(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管状支持部は、該管状支持部の軸線と前記ホルダーに保持される前記内視鏡の軸線とが鋭角をなすように前記ホルダーから前記ボールへ向けて延び、前記内視鏡の可動域が前記ボールの可動域よりも大きくなるように構成されている、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記ボールジョイントは、事前組み立て式であり、前記ボールジョイントの全体は、前記第2の細長い構造体の前記ベースの反対側に配置されている端部に取り外し可能に連結されている、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記ボールジョイントは、前記ホルダーの部品として含まれ、前記ボールジョイントおよび前記ホルダーは、前記第2の細長い構造体の前記ベースの反対側に配置されている端部に取り外し可能に連結している、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記ベースの反対側に配置されている前記第2の細長い構造体の端部は、前記ボールジョイントのボールを受け入れるための凹部を含む、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記ボールジョイントは、第1の平面において0から180度の第1の範囲内で、第2の平面において0から180度の第2の範囲内で、および、第3の平面において0から360度の第3の範囲内で、前記ホルダーが前記本体部に対して動作することを許容するように構成されている、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記本体部は、外側チューブの中にスライド可能に設置されている内側チューブから形成されており、前記外側チューブは、前記内側チューブの外周の周りを完全に覆ってはおらず、前記内側チューブの一部分が、前記外側チューブの中に設置されているときに露出されるようになっている、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記本体部は、第1の端部および第2の端部を有する第3の細長い構造体をさらに備え、前記第3の細長い構造体の前記第1の端部は、前記ベースに接続されており、前記第2の細長い構造体は、前記第1の細長い構造体と前記第3の細長い構造体との間で、前記ベースの上方に垂設されている、請求項1に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記管状支持部は、該管状支持部の軸線と前記ホルダーに保持される前記内視鏡の軸線とが鋭角をなすように前記ホルダーから前記ボールへ向けて延び、前記内視鏡の可動域が前記ボールの可動域よりも大きくなるように構成されている、請求項15に記載の内視鏡フロアスタンド。
前記管状支持部は、該管状支持部の軸線と前記ホルダーに保持される前記内視鏡の軸線とが鋭角をなすように前記ホルダーから前記ボールへ向けて延び、前記内視鏡の可動域が前記ボールの可動域よりも大きくなるように構成されている、請求項22に記載のデバイス。
前記ボールジョイントは、前記内視鏡スタンドの前記本体部に取り外し可能に連結するように構成されているアダプターと、前記デバイスを前記内視鏡スタンドの前記本体部に連結するために、前記アダプターを圧迫するように構成されている固定機構とをさらに備える、請求項22に記載のデバイス。
前記デバイスは、前記内視鏡スタンドの前記本体部に連結するように構成されている分離されたコネクターをさらに備え、前記ボールジョイントは、前記ボールジョイントおよび前記ホルダーを前記内視鏡スタンドの前記本体部に連結するために、前記コネクターに連結するように構成されている、請求項22に記載のデバイス。
前記管状支持部は、該管状支持部の軸線と前記ホルダーに保持される前記内視鏡の軸線とが鋭角をなすように前記ホルダーから前記ボールへ向けて延び、前記内視鏡の可動域が前記ボールの可動域よりも大きくなるように構成されている、請求項29に記載のデバイス。
前記固定機構は、前記アダプターを締め付けるために、ナットアダプター、締め付け可能なアダプター、バックル、または、ねじ機構のうちの少なくとも一つを備える、請求項29に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の実施形態による例示的な内視鏡スタンドを示す図である。
【
図2】本開示の実施形態による例示的なスタンドによって支持されている内視鏡を示す図である。
【
図3A】本開示の実施形態による内視鏡スタンドの例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図3B】本開示の実施形態による内視鏡スタンドの例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図3C】本開示の実施形態による内視鏡スタンドの例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図4A】本開示の実施形態によるスタンドに取り付けられているときの内視鏡の例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図4B】本開示の実施形態によるスタンドに取り付けられているときの内視鏡の例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図4C】本開示の実施形態によるスタンドに取り付けられているときの内視鏡の例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図4D】本開示の実施形態によるスタンドに取り付けられているときの内視鏡の例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図4E】本開示の実施形態によるスタンドに取り付けられているときの内視鏡の例示的な動作の範囲を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態による例示的なジョイントを示す図である。
【
図6】本開示の実施形態による
図5のジョイントの追加的な随意的コンポーネントを示す図である。
【
図7A】本開示の実施形態によるジョイントの例示的な部分を示す図である。
【
図7B】本開示の実施形態による開位置および閉位置の両方における
図7Aのジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図8A】本開示の実施形態による例示的なジョイントを示す図である。
【
図8B】本開示の実施形態による
図8Aのジョイントの断面図である。
【
図8C】本開示の実施形態による
図8Aのジョイントの二つのコンポーネントの分解図である。
【
図9A】本開示の実施形態による例示的なホルダーを示す図である。
【
図9B】本開示の実施形態によるジョイントを示す図である。
【
図9C】本開示の実施形態によるジョイントを示す図である。
【
図9D】本開示の実施形態によるアンロックされた位置にある二つのコンポーネントを示す図である。
【
図9E】本開示の実施形態によるロック位置にあるジョイントの二つのコンポーネントを示す図である。
【
図10A】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図10B】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図10C】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図10D】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図10E】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図10F】本開示の実施形態による例示的なジョイントのコンポーネントを示す図である。
【
図11A】本開示の実施形態による例示的なジョイントを示す図である。
【
図12A】本開示の実施形態による例示的なジョイントを示す図である。
【
図13A】本開示の実施形態による事前組み立て式のジョイントの受け入れ部分を示す図である。
【
図13B】本開示の実施形態による事前組み立て式の組立ジョイントを示す図である。
【
図13C】本開示の別の実施形態による事前組み立て式のジョイントを示す図である。
【
図14A】本開示の別の例示的な実施形態による事前組み立て式の組立ジョイントを示す図である。
【
図14B】本開示の別の例示的な実施形態による事前組み立て式の組立ジョイントを示す図である。
【
図15A】本開示の実施形態による変更された表面を有するジョイントの部分断面図である。
【
図15C】本開示の実施形態によるインターフェースを有するジョイントの部分断面図である。
【
図16】本開示の実施形態によるスタンドの上に配置されている内視鏡を示す図である。
【
図17A】本開示の実施形態によるスタンドの例示的な可動域を示す図である。
【
図17B】本開示の実施形態による例示的なホルダーを示す図である。
【
図17C】本開示の実施形態によるスタンドの例示的な可動域を示す図である。
【
図17D】本開示の実施形態によるスタンドの例示的な可動域を示す図である。
【
図18A】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18B】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18C】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18D】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18E】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18F】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18G】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図18H】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図19】本開示の実施形態による例示的なスタンドの調節可能な部分を示す図である。
