【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遊離塩基としての式(I)
【化1】
[式中、
Aは、少なくとも1つの窒素原子を含む5員または6員ヘテロアリール環であり、ここで、5員または6員ヘテロアリール環は、C
1-3−アルキル、C
1-3−アルコキシおよびハロからなる群から選択される1つの置換基で場合により置換され;
R
1は、水素、C
1-3−アルコキシ、C
1-3−アルキル、シアノまたはハロであり;
R
2は、C
1-6−アルキル(ヒドロキシ、ハロおよびシアノからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される)、C
3-7−シクロアルキル−C
1-3−アルキル、ヘテロシクリル−C
1-3−アルキルまたはフェニル−C
1-3−アルキル(ここで、任意のC
3-7−シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびフェニル環は、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される)であり;
R
3、R
5およびR
7は、水素、C
1-3−アルキル、C
3-7−シクロアルキルおよびフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択され、ここで、C
1-3−アルキル、C
3-7−シクロアルキルおよびフェニルは、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換され;
R
4、R
6およびR
8は、水素、フルオロ、C
1-3−アルキルおよびフルオロ−C
1-3−アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか;
またはR
3およびR
4、もしくはR
5およびR
6、もしくはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に、場合により酸素または窒素原子を含有し、かつフルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される3〜7員飽和環を形成する]の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0010】
驚くべきことに、これらのアゼチジニル−置換基、特にそれに結合された飽和シクロアルキル環または芳香環を有するアゼチジニル−置換基が、優れたpIC50値を示すことが見いだされている。アゼチジニル基は、Aβ42に対する選択性を改善し、そしてAβ42/40ペプチドの比率を低減するために用いることができると考えられる。これらの化合物は、血液−脳通過の改善、したがって薬物動態および動的プロファイルの改善、例えばより速い作用開始および低減された副作用を有することが期待される。これは、R
2がより親水性のアルコール−置換基である化合物について特にあてはまる。
【0011】
本発明の一実施態様において、Aは、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される5員または6員ヘテロアリール環であり、ここで、環は1つのC
1-3−アルキル置換基で場合により置換される。
【0012】
別の実施態様において、Aは、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリルおよびトリアゾリルからなる群から選択され、そして1つのメチル置換基で置換される。
【0013】
さらに別の実施態様において、Aは、メチルで置換されたイミダゾリルである。さらに別の実施態様において、Aは、4−メチル−1H−イミダゾール−1−イルである。
【0014】
一実施態様において、R
1は、水素、メトキシまたはシアノである。別の実施態様において、R
1は、メトキシである。
【0015】
一実施態様において、R
2は、C
1-6−アルキルであり、それは、ヒドロキシ、ハロおよびシアノからなる群から独立して選択される1つもしくはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0016】
別の実施態様において、R
2は、C
1-4−アルキルであり、それは、ヒドロキシ、ハロおよびシアノからなる群から独立して選択される1つの置換基で場合により置換される。
【0017】
別の実施態様において、R
2は、C
1-4−アルキルであり、それは1つのヒドロキシ置換基で場合により置換される。さらに別の実施態様において、R
2は、メチルまたはヒドロキシブチルである。
【0018】
一実施態様において、R
3、R
5およびR
7は、水素、C
1-3−アルキルおよびフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択され、ここで、C
1-3−アルキルおよびフェニルは、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0019】
別の実施態様において、R
3、R
5およびR
7は、それぞれ独立して水素、C
1-3−アルキルまたはフェニルであり、ここで、フェニルは、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0020】
別の実施態様において、R
3、R
5およびR
7は、それぞれ独立して水素、C
1-3−アルキルまたはフェニルである。
【0021】
一実施態様において、R
4、R
6およびR
8は、それぞれ独立して水素、フルオロまたはC
1-3−アルキルである。
【0022】
一実施態様において、R
3およびR
4、またはR
5およびR
6、またはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に3〜7員飽和環を形成し、それは、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0023】
別の実施態様において、R
3およびR
4、またはR
5およびR
6、またはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に4〜6員飽和環を形成し、それはC
1-3−アルキルおよびフルオロからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0024】
さらに別の実施態様において、R
3およびR
4、またはR
5およびR
6、またはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共にシクロブチルまたはシクロペンチル環を形
成する。
【0025】
本発明の一実施態様において、Aは、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリルおよびトリアゾリルからなる群から選択され、そして1つのメチル置換基で置換され;
R
1は、水素、メトキシまたはシアノであり;
R
2は、C
1-4−アルキルであり、それは、ヒドロキシ、ハロおよびシアノからなる群から独立して選択される1つの置換基で場合により置換され;
R
3、R
5およびR
7は、それぞれ独立して水素、C
1-3−アルキルまたはフェニルであり、ここで、フェニルは、フルオロおよびC
1-3−アルキルからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換され;
R
4、R
6およびR
8は、それぞれ独立して水素、フルオロまたはC
1-3−アルキルであるか;
またはR
3およびR
4、もしくはR
5およびR
6、もしくはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に4〜6員飽和環を形成し、それはC
1-3−アルキルおよびフルオロからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される。
【0026】
本発明の別の実施態様において、Aは、1つのメチル置換基で置換された、イミダゾリル、チアゾリルからなる群から選択され;
R
1は、水素またはメトキシであり;
R
2は、C
1-4−アルキルであり、それは、ヒドロキシルおよびハロからなる群から独立して選択される1つの置換基で場合により置換され;
R
3、R
5およびR
7は、それぞれ独立して水素、C
1-3−アルキルまたはフェニルであり;
R
4、R
6およびR
8は、それぞれ独立して水素、フルオロまたはC
1-3−アルキルであるか;
またはR
3およびR
4、もしくはR
5およびR
6、もしくはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に4〜6員飽和環を形成する。
【0027】
別の本発明の好ましい実施態様において、Aは4−メチル−1H−イミダゾール−1−イルであり、そしてR
1はメトキシである。
【0028】
さらなる実施態様において、本発明は、式(Ia)
【化2】
(式中、
R
2は、C
1-4−アルキルであり、それは1つのヒドロキシ置換基で置換され;
R
3およびR
5は、それぞれ独立して水素、C
1-3−アルキルまたはフェニルであり;
R
4およびR
6は、それぞれ独立して水素、フルオロまたはC
1-3−アルキルであるか;
またはR
3およびR
4、もしくはR
5およびR
6は、それらが結合している炭素原子と共にシクロブチルまたはシクロペンチル環を形成し、それらの環は、C
1-3−アルキルおよびフルオロからなる群から独立して選択される1つまたはそれ以上の置換基で場合により置換される)の化合物に関する。
【0029】
別の実施態様において、本発明は、
R
2がC
1-4−アルキルであり、それは1つのヒドロキシ置換基で置換され;
R
3およびR
4、またはR
5およびR
6は、それらが結合している炭素原子と共にシクロブチルまたはシクロペンチル環を形成し、そしてR
3、R
4、R
5およびR
6の他方は水素である、式(Ia)の化合物に関する。
【0030】
アルコール基のような、より親水性の基を付加することによって消化管での取込みを改善することができる。
【0031】
さらに別の実施態様において、本発明は、
R
2がC
1-4−アルキルであり、それは1つのヒドロキシ置換基で場合により置換され;
R
3が水素であり、かつR
5がフェニルであるか、またはR
3がフェニルであり、かつR
5は水素であり;そして
R
4およびR
6が、それぞれ独立して水素またはフルオロである、式(Ia)の化合物に関する。
【0032】
さらなる実施態様において、本発明は、
R
2がC
1-4−アルキルであり、それは1つのヒドロキシ置換基で置換され;
R
3が水素であり、かつR
5がフェニルであるか、またはR
3がフェニルであり、かつR
5が水素であり;そして
