(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動部は、前記映像信号に含まれる第1原色以外の色の輝度および色度を、補正後の第1原色の輝度および色度を用いて前記2以上の画素に配置された第1原色の発光素子の間の発光強度比を保ったまま前記2以上の画素のRGBの合計の輝度が同じになるように加法混色することにより、前記画素毎に補正する
請求項1に記載の表示装置。
前記第1原色の発光素子は、相対的に長波長となる群に属する発光素子と、相対的に短波長となる群に属する発光素子とが、行方向、列方向または斜め方向において交互に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
前記駆動部は、さらに、緑色の補正係数データと用いて補正された補正後の映像信号に基づいて2以上の画素に配置された緑色発光素子の間の発光強度比を調整して、前記入力された映像信号における緑色の輝度および色度を補正する
請求項8に記載の表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る表示装置の全体構成例を表す模式図である。
【
図2】
図1に示した補正係数取得部の詳細構成例を表す模式図である。
【
図3】
図1に示した表示部の画素配列例を表す平面模式図である。
【
図4】
図3に示した表示部の長波長と短波長との配列について説明するための模式図である。
【
図5】補正係数取得から表示部駆動までの流れ図である。
【
図6】比較例1に係る補正係数を説明するための波長ばらつきの一例を表す模式図である。
【
図7A】
図6に示した波長に対応する色度点ばらつきと調整色度点(目標色度点)とをプロットした色度図である。
【
図8】比較例1に係る加法混色による青色の輝度および色度の調整動作を模式的に表した特性図である。
【
図9】比較例1に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心外)を模式的に表す特性図である。
【
図10】比較例1に係る調整後の青色の見え方(網膜中心外)を模式的に表す平面図である。
【
図11】比較例1に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心)を模式的に表す特性図である。
【
図12】比較例1に係る調整後の青色の見え方(網膜中心)を模式的に表す平面図である。
【
図13】実施例1に係る補正係数を説明するための波長ばらつきの一例を表す模式図である。
【
図14A】
図13に示した波長に対応する色度点ばらつきと調整色度点(目標色度点)とをプロットした色度図である。
【
図15】実施例1に係る加法混色による青色の輝度および色度の調整動作を模式的に表す特性図である。
【
図16】実施例1に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心外)を模式的に表す特性図である。
【
図17】実施例1に係る調整後の青色の見え方(網膜中心外)を模式的に表した平面図である。
【
図18】実施例1に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心)を模式的に表した特性図である。
【
図19】実施例1に係る調整後の青色の見え方(網膜中心)を模式的に表した平面図である。
【
図20】本開示の第2の実施形態に係る表示装置の表示部の画素配列例を表す平面模式図である。
【
図21A】比較例2に係る色度点ばらつきと調整色度点(目標色度点)とをプロットした色度図である。
【
図21B】比較例2に係る加法混色による青色の輝度および色度の調整動作を模式的に表した特性図である。
【
図22】比較例2に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心外)を模式的に表す特性図である。
【
図23】比較例2に係る調整後の青色の見え方(網膜中心外)を模式的に表す平面図である。
【
図24】比較例2に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心)を模式的に表す特性図である。
【
図25】比較例2に係る調整後の青色の見え方(網膜中心)を模式的に表す平面図である。
【
図26A】実施例2に係る色度点ばらつきと調整色度点(目標色度点)とをプロットした色度図である。
【
図26B】実施例2に係る加法混色による青色の輝度および色度の調整動作を模式的に表した特性図である。
【
図27】実施例2に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心外)を模式的に表す特性図である。
【
図28】実施例2に係る調整後の青色の見え方(網膜中心外)を模式的に表す平面図である。
【
図29】実施例2に係る調整後の青色の輝度および色度(網膜中心)を模式的に表す特性図である。
【
図30】実施例2に係る調整後の青色の見え方(網膜中心)を模式的に表す平面図である。
【
図31】本開示の第3の実施形態に係る表示装置で用いられる補正係数について説明するための色度図である。
【
図32】比較例3に係る補正係数について説明するための色度図である。
【
図33A】変形例1−1に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33B】変形例1−2に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33C】変形例1−3に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33D】変形例1−4に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33E】変形例1−5に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33F】変形例1−6に係る波長配列について表す平面模式図である。
【
