(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部から表面にかけて多数の細孔を有する炭素多孔体からなるコアと、該コアの表面の細孔のくぼみから外方へ延出した導電性高分子ナノロッドからなるシェル層と、を備え、
前記導電性高分子ナノロッドが、前記コアの細孔から隔離するに従って細くなっていることを特徴とするコアシェル複合体。
前記炭素多孔体はナノポーラスカーボンであり、該ナノポーラスカーボンの非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布解析によって得られた前記細孔の平均細孔径は、1.0nm以上、3.0nm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコアシェル複合体。
前記ナノポーラスカーボンは、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、前記細孔の細孔径が0.4nm以上、4.2nm以下の範囲にピークを有し、該ピークを中心とする半値幅が0.5nm以上、1.2nm以下である請求項4または5に記載のコアシェル複合体。
前記導電性高分子は、脂肪族共役系化合物、芳香族共役系化合物、複素環共役系化合物、含ヘテロ原子共役系化合物、複鎖型共役系化合物および混合型共役系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載のコアシェル複合体。
前記導電性高分子またはそのモノマーは、脂肪族共役系化合物、芳香族共役系化合物、複素環共役系化合物、含ヘテロ原子共役系化合物、複鎖型共役系化合物および混合型共役系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項15に記載のコアシェル複合体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のコアシェル複合体およびその製造方法、並びに、それを用いた電極材料、触媒、電極、二次電池および電気二重層キャパシタの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0030】
[コアシェル複合体]
図1は、本発明のコアシェル複合体の一実施形態の概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
本実施形態のコアシェル複合体10は、
図1(a)、(b)に示すように、内部から表面にかけて多数の細孔を有する炭素多孔体からなるコア11と、コア11の表面の細孔11aのくぼみから外方へ延出した導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12と、を備えている。
ここで、「多数の細孔」とは、炭素多孔体を単体で電気二重層キャパシタの電極材料に用いることができる程度の細孔を有するとの意味であり、限定するものではないが、例えば、窒素BET法(窒素を用いたBET法(Brunauer-Emmett-Tellerの方法:吸着等温線の解析から比表面積(単位重量あたりの表面積)を求める方法))により得られた比表面積で表現すれば、500m
2/g以上を示す程度の細孔を有することを意味する。
図1は、後述する方法で出発原料の金属有機構造体としてZIF−8を用いて作製したナノポーラスカーボンからなるコアと、その表面の細孔から外方へ延出したポリアニリンのナノロッドからなるシェル層とを備えたコアシェル複合体のSEM像及びTEM像に基づいて描いた模式図である。
【0031】
図1(b)に示すコアシェル複合体の例では、コア11を構成する炭素多孔体は結晶構造を持った多面体構造を有しており、また、導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12は炭素多孔体からなるコア11の表面の細孔11aを基端として外方へ延出し、細孔11aから離隔するに従って細くなる略円錐状をなしている。
【0032】
コア11を構成する炭素多孔体としては、ナノオーダーの細孔11aを有するものであれば、特に限定されないが、例えば、細孔径が2nm以上、50nm以下程度のメソポーラスカーボンや細孔径が1.0nm以上、3.0nm以下のナノポーラスカーボン等のポーラスカーボン、活性炭等が挙げられる。
【0033】
炭素多孔体としては、ナノポーラスカーボンであり、かつ、このナノポーラスカーボンの非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布解析によって得られた平均細孔径は、1.0nm以上、3.0nm以下であることが好ましく、1.3nm以上、2.4nm以下であることがより好ましい。
ナノポーラスカーボンの平均細孔径が上記の範囲内であれば、ナノポーラスカーボンの細孔(コア11の細孔11a)内に形成した導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12に、電解質イオンをより多くドープすることができる。したがって、コアシェル複合体10を電極材料に適用し、その電極材料を電気二重層キャパシタの電極に適用した場合、その静電容量を増大することができる。
【0034】
本実施形態におけるナノポーラスカーボンの平均細孔径は、後述するナノポーラスカーボンの細孔分布曲線と同時に測定することができる。
【0035】
本実施形態において、ナノポーラスカーボンの窒素BET法により得られた比表面積は、1000m
2/g以上であることが好ましく、1300m
2/g以上であることがより好ましく、1500m
2/g以上、2500m
2/g以下であることがさらに好ましい。
ナノポーラスカーボンの比表面積が上記の範囲内であれば、ナノポーラスカーボンの細孔(コア11の細孔11a)内に形成した導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12に、電解質イオンをより多くドープすることができる。したがって、コアシェル複合体10を電極材料に適用し、その電極材料を電気二重層キャパシタの電極に適用した場合、その静電容量を増大することができる。
【0036】
ナノポーラスカーボンとしては、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.4nm以上、4.2nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.5nm以上、1.2nm以下であるものが好ましい。また、ナノポーラスカーボンとしては、上記の細孔分布曲線において、細孔径が1.3nm以上、2.4nm以下の範囲にピークを有することがより好ましく、そのピークを中心とする半値幅が0.5nm以上、0.8nm以下であることがより好ましい。
ナノポーラスカーボンが、上記の細孔分布曲線において、細孔径が0.4nm以上、4.2nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.5nm以上、1.2nm以下を満たすことにより、ナノポーラスカーボンの細孔(コア11の細孔11a)内に形成した(又は細孔を基端として形成した)導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12に、電解質イオンをより多くドープすることができる。したがって、コアシェル複合体10を電極材料に適用し、その電極材料を電気二重層キャパシタの電極に適用した場合、その静電容量を増大することができる。
【0037】
本実施形態において、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により、ナノポーラスカーボンの細孔分布曲線を求める方法は、新しい評価方法として近年発達してきた。この新しい方法を用いることで、従来メソ孔とミクロ孔を分けて解析していたものを、単一の理論にて全領域の細孔分布の評価を可能にした(参考:http://www.microtrac-bel.com/tech/bel/seminar15.html(2016年1月21日情報))。
窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により、ナノポーラスカーボンの細孔分布曲線を求める装置としては、例えば、島津製作所社製の比表面積/細孔分布測定装置(商品名:ASAP2020)が挙げられる。
【0038】
ナノポーラスカーボンとしては、後述するように、金属有機構造体(Metal−Organic Framework:MOF)を出発原料とし、この金属有機構造体を焼成した後、フッ酸等で、その焼成体に含まれる金属を除去することによって得られたポーラスカーボンが好ましい。このようにして得られたナノポーラスカーボンは、上述のように細孔径がほぼ均一である。また、出発原料の金属有機構造体に含まれる金属の種類を選択することにより、所望の細孔径を有するナノポーラスカーボンを得ることができる。
金属有機構造体としては、ZIF−8、MIL−101、MOF−5、IRMOF−1、ZIF−67、MOF−177などを例示することができる。
図2に、出発原料の金属有機構造体としてZIF−8を用いて作製したナノポーラスカーボンの、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線の一例を示す。
【0039】
本実施形態のコアシェル複合体10では、ナノポーラスカーボンの細孔(コア11の細孔11a)内に形成され、シェル層12を構成する隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡み合っていないことが好ましい。すなわち、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が独立して延出していることが好ましい。
図1に模式的に示したが、導電性高分子ナノロッド
12aは、炭素多孔体からなるコア11の表面の細孔11aを基端として外方へ延出し、コア11の細孔11aから離隔するに従って細くなる円錐状をなしている。そのため、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡み合っていない。このように、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡まない構成とすることにより、導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12に電解質イオンをより多くドープすることができる。また、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡まない構成では、導電性高分子ナノロッド12aがナノポーラスカーボンの表面を覆わない、あるいは覆う面積が非常に小さいので、ナノポーラスカーボンだけの場合の表面に吸着する電解質イオンの量の低減がないか、非常に小さい。
