(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レベルシフトレギュレータが、前記複数のスイッチの構成を変更して、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子と並列となるように、前記フライングキャパシタを提供するように構成される、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記レベルシフトレギュレータが、前記複数のスイッチの構成を変更して、前記ステップダウンレギュレータの前記出力端子及び接地と並列となるように、前記フライングキャパシタを提供するように構成される、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータが、100ピコヘンリー〜1マイクロヘンリーの範囲のインダクタンスを有するインダクタを備える、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記ステップダウンレギュレータの前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)製作プロセスを用いて製作される、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータが、タイムインターリーブ様式で並列に動作するように構成された複数のレギュレータを備える、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータが、第1のスイッチング周波数で動作するように構成され、前記ステップダウンレギュレータが、第2のスイッチング周波数で動作するように構成される、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記ステップダウンレギュレータの前記最終電圧信号を調整するように構成された第1の制御ループと、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記中間電圧信号を調整するように構成された第2の制御ループと、をさらに備える、請求項1に記載の前記電圧レギュレータ。
前記第1の制御ループが、ステップダウンレギュレータを動作させて、前記ステップダウンレギュレータの前記最終電圧信号を目標出力電圧の規定の誤差範囲内にさせるように構成される、請求項8に記載の前記電圧レギュレータ。
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記インダクタを除く、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータ及び前記ステップダウンレギュレータが、単一のダイ内に提供される、請求項4に記載の前記電圧レギュレータ。
前記目標負荷システムがバッテリを含み、前記電圧レギュレータがユニバーサルシリアルバスの電力線から前記第1の電圧信号を受信し、かつ前記最終電圧信号を前記バッテリに提供するように構成される、請求項13に記載の前記電子システム。
前記目標負荷システムがシステムオンチップ(SoC)を備え、前記SoC及び前記電圧レギュレータが単一のSoCパッケージ内にパッケージ化される、請求項13に記載の前記電子システム。
前記目標負荷システムがシステムオンチップ(SoC)を備え、前記SoC及び前記電圧レギュレータがプリント基板(PCB)上に提供される、請求項13に記載の前記電子システム。
前記電圧レギュレータを逆方向に動作させる前記電子システムが、前記電圧レギュレータをステップアップレギュレータとして動作させるように構成される、請求項17に記載の前記電子システム。
前記ステップダウンレギュレータの前記出力端子がバッテリに連結され、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記第1の入力端子がユニバーサルシリアルバスの電力線に連結される、請求項18に記載の前記電子システム。
フライングスイッチドインダクタレギュレータ及びステップダウンレギュレータを備える電圧レギュレータを用いて第1の電圧信号を最終電圧信号に変換する方法であって、
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの第1の入力端子で前記第1の電圧信号を受信し、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの第2の入力端子で第2の電圧信号を受信することと、
前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの出力端子で、前記第1の電圧信号及び前記第2の電圧信号の少なくとも一部に基づいて中間電圧信号を提供することと、
前記ステップダウンレギュレータ内の複数のキャパシタの所定の構成を用いて、ステップダウンレギュレータの出力端子に、前記中間電圧信号に基づいて前記最終電圧信号を提供することと、
レベルシフトレギュレータの入力端子で前記最終電圧信号を受信し、かつ前記レベルシフトレギュレータを用いて、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記第2の入力端子に、前記最終電圧信号に基づいて決定された前記第2の電圧信号を提供して、前記ステップダウンレギュレータの前記出力端子と前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記第2の入力端子との間にフィードバックパスを形成することと、を含む、前記方法。
前記レベルシフトレギュレータが、フライングキャパシタ及び複数のスイッチを備え、前記方法が、前記複数のスイッチの構成を修正することによって、前記フライングスイッチドインダクタレギュレータの前記第1の入力端子及び前記第2の入力端子と並列に前記フライングキャパシタを提供することを含む、請求項20に記載の前記方法。
前記レベルシフトレギュレータが、フライングキャパシタ及び複数のスイッチを備え、前記方法が、前記複数のスイッチの構成を修正することによって、前記ステップダウンレギュレータの前記出力端子及び接地と並列に前記フライングキャパシタを提供することをさらに含む、請求項20に記載の前記方法。
前記インダクタの前記第2の端子を前記複数の入力端子のうちの少なくとも1つに連結するように構成された複数のスイッチをさらに備える、請求項23に記載の前記電圧レギュレータ。
前記複数のスイッチのうちの第1のスイッチが、前記インダクタの前記第2の端子を前記複数の入力端子のうちの第1の入力端子に連結するように構成され、前記複数のスイッチのうちの第2のスイッチが、前記インダクタの前記第2の端子を前記複数の入力端子のうちの第2の入力端子に連結するように構成され、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、時間多重様式でオンにされる、請求項24に記載の前記電圧レギュレータ。
前記ステップダウンレギュレータが、前記第1の入力端子の電圧を第1の量だけ低下させ、前記第2の入力端子の電圧を前記第1の量と異なる第2の量だけ低下させるように構成される、請求項25に記載の前記電圧レギュレータ。
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのデューティサイクルを制御して、前記電圧レギュレータの前記第2の電圧信号を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項26に記載の前記電圧レギュレータ。
前記受信レギュレータが、前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、前記インダクタを短絡して突入電流を低減させるように構成されたシャントスイッチをさらに備える、請求項23に記載の前記電圧レギュレータ。
前記受信レギュレータが、前記インダクタと直列の直列スイッチをさらに備え、前記直列スイッチが、前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、前記インダクタを前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチから分離して突入電流を低減させるように構成される、請求項25に記載の前記電圧レギュレータ。
前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、前記インダクタの前記第2の端子の電圧を上昇させて突入電流を低減させるように構成されたシャントレギュレータをさらに備える、請求項23に記載の前記電圧レギュレータ。
前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、前記ステップダウンレギュレータ内のノードのうちの1つの電圧を上昇させて突入電流を低減させるように構成されたシャントレギュレータをさらに備える、請求項23に記載の前記電圧レギュレータ。
前記ステップダウンレギュレータが少なくとも1つのキャパシタを備え、前記少なくとも1つのキャパシタがダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)製作プロセスを用いて製作される、請求項23に記載の前記電圧レギュレータ。
前記目標負荷システムがバッテリを含み、電圧レギュレータがユニバーサルシリアルバスの電力線から前記第1の電圧信号を受信し、かつ前記ユニバーサルシリアルバスの前記電力線を用いて前記第2の電圧信号を前記バッテリに提供して前記バッテリを充電するように構成される、請求項36に記載の前記電子システム。
前記電圧レギュレータを逆方向に動作させる前記電子システムが、前記電圧レギュレータをステップアップレギュレータとして動作させるように構成される、請求項38に記載の前記電子システム。
第1のスイッチを介して第1の持続時間、前記インダクタの前記第2の端子を前記複数の入力端子のうちの第1の入力端子に連結することと、第2のスイッチを介して第2の持続時間、前記インダクタの前記第2の端子を前記複数の入力端子のうちの第2の入力端子に連結することと、をさらに含む、請求項41の前記方法。
前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、シャントスイッチを用いて前記インダクタの前記第1の端子及び前記第2の端子を短絡して突入電流を低減させることをさらに含む、請求項41の前記方法。
前記電圧レギュレータが最初に起動されたときに、シャントレギュレータを用いて前記インダクタの前記第2の端子の電圧を上昇させて突入電流を低減させることをさらに含む、請求項41の前記方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示される主題のいくつかの実施形態は、電圧レギュレータを含む。電圧レギュレータは、第1の電圧信号を受信し、第1の電圧信号に少なくとも一部基づいて最終電圧信号を提供するように構成される。電圧レギュレータは、第1の電圧信号を受信するように構成された第1の入力端子、第2の電圧信号を受信するように構成された第2の入力端子、ならびに第1の電圧信号及び第2の電圧信号に少なくとも一部基づいて中間電圧信号を提供するように構成された出力端子を有する、フライングスイッチドインダクタレギュレータと、フライングスイッチドインダクタレギュレータの出力端子に連結される入力端子、出力端子、及び複数のキャパシタを備えるステップダウンレギュレータであって、ステップダウンレギュレータの入力端子で、フライングスイッチドインダクタレギュレータの出力端子から中間電圧信号を受信し、かつ複数のキャパシタの所定の構成を用いて、ステップダウンレギュレータの出力端子に最終電圧信号を提供するように構成される、ステップダウンレギュレータと、入力端子、出力端子、フライングキャパシタ、及び複数のスイッチを備えるレベルシフトレギュレータであって、レベルシフトレギュレータの入力端子で、ステップダウンレギュレータの最終電圧信号を受信し、かつレベルシフトレギュレータの出力端子で、ステップダウンレギュレータの最終電圧信号に基づいて第2の電圧信号を提供するように構成される、レベルシフトレギュレータと、を含む。
【0010】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、レベルシフトレギュレータは、複数のスイッチの構成を変更して、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第1の入力端子及び第2の入力端子と並列にフライングキャパシタを提供するように構成され得る。
【0011】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、レベルシフトレギュレータは、複数のスイッチの構成を変更して、ステップダウンレギュレータの出力端子及び接地と並列にフライングキャパシタを提供するように構成され得る。
【0012】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータは、100ピコヘンリー〜1マイクロヘンリーの範囲のインダクタンスを有するインダクタを含み得る。
【0013】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータ内の複数のキャパシタのうちの少なくとも1つが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)製作プロセスを用いて製作され得る。
【0014】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータは、タイムインターリーブ様式で並列に動作するように構成された複数のレギュレータを含み得る。
【0015】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータは、第1のスイッチング周波数で動作するように構成され得、ステップダウンレギュレータは、第2のスイッチング周波数で動作するように構成され得る。
【0016】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータはまた、ステップダウンレギュレータの最終電圧信号を調整するように構成された第1の制御ループと、フライングスイッチドインダクタレギュレータの中間電圧信号を調整するように構成された第2の制御ループも含み得る。
【0017】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、第1の制御ループは、ステップダウンレギュレータが高変換効率を提供する構成で動作することができるように、ステップダウンレギュレータを動作させて、出力ノードで中間電圧信号の分数を提供するように構成され得る。