図33G】変形例1−7に係る波長配列について表す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(集合体内における青色LEDの発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて輝度および色度が補正される表示装置の例)
2.第2の実施の形態(表示ユニット間における青色LEDの発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて輝度および色度が補正される表示装置の例)
3.第3の実施の形態(複数画素における青色LEDの各色度を演算して算出された補正係数を用いて色度が補正される表示装置の例)
4.変形例1−1〜1−7(波長配列の他の例)
【0020】
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の全体構成の一例を表すものである。表示装置1は、例えば、表示部10と、駆動部20と、制御部30と、補正処理部31とを備えたものである。表示部10は、例えば複数の表示ユニットCnを含んで構成されている。尚、駆動部20、制御部30および補正処理部31が、本開示における「駆動部」の一具体例に相当する。
【0021】
表示部10は、例えば複数の表示ユニットCnを組み合わせて構成されたものである。表示部10では、複数の表示ユニットCnが2次元的に並べて配置されている。これらの複数の表示ユニットCnはそれぞれ、例えばマトリクス状に配置された複数の画素を含んでいる。1画素内には、少なくとも3原色に対応する発光素子が配置されている。発光素子としては、例えば、赤(R),緑(G),青(B)の色光を発する発光ダイオード(LED)が挙げられる。赤色LEDは、例えばAlGaInP系の材料、緑色LEDおよび青色LEDは、例えばAlGaInN系の材料から構成されている(AlGaInN系の発光ダイオードを含む)。表示部10では、映像信号に応じて各画素がパルス駆動されることにより、各LEDの輝度が調整されて映像が表示される。
【0022】
駆動部20は、表示部10の各画素を駆動(表示駆動)するものであり、例えば定電流ドライバを含んで構成されている。この駆動部20は、制御部30から供給される補正後の映像信号(映像信号D4)を用いて、例えばパルス幅変調(PWM)により表示部10を駆動するように構成されている。
【0023】
制御部30は、例えばマイクロプロセッサユニット(MPU:Micro-processing unit)を含んで構成されている。ここでは、表示装置1は、例えば、補正係数取得部40と接続されており(あるいは接続可能であり)、信号の送受信が可能となっている。これらの補正係数取得部40と表示装置1とが、表示システム1Aを構成する。表示システム1Aでは、補正係数取得部40から補正係数データ(後述の補正係数データD3)が補正処理部31に供給される。但し、表示装置1は、補正係数取得部40と必ずしも接続可能に構成されていなくともよい。つまり、補正処理部31が、補正係数データD3を予め保持して構成されていても構わない。
【0024】
補正処理部31は、例えば補正係数データD3を格納可能なデータメモリを含んで構成され、格納されている補正係数データD3に基づいて、輝度および色度の補正を行う信号処理部である。
【0025】
補正係数取得部40は、表示部10の各画素に配置されたLEDの波長(発光波長)ばらつきに起因する輝度および色度のばらつきを均一化するための補正係数を演算によって取得する処理部である。尚、本明細書では、「波長」および「発光波長」は、いわゆるドミナント波長を示すものとする。
【0026】
図2は、補正係数取得部40の具体的な構成の一例について表したものである。このように、補正係数取得部40は、例えば、カメラ41と、輝度・色度測定部42と、演算処理部43と、記憶部44とを有している。尚、補正係数取得動作の際には、表示ユニットCnは、LED駆動部45によって定電流駆動される。
【0027】
カメラ41は、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)カメラであり、表示ユニットCnの表示画面全体を撮影するものである。輝度・色度測定部42は、カメラ41によって取得された撮影データ(撮影データD1)に基づいて、各LEDの輝度および色度を測定するものである。演算処理部43は、測定された輝度および色度のデータ(輝度・色度データD2)に基づいて、それらのばらつきを均一化し(調整し)、補正係数を算出する処理を行うものである。この演算処理部43によって算出された補正係数データ(補正係数データD3)は、記憶部44に記憶される。この補正係数データD3は、例えば制御部30の制御に応じて、表示装置1の補正処理部31に出力される。尚、ここで算出する補正係数は、色度が完全に均一化されるものに限らず、多少の色度ばらつきを生じるものであってもよい。画像の品質が許容できる範囲まで色度ばらつきが軽減されていれば、色度が完全に均一でなくとも構わない。
【0028】
本実施の形態では、表示部10(表示ユニットCn)において、画素毎にLEDの波長にばらつきがある。この波長ばらつきは、例えばLEDの製造プロセスにおいて生じたものであり、ウエハ内またはウエハ毎に波長が設計値からずれてしまうことに由来する。表示ユニットCnでは、各LEDが、複数のウエハまたは1枚のウエハから移載によって実装されることから、画素間で波長のばらつきが生じ、この波長ばらつきは例えば周期的に繰り返して形成される。ここでは、波長が周期的に配列した構成を例示しているが、波長の配列は、必ずしも周期性をもっていなくともよい。LEDの形成手法に応じて様々なパターンで配置され得るからである。
【0029】
このような波長ばらつきの要因としては、結晶成長時の混晶の結晶方位、組成、厚みおよび配列、あるいは加工精度などの様々なものが挙げられる。特に、青色および緑色のLEDは、AlGaInN系の混晶において組成等が不均一となり易く、波長のばらつきが生じ易い。これらの青色LED(あるいは緑色LED)の波長ばらつき(最も長波長青色波長と最も短波長の青色波長との差)は、例えば10nm以上であり、15nm以上となることもある。