ここで、導電性高分子ナノロッド12aがナノポーラスカーボンの表面を覆う面積が非常に小さいとは、特に限定されないが、導電性高分子ナノロッド12aがナノポーラスカーボンの表面を覆う面積率が1%〜10%であることが好ましい。
【0040】
また、シェル層12を構成する導電性高分子ナノロッド12aのコア11の表面の細孔11aから延出している長さが1nm以上、100nm以下であることが好ましく、10nm以上、30nm以下であることがより好ましい。導電性高分子ナノロッド12aの細孔から延出する長さは、導電性高分子ナノロッド12aの成長時間によって制御できる。
シェル層12を構成する導電性高分子ナノロッド12aのコア11の表面の細孔11aから延出している長さが1nm未満では、導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12による電解質イオンのドープ量増大効果が小さい。一方、シェル層12を構成する導電性高分子ナノロッド12aのコア11の表面の細孔11aから延出している長さが100nmを超えると、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡み合うことがある。
【0041】
シェル層12を構成する導電性高分子ナノロッド12aの材料である導電性高分子は、脂肪族共役系化合物、芳香族共役系化合物、複素環共役系化合物、含ヘテロ原子共役系化合物、複鎖型共役系化合物および混合型共役系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
脂肪族共役系化合物としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。芳香族共役系化合物としては、例えば、ポリ(p−フェニレン)等が挙げられる。複素環共役系化合物としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン等が挙げられる。含ヘテロ原子共役系化合物としては、例えば、ポリアニリン等が挙げられる。複鎖型共役系化合物としては、例えば、ポリアセン等が挙げられる。混合型共役系化合物としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)等が挙げられる。これらの化合物を混合して用いる場合、例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)が用いられる。
【0043】
本実施形態のコアシェル複合体10によれば、炭素多孔体からなるコア11と、コア11の表面の細孔11aから外方へ延出した導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12と、を備えているため、コア11の細孔11a内に形成した(又は細孔を基端として形成した)導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12に、電解質イオンをより多くドープすることができる。したがって、コアシェル複合体10を電極材料に適用し、その電極材料を電気二重層キャパシタの電極に適用した場合、その静電容量を増大することができる。
【0044】
特に、炭素多孔体として、上述のナノポーラスカーボンを用いた場合、以下のような効果が得られる。
炭素多孔体として、上述のナノポーラスカーボンを用いた場合、ナノポーラスカーボンの細孔(コア11の細孔11a)から外方へ延出したシェル層12は、均一な細孔径の細孔11aを核生成サイトとして成長する導電性高分子ナノロッド12aからなるため、核生成サイトとしての細孔がない場合に比べて、大きさ(直径や長さ)および形状がより均一な導電性高分子ナノロッド12aから形成される。
炭素多孔体として細孔径や密度が所定の範囲にあるナノポーラスカーボンを選択することにより、大きさ(直径や長さ)および形状がより均一な導電性高分子ナノロッド12aからなるシェル層12を形成することができる。
また、シェル層12を形成する導電性高分子ナノロッド12aは、炭素多孔体(コア11)の細孔を核生成サイトとして成長するため、炭素多孔体(コア11)の表面を自由に動き回ることができず、凝集し難い(凝集が抑制される)。すなわち、シェル層12を形成し、隣接する導電性高分子ナノロッド12a同士が絡み合わない構成にすることができる。導電性高分子ナノロッド12aが凝集しない場合、導電性高分子ナノロッド12aが凝集した場合よりもシェル層12の表面積が大きくなり、シェル層12に、有機電解液に含まれる電解質イオンをより多くドープすることができる。
【0045】
以上の説明では主に電気二重層キャパシタの電極材料の用途として説明してきたが、本実施形態のコアシェル複合体は従来、炭素材料を用いてきた部材の代わりに用いることができるので、その他の各種の蓄電デバイスの電極材料、触媒、有機EL等のディスプレイ、有機トランジスタ、プリンタブル回路などに広く用いることができる。
【0046】
[コアシェル複合体の製造方法]
本実施形態のコアシェル複合体の製造方法は、強酸、および、導電性高分子またはそのモノマーを含むアルコール溶液と、強酸と過硫酸アンモニウムを含む溶液とからなる混合溶液に、炭素多孔体を加え、前記炭素多孔体の表面に、前記導電性高分子またはそのモノマーからなるシェル層を形成するシェル層形成工程を有する。
より詳細には、本実施形態のコアシェル複合体の製造方法は、強酸とアルコールを含むアルコール溶液に、導電性高分子またはそのモノマーを溶解して、その導電性高分子またはそのモノマーを含む第1の溶液を調製する第1の溶液調整工程と、強酸に、過硫酸アンモニウムを溶解して、その過硫酸アンモニウムを含む第2の溶液を調製する第2の溶液調製工程と、第1の溶液と第2の溶液を含む混合溶液に、炭素多孔体を加え、炭素多孔体の表面に、導電性高分子またはそのモノマーからなるシェル層を形成するシェル層形成工程と、を有する。
【0047】
第1の溶液調整工程(以下、「工程A」と言う。)で用いるアルコール溶液は、強酸にアルコールを加え、これらを混合することにより調製される。
強酸としては、例えば、過塩素酸(HClO
4)、硫酸(H
2SO
4)、塩酸(HCl)等が用いられる。これらの中でも、再現性の観点から、過塩素酸が好ましい。
【0048】
アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール等が用いられる。
これらの中でも、再現性の観点から、エタノールが好ましい。
【0049】
工程Aにおいて、強酸とアルコールの混合比は、体積比で、10:1〜1:1であることが好ましい。
【0050】
このようなアルコール溶液に、上記の導電性高分子またはそのモノマーを加え、これらを混合して、アルコール溶液に、導電性高分子またはそのモノマーを溶解して、その導電性高分子またはそのモノマーを含む第1の溶液を調製する。
【0051】
導電性高分子としては、上記の導電性高分子を用いることが好ましい。
導電性高分子のモノマーとしては、上記の導電性高分子のモノマーを用いることが好ましい。
すなわち、導電性高分子のモノマーは、脂肪族共役系化合物、芳香族共役系化合物、複素環共役系化合物、含ヘテロ原子共役系化合物、複鎖型共役系化合物および混合型共役系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
脂肪族共役系化合物としては、例えば、アセチレン等が挙げられる。芳香族共役系化合物としては、例えば、p−フェニレン等が挙げられる。複素環共役系化合物としては、例えば、ピロール、チオフェン等が挙げられる。含ヘテロ原子共役系化合物としては、例えば、アニリン等が挙げられる。複鎖型共役系化合物としては、例えば、アセン等が挙げられる。混合型共役系化合物としては、例えば、p−フェニレンビニレン等が挙げられる。
【0053】
工程Aにおいて、上記のアルコール溶液と、導電性高分子またはそのモノマーとの混合比は、重量比で、50:1〜50:10であることが好ましい。
【0054】
アルコール溶液と、導電性高分子またはそのモノマーとを混合する際の温度は、この導電性高分子またはそのモノマーが重合しないようにするために、−20℃以上、0℃以下であることが好ましい。
また、アルコール溶液と、導電性高分子またはそのモノマーとを混合する時間は、5分以上、30分以下であることが好ましい。
【0055】
第2の溶液調整工程(以下、「工程B」と言う。)で用いる強酸としては、上述の工程Aで用いられる強酸と同様のものが用いられる。
【0056】
工程Bにおいて、強酸と過硫酸アンモニウム((NH
4)
2S
2O
8)の混合比は、重量比で、500:1〜500:50であることが好ましい。
【0057】
重合工程(以下、「工程C」と言う。)において、第1の溶液と第2の溶液の混合比は、体積比で、5:1〜5:10であることが好ましい。
【0058】
工程Cにおいて、第1の溶液と第2の溶液を含む混合溶液と、炭素多孔体との混合比は、重量比で、1:10〜1:2000であることが好ましい。
【0059】
工程Cにおいて、上記の混合溶液と、炭素多孔体とを撹拌し、炭素多孔体の表面に導電性高分子を付着させることにより、炭素多孔体の細孔から外方へ延出した導電性高分子ナノロッドからなるシェル層が形成される。また、工程Cにおいて、上記の混合溶液と、炭素多孔体とを撹拌し、導電性高分子のモノマーを重合することにより、コアとなる炭素多孔体の細孔を核生成サイトとして導電性高分子ナノロッドが成長し、炭素多孔体の細孔から外方へ延出した導電性高分子ナノロッドからなるシェル層が形成される。
【0060】
工程Cにおいて、導電性高分子のモノマーを重合する際の温度は、−20℃以上、0℃以下であることが好ましい。
また、工程Cにおいて、導電性高分子のモノマーを重合する時間は、1時間以上、10時間以下であることが好ましい。導電性高分子のモノマーを重合する時間、すなわち、導電性高分子ナノロッドを成長させる時間を調整することにより、導電性高分子ナノロッドの長さを制御することができる。
【0061】
以上の工程を経ることにより、上述の実施形態のコアシェル複合体10が得られる。
【0062】
