(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商品を計量しラベルを発行する計量装置と、前記計量された商品の取引情報を受信する携帯端末と、前記計量装置と携帯端末に通信回線を介して接続された会計装置と、からなる会計システムにおいて、
前記計量装置は、
商品を載置する載置部と、
前記載置部に載置された商品の計量が完了、または、所定の操作がなされると、前記商品のラベルを発行するラベル発行手段と、
前記携帯端末が前記商品の取引情報を受信した場合は、コード情報が印刷されていないラベルが発行された旨を含む情報を表示し、前記携帯端末が前記商品の取引情報を受信しない場合は、コード情報が印刷されたラベルが発行された旨を含む情報を表示する表示手段、を備え、
前記会計装置は、前記携帯端末が受信した前記計量された商品の取引情報を受信する受信手段と、前記受信した前記計量された商品の取引情報に基づき代金を決済する決済手段と、を備える
ことを特徴とする会計システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる商品登録装置3を用いて構成される会計システム1の一例を示すシステム構成図である。また
図2は
図1に示すシステム構成図の内の本発明の要部を構成する装置を斜視図で示したシステム構成図である。これらの図に示すように、会計システム1は、管理装置10と、会計装置20と、アクセスポイント50とをLAN60によって接続し、またアクセスポイント50を介して、計量装置70と計量装置用クレードル100と携帯端末110と別の会計装置20とをLAN60に接続して構成されている。各会計装置20には読取手段である会計装置用クレードル150が接続されている。各装置間の接続は、有線、無線の何れであっても良い。この実施形態では、計量装置70と、計量装置用クレードル100と、携帯端末110と、これらを接続する通信回線(アクセスポイント50等)が商品登録装置3を構成する。
【0015】
管理装置10は、会計システム1を制御するコンピュータであって、商品マスタファイル等の種々の情報を管理する。商品マスタファイルは、各商品の商品名、商品コード、販売価格等の商品情報を格納したファイルであって、適宜、更新される。管理装置10は、適宜、最新の商品マスタファイルを商品ファイルとして各会計装置20や計量装置70や携帯端末110に送信する。
図22は商品ファイルの一例を示す図である。同図に示すように商品ファイルには、商品コード、商品名、単価などが、商品毎に記憶されている。
【0016】
会計装置20は、客が買い上げる商品の登録及び精算を行うPOSレジスタであり、各種の操作ボタンを有する操作部41や液晶タッチパネルからなる表示部31などを備えている。
【0017】
図3は会計装置20の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、会計装置20は、この会計装置20の動作を制御するCPU21と、客の買上情報などを記憶するハードディスク23と、CPU21が実行するプログラムを記憶するROM25と、種々の情報を記憶するRAM(記憶部)27と、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取るスキャナ部29と、商品の名称や価格などを表示する店員用表示部31と、客用表示部33と、レシート印字部35と、現金や金券などを保管するドロワ部37と、通信部39と、会計装置20を動作させる各種の操作ボタン等からなる操作部41と、客がクレジットカードでの支払いを希望する場合にクレジットカードの情報を読み取るカードリーダ部43と、操作の確認が必要な時などに音を発生させるブザー45とを備えて構成されている。各構成要素は互いにバスを介して接続されている。RAM27には管理装置10より取得した商品ファイルや下記する携帯端末110から送信される商品の取引情報等が記憶される。通信部39は、会計装置用クレードル150を介してこの会計装置用クレードル150にセットされた携帯端末110と通信したり、LAN60を経由して管理装置10と通信したりする。
【0018】
会計装置用クレードル150は、会計装置20に有線又は無線によって通信可能に接続されており、会計装置用クレードル150にセットされた携帯端末110の下記するRAM115に記憶された商品の取引情報を会計装置20に取り込ませる。
【0019】
計量装置70は、
図2に示すように、本体部71の上面に載置部73を設置し、また本体部71の後部に取り付けた支持部75の上部に表示部77を設け、さらに本体部71の外周側壁の所望の位置にラベル発行口79を設けて構成されている。
【0020】