R
4およびR
6が、それぞれ独立して水素またはフルオロである、式(Ia)の化合物に関する。
【0033】
別の実施態様では、本発明は、
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール;
・1−(5−(3−フルオロ−3−フェニルアゼチジン−1−イル)−3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール;
・N−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−メチル−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン;
・N−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−メチル−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン;
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール;
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、異性体1;
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、異性体2;
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール;および
・1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(1−アザスピロ[3.4]オクタン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
からなる群から選択される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0034】
別の実施態様において、本発明は、治療に使用するための式(I)の化合物(式(Ia)の化合物を含む)、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0035】
別の実施態様において、本発明は、Aβ関連の病理の処置および/または予防に使用するための式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0036】
一実施態様において、本発明は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、記憶喪失、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合型血管起始の認知症、変性起始の認知症、初老期認知症、老年認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺および皮質基底核変性症からなる群から選択されるAβ関連の病理の処置および/または予防に使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0037】
別の実施態様において、本発明は、アルツハイマー病の処置および/または予防に使用するための式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0038】
別の実施態様において、本発明は、Aβ関連の病理の処置および/または予防のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0039】
別の実施態様において、本発明は、哺乳動物におけるAβ関連の病理を処置および/または予防する方法であって、上記哺乳動物に式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0040】
別の実施態様において、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を、薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。一実施態様において、本発明は、治療に使用するための医薬組成物に関する。
【0041】
本明細書に定義されたAβ関連の病理の処置は、単独の治療として適用してもよいし、または、本発明の化合物に加えて、本明細書に参照された1つもしくはそれ以上の疾患状態を処置する際に重要な従来の治療との併用処置を含んでもよい。このような従来の治療には、以下の薬のカテゴリー:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗炎症薬、認知および/または記憶増強薬、または非定型抗精神病薬の1つまたはそれ以上を含んでもよい。認知増強薬、記憶増強薬およびアセチルコリンエステラーゼ阻害薬には、オネペジル(onepezil)(アリセプト(ARICEPT))、ガランタミン(レミニール(REMINYL)またはラザダイン(RAZADYNE))、リバスチグミン(エクセロン(EXELON))、タクリン(コグネックス(COGNEX))およびメマンチン(ナメンダ(NAMENDA)、アクスラ(AXURA)またはエビクサ(EBIXA))が含まれる。非定型抗精神病薬には、オランザピン(Olanzapine)(ジプレキサ(ZYPREXA)として市販されている)、アリピプラゾール(Aripiprazole)(アビリファイ(ABILIFY)として市販されている)、リスペリドン(Risperidone)(リスパダール(RISPERDAL)として市販されている)、クエチアピン(Quetiapine)(セロクエル(SEROQUEL)として市販されている)、クロザピン(Clozapine)(クロザリル(CLOZARIL)として市販されている)、ジプラシドン(Ziprasidone)(ジオドン(GEODON)として市販されている)およびオランザピン(Olanzapine)/フルオキセチン(Fluoxetine)(シンビアックス(SYMBYAX)として市販されている)が含まれる。
【0042】
このような併用処置は、処置の個々の成分を同時に、逐次的にまたは別々に投与することによって達成してもよい。このようなコンビネーションプロダクト(combination products)には、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を用いる。
【0043】
一実施態様において、本発明は、(i)式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、(ii)さらなる治療薬またはその薬学的に許容される塩、および(iii)薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0044】
別の実施態様において、本発明は、(i)式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、(ii)アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗炎症薬、認知増強薬、記憶増強薬、および非定型抗精神病薬からなる群から選択される少なくとも1つの薬ならびに(iii)薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0045】
別の実施態様において、本発明は、(i)式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、(ii)オネペジル(onepezil)(アリセプト(ARICEPT))、ガランタミン(レミニール(REMINYL)またはラザダイン(RAZADYNE))、リバスチグミン(エクセロン(EXELON))、タクリン(コグネックス(COGNEX))およびメマンチン(ナメンダ(NAMENDA)、アクスラ(AXURA)またはエビクサ(EBIXA))からなる群から選択される少なくとも1つの薬、またはオランザピン(Olanzapine)(ジプレキサ(ZYPREXA)として市販されている)、アリピプラゾール(Aripiprazole)(アビリファイ(ABILIFY)として市販されている)、リスペリドン(Risperidone)(リスパダール(RISPERDAL)として市販されている)、クエチアピン(Quetiapine)(セロクエル(SEROQUEL)として市販されている)、クロザピン(Clozapine)(クロザリル(CLOZARIL)として市販されている)、ジプラシドン(Ziprasidone)(ジオドン(GEODON)として市販されている)およびオランザピン(Olanzapine)/フルオキセチン(Fluoxetine)(シンビアックス(SYMBYAX)として市販されている)を含む非定型抗精神病薬、ならびに(iii)薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
【0046】
さらなる従来の化学療法または治療は、以下の薬のカテゴリーの1つまたはそれ以上を含んでもよい:
(i)抗うつ薬、例えばアゴメラチン、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピンドロキセチン、エルザゾナン、エスシタロプラム、フルボキサミン、フルオキセチン、ゲピロン、イミプラミン、イプサピロン、マプロチリン、ノルトリプチリン、ネファゾドン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、ラメルテオン、レボキセチン、ロバルゾタン、サートラリン、シブトラミン、チオニソキセチン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミンおよびベンラファキシン。
(ii)非定型抗精神病薬、例えばクエチアピン。
(iii)抗精神病薬、例えばアミスルプリド、アリピプラゾール、アセナピン、ベンゾイソオシジル(benzisoxidil)、ビフェプルノクス、カルバマゼピン、クロザピン、クロルプロマジン、デベンザピン(debenzapine)、ジバルプロエクス、ドロキセチン、エスゾピクロン、ハロペリドール、イロペリドン、ラモトリジン、ロキサピン、メソリダジン、オランザピン、パリペリドン、ペルラピン、ペルフェナジン、フェノチアジン、フェニルブチルピペリジン、ピモジド、プロクロルペラジン、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、スプロクロン、スリクロン、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリメトジン、バルプロエート、バルプロ酸、ゾピクロン、ゾテピンおよびジプラシドン。