【0030】
図3に、表示ユニットCnにおける画素配列の一例について示す。表示ユニットCnには、隣接する2以上の画素、例えば2×2の画素からなる集合体(集合体U1)を単位配列として含む。上記のようなLEDの製造および実装プロセスに起因して、集合体U1では、画素位置に応じて、互いに波長が異なる青色LEDが配置される。具体的には、集合体U1では、隣接する4つの画素P11,P12,P13,P14のそれぞれに、異なる波長の青色LED10B1,10B2,10B3,10B4が配置されている。換言すると、これらの青色LED10B1〜10B4は、例えば互いに異なるウエハから実装されたものである。尚、ここでは、説明の単純化のため、赤色LED10Rと緑色LED10Gとにおいては、波長のばらつきがないものとして扱う。但し、以下の理由から、特に青色において波長ばらつきを均一化することが望ましい。即ち、上記のように製造プロセスにおいて青色の波長ばらつきが生じ易いことに加え、人間の網膜上の細胞の特徴から青色のばらつきが最も見え易いためである。このため、青色と同等以上の波長ばらつきを生じる緑色よりも青色の波長を均一化することがより効果的である。
【0031】
尚、実際には、1画素内においてRGBの各LEDは近接して配置されている。具体的には、RGBの3色が混ざったように見える位置まで各LEDが近接して配置される。あるいは、1画素内の3色を見分けられない距離が適正な視聴距離として設定される。
【0032】
集合体U1では、上記のように、青色LED10B1〜10B4が波長ばらつきを有し、表示ユニットCnでは、この集合体U1が単位配列として周期的に繰り返して配置されるが、これらの青色LED10B1〜10B4の各波長は、更に、相対的に長波長となるグループ(G1)と相対的に短波長となるグループ(G2)とに分けられる。長波長グループG1と短波長グループG2とは、規則的に配列していることが望ましい。
【0033】
図4は、長波長グループG1と短波長グループG2との配列の一例を示したものである。このように、例えば、長波長グループG1を構成する波長B2,B3と、短波長グループG2を構成する波長B1,B4とが、千鳥格子状に配置されていることが望ましい。具体的には、画素配列における行方向a1および列方向a2のそれぞれにおいて、長波長グループG1に属する波長(B2,B3)のうちの1つと、短波長グループG2に属する波長(B1,B4)のうちの1つとが交互に配置されることが望ましい。詳細には、行方向a1では、波長B1,B2が交互に隣接して配置されると共に、波長B3,B4が交互に隣接して配置される。列方向a2では、波長B1,B3が交互に隣接して配置されると共に、波長B2,B4が交互に隣接して配置される。一方、斜め方向a3では、長波長グループG1に属する波長B2,B3が交互に配置され、短波長グループG2に属する波長B1,B4が交互に配置される。尚、長波長グループG1に属する波長B2,B3はいずれも、短波長グループG2に属する波長B1,B4よりも長い波長である。
【0034】
[動作]
本実施の形態の表示装置1では、外部から入力された映像信号に基づいて、駆動部20から表示部10の各画素へ駆動電流が供給されると、各画素では、各色のLEDが所定の輝度で発光し、3原色の加法混色により、表示部10の画面全体において映像が表示される。
【0035】
ところが、このようなLEDを用いた表示装置1では、上述のように、特に青色LEDにおいて、製造プロセス等に起因する波長ばらつきを生じる。この波長ばらつきによって、画素毎に輝度および色度のばらつきが生じ、画質の劣化を生じる。そこで、このような波長ばらつきが生じた場合にも、所望の輝度および色度で映像表示ができるように、輝度および色度が補正される。具体的には、補正係数取得部40によって取得された補正係数(補正係数データD3)または予め保持された補正係数データD3に基づいて、補正処理部31が輝度および色度を補正し、この補正後の映像信号を用いて、駆動部20が表示部10を駆動する。
【0036】
図5は、本実施の形態の補正係数取得動作から表示駆動動作までの一連の流れを表したものである。このように、まず補正係数取得部40が補正係数を取得する(ステップS11〜S15)。具体的には、
図2に示したように、LED駆動部45により表示ユニットCnの全画素を点灯し(ステップS11)、カメラ41を用いて全画素の撮影が行われることにより、撮影データD1を取得する(ステップS12)。この後、輝度・色度測定部42が、カメラ41によって得られた撮影データD1に基づいて、全画素における輝度および色度を測定し、輝度・色度データD2を取得する(ステップS13)。このようにして得られた輝度・色度データD2に対し、演算処理部43が、輝度および色度を均一化するための補正係数を算出する(ステップS14)。算出された補正係数についてのデータ(補正係数データD3)は、記憶部44に記憶される(ステップS15)。このようにして、表示ユニットCn毎に、上記の一連の処理(S11〜S15)を行い、全表示ユニットCnについての補正係数データD3を取得する。尚、ステップS11では、表示ユニットCnの全画素を同時に点灯してもよいし、全画素を順次点灯するようにしてもよい。また、ステップS12では、表示ユニットCn内の全画素をいくつかのブロックに分け、ブロック毎に順次撮影しても構わない。
【0037】
この後、各表示ユニットCnが組み合わせて配置され(タイリングされ)、表示部10が組み立てられる(ステップS16)。外部から入力された映像信号に対し、補正処理部31は、補正係数データD3を用いて輝度および色度を補正する。補正後の映像信号D4が駆動部20に出力される。駆動部20は、映像信号D4を用いて表示部10を駆動する(ステップS17)。
【0038】
このように、波長ばらつきに応じた補正係数を用いて輝度および色度を補正することにより、製造プロセス等に起因する波長ばらつきが生じた場合にも、所望の輝度および色度で映像表示を行うことができ、画質劣化を抑制することができる。
【0039】
ここで、本実施の形態の比較例(比較例1)に係る青色の輝度および色度の補正係数について説明する。比較例1では、