【0018】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、第1の制御ループは、ステップダウンレギュレータを動作させて、ステップダウンレギュレータの最終電圧信号を目標出力電圧の所定の誤差範囲内とするように構成され得る。
【0019】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータのインダクタを除く、フライングスイッチドインダクタレギュレータ及びステップダウンレギュレータは、単一のダイ内に提供され得る。
【0020】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、インダクタは、オンパッケージまたはオンボードの個別の構成要素として提供され得る。
【0021】
開示される主題のいくつかの実施形態は、電子システムを含む。電子システムは、本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態を含み得る。電子システムはまた、電圧レギュレータに連結される目標負荷システムも含み得、電圧レギュレータ内のステップダウンレギュレータの出力端子が目標負荷システムに連結される。
【0022】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、目標負荷システムは、バッテリを含み得、電圧レギュレータは、ユニバーサルシリアルバスの電力線から第1の電圧信号を受信し、かつ最終電圧信号をバッテリに提供するように構成され得る。
【0023】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、目標負荷システムは、システムオンチップ(SoC)を含み得、SoC及び電圧レギュレータは、単一のSoCパッケージ内にパッケージ化され得る。
【0024】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、目標負荷システムは、システムオンチップ(SoC)を含み得、SoC及び電圧レギュレータは、プリント基板(PCB)上に提供され得る。
【0025】
開示される主題のいくつかの実施形態は、電子システムを含む。電子システムは、本明細書で開示される電圧レギュレータの一実施形態を含み得、電圧レギュレータは、電圧レギュレータ内のステップダウンレギュレータの出力端子が入力電圧源に連結され、かつフライングスイッチドインダクタレギュレータ内の第1の入力端子が電圧レギュレータの目標負荷に連結される逆方向に動作するように構成される。
【0026】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータを逆方向に動作させる電子システムは、電圧レギュレータをステップアップレギュレータとして動作させるように構成され得る。
【0027】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータの出力端子はバッテリに連結され得、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第1の入力端子はユニバーサルシリアルバスの電力線に連結され得る。
【0028】
開示される主題のいくつかの実施形態は、フライングスイッチドインダクタレギュレータ及びステップダウンレギュレータを備える電圧レギュレータを用いて第1の電圧信号を最終電圧信号に変換する方法を含む。本方法は、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第1の入力端子で第1の電圧信号を受信し、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第2の入力端子で第2の電圧信号を受信することと、フライングスイッチドインダクタレギュレータの出力端子で、第1の電圧信号及び第2の電圧信号に少なくとも一部基づいて中間電圧信号を提供することと、ステップダウンレギュレータ内の複数のキャパシタの所定の構成を用いて、ステップダウンレギュレータの出力端子に、中間電圧信号に基づいて最終電圧信号を提供することと、レベルシフトレギュレータの入力端子で最終電圧信号を受信し、かつレベルシフトレギュレータを用いて、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第2の入力端子に、最終電圧信号に基づいて決定された第2の電圧信号を提供して、ステップダウンレギュレータの出力端子とフライングスイッチドインダクタレギュレータの第2の入力端子との間にフィードバックパスを形成することとを含み得る。
【0029】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、レベルシフトレギュレータは、フライングキャパシタ及び複数のスイッチを備え得、本方法は、複数のスイッチの構成を修正することによって、フライングスイッチドインダクタレギュレータの第1の入力端子及び第2の入力端子と並列にフライングキャパシタを提供することを含み得る。
【0030】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、レベルシフトレギュレータはフライングキャパシタ及び複数のスイッチを備え得、本方法は、複数のスイッチの構成を修正することによって、ステップダウンレギュレータの出力端子及び接地と並列にフライングキャパシタを提供することをさらに含み得る。
【0031】
開示される主題のいくつかの実施形態は、第1の電圧信号を受信し、かつ第1の電圧信号に少なくとも一部基づいて第2の電圧信号を提供するように構成された電圧レギュレータを含む。本電圧レギュレータは、インダクタを備える受信レギュレータであって、インダクタの第1の端子で第1の電圧信号を受信し、かつ第1の電圧信号に少なくとも一部基づいてインダクタの第2の端子で中間電圧信号を提供するように構成された受信レギュレータと、複数の入力端子及び出力端子を備えるステップダウンレギュレータであって、複数の入力端子のうちの1つで、ある期間の一部の間、インダクタの第2の端子から中間電圧信号を受信し、かつ受信された中間電圧信号に基づいて、出力端子で第2の電圧信号を提供するように構成されたステップダウンレギュレータとを含み得る。
【0032】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータは、インダクタの第2の端子を複数の入力端子のうちの少なくとも1つに連結するように構成された複数のスイッチをさらに含み得る。
【0033】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、複数のスイッチのうちの第1のスイッチは、インダクタの第2の端子を複数の入力端子のうちの第1の入力端子に連結するように構成され、複数のスイッチのうちの第2のスイッチは、インダクタの第2の端子を複数の入力端子のうちの第2の入力端子に連結するように構成され、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、時間多重様式でオンにされる。
【0034】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータは、第1の入力端子の電圧を第1の量だけ低下させ、第2の入力端子の電圧を第1の量と異なる第2の量だけ低下させるように構成される。
【0035】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータは、第1のスイッチ及び第2のスイッチのデューティサイクルを制御して、電圧レギュレータの第2の電圧信号を制御するように構成されたコントローラを含み得る。
【0036】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータは、複数のスイッチドキャパシタレギュレータを含み得る。
【0037】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、受信レギュレータ及び複数のスイッチは、フライングスイッチドインダクタレギュレータを形成し得る。
【0038】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータ及び複数のスイッチは、スイッチドキャパシタレギュレータを形成し得る。
【0039】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、受信レギュレータは、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、インダクタをショート(短絡:short)して突入電流を低減させるように構成されたシャントスイッチを含み得る。
【0040】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、受信レギュレータは、インダクタと直列の直列スイッチを含み得、直列スイッチは、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、インダクタを第1のスイッチ及び第2のスイッチから分離して突入電流を低減させるように構成される。
【0041】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータは、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、インダクタの第2の端子の電圧を上昇させて突入電流を低減させるように構成されたシャントレギュレータを含み得る。
【0042】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータは、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、ステップダウンレギュレータ内のノードのうちの1つの電圧を上昇させて突入電流を低減させるように構成されたシャントレギュレータを含み得る。
【0043】
本明細書で開示される電圧レギュレータのいくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータは少なくとも1つのキャパシタを備え、少なくとも1つのキャパシタがダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)製作プロセスを用いて製作される。
【0044】
開示される主題のいくつかの実施形態は、電子システムを含む。本電子システムは、いくつかの実施形態に従う電圧レギュレータ及び電圧レギュレータに連結された目標負荷システムを含み、電圧レギュレータ内のスイッチドキャパシタレギュレータの出力端子は、目標負荷システムに連結される。
【0045】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、目標負荷システムはバッテリを含み、電圧レギュレータは、ユニバーサルシリアルバスの電力線から第1の電圧信号を受信し、かつユニバーサルシリアルバスの電力線を用いて第2の電圧信号をバッテリに提供してバッテリを充電するように構成される。
【0046】
開示される主題のいくつかの実施形態は、電子システムを含む。本電子システムは、いくつかの実施形態に従う電圧レギュレータを含み得、電圧レギュレータは、電圧レギュレータ内のスイッチドキャパシタレギュレータの出力端子が入力電圧源に連結され、かつ受信レギュレータ内のインダクタの第1の端子が電圧レギュレータの目標負荷に連結される逆方向に動作するように構成される。
【0047】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータを逆方向に動作させる電子システムは、電圧レギュレータをステップアップレギュレータとして動作させるように構成される。
【0048】
本明細書で開示される電子システムのいくつかの実施形態において、電圧レギュレータ内のスイッチドキャパシタレギュレータの出力端子はバッテリに連結され、受信レギュレータ内のインダクタの第1の端子はユニバーサルシリアルバスの電力線に連結される。
【0049】
開示される主題のいくつかの実施形態は、受信レギュレータ及びスイッチドキャパシタレギュレータを備える電圧レギュレータを用いて第1の電圧信号を第2の電圧信号に変換する方法を含む。本方法は、受信レギュレータ内のインダクタの第1の端子で、第1の電圧信号を受信することと、インダクタの第2の端子で、第1の電圧信号に少なくとも一部基づいて中間電圧信号を提供することと、インダクタの第2の端子をステップダウンレギュレータの複数の入力端子のうちの1つに連結して、複数の入力端子のうちの1つに中間電圧信号を提供することと、複数の入力端子のうちの1つで、ステップダウンレギュレータを用いて中間電圧信号を第2の電圧信号に変換することとを含み得る。
【0050】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、複数の入力端子のうちの1つが接地に連結される。
【0051】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、本方法は、第1のスイッチを介して第1の持続時間、インダクタの第2の端子を複数の入力端子のうちの第1の入力端子に連結することと、第2のスイッチを介して第2の持続時間、インダクタの第2の端子を複数の入力端子のうちの第2の入力端子に連結することとを含み得る。
【0052】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、本方法は、第1の持続時間と第2の持続時間の比率を制御して第2の電圧信号を制御することを含み得る。
【0053】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、本方法は、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、シャントスイッチを用いてインダクタの第1の端子及び第2の端子をショートして突入電流を低減させることを含み得る。
【0054】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、本方法は、電圧レギュレータが最初に起動されたときに、シャントレギュレータを用いて、インダクタの第2の端子の電圧を上昇させて突入電流を低減させることを含み得る。
【0055】
本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態において、電圧レギュレータ内のスイッチドキャパシタレギュレータの出力端子は入力電圧源に連結され得、受信レギュレータ内のインダクタの第1の端子は電圧レギュレータの目標負荷に連結され得る。
【0056】
こうして、以下に開示される主題の詳細な説明がより良好に理解され得るために、かつ当技術分野に対する本貢献がより良好に認識されるために、むしろ広範に、開示される主題の特徴を概説した。当然ながら、以下に記載される開示される主題の追加的な特徴が存在し、それは本明細書に添付の請求項の主題を形成し得る。