得られたコアシェル複合体10は、蒸留水で洗浄して、上記の強酸、アルコール、過硫酸アンモニウム、未反応のモノマー等を除去することが好ましい。
【0063】
炭素多孔体としては、上述のナノポーラスカーボンを用いることが好ましい。このナノポーラスカーボンは、以下のようにして製造される。
【0064】
[ナノポーラスカーボンの製造方法]
ナノポーラスカーボンの製造方法は、金属イオンと有機配位子とが連結してなる金属有機構造体を熱処理して、有機配位子を炭化する炭化工程と、炭化した構造体から金属を除去する金属除去工程と、を有する。
【0065】
金属有機構造体としては、市販のものを用いてもよく、後述する製造方法により製造したものを用いてもよい。
【0066】
金属有機構造体を製造するには、金属酢酸塩および第1の複素環式芳香族化合物を含む水溶液に、第2の複素環式芳香族化合物を含むアルコール溶液を加えて、その溶液を撹拌、混合する。
【0067】
金属有機構造体の製造方法では、まず、金属塩および有機リンカーを含む溶液を調製する。
【0068】
金属塩としては、特に限定されないが、例えば、酢酸塩等の有機酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩等が挙げられる。これらの中でも、品質や性能の観点から酢酸塩が好ましい。これらの金属酢酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、金属イオンとしてはアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。所望の細孔の大きさ等を考慮して金属イオンの種類を選択する。また、炭化する際の焼成工程において、低温で金属気化し易い亜鉛が好適である。焼成温度が高くなると細孔が収縮しやすくなり比表面積も低下しやすくなるが、亜鉛を用いた場合は低温で昇華することで炭化温度を低くすることができ、高比表面積を維持しやすくなる点から好適である。
【0069】
均一分散するための添加剤としては、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0070】
溶媒としては、エタノール、水、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。これらの中でも、コストや品質の確保の観点からエタノールが好ましい。
【0071】
有機リンカーとしては、2−メチルイミダゾール(C
4H
6N
2)、5−シアノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸(C
9H
5NO
4)、5−エチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸(C
10H
6O
4)、[1,1´:4´,1´´]テトラフェニル−3,3´´,5,5´´−テトラカルボン酸(C
22H
14O
8)、1,3,5−トリカルボキシフェニルエチルベンゼン(C
33H
18O
6)、9,10−アントラセンジカルボン酸(C
16H
10O
4)、イミダゾール(C
3H
4N
2)、シュウ酸・二水和物(C
2H
2O
4・2H
2O)、2,2´−ジアミノ−4,4´−スチルベンジカルボン酸(C
16H
14N
2O
4)、2,5−ジアミノテレフタル酸(C
8H
8N
2O
4)、2,2´−ジニトロ−4,4´−スチルベンジカルボン酸(C
16H
10N
2O
8)、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(C
8H
6O
6)、3,3´,5,5´−テトラカルボキシジフェニルメタン(C
17H
12O
8)、1,2,4,5−テトラキス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン(C
34H
22O
8)、テレフタル酸(C
8H
6O
4)、4,4´,4´´−s−トリアジン−2,4,6−トリイル−三安息香酸(C
24H
15N
3O
6)、1,3,5−トリス(4´−カルボキシ[1,1´−ビフェニル]−4−イル)ベンゼン(C
45H
30O
6)、1,3,5−トリス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン(C
27H
18O
6)、トリメシン酸(C
9H
6O
6)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(C
12H
8O
4)、2−ヒドロキシテレフタル酸(C
8H
6O
5)、ビフェニル−3,3´,5,5´−テトラカルボン酸(C
16H
10O
8)、ビフェニル−3,4´,5−トリカルボン酸(C
15H
10O
6)、5−ブロモイソフタル酸(C
8H
5BrO
4)、マロン酸(C
3H
4O
4)等が挙げられる。これらの中でも、価格や性能、品質の確保の観点から2−メチルイミダゾールが好ましい。
【0072】
以上の製造方法により、上記の水溶液と上記のアルコール溶液の混合溶液中に、金属イオンと有機配位子とが連結してなる金属有機構造体を生成する。この金属有機構造体は、混合溶液中に沈殿物として生成する。金属有機構造体としては、例えば、ゼオライト型イミダゾール構造体のZIF−8、ZIF−70、ZIF−76、IRMOF−8、MAF−4、UTSA−38、IRMOF−1、ZnPO−MOF、MOF−5、UMCM−1、MIL−53(Al)、MOF−14、PCN−12、MOF−74−Mg、Mg
3(BHTC)
2、MIL−53(Fe)、MIL−88B、MIL−88C−Fe、MOF−74−Fe等が挙げられる。特に亜鉛を含んだZIF−8等のゼオライト型が好ましい。亜鉛は金属気化温度が低いため、低温で処理でき、生成物中に含有する金属(亜鉛)を少なくできるので適している。
得られた金属有機構造体は、これを含む混合溶液を濾過することにより回収される。
【0073】
金属有機構造体は、金属イオンと架橋性の有機配位子とが交互に配置し、これらが連結してなる構造を有する。金属有機構造体は、それ自体でも均一な細孔を有する。金属有機構造体を触媒に用いる場合には、微細孔を有することや、比表面積が大きいことが重要である。しかし、金属有機構造体を電極材料として用いる場合には、導電性が高いことが重要である。したがって、導電性が低い金属有機構造体をそのまま電極材料として用いることはできない。
そこで、本実施形態では、金属有機構造体を熱処理して、有機配位子を炭化し(炭化工程)、炭化した構造体から金属を除去する(金属除去工程)。
【0074】
金属有機構造体を熱処理しただけでは、金属有機構造体から金属を除去することができず、数nmの金属を含むナノ粒子(炭化した構造体、以下、「焼結体」とも言う。)となるだけである。
この金属を含むナノ粒子(焼結体)から金属を除去することにより、得られるナノポーラスカーボンには、金属が抜けた細孔(メソ領域の細孔)が形成される。
なお、金属有機構造体を構成する金属の種類によって金属の径が異なり、金属の種類によって金属の径がほぼ均一なので、得られるナノポーラスカーボンの細孔径も均一になる。
【0075】
炭化工程(以下、「工程D」と言う。)では、上記の金属有機構造体を熱処理して、金属有機構造体を構成する有機配位子を炭化する。
これにより、金属有機構造体のうち、有機配位子を炭化して、炭素のみで形成される網目状の骨格と、その骨格中に存在する金属とからなる構造体(焼結体)を生成する。
【0076】
工程Dを、窒素雰囲気、不活性ガス雰囲気、および、真空雰囲気のいずれかの雰囲気で行うことが好ましい。これらの中でも、コストの観点から、窒素雰囲気がより好ましい。
【0077】
金属有機構造体の熱処理における昇温速度を1℃/分以上、20℃/分以下とすることが好ましく、5℃/分以上、10℃/分以下とすることがより好ましい。なお、工程Dにおける「昇温速度」とは、金属有機構造体の加熱を開始してから熱処理温度に到達するまでに温度を上げる速度である。
【0078】
工程Dを行う温度、すなわち、金属有機構造体の熱処理温度を600℃以上、2200℃以下とすることが好ましく、800℃以上、1000℃以下とすることがより好ましい。
金属有機構造体の熱処理温度が上記の範囲内であれば、有機配位子を十分に炭化することができる。
【0079】
上述のナノポーラスカーボンの細孔の細孔径は、金属有機構造体を構成する金属の種類だけでなく、金属有機構造体の熱処理温度を調整することによって制御することもできる。
【0080】
金属有機構造体の熱処理時間(熱処理温度を保持する時間)を1時間以上、20時間以下とすることが好ましく、5時間以上、10時間以下とすることがより好ましい。
金属有機構造体の熱処理時間が上記の範囲内であれば、有機配位子を十分に炭化することができる。
【0081】
金属除去工程(以下、「工程E」と言う。)では、工程Dによって生成した焼結体を、酸性溶液あるいはアルカリ溶液中に加えて、焼結体に含まれる金属を溶解し、金属を含まない固形分を生成する。
この工程Eでは、酸性溶液中に焼結体を加えることにより、焼結体に含まれる金属を溶解し、炭素のみで形成される網目状の骨格を有するナノポーラスカーボンを得る。
【0082】
酸性溶液としては、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を含むものが好ましい。これらの酸の中でも、不純物を除去する観点からフッ酸を含むものが好ましい。これらの酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】
酸性溶液の濃度は、5vol%以上、30vol%以下であることが好ましく、10vol%以上、15vol%以下であることがより好ましい。
酸性溶液の濃度が上記の範囲内であれば、焼結体に含まれる金属を効率よく溶解し、焼結体から金属のみを除去することができる。
【0084】
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリを含むものが好ましい。これらのアルカリは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
アルカリ溶液の濃度は、5vol%以上、30vol%以下であることが好ましく、10vol%以上、15vol%以下であることがより好ましい。
アルカリ溶液の濃度が上記の範囲内であれば、焼結体に含まれる金属を効率よく溶解し、焼結体から金属のみを除去することができる。
【0086】
その後、酸性溶液あるいはアルカリ溶液を濾過して、固形分を回収する。
