のエリアへの入退出を管理するシステムにおいては、作業者にも、エリアへの入退場の権限となるセキュリティレベルを設定しておき、作業者のセキュリティレベルを確認してエリアへの入退場を制限している。その際、作業者に設定されたセキュリティレベルを確認する手段として、近年ではICカードが用いられている。
【0004】
ICカードを用いて作業者のエリアへの入退出を管理する場合、作業者を識別可能な作業者IDをICカードに書き込んでおくとともに、作業者のセキュリティレベルを作業者IDと対応づけて管理しておく。そして、作業者がエリアに入場する際に、そのエリアの入退場ゲートの近傍に設置された読取装置にて作業者のICカードから作業者IDを読み取り、この作業者IDに対応づけられたセキュリティレベルを確認することにより、エリアの入退場ゲートを開放することが考えられる。
【0005】
ところで、工場や倉庫等においては、フォークリフト等の移動体に作業者が搭乗して作業を行う場合がある。その場合でも、上記同様に、作業者がエリアに入場する際に、そのエリアの入退場ゲートの近傍に設置された読取装置にて作業者のICカードから作業者IDを読み取り、この作業者IDに対応づけられたセキュリティレベルを確認することにより、エリアの入退場ゲートを開放することが考えられる。そのため、移動体に搭乗している作業者は、エリアに入場する際、移動体から一旦降りて、読取装置にICカードを翳して作業者IDを読み取らせなければならず、非効率的であった。
【0006】
そこで、移動体に取り付けられた読取装置にてICカードから作業者IDを読み取り、その後、移動体に設けられた通信ボタンを作業者が押下することにより、読み取られた作業者IDが移動体からシステム側に送信され、入退場ゲートの開閉動作が行われる技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0007】
この技術においては、移動体からシステム側への作業者IDの送信は、双方向無線通信を用いて行われる。そのため、作業者は、移動体がシステム側との通信エリアに進入した後に通信ボタンを押下することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、ICカードから読み取られた作業者IDを、入退場ゲートの開閉動作を行うシステム側に送信するためには、移動体に設けられた通信ボタンを作業者が押下する必要があるため、作業者の手間がかかってしまう。さらには、移動体がシステム側との通信エリアに進入した後に通信ボタンを押下しなければ、ICカードから読み取られた作業者IDをシステム側に送信することができないため、システム側との通信エリアを作業者が把握しておく必要があり、作業者の負担が大きくなってしまうという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、移動体を操作する操作者に手間をかけたり負担を増大させたりすることなく、操作者毎に設定されたセキュリティレベルに応じて移動体の所定エリアへの入退場を管理することができる入退場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
操作者が操作する移動体の所定エリアへの入退場を管理する入退場管理システムであって、
前記移動体に取り付けられ、当該移動体を操作する操作者を識別可能な操作者識別情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記移動体に取り付けられ、前記第1の情報取得手段にて取得された操作者識別情報を、当該移動体を識別可能な移動体識別情報とともに送信する情報送信手段と、
前記情報送信手段から送信された前記操作者識別情報及び前記移動体識別情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段にて受信された前記操作者識別情報と前記移動体識別情報とを第1のテーブルにて対応づけて管理する情報管理手段と、
前記所定エリアの入退場ゲート近傍に存在する移動体を検出する移動体検出手段と、
前記移動体検出手段にて移動体が検出された場合に、当該移動体から前記移動体識別情報を取得する第2の情報取得手段と、
前記操作者毎にセキュリティレベルが設定された第2のテーブルと、
前記第2の情報取得手段にて取得された前記移動体識別情報に対応づけられた操作者識別情報を前記第1のテーブルを参照して認識し、当該操作者識別情報によって識別される操作者のセキュリティレベルを前記第2のテーブルを参照して認識し、当該セキュリティレベルに応じて前記入退場ゲートを開制御するゲート制御手段とを有する。