図6に示したように、画素P11〜P14において、波長の異なる青色LED10B1〜10B4が配置されている場合を想定する。具体的には、青色LED10B1が455nm、青色LED10B2が467nm、青色LED10B3が463nm、青色LED10B4が459nm、となっている。尚、簡便化のため、赤色LED10Rおよび緑色LED10Gについては、波長ばらつきがないものとして扱っている。
【0040】
比較例1では、画素P11〜P14の輝度・色度を測定した後、各画素内でRGBを加法混色することにより輝度および色度を調整する。例えば、各画素の青色の色度点は、青色LEDのみを発光させたときの色度点に赤色と緑色を加えることで色度点を目標色度点にシフトさせて調整する。このようにして、全画素において所定の色度および輝度となるように加法混色による調整を行う。これにより、原理的には、画面内の(全画素において)色度および輝度を一定に合わせることができる。
【0041】
具体的には、
図7Aおよび
図7Bに示したように、RGB各色のLEDの色度をプロットすると、青色の色度点は波長ばらつきに起因してばらつく。比較例1では、このような色度点のばらつきを、赤色および緑色を加色することで、均一となるように調整する。ここで、加法混色では、RGBの各色度点を頂点とした三角形の範囲内の色度を表現することができる。つまり、4波長のそれぞれに対応して、4つのB色度点を頂点とする三角形が4つ形成される。これら4つの三角形に共通する部分(
図7B中の斜線部分)の頂点となる色度点を、補正点(補正点Pb)とすることで、画素P11〜P14において青色の色度を均一化することができる。
【0042】
例えば、青色の色度点のうち短波長のもの(画素P11,P14の色度点)を補正点Pbにシフトさせる場合には、緑色を赤色よりも多く混色する。一方、青色の色度点のうち長波長のもの(画素P13,P12の色度点)を補正点Pbにシフトさせる場合には、赤色を緑色よりも多く混色する。模式的に表すと、その混色比(発光強度比)は、
図8に示したようになる。また、輝度を画素P11〜P14間において一定とするためには、この発光強度比を保ったまま、RGBの合計の輝度が画素P11〜P14間において同じになるように調整する。
図8の例では、画素P11〜P14において、輝度は一定とされている。このように、比較例1では、測定した青色の各色度点を補正点Pbへシフトするための補正係数が演算によって算出され、この補正係数を用いて、青色の輝度および色度が補正される。
【0043】
比較例では、この補正係数算出の際に、等色関数というCIE(Commission Internationale de l'Eclairage)により定められた光のエネルギースペクトルに対する眼の感度曲線が使用される。等色関数は、個人差があり、また視角および周囲の明るさ等によっても変化する。このため、計算上同じ色度および輝度に調整しても、視野の中心と周囲で見え方が異なる現象が発生する。実際に、LEDディスプレイにおいて、計算上輝度および色度を補正した場合であっても、各画素でばらつきを感じたり、タイリングした場合の表示ユニット間の境界が視認されることがある。
【0044】
これは、人間の眼の網膜中心とその周囲(網膜中心外)とにおいて、視細胞の分布が異なることを考慮していないこと、および見え方に個人差があることに要因がある。
【0045】
図9は、網膜中心外における、比較例1の調整後(補正点Pbへのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図10は、その網膜中心外での青色の見え方を模式的に表したものである。このように、比較例1において、網膜中心外では、画素P11〜P14間で均一な青色が表現される(均一な青色と感じられる)。
【0046】
ところが、網膜中心では、青色に感度をもつS錐体細胞が少ない一方で、赤色および緑色に感度をもつL錐体細胞およびM錐体細胞は多く分布している。また、青色から緑色にかけて感度の高い桿体細胞は、中心窩にはほとんど存在しない。これらのことから、網膜中心では、青色を感じにくい。
図11は、網膜中心における、比較例1の調整後(補正点Pbへのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図12は、その網膜中心での青色の見え方を模式的に表したものである。尚、
図12では、色味の違いを、ハッチングの違いで模式的に表している。網膜中心では、青色をほとんど感じないことから、
図11および
図12に模式的に表したように、短波長の画素P11,P14では、緑の色味が強く感じられる一方で、長波長の画素P12,P13では、赤の色味が強く、感じられる。この結果、比較例1のように、等色関数を用いて各画素の輝度および色度を補正すると、網膜中心では明るさや色味がばらついてしまう。このようなばらつきは、ディスプレイの画品位を損なう要因となる。
【0047】
上記のように、LEDが波長ばらつきを有する場合、高品質な画像を再現することは困難である。尚、LEDの特性を測定して予めランク分けを行い、ばらつきの極めて小さい(例えば2nm〜4nm以下程度)範囲内の特定ランクのものだけを使用する、という方法も考えられるが、製造コストが莫大になり普及が難しい。
【0048】
これに対し、本実施の形態では、2以上の画素において青色の発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて、青色の輝度および色度が補正される。具体的には、表示ユニットCnの単位配列となる集合体U1を構成する画素P11〜P14に配置された青色LED10B1〜10B4の各発光強度比が一定値となるように調整され、補正係数が算出される。即ち、集合体U1内では、青色の発光強度を一定値として扱い、補正係数が算出される。ここでは、
図13に示したように、青色LED10B1が455nm、青色LED10B2が467nm、青色LED10B3が463nm、青色LED10B4が459nmである場合を実施例1として説明する。
【0049】
本実施の形態においても、上記の比較例1と同様、