上述のようにして酸性溶液あるいはアルカリ溶液中に焼結体を加えても、1回の操作では、焼結体に含まれる金属を全て溶解し、除去することができないことがある。そのため、回収した固形分には、金属を含まないもの(ナノポーラスカーボン)と、焼結体とが含まれることがある。
そこで、その固形分を、上述と同様にして、酸性溶液あるいはアルカリ溶液に加える操作を1回以上、10回以下行うことが好ましく、3回以上、5回以下行うことがより好ましい。
このように、固形分(金属を含まないものと焼結体)を、酸性溶液あるいはアルカリ溶液に加える操作を複数回繰り返すことにより、焼結体に含まれる金属を効率よく溶解し、焼結体から金属のみを除去することができる。
【0087】
以上のような工程Fにより、酸性溶液あるいはアルカリ溶液中に金属を含まない固形分を生成する。この金属を含まない固形分は、酸性溶液あるいはアルカリ溶液中に沈殿物として生成する。
得られた金属を含まない固形分は、これを含む酸性溶液あるいはアルカリ溶液を濾過することにより回収される。
【0088】
その後、金属を含まない固形分を水で洗浄した後、乾燥し、上述のナノポーラスカーボンを得る。
【0089】
このナノポーラスカーボンの製造方法によれば、上述のナノポーラスカーボンを得ることができる。
得られたナノポーラスカーボンは、炭素のみで形成される網目状の骨格中に存在していた金属が除去されている。このように金属が除去された部分が、ナノポーラスカーボンの細孔となる。また、炭素のみで形成される骨格は、炭素−炭素の化学結合によって形成されている。そのため、ナノポーラスカーボンでは、それぞれの細孔(網目)の大きさがほぼ等しく、かつ、高い比表面積と空隙率を有している。
【0090】
[電極材料]
本実施形態の電極材料は、上述のコアシェル複合体を電極活物質として含む。
本実施形態の電極材料は、例えば、上述のコアシェル複合体と、導電助剤と、バインダと、を含む。
【0091】
導電助剤としては、一般的に電極材料で用いられるものが挙げられるが、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等のナノカーボンが挙げられる。
【0092】
バインダとしては、一般的に電極材料で用いられるものが挙げられるが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロースナトリウム(CMC)等が挙げられる。これらのバインダは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0093】
本実施形態の電極材料におけるコアシェル複合体の含有率は、70wt%以上、96wt%以下であることが好ましく、90wt%以上、96wt%以下であることがより好ましい。
【0094】
本実施形態の電極材料における導電助剤の含有率は、2wt%以上、10wt%以下であることが好ましく、2wt%以上、5wt%以下であることがより好ましい。
【0095】
本実施形態の電極材料におけるバインダの含有率は、2wt%以上、20wt%以下であることが好ましく、2wt%以上、10wt%以下であることがより好ましい。
【0096】
本実施形態の電極材料は、溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒あるいは水を含んでいてもよい。
【0097】
本実施形態の電極材料は、正極を形成する正極材料または負極を形成する負極材料として用いられる。
本実施形態の電極材料によれば、静電容量が大きい電気二重層キャパシタを実現可能な電極や、放電容量が大きい二次電池を実現可能な電極を提供することができる。
【0098】
[触媒]
本実施形態の触媒は、上述のコアシェル複合体を含む。
本実施形態の触媒は、例えば、上述のコアシェル複合体からなる触媒担体と、その触媒担体に担持された触媒物質とを含む。
【0099】
触媒物質としては、特に限定されないが、例えば、白金、金、パラジウム、ニッケル、コバルトの金属が挙げられる。
【0100】
本実施形態の触媒における触媒物質の担持量は、特に限定されないが、例えば、コアシェル複合体の単位重量当たりの触媒物質の重量で表わすと、1wt%以上、50wt%以下であることが好ましく、1wt%以上、10wt%以下であることがより好ましい。
【0101】
本実施形態の触媒によれば、触媒物質の担持量を多くすることができるため、触媒活性を高めることができる。
【0102】
[電極]
本実施形態の電極は、上述の電極材料を含む。
本実施形態の電極は、例えば、集電体と、その集電体の一方の面または両面に形成された、上述の電極材料からなる電極活物質層と、を備える。
【0103】
集電体としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の低抵抗の金属からなる基材が用いられる。
【0104】
集電体の厚みは、特に限定されないが、例えば、6μm以上、30μm以下であることが好ましく、10μm以上、20μm以下であることがより好ましい。
【0105】
電極活物質層の厚み(電極厚み)は、特に限定されないが、電極厚みが厚すぎると集電体からはがれたりひびが入り易くなったり電極抵抗が高くなるので好ましくなく、例えば、片側40μm以上、130μm以下であることが好ましく、60μm以上、100μm以下であることがより好ましい。また電極厚みはバインダに依存し、柔軟性があり結着力のあるバインダを用いることで厚くすることができる。
【0106】
電極活物質層は、上述の電極材料からなる、正極活物質層または負極活物質層である。
【0107】
本実施形態の電極によれば、電気二重層キャパシタに適用した場合、静電容量を大きくすることができ、二次電池に適用した場合、放電容量を大きくすることができる。
【0108】
[二次電池]
本実施形態の二次電池は、上述の電極を含む。
本実施形態の二次電池としては、例えば、非水系電解質二次電池が挙げられる。
図3は、本実施形態の二次電池の一例として、コイン電池の概略構成を示す部分断面図である。
本実施形態の二次電池(コイン電池)20は、ケース30と、このケース30内に収容された電極層40と、を備えている。
【0109】
ケース30は、一端が開口された皿状の容器からなる正極缶31と、この正極缶31の開口部に配置される負極缶32と、を備えている。正極缶31の開口部に負極缶32を配置すると、正極缶31と負極缶32の間に電極層40を収容する空間33が形成されるように、正極缶31と負極缶32が構成されている。
正極缶31は、二次電池20の正極端子として機能する。負極缶32は、二次電池20の負極端子として機能する。
【0110】
ケース30の外縁には、ガスケット34が配置されている。ガスケット34は、正極缶31と負極缶32の間の絶縁状態を維持するように設けられている。また、ガスケット34は、正極缶31と負極缶32の隙間を密封し、ケース30内部の気密性を保つとともに、ケース30から電解液が漏れることを防止する機能を有する。
【0111】
電極層40は、正極41と、負極42と、セパレータ43と、を備えている。正極41と負極42は、セパレータ43を介して積層されている。正極41と負極42の間には、図示略の電解液が配置されている。正極41が正極缶31の内面に接触し、負極42が負極缶32の内面に接触するように、ケース30内に電極層40が収容されている。
【0112】
ケース30としては、アルミニウム、ステンレス(SUS301)、あるいは鉄からなり、電極層40と接触する部分にニッケルメッキ処理が施されたものが用いられる。
【0113】
正極41および負極42としては、例えば、上述の電極材料を含む電極が用いられる。
また、正極41または負極42のいずれか一方が、上述の電極材料を含む電極であってもよい。
【0114】
正極41が、上述の電極材料を含む電極である場合、負極42としては、例えば、負極集電体と、その負極集電体の一方の面または両面に形成された負極活物質層と、を備えるものが用いられる。
【0115】
負極集電体としては、例えば、銅等の金属からなる金属箔が用いられる。
【0116】
負極活物質層は、負極活物質と、バインダと、溶媒とを含むペースト状の負極材料を、負極集電体上に塗布し、乾燥して、必要に応じて電極密度を高めるために圧縮して形成したものである。
【0117】
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体が挙げられる。
【0118】
バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の含フッ素樹脂、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロースナトリウム(CMC)等が挙げられる。
【0119】
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒あるいは水が挙げられる。
【0120】
負極42が、上述の電極材料を含む電極である場合、正極41としては、例えば、正極集電体と、その正極集電体の一方の面または両面に形成された正極活物質層と、を備えるものが用いられる。
【0121】
正極集電体としては、例えば、アルミニウム等の金属からなる金属箔が用いられる。
【0122】
正極活物質層は、正極活物質と、バインダと、溶媒とを含むペースト状の正極材料を、正極集電体上に塗布し、乾燥して、必要に応じて電極密度を高めるために圧縮して形成したものである。
【0123】
正極活物質としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)等の本実施形態の材料を含む導電性高分子材料が挙げられる。
【0124】
バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0125】
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が挙げられる。
【0126】
セパレータ33としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等からなる薄膜であり、微細な孔を多数有する多孔質膜が用いられる。
【0127】
電解液としては、例えば、有機溶媒にリチウム塩を溶解したものが用いられる。
【0128】
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0129】