【0012】
上記のように構成された本発明においては、操作者が操作する移動体に取り付けられた第1の情報取得手段にて操作者識別情報が取得されると、取得された操作者識別情報が、移動体に取り付けられた情報送信手段から、その移動体を識別可能な移動体識別情報とともに送信される。情報送信手段から送信された操作者識別情報及び移動体識別情報は情報受信手段にて受信され、情報管理手段においてこれら操作者識別情報と移動体識別情報とが第1のテーブルにて対応づけて管理される。その後、移動体が入退場する所定エリアの入退場ゲート近傍に存在する移動体が移動体検出手段にて検出されると、第2の情報取得手段にてその移動体から移動体識別情報が取得される。そして、ゲート制御手段において、まず、第2の情報取得手段にて取得された移動体識別情報に対応づけられた操作者識別情報が第1のテーブルを参照して認識され、その後、認識された操作者識別情報によって識別される操作者のセキュリティレベルが、操作者毎にセキュリティレベルが設定された第2のテーブルを参照して認識され、認識されたセキュリティレベルに応じて入退場ゲートが開制御される。
【0013】
また、操作者が操作する移動体の所定エリアへの入退場を管理する入退場管理システムであって、
前記移動体に取り付けられ、当該移動体を操作する操作者を識別可能な操作者識別情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記移動体に設けられ、前記操作者毎にセキュリティレベルが設定された第3のテーブルと、
前記移動体に取り付けられ、前記第1の情報取得手段にて取得された操作者識別情報によって識別される操作者のセキュリティレベルを前記第3のテーブルを参照して認識し、当該セキュリティレベルを、当該移動体を識別可能な移動体識別情報とともに送信する情報送信手段と、
前記情報送信手段から送信された前記セキュリティレベル及び前記移動体識別情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段にて受信された前記セキュリティレベルと前記移動体識別情報とを第4のテーブルにて対応づけて管理する情報管理手段と、
前記所定エリアの入退場ゲート近傍に存在する移動体を検出する移動体検出手段と、
前記移動体検出手段にて移動体が検出された場合に、当該移動体から前記移動体識別情報を取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報取得手段にて取得された前記移動体識別情報に対応づけられたセキュリティレベルを前記第4のテーブルを参照して認識し、当該セキュリティレベルに応じて前記入退場ゲートを開制御するゲート制御手段とを有する。
【0014】
上記のように構成された本発明においては、操作者が操作する移動体に取り付けられた第1の情報取得手段にて操作者識別情報が取得されると、移動体に取り付けられた情報送信手段において、取得された操作者識別情報によって識別される操作者のセキュリティレベルが第3のテーブルを参照して認識され、そのセキュリティレベルが、移動体を識別可能な移動体識別情報とともに送信される。情報送信手段から送信されたセキュリティレベル及び移動体識別情報は情報受信手段にて受信され、情報管理手段においてこれらセキュリティレベルと移動体識別情報とが第4のテーブルにて対応づけて管理される。その後、移動体が入退場する所定エリアの入退場ゲート近傍に存在する移動体が移動体検出手段にて検出されると、第2の情報取得手段にてその移動体から移動体識別情報が取得される。そして、ゲート制御手段において、第2の情報取得手段にて取得された移動体識別情報に対応づけられたセキュリティレベルが第4のテーブルを参照して認識され、認識されたセキュリティレベルに応じて入退場ゲートが開制御される。
【0015】
このように、移動体に取り付けられた第1の情報取得手段にて操作者識別情報が取得されていれば、その後、移動体が所定エリアの入退場ゲートに近づいて移動体検出手段にて検出された場合に、その移動体を操作する操作者のセキュリティレベルに応じて入退場ゲートの開制御が行われるので、移動体を操作する操作者に手間をかけたり負担を増大させたりすることなく、操作者毎に設定されたセキュリティレベルに応じて移動体の所定エリアへの入退場が管理されることになる。
【0016】