【0057】
この点において、開示される主題の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、開示される主題が、その用途において、以下の説明に記載または図面に図示される構築物の詳細及び構成要素の配置に制限されないということが理解されるものとする。開示される主題は、他の実施形態が可能であり、かつ種々の方途で実践及び実行されることが可能である。また、本明細書において採用された表現及び用語が説明を目的としており、制限するように見なされるべきでないことが理解されるものとする。
【0058】
そのため、当業者は、本開示が基づく概念が、開示される主題の数々の目的を実行するために、他の構成、システム、方法、及び媒体の設計のための基盤として容易に利用され得るということを理解するであろう。したがって、請求項が、開示される主題の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、かかる同等の構築物を含むと見なされることは重要である。
【0059】
これらは、開示される主題の他の目的と一緒に、開示される主題を特徴付ける新規性の種々の特徴とともに、本開示に添付されかつ一部をなす請求項の特殊性とともに指摘される。開示される主題、その動作利点及びその使用により達成される特定の目的のより良好な理解のために、開示される主題の好適な実施形態が図示された添付の図面及び記述的内容に対する参照がもたれるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下の記載において、開示される主題の十分な理解を提供するために、開示される主題のシステム及び方法ならびにかかるシステム、方法、及び媒体が動作等する環境に関するいくつかの特定の詳細が記載される。しかしながら、開示される主題がかかる特定の詳細によらず実践され得ること、及び開示される主題の複雑化を避けるため、当技術分野で周知のある特定の特徴が詳細に説明されないことは、当業者にとって明白となろう。加えて、以下に提供される実施例が例示であり、開示される主題の範囲内である他のシステム及び方法が企図されるということが理解される。
【0063】
現代の電子システムは、単一のチップ内に複数の処理コア及び異種構成要素(例えば、メモリコントローラ、ハードウェアアクセラレータ)を組み入れるシステムオンチップ(SoC)として強固に統合されてきた。厳しい電力バジェットに加え、SoCの需要が、ブロック特定粒度で電圧及び周波数を制御する動機となる。ブロック特定電圧制御は、電子システムがより高い性能を所望するコア(複数可)の電圧のみを上げることを可能にする。かかるブロック特定電圧制御は、電力及び/または性能を改善し得る。
【0064】
しかしながら、動的電圧及び周波数スケーリング(DVFS)の従来の手法は、オフチップ電圧レギュレータのコスト及びサイズの制限により、粗粒度レベルで行われてきた。さらに、従来のDVFSスキームは、オフチップ電圧レギュレータが低速であるため、マイクロ秒の時間尺度での低速の電圧/周波数スケーリングに制限されていた。ナノ秒の時間尺度でのDVFSは、急速に変化する計算の需要へのSoC電圧を厳密に追跡することによって、SoCによって消費されるさらなる電力を著しく節約し得る。
【0065】
これらのオフチップ電圧レギュレータの欠点を前提として、基板サイズを低減し、ナノ秒の時間尺度のコア毎DVFSを可能にするために統合電圧レギュレータ(IVR)を構築することへの関心の高まりが存在してきた。IVRは、スイッチングレギュレータ及び低ドロップアウト線形レギュレータを含む種々の電圧レギュレータを含み得る。基板サイズを低減し、ナノ秒の時間尺度のコア毎DVFSを可能にし得るIVRは、Wonyoung Kim et alにより2008年2月にIEEE International Symposium on High−Performance Computer Architecture(HPCA)に発表された、「System Level Analysis of Fast,Per−Core DVFS using On−Chip Switching Regulators」と題された論文、Hanh−Phuc Le et alにより2011年9月にIEEE Journal of Solid−State Circuits(JSSC)に発表された、「Design Techniques for Fully Integrated Switched−Capacitor DC−DC Converters」と題された論文、及びWonyoung Kim et alにより2012年1月にIEEE Journal of Solid−State Circuits(JSSC)に発表された、「A Fully−Integrated3−Level DC/DC Converter for Nanosecond−Scale DVFS」と題された論文を含む、本明細書の発明者によって作成された論文に開示されており、そのそれぞれが参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0066】
スイッチングレギュレータは、バックレギュレータを含み得る。
図1A〜
図1Bは、バックレギュレータ及びその動作を図示する。
図1Aに図示されるように、バックレギュレータ100は、インダクタ108及び2つのスイッチ114、116を含み得る。バックレギュレータ100は、1組の動力スイッチ114、116を通じて、インダクタ108を第1の電圧源V
IN104及び第2の電圧源118に接続する。いくつかの場合において、第2の電圧源118は、接地電圧源を含み得る。動力スイッチ114、116は、外部入力を用いてオンまたはオフにされ得る。いくつかの場合において、動力スイッチ114、116は、2つのスイッチが同時にオンにされないように制御され得る。動力スイッチ114、116は、トランジスタを含み得る。トランジスタは、MOSFETトランジスタを含み得る。例えば、スイッチ114は、Pチャネル型MOSFETトランジスタを含み得、スイッチ116は、Nチャネル型MOSFETトランジスタを含み得る。
【0067】
図1Bに図示されるように、動力スイッチ114、116が周期Tでオン及びオフすると、インダクタV
X102の入力が0とV
INとの間で周期Tでスイングし得る。インダクタ108及びキャパシタ120は、V
X102を時間とともに平均化する低域フィルタとして動作し、それによりレギュレータ出力V
OUT110で小さい電圧リップルの信号を作製する。出力電圧V
OUT110は、インダクタ108が第1の電圧源V
IN104に連結された時間の量及びインダクタ10が第2の電圧源118に連結された時間の量に依存し得る。例えば、バックレギュレータ100は、V
OUT510からV
IND+(0V)(1−D)のレベルを調節し得、ここで0と1の間の数であるDがV
XがV
INに連結された時間の一部分である。Dはまたデューティサイクルとも称される。電流106を消費する出力負荷は、プロセッサ、メモリ(DRAM、NANDフラシュ)、RFチップ、WiFiコンボチップ、及び電力増幅器を含む任意の種類の電子デバイスであり得る。
【0068】
ηバックレギュレータ100の効率は、
によって計算され得、ここでP
Lは出力負荷106に送達される電力を示し、P
Oはバックレギュレータ108の出力電力を示す。P
Lは以下P
L=P
O−P
LOSSのように計算され得、ここでP
LOSSは、電圧調整プロセス中の電力損失の量を含む。
【0069】
バックレギュレータ100に関連付けられる主要な電力損失P
LOSSのうちの1つは、インダクタ108の寄生抵抗によって招かれる抵抗損失P
Rを含む。電流112を提供することによってバックレギュレータ100が出力負荷106に電力を送達するとき、理想的には、バックレギュレータ100がすべての出力電力を出力負荷106に提供する。しかしながら、実質的な状況において、バックレギュレータ100は、出力電力のいくらかをインダクタ108で内部に消散する。理想的には、インダクタ108は0抵抗を有する。したがって、インダクタ108を流れる電流は、電力を少しも消散し得ない。しかしながら、実質的な状況において、インダクタ108は、主にインダクタ108を形成する材料抵抗のため、有限抵抗に関連付けられる。インダクタ108のこの好ましくない有限抵抗は、寄生抵抗と称される。寄生抵抗は、寄生抵抗がインダクタ108を流れる電流にエネルギーを消散させ得るため、抵抗電力損失を招き得る。したがって、抵抗電力損失が電力バックレギュレータの変換効率100を低減させ得る。
【0070】
電流が交流であるとき、抵抗電力損失はP
R=I
L、RMS2R
Lとして計算され得、ここでR
Lがインダクタ108寄生抵抗の値であり、I
L、RMSがインダクタ108を流れる電流の二乗平均平方根である。I
L、RMSは、インダクタ電圧のピークツーピークリップル(I
L、PP120)を低減することによって低減され得る。したがって、バックレギュレータ100は、インダクタ電圧のピークツーピークリップルI
L、PP120を低減することによって抵抗損失P
Rを低減し得る。
【0071】
インダクタ電圧のピークツーピークリップルI
L、PP120を低減するための2つの方途が存在する。1番目は、バックレギュレータ100が高周波でスイッチしてスイッチングレギュレータTの周期を低減し得る。しかしながら、この解決法は、スイッチ114、116の間のジャンクション122での寄生容量を充電及び放電するために消費される電力を増加し得る。この容量性電力損失は、スイッチ114、116のサイズが大きい場合があり得、これが寄生容量を増大させるため、及びV
X102の電圧振幅が大きいため、著しい場合があり得る。この容量性電力損失は、以下P
C=fCV
2のように計算され得、ここでfはバックレギュレータ100スイッチでの周波数であり、Cがジャンクション122での寄生容量の量であり、Vがジャンクション122での電圧振幅である。この電力損失は、スイッチ114、116のサイズが大きく、これが寄生容量を増大させるため、及びV
X102の電圧振幅が大きいため、著しい場合があり得る。
【0072】
2番目は、バックレギュレータ100が高いインダクタンス値でインダクタ108を用い得、それにより寄生抵抗R
Lを低減する。しかしながら、この手法はインダクタ108を大きくし、統合を困難にする。
【0073】
スイッチングレギュレータはまた、スイッチドキャパシタ(SC)レギュレータも含み得る。SCレギュレータは、インダクタの代わりに1つ以上のキャパシタを用いて動力源から出力負荷に電荷を転送し得る。SCレギュレータは、動力スイッチを用いて1つ以上のキャパシタを複数の電圧に結合/接続解除し得、これにより複数の電圧の加重平均である出力電圧を提供する。SCレギュレータは、構成及びキャパシタが互いに連結される配列を変更することによって、出力電圧を制御し得る。キャパシタはインダクタよりもオンダイまたはパッケージを統合することが容易であるため、SC IVRを小さいサイズで実装することがより容易である。
【0074】
しかしながら、SCレギュレータの効率は、入力電圧の所定の分数(割合)でない出力電圧で低下し得る。例えば、SCレギュレータは、入力電圧の1/2、1/3、2/3、2/5、3/5で高い効率に到達し得る。しかしながら、出力電圧がこれらの値から逸れるとき、同一のSCレギュレータが高効率を提供することができない場合があり得る。これは、連続する電圧範囲内、または5〜10mVずつの電圧範囲内で動作する多くのSoCにとって問題である。
【0075】
SCレギュレータに関連付けられる問題のうちのいくつかは、SCレギュレータをSCレギュレータが高効率を提供する出力電圧で提供するように動作させ、続いてSCレギュレータの出力電圧を、バックコンバータを用いて調整することによって対処され得る。
図2A〜
図2Bは、SCレギュレータ及びバックレギュレータを二段に含む電力コンバータを図示する。
図2Aは、SCレギュレータ222及びバックレギュレータ100を含む。SCレギュレータ222は、入力電圧104をV
TMP224に変換し得、これはSCレギュレータが高効率を提供し得る入力電圧の分数(割合、比)である。例えば、V
TMP224は、V
IN/Nであり得、ここでNは降圧比である。次にバックレギュレータ100がV
TMP224を受容し、これを調整して複数の動力スイッチ114、116及び1つ以上のインダクタ108を用いて細かなステップでV
OUT210を提供する。
図2Bは、レギュレータ内の信号のタイミング図を図示する。
【0076】
このレギュレータは、SCレギュレータが電圧を所定の小数値にわたり分圧することに優れており、バックレギュレータが広範囲な出力電圧にわたり細かなステップで調整することに優れているという事実に依存する。例えば、12Vから1Vへのステップダウンレギュレータにおいて、SCレギュレータ222は、V
IN104で12Vを受容して1/6ステップダウンを提供し得、それによりV
TMP224で2Vを提供する。続いて、バックレギュレータ100が2Vを1Vに調整する後続の調整を提供し得る。このレギュレータが電圧振幅をV
X202からV
TMP224に低減し、これはV
IN104よりも実質的に小さいが、このレギュレータはジャンクション122での寄生容量による容量性電力損失を低減し得る。しかしながら、負荷206によって必要とされる電流の総量がインダクタ208を通過しなければならないため、このレギュレータはなお抵抗電力損失(I
L、RMS2R損失)に見舞われる。電流によって招かれる抵抗損失を低減するため、インダクタは低抵抗を有する必要があり、これは小さいダイ面積(例えば、小さいフットプリント)においては達成が困難であり得る。
【0077】
本開示は、より簡単に統合され得、かつ小型インダクタによっても広い出力及び入力電圧範囲にわたり高効率を維持し得るハイブリッドレギュレータトポロジを示す。ハイブリッドレギュレータトポロジは、フライングスイッチドインダクタレギュレータ(flying switched−inductor regulator)及びステップダウンレギュレータ(step−down regulator)の2種類のレギュレータを含み得る。フライングスイッチドインダクタレギュレータは、電源電圧の電圧レベルを目標電圧に変更するように配置される複数のスイッチ及びインダクタを含み得、ステップダウンレギュレータは、電源電圧の電圧レベルを電源電圧の分数(割合、比)M/Nに分割するように構成された複数のスイッチ及び複数のキャパシタを含み得る。ハイブリッドレギュレータトポロジの開示される実施形態は、フライングスイッチドインダクタレギュレータのスイッチの電圧振幅を制限することによって、フライングスイッチドインダクタレギュレータの容量損失(CV