図14Aおよび
図14Bに示したように、RGB各色のLEDの色度をプロットすると、青色の色度点は、波長ばらつきに起因してばらつく。この色度点のばらつきを均一化するために、赤色LED10Rおよび緑色LED10Gの強度比が調整される(加色される)。但し、本実施の形態では、比較例1と異なり、まず、青色LED10B1〜10B4の発光強度比が調整され、青色の色度が一定値として扱われる。即ち、
図15に示したように、画素P11〜P14において青色の発光強度比が一定の値に設定され、この一定の青色に対して赤色および緑色を混色する。また、輝度を画素P11〜P14間において一定とするために、その発光強度比を保ったまま、RGBの合計の輝度(
図15における各グラフの高さ)が画素P11〜P14間において同じになるように調整する。このような発光強度比の調整を行うことで、4つの青色LED10B1〜10B4の目標色度点を、例えばそれらの平均の色度点P1に設定することができる。実施例1では、測定した青色の各色度点を補正点P1へシフトするための補正係数が演算によって算出され、この補正係数を用いて、映像信号における青色の輝度および色度が補正される。尚、ここで算出する補正係数は、輝度が完全に均一化されるものに限らず、多少の輝度ばらつきを生じるものであってもよい。画像の品質が許容できる範囲まで輝度ばらつきが軽減されていれば、輝度が完全に均一でなくとも構わない。
【0050】
図16は、網膜中心外における、実施例1に係る調整後(補正点P1へのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図17は、その網膜中心外での青色の見え方を模式的に表したものである。このように、実施例1においても、比較例1と同様、網膜中心外において、画素P11〜P14間で均一な青色が表現される(均一な青色と感じられる)。
【0051】
図18は、網膜中心における、実施例1の調整後(補正点P1へのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図19は、その網膜中心での青色の見え方を模式的に表したものである。網膜中心では、上述した理由から青色をほとんど感じず、赤色および緑色に対する感度が支配的となる。実施例1では、集合体U1において青色の発光強度比が一定となるように調整されているので、加色する赤色および緑色の強度比も画素間において一定となる(混色比が一定となる)。つまり、青色LED10B1〜10B4の波長ばらつきによらず、RGBの混色比が一定となる。この結果、
図18および
図19に模式的に表したように、画素P11〜P14間において均一な青色が表現される(均一な青色と感じられる)。このように、実施例1では、網膜中心においても青色の明るさや色味のばらつきが視認されにくい。
【0052】
尚、実際の青色の発光強度は、画素P11〜P14のそれぞれにおいて異なるため、厳密には、青色の色度は均一ではないが、S錐体細胞の密度が低く、青色の空間分解能が赤色および緑色に比べて低いことから、個々の青色の色味のばらつきは視認されにくい。また、青色以外の色、即ち赤色および緑色の輝度および色度は、上記補正後の青色の輝度および色度を用いて、画素毎に加法混色され、補正されることが望ましい。
【0053】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態では、青色の輝度および色度を補正する際に、画素P11〜P14からなる集合体U1に配置された青色LED10B1〜10B4の発光強度比を調整して算出された補正係数を用いる。ここで、補正係数は、例えば加法混色により他の原色(例えば、赤および緑)を足し合わせて算出されるが、青色の発光強度比を調整し、集合体U1では、青色の色度を一定値として扱う。この一定値の青色に対し、赤色および緑色が足し合わせられることから、その加色量も画素P11〜P14間において一定となる。人間の眼の網膜の中心部において視認され易い色度のばらつきが軽減される。
【0054】
また、上記のように集合体U1内で青色の発光強度比を調整して色度補正を行うことで、色度図における青色の色度点を、比較例1に比べ、より外側にとることができる。これにより、色再現性が高めることができる。
【0055】
尚、これらの効果は、青色LEDの波長ばらつきが大きいほど大きなものとなる。また、視細胞のうちの緑色に感度をもつM錐体細胞は、S錐体細胞の次に少ない。このため、青色LEDだけでなく緑色LEDにおいても、2画素以上において発光強度比を調整して算出した補正係数を用いた補正を行うことで、画品位向上の効果を得ることができる。
【0056】
以下、本開示の他の実施の形態および変形例について説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0057】
<第2の実施の形態>
図20は、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の表示部における画素配列の一例である。上記第1の実施の形態では、各表示ユニットCn内での集合体U1において青色の発光強度比を調整し、輝度および色度の補正を行ったが、本実施の形態では、少なくとも隣接する表示ユニットCnの組毎に補正係数を算出し、算出した補正係数を用いて輝度および色度の補正を行う。
【0058】
具体的には、本実施の形態では、
図20に示したように、表示ユニットC1の各画素P1に配置された青色LED10B5と、表示ユニットC2の各画素P2に配置された青色LED10B6との波長が異なる場合を想定している。表示ユニットC1,C2では、赤色LED10Rおよび緑色LED10Gの各波長は同一としている。
【0059】
本実施の形態では、表示ユニットC1,C2間において青色LED10B5,10B6に波長のばらつきがあると、表示ユニットC1,C2間で明るさや色味が異なり、これらの表示ユニットC1,C2間の境界が視認される等、画品位に影響を与える。このため、このような場合においても、表示ユニットC1,C2間の波長ばらつきに起因する輝度および色度の補正が行われる。
【0060】