(iv)抗不安薬、例えばアルネスピロン、アザピロン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、例えばアジナゾラム、アルプラゾラム、バレゼパム(balezepam)、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブスピロン、クロナゼパム、クロラゼペート、クロルジアゼポキシド、シプラゼパム、ジアゼパム、ジフェンヒドラミン、エスタゾラム、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ホサゼパム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メプロバメート、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、レクラゼパム、トラカゾレート、トレピパム、テマゼパム、トリアゾラム、ウルダゼパムおよびゾラゼパム。
(v)抗痙攣薬、例えばカルバマゼピン、クロナゼパム、エトサクシミド、フェルバメート、ホスフェニトイン、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトロジン、レベチラセタム、オキスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、ルフィナミド、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリンおよびゾニサミド。
(vi)アルツハイマー病治療薬、例えばドネペジル、メマンチン、リバスチグミン、ガランタミンおよびタクリン。
(vii)パーキンソン病治療薬、例えばデプレニール、L−ドーパ、リキップ(Requip)、ミラペックス(Mirapex)、MAOB阻害薬、例えばセレギン(selegine)およびラサギリン、comP阻害薬、例えばタスマー、A−2阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、NMDAアンタゴニスト、ニコチン作動薬、ドーパミン作動薬およびニューロンの一酸化窒素合成酵素の阻害薬。
(viii)片頭痛治療薬、例えばアルモトリプタン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ブタルビタール、カベルゴリン、ジクロラールフェナゾン、ジヒドロエルゴタミン、エレトリプタン、フロバトリプタン、リスリド、ナラトリプタン、ペルゴリド、ピゾチフェン、プラミペキソール、リザトリプタン、ロピニロール、スマトリプタン、ゾルミトリプタンおよびゾミトリプタン(zomitriptan)。
(ix)脳卒中治療薬、例えばアブシキシマブ、アクチバーゼ、NXY−059、シチコリン、クロベネチン、デスモテプラーゼ、レピノタン、クロピドグレル、エプチフィバチド、ミノサイクリンおよびトラキソプロジル。
(x)尿失禁治療薬、例えばダラフェナシン(darafenacin)、フラボキサート、オキシブチニン、プロピベリン、ロバルゾタン、ソリフェナシンおよびトルテロジン。
(xi)例えばリドカインおよびカプサイシンを含む神経障害性疼痛治療薬、ならびに抗痙攣薬、例えばガバペンチンおよびプレガバリン、ならびに抗うつ薬、例えばドロキセチン、ベンラファキシン、アミトリプチリンおよびクロミプラミン(klomipramine)。
(xii)侵害受容性疼痛治療薬、例えばパラセタモール;NSAID、例えばジクロフェナク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ナブメトン、メロキシカムおよびピロキシカム;コキシブ、例えばセレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、ロフェコキシブ、ヴァルデコキシブおよびパレコキシブ;ならびにオピオイド、例えばモルヒネ、オキシコドン、ブプレノルフィンおよびトラマドール。
(xiii)不眠症治療薬、例えばアゴメラチン、アロバルビタール、アロニミド、アモバルビタール、ベンゾクタミン、ブタバルビタール、カプリド、クロラール、クロペリドン、クロレタート、デキスクラモール、エスクロルビノール、エトミデート、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、メクロカロン、メラトニン、メフォバルビタール、メタカロン、ミダフルル、ニソバマート、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プロポフォール、ラメルテオン、ロレタミド、トリクロホス、セコバルビタール、ザレプロンおよびゾルピデム。
(xiv)気分安定薬、例えばカルバマゼピン、ジバルプロエクス、ガバペンチン、ラモトリジン、リチウム、オランザピン、クエチアピン、バルプロエート、バルプロ酸およびベラパミル。
【0047】
このようなコンビネーションプロダクトは、本明細書に記載された投与量内の本発明の化合物ならびに承認された投与量範囲および/または刊行文献に記載された投与量内の他の薬学的に活性な化合物または化合物を用いる。
【0048】
定義
本明細書に記載された定義は、本明細書を通して用いた用語を明らかにすることを意図される。「本明細書において」という用語は、本明細書全体を意味する。
【0049】
本明細書に用いるとき、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として用いるC
1-6アルキルという用語は、1個から6個までの炭素原子を有する分枝状および直鎖脂肪族飽和炭化水素基の両方を含むものとする。C
1-6−アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。同様に、「C
1-3−アルキル」という用語は、1個、2個または3個の炭素原子を有するアルキルを表す。
【0050】
本明細書に用いるとき、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として用いる「フルオロ−C
1-3−アルキル」という用語は、少なくとも1個のフルオロ置換基を有し、かつ1個から3個までの炭素原子を有する、分枝状および直鎖脂肪族飽和炭化水素基の両方を含むものとする。フルオロ−C
1-3−アルキルの例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチルおよび3−フルオロプロピルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0051】
本明細書に用いるとき、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として用いる「C
1-3−アルコキシ」という用語は、酸素原子を通して分子の残りに結合されたC
1-3−アルキル基のことをいう。C
1-3−アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよびイソプロポキシが含まれる。
【0052】
本明細書に用いるとき、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードのことをいう。
【0053】
本明細書に用いるとき、「ヘテロアリール」という用語は、5個または6個の環員を有する単環式芳香族複素環のことをいい、ここで、少なくとも1個の環員は窒素である。例としては、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。
【0054】
本明細書に用いるとき、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として用いる「C
3-7−シクロアルキル」という用語は、3個から7個までの炭素原子の環サイズを有する環式飽和アルキル基を表し、そしてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。
【0055】
本明細書に用いるとき、「C
3-7−シクロアルキル−C
1-3−アルキル」という用語は、C
1-3−アルキル基を通して結合されたC
3-7−シクロアルキル基のことをいう。C
3-7−シクロアルキル−C
1-3−アルキルの例としては、シクロプロピルメチル、2−シクロプロピルエチルおよび2−シクロヘキシルエチルが含まれる。
【0056】
本明細書に用いるとき、「ヘテロシクリル」という用語は、3〜7個の環原子を含有する飽和単環式環を表し、ここで、1個または2個の環原子は、窒素、硫黄および酸素から独立して選択され、そして残りの環原子は炭素である。硫黄原子は、存在する場合、酸化形態(すなわち、S=OまたはO=S=O)であってもよい。ヘテロシクリルの例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ−チオピラン1−オキシドおよびテトラヒドロ−チオピラン1,1−ジオキシドが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0057】
本明細書に用いるとき、「ヘテロシクリル−C
1-3−アルキル」という用語は、C
1-3−アルキル基を通して結合されたヘテロシクリル基のことをいう。ヘテロシクリル−C
1-3−アルキルの例としては、テトラヒドロピラン−4−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルメチル、オキセタン−3−イルメチル、2−(4−モルホリニル)メチルおよび2−(ピペラジン−1−イル)エチルが含まれる。
【0058】
本明細書に用いるとき、「フェニル−C
1-3−アルキル」という用語は、C
1-3−アルキル基を通して結合されたフェニル基のことをいう。フェニル−C
1-3−アルキルの例としては、フェニルメチル(ベンジル)、1−フェニルエチルおよび2−フェニルエチルが含まれる。
【0059】
R
3およびR
4、またはR
5およびR
6、またはR
7およびR
8は、それらが結合している炭素原子と共に、場合により酸素または窒素原子を含有する3〜7員飽和環を形成するとき、この環は、C3−7−シクロアルキル環であるか、または1つの酸素または窒素原子を含有するヘテロシクリル環である。
【0060】
本明細書に用いるとき、「場合による」または「場合により」という用語は、その後に記載された事象または状況が起こってもよいが、しかし起こる必要はなく、そしてその説明には、その事象または状況が起こる事例と、起こらない事例とが含まれることを意味する。
【0061】
本明細書に用いるとき、「薬学的に許容される」は、本明細書において、安全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に相応する、それらの化合物、物質、組成物および/または剤形のことをいうものとして用いる。
【0062】