【
図20A】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図20B】本開示の実施形態による
図20Aのスタンドの調節可能な部分を示す図である。
【
図21A】本開示の実施形態による例示的なスタンドを示す図である。
【
図21B】本開示の実施形態による
図21Aのスタンドの調節可能な部分を示す図である。
【
図21C】本開示の実施形態による
図21Aのスタンドの下側部分を示す図である。
【
図22A】本開示の実施形態による例示的なスタンドの下側部分を示す図である。
【
図22B】本開示の実施形態による例示的なスタンドの下側部分を示す図である。
【
図22C】本開示の実施形態による例示的なスタンドの下側部分を示す図である。
【
図23A】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23B】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23C】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23D】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23E】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23F】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23G】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23H】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23I】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23J】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23K】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図23L】本開示の実施形態による例示的なスタンドのベースを示す図である。
【
図24A】本開示のさらなる実施形態による例示的なベースの上側斜視図である。
【
図24B】本開示のさらなる実施形態による例示的なベースの下側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、以下に説明されており、添付の図面に図示されている本開示の例示的な実施形態をより詳細に参照することとなる。可能な限り、同じ参照番号が、同じ部品または同様の部品を表すために、図面の全体を通して使用されることとなる。本開示の目的のために、「内視鏡」は、医療処置の間に患者の中へ挿入するための任意の適切なタイプのスコープを表す可能性がある。内視鏡は、たとえば、大腸内視鏡、十二指腸内視鏡、胃内視鏡、S状結腸内視鏡、小腸内視鏡、尿管内視鏡、および気管支内視鏡を含んでもよい。「処置」という用語は、それに限定されないが、外科手術、生検、診断、治療、可視化、デバイスの植え込み、吸引、または送気を含む、任意の目的のために、患者の中への内視鏡の挿入を広く表している。「細長い構造体」という用語は、幅よりも長い、二つの端部の間に延在する長さを有する任意の形状(たとえば、円形、正方形、長方形、三角形、平坦など)の中空の、中実の、またはくりぬかれた半構造体(たとえば、ポール、ロッド、ドエル、ポスト、バーなど)を全体的に表している。
【0022】
本開示は、たとえば、医療処置を実施するためなど、特定の用途のために使用されるスタンドの例示目的の実施形態を参照して本明細書で説明されているが、本明細書で説明されている実施形態は、それに限定されないということが理解されるべきである。たとえば、スコープおよび同様のデバイスが、たとえば、機械を検査および/または修理するために、産業用途において使用されることが多い。また、本開示のスタンドは、非医療現場において、産業用スコープとともに使用されてもよい。当技術分野で通常の技能を有し、本明細書で提供されている教示へのアクセスを有する者は、追加的な変形例、応用例、実施形態、および、均等物の置換を認識することとなり、それらは、すべて、開示されている実施形態の範囲内に入る。したがって、開示されている実施形態は、先述の説明または以下の説明によって限定されるものとして考慮されるべきではない。
【0023】
詳細な説明を提供する前に、以下の概要は、企図される実施形態を全体的に説明している。
図1および
図2に示されているように、本開示の例示的なスタンド10は、医師による使用の間に、内視鏡2を保持および支持してもよい。スタンド10は、医師の代わりに、内視鏡の重量を支持し、追加の手としての役割を果たしてもよい。スタンド10は、いくつかの主要コンポーネントを含んでもよく、それは、たとえば、内視鏡2に係合するための、および、内視鏡2をスタンド10の上に保持するためのホルダー3、スタンド10の上に装着されている状態で、医師が内視鏡2を動かすことを可能にするためのジョイント5、内視鏡を支持するための本体部6、ならびにベース7などである。ホルダー3は、ユーザーが、異なるタイプまたはモデルの内視鏡2を、スタンド10の上に、容易に、しかし、しっかりと装着および取り外すことを可能にするように構成されてもよい。たとえば、ホルダー3は、内視鏡2をその中にスライド可能に受け入れてもよく、または、内視鏡2は、ホルダー3の中に摩擦フィットまたはスナップフィットしてもよい。内視鏡2をしっかりと装着するために、ホルダー3は、ホルダー3が係合するように構成されている内視鏡2の一部分に相補的な形状、または、その一部分の反対の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、ホルダー3は、内向きに付勢されてもよく、または、材料、テクスチャー加工(たとえば、溝部もしくはリッジ部)、コーティング、もしくは、他の適切な表面構成を含んでもよく、ホルダー3が内視鏡2をその中によりしっかりと把持することを可能にする。
【0024】
ジョイント5は、ユーザーが、多自由度で内視鏡2を自由に動かすこと、および、内視鏡2を自由に回転させることを可能にするように構成されていてもよい。ユーザーが内視鏡2から手を放すと、ジョイント5は、ホルダー3および内視鏡2を適切な場所に維持するように構成されてもよく、内視鏡は、ユーザーが最後にそれを動かした場所に配置されたままでいるようになっている。次いで、ユーザーは、処置中に、必要に応じて内視鏡を自由に再配置することができ、毎回、内視鏡は、それが最後に置かれた位置に留まることとなる。また、いくつかの実施形態では、ユーザーは、ユーザーが内視鏡2から手を放した後に、スタンド10をロックしてもよく、スタンド10がアンロックされなければ、内視鏡2をさらに動かすことができないようになっている。これは、処置中に、患者の中の所望の場所に到達したときに、内視鏡2またはスタンド10が処置中にぶつかられたとしても、医師が、内視鏡2を適切な場所に保持することを可能にすることができる。
【0025】
本体部6は、高さを調節可能であり、スタンド10が異なる身長の医師に適応することを可能にし、または、医師が立っているか座っているかにかかわらず適応することを可能にする。ベース7は、内視鏡が異なる方向および角度に動いたときに内視鏡をしっかりと支持するように形づくられて重量が付与され、スタンドが倒れることを抑制してもよい。追加的に、スタンド10の全体的な設置面積は、使用の間に、医師をつまずかせないように、または、医師の邪魔にならないように、また、処置と処置との間の洗浄を容易にするように、形づくられて寸法が決められてもよい。これらのコンポーネント、なかでも、それらの相互作用、および、スタンドの全体的な使用は、さらに詳細に以下に説明されている。
【0026】
医師が処置中に内視鏡を保持するとき、医師は、手首もしくは腕を曲げることによって、または、他の身体の動きを使用することによって、内視鏡を事実上任意の方向に自由に移動および調節する能力を有している。
図3Aの中の矢印によって示されているように、スタンド10のジョイント5は、回転動作、左右の動作、前後のロッキング動作、または、軸外のロッキング動作を可能にするように構成されてもよい。ジョイント5は、三つの平面(xy、xz、yz)内の運動を提供する。いくつかの実施形態では、可動域は、たとえば、y-z平面およびx-z平面において、(いくつかの実施形態では、180度よりも大きい範囲も使用されてもよいが)0から180度であり、また、x-y平面において、0から360度であってもよい。
【0027】
図3Bおよび
図3Cに示されているように、ジョイント5の中でのボール12および凹部26の相互作用は、可動域を提供してもよい。凹部26またはボール12は、他方に対して移動または回転してもよい。
図3Bの実施形態では、ボール12は、本体部6の上の適切な場所に留まっており、一方、アダプター14の凹部26は、ボール12を受け入れ、アダプター14がボール12の周りを動くことを可能にする。
図3Bの構成を示す例示的な実施形態は、
図5から
図9A〜
図9DEを参照して説明されているものを含む。
図3Cの実施形態では、構成が逆にされている。凹部26は、本体部6の一部として組み込まれており、ボール12は、凹部26の中で移動し、所望の可動域を提供する。
図3Cの構成を示す例示的な実施形態は、
図10A〜
図10Fから
図11A〜
図11Bを参照して説明されているものを含む。
【0028】
また、さまざまな例示的な実施形態では、ホルダー3は、ボール12の動作から独立して、軸線の周りに回転するように構成されてもよい。たとえば、ホルダー3は、軸線の周りに回転してもよく、その軸線に沿って、ホルダー3がボール12に接続されており、たとえば、ホルダー3は、
図9A〜
図9Eに関してさらに説明されている