また、操作者識別情報が、操作者が所持する情報記録媒体に読み取り可能に書き込まれている構成とすることが考えられ、その場合、第1の情報取得手段において、情報記録媒体から操作者識別情報を読み取ることによって操作者識別情報が取得されることになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、移動体に取り付けられた第1の情報取得手段にて操作者識別情報が取得されていれば、その後、移動体が所定エリアの入退場ゲートに近づいて移動体検出手段にて検出された場合に、その移動体を操作する操作者のセキュリティレベルに応じて入退場ゲートの開制御が行われるため、移動体を操作する操作者に手間をかけたり負担を増大させたりすることなく、操作者毎に設定されたセキュリティレベルに応じて移動体の所定エリアへの入退場を管理することができる。
【0018】
また、操作者識別情報が、その操作者識別情報によって識別される操作者が所持する情報記録媒体に読み取り可能に書き込まれており、第1の情報取得手段において、情報記録媒体から操作者識別情報を読み取ることによってその操作者識別情報を取得するものにおいては、操作者が操作者識別情報を第1の情報取得手段に入力する等の操作が不要となり、操作者の負担をさらに軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の入退場管理システムの実施の一形態を示すブロック図である。
図2は、
図1に示したフォークリフト20の外観図である。
【0022】
本形態における入退場管理システムは
図1に示すように、ICカード10と、フォークリフト20と、管理/制御装置30と、アクセスポイント41と、赤外線センサ42と、タグリーダ43と、シャッター44とを有している。
【0023】
ICカード10は、本願発明における情報記録媒体となるものであって、フォークリフト20を操作する操作者が所持している。ICカード10には、所持する操作者を識別可能な操作者識別情報となる操作者IDが読み取り可能に書き込まれている。
【0024】
フォークリフト20は、本願発明における移動体となるものであって、
図2に示すように、フォークリフト20の操作者が操作可能な領域にカードリーダ21と車載端末24が取り付けられるとともに、屋根の部分にICタグ23が取り付けられている。
【0025】
カードリーダ21は、本願発明における第1の情報取得手段となるものであって、例えばホルダー形状を有し、このホルダー形状に挿入されたICカード10から操作者IDを非接触状態にて読み取ることにより、操作者IDを取得する。
【0026】
車載端末24は、情報送信部22を有し、カードリーダ21にて読み取られた操作者IDを、フォークリフト20を識別可能な移動体識別情報となるフォークIDとともに無線LANを介して送信する。フォークIDは、フォークリフト20毎に予め与えられており、車載端末24内のメモリ(不図示)とICタグ23に記憶されている。また、車載端末24には、情報送信部22の他に、タッチ入力機能付きのディスプレイ(不図示)を有しており、フォークリフト20の操作者は、このディスプレイを用いて情報を入力したり、無線LANを介して送信されてきた情報等を閲覧したりすることができる。
【0027】
ICタグ23は、上述したようにフォークIDが記憶されており、非接触状態にてフォークIDが読取可能に構成されている。
【0028】
アクセスポイント41は、本願発明における情報受信手段となるものであって、情報送信部22から送信された操作者ID及びフォークIDを無線LANを介して受信し、管理/制御装置30に転送する。
【0029】
赤外線センサ42は、本願発明における移動体検出手段となるものであって、近赤外線を照射し、反射や透過による変化量でフォークリフト20を検出する。
【0030】
タグリーダ43は、本願発明における第2の情報取得手段となるものであって、赤外線センサ42によってフォークリフト20が検出された場合に、ICタグ23に記憶されたフォークIDを非接触状態にて読み取ることにより、フォークIDを取得する。
【0031】
シャッター44は、本願発明における入退場ゲートとなるものであって、セキュリティレベルが設定されたエリアへの入退場を制限するものである。
【0032】
管理/制御装置30は、管理用パソコンや制御器が単独あるいはこれらが接続されて構成されており、情報管理部31と、フォークID読取制御部32と、ゲート制御部33と、第1のテーブルとして用いられるフォークIDマスター34と、第2のテーブルとして用いられるユーザIDマスター35と、エリアレベルマスター36とを有している。
【0033】
情報管理部31は、アクセスポイント41から転送されてきた操作者ID及びフォークIDを受信し、これら操作者IDとフォークIDとを対応づけてフォークIDマスター34に登録して管理する。
【0034】