本明細書に用いるとき、「保護基」という成句は、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学的変換から保護する一時的な置換基を意味する。このような保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびに、それぞれアルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールが含まれる。保護基化学の分野は、広く精査されている(例えばJarowicki, K.; Kocienski, P. Perkin Trans. 1, 2001, issue 18, p. 2109を参照のこと)。
【0063】
本明細書に用いるとき、「薬学的に許容される塩」は、親化合物が、その酸性または塩基性塩を作ることによって改質された、開示された化合物の形態のことをいう。薬学的に許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩;および同様のものが含まれるが、それらに限定されるわけではない。薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の、慣用の非毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。このような慣用の非毒性塩には、塩酸のような無機酸から誘導されたものが含まれる。
【0064】
本発明の薬学的に許容される塩は、慣用の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中、またはその2つの混合物中で化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることによって調製することができる;一般に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が用いられる。
【0065】
本発明のさまざまな化合物は、特定の幾何学的または立体異性形態で存在してもよい。本発明は、本発明の範囲内に保護されるような、互変異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびその他の混合物を含むすべてのこのような化合物を考慮に入れている。アルキル基のような置換基にはさらなる不斉炭素原子が存在してもよい。すべてのこのような異性体は、それらの混合物と同様に本発明に含まれるものとする。本明細書に記載された化合物は、非対称中心を有してもよい。非対称的に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ形態で単離されてもよい。例えばラセミ形態の分割、光学活性な出発物質からの合成、または光学活性な試薬を用いる合成によって光学活性物質を製造する方法は、当分野においてよく知られている。必要に応じて、ラセミ体物質の分離は、当分野で知られている方法によって達成することができる。特定の立体化学または異性体形態が具体的に示されていなければ、すべてのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ形態が対象となる。
【0066】
本明細書に用いるとき、「互変異性体」は、水素原子の移動から生じる平衡にある他の構造異性体を意味する。例えば、生成した化合物が、ケトンおよび不飽和アルコールの両方の性質を有する場合、ケト−エノール互換異性が起こる。
【0067】
本発明の化合物および薬学的に許容される塩は、さらにそれらの水和物および溶媒和物を含む。
【0068】
本明細書に記載された化合物および塩は、同位体標識化合物(または「放射性標識」)であってもよい。その場合、1つまたはそれ以上の原子が、自然界で典型的に見いだされる(すなわち、天然の)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられる。組み込むことができる適した同位体の例としては、
2H(重水素に関しては「D」とも記される)、
3H(トリチウムに関しては「T」とも記される)、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
18F、
35S、
36Cl、
82Br、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
125Iおよび
131Iが含まれる。使用する放射性核種は、その放射性標識誘導体の具体的な用途に左右される。例えば、in vitro受容体標識化および競合アッセイでは、
3Hまたは
14Cが組み込まれた化合物がしばしば有用である。放射性画像化用途では、
11Cまたは
18Fがしばしば有用である。いくつかの実施態様において、放射性核種は
3Hである。いくつかの実施態様において、放射性核種は
14Cである。いくつかの実施態様において、放射性核種は
11Cである。そして、いくつかの実施態様において、放射性核種は
18Fである。
【0069】
本発明の化合物は、経口的に、非経口的に、頬側に、膣に、直腸に、吸入、ガス注入、舌下に、筋肉内に、皮下に、局所的に、鼻腔内に、腹腔内に、胸郭内に、静脈内に、硬膜外に、クモ膜下腔内に、脳室内に、そして関節への注射によって投与してもよい。
【0070】
最適投与量および投与頻度は、処置する特定の状態およびその重症度;特定の患者の年齢、性別、サイズおよび体重、食事および全身的な身体状態;患者が摂取してもよい他の薬剤;投与経路;製剤;ならびに医師および他の当業者に知られているさまざまな他の因子によって決まることになる。
【0071】
投与する化合物の量は、処置する患者で異なり、そして1日当たり約100ng/kg体重から100mg/kg体重まで変化することになる。例えば、当業者は、本開示および当分野の知識から投与量を容易に確認することができる。したがって、熟練技術者は、本発明の方法で投与される、組成物中の化合物および場合による添加剤、ビヒクルおよび/または担体の量を容易に決定することができる。
【0072】
本発明の化合物から医薬組成物を製造するには、不活性な薬学的に許容される担体は、固体または液体のいずれかであることができる。固形製剤には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。
【0073】
固体担体は、1つまたはそれ以上の物質であることができ、それは希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、または錠剤崩壊剤として作用してもよい;それは封入材料であることもできる。
【0074】
化合物の製造
本発明の化合物は、下記の方法によって遊離塩基またはその薬学的に許容される塩として製造することができる。このような方法の以下の説明を通して、必要に応じて、有機合成の当業者によって容易に理解されるやり方で、適した保護基が加えられ、その後、さまざまな反応物および中間体から除去されることになることが理解される。このような保護基を用いる慣用の手順および適した保護基の例は、例えばT.W. Greene, P.G.M Wutz, 第3版, Wiley-Interscience, New York, 1999によってProtective Groups in Organic Synthesisに記載されている。必要に応じて、置換基の導入のような反応過程のステップの順序を変えることができる。
【0075】
本発明の化合物は、スキーム1に従って合成することができる。
【0076】
【化3】
【0077】
ジブロモトリアゾールを、式R
2X(ここで、Xは脱離基、例えばクロロ、ブロモ、ヨードまたはスルホニルオキシである)のアルキル化試薬と反応させて式(II)の化合物を得る。反応は、DMFのような溶媒中、ナトリウムアルコキシドまたは水素化ナトリウムのような塩基の存在下、約+20℃〜+80℃の範囲の温度で実施する。化合物(II)を式(III)のアゼチジンでアミノ化して式(IV)の化合物を得る。反応は、ジオキサンまたはDMAのような溶媒中、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンのような塩基の存在下、そして約+60〜+170℃の範囲の温度で実施する。次いで、化合物(IV)を、Buchwald-Hartwig条件下で式(V)の化合物と反応させて式(I)の化合物を得る。使用する試薬の例は、触媒として酢酸パラジウム(II)、リガンドとして9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、塩基として炭酸セシウム、そして溶媒としてジオキサンおよびDMAまたはそれらの混合物である。上記反応は、約25℃〜160℃の範囲の温度で実施することができる。
【0078】
【化4】
【0079】
環Aが窒素原子を通してフェニル環に結合される場合、式(VIa)のヘテロアリール化合物を、式(VII)(式中、Y
2はフルオロ、クロロまたはブロモである)の化合物と反応させて式(VIII)の化合物を得る。反応は、アセトニトリル、DMSOまたはDMFのような溶媒中、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムのような塩基の存在下、約20℃から150℃の範囲の温度で実施する。別法として、例えばヨウ化Cu(I)によって反応を触媒することができる。
【0080】
環Aが炭素原子を通してフェニル環に結合される場合、式(VIb)(式中、Y
1は、例えばトリアルキルスタナン、ボロン酸またはボロン酸エステルである)のヘテロアリール化合物を、式(VII)(式中、Y
2は、塩素、臭素、ヨウ素またはトリフラートである)の化合物と反応させて式(VIII)の化合物を得る。この反応は、例えばパラジウム触媒、リガンドおよび塩基の存在下、スティルまたはスズキ条件下で実施する。
【0081】
別法として、複素環式環Aはフェニル環上に形成することもできる。例えば、式(VII)(式中、Y
2は、−C(O)CH
2Brである)の化合物を、いくつかのステップで変換して適当に置換されたオキサゾール環を形成することができる。
【0082】
標準条件、例えば木炭上のパラジウムによる接触水素化を用いて式(VIII)の化合物を式(V)の化合物に変換することができる。
【0083】
一般的な方法
NMRスペクトルは、適した配置のプローブを備えた400MHzまたは500MHzの核磁気共鳴分光計において記録した。特に明記しない限り、周囲温度でスペクトルを記録した。化学シフトは、TMS(0.00ppm)からの低磁場および高磁場のppmで記載する。以下の基準シグナル:TMS δ 0.00、またはDMSO−d
6 δ 2.50、CD
3OD δ 3.30、アセトン−d
6 δ 2.04またはCDCl