ここで、本実施の形態の比較例(比較例2)に係る、青色の輝度および色度の補正係数について説明する。比較例2では、青色LED10B5,10B6として波長差の非常に近いものが配置されている場合を想定する。具体的には、青色LED10B5が460nm、青色LED10B6が462nm、となっている。
【0061】
比較例2では、各表示ユニットC1,C2における輝度および色度を測定した後、RGBを加法混色する。このとき、表示部10の全面において所定の色度および輝度となるように加法混色による調整を行う。これにより、原理的には、表示部全体の(全画素において)色度および輝度を一定に合わせることができる。
【0062】
ところが、比較例2のように、各画素を補正すると、表示ユニットC1,C2の青色の各色度点が、例えば
図21Aに示した補正点Pbに調整される。このため、
図21Bに示したように、相対的に短波長の青色LED10B5に対しては緑色をより多く、長波長の青色LED10B6に対しては、赤色をより多く混色する。この結果、
図22および
図23に示したように、網膜中心外では、隣接する表示ユニットC1,C2間の青色の色度を合わせ、均一な青色を表現できる。しかしながら、
図24および
図25に示したように、網膜中心では、上述した理由から青色を感じにくいため、表示ユニットC1,C2とのそれぞれにおいて、色味が異なって見える。尚、
図25では、色味の違いを、ハッチングの違いで模式的に表している。表示ユニットC1では緑色っぽく、表示ユニットC2では、赤色っぽく、それぞれ視認され、また、緑色と赤色の境界がみえてしまう。青色LED10B5,10B6の波長差が小さければ小さいほど混色する赤や緑の量は少なくなるものの、赤色および緑色は感度が高く、また空間分解能が高いことから、ユニット間に境界が視認される。この結果、タイリングによる境界線が視認されてしまい、表示品位が下がり、誤認識なども生じ易くなる。
【0063】
これに対し、本実施の形態では、少なくとも隣接する表示ユニットCn間で青色の発光強度比を調整して算出した補正係数を用いて、青色の輝度および色度の補正を行う。具体的には、隣接する表示ユニットC1,C2のそれぞれに配置された青色LED10B5,10B6の各発光強度比が一定値となるように補正係数が算出される。即ち、表示部10全体では、青色の発光強度が一定であるものとして扱い、補正係数を算出する。ここでは、比較例2と同様、青色LED10B5の発光波長を460nm、青色LED10B6の発光波長を462nmとした。
【0064】
本実施の形態においても、上記の比較例2と同様、
図26Aに示したように、RGB各色のLEDの色度をプロットすると、青色の色度点は波長ばらつきに起因してばらつく。この色度点のばらつきを均一化するために、赤色LED10Rおよび緑色LED10Gの強度比を調整する(加色する)。但し、本実施の形態では、比較例2と異なり、まず、青色LED10B5,10B6の発光強度比を調整し、一定値として扱う。即ち、
図26Bに示したように、表示ユニットC1,C2間において青色の発光強度比を一定値に設定し、この一定の青色に対して赤色および緑色を混色する。また、表示ユニットC1,C2間において一定とするために、その発光強度比を保ったまま、RGBの合計の輝度(
図26Bにおける各グラフの高さ)が表示ユニットC1,C2間において同じになるように調整する。このような発光強度比の調整を行うことで、2つの青色LED10B5,10B6の目標色度点を、例えばそれらの平均の色度点P2に設定することができる。実施例2では、測定した青色の各色度点を補正点P2へシフトするための補正係数を演算によって算出し、この補正係数を用いて、青色の輝度および色度が補正される。また、青色以外の色、即ち赤色および緑色の輝度および色度は、上記補正後の青色の輝度および色度を用いて、画素毎に加法混色され、補正されることが望ましい。
【0065】
図27は、網膜中心外における、実施例2に係る調整後(補正点P2へのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図28は、その網膜中心外での青色の見え方を模式的に表したものである。このように、実施例2においても、比較例2と同様、網膜中心外において、表示ユニットC1,C2間で均一な青色が表現される(均一な青色と感じられる)。
【0066】
図29は、網膜中心における、実施例2の調整後(補正点P2へのシフト後)の青色の輝度および色度について模式的に表したものである。
図30は、その網膜中心での青色の見え方を模式的に表したものである。網膜中心では、上述した理由から青色をほとんど感じず、赤色および緑色に対する感度が支配的となる。実施例2では、表示ユニットC1,C2間において青色の発光強度比が一定となるように調整されているので、加色する赤色および緑色の強度比も表示ユニットC1,C2間において一定となる(混色比が一定となる)。つまり、青色LED10B5,10B6の波長ばらつきによらず、RGBの混色比が一定となる。この結果、
図29および
図30に模式的に表したように、表示ユニットC1,C2間において均一な青色が表現される(均一な青色と感じられる)。また、表示ユニットC1,C2間に境界も視認されにくい。尚、実際の青色の発光強度は、表示ユニットC1,C2間において異なるため、厳密には、青色の色度は均一ではないが、S錐体細胞の密度が低く、青色の空間分解能が赤色および緑色に比べて低いことから、表示ユニットC1,C2間における青色の色味のばらつきは視認されにくい。
【0067】
よって、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様、画品位を向上させることができる。また、色再現性を高めることも可能である。
【0068】
尚、表示ユニットC1,C2間の青色の波長差が極端に大きい場合には、上記手法を用いても、青色単独の色度差が視認されることがある。このとき、境界が見えるかどうかは表示ユニットC1,C2間の平均波長の差(画素ごとのばらつきは境界へ影響しにくい)に依存する。このような青色単独の差が見えないようにするためには、表示ユニットC1,C2間の平均波長の差を4nm以下とすることが望ましく、2nm以下に抑えることがより望ましい。これは、上記第1の実施の形態の集合体U1間においても同様である。集合体U1同士の間の境界が視認されないようにするために、集合体U1間の平均波長の差を4nm以下とすることが望ましく、2nm以下に抑えることがより望ましい。
