【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のもう1つの態様は、1つ又はそれ以上の有機亜リン酸除草剤塩と、低減された
眼刺激性の水性除草剤濃縮混合物を生じさせる除草剤オーキシン系カルボン酸のコリン塩
との混合物に関する。
【0012】
本発明のもう1つの態様は、オーキシン系除草剤のアンモニウム塩の水溶性を改善する
方法に関し、この方法は、前記オーキシン系除草剤のアンモニウム塩としてN,N,N−
トリメチルエタノールアンモニウムカチオンを使用することを含む。
【0013】
除草剤オーキシン系カルボン酸は、インドール酢酸と同じ作用様式を有するカルボン酸
除草剤であり、並びに安息香酸除草剤、例えばクロランベン、ジカンバ、2,3,6−T
BA及びトリカンバ;ピリジンカルボン酸除草剤、例えばアミノピラリド、クロピラリド
及びピクロラム;ピリジニルオキシ酢酸除草剤、例えばトリクロピル及びフルロキシピル
;キノリンカルボン酸除草剤、例えばキンクロラック及びキンメラック;フェノキシ酢酸
除草剤、例えば4−CPA、2,4−D、3,4−D及びMCPA;フェノキシ酪酸除草
剤、例えば4−CPB、2,4−DB、3,4−DB及びMCPB;フェノキシプロピオ
ン酸除草剤、例えばクロプロップ、4−CPP、ジクロプロップ、3,4−DP、フェノ
プロップ、メコプロップ及びメコプロップ−P、を含むことを意図したものである。好ま
しい除草剤オーキシン系カルボン酸は、2,4−D、トリクロピル、アミノピラリド、ク
ロピラリド、フルロキシピル、ピクロラム及びジカンバである。
【0014】
コリンヒドロキシドは、式
【化2】
の化合物を指す。
除草剤オーキシン系カルボン酸のコリン塩は、次の一般式
【化3】
(式中、Rは、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニル又はキノリニル基であり、Xは
、O又は単結合であり、R’は、H又はCH
3であり、及びnは、0から3である)。
の化合物を指す。
【0015】
本発明は、除草剤オーキシン系カルボン酸のアンモニウム塩の一般に使用される水性濃
縮物と比較して低減された眼刺激性を有する、1つ又はそれ以上の除草剤オーキシン系カ
ルボン酸コリン塩から成る水性濃縮物に関する。前記コリン塩は、商業的に使用されてい
るカルボン酸除草剤アンモニウム塩に酸当量ベースで匹敵する除草剤活性を有するが、眼
刺激は低減される。さらに、前記コリン塩は、水性濃縮物として簡便に調合することがで
きる。
【0016】
本発明の化合物は、除草剤オーキシン系カルボン酸と、該除草剤オーキシン系カルボン
酸を完全に中和するために十分なコリンヒドロキシドとを反応させることによって簡便に
調製することができる。補助溶剤を場合により利用して、除草剤オーキシン系カルボン酸
を水中のコリンヒドロキシドと混合して、所望の水性濃縮物を生じさせる。
【0017】
本発明のもう1つの態様は、1つ又はそれ以上の有機亜リン酸除草剤塩と、低減された
眼刺激性の水性除草剤濃縮を生じさせる除草剤オーキシン系カルボン酸コリン塩との混合
物に関する。前記有機亜リン酸除草剤は、グルホシネート及びグリホサートを、例えばア
ンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウ
ム、トリメチルスルホニウム、ナトリウム、カリウムなどから選択されるそれらの一般に
使用されている塩形態で含み得る。これらの水性濃縮混合物は、除草剤オーキシン系カル
ボン酸アンモニウム塩を含有する混合物と比較して低減された眼刺激性を呈示する。
【0018】
本発明のもう1つの態様は、オーキシン系除草剤のアンモニウム塩の水溶性を改善する
方法に関し、この方法は、前記オーキシン系除草剤のアンモニウム塩としてN,N,N−
トリメチルエタノールアンモニウムカチオン(コリン)を使用することを含む。驚くべき
ことに、例えばトリクロピルコリン塩は、−10℃ほどもの低い温度ででさえ任意の公知
トリクロピル塩より有意に高い水溶性を有することが判明した。例えば、トリクロピルコ
リン塩の水溶性は、酸当量又は活性性成分ベースで、商業的に使用されているトリクロピ
ルトリエチルアンモニウム塩の水溶性より大きい。トリクロピルコリン塩のこの予想外の
高い水溶性は、より高濃度の製剤の製造を可能にする。高強度製剤は、様々な経済的及び
環境的理由のために望ましい。例えば、出荷及び取扱い費用を低減させるために並びに処