管状支持部25の軸線の周りに回転してもよい。ジョイント5は、ホルダー3をボール12に連結するシャフトの回転、または、シャフトに対するホルダー3の回転を可能にすることによって、この追加的な回転動作を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、ボール12から独立した追加的な回転は、本体部6の上側部分に対する、ユニットとしてのジョイント5の回転によって、または、ジョイント5が接続されている本体部6の上側部分の回転によって、有効になってもよい。360度の自由回転が提供されてもよく、または、回転は、ジョイント5の一つ以上のコンポーネントの特定の構成に起因して、より制限されてもよい。
【0029】
図4A〜
図4Eは、スタンド10が適応するように構成され得る内視鏡の配置の例示的な範囲を示している。スタンド10は、
図4A〜
図4Cに示されているように、鉛直方向の位置または軸外の位置に、内視鏡2を保持可能であってもよく、または、
図4Dに示されているように、水平位置に、または、それらの間の任意の適切な角度で、内視鏡2を保持してもよい。
図4Eは、x-z平面に沿って、おおよそ180度の例示的な可動域を示している。また、いくつかの実施形態では、スタンド10は、一つ以上の方向または軸線において、ユーザーが可動域を調節することを可能にすることができる。したがって、医師の要求を満たすために、スタンド10の例示的な実施形態は、ユーザーが、スタンド10の上の内視鏡2およびホルダー3の配置を複数の方式で調節することを可能にするように設計されてもよい。
【0030】
医師は、従来から、内視鏡を保持および動作させるときに、自由な可動域を経験し、医師は、その動作を達成するときに高いレベルの抵抗を経験しない。上述のように、内視鏡を操作することは、手首を曲げること、または、他のより小さい筋肉群を使用することだけを伴う可能性がある。したがって、スタンド10の例示的な実施形態は、ユーザーによるスタンド10の上での内視鏡2の動作に対する抵抗をほとんど提供しないか、または、抵抗を事実上まったく提供しないように構成されてもよい。随意的に、いくつかの実施形態では、抵抗は増加させられてもよい。また、いくつかの実施形態は、たとえば、使用される内視鏡のタイプ、実施されている処置のタイプ、処置の段階、または、特定の医師の好みに応じて、医師が、所望のとおりに抵抗を増加または減少させることを可能にするように設計されてもよい。
【0031】
医師は、処置中に、内視鏡を自由に動かす能力を望む可能性があるが、また、医師は、内視鏡から手を放すとき、内視鏡2がスタンド10の上に装着された位置から落下することも望まない可能性がある。医師の代わりに、処置中に内視鏡2の重量を支持するために、ホルダー3および/またはジョイント5は、ユーザーが内視鏡から手を放すとき、適切な場所に実質的に留まるように構成されてもよい。スタンド10の異なる実施形態は、スタンド10の上に装着されているときに内視鏡2を自由に動かす能力と、医師が内視鏡2を動かすことを止めたときに、内視鏡2を適切な位置に実質的に保つ能力とをバランスさせてもよい。以下で詳細に述べられるように、異なる実施形態が、これらの目標のうちの一つ以上を異なる方式で実現してもよい。
【0032】
さらに、スタンド10は、医師が内視鏡2を動かすことを止めると、適切な位置に自動的にロックすることができ、また、医師が再び内視鏡を動かすまで、適切な場所に留まることができる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、内視鏡を適切な位置に手動でロックすることもでき、たとえば、内視鏡が、アンロックされなければ移動しないようになっており、それは、内視鏡を通過するツールを操作するとき、患者の特定の領域を可視化するとき、切除または他の処置を実施するときなどに、内視鏡を使用中に適切な場所に維持する能力を提供してもよい。いくつかの実施形態では、
図19にも示されているように、スタンド10は、使用中に内視鏡の挿入チューブまたはライトガイドを保持し、巻き付け、または、結ぶための、一つ以上のフック45または突起部を含んでもよく、それは、さらに以下に説明されている。
【0033】
また、さらに詳細に以下に説明されることとなるように、ジョイント5およびスタンド10のさまざまな構成が企図されており、スタンド10の異なる要素が、恒久的に互いに取り付けられてもよく、または、スタンド10の要素は、取り外し可能に互いに取り付けられてもよく、たとえば、洗浄および/または殺菌を容易にする。たとえば、ホルダー3、および、ジョイント5のすべてまたは一部は、本体部6に取り外し可能に連結されてもよい。これは、ホルダー3およびジョイント5がオートクレーブまたは同様の機器の中にぴったり入ることを可能にし、使用と使用との間に殺菌を容易にすることができる。または、ホルダー3および/またはジョイント5は、使い捨て可能であり、一方、本体部6およびベース7は、再使用可能である。より嵩張る本体部6およびベース7は、使用と使用との間に拭くことができ、一方、より小さい(および、場合によっては、洗浄するのがより難しい)ホルダー3および/またはジョイント5の機構は、廃棄および交換されてもよい。
【0034】
図3Bおよび
図3Cに示されているように、ジョイント5は、ボールジョイントであり、内視鏡2は、装着されているときに、ボールジョイントの周りで動くことが可能である。さまざまな実施形態では、ジョイント5のボール12は、本体部6の一部として含まれてもよく(
図3B)、ホルダー3の一部として含まれてもく、または、本体部6およびホルダー3から分離していてもよい。ボール12が本体部6またはホルダー3の一部である実施形態では、ジョイント5のすべてが、本体部6もしくはホルダー3のいずれかの一部として、完全に事前組み立て式であってもよく、または、ジョイント5は、本体部6とホルダー3との間で分割されてもよい。さらに以下に説明されているように、ジョイント5の設計は、スタンド10の異なる部分が互いに取り付けられること、および、互いから解放されることを可能にすることができる。
【0035】
図5に示されているように、ボール12は、本体部6の一部として形成されてもよい。
図6に示されている実施形態では、ホルダー3は、ボール12の上にぴったりはまるように構成されているアダプター14を含んでもよい。アダプター14は、凹部26を含み、凹部26は、ボール12の一部分をその中に緩くまたはしっかりと(たとえば、摩擦フィットまたはスナップフィット)受け入れるように大きさが決められおよび形づくられている。ボール12が凹部26の中に受け入れられ、アダプター14がボール12の上に配置されると、凹部26は、ボール12の周りで締め付けられ、ホルダー3を適切な場所に固定することができる。たとえば、
図6の実施形態では、アダプター14は、ホルダー3をボール12に取り付けるように構成されたねじ機構13を含む。アダプター14は、凹部26にスリットまたは開口部を含んでもよい。ボール12の上に設置されると、ねじ機構13のウィングナット15が回され、開口部の両側を互いに向けて引っ張ることが可能であり、アダプター14をボール12の上にクランプし、ボール12とアダプター14との間に締まり嵌めを生成させる。アダプター14およびホルダー3が、内視鏡2を適切な場所に保持し得ることを可能にするように、および、自由な可動域を提供するように、ウィングナット15は、十分に締め付けられるべきであるが、ボール12の周りで動くアダプター14の滑らかさが抑制されるほどにはきつく締め付けられるべきではない。
【0036】
代替的に、開口部またはスリットを含む代わりに、アダプター14または凹部26の壁部が、変形可能または圧縮可能であり、締め付けられるときに、ボール12の周りでのアダプター14の圧縮を実現してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、ウィングナット15が回転させられる回数は、ボール12の周りのアダプター14の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。たとえば、スタンド10は、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または、触覚的なインジケーターを含んでもよく、それは、スタンド10の抵抗を調節するために、ウィングナット15を締めるまたは緩めることによって実現される抵抗の量をユーザーに伝えてもよい。例示的なインジケーターは、締め付けに対する増加した抵抗、爪、スタンド10の一部分の上のマーキング(たとえば、ウィングナット15がその位置まで締め付けられるときに、特定のレベルの抵抗が実現されるということを示す、ゲージもしくは定規もしくはマーキング)、ボール12の上のリングもしくはマーキング、または、他の適切なインジケーターを含んでもよい。いくつかの実施形態では、インジケーターは、さまざまなレベルの抵抗がいつ実現されたかということをユーザーに伝えるために、交互に並んでいることが可能である。したがって、ユーザーは、たとえば、処置のためのセットアップをする間に、処置中に、または、処置と処置との間に、ウィングナット15を締めるかまたは緩めることによって、スタンド10の抵抗を調節してもよい。
【0038】
図7Aおよび
図7Bの実施形態では、ねじ機構13の代わりに、バックル17が、ボール12の周りにアダプター14をクランプするために使用されている。凹部26の開口部の一方の側部が、フック18を含み、他方の側部が、係合部分20を含む。バックル17のピン19が、フック18の中に配置されており、バックル17が、係合部分20に隣接している。アダプター14をボール12の上に配置するときに、バックル17が、開いた構成に維持される。次いで、適切な場所にあるときに、バックル17が、クランプして閉められ、フック18に対してピン19を引っ張り、凹部26の開口部の二つの側部を互いに向けて引っ張り、アダプター14をボール12の周りにクランプする。繰り返しになるが、ホルダー3が、内視鏡2を適切な場所に保持し得ることを可能にするように、および、自由な可動域を提供するように、バックル17は、アダプター14をボール12の周りに十分にきつくクランプするべきであるが、ボール12の周りで動くアダプター14の滑らかさが抑制されるほどにはきつくクランプするべきではない。