フォークID読取制御部32は、赤外線センサ42によってフォークリフト20が検出された場合に、タグリーダ43を起動させ、タグリーダ43にICタグ23からフォークIDを読み取らせる。
【0035】
ゲート制御部33は、フォークIDマスター34を参照し、タグリーダ43にてICタグ23から読み取られたフォークIDに対応づけられた操作者IDを認識し、また、ユーザIDマスター35を参照し、認識した操作者IDによって識別される操作者のセキュリティレベルを認識する。また、エリアレベルマスター36を参照し、該当するエリアのセキュリティレベルを認識し、認識された操作者のセキュリティレベルの高さが、該当するエリアのセキュリティレベル以上である場合、シャッター44を開制御する。
【0036】
以下に、上記のように構成された入退場管理システムの動作について説明する。
【0037】
まず、
図1及び
図2に示した入退場管理システムが適用される環境について説明する。
【0038】
図3は、
図1及び
図2に示した入退場管理システムが適用される倉庫の一例を示す図であり、(a)は全体の区画の概略を示す図、(b)はシャッター近傍の構成を示す図である。
【0039】
図1に示した入退場管理システムが適用される倉庫としては、例えば、
図3に示すように、区画された6つのエリア1a〜1fが設けられているものが考えられる。これら6つのエリア1a〜1fのそれぞれには、セキュリティレベルが予め設定されており、エリア1a,1bのセキュリティレベルが最も高く、エリア1e,1fのセキュリティレベルが最も低く設定されている。
【0040】
セキュリティレベルが互いに異なるエリア1a,1bとエリア1c,1dとの間、エリア1c,1dとエリア1e,1fとの間には、それぞれシャッター44が設けられている。また、全てのエリア1a〜1fのシャッター44の近傍には、赤外線センサ42が設けられており、シャッター44の近傍に存在するフォークリフト20が赤外線センサ42によって検出される。また、エリア1c〜1fにおいては、シャッター44の近傍にタグリーダ43及びこれに接続されたアンテナ45が設けられており、また、アクセスポイント41が設けられている。なお、エリア1a,1bについては、セキュリティレベルが最も高く、エリア1a,1bに入場するまでにセキュリティについての認証が行われているため、アクセスポイント41及びタグリーダ43を設ける必要がないが、エリア1a,1bから退場した旨の履歴を記録する等のためにタグリーダ43を設けてもよい。
【0041】
次に、実際の動作について、エリア1eに存在するフォークリフト20を操作者が操作してエリア1cに入場する際の動作を例に挙げて説明する。
【0042】
図4は、
図1及び
図2に示した入退場管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0043】
エリア1eに存在するフォークリフト20を操作しようとする操作者は、フォークリフト20を操作する際にまず、所持するICカード10をカードリーダ21に翳し、ICカード10に書き込まれた操作者IDをカードリーダ21に読み取らせる(ステップ1)。なお、カードリーダ21が上述したようにホルダー形状のものである場合は、ICカード10をホルダー形状に挿入することで、操作者IDを読み取らせることができる。これにより、カードリーダ21において、フォークリフト20を操作する操作者の操作者IDが取得されることになる。
【0044】
カードリーダ21にて取得された操作者IDは、車載端末24に送られ、車載端末24の情報送信部22から、カードリーダ21にて読み取られた操作者IDが、フォークリフト20のフォークIDとともに無線LANを介して送信される(ステップ2)。この際、上述したように、フォークIDは車載端末24内のメモリに記憶されているため、情報送信部22から操作者IDとともにフォークIDを送信することができる。
【0045】
情報送信部22から送信された操作者ID及びフォークIDは、エリア1eに設けられたアクセスポイント41にて無線LANを介して受信され、管理/制御装置30に転送される(ステップ3)。
【0046】
アクセスポイント41から転送された操作者ID及びフォークIDが管理/制御装置30にて受信されると(ステップ4)、管理/制御装置30の情報管理部31において、受信した操作者IDとフォークIDとが対応づけられてフォークIDマスター34に登録される(ステップ5)。
【0047】
図5は、
図1に示したフォークIDマスター34の構成を示す図である。
【0048】