2f損失)を低減し得る。ハイブリッドレギュレータトポロジの開示される実施形態はまた、フライングスイッチドインダクタレギュレータを高いスイッチング周波数で動作させ、かつ少量の電流がインダクタを流れることによって、フライングスイッチドインダクタレギュレータのインダクタ抵抗損失も低減し得る。本手法は、低インダクタンスの小型インダクタによってもフライングスイッチドインダクタレギュレータの抵抗損失を低減し得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータトポロジの開示される実施形態は、ハイブリッドレギュレータの入力電圧がハイブリッドレギュレータの出力電圧よりも大きい構成であるステップダウン構成に構成され得る。他の実施形態において、ハイブリッドレギュレータトポロジの開示される実施形態は、ハイブリッドレギュレータの入力電圧がハイブリッドレギュレータの出力電圧よりも小さい構成であるステップアップ構成に構成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータは、二方向性であり得る。二方向性ハイブリッドレギュレータにおいて、ハイブリッドレギュレータの入力電圧及び出力電圧は、ステップダウンハイブリッドレギュレータをステップアップ様式で動作させるために、またはステップアップハイブリッドレギュレータをステップダウン様式で動作させるために、スワップ(またはフリップ)され得る。例えば、入力電圧がハイブリッドレギュレータの出力端子に提供され得、出力電圧がハイブリッドレギュレータの入力端子から引き出され得る。こうすると、ステップダウンハイブリッドレギュレータがステップアップ様式で動作され得、ステップアップハイブリッドレギュレータがステップダウン様式で動作され得る。
【0080】
図3は、いくつかの実施形態に従うハイブリッドレギュレータトポロジを図示する。
図3は、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312を含むハイブリッドレギュレータ300を含む。スイッチドインダクタレギュレータ314は、例えばV
IN308及びV
BOTTOM310等の複数の電圧を受容し、複数の電圧のうちの2つ以上の加重平均である出力V
TMP302をステップダウンレギュレータ312に提供する。ステップダウンレギュレータ312は続いて、V
TMP302を所望の出力電圧304に降圧し得る。いくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータ312は、スイッチドキャパシタレギュレータ等のN:Mレギュレータを含み得る。N:Mレギュレータは、受容した電圧V
TMPを分数M/Nに低減するように構成される。
のN:Mのいくつかの例は、1:1、2:1、3:1、3:2、4:1、4:3、5:1、5:2、5:3、5:4、6:5、7:1,7:2、7:3、7:4、7:5、7:6、または任意の他の適切な分数(比、割合)を含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312は、同一のスイッチング周波数(例えば、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312のスイッチが制御される周波数)で動作し得る。他の実施形態において、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312は、2つの異なるスイッチング周波数で動作し得る。スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312の動作周波数は、入力クロック信号に基づいて決定され得る。いくつかの場合において、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312のための入力クロック信号は、外部クロック源から受信され得、他の場合において、スイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312のための入力クロック信号はスイッチドインダクタレギュレータ314及びステップダウンレギュレータ312と同一のチップ上に統合された位相ロックループ(PLL)によって生成され得る。いくつかの実施例において、PLLは、周波数の異なる2つ以上のクロック信号を生成し得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、スイッチドインダクタレギュレータ314は、フライングスイッチドインダクタレギュレータを含み得る。通常のスイッチドインダクタレギュレータ314において、V
BOTTOM310は接地信号(0V)に連動する。しかしながら、フライングスイッチドインダクタレギュレータにおいて、V
BOTTOM310は非ゼロに設定される。例えば、フライングスイッチドインダクタレギュレータにおいて、V
BOTTOM310は0Vより大きく設定される。
【0083】
いくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータ314は、フライングバックレギュレータを含み得る。
図4は、いくつかの実施形態に従う、フライングバックレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。フライングバックレギュレータはV
IN308とV
BOTTOM310との間で動作し得、フライングバックレギュレータはN:Mレギュレータ412に連結され得る。
【0084】
ハイブリッドレギュレータ400はフライングバックレギュレータのインダクタ108を通じて抵抗損失(I
L、RMS2R損失)を低減し得、これにより電圧変換効率を改善する。N:Mレギュレータは、入力電圧V
TMP302を
降圧するように構成され、V
TMP302は大部分においてV
OUTよりも高い。N:Mレギュレータの効率が高いと仮定すると、出力負荷によって引き出される電力はN:Mレギュレータによって引き出される電力とおおよそ等量であり、これはフライングバックレギュレータによって提供される電力と等量である。したがって、周知の電力方程式である、電力は電圧に電流を乗じたものに等しい(P=VI)に基づき、フライングバックレギュレータ314によって提供される電流I
L112はおおよそ
であり、ここでI
LOAD316は出力負荷で引き出される電流である。MがしばしばNよりも小さいため、フライングバックレギュレータ314はI
LOADの分数をN:Mレギュレータに提供するだけでよい。したがって、このレギュレータトポロジは、インダクタを通じて抵抗損失(I
L、RMS2R損失)をおおよそ(M/N)
2に低減し得る。さらに、抵抗損失の低減は、変換率(M:N比)が大きくなるにつれて大きくなる。抵抗損失の低減は、電力は電圧に電流を乗じたものに等しい(P=VI)の観測によって達成される。固定量の電力が送達される場合、電力を少量の電流のみを送達することを可能にする高圧で提供することが望ましい。
【0085】
ハイブリッドレギュレータ400はまた、フライングスイッチドインダクタレギュレータ314の容量性電力損失(CV
2f損失)も低減し得る。具体的には、容量損失(CV
2f損失)はV
BOTTOM310を制御することによって低減され得る。例えば、V
BOTTOM310は、0VとV
IN308と間の任意の値であり得る。容量損失がスイッチにわたる電圧振幅を低減することによって低減され得るため、容量損失(CV
2f損失)は、V
BOTTOM310を可能な限り増大することによって低減され得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、V
BOTTOM310がV
IN308よりも著しく小さいとき、スイッチ114、116にわたる電圧は大きくなり得る。スイッチ114、116にわたる大きい電圧に対処するため、スイッチ114、116は端子にわたる大きい電圧に耐えうるトランジスタを用いて形成され得る。例えば、スイッチ114、116は、厚い酸化物MOSFETトランジスタ等の厚い酸化物トランジスタを用いて形成され得る。他の実施例において、スイッチ114、116は、窒化ガリウム(GaN)トランジスタ、または任意の他の適切なトランジスタまたはトランジスタの組み合わせを用いて形成され得る。
【0087】
他の実施形態において、V
BOTTOM310がV
IN308よりも著しく小さくないとき、スイッチ114、116は、薄い酸化物MOSFETトランジスタ等の通常の薄い酸化物トランジスタを用いて形成され得る。
【0088】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータ400内のフライングスイッチドインダクタレギュレータはまた、2つ以上の相を有する多相フライングバックレギュレータも含み得る。多相フライングバックレギュレータは、単一の周期Tにわたりタイムインターリーブ様式で動作する複数の並列フライングバックレギュレータを含み得る。例えば、3相フライングバックレギュレータは、それぞれが0度、120度、240度位相がずれた3組のスイッチ及びインダクタを含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータに提供されるV
BOTTOM310は、ステップダウンレギュレータの出力電圧に基づき得る。
図5A〜
図5Dは、いくつかの実施形態に従う、フライングバックレギュレータのためのV
BOTTOM310がステップダウンレギュレータの出力電圧に基づいて生成されるハイブリッドレギュレータを図示する。ハイブリッドレギュレータ500は、フライングスイッチドインダクタレギュレータ及びN:Mレギュレータ312を含む。
図5Aは、フライングスイッチドインダクタレギュレータがフライングバックレギュレータを含むが、フライングスイッチドインダクタレギュレータもまた他の種類のフライングスイッチドインダクタレギュレータを含み得る実施形態を図示する。フライングバックレギュレータは、V
IN308及びV
BOTTOM310を受信し、かつV
TMP302をN:Mレギュレータ312に提供するように構成される。続いて、N:Mレギュレータ312がV
TMP302を降圧してV
OUT304を提供する。
【0090】
いくつかの実施形態において、V
BOTTOM310は出力電圧V
OUT304に基づき得る。具体的には、V
BOTTOM310は、V
IN−V
OUTとして設定され得る。ハイブリッドレギュレータ500は、レベルシフトコンバータ520を用いてV
BOTTOM310を生成し得る。いくつかの実施形態において、レベルシフトコンバータ520は、フライングキャパシタ(C
LS)522及び複数のスイッチ524〜530を含み得る。
【0091】
レベルシフトコンバータ520は、スイッチ524〜530のうちの2つを一度にオンにすることによって、V
IN−V
OUTをV
BOTTOM310として提供し得る。例えば、
図5Bに図示されるように、時間t0に、ハイブリッドレギュレータ500は、スイッチ524、526をオンに、スイッチ528、530をオフにすることによって、C
LS_0522として図示されるように、フライングキャパシタ522を出力負荷と並列に提供し得る。これは、フライングキャパシタ522をV
OUT304に充電する。時間t0の後の所定の時間である時間t1に、
図5Cに示すように、ハイブリッドレギュレータ500は、スイッチ524、526をオンに、スイッチをオフにすることによって、C
LS_1522−1として図示されるように、フライングキャパシタ522をフライングバックレギュレータと並列に提供し得る。プレートに正電荷V
IN304を提供することによって、及びプレートに負電荷V
BOTTOM310を提供することによって、V
BOTTOM310がV
IN−V
OUTとして設定され得る。
図5Dは、
図5Aのハイブリッドレギュレータのタイミング図を図示する。
図5Dは、内部ノードVx102がV
IN304とV
IN−V
OUTとの間でスイングすることを図示する。Vx102は続いてインダクタによって低域フィルタリングされてV
TMP302を生成し、これはステップダウンレギュレータ312によってさらに降圧されてV
OUT304を生成する。
【0092】
いくつかの実施形態において、フライングキャパシタ522スイッチが2つの場所C
LS_0522−0とC
LS_1522−1との間でスイッチする周期は、フライングバックレギュレータ内のスイッチがオン及びオフになる周期と同等であり得る。いくつかの場合において、フライングキャパシタ522は、フライングバックレギュレータ内のスイッチのオン及びオフと同調して2つの場所C
LS_0522−0とC
LS_1522−1との間でスイッチし得る。例えば、スイッチ114がオンとなりスイッチ116がオフとなると、フライングキャパシタ522がC
LS_0522−0で提供され得、スイッチ114がオフとなりスイッチ116がオンとなると、フライングキャパシタ522がC
LS_1522−1で提供され得る。他の実施形態において、フライングキャパシタ522スイッチが2つの場所C
LS_0522−0とC
LS_1522−1との間でスイッチする周期は、フライングバックレギュレータ内のスイッチがオン及びオフになる周期の整数の倍数と同等であり得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、フライングキャパシタ522は、高い容量値を有し得る。例えば、フライングキャパシタ522の容量は、0.1〜100nFの間、または任意の他の適切な容量値であり得る。高容量フライングキャパシタ522は、フライングキャパシタ522にわたる電圧(よってフライングバックレギュレータにわたる電圧)が時間とともに著しく変化することを妨げ得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータ500のレベルシフトコンバータは、別個のバックコンバータを含み得る。他の実施形態において、レベルシフトコンバータは、複数のフライングキャパシタがインターリーブ様式で動作する、2つ以上の相を有する多相コンバータを含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータのフライングバックレギュレータの入力端子及び出力端子は、フリップされ得る。かかるフライングバックレギュレータは、フリップドフライングバックレギュレータと称され得る。フリップドフライングバックレギュレータはまた、垂直軸に沿ってフリップされたフライングバックレギュレータのトポロジを有するため、フライングスイッチドインダクタレギュレータとも称され得る。この新しいトポロジがフライングスイッチドインダクタレギュレータと称される一方、このフライングスイッチドインダクタレギュレータの配電機構は、以下に記載されるように、通常のフライングバックレギュレータと実質的に異なり得る。
【0096】
図6A〜
図6Bは、いくつかの実施形態に従う、フライングスイッチドインダクタレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。ハイブリッドレギュレータ600は、フライングスイッチドインダクタレギュレータ614を含み得、これがN:Mレギュレータ312に連結される。フライングスイッチドインダクタレギュレータ614は、フリップドフライングバックレギュレータを含み得、これがインダクタ608及び複数のスイッチ616、618を含む。従来のフライングバックレギュレータと違い、フリップドフライングバックレギュレータ614は、インダクタ608を介してV