図4は計量装置70の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、計量装置70は、この計量装置70の動作を制御するCPU81と、計量処理が終了後にRAM(記憶部)87が記憶する情報を転送して記憶するハードディスク83と、CPU81が実行するプログラムを記憶するROM85と、種々の情報を記憶するRAM87と、計量装置70を動作させる操作部89と、計量結果に基づくデータを印刷したラベルを発行する発行部(ラベル発行手段)91と、計量装置70の操作方法や計量結果を表示する表示部77と、携帯端末110等の他の機器と通信する通信部93と、ロードセルを用いて量り売りする商品の計量を行う計量部95と、を備えて構成されている。各構成要素は互いにバスを介して接続されている。なお表示部77は液晶のタッチパネルで構成されており、表示部77であると同時に操作部89でもある。RAM87は管理装置10より取得した商品ファイルやこの計量装置70で計量した商品毎の取引情報等を記憶する第2の記憶手段である。
【0021】
図1,
図2に示す計量装置用クレードル100は、CPUやメモリを備えると共に、
図2に示すように、携帯端末110を載置する載置部101を有し、また前記アクセスポイント50や、セットされた携帯端末110と通信する通信機能を有して構成されている。この計量装置用クレードル100は、予め、所定の計量装置70と1対1の関係を持つように設定されており、計量装置用クレードル100のメモリには、1対1に対応する計量装置70の識別番号(ID等)が記憶されている。そしてこの計量装置用クレードル100に携帯端末110がセットされると、携帯端末110には計量装置用クレードル100から、この計量装置用クレードル100に対応する計量装置70の識別番号が送信される。これによって携帯端末110は通信すべき計量装置70を認識できる。
【0022】
つまり、予め計量装置70と1対1の関係を持つ計量装置用クレードル100を用意し、この計量装置用クレードル100に携帯端末110を置くことにより、携帯端末110は計量装置用クレードル100の情報から何れの計量装置70へ通信すれば良いかを認識できる。これによって携帯端末110は通信する計量装置70を簡単に特定でき、相互にデータ通信可能になる。
【0023】
携帯端末110は、
図2に示すように、本体ケース135の表面に表示ディスプレイ119と操作部121とを有している。携帯端末110の上部の裏面側(表示ディスプレイ119の裏面側)にはスキャナ部117を設けている。携帯端末110の下部の裏面側には複数の接続端子が設けられている。そしてこの携帯端末110を計量装置用クレードル100にセットした際に、これら接続端子は計量装置用クレードル100に設けた接続端子に接続され、相互に通信することが可能になる。また携帯端末110の接続端子の中には、計量装置用クレードル100に設けた接続端子に接続されることで、携帯端末110の下記する充電式電池127に充電を行う接続端子もある。
【0024】
図5は携帯端末110の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、携帯端末110は、CPU111とROM113とRAM(記憶部)115とスキャナ部117と表示ディスプレイ119と操作部121と通信部124と電源制御部125とを備え、これら各構成要素を互いにバスを介して接続して構成されている。電源制御部125には充電式電池127が接続されている。
【0025】
CPU111はこの携帯端末110の動作を制御する。ROM113はCPU111が実行するプログラムを記憶する。RAM115は管理装置10より取得した商品ファイルや計量装置70で計量された商品毎の取引情報等を記憶する第1の記憶手段である。
【0026】
スキャナ部117は商品に付されているラベルのコード情報(バーコードや二次元コード等)を読み取る読取手段である。スキャナ部117が読み取ったコード情報は、所定の形式のデータに変換されて出力され、買上商品を特定する情報としてRAM115に記憶される。
【0027】
表示ディスプレイ119は例えば液晶表示器で構成され、携帯端末110と計量装置70の使用方法の案内を表示したり、計量した商品の金額等の各種メッセージを表示する。操作部121はこの携帯端末110を操作する各種の操作ボタンからなる。
【0028】
通信部124は、アクセスポイント50を介して接続される計量装置70や管理装置10等との間の通信や、携帯端末110をセットした計量装置用クレードル100や会計装置用クレードル150との間の通信の制御を行う。電源制御部125は、携帯端末110が計量装置用クレードル100にセットされているときに、計量装置用クレードル100から供給される電力による充電式電池127への充電を制御する。充電式電池127は、携帯端末110の各部を動作させるための電力を供給する。
【0029】
次に、前記商品登録装置3を含む会計システム1の動作を説明する。
まず、携帯端末110の動作の一例を説明する。
図6は携帯端末110における一動作例を示すフローチャートである。また
図7は携帯端末110の表示ディスプレイ119に表示される表示画面の例を示す図である。
【0030】