図5に示すように、フォークIDマスター34においては、フォークリフト20から送信されてきた操作者IDと、その操作者IDによって識別される操作者が操作しているフォークリフト20のフォークIDとが対応づけて登録されていくことになる。
【0049】
これにより、どの操作者がどのフォークリフトを操作しているかが情報管理部31にて管理されることになる。
【0050】
その後、操作者がフォークリフト20を操作して、エリア1cに入場するためのシャッター44に近づくと、シャッター44の近傍に設けられた赤外線センサ42にてフォークリフト20が検出される(ステップ6)。
【0051】
すると、管理/制御装置30のフォークID読取制御部32の制御によってタグリーダ43が起動し、フォークリフト20に取り付けられたICタグ23からのフォークIDの読み取りが開始される(ステップ7)。
【0052】
ICタグ23からフォークIDがタグリーダ43によって読み取られると、読み取られたフォークIDは管理/制御装置30に送信される(ステップ8)。
【0053】
タグリーダ43から送信されたフォークIDが管理/制御装置30に受信されると(ステップ9)、ゲート制御部33においてまず、フォークIDマスター34が参照され、タグリーダ43から送信されてきたフォークIDに対応づけられた操作者IDが認識される(ステップ10)。
【0054】
上述したように、フォークIDマスター34においては、操作者IDとその操作IDによって識別される操作者が操作しているフォークリフト20のフォークIDとが対応づけて登録されているため、ゲート制御部33において、タグリーダ43から送信されてきたフォークIDに対応づけられた操作者IDを認識することができる。
【0055】
次に、ゲート制御部33において、ユーザIDマスター35が参照され、ステップ10にて認識した操作者IDによって識別される操作者のセキュリティレベルが認識される(ステップ11)。
【0056】
図6は、
図1に示したユーザIDマスター35の構成を示す図である。
【0057】
図1に示した入退場管理システムにおいては、フォークリフト20を操作する操作者毎にセキュリティレベルが設定されており、
図6に示すように、ユーザIDマスター35において、操作者IDとその操作者IDによって識別される操作者に設定されたセキュリティレベルとが対応づけて登録されている。そのため、ゲート制御部33においては、フォークIDマスター34を参照して認識した操作者IDによって識別される操作者のセキュリティレベルを認識することができる。なお、
図6に示したセキュリティレベルは、数が大きいほどセキュリティレベルが高いものとなっている。
【0058】
そして、ゲート制御部33において、エリアレベルマスター36が参照され、ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルの高さが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリアのセキュリティレベル以上であるかどうか判断される(ステップ12)。
【0059】
図7は、
図1に示したエリアレベルマスター36の構成を示す図である。
【0060】
図1に示した入退場管理システムにおいては、入退場が管理されるエリア毎にセキュリティレベルが設定されている。
図3に示した倉庫においては、上述したように、エリア1a,1bのセキュリティレベルが最も高く、エリア1e,1fのセキュリティレベルが最も低く設定されており、
図7に示すように、そのセキュリティレベルがエリアレベルマスター36に登録されている。
【0061】
タグリーダ43においては、ICタグ23から読み取ったフォークIDを管理/制御装置30に送信する際、タグリーダ43が設けられたエリアを識別可能な情報も管理/制御装置30に送信している。そのため、ゲート制御部33においては、フォークIDによって識別されるフォークリフト20が入場しようとするエリアを認識することができ、エリアレベルマスター36を参照し、ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルの高さが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリアのセキュリティレベル以上であるかどうかを判断することができる。
【0062】
ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルの高さが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリアのセキュリティレベル以上である場合、すなわち、本例においては、ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリア1cのセキュリティレベル“2”以上である場合は、ゲート制御部33において、エリア1eからエリア1cに入場するためのシャッター44が開制御され(ステップ13)、シャッター44が開放される(ステップ14)。