3 δ 7.27の残留溶媒シグナルを用いた(特に明記しない限り)。共鳴多重度は、一重線、二重線、三重線、四重線、多重線、ブロード(broad)および見かけ(apparent)について、それぞれs、d、t、q、m、brおよびappと表した。
【0084】
分取または分析高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は、逆相(RP)カラムで実施した。例えば移動相A(MilliQ H
2O中の0.1%ギ酸またはMilliQ H
2O中の0.1%NH
3またはMilliQ H
2O中の10mM NH
4OAcおよび5%CH
3CN)およびB(CH
3OHまたはCH
3CN)を用いて直線勾配を適用した。質量分析計(MS)分析は、エレクトロスプレーイオン化(ESI+/−)、大気圧光イオン化(APPI+/−)および/または大気圧化学イオン化(APCI+/−)を用いて陽および/または陰イオン方式で実施した。
【0085】
ガスクロマトグラフィー(GC)は、質量分析計(MS)または水素炎イオン化検出器(FID)を備えたGCで実施した。MSイオン源は、電子衝撃(EI)または化学イオン化(CI、反応体ガスメタン)であった。
【0086】
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)は、線状(straight phase)カラムで実施した。移動相A(CO
2)および、例えば移動相B(場合によりDEAを含有するMeOH、EtOHまたはIPA)を用いて定組成の流れを適用した。
【0087】
化合物は、CambridgeSoft MedChem ELN v2.1を用いて命名するか、またはIUPACの規則に従う。
【0088】
略語
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMF ジメチルホルムアミド
EtOAc 酢酸エチル
MeOH メタノール
rt 室温
TMS テトラメチルシラン
T
R 保持時間
【0089】
実施例
本明細書に記載された化合物を、以下の実施例でさらに説明する。これらの実施例は例としてのみ記載したのであって、それらに限定されるものではない。
【0090】
中間体1
3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール
【化5】
反応温度を20℃より下に保持しながら、DCM(15mL)中の臭素(6.1mL、119mmol)の溶液および水(20mL)中の水酸化ナトリウム(6.78g、169mmol)の溶液を、0℃で1H−1,2,4−トリアゾール(3.9g、56mmol)、水(50mL)およびDCM(15mL)の撹拌混合物に同時に滴加した。混合物を周囲温度で一夜撹拌した。塩酸(濃、2.0mL、66mmol)を加えた。固形物を濾過によって単離し、水で洗浄し、そして真空で乾燥して表題化合物を固形物(8.3g、65%)として得た。
MS (ESI
-) m/z 224 [M-H]
-.
【0091】
中間体2
3,5−ジブロモ−1−(2−メチルアリル)−1H−1,2,4−トリアゾール
【化6】
DMF(13mL)中の3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール(1.5g、6.61mmol)をナトリウムtert−ペントキシド(0.728g、6.61mmol)で処理し、そして混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。3−ブロモ−2−メチルプロパ−1−エン(0.667mL、6.61mmol)を加え、そして混合物を40℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、そしてジイソプロピルエーテル(2×)で抽出した。有機相を水(2×)、ブラインで洗浄し、そして乾燥した(硫酸ナトリウム)。溶媒を蒸発させて表題化合物を液体(1.70g、91%)として得た。
GCMS (CI) m/z 281 [M
+].
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.74 (d, 3 H) 4.69 (s, 2 H) 4.81 - 4.86 (m, 1 H) 5.05 (dd, 1 H).
【0092】
中間体3
1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化7】
水(15mL)中の酢酸水銀(1.827g、5.73mmol)の溶液にTHF(15mL)を加えた。反応フラスコをアルミナホイルで覆った。THF(15mL)中の3,5−ジブロモ−1−(2−メチルアリル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.895g、3.19mmol)の溶液を窒素雰囲気下で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.20g、31.9mmol)を少しずつ加え、そして混合物を1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して表題化合物を液体(0.91g、96%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 300 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.28 (s, 6 H) 4.15 (s, 2 H).
【0093】
中間体4
3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール
【化8】
DMF(9mL)中の3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール(1.0g、4.41mmol)の溶液にナトリウムtert−ペントキシド(0.485g、4.41mmol)を加え、そして混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。ヨードメタン(0.29mL、4.63mmol)を加え、そして混合物を40℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、そしてジイソプロピルエーテルで2回抽出した。有機相を水(2×)、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発させて表題化合物を固形物(0.83g、78%)として得た。
MS (CI) m/z 242 [M
+].
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.89 (s, 3 H).
【0094】
中間体5
1−(3−ブロモ−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化9】
1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(1.0g、3.39mmol)および3−フェニルアゼチジン(0.90g、6.77mmol)を、ジオキサン(15mL)およびDMA(1.5mL)の混合物に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.18mL、6.77mmol)を加え、そして反応混合物を120℃で一夜加熱した。溶媒を蒸発させ、そしてDCM中のメタノールの勾配で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を液体(1150mg、97%)として得た。
MS (ESI
-) m/z 349 [M-H]
-.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.28 (s, 3 H), 1.25 (s,
3 H), 3.83 (s, 2 H), 4.00 (quin, 1 H), 4.26 (t, 2 H), 4.58 (t, 2 H), 7.28 - 7.32 (m, 1 H), 7.33 - 7.41 (m, 4 H).
【0095】
中間体6
1−(3−ブロモ−5−(3−フルオロ−3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化10】
1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(121mg、0.40mmol)および3−フルオロ−3−フェニルアゼチジン塩酸塩(115mg、0.61mmol)を、ジオキサン(2mL)およびDMA(0.1mL)の混合物に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.214mL、1.23mmol)を加え、そして反応混合物を120℃で72時間加熱した。揮発性物質を蒸発させ、そしてDCM中のメタノールの勾配で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を乾燥フィルム(110mg、97%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 369 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.27 (s, 6 H), 3.84 (s,
2 H), 4.54 (dd, 2 H), 4.62 - 4.71 (m, 2 H), 7.44 - 7.53 (m, 5 H).
【0096】
中間体7
3−ブロモ−1−メチル−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール
【化11】
3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール(128mg、0.53mmol)および3−フェニルアゼチジン(127mg、0.96mmol)をジオキサン(2mL)中で混合した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.232mL、1.33mmol)を加えた。混合物を120℃で一夜撹拌した。溶媒を除去し、そしてDCM中のメタノールの勾配を用いるシリカカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を液体(58mg、37%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 293 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.64 (s, 3 H) 3.96 - 4.04 (m, 1 H) 4.22 (t, 2 H) 4.55 (t, 2 H) 7.28 - 7.33 (m, 1 H) 7.35 - 7.42 (m, 4 H).