【0039】
代替的に、凹部26に開口部またはスリットを含む代わりに、締め付けられるときに、ボール12の周りでのアダプター14の圧縮を実現するように、アダプター14または凹部26の壁部が、変形可能または圧縮可能であってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、アダプター14は、複数の係合部分20または複数のフック18を含んでもよく、また、ピン19またはバックル17が凹部26を閉じた構成に移行させるために、係合部分20またはフック18が使用されるということは、ボール12の周りでのアダプター14の締め付けに影響を与え、結果的に、ボール12の周りでのアダプター14の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。いくつかの実施形態では、スタンド10は、上述のように、一つ以上のインジケーターを含んでもよく、一つ以上のインジケーターは、それぞれの係合部分20またはフック18を使用することによって、どの程度のレベルの抵抗が実現されているかということを、ユーザーに伝える。
【0041】
図8A〜
図8Cの実施形態では、アダプター14は、ロッキングナット22を使用して、ボール12の上にクランプされてもよい。上述のアダプター14と同様に、
図8A〜
図8Cのアダプター14は、凹部26に一つ以上のスリットまたは開口部を含み、凹部26は、ボール12を受け入れる。アダプター14をボール12の周りで締め付けるために、ロッキングナット22は、アダプター14の上に押し下げられてもよい。
図8Bは、アダプター14の凹部26がボール12の上で適切な場所に固定されているときの、ロッキングナット22を伴うホルダー3の断面図を示している。アダプター14をボール12の上にぴったりとはめるときに、ロッキングナット22は、上向きにスライドさせられてもよく、ボール12を受け入れるアダプター14の凹部部分と重なり合うことが少なくなるようになっていてもよい。アダプター14がボール12の上で適切な場所にあるときに、ユーザーは、ロッキングナット22を凹部部分の上に押し下げてもよい。ロッキングナット22の内径は、アダプター14が圧縮されていないときに、ボール12の周りのアダプター14の外径よりも小さくなっていてもよい。したがって、ロッキングナット22がアダプター14の上を下向きに移動させられるときに、アダプター14の開口部は、一緒に圧縮され、アダプター14および凹部26をボール12に固定する。
【0042】
ロッキングナット22は、アダプター14の上で下へスライドさせられてもよく、または、アダプター14の上で下へねじ込まれてもよい。たとえば、
図8Bおよび
図8Cに示されている実施形態では、アダプター14は、ねじ山24を含み、ねじ山24の上を、ロッキングナット22の一部分が通過させられなければならない。いくつかの実施形態では、ロッキングナット22は、一つ以上の対応する突出部を含んでもよく、一つ以上の対応する突出部は、ロッキングナット22がねじ山24およびアダプター14の上を下向きに押し込まれるときに、ねじ山24に係合するように構成されている。他の実施形態では、ロッキングナット22は、相補的なねじ山を含んでもよく、ロッキングナット22がアダプター14の上で適切な場所にねじ込まれるようになっている。
【0043】
代替的に、開口部またはスリットを含む代わりに、締め付け中にボール12の周りでのアダプター14の圧縮を実現するように、アダプター14の凹部26、または、凹部26の壁部が、変形可能または圧縮可能であってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、ロッキングナット22がアダプター14の上を下向きに押し込まれる程度は、ボール12の周りのアダプター14の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。追加的にまたは代替的に、ユーザーは、ロッキングナット22を移動させることによって、スタンド10の抵抗を調節してもよい。スタンド10は、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または、触覚的なインジケーターを含んでもよく、それは、ロッキングナット22を特定の位置まで移動させることによって実現される抵抗の量をユーザーに伝えてもよい。例示的なインジケーターは、締め付けに対する増加した抵抗、爪、スタンド10の一部分の上のマーキング(たとえば、ロッキングナット22がその位置まで締め付けられるときに、特定のレベルの抵抗が実現されるということを示す、ゲージもしくは定規もしくはマーキング)、または、他の適切なインジケーターを含んでもよい。いくつかの実施形態では、表示は、別のレベルの抵抗がいつ実現されたかということをユーザーに伝えるために、交互に並んでいてもよい。
【0045】
図9A〜
図9Eの実施形態では、ロッキングナット22の代わりに、ホルダー3の
管状支持部25は、アダプター14を受け入れるように、および、受け入れられたときにアダプター14に圧迫を加えるように構成されてもよい。アダプター14は、ホルダー3から分離していてもよく(
図9A)、また、ボール12の上に配置されてもよい(
図9B)。アダプター14の凹部26が適切な場所にあるとき、
図8A〜
図8Cの実施形態を参照して上述されているように、ホルダー3の
管状支持部25が、次いで、アダプター14の上に配置され、アダプター14および凹部26を圧縮し、アダプター14をボール12に固定する(
図9C)ことが可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、アダプター14は、ホルダー3から分離していなくてもよく、その代わりに、
管状支持部25の中で可動に連結されてもよい。たとえば、アダプター14は、ホルダー3が固定されていない位置にあるときに、ボール12の上に配置されてもよく、固定されていない位置では、アダプター14は、
管状支持部25からさらに外へ延在している。アダプター14をボール12に固定するために、ユーザーは、次いで、ホルダー3をボール12に向けて押し下げ、アダプター14を、さらに
管状支持部25の内側へ、固定された位置へ押し込む。たとえば、
管状支持部25の内表面は、アダプター14の一つ以上のフランジ23に係合するように構成されている突出部21を含んでもよい。固定されていない位置(
図9D)において、突出部21は、フランジ23と23'との間に存在していてもよい。ユーザーが、アダプター14の凹部26をボール12に固定するのに十分な力をホルダー3に付与するときに、フランジ23'は、固定される位置(
図9E)へ突出部21を超えて上向きに押し込まれてもよい。アダプター14をボール12に固定し、および/または、異なるレベルの圧迫をアダプター14に加えるために、追加的に、フランジ23、23'および突出部21は、
図9Bおよび
図9Aの分離された実施形態において使用されてもよい。同様の機能を提供するために、フランジおよび突出部に加えて、または、フランジおよび突出部の代わりに、異なる機構が使用され得るということを当業者は認識することとなる。
【0047】
いくつかの実施形態では、
管状支持部25は、複数の突出部21を含んでもよく、ユーザーは、ホルダー3を押すことによって、または、ホルダー3を引っ張ることによって、アダプター14によってボール12に加えられる圧迫を増加または減少させることができ、フランジ23'が、より多くのまたはより少ない突出部21の超えて押し込まれるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、アダプター14は、追加的なフランジ23を含んでもよく、追加的なフランジ23は、また、突出部21を通過し、追加的な締め付けを実現してもよい。いくつかの実施形態では、
管状支持部25がアダプター14の上を下向きに押し込まれる程度は、ボール12の周りのアダプター14の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。追加的にまたは代替的に、ユーザーは、
管状支持部25を移動させることによって、スタンド10の抵抗を調節してもよい。スタンド10は、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または、触覚的なインジケーターを含んでもよく、それは、
管状支持部25を特定の位置まで移動させることによって実現される抵抗の量をユーザーに伝えてもよい。例示的なインジケーターは、締め付けに対する増加した抵抗、爪、スタンド10の一部分の上のマーキング(たとえば、
管状支持部25その位置まで移動させられるときに、特定のレベルの抵抗が実現されるということを示す、ゲージもしくは定規もしくはマーキング)、または、他の適切なインジケーターを含んでもよい。いくつかの実施形態では、表示は、別のレベルの抵抗がいつ実現されたかということをユーザーに伝えるために、交互に並んでいてもよい。
【0048】
図10Aおよび
図10Bの実施形態では、本体部6は、ボール12を含まない。その代わりに、本体部6は、凹部26を含み、凹部26は、ボール12の一部分を受け入れるように構成されており、ボール12は、ホルダー3の一部として含まれる。ホルダー3は、シャフトに取り付けられており、
図10Bに示されているように、シャフトは、ボール12から突き出しており、また、上述されている
図8A〜
図8Cの実施形態と同様に、
図10Bの実施形態は、ボール12およびホルダー3を本体部6の上に固定するためのナットアダプター27を含む。ホルダー3のボール12は、本体部6の凹部26の中に配置されている。ホルダー3を本体部6に取り付けてボール12を適切な場所に固定して圧迫するために、適切な場所にあるときに、ナットアダプター27が本体部6の周りに固定されてもよい。
【0049】