【0069】
また、本実施の形態においても、青色LEDだけでなく緑色LEDについて同様の補正を行うようにしてもよい。
【0070】
更に、表示ユニットCn同士は、互いに同一基板上に隣接して形成されたものでもよいし、互いに異なる基板上に形成されたものを隣接させても構わない。また、表示ユニットCn同士は、電気的に独立して構成されていてもよいし、一部で接続されていてもよい。
【0071】
<第3の実施の形態>
図31は、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置で用いられる補正係数について説明するための色度図である。
図32は、比較例に係る補正係数について説明するための色度図である。
【0072】
本実施の形態においても、画素間あるいは表示ユニット間において波長ばらつきをもつ青色LEDが配置されている場合に、青色の輝度および色度が補正される。但し、本実施の形態では、青色の輝度は、画素毎に補正される。青色の色度は、集合体U1における青色LEDの各色度に基づいて算出された補正係数を用いて補正される。
【0073】
具体的には、
図31に示したように、青色において、長波長の画素Aと短波長の画素Bとの各色度の平均値を算出し、この平均の色度点P3を用いて目標補正点P4へシフトさせるように色度調整を行う。この目標補正点P4へシフトさせるための補正係数を演算によって算出し、算出した補正係数を用いて色度補正が行われる。また、青色以外の色、即ち赤色および緑色の輝度および色度は、上記補正後の青色の輝度および色度を用いて、画素毎に加法混色され、補正されることが望ましい。
【0074】
ここで、
図32に示したように、本実施の形態の比較例(比較例3)では、画素A,Bの各色度点から目標補正点P5へシフトするように輝度および色度が一括して画素毎に調整される。このような比較例3に対し、本実施の形態のように、青色LEDの各色度の平均をとり、この平均色度を用いて補正係数を算出する。ここで、例えば画素毎に加法混色により他の原色を足し合わせた場合、眼の網膜上の異なる位置に各原色を感じる細胞が分布することから、視野によって色味や明るさが異なる現象が生じ易い。本実施の形態のような輝度および色度の補正を行うことで、そのような現象の発生を軽減することができる。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0075】
<変形例1−1〜1−7>
図33A〜
図33Gは、上記第1の実施の形態で説明した画素配列の他の例を表したものである。上記第1の実施の形態(
図4)では、2×2の画素領域を集合体U1として、長波長グループG1と短波長グループG2とが千鳥状に配置された構成を例示したが、集合体の構成および長波長グループG1と短波長グループG2との配列は、他にも様々なものが挙げられる。
【0076】
例えば、
図33Aに示した変形例1−1のように、2×3(2行3列)の画素領域からなる集合体U2において、長波長グループG1に属する波長(B
13,B
21,B
22)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
12,B
23)とが配置されている。また、
図33Bに示した変形例1−2のように、3×2(3行2列)の画素領域からなる集合体U3において、長波長グループG1に属する波長(B
12,B
22,B
31)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
21,B
32)とが配置されている。
【0077】
更に、
図33Cに示した変形例1−3のように、2×4(2行4列)の画素領域からなる集合体U4において、長波長グループG1に属する波長(B
13,B
14,B
21,B
22)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
12,B
23,B
24)とが配置されている。また、
図33Dに示した変形例1−4のように、4×2(4行2列)の画素領域からなる集合体U5において、長波長グループG1に属する波長(B
12,B
22,B
31,B
41)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
21,B
32,B
42)とが配置されている。
【0078】
加えて、
図33Eに示した変形例1−5のように、2×5(2行5列)の画素領域からなる集合体U6において、長波長グループG1に属する波長(B
12,B
14,B
15,B
21,B
23)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
13,B
22,B
24,B
25)とが配置されている。また、
図33Fに示した変形例1−6のように、5×2(5行2列)の画素領域からなる集合体U7において、長波長グループG1に属する波長(B
11,B
22,B
31,B
42,B
52)と、短波長グループG2に属する波長(B
12,B
21,B
32,B
41,B
51)とが配置されている。
【0079】
また、
図33Gに示した変形例1−7のように、4×4(4行4列)の画素領域からなる集合体U8において、長波長グループG1に属する波長(B
13,B
14,B
23,B
24,B
31,B
32,B
41,B
42)と、短波長グループG2に属する波長(B
11,B
12,B
21,B
22,B
33,B
34,B
43,B
44)とが配置されている。
【0080】