図6に示すように、まず携帯端末110が計量装置用クレードル100にセットされると(ステップ1−1)、予めこの計量用クレードル100のメモリに記憶されている計量装置70の識別番号が、前記携帯端末110に入力される(ステップ1−2)。
【0031】
次にこの携帯端末110は、前記識別番号を有する計量装置70に対して、この携帯端末110の識別番号(ID等)を送信し、その計量装置70との接続を要求する(ステップ1−3)。このとき携帯端末110の表示ディスプレイ119には、
図7(a)に示すように、現在計量装置70と接続中であることを示す接続中画面を表示する(ステップ1−4)。接続中画面には、例えば、「ハカリと接続しています」の文言とデザインとを表示する。
【0032】
次に下記する計量装置70からの接続確認信号(下記する
図8のステップ2−4)を受信することで、前記計量装置70との接続が完了したら(ステップ1−5)、表示ディスプレイ119に、
図7(b)に示すような計量開始要求画面を表示する(ステップ1−6)。計量開始要求画面には、例えば、「ハカリに商品を置いて、ラベルを発行してください」の文言とデザインとを表示する。これによって、客は計量装置70の載置部73に所望の商品を載せてラベルを発行することを促される。
【0033】
次に、計量装置70での計量が終了して、計量装置70から、計量した商品の取引情報(商品名、質量、販売価格等)を受信した場合(ステップ1−7)は、その商品の取引情報をRAM115に記憶する(ステップ1−8)。そして計量装置70に商品の取引情報を受信したことの受信確認信号を送信する(ステップ1−9)。そして表示ディスプレイ119に、
図7(c)に示すような、取引情報画面を表示する(ステップ1−10)。この取引情報画面には、例えば、商品名と販売価格の他に、ラベルを商品(又はその包装)に貼ることを促す文言及びデザインを表示する。そしてステップ1−6に戻り、再び前記計量開始要求画面を表示し、計量装置70からの次の受信を待つ。
【0034】
ステップ1−6の計量開始要求画面を表示した状態で、計量装置70から、商品の取引情報の代りに、商品登録完了通知を受信した場合(ステップ1−11)は、表示ディスプレイ119に登録完了画面を表示する(ステップ1−12)。ここで商品登録完了通知は、客が購入する全ての商品の登録が完了したことの通知であり、
図9のステップ2−18で行われる通知である。また登録完了画面は、商品登録が全て完了したことを表示する画面であり、例えば
図7(d)に示すように、「商品の登録が完了しました。取り出しできます」の文言及びデザインを表示する。
【0035】
そして携帯端末110が計量装置用クレードル100から離脱したことを検出した場合(ステップ1−13)は、その離脱信号を計量装置70に送信し(ステップ1−14)、携帯端末110での処理を終了する。
【0036】
一方、ステップ1−6の計量開始要求画面を表示した状態で、計量装置70から、商品の取引情報又は商品登録完了通知の代りに、受信不良通知を受信した場合(ステップ1−15)は、表示ディスプレイ119に通信不良画面を表示する(ステップ1−16)。ここで通信不良通知は、携帯端末110と計量装置70間の通信が正常に行われず、計量装置70から送信された商品の取引情報を携帯端末110が受信できなかったことの通知であり、
図9のステップ2−25で行われる通知である。通信不良画面は、例えば
図7(e)に示すように、「通信できませんでした。ラベルを貼ってバーコードをよませてください」の文言及びデザインを表示する。そして携帯端末110が計量装置用クレードル110から離脱したことを検出した場合(ステップ1−13)は、その離脱信号を計量装置70に送信し(ステップ1−14)、携帯端末110での処理を終了する。
【0037】
さらに、ステップ1−6の計量開始要求画面を表示した状態で、計量装置70から、商品の取引情報又は商品登録完了通知又は受信不良通知の代りに、買物中止通知を受信した場合(ステップ1−17)は、表示ディスプレイ119に買物中止画面を表示する(ステップ1−18)。ここで買物中止通知は、計量装置70で計量中に客がその計量を中止した場合の通知であり、
図8のステップ2−21で行われる通知である。買物中止画面は、例えば
図7(f)に示すように、「買物が中止されました。取り出しできます」の文言及びデザインを表示する。そして携帯端末110が計量装置用クレードル110から離脱したことを検出した場合(ステップ1−13)は、その離脱信号を計量装置70に送信し(ステップ1−14)、携帯端末110での処理を終了する。
【0038】
この例の買物中止の場合は、それまでにRAM115に記憶していた商品の取引情報はそのまま記憶されているので、この携帯端末110を会計装置20に持っていくことで、買物中止の前までにラベルを発行した商品についてはこれらを精算できる。
【0039】
次に、計量装置70の動作の一例を説明する。
図8,
図9は計量装置70における一動作例を示すフローチャートである。また