【0063】
また、ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルの高さが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリアのセキュリティレベル未満である場合、すなわち、本例においては、ユーザIDマスター35を参照して認識した操作者のセキュリティレベルが、その操作者が操作するフォークリフト20が入場しようとするエリア1cのセキュリティレベル“2”未満である場合は、エリア1eからエリア1cに入場するためのシャッター44は開放されず、例えば、シャッター44の近傍に設けられた警報器からアラームが出力される(ステップ15)。
【0064】
このように、フォークリフト20に取り付けられたカードリーダ21にて、そのフォークリフト20を操作する操作者を識別可能な操作者IDが取得されていれば、その後、フォークリフト20が入場しようとするエリアのシャッター44の近傍に設置された赤外線センサ42にてフォークリフト20が検出された場合に、そのフォークリフト20を操作する操作者のセキュリティレベルが認識され、そのセキュリティレベルに応じてシャッター44の開制御が行われるので、フォークリフト20を操作する操作者に手間をかけたり負担を増大させたりすることなく、操作者毎に設定されたセキュリティレベルに応じてフォークリフト20の所定エリアへの入退場が管理されることになる。
【0065】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態においては、管理/制御装置30に、操作者毎にセキュリティレベルが設定されたユーザIDマスター35を設けておくとともに、フォークリフト20から送信されたフォークIDと操作者IDとをフォークIDマスター34にて対応づけておき、その後、タグリーダ43にてフォークリフト20のICタグ23からフォークIDが読み取られた場合、管理/制御装置30において、このフォークIDに対応づけられた操作者IDを認識し、この操作者IDによって識別されるセキュリティレベルを認識しているが、フォークリフト20の車載端末24にユーザIDマスター35を第3のテーブルとして設けておき、情報送信部22において、カードリーダ21によって読み取られた操作者IDによって識別される操作者のセキュリティレベルを、ユーザIDマスター35を参照して認識し、認識したセキュリティレベルをフォークリフト20のフォークIDとともにアクセスポイント41を介して管理/制御装置30に送信することも考えられる。その場合、管理/制御装置30においては、情報送信部22から送信されてきたセキュリティレベルとフォークIDとを第4のテーブルにて対応づけて管理しておき、その後、タグリーダ43にてフォークリフト20のICタグ23からフォークIDが読み取られた場合、そのフォークIDに対応づけられたセキュリティレベルを第4のテーブルを参照して認識し、認識したセキュリティレベルに応じてシャッター44を開制御することになる。
【0066】
なお、上述した実施の形態に示したものにおいて、タグリーダ43あるいはその近傍等にもアンテナ45を設けておき、操作者が所持するICカード10をそのアンテナ45に直接翳してシャッター44を開放できる構成とすることも当然考えられる。
【0067】
また、上述した実施の形態においては、フォークリフト20を操作する操作者の操作者IDが、操作者が所持するICカード10に書き込まれており、フォークリフト20に取り付けられたカードリーダ21にて操作者IDが読み取られることによって操作者IDが取得されているが、操作者が車載端末24に操作者IDを入力することによって、操作者IDを取得する構成としてもよい。ただし、カードリーダ21にてICカード10から操作者IDが読み取られる構成の方が、操作者が操作者IDを入力する等の操作が不要となり、操作者の負担をさらに軽減することができる。
【0068】
また、上述した実施の形態においては、本発明の移動体検出手段として赤外線センサ42を用いたものを例に挙げて説明したが、移動体検出手段としてはこれに限らず、超音波センサや光電センサ等を用いてもよい。また、この移動体検出手段は、シャッター44の近傍に存在するフォークリフト20を検出するものであれば、設置場所はシャッター44の近傍に限らない。