例示的な実施形態では、本体部6は、ねじ山28を含み、ねじ山28によって、ナットアダプター27の一部分が接続される。いくつかの実施形態では、ナットアダプター27は、一つ以上の対応する突出部を含んでもよく、一つ以上の対応する突出部は、ナットアダプター27がねじ山28および本体部6の上を下向きに押し込まれるときに、ねじ山28に係合するように構成されている。他の実施形態では、ナットアダプター27は、相補的なねじ山を含んでもよく、相補的なねじ山は、内表面の上に配置されており、ナットアダプター27が本体部6の上で適切な場所にねじ込まれるようになっている。さらなる他の実施形態では、ナットアダプター27は、本体部6を適切な場所にスナップフィットさせるか、摩擦フィットさせるか、バックル係合させるか、ラッチ係合させるか、ロックさせるか、または、そうでなければ、固定してもよい。
【0050】
図10C〜
図10Fの実施形態では、ねじ山28の代わりに、本体部6は、一つ以上の半径方向のピンを含む。ナットアダプター27は、
図10Fに示されているように、一つ以上の適合しているL字形状のスロットを含み、ピンおよびスロットは、互いに嵌合し、本体部6の上にホルダー3を装着する。ボール12が凹部26の中に配置されているときに、ピンは、L字形状のスロットの鉛直部分に位置合わせされており、次いで、ナットアダプター27は、ベース6の周りで捩じられ、ピンが、スロットの水平部分を横切ってロック位置へスライドするようになっている。
図10Dおよび
図10Eは、アンロック位置およびロック位置をそれぞれ示している。
【0051】
図10Aおよび
図10Bならびに
図10C〜
図10Fの実施形態では、ボール12は、ボール12の抵抗が一定になるようにホルダー3に含まれてもよく、ホルダー3は、単に、本体部6に取り付けられる。代替的に、ホルダー3をスタンド6に固定することは、締め付けのときに、ボール12の抵抗を増加させてもよい。たとえば、ナットアダプター27の上側部分は、ナットアダプター27の残りの部分よりも小さい内径を有してもよく、また、ナットアダプター27が本体部6の上で適切な場所に締め付けられるときに、ボール12は、より小さい直径を有するナットアダプター27の部分に向けて押し込まれてもよい。いくつかの実施形態では、ナットアダプター27が本体部6の上に締め付けられる程度は、ボール12の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。追加的にまたは代替的に、ユーザーは、ナットアダプター27を移動させることによって、スタンド10の抵抗を調節してもよい。スタンド10は、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または、触覚的なインジケーターを含んでもよく、それは、ロッキングナット22を参照して上述されているように、ナットアダプター27を特定の位置まで移動させることによって実現される抵抗の量をユーザーに伝えてもよい。
【0052】
図10C〜
図10Fの実施形態では、ナットアダプター27は、一定の抵抗の量を提供するように設計されてもよく、または、L字形状のスロットは、調節可能な抵抗を提供してもよい。たとえば、スロットは、傾斜部または同様の構成を含んでもよく、それは、ナットアダプター27がベース6に対してさらに捩じられるときに、より大きい抵抗を提供する。追加的に捩じることは、より大きい圧迫がボール12に加えられることを引き起こし、ボール12とナットアダプター27との間により大きい干渉を生成させてもよい。いくつかの実施形態では、傾斜部は、一つ以上の段を含んでもよい。たとえば、傾斜部の第1段は、最も低い抵抗を提供してもよく、それぞれの追加的な段が、より高い抵抗を提供してもよい。上述のように、ナットアダプター27が所与の位置まで捩じられているときに、どれくらいの大きさの抵抗が付与されているかということに関して、(たとえば、触覚的にまたは聴覚的に)フィードバックをユーザーに提供するために、スタンド10は、一つ以上のインジケーターを含んでもよい。
【0053】
図11Aおよび
図11Bの実施形態は、分離したコネクター16を含む
図10A〜
図10Fの実施形態の異なる変形例を示している。コネクター16は、本体部6とナットアダプター17との間に配置されており、本体部6とナットアダプター27との間で、取り外し可能なインターフェースとしての役割を果たすことが可能である。
図11Aおよび
図11Bでは、ボール12は、ホルダー3の一部として含まれている。凹部26を含む分離したコネクター16が、本体部6の上部に取り外し可能にぴったりとはめられている。コネクター16が本体部6の上で適切な場所にぴったりとはめられているときに(たとえば、スナップフィット、スクリューフィット、または摩擦フィット)、ボール12は、凹部26の中へはめ込まれ、ナットアダプター27は、コネクター16の上に配置され、ナットアダプター27の内表面が、コネクター16の外表面に係合するようになっている。
図10A〜
図10Fと同様に、コネクター16の外表面は、ねじ山28を含み、ねじ山28の上を、ナットアダプター27の内表面の一部分が、本体部6に接続されている。いくつかの実施形態では、ナットアダプター27の内表面は、一つ以上の対応する突出部を含んでもよく、一つ以上の対応する突出部は、ナットアダプター27がねじ山28および本体部6の上を下向きに押し込まれるときに、コネクター16のねじ山28に係合するように構成されている。他の実施形態では、ナットアダプター27の内表面は、相補的なねじ山を含んでもよく、相補的なねじ山は、ナットアダプター27が、コネクター16およびしたがって本体部6の上で適切な場所にねじ込まれるようになっている。さらなる他の実施形態では、ナットアダプター27は、コネクター16および/または本体部6の適切な場所にスナップフィットさせるか、摩擦フィットさせるか、バックル係合させるか、ラッチ係合させるか、ロックさせるか、または、そうでなければ、固定してもよい。ナットアダプター27がコネクター16の上で適切な場所に接続されているときに、ボール12は、
図11Bに示されているように、凹部26の中に押し込まれ、ホルダー3は、本体部6に接続される。他の実施形態では、コネクター16は、本体部6の上側中空部分の内側にぴったりとはまり、凹部26の中にボール12を受け入れてもよく、ナットアダプター27は、コネクター16というよりも本体部6に接触し、ホルダー3を本体部6に取り付けてもよい。
【0054】
分離したコネクター16を含むことによって、
図11Aおよび
図11Bの実施形態は、使用と使用との間で、スタンド10の洗浄を容易にすることができる。たとえば、本体部6およびベース7が再使用可能である場合には、コネクター16は、使用中に汚れる可能性がより高いであろう本体部6の上側部分を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、本体部6の代わりにコネクター16の上にねじ山28を組み込むことは、本体部6を洗浄しやすくする可能性がある。コネクター16は、きれいに拭いて消毒することがより容易な滑らかな表面を有する本体部6の中実部分に取り付けてもよい。本体部6が中空である実施形態では、コネクター16は、また、ホルダー3に接続および/または接続を解除するときに、破片が本体部6の内側に入ることを抑制する可能性があり、繰り返しになるが、本体部6を洗浄しやすくする。コネクター16および/またはホルダー3は、処置と処置との間に取り外されて殺菌されてもよく、または、それらは、使い捨てであってもよい。
【0055】
図12A〜
図12Cの実施形態では、ボール12は、変形可能なカフ33の中に受け入れられている。カフ33は、たとえば、ナイロン、プラスチック、または、薄い可撓性の金属を含む、適切な変形可能な材料から形成されてもよい。ボール12は、カフ33の中に着座させられるときに、
図12Cの中でボール12の下方に示されている摩擦パッド29を圧迫してもよい。摩擦パッド29は、たとえば、ゴム、プラスチック、フォーム、シリコーン、布、または、他の適切な材料から形成された、任意の適切なサイズまたは厚さの圧縮可能なパッドであってもよい。スプリング36が、摩擦パッド29の下方に向けられて、摩擦パッド29に上向きの圧縮力を及ぼしてもよい。
【0056】
ナットアダプター27がねじ山28の上に締め付けられるときに(上述されている
図11Aおよび
図11Bと同様に)、ナットアダプター27の内径は、カフ33に圧迫力を付与し、カフ33がボール12に向けて内向きに変形することを引き起こし、(
図10Aおよび
図10Bを参照して説明されているものと同様に)ボール12に及ぼされる圧力を増加させてもよい。ナットアダプター27が締め付けられるときに、ボール12およびカフ33は、本体部6に向けて押し下げられ、摩擦パッド29に向けてボール12を押し、また、スプリング36に向けて摩擦パッド29を押すことが可能である。摩擦パッド29がスプリング36をさらに押すときに、スプリング36は、摩擦パッド29の上に、増加する圧縮力を上向きに付与する。したがって、ナットアダプター27が締め付けられるときに、追加的な力が、ボール12の上に及ぼされてもよく、ボール12の動作に対する抵抗が増加させられてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザーは、ナットアダプター27を移動させることによって、スタンド10の抵抗を調節してもよい。スタンド10は、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または、触覚的なインジケーターを含んでもよく、それは、ナットアダプター27およびロッキングナット22を参照して上述されているように、ナットアダプター27を特定の位置まで移動させることによって実現される抵抗の量をユーザーに伝えてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、ボール12、ナットアダプター27、カフ33、摩擦パッド29、およびスプリング36は、ホルダー3の一部であるユニットとして組み込まれてもよい。スプリング36がその中に含まれている部分は、スタンド6の上側部分にはめ込んでもよく、ナットアダプター27は、スタンド6の外表面と相互作用してもよい。他の実施形態では、スプリング36、摩擦パッド29、カフ33、および/またはナットアダプター27のうちの一つ以上は、スタンド6の一部であってもよく、ボール12は、ホルダー3の一部であってもよい。ホルダー3に組み込まれている部分は、使い捨てであってもよく、または、殺菌されてもよく、たとえば、オートクレーブに耐えるのに適切な材料から形成されてもよい。