【0097】
中間体8
3−ブロモ−1−メチル−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール
【化12】
3,5−ジブロモ−1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール(200mg、0.83mmol)および2−フェニルアゼチジン(177mg、1.33mmol)をDMF(5mL)に溶解した。炭酸カリウム(344mg、2.49mmol)を加えた。混合物をマイクロ波反応器中170℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、そしてジイソプロピルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去して表題化合物を液体(225mg、92%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 294 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 2.37 - 2.49 (m, 1 H) 2.71 - 2.82 (m, 1 H) 3.39 (s, 3 H) 4.11 - 4.19 (m, 2 H) 5.38 (t, 1 H) 7.28 - 7.48 (m, 6 H).
【0098】
中間体9
3−ブロモ−1−(2−メチルアリル)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール
【化13】
3,5−ジブロモ−1−(2−メチルアリル)−1H−1,2,4−トリアゾール(500mg、1.78mmol)および2−フェニルアゼチジン(379mg、2.85mmol)をDMF(13mL)に溶解した。炭酸カリウム(738mg、5.34mmol)を加えた。混合物をマイクロ波反応器中170℃で2時間加熱した。混合物を水で希釈し、そしてジイソプロピルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して表題化合物を液体(593mg、100%)として得た。MS (ESI
+) m/z 333 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.56 (s, 3 H) 2.16 - 2.27 (m, 1 H) 2.63 - 2.70 (m, 1 H) 4.01 - 4.15 (m, 2 H) 4.27 - 4.44 (m, 2 H) 4.55 (s, 1 H) 4.88 - 4.92 (m, 1 H) 5.36 (t, 1 H) 7.26 - 7.43 (m, 5 H).
【0099】
中間体10
N−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−(2−メチルアリル)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン
【化14】
ジオキサン(10mL)中の3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(0.362g、1.78mmol)、3−ブロモ−1−(2−メチルアリル)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.593g、1.78mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.206g、0.36mmol)、酢酸パラジウム(0.060g、0.27mmol)および炭酸セシウム(0.754g、2.31mmol)を窒素雰囲気下のバイアル中に入れ、そしてバイアルを密封した。混合物を120℃で3.5時間加熱した。混合物を濾過し、そしてフィルターをDCMで洗浄した。濾液を濃縮し、そしてジクロロメタン中のメタノールの勾配を用いるシリカのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。溶媒を真空で除去して表題化合物を乾燥フィルム(340mg、42%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 456 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.62 (s, 3 H) 2.29 (d, 3 H) 2.32 - 2.44 (m, 1 H) 2.68 - 2.79 (m, 1 H) 3.70 (s, 3 H) 4.06 - 4.16 (m, 2 H
) 4.16 - 4.30 (m, 2 H) 4.73 (s, 1 H) 4.91 - 4.96 (m, 1 H) 5.41 (t, 1 H) 6.49 (s,
1 H) 6.74 (dd, 1 H) 6.82 (t, 1 H) 7.06 (d, 1 H) 7.29 - 7.33 (m, 1 H) 7.35 - 7.41 (m, 2 H) 7.42 - 7.47 (m, 3 H) 7.59 (d, 1 H).
【0100】
中間体11
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オン
【化15】
四酸化オスミウム(tert−ブタノール中2.5質量%、0.16mL、0.010mmol)を、アセトニトリル(16mL)および水(8mL)中のN−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−(2−メチルアリル)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(0.340g、0.75mmol)、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.639g、2.99mmol)および4−メチルモルホリンN−オキシド(0.111g、0.82mmol)の混合物に加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。沈殿を濾過によって除去し、そして酢酸エチルで洗浄した。濾液を炭酸水素ナトリウム(飽和、水性)およびブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして揮発性物質を蒸発させた。DCM中のメタノールの勾配で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を固形物(165mg、48%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 458 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.88 (s, 3 H) 2.38 (br.
s., 4 H) 2.69 - 2.78 (m, 1 H) 3.76 (s, 3 H) 4.00 - 4.08 (m, 1 H) 4.18 - 4.25 (m, 1 H) 4.32 (s, 1 H) 4.42 (s, 1 H) 5.25 - 5.32 (m, 1 H) 6.53 - 6.58 (m, 1 H) 6.87 (br. s., 2 H) 7.09 (d, 1 H) 7.36 (s, 2 H) 7.38 - 7.47 (m, 5 H).
【0101】
中間体12
1−(3−ブロモ−5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化16】
1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(121mg、0.40mmol)および2−アザスピロ[3.3]ヘプタン塩酸塩(108mg、0.81mmol)をジオキサン(2mL)およびDMA
(0.1mL)中で混合した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.282mL、1.62mmol)を加え、そして混合物を120℃で一夜加熱した。溶媒を蒸発させ、そしてDCM中のメタノールの勾配で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を乾燥フィルム(100mg、78%)として得た。MS (ESI
+) m/z 315 (M+H)
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 1.22 (s, 3 H), 1.28 (s, 3 H), 1.67 - 1.78 (m, 1 H), 1.78 - 2.00 (m, 3 H), 2.22 (t, 2 H), 3.50 - 3.71 (m, 1 H), 3.77 (s, 1 H), 3.97 - 4.20 (m, 3 H).
【0102】
中間体13
1−(3−ブロモ−5−(1−アザスピロ[3.4]オクタン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化17】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.315mL、1.81mmol)を
ジオキサン(2mL)およびDMA(0.1mL)中の1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(135mg、0.45mmol)および1−アザスピロ[3.4]オクタン(100mg、0.90mmol)の溶液に加えた。混合物をマイクロ波反応器中170℃で4時間加熱した(混合物1)。
【0103】
並行して、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.088mL、0.50mmol)をジオキサン(1mL)中の1−(3,5−ジブロモ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(60mg、0.20mmol)および1−アザスピロ[3.4]オクタン(26.8mg、0.24mmol)の溶液に加えた。混合物を120℃で一夜撹拌した。1−アザスピロ[3.4]オクタン(27mg、0.24mmol)を加え、そして混合物をマイクロ波反応器中140℃で22時間加熱した(混合物2)。
【0104】
混合物1および混合物2を合わせた。揮発性物質を真空で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、そして溶液を水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。DCM中のメタノールの勾配を用いるシリカカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を乾燥フィルム(106mg、50%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 329 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.30 (s, 6 H) 1.83 - 1.91 (m, 4 H) 2.26 (t, 2 H) 2.30 (td, 2 H) 2.39 (t, 2 H) 3.46 - 3.49 (m, 2 H) 3.81 (s, 2 H).