リチウム塩としては、例えば、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4、LiAsF
6、LiN(CF
3SO
2)
2等が挙げられる。
【0130】
本実施形態の二次電池によれば、電極に、上述のコアシェル複合体を電極材料として含むため、電極に有機電解液に含まれる電解質イオンをより多く吸着あるいはドープすることができるので、放電容量を大きくすることができる。
【0131】
[電気二重層キャパシタ]
本実施形態の電気二重層キャパシタは、上述の電極を含む。
本実施形態の電気二重層キャパシタとしては、例えば、外装ケースと、キャパシタ本体と、電解質(電解液)と、キャパシタ本体の電圧を制御する制御基板と、を備える。また、この電気二重層キャパシタでは、外装ケース内に、キャパシタ本体および電解質が封入され、キャパシタ本体から外装ケース外に、正極タブリードおよび負極タブリードが導出されている。
【0132】
図4は、本実施形態の電気二重層キャパシタのキャパシタ本体を構成する電極層の一実施形態の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の電気二重層キャパシタのキャパシタ本体は、
図4に示す電極層50が、セパレータを介して多数積層されてなる。
【0133】
電極層50は、カソード51と、アノード52と、電解液53と、を備えている。カソード51とアノード52が、電解液53を介して積層されている。カソード51とアノード52の間には、図示略のセパレータが配置されている。
【0134】
カソード51は、集電体54と、その両面に形成された上述の電極材料からなる活物質層55,55と、を備える。
アノード52は、集電体56と、その両面に形成された上述の電極材料からなる活物質層57,57と、を備える。
すなわち、カソード51およびアノード52は、上述の電極材料を含む電極からなる。
【0135】
キャパシタ本体では、セパレータを介して、カソード51とアノード52が交互に重なるように、電極層50が積層される。
【0136】
電解液53としては、有機溶媒を含む有機電解液または硫酸やアルカリを含む水溶液電解液が用いられる。
ただし、有機電解液に含まれる電解質イオンと、水溶液電解液に含まれる電解質イオンとではイオン径が異なるため、最も効率よく電解質イオンを吸着できるように、上述のコアシェル複合体の細孔径をそれぞれの電解液に適したサイズにする必要がある。
【0137】
電解液53は、カソード51およびアノード52に吸脱着可能な電解質イオンを含む。
電解質イオンの種類は、特に制限されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられる電解質イオンであればいかなるものであってもよい。
有機電解液の場合には、電解質イオンとしては、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、イオン液体等が挙げられる。
【0138】
アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウム(TEA)塩、トリエチルアンモニウム(TEMA)塩等が挙げられる。
ホスホニウム塩としては、例えば、2つの五員環を有するスピロ化合物等が挙げられる。
【0139】
イオン液体としては、特に限定されないが、電解質イオンの移動のし易さから、粘度ができる限り低く、また導電性(導電率)が高い材料が好ましい。
イオン液体を構成するカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
イミダゾリウムイオンとしては、例えば、EMImイオン、1−メチル−1−プロピルピロリジウム(1−methyl−1−propyl−pyrrolizinium)(MPPy)イオン、1−メチル−1−プロピルピペリジウム(1−methyl−1−propyl−piperizinium)(MPPi)イオン等が挙げられる。
ピリジニウムイオンとしては、例えば、1−エチルピリジニウム(1−ethylpyridinium)イオン、1−ブチルピリジニウム(1−buthylpyridinium)イオン、1−ブチルピリジニウム(1−buthylpyridinium)イオン等が挙げられる。
【0140】
イオン液体を構成するアニオンとしては、例えば、BF
4イオン、PF
6イオン、[(CF
3SO
2)
2N]イオン、FSI(ビス(フルオロスルホニル)イミド、bis(fluorosulfonyl)imide)イオン、TFSI(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide)イオン等が挙げられる。
【0141】
これらの電解質イオンを溶解し、有機電解液を調製する有機溶媒としては、例えば、アセトニトリルやプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0142】
水溶液電解液としては、例えば、硫酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液等が用いられる。
【0143】
集電体54,56としては、例えば、エッチドアルミニウム、アルミニウムやニッケル等の金属からなる金属箔が用いられる。集電体としては、充放電において電気化学的に安定であることが必要である。集電体の金属が溶解せず、酸化膜等の不動態等を形成して電極抵抗を高める等の影響を起こさないものを用いる。
【0144】
セパレータとしては、カソード51とアノード52の短絡防止や電解液保液性の確保等の理由から、例えば、セルロース系の紙状セパレータや、ガラス繊維セパレータ等が用いられる。
【0145】
本実施形態の電気二重層キャパシタによれば、電極に、上述のコアシェル複合体を電極材料として含むため、電極に有機電解液に含まれる電解質イオンをより多く吸着あるいはドープすることができるので、静電容量を大きくすることができる。
【0146】
本実施形態の電気二重層キャパシタでは、電解質イオンの径よりも大きく、かつ、最も多く電解質イオンを吸着あるいはドープできる、すなわち、できるだけ高い静電容量が得られる細孔径を有する炭素多孔体を備えたコアシェル複合体を用いることが好ましい。言い換えれば、電解質イオンにとって好適な細孔径を有する炭素多孔体を備えたコアシェル複合体を用いることが好ましい。
例えば、有機電解液を用いた電気二重層キャパシタにおいて一般的なテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)を有機電解液として用いた場合、コアシェル複合体を構成する炭素多孔体において、平均細孔径1.5nm以上、3nm以下が最適な細孔径となる。
【0147】
一方、電気二重層キャパシタに水溶液電解液を用いた場合、カチオンが水素イオン(オキソニウムイオン)で、アニオンが水酸化物イオンになり、いずれも有機電解液を用いた場合に比べてイオン径が小さい。例えば、水酸化物イオンの平均径は0.3nmであるため、水溶液電解液を用いた場合、コアシェル複合体を構成する炭素多孔体において、平均細孔径1nm以上、2nm以下が最適な細孔径となる。
ここで、炭素多孔体の平均細孔径が大きくなると静電容量が減少するのは、炭素多孔体では、平均細孔径の増加にともなって比表面積が減少し、炭素多孔体に吸着できる電解質イオンの絶対量が減少するためである。
【0148】
本実施形態では、電気二重層キャパシタと称したが、本実施形態のコアシェル複合体では、導電性高分子へのアニオンのドープ、脱ドープ反応を用いており、炭素多孔体の細孔表面へのイオンの吸脱着を利用したものではないので、厳密には電気二重層キャパシタとは言えない。本実施形態では、便宜上、同種の技術であることから、電気二重層キャパシタと称した。
【実施例】
【0149】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0150】
[実施例1]
「ナノポーラスカーボン」
エタノール20mLに、酢酸亜鉛175mgとポリビニルピロリドン300mgを溶解し、これらを含む水溶液を調製した。水に、酢酸亜鉛とポリビニルピロリドンを投入してから、これらの混合物を撹拌する時間を30分、混合物を撹拌する際の温度を25℃とした。
エタノール20mLに、2−メチルイミダゾール263mgを溶解し、2−メチルイミダゾールを含むエタノール溶液を調製した。エタノールに、2−メチルイミダゾールを投入してから、これらの混合物を撹拌する時間を30分、混合物を撹拌する際の温度を25℃とした。
上記の水溶液に、上記のアルコール溶液を加え、これらの溶液を、25℃で5分間撹拌した。これにより、上記の水溶液と上記のアルコール溶液の混合溶液中に、24時間後に沈殿物として、金属有機構造体であるZIF−8が生成した。
金属有機構造体を含む混合溶液を濾過することにより、金属有機構造体を回収した。
次に、得られた金属有機構造体を窒素雰囲気下で熱処理した。この金属有機構造体の熱処理における昇温速度を5℃/分、昇温終了後の焼成温度を800℃、昇温終了後の焼成時間を4時間とした。
熱処理後の金属有機構造体を、フッ酸溶液中に加えて、金属有機構造体に含まれる亜鉛を溶解し、濾過することを4回繰り返した。フッ酸溶液の濃度は10vol%であった。
その後、フッ酸溶液を濾過して、フッ酸溶液中に含まれる固形分を回収し、その固形分を蒸留水で洗浄した。
その後、固形分を25℃で24時間乾燥し、ナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、島津製作所社製の比表面積/細孔分布測定装置(商品名:ASAP2020)で分析したところ、BET法による比表面積が1500m
2/g、平均細孔径が1.3nmであった。また、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.4nm以上、2.4nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.6nmであった。
【0151】
「コアシェル複合体」
次に、1mol/Lの過塩素酸溶液30mLに、エタノール10mLを加え、これらを混合することにより、アルコール溶液を調製した。
このアルコール溶液40mLに、アニリンモノマー0.13mgを加え、−5℃にて10分間、これらを撹拌、混合して、アルコール溶液に、アニリンモノマーを溶解し、アニリンモノマーを含む第1の溶液を調製した。
また、1mol/Lの過塩素酸溶液10mLに、過硫酸アンモニウム0.068mgを加え、これらを混合することにより、過硫酸アンモニウムを含む第2の溶液を調製した。