【0058】
図13Aおよび
図13Bの実施形態、ならびに、
図13Cおよび
図13Dの実施形態では、ジョイント5は、事前に組み立てられ、ホルダー3の一部として完全に含まれている。凹部部分26およびボール12の両方が、ホルダー3に含まれている。
図13Aの例示的な実施形態では、本体部6は、ホルダー3のジョイント5を本体部6の上に取り付けるために、ねじ山28を含む。いくつかの実施形態では、ナットアダプター27またはジョイント5の内表面は、一つ以上の対応する突出部を含んでもよく、一つ以上の対応する突出部は、事前組み立て式のジョイント5がねじ山28および本体部6の上を下向きに押し込まれるときに、ねじ山28に係合するように構成されている。他の実施形態では、ナットアダプター27またはジョイント5は、相補的なねじ山を含んでもよく、事前組み立て式のジョイント5が本体部6の上で適切な場所にねじ込まれるようになっている。
図13Cおよび
図13Dの実施形態では、本体部6は、一つ以上の溝部を含み、一つ以上の溝部は、事前組み立て式のジョイント5が本体部6の上の位置へ移動させられるときに、ナットアダプター27またはジョイント5の内表面の上に配置された一つ以上の対応する突出部に嵌合するように構成されている。代替的に、本体部6は、一つ以上の突出部を含んでもよく、事前組み立て式のジョイント5は、一つ以上の対応する溝部、または、その組み合わせを含んでもよい。代替的に、
図10Aおよび
図10Bを参照して説明されているように、ジョイント5を伴うホルダー3が、スナップフィット、摩擦フィット、バックル、ラッチ、ロック、または、任意の他の適切な様式を介して、本体部6に固定されてもよい。また、
図10Aおよび
図10Bを参照して説明されているように、ボール12の動作に対する抵抗は、事前組み立て式のジョイント5の中で、一定にされてもよく、または、可変であってもよい。
【0059】
ホルダー3の一部として一体化された、事前組み立て式のジョイントの別の実施形態が、
図14に示されている。調節可能なスライディングカラー38は、本体部6の上部部分の上にぴったりとはまり、先の実施形態を参照して上述されているように、それが本体部6に固定されるときに、圧迫力をボール12に付与する。カラー38は、ユーザーが、カラー38によってボール12に付与される圧迫力を調節し、ボール12の動作に対する抵抗を調節することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、ウィングナット15は、カラー38の開口部37を通して締め付けられてもよく、カラー38が本体部6のうちのほぼ全体の上を移動させられることを可能にし、ボール12に付与される圧迫力を調節し、結果として、抵抗を調節する。ウィングナット15は、カラー38が本体部6に対して上下に自由に動くことを可能にするように緩められてもよく、または、ウィングナット15が本体部6の下層部分と相互作用し、所与の抵抗でカラー38を適切な場所にロックするように、締め付けられてもよい。本体部6は、外表面の上に溝部、突出部、または開口部を含んでもよく、それは、ウィングナット15またはカラー38と相互作用するように構成され、ユーザーがカラー38を所与の位置に配置することを可能にする。いくつかの実施形態では、ジョイント5は、内側カラー38'をさらに含んでもよく、カラー38が内側カラー38'の上をスライドする。ウィングナット15は、本体部6の外側下層表面の代わりに、内側カラー38'の外表面の上の溝部または開口部と相互作用してもよい。そのような実施形態では、内側カラー38'は、たとえば、本体部6の上に、スクリューフィット、摩擦フィット、またはスナップフィットしてもよく、カラー38は、内側カラー38'に対してスライドし、ジョイント5の抵抗を調節してもよい。
【0060】
ウィングナット15の代わりに、スプリング作動式のボタンが、本体部6または内側カラー38'から突出してもよい。外側カラー38は、複数の開口部37を含んでもよく、ボタンは、カラー38が本体部6または内側カラー38'の上を自由にスライドすることを可能にするように押し込まれてもよい。それぞれの開口部37は、特定のレベルの抵抗に対応してもよく、所望のレベルの抵抗に対応する開口部は、ボタンの上に配置されてもよい。ボタンは、解放されてもよく、所望の開口部37を通って延在することを許容されてもよい。抵抗を調節するために、および/または、事前組み立て式のジョイント5を本体部6に取り付けるために、任意の他の適切な機構が使用されてもよい。
【0061】
または、いくつかの実施形態では、締め付けウィングナット15は、カラー38が適切な場所に留まっている間に、カラー38が、ボール12に付与する圧迫力の増加を生じさせてもよい。
図14の実施形態では、本体部6は、一つ以上の溝部を含み、一つ以上の溝部は、事前組み立て式のジョイント5が本体部6の上の位置へ移動させられるときに、カラー38の内表面の上に配置された一つ以上の対応する突出部に嵌合するように構成されている。代替的に、本体部6は、一つ以上の突出部を含んでもよく、事前組み立て式のジョイント5は、一つ以上の対応する溝部、または、その組み合わせを含んでもよい。ウィングナット15は、ユーザーが、これらの溝部の長さに沿ってカラー38を配置し、異なるレベルの抵抗を実現することを可能にすることができ、または、ウィングナット15は、カラー38が適切な場所に留まっている間に、ボール12に圧迫力を付与してもよい。
【0062】
図14に関連して説明されている実施形態では、ジョイント5の中でのボール12の動作に対する抵抗は、一定にされてもよく、または調節可能であってもよい。追加的に、スタンド10は、前述のように、一つ以上の視覚的なインジケーター、聴覚的なインジケーター、または触覚的なインジケーターを含んでもよい。本明細書で説明されている事前組み立て式のジョイントは、使い捨てであってもよく、または、殺菌されることができてもよく、たとえば、オートクレーブに耐えるのに適切な材料から形成されてもよい。
【0063】
上述のように、ボール12、および/または、ボール12の周りのアダプター14もしくは他のコンポーネントの締め付けは、スタンド10の動作に対する抵抗に影響を与えてもよい。また、スタンド10は、他の方式でも、動作に対する抵抗に影響を与えるように構成されてもよい。たとえば、ボール12は、一つ以上のコーティングを含んでもよく、たとえば、動作に対する抵抗を増加または減少させるように、または、ボール12および/もしくはアダプター14の運動も促進させるように構成されている、潤滑性のある、テクスチャー加工された、または滑らかなコーティングを含んでもよい。代替的にまたは追加的に、ボール12の表面の一部分、または、ボール12の一部分は、異なる材料から形成されてもよく、または、異なるテクスチャー加工(たとえば、溝部もしくはリッジ部)または異なる摩擦係数を有してもよい。いくつかの実施形態では、異なる表面構成および/またはコーティングは、アダプター14がボール12をよりしっかりと把持することを可能にすることができ、または、ボール12および/もしくはアダプター14の可動域を制限してもよく、または、スタンド10の上の内視鏡2を動かすときに、ジョイント5の位置決めに関する触覚的なフィードバックをユーザーに提供してもよい。また、ボール12は、リング、マーキング(たとえば、色)などのような、視覚的なインジケーターを含んでもよく、ボール12の可動域を示し、および/または、ユーザーが所与の方向にボール12の可動域の限界に近づいている状態を示す。
【0064】
いくつかの実施形態では、ボール12に接触するコンポーネント(たとえば、アダプター14、凹部26、ロッキングナット22、ナットアダプター27など)の表面積は、ジョイント5の動作に影響を与えるように形づくられまたは大きさが決められてもよい。たとえば、コンポーネント同士の間の接触面積を増加させることは、抵抗を増加させることが可能であり、または、コンポーネントは、リム部、リッジ部、またはトレッド部を含み、動作に影響を与えてもよい。いくつかの実施形態では、ボール12を受け入れるコンポーネント(たとえば、凹部26)の形状は、完全に円形でなくてもよく、たとえば、特定の方向により大きく、動作に抵抗してもよい。
【0065】
図15Aおよび
図15Bに示されているように、ボール12は、本体部6の近くのボール12の下側領域の上に配置された変更された表面31を含んでもよいが、変更された表面31は、任意の適切な形状またはサイズのものであってもよく、たとえば、変更された表面31の目的に応じて、ボール12の任意の部分の上に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、変更された表面31の複数の別個のエリアが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、変更された表面31は、ボール12にインターフェース接続するように構成されているアダプター14の凹部26の上に含まれてもよく、または、ボール12および凹部26の両方に含まれてもよい。
図15Aおよび
図15Bは、アダプター14およびロッキングナット22とともに使用するための実施形態を示しているが、変更された表面31は、3Bおよび3Cの実施形態に関連するものを含む、開示されているジョイント5の構成のいずれかとともに使用されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、