【0105】
実施例1
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化18】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(0.665g、3.27mmol)、1−(3−ブロモ−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(1.15g、3.27mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.379g、0.65mmol)、酢酸パラジウム(0.110g、0.49mmol)、炭酸セシウム(1.39g、4.26mmol)およびジオキサン(17mL)を、窒素雰囲気下で密封されたバイアル中で混合した。混合物を125℃で4時間加熱した。酢酸パラジウム(50mg)および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(100mg)を加え、そして混合物を125℃で3時間加熱した。珪藻土を通して混合物を濾過し、フィルタープラグをメタノールおよびDCMで洗浄した。溶媒を蒸発し、そして残留物を分取クロマトグラフィーによって精製して表題化合物を固形物(400mg、26%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 474 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.26 (s, 6 H) 2.30 (s, 3 H) 3.78 (s, 2 H) 3.84 (s, 3 H) 3.97 - 4.05 (m, 1 H) 4.21 (t, 2 H) 4.47 (br. s., 1 H) 4.50 - 4.56 (m, 2 H) 6.65 (s, 1 H) 6.76 (dd, 1 H) 6.85 (s, 1 H) 7.12 (d, 1 H) 7.31 (td, 1 H) 7.36 - 7.41 (m, 4 H) 7.42 (d, 1 H) 7.59 (s, 1 H).
【0106】
実施例2
1−(5−(3−フルオロ−3−フェニルアゼチジン−1−イル)−3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化19】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(39mg、0.19mmol)、1−(3−ブロモ−5−(3−フルオロ−3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(71mg、0.19mmol)、酢酸パラジウム(9mg、0.04mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(17mg、0.03mmol)および炭酸セシウム(125mg、0.38mmol)をジオキサン(1mL)およびDMA(0.1mL)中で混合した。反応混合物を窒素雰囲気下120℃で一夜加熱した。珪藻土を通して混合物を濾過し、そしてフィルタープラグをメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させ、そして残留物を分取クロマトグラフィーによって精製して表題化合物(13mg、14%)を得た。
MS (ESI
+) m/z 492 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.27 (s, 6 H), 2.30 (s,
3 H), 3.78 (s, 2 H), 3.83 (s, 3 H), 4.37 (s, 1 H), 4.49 (dd, 9.30 Hz, 2 H), 4.59 - 4.68 (m , 2 H), 6.75 - 6.82 (m, 2 H), 6.85 (s, 1 H), 7.12 (d, 1 H), 7.39 - 7.44 (m, 2 H), 7.44 - 7.49 (m, 2 H), 7.52 - 7.56 (m, 2 H), 7.59 (s, 1 H).
【0107】
実施例3
N−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−メチル−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン
【化20】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(40mg、0.19mmol)、3−ブロモ−1−メチル−5−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール(57mg、0.19mmol)、酢酸パラジウム(II)(7mg、0.03mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(22mg、0.04mmol)、炭酸セシウム(82mg、0.25mmol)およびジオキサン(2mL)を、窒素雰囲気下で密封されたバイアル中で混合した。反応混合物を120℃で3.5時間加熱した。混合物を濾過し、そしてフィルタープラグをDCMで洗浄した。溶媒を蒸発させ、そしてDCM中のメタノールの勾配で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィー、続いて分取HPLCによって残留物を精製して表題化合物を固形物(39mg、48%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 416 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 2.37 (s, 3 H) 3.61 (s, 3 H) 3.86 (s, 3 H) 4.01 (s, 1 H) 4.21 (t, 2 H) 4.54 (t, 2 H) 6.52 (s, 1 H) 6.86 - 6.92 (m, 2 H) 7.13 (d, 1 H) 7.29 - 7.33 (m, 1 H) 7.39 (d, 4 H) 7.43 (s, 1 H) 7.76 - 7.84 (m, 1 H).
【0108】
実施例4
N−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1−メチル−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン
【化21】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(156mg、0.77mmol)、3−ブロモ−1−メチル−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール(225mg、0.77mmol)、酢酸パラジウム(II)(26mg、0.12mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(89mg、0.15mmol)、炭酸セシウム(325mg、1.00mmol)およびジオキサン(5mL)を、窒素雰囲気下で密封されたバイアル中で混合した。反応混合物を油浴中120℃で3.5時間加熱した。混合物を濾過し、そしてフィルターをDCMで洗浄した。溶媒を蒸発させ、そしてDCM中のメタノールの勾配を用いるカラムクロマトグラフィー、続いて分取HPLCによって残留物を精製して表題化合物を固形物(144mg、45%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 416 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.60 (s, 1 H) 7.47 (d, 2 H) 7.36 - 7.41 (m, 3 H) 7.28 - 7.33 (m, 1 H) 7.08 (d, 1 H) 6.83 (s, 1 H) 6.79 (dd, 1 H) 6.50 (s, 1 H) 5.40 (t, 1 H) 4.14 - 4.20 (m, 1 H) 4.11 (q, 1 H) 3.73 (s, 3 H) 3.45 (s, 3 H) 2.71 - 2.80 (m, 1 H) 2.40 - 2.49 (m, 1 H) 2.30 (s, 3 H).
【0109】
実施例5
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化22】
メチルマグネシウムブロミド(2.06mL、2.89mmol)をTHF(2mL)中の塩化リチウム(61mg、1.44mmol)の懸濁液に加え、そして混合物を窒素雰囲気下、0℃で保持した。温度を0℃に保持しながら、THF(1mL)中の1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オン(165mg、0.36mmol)の溶液を滴加した。反応物を室温で16時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、そして水、続いてDCMを加えた。塩化アンモニウム(水性、飽和)を加えてpH7に到達させ、そして相を分離した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して表題化合物を乾燥フィルム(85mg、50%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 474 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.05 (s, 3 H) 1.10 (s, 3 H) 2.32 (s, 3 H) 2.43 (dd, 1 H) 2.73 - 2.82 (m, 1 H) 3.62 (s, 2 H) 3.75 (s, 3 H) 4.12 - 4.18 (m, 2 H) 4.45 (s, 1 H) 5.39 (t, 1 H) 6.57 (s, 1 H) 6.70 (dd, 1 H)
6.84 (s, 1 H) 7.09 (d, 1 H) 7.31 - 7.36 (m, 1 H) 7.38 - 7.43 (m, 3 H) 7.44 - 7.47 (m, 2 H) 7.67 (br. s., 1 H).
【0110】
実施例6
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、異性体1
【化23】
SFCキラルクロマトグラフィーによって、ラセミ体の1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(実施例5;73mg)を、そのエナンチオマーに分離した。最も早く溶出した画分から溶媒を除去して表題化合物を乾燥フィルム(26mg、36%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 474 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.19 (d, 6 H) 2.11 (s, 3 H) 2.16 - 2.26 (m, 1 H) 2.65 - 2.74 (m, 1 H) 3.65 (s, 3 H) 3.68 (d, 2 H) 4.04 - 4.13 (m, 1 H) 4.15 - 4.25 (m, 1 H) 4.76 (s, 1 H) 5.41 (s, 1 H) 6.88 - 6.93 (m, 1 H) 6.95 (s, 1 H) 7.09 (d, 1 H) 7.26 (s, 1 H) 7.33 - 7.38 (m, 2 H) 7.39 - 7.44 (m, 2 H) 7.57 (s, 1 H) 7.62 (d, 1 H) 9.21 (s, 1 H).