次に、第1の溶液と第2の溶液を混合して、これらを含む混合溶液を調製した。第1の溶液と第2の溶液の混合比を、体積比で、1:4とした。
次に、この混合溶液に、上記のナノポーラスカーボンを加え、−5℃にて5時間、これらを撹拌、混合して、アニリンモノマーを重合させた。
その後、混合溶液を濾過して、混合溶液中に含まれる固形分を回収し、その固形分を蒸留水で洗浄した。
その後、固形分を25℃で24時間乾燥し、ナノポーラスカーボンと、そのナノポーラスカーボンの表面の細孔から外方へ延出した導電性高分子(ポリアニリン)ナノロッドからなるシェル層と、を備えた、実施例1のコアシェル複合体を得た。
【0152】
「コイン電池」
実施例1のコアシェル複合体と、ポリフッ化ビニリデンとを混合し、実施例1の電極材料を調製した。
実施例1の電極材料において、コアシェル複合体とポリフッ化ビニリデンの混合比を、重量比で90:10とした。
この電極材料を、ドクターブレードを用いて、20μmのニッケル箔の一方の面に塗布して、塗膜を形成し、その塗膜を160℃で乾燥して、ニッケル箔上に活物質層を形成し、正極および負極を得た。
上記の正極および負極を、真空乾燥機を用い、100℃で24時間乾燥した。
これらの正極と負極を、紙セパレータ(商品名:TF40−30、日本高度紙工業社製)を介して積層し、
図3に示すようなケースの空間内に収容した。
正極と負極を収容したケースの空間内に、水溶液電解液として、1Mol/Lの硫酸0.1mLを加え、アルゴングローブボックス中にて、実施例1の2032型のコイン電池を作製した。
実施例1のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、0.8V以下の範囲で掃印した。実施例1のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例1のコイン電池の静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例1の静電容量は1120、比較例2の静電容量を100とした場合の実施例1の静電容量は450、比較例3の静電容量を100とした場合の実施例1の静電容量は170であった。
【0153】
[実施例2]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用いたことと、集電体にエッチドアルミニウム箔を正極に用い、また負極には関西熱化学社製の活性炭(商品名:MSP−20)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の2032型のコイン電池を作製した。ここで、負極は、活性炭MSP−20と導電材としてのカーボンブラック、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、負極材料を調製した。
実施例2のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例2のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例2のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例2の静電容量は410、比較例6の静電容量を100とした場合の実施例2の静電容量は135であった。
【0154】
[実施例3]
「コアシェル複合体」
ポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を水に分散してなる水分散液に、実施例1で得られたナノポーラスカーボンを10分間浸漬した。
その後、水分散液を濾過して、水分散液中に含まれる固形分を回収し、その固形分を蒸留水で洗浄した。
その後、固形分を80℃で24時間、真空乾燥し、ナノポーラスカーボンと、そのナノポーラスカーボンの表面の細孔から外方へ延出した導電性高分子(PEDOT/PSS)ナノロッドからなるシェル層と、を備えた、実施例3のコアシェル複合体を得た。
【0155】
「コイン電池」
実施例3のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の2032型のコイン電池を作製した。
実施例3のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例4の静電容量を100とした場合の実施例3の静電容量は620であった。
【0156】
[実施例4]
「コアシェル複合体」
金属有機構造体の焼成温度を1000℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例4のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が1210m
2/g、平均孔径が1.1nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.4nm以上、1.8nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.6nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例4のコアシェル複合体を得た。
【0157】
「コイン電池」
実施例4のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の2032型のコイン電池を作製した。
実施例4のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例4の静電容量は980であった。
【0158】
[実施例5]
「コアシェル複合体」
金属有機構造体の焼成温度を1200℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例5のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が890m
2/g、平均孔径が0.9nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.6nm以上、1.6nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.5nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例5のコアシェル複合体を得た。
【0159】
「コイン電池」
実施例5のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の2032型のコイン電池を作製した。
実施例5のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例5の静電容量は580であった。
【0160】
[実施例6]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
金属有機構造体の焼成温度を1600℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例6のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が520m
2/g、平均孔径が0.5nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.1nm以上、1.0nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.5nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例6のコアシェル複合体を得た。
【0161】
「コイン電池」
実施例6のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の2032型のコイン電池を作製した。
実施例6のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例6の静電容量は230であった。
【0162】
[実施例7]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
この金属有機構造体の焼成温度を700℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例7のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が1670m
2/g、平均孔径が1.5nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.3nm以上、2.5nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.7nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例7のコアシェル複合体を得た。
【0163】
「コイン電池」
実施例7のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の2032型のコイン電池を作製した。
実施例7のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例7の静電容量は1120であった。
【0164】
[実施例8]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
この金属有機構造体の焼成温度を実施例1と同じ800℃として、実施例8のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が1320m
2/g、平均孔径が1.9nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が0.8nm以上、2.8nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.8nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例8のコアシェル複合体を得た。
【0165】
「コイン電池」
実施例8のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の2032型のコイン電池を作製した。