分すべき梱包材の量を低減させるために、高強度製剤を提供することは望ましい。
【0019】
本発明の水性濃縮物は、遺伝子操作によって又は突然変異及び選択によってそれらに対
して又は他の除草剤に対して耐性又は抵抗性にされた多くの作物において望ましくない植
生を防除するために一般に使用することができる。多くのグリホサート及びグルホシネー
ト耐性作物も、単独で又はこれらの化合物と併用で、処理することができる。そのような
作物(例えば、トウモロコシ、大豆及び綿)は、オーキシン系除草剤、例えば2,4−ジ
クロロフェノキシ酢酸、に対して耐性にされている。これらの活性成分を使用して、その
ような耐性作物又は他のオーキシン耐性作物を処理することができる。
【0020】
前記水性濃縮物を除草剤として直接利用することは可能であるが、少なくとも1つの農
業上許容されるアジュバント又は担体と共に除草有効量の前記水性濃縮物を含有する混合
物でそれらを使用することが好ましい。適するアジュバント又は担体は、価値のある作物
に対して、特に作物の存在下で選択的雑草防除のためにそれらの組成物を散布する際に用
いられる濃度で、植物毒性であってはならず、及び前記水性濃縮物又は他の組成物成分と
化学反応してはならない。そのような混合物は、雑草若しくはそれらの所在地への直接散
布用に設計される場合があり、又は散布前に追加の担体及びアジュバントで通常は希釈さ
れる濃縮物若しくは製剤である場合がある。
【0021】
1つ又はそれ以上の界面活性剤を本発明の水性濃縮物に添合することが通常は望ましい
。前記界面活性剤は、特性の点ではアニオン性、カチオン性又は非イオン性であり得、及
び乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として又は他の目的に利用することができる。典型的な界面活
性剤としては、アルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキ
ルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェ
ノール−アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノール−C
18エトキシレー
ト;アルコール−アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコール−C
16
エトキシレート;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸
塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエ
ステル、例えばジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエス
テル、例えばオレイン酸ソルビトール;第四級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモ
ニウムアンモニウムクロライド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばステ
アリン酸ポリエチレングリコール;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコ
ポリマー;並びにモノ及びジアルキルリン酸エステルの塩が挙げられる。
【0022】
農業用組成物に一般に使用される他のアジュバントとしては、相溶化剤、消泡剤、金属
イオン封鎖剤、中和剤及び緩衝液、腐食防止剤、染料、着臭剤、展着剤、浸透助剤、固着
剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤などが挙げられる。前記組成物は、他の相溶
性成分、例えば、他の除草剤、植物成長調節剤、殺真菌剤、殺虫剤なども含有することが
あり、並びに液体肥料として調合することができる。
【0023】
本発明の濃縮物中に、活性成分は、一般に5から90重量パーセント、好ましくは20
から80重量パーセントの濃度で存在する。そのような組成物は、典型的に、散布前に水
で希釈される。通常、雑草又は雑草の所在地に散布される希釈組成物は、一般に0.00
1から2重量パーセント活性成分を含有し、及び好ましくは0.01から1重量パーセン
トを含有する。
【0024】
本水性濃縮物を、水での希釈後、従来の地上又は空中噴霧機によって、灌漑水への添加
によって、及び当業者に公知の他の従来の手段によって散布することができる。