IN308に連結され、N:Mレギュレータ312に2つの電圧V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を提供する。続いて、N:Mレギュレータ312は、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を用いて出力電圧V
OUT304を生成し得る。
【0097】
フライングスイッチドインダクタレギュレータ614において、入力電圧V
IN308は、N:Mレギュレータに提供される2つの電圧、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622の加重平均と等量である。これは、フライングスイッチドインダクタレギュレータが図の垂直軸に沿ってフリップされ、出力であったノードがここでは一定電圧であり得るV
IN308に連結されるため、前の実施形態と異なる。
【0098】
フライングスイッチドインダクタレギュレータ614は、インダクタ608に連結される入力電圧V
IN308がV
N:M_TOPD+V
N:M_BOTTOM(1−D)と等量になるように構成され得、ここで0と1の間の数であるDは、V
X602がV
N:M_TOPに連結されるデューティサイクルである。V
INが一定であるため、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622は、V
X602がどれだけ長くV
N:M_TOP620に連結されたままでいるか、かつV
X602がどれだけ長くV
N:M_BOTTOM622に連結されたままでいるかに応じて変更されるように構成される。
図6Bは、
図6Aのハイブリッドレギュレータのタイミング図を図示する。
図6Bは、インダクタ608に連結される入力電圧V
IN308が一定電圧であることを図示する。この一定入力電圧V
IN308は、2つの別個の電圧、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を生成するために用いられ、これらもまた一定電圧である。内部ノードV
X602は、V
N:M_TOP620とV
N:M_BOTTOM622との間でDのデューティサイクルでスイッチする。ステップダウンレギュレータ312は、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を2つの入力として用いて出力電圧V
OUT304を生成する。
【0099】
図7A〜7Bは、いくつかの実施形態に従う、フライングスイッチドインダクタレギュレータを有するハイブリッドレギュレータの例示的な実施形態を示す。
図7Aは、インダクタ708を含むフライングスイッチドインダクタレギュレータ714を有するハイブリッドレギュレータ700を示す。
図7Aはまた、第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718も含む。第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718のうちのそれぞれのスイッチが、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622をステップダウンレギュレータ712の入力ノードのうちの1つまたは接地(0V)に結合する。
【0100】
ステップダウンレギュレータ712は、複数のN:Mレギュレータを含み得る。例えば、
図7Aにおいて、ステップダウンレギュレータ712は、1:1レギュレータ、2:1レギュレータ、3:1レギュレータ、4:1レギュレータ、及び5:1レギュレータを含む。いくつかの実施形態において、これらのN:Mレギュレータ(5:1、4:1、3:1、2:1、1:1)は、別個のレギュレータとして実装され得る。他の実施形態において、これらのN:Mレギュレータ(5:1、4:1、3:1、2:1、1:1)は、スイッチ及びキャパシタを共有する単一の再構成可能SCレギュレータとして実装され得る。また他の実施形態において、これらのN:Mレギュレータのうちの2つ以上が、単一の再構成可能SCレギュレータとして実装され得、これらのN:Mレギュレータうちの残りは、別個のレギュレータとして実装され得る。
【0101】
ステップダウンレギュレータ712は、ステップダウンレギュレータ712内のN:Mレギュレータのうちの1つにそれぞれが連結される複数の入力ノードを含み得る。例えば、
図7Aにおいて、ステップダウンレギュレータ712は、5つの入力ノード、V
SC_5:1、V
SC_4:1、V
SC_3:1、V
SC_2:1、V
SC_1:1を含む。ステップダウンレギュレータ712はまた、N:Mレギュレータのうちの1つの出力電圧を提供する出力ノードも含む。
【0102】
第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718は、時間多重様式で動作され得る。例えば、時間の一時点で、第1の組のスイッチ716のスイッチのうちの1つもオンにされないか、または1つがオンにされ得る。同様に、時間の一時点で、第2の組のスイッチ718のスイッチのうちの1つもオンにされないか、または1つがオンにされ得る。第1の組のスイッチ716のうちの1つがオンにされたとき、第2の組のスイッチ718のうちの1つもオンにされず、第1の組のスイッチ716のうちの1つもオンにされないとき、第2の組のスイッチ718のうちの1つがオンにされる。
図7Bに記載するように、718のうちの1つのスイッチ及び716のうちの1つのスイッチがオン及びオフにされてV
X702で方形波を作製し得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、V
N:M_TOP720及びV
N:M_BOTTOM722がV
X702に連結されている継続時間は、V
OUT704を制御するために制御され得る。例えば、V
INが典型的なリチウムイオンバッテリ電圧である3.7Vであり、V
N:M_TOP720が第2の組のスイッチ718を介してV
SC_4:1に連結され、V
N:M_BOTTOM722が第1の組のスイッチ716を介してV
SC_3:1に連結され、目標V
OUT704が1Vであるとする。V
OUTが1Vであるため、V
SC_4:1が4Vであり、V
SC_3:1が3Vである。V
INがV
N:M_TOPD+V
N:M_BOTTOM(1−D)と等しく、V
INは3.7Vであり、V
N:M_TOP及びV
N:M_BOTTOMが、それぞれ、V
SC_4:1(4V)及びV
SC_3:1(3V)に連結されるため、フライングスイッチドインダクタレギュレータ(D)のデューティサイクルは0.7となるはずである。言い換えると、フライングスイッチドインダクタレギュレータは時間の70%がV
SC_4:1に連結され、時間の残りの30%がV
SC_3:1に連結される。別の実施例として、目標電圧V
OUT704が0.95Vに変更された場合、V
N:M_TOP及びV
N:M_BOTTOMが、それぞれ、V
SC_4:1(3.8V)及びV
SC_3:1(2.85V)に連結されたままとなるが、Dは0.89に変更され得る。このDは、V
IN=V
N:M_TOPD+V
N:M_BOTTOM(1−D)からもたらされる等式3.7=3.8D+2.85(1−D)に由来する。別の実施例として、目標電圧V
OUT704が0.9Vに変更された場合、V
N:M_TOP及びV
N:M_BOTTOMが、それぞれ、V
SC_5:1(4.5V)及びV
SC_4:1(3.6V)に連結され得、かつDは0.11に変更され得る。
図7Bは、ハイブリッドレギュレータ内の信号のタイミング図を図示する。
図7Bにおいて、第1の組のスイッチ716のうちの1つが、V
SC_3:1をV
N:M_BOTTOMに連結するように構成され、第2の組のスイッチ718のうちの1つが、V
SC_4:1をV
N:M_TOPに連結するように構成される。
図6Bに図示されるように、V
SC_3:1及びV
SC_4:1は、デューティサイクルされてV
OUT704を生成し得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718は、フライングスイッチドインダクタレギュレータの一部であり得る。他の実施形態において、第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718は、ステップダウンレギュレータ712の一部であり得る。例えば、ステップダウンレギュレータ712は、第1の組のスイッチ716及び第2の組のスイッチ718の中のスイッチのどの1つがV
N:M_TOP及びV
N:M_BOTTOMに連結され得るか決定し得、フライングスイッチドインダクタレギュレータがD(デューティサイクル)の値を決定し得る。
【0105】
図7Aに図示される実施形態は、インダクタ708に関連付けられる寄生容量及び寄生抵抗を低減し得る。
図8A〜8Bは、いくつかの実施形態に従い、インダクタがハイブリッドレギュレータにどのように連結され得るかを図示する。
図8Aは、インダクタがチップの2つ以上の内部ノードにどのように連結され得るかを図示し、
図8Bは、インダクタがチップの1つの内部ノードにどのように連結され得るかを図示する。いくつかの実施形態において、インダクタは、電圧レギュレータと同一のダイ上であるが、異なる金属層の上に実装され得る。この場合、パッド806、808は、ビアを用いて実装され得る。いくつかの実施形態において、インダクタは、電圧レギュレータと異なるダイ上に実装されるか、または外部に設置される個別の構成要素であり得る。この場合、パッド806、808は、電圧レギュレータダイの上に通常のパッドとして実装され得る。どちらの種類の実施形態においても、寄生容量及び/または寄生インダクタンスによる、パッド806、808に関連付けられる寄生損失が存在する。
【0106】
図3〜
図5に図示されるいくつかの実施形態において、インダクタはハイブリッドレギュレータの2つの内部ノードに連結される。例えば、ハイブリッドレギュレータのバックレギュレータ/フライングバックレギュレータ内のインダクタが、ハイブリッドレギュレータの2つの内部ノードに連結される。この場合、バックレギュレータの出力電流/フライングバックレギュレータは806を通ってインダクタ804を通って流れ出、次に808を通って逆流し得る。したがって、ハイブリッドレギュレータはパッド806、808の両方の寄生損失による影響を受ける。
【0107】
インダクタはハイブリッドレギュレータの2つの内部ノードに連結される。例えば、フライングスイッチドインダクタレギュレータ内のインダクタはV
IN814及びハイブリッドレギュレータの内部ノードに連結される。この場合、フライングスイッチドインダクタレギュレータの電流は、インダクタ812を通って流れ、816を通って電圧レギュレータダイに流れ込み得る。したがって、電圧はパッド806、808のうちの一方のみを流れ、これが寄生損失を低減し得る。
【0108】
図3〜
図7に図示される実施形態において、すべてのN:Mレギュレータは、1つ以上のキャパシタまたは1つ以上のインダクタを接続/接続解除する1つ以上のスイッチを備える、フライングスイッチドインダクタまたはスイッチドキャパシタ、もしくはこの2つのハイブリッドを含み得る。N:Mレギュレータはまた、異なる変換率(例えば、(N−1):M(N−2):M、N:(M−1)、N:(M−2)、(N−1):(M−1)等)に動的に変化する再構成可能レギュレータ構造であり得る。フライングスイッチドインダクタレギュレータ内のインダクタの典型的なインダクタンスは、100ピコヘンリー〜1マイクロヘンリーの範囲であり得、フライングスイッチドインダクタレギュレータ内の動力スイッチは、典型的に1000〜100,000の幅/(最小長)値を有し得る。例えば、90nmプロセス技術において、電源スイッチ幅は典型的に100um〜10mmの範囲である。スイッチング周波数は典型的に10MHz〜500MHzの範囲である。
【0109】
上述したように、N:Mレギュレータは、SCレギュレータを用いて実装され得る。いくつかの場合において、SCレギュレータは、入力電圧V
TMPを
に降圧することができない場合があり得る。その代わり、SCレギュレータは、V
OUTとして、
を提供し得、ここでV
DELTAは小さい値である。例えば、90nmプロセスにおいて、V
DELTAは0〜200mVの範囲である。いくつかの場合において、V
DELTAは、SCレギュレータの非理想的な特徴によって存在し得る。例えば、非理想的な特徴は、寄生容量を含み得る。しかしながら、しばしばV
DELTAは出力電圧と比べて実質的に小さい場合があり得る。いくつかの場合において、SCレギュレータの効率は、
であるときに最も高くなり得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、
図3〜7に開示されるハイブリッドレギュレータは、フィードバックシステムを用いて制御され得る。フィードバックシステムは、実質的にリアルタイムで、ハイブリッドレギュレータの出力電圧が目標出力電圧から許容誤差範囲内であるかを決定し得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、フィードバックシステムは、複数のフィードバックシステムを含み得る。
図9は、いくつかの実施形態に従う、複数のフィードバックシステムを有するハイブリッドレギュレータを図示する。
図9は、
図3に記載されるような2段のハイブリッドレギュレータを含む。
図9は、第1のフィードバックループ928及び第2のフィードバックループ930をさらに含む。第1のフィードバックループ928は、ステップダウンレギュレータ312を制御するように構成され、第2のフィードバックループ930は、フライングスイッチドインダクタレギュレータ314を制御するように構成される。
【0112】
第1のフィードバックループ928及び第2のフィードバックループ930は、ステップダウンレギュレータ312がその高効率範囲の近くで動作し得るように、互いに協働するように構成される。上述したように、SCレギュレータの効率は、出力電圧V
OUTが
に近いときに最も高くなり得る。したがって、第1のフィードバックループ928は、出力電圧V
OUTが
に近くなるようにステップダウンレギュレータ312を動作させるように構成される。同時に、第2のフィードバックループ930は、出力電圧V
OUTが目標電圧に近くなるようにフライングスイッチドインダクタレギュレータ314を動作させるように構成される。
【0113】
ある意味、第1のフィードバックループ928は、SCレギュレータを高効率で動作させるように動作させる遅いループであり、第2のフィードバックループ930は、V
OUTがV