実施例8のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例8の静電容量は930であった。
【0166】
[実施例9]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
また、この金属有機構造体の焼成温度を900℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例9のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が1160m
2/g、平均孔径が2.4nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が1.0nm以上、3.0nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.8nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例9のコアシェル複合体を得た。
【0167】
「コイン電池」
実施例9のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の2032型のコイン電池を作製した。
実施例9のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例9の静電容量は690であった。
【0168】
[実施例10]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
また、この金属有機構造体の焼成温度を1000℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例10のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が710m
2/g、平均孔径が3.0nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が1.5nm以上、4.3nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.7nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例10のコアシェル複合体を得た。
【0169】
「コイン電池」
実施例10のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の2032型のコイン電池を作製した。
実施例10のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例10の静電容量は410であった。
【0170】
[実施例11]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
また、この金属有機構造体の焼成温度を1100℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例11のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が520m
2/g、平均孔径が3.7nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が2.1nm以上、5.3nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.7nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例11のコアシェル複合体を得た。
【0171】
「コイン電池」
実施例11のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の2032型のコイン電池を作製した。
実施例11のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例11の静電容量は270であった。
【0172】
[実施例12]
「ナノポーラスカーボン、コアシェル複合体」
上記の水溶液と上記のアルコール溶液を混合、撹拌する際に、鉄触媒を加えたこと以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体を生成した。
また、この金属有機構造体の焼成温度を1200℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例12のナノポーラスカーボンを得た。
得られたナノポーラスカーボンを、実施例1と同様にして分析したところ、比表面積が360m
2/g、平均孔径が5.1nm、窒素吸着等温線から非局在化密度汎関数法により求めた細孔分布曲線において、細孔径が2.9nm以上、6.7nm以下の範囲にピークを有し、そのピークを中心とする半値幅が0.65nmであった。
以下、実施例1と同様にして、実施例12のコアシェル複合体を得た。
【0173】
「コイン電池」
実施例12のコアシェル複合体を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例12の2032型のコイン電池を作製した。
実施例12のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。比較例1の静電容量を100とした場合の実施例12の静電容量は120であった。
【0174】
[実施例13]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例4のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例13の2032型のコイン電池を作製した。
実施例13のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例13のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例13のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例13の静電容量は310であった。
【0175】
[実施例14]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例5のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例14の2032型のコイン電池を作製した。
実施例14のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例14のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例14のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例14の静電容量は230であった。
【0176】
[実施例15]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例6のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例15の2032型のコイン電池を作製した。
実施例15のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例15のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例15のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例15の静電容量は130であった。
【0177】
[実施例16]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例7のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例16の2032型のコイン電池を作製した。
実施例16のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例16のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例16のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例16の静電容量は210であった。
【0178】
[実施例17]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例8のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例17の2032型のコイン電池を作製した。
実施例17のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例17のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例17のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例17の静電容量は350であった。
【0179】
[実施例18]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例9のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例18の2032型のコイン電池を作製した。
実施例18のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/sで、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例18のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例18のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例18の静電容量は250であった。
【0180】
[実施例19]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例10のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例19の2032型のコイン電池を作製した。