図15Cに示されているように、ボール12およびアダプター14は、インターフェース32を含んでもよく、インターフェース32は、ボール12とアダプター14との間にクッションを提供するように構成されており、アダプター14および/またはボール12の可動域に影響を与え、動作に対する抵抗を増加もしくは減少させ、または、アダプター14および/もしくはボール12の運動も促進させる。インターフェース32は、たとえば、ゴム、プラスチック、フォーム、シリコーン、布などの、任意の適切な材料から形成されてもよく、任意の適切な形状またはサイズのものであってもよい。たとえば、インターフェース32は、ボール12の一部分の周りのワッシャーもしくはリングとして、または、任意の適切なサイズまたは厚さのパッドとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の別個のインターフェース32が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース32は、ボール12およびアダプター14から分離していてもよく、ボール12とインターフェース接続するように構成されているアダプター14の内表面(たとえば、凹部26)の上に含まれてもよく、アダプター14とインターフェース接続するように構成されているボール12の外表面に含まれてもよく、または、ボール12およびアダプター14の両方に含まれてもよい。
図15Aおよび
図15Bは、ロッキングナット22およびアダプター14とともに使用するための実施形態を示しているが、インターフェース32は、3Bおよび3Cの実施形態に関連するものを含む、開示されているジョイント5の構成(たとえば、ナットアダプター27、カラー38、コネクター16など)のいずれかとともに使用されてもよい。
【0067】
上述のように、ジョイント5は、スタンド10の上の内視鏡2を動かすために、滑らかな可動域を提供するように構成されてもよいが、内視鏡2が医師によって保持または操作されていないときに、スタンド10は、医師が手を放した位置に内視鏡2を維持するように構成されている。挿入チューブおよび/またはケーブルは、内視鏡2が動かされるときに、一貫性がなくまたは相殺しにくい重心および重量配分を生成させる可能性がある。挿入チューブおよび/またはケーブルを含む、内視鏡2の重量は、ジョイント5の周りのモーメントを発生させる。したがって、変化する重量配分およびモーメントを補償するために、および、医師が手を放したときに、その位置に内視鏡2を維持するために、特定の力が、ジョイント5において必要とされる可能性がある。
【0068】
z軸(鉛直方向軸線)とスタンド10の上の内視鏡2の軸線との間の角度が増加させられるにしたがって、より高いモーメントが、ボール12の周りに生成される。内視鏡2がスタンド10の上で水平位置にあるときに、最大モーメントが生成される。水平位置では、内視鏡2によって発生させられるモーメントは、たとえば、おおよそ0.6ニュートンメートル(Nm)からおおよそ3Nmの範囲にあってもよい。ボール12に及ぼされる圧迫の必要レベルは、内視鏡2の重量、ボール12の中心から内視鏡2の質量の中心の距離、ボール12の直径、ならびに、ボール12、および、ボール12を受け入れるように構成されているスタンド10の一部分(たとえば、本体部6、ホルダー3、またはジョイント5)の摩擦係数の関数である。ボール12の直径、モーメントアーム、および係数摩擦は、スタンド10の設計に応じて変化し得るので、ボール12に付与される必要なクランプ力が変化することとなるということを当業者は認識することとなる。実用的な目的のために、いくつかの実施形態では、ボール12の直径は、おおよそ0.5インチからおおよそ3インチの範囲にあってもよい。
【0069】
これを図示するために、
図16は、内視鏡2がホルダー3の中に配置されている状態のスタンド10の例示的な実施形態を示している。重力のモーメント(「M」)は、等式M=(mg)×dによって表現され、ここで、「m」は、内視鏡2の質量であり、「g」は、内視鏡2に作用する重力であり(9.8m/s
2)、「d」は、ボール12の中心から内視鏡2の質量の中心への距離に等しい。質量に重力を掛けたものは、スタンド10の上の内視鏡2の重量に等しく、それは、この下向きの力を表す、
図16の中の矢印34によって指示されている。線35は、この例示的な実施形態における距離「d」を指示している。ジョイント5によって生成される動作に対する抵抗は、スタンド10の上に装着されているときに内視鏡2によって生成されるモーメントを補償するべきであり、ユーザーが内視鏡から手を放すときに、内視鏡が適切な場所に留まるようになっている。ボール12の圧迫力は、ボール12の半径、および、ボール12と凹部26との間の摩擦係数の関数である。上述のように、異なる実施形態は、任意の位置において内視鏡2によって生成される運動量を考慮するように、一定にされた抵抗を提供してもよく、または、ユーザーが抵抗のレベルを調節することを可能にしてもよい。
【0070】
したがって、ホルダー3のサイズおよび形状、ボール12に対するホルダー3の距離、ボール12の周りのアダプター14または他のコンポーネントの嵌合、ボール12の半径、ならびに、スタンド10のボール12および周辺のコンポーネントの摩擦係数が、内視鏡2のさまざまなサイズ、形状、および重量に適応し得るように、スタンド10の実施形態は設計されており、それらは、すべて、スタンド10によって許容される動作および回転の量に影響を与えてもよく、結果的に、スタンド10の上に支持されている間に内視鏡2が動くことができる異なる位置に影響を与えてもよい。
【0071】
前述のように、ジョイント5は、三つの平面(xy、xz、およびyz)内の運動を提供する。可動域は、y-z平面およびx-z平面において、おおよそ0から180度の間、または、それ以上の範囲にあり、x-y平面において、おおよそ0から360度の間、または、それ以下の範囲にあってもよい。
図17Aに示されている例示的な実施形態では、yz平面およびxz平面におけるスタンド10の可動域は、おおよそ0から140度の間にある。スタンド10の可動域は、スタンド10の上の内視鏡2の可動域を制限してもよいが、スタンド10は、いくつかの実施形態では、ボール12の可動域よりも大きい内視鏡2の可動域を可能にするように構成されてもよい。たとえば、
図17Bに示されているように、
管状支持部25は、内視鏡2がホルダー3の中に保持されている角度とは異なる角度で、ホルダー3をボール12に接続してもよい。換言すれば、ホルダー3は、ホルダー3が取り付けられているボール12から延在するシャフトに対して厳密に平行に内視鏡2を保持しなくてもよい。
管状支持部25の軸線と、内視鏡2がホルダー3の中にそれに沿って保持されている軸線との間の角度を調節することによって、スタンド10は、ボール12に関する可動域よりも大きいか、または、それよりも制限された、内視鏡2に関する可動域を提供してもよい。たとえば、角度を増加させることは、
図17Aに示されているボールシャフトよりも内視鏡2がさらに軸外に延在することを可能にすることができ、二つの軸線の間の角度を減少させることは、可動域を、ボール12の可動域とより一致するように持っていくことが可能である。
図17Aおよび
図17Bの実施形態では、
図17Cに示されているように、ボール12が180度よりも小さい可動域を提供するときでも、ユーザーは、依然として、内視鏡2を水平に配置することが可能である。
【0072】
また、スコープがホルダー3の内側に設置された後に、内視鏡2によって実現される可動域が、y-z平面および/もしくはx-z平面に沿って実質的に対称的になるように、スタンド10が設計されてもよく、または、スコープの使用中に(
図17Cおよび
図17Dに示されているように)、y-z平面および/またはx-z平面における可動域は、対称的でなくてもよい。
図17Cおよび
図17Dの例示的な実施形態では、スタンド10は、可動域が非対称的となるように設計されている。これは、
管状支持部25の軸線と、内視鏡2がホルダー3の中にそれに沿って保持されている軸線との間の角度に起因してもよく、または、別々の設計変更の結果、たとえば、所与の方向の運動に対する物理的な障壁または制限の結果であってもよい。
図17Cおよび
図17Dの実施形態に示されているように、スタンド10は、依然として、x-y平面において、おおよそ0から360度の間の可動域を可能にすることができるが、可動域は、y-z平面および/またはx-z平面において、対称的でなくてもよい。
【0073】
また、スタンド10は、ホルダー3の軸線の周りに追加的な軸線方向の運動を提供してもよく、それは、内視鏡2によって実現される可動域にも影響を与えてもよい。ホルダー3は、ボールジョイントの中のボール12の抵抗とは異なる抵抗で、ジョイント5に対して回転してもよい。この回転運動は、ボール12の回転、ボール12に対するボールシャフトの回転、ホルダー3に対するボールシャフトの回転、または、ボールシャフトに対するホルダー3の回転によって生成されてもよい。この軸線方向の運動は、自由回転(360度)であってもよく、または、より制限されてもよい。いくつかの実施形態では、この軸線方向における回転の抵抗は、他の平面におけるボール12の移動の抵抗とは異なってもよく、また、ボール12の移動から独立していてもよい。たとえば、解放されるときに内視鏡2を適切な場所に保持するために、ジョイント5の中のボール12の抵抗は、スタンド10の上の内視鏡2によって生成されるモーメントをオフセットするように、より高くなっていてもよいので、ジョイント5だけを使用して、より小さい手首の筋肉を動かすことによって、ユーザーが内視鏡2を自由に回転させることは、より困難である可能性がある。ホルダー3の軸線に沿ったこの追加的な回転は、ユーザーが、低減された抵抗で、手首の曲げによって、より容易に内視鏡2を配置することを可能にすることができる。
【0074】
上述されているこれらの設計の選択肢のそれぞれは、スタンド10の上の内視鏡2によって引き起こされるモーメントに影響を与えてもよく、したがって、ボール12に必要とされる動作に対する抵抗、および、結果として生じる圧迫力、または、ジョイント5によってボール12に付与される圧迫力の範囲に影響を与えてもよい。
【0075】
さらに、スタンド10の本体部6は、内視鏡2を支持するように設計されており、内視鏡2の快適な使用を容易にするように設計されており、使用と使用との間の容易な洗浄および消毒を容易にするように設計されている。これらの特徴のそれぞれは、より詳細に以下に説明されている。
【0076】