このように、長波長グループG1に属する波長と、短波長グループG2に属する波長とが適度に分散されて混在していればよい。例えば、長波長グループG1に属する波長と、短波長グループG2に属する波長とが、行方向、列方向または斜め方向において、交互に配置されているとよい。また、上記実施の形態および変形例では、長波長グループG1に属する波長と、短波長グループG2に属する波長とが、周期的に繰り返して配置される構成を例示したが、これらは必ずしも規則性を有していなくともよい。即ち、長波長グループG1に属する波長と、短波長グループG2に属する波長とが、ランダムに混在して配置されていても構わない。
【0081】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、本開示の発光素子としてR,G,Bの3原色のLEDが配置された場合を例示して説明したが、更に他の色のLEDが配置されていてもよく、即ち4原色以上のLEDディスプレイにも本開示は適用可能である。また、R,G,BのLEDのいずれかに代えて他の色のLEDを含んでいても構わない。
【0082】
また、上記実施の形態等では、本開示の発光素子としてLEDを例示したが、本開示は、他の発光素子、例えば有機電界発光素子あるいは量子ドットを活性層として用いたディスプレイにも広く適用することができる。単色の色度ばらつきが大きい発光素子が用いられたディスプレイに特に有効である。
【0083】
尚、本開示内容は以下のような構成であってもよい。
(1)
各々が、少なくとも3原色の発光素子を含む複数の画素を有する表示部と、
入力された映像信号に基づいて前記複数の画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部は、2以上の画素に配置された第1原色の発光素子の発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて、前記第1原色の輝度および色度を補正する
表示装置。
(2)
前記表示部は、隣接する2以上の画素から構成された集合体を単位配列として含み、
各集合体では、画素位置に応じて前記第1原色の発光素子の発光波長が異なっており、
前記補正係数は、前記集合体毎に算出されたものである
上記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記補正係数は、前記集合体内に配置された各第1原色の発光素子の発光強度比を一定値として算出されたものである
上記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記表示部は、各々が前記複数の画素を含む2以上の表示ユニットが2次元配置されたものであり、
前記表示ユニット毎に前記第1原色の発光素子の発光波長が異なっており、
前記補正係数は、少なくとも隣接する表示ユニットの組毎に算出されたものである
上記(1)に記載の表示装置。
(5)
前記補正係数は、隣接する表示ユニットのそれぞれに配置された各第1原色の発光素子の発光強度比を一定値として算出されたものである
上記(4)に記載の表示装置。
(6)
前記駆動部は、前記映像信号に含まれる第1原色以外の色の輝度および色度を、補正後の第1原色の輝度および色度を用いて加法混色することにより、前記画素毎に補正する
上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の表示装置。
(7)
前記表示部における画素位置に応じて前記第1原色の発光素子の発光波長が異なっており、
最も長波長の第1原色の発光素子と、最も短波長の第1原色の発光素子との間の波長差は、10nm以上である
上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
前記集合体同士の間における平均波長の差が4nm以下である
上記(2)または(3)に記載の表示装置。
(9)
前記集合体同士の間における平均波長の差が2nm以下である
上記(2)または(3)に記載の表示装置。
(10)
前記表示ユニット同士の間における平均波長の差が4nm以下である
上記(4)または(5)に記載の表示装置。
(11)
前記表示ユニット同士の間における平均波長の差が2nm以下である
上記(4)または(5)に記載の表示装置。
(12)
前記第1原色の発光素子は、相対的に長波長となる群に属する波長と、相対的に短波長となる群に属する波長とが、行方向、列方向または斜め方向において交互に配置されている
上記(1)ないし(11)のいずれか1つに記載の表示装置。
(13)
各画素は、赤色、緑色および青色の発光素子をそれぞれ含み、
前記第1原色は、青色である
上記(1)ないし(12)のいずれか1つに記載の表示装置。
(14)
前記第1原色の発光素子はAlGaInN系発光ダイオードを含む
上記(13)に記載の表示装置。
(15)
前記駆動部は、2以上の画素に配置された緑色発光素子の発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて、緑色の輝度および色度を補正する
上記(13)または(14)に記載の表示装置。
(16)
各々が、少なくとも3原色の発光素子を含む複数の画素を有する表示部と、
入力された映像信号に基づいて前記複数の画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部は、
前記画素毎に第1原色の輝度を補正し、
2以上の画素に配置された前記第1原色の発光素子の各色度に基づいて算出された補正係数を用いて、前記第1原色の色度を補正する
表示装置。
(17)
前記駆動部は、前記第1原色以外の色の輝度および色度を、画素毎の第1原色の輝度と補正後の第1原色の色度とを用いて加法混色することにより、前記画素毎に補正する
上記(16)に記載の表示装置。
(18)
表示部の1画素内に配置された少なくとも3原色の発光素子の輝度および色度を補正する際に、
2以上の画素に配置された第1原色の発光素子の発光強度比を調整して算出された補正係数を用いて、前記第1原色の輝度および色度を補正する
補正方法。
(19)
表示部の1画素内に配置された少なくとも3原色の発光素子の輝度および色度を補正する際に、
前記画素毎に第1原色の輝度を補正し、
2以上の画素に配置された前記第1原色の発光素子の各色度に基づいて算出された補正係数を用いて、前記第1原色の色度を補正する
補正方法。