実施例19のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例19のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例19のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例19の静電容量は180であった。
【0181】
[実施例20]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例11のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例20の2032型のコイン電池を作製した。
実施例20のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例20のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例20のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例20の静電容量は125であった。
【0182】
[実施例21]
「コイン電池」
有機電解液として、1Mol/Lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA−BF4)0.1mLを用い、実施例12のコアシェル複合体、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を90:5:5wt%の比率で、N−メチル−2−ピロリドンと混合して得たペーストをエッチドアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布後、160℃で乾燥して、正極材料を調製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例21の2032型のコイン電池を作製した。
実施例21のコイン電池を、Bio−Logic社製のVSPを用い、室温(23℃)下、掃印速度1mV/s以上、200mV/s以下で、0V以上、2.5V以下の範囲で掃印した。実施例21のコイン電池を掃印速度1mV/sで掃印した場合に得られた放電容量に基づいて、実施例21のコイン電池の静電容量を得た。比較例5の静電容量を100とした場合の実施例21の静電容量は105であった。
【0183】
[比較例1]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、関西熱化学社製の活性炭(商品名:MSP−20)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の2032型のコイン電池を作製した。
比較例1のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0184】
[比較例2]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、実施例1のナノポーラスカーボンのみを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の2032型のコイン電池を作製した。
比較例2のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0185】
[比較例3]
「導電性高分子」
1mol/Lの過塩素酸溶液30mLに、エタノール10mLを加え、これらを混合することにより、アルコール溶液を調製した。
このアルコール溶液40mLに、アニリンモノマー0.13mgを加え、−5℃にて10分間、これらを撹拌、混合して、アルコール溶液に、アニリンモノマーを溶解し、アニリンモノマーを含む第1の溶液を調製した。
また、1mol/Lの過塩素酸溶液10mLに、過硫酸アンモニウム0.068mgを加え、これらを混合することにより、過硫酸アンモニウムを含む第2の溶液を調製した。
次に、第1の溶液と第2の溶液を混合して、これらを含む混合溶液を調製した。第1の溶液と第2の溶液の混合比を、体積比で、1:4とした。
この混合溶液を、−5℃にて2時間、撹拌、混合して、アニリンモノマーを重合させた。
その後、混合溶液を濾過して、混合溶液中に含まれる固形分を回収し、その固形分を蒸留水で洗浄した。
その後、固形分を25℃で24時間乾燥し、ポリアニリンの粉末を得た。
【0186】
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、上記のポリアニリンの粉末のみを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の2032型のコイン電池を作製した。
比較例3のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0187】
[比較例4]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、ポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の2032型のコイン電池を作製した。
比較例4のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0188】
[比較例5]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、関西熱化学社製の活性炭(商品名:MSP−20)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例5の2032型のコイン電池を作製した。
比較例5のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0189】
[比較例6]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、実施例1のナノポーラスカーボンを用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例6の2032型のコイン電池を作製した。
比較例6のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0190】
[比較例7]
「コイン電池」
コアシェル複合体の代わりに、比較例3のポリアニリンの粉末のみを用いた以外は実施例2と同様にして、比較例7の2032型のコイン電池を作製した。
比較例7のコイン電池について、実施例1と同様にして、静電容量を得た。
【0191】
表1に、水溶液電解液の場合の実施例1および実施例3の静電容量について、比較例の静電容量を100として比べた結果をまとめる。
【0192】
【表1】
【0193】
ナノポーラスカーボンからなるコアと導電性高分子ナノロッド(ポリアニリン)からなるシェルとからなるコアシェル複合体を電極材料に用いた実施例1は、活性炭を電極材料に用いた比較例1に比べて、11倍以上の静電容量が得られ、また、ナノポーラスカーボンを電極材料に用いた比較例2に比べて、4.5倍の静電容量が得られ、また、ポリアニリンを電極材料に用いた比較例3に比べて、1.7倍の静電容量が得られた。また、ナノポーラスカーボンからなるコアとポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)からなるシェルとからなるコアシェル複合体を電極材料に用いた実施例4は、ポリチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸を電極材料に用いた比較例4に比べて、6.2倍の静電容量が得られた。
本発明のコアシェル複合体を電極材料に用いた場合に、比較例と比べて大きな静電容量が得られたのは、電解質イオンのサイズとナノポーラスカーボンの細孔のサイズがマッチングしていることと活性炭に比べて細孔中に効率よく電解質イオンを吸着できている効果と、導電性高分子ナノロッド(ポリアニリン)による電解質イオンドープ量増大の効果とによるものと考えられる。特に、比較例2(ナノポーラスカーボンを電極材料とした場合)の静電容量は比較例1の静電容量を2.5倍程度でしかないので、実施例1で比較例1の静電容量の11倍以上の静電容量が得られているのは、単に導電性高分子ナノロッドによる電解質イオンドープ量増大の効果というだけでなく、導電性高分子ナノロッドがナノポーラスカーボン自体への電解イオン吸着量を向上させる作用をしている可能性が考えられる。
【0194】
図5に、実施例に基づき、水溶液電解液の場合の、本発明のナノポーラスカーボンからなるコアとポリアニリンからなるシェルとからなるコアシェル複合体について、平均細孔径と静電容量(比較例1の静電容量を100とした場合の値)との関係を示す。
図5から、水溶液電解液の場合、平均細孔径1nm以上、2nm以下の場合に特に大きな静電容量増大の効果が得られることがわかる。このナノポーラスカーボンの細孔サイズと、電解質イオンである水素イオン(オキソニウムイオン)や水酸化物イオンのサイズとのマッチングの効果が大きいからであると考えられる。導電性高分子ナノロッドがコアのナノカーボンの表面の細孔から髭状(略円錐状)に伸びており、導電性高分子ナノロッドが高比表面積になり、電解質イオンのドープ及び脱ドープが効率よく行われている効果だと考えられる。
【0195】
表2に、有機電解液の場合の実施例2の静電容量について、比較例の静電容量を100として比べた結果をまとめる。
【0196】
【表2】
【0197】
ナノポーラスカーボンからなるコアと導電性高分子ナノロッド(ポリアニリン)からなるシェルとからなるコアシェル複合体を正極材料に用いた実施例2は、活性炭を電極材料に用いた比較例5に比べて、4.1倍の静電容量が得られ、また、ナノポーラスカーボンを電極材料に用いた比較例6に比べて、1.35倍の静電容量が得られた。
【0198】
図6に、実施例に基づき、有機電解液の場合の、本発明のナノポーラスカーボンからなるコアとポリアニリンからなるシェルとからなるコアシェル複合体について、平均細孔径と静電容量(比較例5の静電容量を100とした場合の値)との関係を示す。
図6から、有機電解液の場合、平均細孔径1.5nm以上、3nm以下の場合に特に大きな静電容量増大の効果が得られることがわかる。特に大きな静電容量増大の効果が得られる平均細孔径の範囲が水溶液電解液の場合に比べて大きい方にずれたのは、電解質イオンのサイズの違いの影響であると考えられる。