本体部6は、好ましくは、流線形の設計を有しており、スタンド10が、スタンド10の上の内視鏡2の動作、および、内視鏡2を操作する医師の移動を含む、スタンド10の周りの医療スタッフの移動を、可能な限り妨げないようになっている。また、本体部6は、調節可能な高さを有してもよく、座っているまたは立っているときの医師の高さ、患者の場所、使用されている内視鏡のサイズ、実施されている処置のタイプに適応するように、または、そうでなければ、内視鏡手術の快適な高さを実現するように、ユーザーが、スタンド10を配置することができるようになっている。たとえば、いくつかの実施形態では、スタンド10は、可能な限り低いおおよそ40cmの高さに調節可能であり、および、可能な限り高いおおよそ180cmの高さに、または、それよりも高く調節可能であってもよい。いくつかの実施形態では、スタンド10の高さは、おおよそ70cmから140cmの範囲で調節可能であってもよい。
【0077】
ほとんどのスタンドは、低い姿勢を維持しながら高さを調節するために、伸縮式のパーツを利用しているが、本体部6は、伸縮式のパーツを含まなくてもよく、または、より少ない伸縮式の部分もしくは同心円状の部分を含んでもよい。これは、本体部6およびスタンド10が、再使用可能であり、伸縮式の部品または同心円状の部品は、洗浄するのにより困難である可能性があるからである。再使用可能なスタンドは、処置と処置との間に洗浄のために再処理される必要があることとなり、一般的な伸縮式シャフトは、伸縮式の部品同士の間に隙間を有しており、それは、細菌を集積させる可能性がある。多くの場合、二つの伸縮式の部分を再処理および洗浄するための唯一の方式は、スタンドを完全に分解することとなる。部品が解体されるときでも、内側中空部分は、到達することが困難である可能性があり、分解されたときでも、これらの部品は、殺菌機器の伝統的なオートクレーブの中に入れるには大きすぎる可能性がある。追加的に、伸縮式の部分が互いのそばを通り過ぎるときに、ある汚れた部分が、不潔な物質および細菌を他の部分に移し、不潔な物質をスタンドの他の部分に広める可能性がある。
【0078】
本明細書で説明されている例示的な実施形態では、本体部6の表面は、より容易にアクセスおよび洗浄することができ、洗浄のために分解される必要がなくてもよい。
図18A〜
図18Hは、いくつかの例示的なスタンド10を示しており、それらは、流線形の外形および調節可能な高さを有しており、より少ない伸縮式の部分を含む。
図18A〜
図18Hの実施形態では、本体部6の高さは、ノブ40を使用して調節される。
図19に示されているように、ノブ40は、伸縮式の部分を含む本体部6の領域の上に配置されている。当技術分野で知られているように、ノブ40は、本体部6の伸縮式の部分を自由にするために回されてもよく、それが調節されることを可能にし、高さが調節されると、ノブ40は、伸縮式の部分を適切な場所に締め付けて保持するために回されてもよい。伸縮式になっている本体部6の部分を低減させることによって、処置と処置との間にスタンド10を洗浄することをより容易にすることができる。スタンド6の中心部分は、使用後に取り外されて、しっかりと拭くことができ、ノブ40が装着されている、より小さい中空のセクションは、より容易にアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、ノブ40の代わりに、スタンド10は、コレット42(
図20Aおよび
図20B)を含んでもよく、コレット42は、本体部6の高さを調節するために回されてもよい。ノブ40またはコレット42の機能を実現するために、任意の他の適切な機構も使用されてもよい。
【0079】
図21A〜
図21Cの実施形態では、スタンド10は、伝統的な伸縮式のスタンドにより近いように見えるかもしれないが、一つの中空のチューブ状の部分が別のチューブ状の部分をその中に受け入れるものの代わりに、本体部6は、ハーフチューブ44から形成されてもよく、ハーフチューブ44は、チューブ状の部分43をその中に受け入れるように構成されている。上述のように、および、当技術分野で知られているように、コレット42(または、ノブまたは他の適切な締め付け機構)を緩めると、チューブ状の部分43は、所望の高さまで上下に調節されてもよい。所望の高さが到達されると、コレット42は締め付けられ、スタンドを所望の高さにロックすることができる。スタンド10を洗浄するために、チューブ状の部分43が、引っ張り上げられ、コレット42およびハーフチューブ44との係合から外されてもよく、チューブ状の部分43の表面をしっかりと拭くことができる。標準的な伸縮式のスタンドを用いるときと異なり、ハーフチューブ44は、容易にしっかりと拭くことができ、長く狭いチューブの内側を洗浄する困難性を排除する。また、コレット42は、外表面および内表面をしっかりと拭くことができ、それは、繰り返しになるが、内表面の長さが短いことに起因して、より容易に手が届く。この実施形態ではハーフチューブが説明されているが、開いた長方形形状または正方形形状を含む、他の開いた構成、平坦なロッド、または、半分以下もしくは半分以上の構造体が、本体部6を形成するために使用されてもよいことが企図される。
【0080】
洗浄を容易にするために、本体部6の表面は、比較的に滑らかであってもよく、バイオフィルムおよび細菌が集積する可能性がある、溝部、割れ目、隙間、または領域を、より少なく含んでもよい。本体部6の形状および仕上げは、使用後にしっかりと拭くことを容易にする可能性がある。追加的に、本体部6は、抗菌性コーティング、粉末コーティング、または、磨き仕上げもしくはコーティングを含み、洗浄を容易にし、または、細菌もしくはバイオフィルムの集積を抑制することができる。
【0081】
本体部6は、軽量であるが頑丈な材料から形成されてもよく、処置と処置との間に、または、処置中に、スタンド10の運搬を容易にするようになっている。例示的な材料は、金属(たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、もしくはマグネシウム、または、それらの組み合わせまたは合金)、および/または、頑丈なプラスチック、または、他の適切な材料を含む。本体部6は、任意の適切な様式で、たとえば、溶接により(
図22A〜
図22Cに示されているように)、または、スナップフィット、摩擦フィット、スクリューフィット、バックル、バヨネット、ラッチ、ロック、または、そうでなければ、固定接続によって、ベース7に取り付けられてもよい。代替的に、本体部6は、一つのピースとして、ベース7と一体化されてもよい。
【0082】
本体部6と同様に、ベース7は、好ましくは、流線形の設計を有しており、スタンド10は、医療スタッフの移動および/または運搬を、可能な限り妨げないようになっている。例示的な実施形態では、ベース7の設置面積は、長さが約20から40cmの範囲にあり、幅が約20から40cmの範囲にあってもよい。ベース7の厚さは、約0.5から10cmの範囲にあり、または、5cmから20cmの範囲にあってもよい。
【0083】
ベース7は、スタンド10に取り付けられているときに、ケーブルおよび挿入チューブを含む、内視鏡2の重量およびモーメントに適応して支持するように形づくられて重量が付与される。医師が、内視鏡2と相互作用し、スタンド10および/または内視鏡2に力を使用中に付与するときに、スタンド10は安定しているべきである。
図23A〜
図23Lの実施形態は、ベース7の例示的な設置面積を示しており、それは、医師の邪魔にならないようにしながら、スタンド10の安定性を増加させるように設計されている。示されているものなどの三角形の変形例は、より大きい安定性を提供することができるが、他の形状および/または変形例も使用され得るということが想定される。たとえば、正方形形状のベース7が、
図24Aおよび
図24Bに示されている。
【0084】
図23B、
図23D、
図23F、
図23H、
図23J、および
図23Lに示されているように、いくつかの実施形態では、ベース7は、地面の上に平坦に置かなくてもよい。その代わりに、ベース7の底部は、たとえば、倒れることに抵抗するように、および、内視鏡2または挿入チューブもしくはケーブルの動作に適応するように、角度を付けられてもよい。たとえば、ベース7の前部および/または後部は、下向きに角度を付けられてもよい。他の実施形態では、ベース7は、地面の上に平坦に置いてもよい。
図24Bの例示的な実施形態では、ベース7は、ベース7の底面から突出する一つまたはそれ以上の脚部48を含んでもよい。脚部48は、使用中に、追加的な安定性を提供してもよく、および/または、ベース7が滑ることを抑制してもよい。また、この目的のために、ベース7は、滑り、捻転、または他の移動を抑制するために、コーティングまたは滑り止め表面を含んでもよい。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態では、ベース7の重量は、約3kgから15kgの範囲にあってもよく、いくつかの実施形態では、約6kgから12kgの範囲にあってもよい。この重量は、ベース7の周りに均等に分配されてもよく、または、安定性を促進させるために、特定の場所に集中させられてもよい。
【0086】
また、例示的な図に示されているように、スタンド10の使用と使用との間または使用中の運搬を容易にするために、ベース7は、一つ以上のローラー47を含んでもよい。ローラー47は、ベース7に固定して連結されてもよく、または、ベース7に可動に連結されてもよく、たとえば、使用していないときに、床から離れるように持ち上げられてもよい。いくつかの実施形態では、スタンド10が偶発的に転がることを防止するために、ローラー47は、使用していないときにロックしてもよい。
【0087】
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、本開示の真の要旨および範囲の中に入る本開示のすべてのそのような特徴および利点をカバーすることが、添付の特許請求の範囲によって意図されている。さらに、多数の修正例および変形例を容易に当業者が想到することとなるので、図示および説明されている厳密な構造および動作に本開示を限定することは望まれておらず、したがって、すべての適切な修正例および均等物が、本開示の範囲内に入るように求められ得る。
【0088】
そのうえ、当業者は、本開示が基づいている概念が、本開示のいくつかの目的を実施するための他の構造体、方法、およびシステムを設計するための基礎として、容易に使用され得るということを認識することとなる。したがって、特許請求の範囲は、前述の説明によって限定されるものとして考慮されるべきではない。