キラルSFC:カラムLuxC2;4.6*250mm;5μm;移動相40%MeOH+0.1%DEA;60%CO
2;流量3mL/分;tR:7.36分
【0111】
実施例7
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、異性体2
【化24】
SFCキラルクロマトグラフィーによって、ラセミ体の1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(実施例5;73mg)を分離した。最も遅く溶出したエナンチオマーを含有する画分を集め、そして濃縮して表題化合物を乾燥フィルム(35mg、48%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 474 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.19 (d, 6 H) 2.11 (s, 3 H) 2.16 - 2.26 (m, 1 H) 2.65 - 2.73 (m, 1 H) 3.65 (s, 3 H) 3.68 (d, 2 H) 4.04 - 4.12 (m, 1 H) 4.16 - 4.23 (m, 1 H) 4.77 (s, 1 H) 5.41 (s, 1 H) 6.87 - 6.92 (m, 1 H) 6.95 (s, 1 H) 7.09 (d, 1 H) 7.26 (s, 1 H) 7.33 - 7.39 (m, 2 H) 7.39 - 7.
44 (m, 2 H) 7.57 (s, 1 H) 7.62 (d, 1 H) 9.22 (s, 1 H).
キラルSFC:カラムLuxC2;4.6*250mm;5μm;移動相40%MeOH+0.1%DEA;60%CO
2;流量3mL/分;tR:10.12分
【0112】
実施例8
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化25】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(64mg、0.32mmol)、1−(3−ブロモ−5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(100mg、0.32mmol)、酢酸パラジウム(14mg、0.06mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(28mg、0.05mmol)および炭酸セシウム(206mg、0.63mmol)を、窒素雰囲気下、ジオキサン(2mL)およびDMA(0.1mL)中で混合した。混合物を120℃で一夜加熱した。珪藻土を通して反応混合物を濾過し、そしてフィルタープラグをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、そして残留物を分取クロマトグラフィーによって精製して表題化合物を固形物(27mg、20%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 438 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 1.23 (s, 6 H), 1.86 (quin, 2 H), 2.22 (t, 4 H), 2.29 (s, 3 H), 3.73 (s, 2 H), 3.82 (s, 3 H), 4.09 (s, 4 H),
4.59 (br. s., 1 H), 6.73 (dd, 2.05 Hz, 1 H), 6.83 (s, 1 H), 7.09 (d, 1 H), 7.39
(d, 1 H), 7.58 (s, 1 H).
【0113】
実施例9
1−(3−(3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニルアミノ)−5−(1−アザスピロ[3.4]オクタン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
【化26】
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)アニリン(62mg、0.30mmol)、1−(3−ブロモ−5−(1−アザスピロ[3.4]オクタン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(100mg、0.30mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(35mg、0.06mmol)、酢酸パラジウム(10mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(129mg、0.39mmol)およびジオキサン(3mL)を、窒素雰囲気下で密封されたバイアル中で混合した。混合物を120℃で3時間加熱した。混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して表題化合物を乾燥フィルム(12mg、9%)として得た。
MS (ESI
+) m/z 452 [M+H]
+.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.28 - 1.33 (m, 6 H) 1.86 (quin, 2 H) 2.22 - 2.34 (m, 6 H) 2.41 (t, 2 H) 3.42 - 3.50 (m, 4 H) 3.75 (s, 2 H) 3.81 (s, 3 H) 5.03 (t, 1 H) 5.44 (br. s., 1 H) 6.68 (s, 1 H) 6.79 (dd, 1 H) 6.83 (s, 1 H) 7.08 (d, 1 H) 7.46 (d, 1 H) 7.55 (s, 1 H).
【0114】
バイオアッセイ
以下の方法を用いて、Aβ形成における化合物の活性レベルを試験した:
【0115】
HEKアッセイ
化合物を100%DMSOで希釈し、そして使用前に20℃で保存した。4500g/Lグルコース、ピルビン酸Naおよびグルタマックス(GlutaMAX)、10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン−ストレプトマイシン(PEST)、1×非必須アミノ酸(NEAA)、10μMヘペス(Hepes)、100μg/mLゼオシン(Zeocine)で補充されたダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagles medium)(DMEM)を用いてスウェーデン変異(APPswe)を有するAPPを安定に発現するヒト胎生腎(HEK)細胞系統を培養した。約80%集密の細胞をPBSで洗浄し、PBS中に希釈した1×トリプシン(Trypsin)/EDTAを用いて培養フラスコから分離し、細胞培地で再懸濁し、そして384−ウェルポリ−d−リジンコーティング細胞培養プレートにおいて細胞培地25μL中、約10000〜15000細胞/ウェルで培養した。場合により、凍結保存細胞(90%細胞培地および10%DMSO中、−140℃で凍結および保存した)を解凍し、洗浄し、そして上のように培養した。次に、細胞を37℃および5%CO
2で15〜24時間インキュベートし、その後、細胞培地を交換した。調製された化合物プレートから×200希釈した、試験化合物を含有する新たな培地を細胞に加えた後、37℃および5%CO
2で4〜6時間さらにインキュベートした。試験化合物をインキュベートした後、異なるAβペプチドに対して高められた特異的抗体と組み合わせて、メソスケールディスカバリーテクノロジー(Meso Scale Discovery Technology)の電気化学発光アッセイ技術を用いて、細胞培地に分泌された、Aβ42、Aβ40、Aβ39、Aβ38およびAβ37を含むAβペプチドの量を分析した。細胞溶解物からのATP含量(バイアライト(ViaLight))を測定することによって化合物の潜在的細胞傷害効果を評価した。
【0116】
PCNアッセイ
化合物を100%DMSO中に希釈し、そして使用前に20℃で保存した。初代皮質神経細胞(PCN)を16日マウス胚から単離し、そして10%ウシ胎児血清、10mMヘペス(Hepes)、2mMのL−グルタミンおよび100U/mlペニシリン−ストレプトマイシンを含有するハムF12培地(Ham's F12 media)中で培養した。細胞培地200μL中の150000〜250000細胞/ウェルを、96ウェルポリ−D−リジンコーティングプレート上へ接種した。37℃、5%CO
2で5日間インキュベーション後、培地を、×100希釈した試験化合物を含有する新たな培地に交換した後、37℃および5%CO
2で16〜20時間さらにインキュベートした。試験化合物のインキュベーション後、マウスβアミロイド1〜42の検出のため、インビトロゲン(Invitrogen)からの固相サンドイッチ酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)−キットを用いて、細胞培地に分泌されたAβ42ペプチドの量を分析した。細胞溶解物からのATP含量(バアイアライト(ViaLight))を測定することによって化合物の潜在的細胞傷害効果を評価した。
【0117】
結果
例示化合物の生物学的データを、下の表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
総IC50AβおよびAβ42/40の比率は、改善された。