REFに近いままとなるように、負荷変動に素早く反応する早いループである。デジタルブロック908、920は、Verilog、VHDL、及びBluespecを含むハードウェアプログラミング言語を用いて合成され得る。
【0114】
例えば、V
IN=3.7Vであり、目標V
OUTが1V(V
REFは1Vに等しい)であり、ステップダウンレギュレータ312が3:1のSCレギュレータであるとする。この場合、SCレギュレータは、V
TMP/V
OUTが3に近いときに高効率を有する。しかしながら、
VTMP/V
OUTは理想的な条件においてのみ3と等しくなり、非理想的な条件において、V
OUT電圧における小さい電圧降下V
DELTAが存在する。その結果、SCレギュレータは、V
OUTがV
TMP/3−V
DELTAに近いときに高効率を有する。
【0115】
ステップダウンレギュレータ312の効率を高めるため、第1のフィードバックシステム928は、ステップダウンレギュレータ312を制御して、出力電圧V
OUT304としてV
TMP/3−V
DELTAに近い電圧を提供する。このため、第1のフィードバックシステム928は、V
TMP/3−V
DELTAをV
OUTと比較して比較結果をデジタルブロック908に送信する比較器910を用い得る。比較結果は、V
OUTがV
TMP/3−V
DELTAよりも大きいかを示すバイナリ信号を含み得る。続いて、第1のフィードバックシステム928のデジタルブロック908が、SCレギュレータ914の動力スイッチをV
OUTがV
TMP/3−VDELTAから許容誤差範囲内であるように制御する信号906を生成し得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、第2のフィードバックループ930は、ステップダウンレギュレータ312についての情報を用いてフライングスイッチドインダクタレギュレータ314を制御し得る。例えば、V
DELTAが0.1Vであると仮定すると、V
OUTが目標値の1Vに近くなるように、V
TMPは3.3Vであり得る。よって、第2のフィードバックシステム930がV
TMPを3.3Vに設定し得る。
【0117】
第2のフィードバックシステム928は、比較器926を用いてV
TMPを3.3Vとして設定し得る。比較器926は、V
REF(1V)をV
OUTと比較して、比較結果をデジタルブロック920に送信し得る。続いて、デジタルブロック920は、V
OUTが所望の値、この場合1Vに近くなるようにフライングスイッチドインダクタレギュレータ314のデューティサイクルを制御し得る。このフィードバック機構は、V
TMPを自動的に3.3Vの近くに設定し得る。
【0118】
この2つのループを用いて、ステップダウンレギュレータは、V
OUTをV
TMP/3−V
DELTAの近くに設定することによって高効率で動作し得、フライングスイッチドインダクタレギュレータ314はV
OUTが目標値に近くなるように、そのデューティサイクルを設定して適切なV
TMPを生成する。
【0119】
図10は、いくつかの実施形態に従う、異なる構成を有する複数のフィードバックシステムを有するハイブリッドレギュレータを図示する。
図10は、第1のフィードバックループ1028及び第2のフィードバックループ1030を含む。第1のフィードバックループ1028は、ステップダウンレギュレータ312を制御するように構成され、第2のフィードバックループ1030は、フライングスイッチドインダクタレギュレータ314を制御するように構成される。
【0120】
図10に図示される実施形態は、
図9の実施形態と実質的に同様である。違いは、第1のフィードバックループ1028が、V
OUTがV
REFに近いままとなるように、負荷変動に素早く反応する早いループであり、一方第2のフィードバックループ1030が、SCレギュレータを高効率で動作させるように動作させる遅いループであるということである。
【0121】
いくつかの実施形態において、デジタルブロック908、920、1008、1020は、ハードウェアプログラミング言語を用いて合成され得る。ハードウェアプログラミング言語は、Verilog、VHDL、Bluespec、または任意の他の適切なハードウェアプログラミング言語を含み得る。他の実施形態において、デジタルブロック908、920、1008、1020は手動で設計され得、手動でチップ上にレイアウトされ得る。
【0122】
ハイブリッドレギュレータは、それぞれのスイッチング周波数によって制限される最大制御帯域幅に応じて、
図9または
図10の実施形態に従うフィードバックシステムを用い得る。フライングスイッチドインダクタレギュレータ314の最大制御帯域幅がステップダウンレギュレータ312の最大制御帯域幅よりも高いとき、
図9の実施形態に従うフィードバックシステムは、ハイブリッドレギュレータがより高いループ帯域幅を有することを可能にし、それによりハイブリッドレギュレータが出力電圧304内のあらゆる変動に対して迅速に反応することを可能にする。ステップダウンレギュレータ312の最大制御帯域幅がフライングスイッチドインダクタレギュレータ314の最大制御帯域幅よりも高いとき、
図10のフィードバックシステムは、全システムがより高いループ帯域幅を有することを可能にする。
【0123】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータは、フライングスイッチドインダクタレギュレータの不感帯に対処する不感帯フィードバックシステムを含み得る。簡潔にするために、不感帯フィードバックシステムは
図5のハイブリッドレギュレータに関連して図示されるが、不感帯フィードバックシステムは開示のハイブリッドレギュレータの任意のものに用いられ得る。
【0124】
フライングスイッチドインダクタレギュレータの不感帯は、フライングスイッチドインダクタレギュレータによって生成され得ない電圧の範囲を指す。例えば、
図5において、フライングスイッチドインダクタレギュレータは、デューティサイクルDを0と1の間で変化させることによって、V
IN308とV
BOTTOM310の間のすべての電圧を生成することができるはずである。しかしながら、効率を理由として、デューティサイクルDはしばしば0.05〜0.95に制限される。よって、V
BOTTOMとV
BOTTOM+0.05(V
IN−V
BOTTOM)との間の電圧と、電圧V
BOTTOM+0.95(V
IN−V
BOTTOM)及びV
INは生成され得ない。
【0125】
不感帯があると、ハイブリッドレギュレータが目的の範囲内のすべての所望の電圧を生成することができない場合があり得るため、この不感帯は潜在的にハイブリッドレギュレータの性能に影響を及ぼす。この問題は、以下に例とともに記載される。
【0126】
V
INが典型的なリチウムイオンバッテリ電圧である3.7Vであり、目標V
OUT504が1.15Vであり、ステップダウンレギュレータが3:1のSCレギュレータであるとする。フライングスイッチドインダクタレギュレータのデューティサイクルがD、V
TMP=V
IND+(V
IN−V
OUT)(1−D)=V
IN−V
OUT(1−D)と仮定する。3:1のSCレギュレータは正確に3:1である変換率を有し得ず、V
OUTのわずかな電圧降下のため、その代わりにわずかにより高い変換率を有し得る。したがって、3:1のSCレギュレータの変換率は3+N
DELTAであり、ここでN
DELTAは0.1前後の数である。V
TMP=(3+N
DELTA)V
OUTであるため、上記の等式と組み合わせ、V
IN−V
OUT(1−D)=(3+N
DELTA)V
OUTであり、これがV
IN=(4−D+N
DELTA)V
OUT、またはV
IN/(4−D+N
DELTA)=V
OUTとなる。Dが0と1の間の数であるため、このレギュレータは、V
OUTをD=0のときV
IN/(4+N
DELTA)とD=1のときV
IN/(3+N
DELTA)間の値に設定し得る。ステップダウンレギュレータがそうでなく4:1SCレギュレータである場合、この等式はV
IN/(5−D+N
DELTA)=V
OUTとなり、レギュレータはV
OUTをD=0のときV
IN/(5+N
DELTA)とD=1のときV
IN/(4+N
DELTA)の間の値に設定し得る。
【0127】
図11に記載されるように、ステップダウンレギュレータの変換率及びフライングスイッチドインダクタレギュレータのデューティサイクルを変更することによって、このレギュレータはV
OUTを広範囲な電圧に設定し得る。しかしながら、フライングスイッチドインダクタレギュレータのデューティサイクルは非常に高くまたは非常に低くなり得ないため、より現実的な範囲は、0〜1ではなく、
図12に記載されるように0.05〜0.95に近いものであり得る。フライングスイッチドインダクタレギュレータのデューティサイクルが0〜0.05及び0.95〜1の不感帯を有するため、V
OUTが設定され得ない値が存在する。
【0128】
この問題を克服するため、フライングスイッチドインダクタレギュレータ312を不感帯で動作することが望ましいとき、ステップダウンレギュレータ314はN
DELTAを調節することによって調整を実施し得る。例えば、2段目が4:1のSCレギュレータであるとき、レギュレータはV
OUTをV
IN/4.95(D=0.05)とV
IN/4.05(D=0.95)の間に値を設定し得る。V
OUTをV
IN/5〜V
IN/4.95の値に設定するには、N
DELTA0〜0.05の間のどこかであり得る。V
OUTをV
IN/4.05〜V
IN/4の値に設定するために、SCレギュレータは、3:1の変換率に変更し、かつN
DELTAを0.05〜0.1の間のどこかに設定すべきである。
【0129】
いくつかの実施形態において、ステップダウンレギュレータ314は、出力電圧V
OUT304の電圧降下の量を制御することによって、N
DELTAを修正し得る。ステップダウンレギュレータ314は、プログラム可能な電気部品を用いて出力電圧V
OUT304の電圧降下の量を制御し得る。いくつかの実施形態において、プログラム可能な電気部品は、プログラム可能な抵抗器バンクを含み得る。ステップダウンレギュレータ314は、ステップダウンレギュレータの出力ノードでプログラム可能な抵抗器バンクを提供し、プログラム可能な抵抗器バンクの抵抗を制御してN
DELTAを制御し得る。抵抗器バンク内の1つ以上の抵抗器は、金属、ポリシリコン、またはシリコン層でできている物理抵抗器を用いて実装され得る。シリコン層は、N型拡散層またはP型拡散層を含み得る。抵抗器バンク内の1つ以上の抵抗器は、トランジスタを用いて実装され得るが、これはトランジスタがソース端子とドレイン端子との間に制御可能な抵抗を有するためである。
【0130】
他の実施形態において、出力電圧V
OUT304の電圧降下の量を制御するためのプログラム可能な電気部品は、電流源及びトランジスタを含み得る。電流源は、所定の電圧降下がトランジスタにわたり誘発され得るように、所定の量の電流をトランジスタに提供するように構成され得る。
【0131】
いくつかの実施形態において、プログラム可能な電気部品内の電流源はプログラム可能であり得る。いくつかの場合において、プログラム可能な電流源は、複数の電流源ユニットを用いて実装され得る。プログラム可能な電流源は、所望の数の電流源をオンにし、一方で残りの電流源をオフにしたままにすることによって、所定の量の電流を提供するようにプログラムされ得る。いくつかの場合において、電流源は、トランジスタを用いて実装され得る。例えば、トランジスタのゲート電圧は、ソース端子とドレイン端子を流れる電圧の量を調節するように制御され得る。いくつかの実施形態において、プログラム可能な電流源は、デジタルアナログコンバータ(DAC)を用いて実装され得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、プログラム可能な電気部品内のトランジスタもまたプログラム可能であり得る。具体的には、トランジスタは、所望の幅及び/または長さを提供するようにプログラムされ得る。かかるトランジスタは、プログラム可能なトランジスタと称され得る。プログラム可能なトランジスタは、所定の幅及び/または長さを有する複数のトランジスタユニットを用いて実装され得る。例えば、プログラム可能なトランジスタは、並列の様式で配列された複数のトランジスタユニットを含み得る。プログラム可能なトランジスタの幅及び/または長さは、所望の数のトランジスタユニットをオンにし、一方で残りの電流源をオフにしたままにすることによって制御され得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータは、ステップダウン構成で動作し得る。例えば、
図3に図示されるように、ハイブリッドコンバータの出力電圧はハイブリッドコンバータの入力電圧よりも低い場合があり得る。他の実施形態において、ハイブリッドコンバータはステップアップ構成で動作し得る。ハイブリッドコンバータのステップアップ構成は、ハイブリッドコンバータの出力端子及び入力端子を単にスワップまたはフリップすることによって実現され得る。
【0134】
図13は、いくつかの実施形態に従う、ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータを図示する。ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータ1300は、V
IN308及びV
OUT304の位置がスワップされ、V
IN1302がV
OUT1310より低いことを除き、
図3のステップダウン構成内のハイブリッドコンバータ300の動作と同様である。
【0135】
例えば、ハイブリッドコンバータ1300は、ステップダウンレギュレータ312の出力ノードで入力電圧V
IN1302を受信するように構成される。この構成ではステップダウンレギュレータ312の入力ノード及び出力ノードがフリップされているため、ステップダウンレギュレータ312は実質上ステップアップレギュレータとして動作する。したがって、ステップダウンレギュレータ312は、昇圧された電圧信号V
TMP1304及び電流I
L1304を提供するように構成される。フライングスイッチドインダクタレギュレータ314は、昇圧された電圧信号V
TMP1304及び電流I
L1306をその出力で受容し、ボトム電圧V
BOTTOM1308の分数として昇圧された出力電圧V
OUT1310及び出力電流I
LOAD1312を提供し得る。
【0136】
図14A〜
図14Bは、いくつかの実施形態に従う、ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータの動作を図示する。
図14Aは、ハイブリッドレギュレータ1400内のフライングスイッチドインダクタレギュレータ314がフライングバックレギュレータである状況を図示する。この場合、中間電圧V
X1402は、スイッチ114、116のうちのどちらがオンであるかに応じて出力電圧V
OUT1310とボトム電圧V
BOTTOM1308との間で交互になる。いくつかの実施形態において、
図14Aの構成要素を制御するための制御信号は、
図4の構成要素を制御するための制御信号と実質的に同様であり得る。
図14Bのタイミング
図1404に図示されるように、ハイブリッドコンバータがステップアップ構成であるため、出力電圧V
OUT1310は入力電圧V
IN1302よりも高い。
【0137】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータ1300、1400は、
図5A〜
図5Cに図示されるように、ハイブリッドコンバータ300、400がレベルシフトレギュレータ520とあわせてどのように用いられ得るかと実質的に同様の様式でレベルシフトレギュレータとあわせて用いられ得る。いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータ1300、1400は、
図9〜
図10に図示されるように、ハイブリッドコンバータ300、400が1つ以上のフィードバック制御ループ928、930、1028、1030とあわせてどのように用いられ得るかと実質的に同様の様式で1つ以上のフィードバック制御ループとあわせて用いられ得る。いくつかの場合において、
図11〜
図12とあわせて図示されるように、1つ以上のフィードバック制御ループはまた、不感帯認識制御機構を実装し得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、フライングスイッチドインダクタレギュレータを含むハイブリッドコンバータは、ステップアップ構成にも構成され得る。
図15A〜15Bは、いくつかの実施形態に従う、ステップアップ構成内にフライングスイッチドインダクタレギュレータを含むハイブリッドコンバータを図示する。ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータ1500の動作は、V
IN1502とV
OUT1516の位置がスワップされ、V
IN1502がV
OUT1516より低いことを除き、
図5のステップダウン構成内のハイブリッドコンバータ500の動作と同様である。
【0139】
例えば、ハイブリッドコンバータ1500は、ステップダウンレギュレータ312の出力ノードで入力電圧V
IN1502を受信するように構成される。この構成ではステップダウンレギュレータ312の入力ノード及び出力ノードがフリップされているため、ステップダウンレギュレータ312は実質上ステップアップレギュレータとして動作する。ステップダウンレギュレータ312が複数の入力電圧端子を有するとき、それぞれの端子が異なる比率で降圧される電圧信号を受信するように構成され、ステップダウンレギュレータ312は、2つ以上の昇圧された電圧信号V
N:M_TOP1508及びV
N:M_BOTTOM1510を提供するように構成される。
【0140】
2つ以上の昇圧された電圧信号1508、1510は、2つ以上のスイッチ615、618が2つ以上の昇圧された電圧信号1508、1510のうちの1つを時間多重様式でインダクタ608に提供し得るように、フライングスイッチドインダクタレギュレータ614内の2つ以上のスイッチ615、618に提供され得る。これは、インダクタ608の第1のノードに中間電圧V
X1512及び負荷電流I
L1514を生成する。インダクタは、中間電圧V
X1512を平坦化して出力電圧V
OUT1516及び出力電流I
OUT1518を提供し得る。
図15Bは、2つ以上の昇圧された電圧信号1508、1510、中間電圧V
X1512、及び出力電圧V
OUT1516のタイミング図を示す。
【0141】
図16A、16Bは、いくつかの実施形態に従う、フライングスイッチドインダクタレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。
図16Aは、ハイブリッドレギュレータ1500がインダクタ608を有するフライングスイッチドインダクタレギュレータ714を含む状況を図示する。この場合、
図16Aの構成要素を制御するための制御信号は、
図7の構成要素を制御するための制御信号と実質的に同様であり得る。
図16Bのタイミング
図1602に図示されるように、ハイブリッドコンバータ1500がステップアップ構成内にあるため、出力電圧V
OUT1516は入力電圧V
IN1502よりも高い。
【0142】
いくつかの実施形態において、ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータ1300、1400、1500、1600は、種々の用途において用いられ得る。可動性携帯用デバイスにおいて、入力電圧1302、1502は、2.8〜4.3Vの電圧範囲の電圧信号を提供するリチウムイオン(Li−Ion)バッテリであり得、負荷I
LOAD706は、照明バックライト、カメラフラッシュのうちの1つ以上、及び有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのうちの1つ以上を駆動するために用いられ得る。これらの負荷のうちのいくつかは、リチウムイオンバッテリ電圧よりも大きい電圧を用い得る。したがって、ステップアップ構成内のハイブリッドコンバータ1300、1400、1500、1600は、これらの負荷のうちのいくつかのための電圧及び電流信号を提供する際に有用であり得る。
【0143】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータは、入力電圧端子及び出力電圧端子をフリップする必要なくステップダウンまたはステップアップ構成内に構成され得る。
図17は、いくつかの実施形態に従う、ステップダウン及びステップアップ電圧調整の両方を提供し得るハイブリッドコンバータを示す。ハイブリッドコンバータ1700は、ハイブリッドコンバータ600と同様である。ハイブリッドコンバータ1700とハイブリッドコンバータ600との違いは、ハイブリッドコンバータ1700が電圧信号のステップアップ及びステップダウン調整の両方を提供する能力があるステップダウン/ステップアップコンバータ1702を含むことである。ステップダウン/ステップアップコンバータ1702は、それぞれがV
IN308よりも低いまたは高い出力電圧信号を提供し得る複数の出力端子を含み得る。ステップダウン/ステップアップコンバータ1702に連結されるスイッチマトリクス1704は、複数の出力端子のうちの1つがハイブリッドコンバータ1700の負荷に連結されることを選択し、これにより最終出力電圧V
OUT304を提供するように構成されたマルチプレクサとして動作し得る。したがって、最終出力電圧V
OUT304は、スイッチ1704の構成に応じて、入力電圧V
IN308より低く(降圧)または高く(昇圧)なり得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、ステップダウン/ステップアップコンバータ1702は、明白な電圧設定を提供するように構成された1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータを含み得る。1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータは、1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータによって受信される電圧信号内の電圧の所定の増加(利得)または所定の減少(または低下)を提供するように構成され得る。したがって、ステップダウン/ステップアップコンバータ1702は、1つ以上の明白な電圧利得設定に適合するように構成され得る。
【0145】
いくつかの実施形態において、ステップダウン/ステップアップコンバータ1702内の1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータの入力端子は、専用の一連のスイッチを用いてインダクタ608に連結され得る。例えば、ステップダウン/ステップアップコンバータ1702内の1つ以上のスイッチドキャパシタレギュレータの入力端子は、
図7Aに図示されるように、複数のスイッチ716、718を用いてインダクタ608に連結され得る。
【0146】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータ1700は、
図5A〜
図5Cに図示されるように、ハイブリッドコンバータ300、400がレベルシフトレギュレータ520とあわせてどのように用いられ得るかと実質的に同様の様式でレベルシフトレギュレータとあわせて用いられ得る。いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータ1700は、
図9〜
図10に図示されるように、ハイブリッドコンバータ300、400が1つ以上のフィードバック制御ループ928、930、1028、1030とあわせてどのように用いられ得るかと実質的に同様の様式で1つ以上のフィードバック制御ループとあわせて用いられ得る。いくつかの場合において、
図11〜
図12とあわせて図示されるように、1つ以上のフィードバック制御ループはまた、不感帯認識制御機構を実装し得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドコンバータ1700は、逆構成(例えば、ハイブリッドコンバータ1700の入力端子と出力端子がスイッチされる)で動作され得る。ハイブリッドコンバータ1700の動作方向は、ハイブリッドコンバータ1700の入力端子及び出力端子に連結される種々の種類の入力電圧源及び出力負荷に適合するように、柔軟に修正され得る。
【0148】
開示されるハイブリッドコンバータの種々の実施形態が、バッテリで動作するデバイス内のバッテリ充電器として用いられ得る。例えば、ハイブリッドコンバータの出力ノードは、バッテリを充電するためにハイブリッドコンバータ出力電圧及び出力電流が用いられるように、バッテリに連結され得る。ハイブリッドコンバータは、携帯用デバイス内のバッテリを充電する際にとりわけ有用であり得る。スマートフォンなどの携帯用デバイスは、バッテリが充電されているかに応じて(例えば、完全に充電されているときは4.3V、完全に放電されているときは2.8V)約2.8〜4.3Vの範囲内の電圧出力を提供するように構成されたリチウムイオン(Li−Ion)バッテリを用い得る。携帯用デバイス内のリチウムイオンバッテリは、ユニバーサルシリアルバス(USB)を用いて充電され得る。現行のUSB電力線は5Vを用い(将来のUSBはより高い電圧を用い得る)、これはリチウムイオンバッテリの電圧出力より高い。したがって、USB電力線からの電圧は、リチウムイオンバッテリを充電するために用いられる前に降圧されるべきである。このため、ハイブリッドコンバータは、リチウムイオンバッテリがUSBからの電圧及び電流に基づいて充電されるように、USBから電力線電圧及び電流を受信し、かつステップダウン版の電力電圧及び電流をリチウムイオンバッテリ提供するように構成される。
【0149】
いくつかの実施形態において、バッテリがUSB電力線を用いて充電される上述の構成は、USB On−The−Go(OTG)として逆に用いられ得、第1のデバイスが第2のデバイスを充電するために、USBによって電力を第2のデバイスに送達し得る。この状況において、第1のデバイス内のバッテリは、USBを通じて電流を第2のデバイス内のバッテリに送達するように構成される。第1のデバイス内のバッテリ内のバッテリの出力電圧は、USB電力線電圧よりも低い場合があり得、バッテリの出力電圧をUSB電力線の出力電圧に昇圧するため、ハイブリッドコンバータはステップアップ構成内で動作し得る。こうすると、第1のデバイス内のバッテリは、USB電力線を通じて第2のデバイス内のバッテリを充電し得る。
【0150】
いくつかの場合において、ハイブリッドレギュレータは、適切な製作プロセス及び統合方法を用いることにより、例えば、電力変換効率、電力密度、及び制御ループ帯域幅において高い性能に到達し得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、適切な製作技術は、ハイブリッドレギュレータ内の受動部品の品質を向上し得る。具体的には、適切な製作技術は、キャパシタの容量密度を増大し得、またハイブリッドレギュレータ内のキャパシタの寄生容量を低減し得る。また、適切な製作技術は、非常に低い寄生抵抗を有する厚い金属を用いたインダクタの製造を可能にし得る。高容量密度キャパシタ及び低抵抗インダクタの両方が、電力密度(例えば、電力転送能力)及びIVRの電力転送効率を増大し得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、1つ以上のハイブリッドレギュレータのブロックは、DRAMセルにおいてしばしば用いられる高密度キャパシタの製造を可能にするDRAMプロセス内に実装され得る。ハイブリッドレギュレータはまた、高品質、オンチップスパイラルインダクタの実装に低いシート抵抗を有する3〜10μmの範囲の厚さを有する極厚金属も利用し得る。
【0153】
いくつかの場合において、ハイブリッドレギュレータの性能は、他のチップまたはシステムとどのように統合されるかに依存し得る。例えば、インダクタ及びキャパシタを含む受動部品及び配電網(例えば、送電網)の実装は、受動部品の品質(例えば、キャパシタの容量密度及びインダクタの寄生抵抗)と、IVRチップのサイズ、IVRチップを具現化する回路基板、及び/またはIVRチップを具現化する電子システムとの間のトレードオフに供する。例えば、受動部品の完全な統合は、IVRシステムが小さい形状因子(例えば、小さいサイズ)を有することを可能にし得るが、オンパッケージIVRシステム内の受動部品またはオフチップ構成要素として具現化される受動部品と比べてより低い品質の受動部品という代償を払う。
【0154】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータは、すべての構成要素が単一のダイ上に統合された、統合されたレギュレータとして実装され得る。
図18は、いくつかの実施形態に従う、統合されたレギュレータを図示する。ダイ1800は、スイッチ、フィードバック制御回路、及びフロントエンド(FEOL)層及び薄い金属層を含む、ダイ1800の上部金属層内にキャパシタを含み得、一方ダイ1800は、より厚い金属に適合し得る下部金属層内に1つ以上のインダクタを含み得る。FEOL層は、集積チップ(IC)内の底層のうちの1つを含み、個別の能動及び受動デバイス(トランジスタ、キャパシタ、抵抗器等)がパターン化される。
図18は、ダイ1800がフリップチップパッケージ用にフリップされるフリップチップパッケージ実装を図示する。しかしながら、ダイ1800は、アップライトパッケージ内にもパッケージ化され得る。ダイ1800は、はんだ1804を介してプリント基板(PCB)に連結され得る。上層は、ビア及び金属等の1組の相互接続を通じて下層に連結され得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータは、すべての構成要素が単一のダイ上に統合された、統合されたレギュレータとして、しかし
図18と比較して異なる構成で実装され得る。
図19は、いくつかの実施形態に従う、統合されたレギュレータを図示する。ダイ1900は、ライン層及び薄い金属層のフロントエンドを含む、上金属層にスイッチ及びフィードバック制御回路を含み得、一方ダイ1900は、下部金属層内に、より密度の濃いキャパシタ用に必要なより厚い金属及び材料を有するキャパシタ及びインダクタを含み得る。上層は、ビア及び金属等の1組の相互接続を通じて下層に連結され得る。
【0156】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータの一部分が、単一のダイ上に実装され得、いくつかの実施形態に従い、
図20に図示されるように、一方1つ以上のインダクタが、個別の構成要素として実装される。例えば、ダイ2000は、動力スイッチ、フィードバック制御回路、及びキャパシタを上層に含み、一方インダクタ2002は、個別の構成要素として実装される。インダクタは、0201、0402、0308、0805の個別のインダクタを含み得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータの一部分が、単一のダイ上に実装され得、いくつかの実施形態に従い、
図21に図示されるように、一方1つ以上のインダクタが、個別の構成要素として実装される。ダイ2100は、ライン層及び薄い金属層のフロントエンドを含む、上層にスイッチ及びフィードバック制御回路を含み得、一方ダイ2100は、下層により密度の濃いキャパシタ用に必要な材料を有するキャパシタを含む。上層は、ビア及び金属等の1組の相互接続を通じて下層に連結され得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、
図22に図示されるように、動力スイッチ、フィードバック制御回路、キャパシタ、及びインダクタを含む統合電圧レギュレータダイ2200のうちの1つ以上が、SoCパッケージ基板2204上の別のシステムオンチップ(SoC)ダイ2202上に隣り合わせに設置され得る。
【0159】
いくつかの実施形態において、
図23に図示されるように、動力スイッチ、フィードバック制御回路、キャパシタを含む統合電圧レギュレータダイ2200のうちの1つ以上が、個別のインダクタ構成要素2002とともに、SoCパッケージ基板2204上の別のSoCダイ2202上に隣り合わせに設置され得る。インダクタ2002は、0201、0402、0308、0805の個別のインダクタを含み得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、
図24に図示されるように、動力スイッチ、フィードバック制御回路、キャパシタ、及びインダクタを含む統合電圧レギュレータダイまたはパッケージ2400のうちの1つ以上が、PCB1802上の別のSoC2402上に隣り合わせに設置され得る。
【0161】
いくつかの実施形態において、
図25に図示されるように、動力スイッチ、フィードバック制御回路、キャパシタを含む統合電圧レギュレータダイまたはパッケージ2500のうちの1つ以上が、個別のインダクタ構成要素2002とともに、PCB1802上の別のSoC2402上に隣り合わせに設置され得る。インダクタ2002は、0201、0402、0308、0805の個別のインダクタであり得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、
図26に図示されるように、いくつかのIVRダイ2600のみがSoCパッケージ2204内の別のSoCダイ2202と隣り合わせに設置され得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、
図27に図示されるように、多くの「小型の統合電圧レギュレータ」ダイ2700がSoCパッケージ2204内の別のSoCダイ2202を取り囲む。
【0164】
いくつかの実施形態において、
図18〜
図27に図示されるダイは、スルーホールパッケージ内にパッケージ化され得る。スルーホールパッケージは、単一のインラインパッケージ、デュアルインラインパッケージ(DIP)、セラミックDIP、ガラス封着セラミックDIP、クワドループルインラインパッケージ、スキニーDIP、ジグザグインラインパッケージ、成形DIP、またはプラスチックDIPを含み得る。いくつかの実施形態において、ダイは、表面実装としてパッケージ化され得る。表面実装は、セラミックカラムグリッドアレイ(CGA)、カラムグリッドアレイ、セラミックパッケージ、ランドグリッドアレイ(LGA)、及びマルチチップモジュール(MCM)を含み得る。いくつかの実施形態において、ダイは、チップキャリア内にパッケージ化され得る。チップキャリアは、パッケージのすべての四隅に電気接点を有する長方形パッケージを含み得る。チップキャリアは、バンプチップキャリア(BCC)、セラミックリードレスチップキャリア、(CLCC)、デュアルリードレスチップキャリア、(DLCC)、及びプラスチックリード付きチップキャリア(PLCC)を含み得る。いくつかの実施形態において、ダイは、ピングリッドアレイを用いてパッケージ化され得る。ピングリッドアレイは、有機ピングリッドアレイ(OPGA)、フリップチップピングリッドアレイ(FCPGA)、ピンアレイカートリッジ(PAC)、ピングリッドアレイ(PGA)、及びセラミックピングリッドアレイ(CPGA)を含み得る。いくつかの実施形態において、ダイは、ボールグリッドアレイを用いてパッケージ化され得る。ボールグリッドアレイは、ファインピッチグリッドアレイ(FBGA)、セラミックボールグリッドアレイ(CBGA)、プラスチックボールグリッドアレイ(PBGA)、及び薄肉球グリッドアレイ(TBGA)を含み得る。
【0165】
初めにハイブリッドレギュレータの電源が入っているとき、ハイブリッドレギュレータ内の信号が安定状態に上昇される。すべての入力及び出力が設置しているときのオフ状態と、入力電圧と出力電圧がすべて各々の安定状態に到達しているときのオン状態との間の過度状態は、スタートアップと称される。いくつかの実施形態において、バッテリ等の動力源からの入力電圧、及び調整されたハイブリッドレギュレータの出力電圧は、一緒にスタートアップ(または一緒に上昇)し得る。言い換えると、これらの実施形態において、動力源からの入力電圧は、調整された出力電圧とともに上昇するように制御され得る。このため、ハイブリッドレギュレータは、円滑なスタートアップを可能にするため単純なスタートアップ回路を用い得る。具体的には、スタートアップ回路は、いかなる急激な電圧不安定性も引き起こすことなく入力電源が円滑に出力電圧を充電し得るように、入力電圧と出力電圧の定率を維持し得る。
【0166】
他の実施形態において、入力電源は制御されない場合がある。そうでなく、入力電源は、ハイブリッドレギュレータがオフのときでも、一定の、所定の電圧を絶えず提供し得る。例えば、
図6のハイブリッドレギュレータの特定の実装例において、出力V
OUT304は、0Vから安定出力電圧に上昇し得、一方入力V
IN308は所定の入力電圧に固定される。この場合、出力V
OUT304は0Vから上昇し、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622での電圧も上昇する。これは、インダクタ608にわたり大きな電圧差を引き起こし、これは大きな電流I
L312が、V
N:M_TOP620がV
IN308以上に上がるまでインダクタを流れることを引き起こし得る。この大きな電流I
L312はしばしば突入電流と称される。この大きな突然の電流引き込みは、インダクタ608及び/またはハイブリッドレギュレータ内の他の構成要素を損傷し得る。
【0167】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータ内のフライングスイッチドインダクタレギュレータは、シャントスイッチを含み得る。
図28は、いくつかの実施形態に従う、シャントスイッチを有するフライングスイッチドインダクタレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。
図28は、
図6のハイブリッドレギュレータ、及びシャントスイッチ2802を含む。シャントトランジスタ2802は、インダクタ608のためのソフトスタートアップ機構を提供し、かつスタートアップ中のインダクタ608内の突入電流を抑制し得る。シャントスイッチ2802のそれぞれのノードが、インダクタ608の異なるノードに結合され得、それにより入力電圧V
IN308と中間ノードV
X602とを結合する。スタートアップ中、シャントスイッチ630はオンにされ、それによりインダクタ608の2つの端子をショート(短絡)する。これは、スタートアップ中にインダクタ608内に生じる電流がないことと、中間ノードV
X602が入力電圧V
IN308と同一の電位であることを確実にし得る。スタートアッププロセス中、シャントスイッチ630がオンになっている間、入力電圧V
IN308がスイッチ616、618を介してV
N:M_TOP620及び/またはV
N:M_BOTTOM622に充電するように、スイッチ616、618のうちの1つ以上がオン及びオフにされ得る。いくつかの実施形態において、V
N:M_TOP620及び/またはV
N:M_BOTTOM622が緩徐に上昇し得るように、スイッチ616、618のうちの1つ以上が所定のプログラム可能なデューティサイクルに従ってオン及びオフにされ得る。いくつかの実施形態において、スイッチ616、618の所定のデューティサイクルは、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を、よってV
OUT304を緩徐に上げるように、時間とともにゼロから特定の値に増加し得る。これらの特徴は、ハイブリッドレギュレータの円滑なスタートアップを可能にし得る。
【0168】
いくつかの実施形態において、インダクタスイッチドレギュレータは、直列スイッチ及びシャントスイッチを含み得る。
図29は、いくつかの実施形態に従う、直列スイッチ及びシャントスイッチを有するフライングスイッチドインダクタレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。
図29は、
図6のハイブリッドレギュレータ、ならびに直列スイッチ2902及びシャントスイッチ2802も含む。スタートアップ中、インダクタ608をスタートアップ動作から隔離するため、直列スイッチ2902はオフにされる。これは、スタートアッププロセスが完了するまでインダクタを流れる電流I
L612がゼロに留まることを確実にし得る。
【0169】
スタートアッププロセス中は電流I
L612がゼロであるため、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622は少なくとも2つの方法によって緩徐に充電され得る。第1の方法において、シャントスイッチ2802は、スタートアッププロセスの全体の期間においてオンにされ得、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622を
図28に関連して図示されるように充電する。第2の方法において、シャントスイッチ2802がプログラム可能なデューティサイクルとともにオン及びオフにされ得る一方で、電源スイッチ616、618のうちの1つ以上が常にオンにされて、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622、よってV
OUT304を緩徐に持ち上げ得る。
【0170】
いくつかの実施形態において、ハイブリッドレギュレータは、ソフトスタートアップ回路を含み得、これが次にシャントレギュレータを用いることを含む。
図30は、いくつかの実施形態に従う、スタートアップ回路としてシャントレギュレータを有するハイブリッドレギュレータを図示する。ソフトスタートアップは、V
IN308をV
OUT304と結合するスイッチ2902及びシャントレギュレータ3002を用いて実装され得る。スタートアップ中、インダクタ608をスタートアップ動作から隔離するため、スイッチ2902はオフにされ得る。ゆえに、スイッチ2902は、スタートアッププロセスが完了するまでインダクタ608を流れる電流I
L612が0に留まることを確実にし得る。スタートアッププロセス中、シャントレギュレータ634は、V
OUT304を上昇させ得る。ステップダウンレギュレータ312は、シャントレギュレータ3002によって供給されるV
OUT304からの逆電力転送において動作し得、V
N:M_TOP620及びV
N:M_BOTTOM622をV
IN308の近くに増大する。スタートアッププロセスの最後に、
図6に関連して説明されたフライングスイッチドインダクタコンバータとして動作するために電源スイッチ616及び618がデューティサイクルされる一方で、直列スイッチ2902がオンにされる。いくつかの実施形態において、シャントレギュレータは、ステップダウンレギュレータの任意の内部ノードに連結され得る。シャントレギュレータは、ハイブリッドレギュレータの通常の動作中にオフにされ得る。シャントレギュレータは、線形レギュレータ、スイッチドキャパシタレギュレータ、バックレギュレータ、または別のハイブリッドレギュレータを含み得る。
【0171】
本出願の全体で用いられる「a」または「an」は、1または2以上と定義され得る。また、「少なくとも1つの」または「2つ以上の」等の導入語句は、不定冠詞「a」または「an」による別の要素の導入が、対応する要素を唯一のかかる要素に制限するように暗示すると解釈されるべきでない。定冠詞の使用についても同様である。
【0172】
開示される主題が、その用途において、以下の説明に記載または図面に図示される構築物の詳細及び構成要素の配置に制限されないということが理解されるものとする。開示される主題は、他の実施形態が可能であり、かつ種々の方途で実践及び実行されることが可能である。また、本明細書において採用された表現及び用語が説明を目的としており、制限するように見なされるべきでないことが理解されるものとする。
【0173】
そのため、当業者は、本開示が基づく概念が、開示される主題の数々の目的を実行するために、他の構成、システム、方法、及び媒体の設計のための基盤として容易に利用され得るということを理解するであろう。したがって、請求項が、開示される主題の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、かかる同等の構築物を含むと見なされることは重要である。
【0174】
開示される主題は上述の例示的な実施形態において説明及び図示されたが、本開示はただの例としてなされ、かつ開示される主題の実装例の詳細におけるいくつかの変更が、以下の請求項によってのみ制限される開示される主題の趣旨及び範囲を逸脱することなくなされ得るということが理解される。