図10〜
図15は計量装置70の表示部77に表示される表示画面の例を示す図である。
【0040】
携帯端末110が計量装置用クレードル100にセットされることで、
図8に示すように、携帯端末110から計量装置70に接続要求があると(ステップ2−1)、計量装置70のRAM87に記憶した接続フラグを、「0」から「1」に設定する(ステップ2−2)。次に前記携帯端末110からの接続要求と共に送信されてくる携帯端末110の識別番号を入力してこれをRAM87に記憶する(ステップ2−3)。
【0041】
そして携帯端末110に接続確認信号を送信した後(ステップ2−4)、計量装置70の表示部77には、
図10に示すような、計量開始要求画面を表示する(ステップ2−5)。計量開始要求画面は、商品を計量装置70に載せて計量することを促す画面であり、例えば、「ハカリに商品を置いてください」の文言とデザインとを表示する。これによって、客は計量装置70の載置部73に所望の商品を載せることを促される。
【0042】
次に客が所望の数の商品(この例ではりんご)を載置部73に載置すれば(ステップ2−6)、計量装置70は通常の計量操作により、載置部73に載置された商品の計量を行う(ステップ2−7)。次に計量装置70の表示部77に、例えば
図11に示すような、商品選択画面を表示する(ステップ2−8)。商品選択画面は、載置部73に載置した商品を特定させる画面であり、例えば「選んだ商品をタッチして下さい。」の文言と選択するための商品及び商品の種類(果物、野菜等)を選択するタブを表示する。そして客が載置した商品をタブ及び表示された商品にタッチすることで選択する(ステップ2−9)。この例ではリンゴにタッチして選択する。なお選択した商品名と前記測定した質量値はRAM87に記憶される。
【0043】
商品が選択されると、計量装置70のCPU81は、RAM87に記憶した商品ファイルなどを用いて、その商品の値段を計算し、例えば
図12に示すような、買物確認画面を表示する(ステップ2−10)。買物確認画面は、この商品を購入しても良いか否かを客に確認させる画面であり、例えば「内容を確認し「発行」をタッチして下さい(続けて商品を購入する場合は「商品追加」をタッチしてください)」の文言と、計量した商品名及びその値段と、発行ボタンと商品追加ボタンと買物中止ボタンとを表示する。
【0044】
そして
図12に示す買物確認画面において、その買物中止ボタンがタッチされた場合は、買物中止通知を携帯端末110に送信した後(ステップ2−11、ステップ2−21)、ステップ2−19に移行する。携帯端末110では、上述のように、買物中止通知を受信すると(ステップ1−17)、その表示ディスプレイ119に買物中止画面を表示して(ステップ1−18)、計量装置用クレードル100から携帯端末110を離脱することを客に促す。そして計量装置用クレードル100から携帯端末110が離脱されると(ステップ1−13)、離脱信号が計量装置70に送信される(ステップ1−14)。このため計量装置70では、ステップ2−19において、この離脱信号を受信することで、接続フラグを「1」から「0」にして(ステップ2−20)、計量装置70での計量処理を終了する。なお以下で説明するように、1又は複数の商品の計量を行って商品の取引情報を取得した後に、次の商品を計量する際に、上記のように買物を中止した場合は、携帯端末110のRAM115中には、それまでに取得した商品の取引情報が記憶されたままとなっている。
【0045】
一方、
図12に示す買物確認画面において、その発行ボタン又は商品追加ボタンがタッチされた場合、計量装置70のCPU81は、計量した商品の取引情報(RAM87に記憶されている)を携帯端末110に送信する(ステップ2−13)。商品の取引情報とは、計量した商品の会計に必要な情報であり、少なくとも計量した商品の商品名と測定質量値(またはその質量値から換算した商品の個数)とを有する。また商品の取引情報には、さらに計量した商品の単価や商品価格等を含めても良い(商品の単価は、この例の場合、携帯端末110のRAM115に記憶した商品ファイルにも記載があるので必ずしも必要ない。また商品価格も携帯端末110で計算できるので必ずしも必要ない。)。
【0046】
そして一定時間内に携帯端末110から、前記商品の取引情報を受信した旨の受信確認信号を受信した場合は、ステップ2−15に移行し、一方一定時間内に携帯端末110から、前記受信確認信号を受信しなかった場合は、ステップ2−23に移行する(ステップ2−14)。
【0047】
ステップ2−15に移行した場合は、コード情報なしのラベルを発行する。
図16はコード情報なしのラベルの1例を示す図である。同図に示すように、ラベルにはコード情報が記載されていない。ラベルにコード情報を記載しないのは、すでに計量装置70から携帯端末110に商品の取引情報を送信しているので、商品の取引情報をコード化したコード情報の記載は不要だからである。またコード情報を記載しないことで、携帯端末110にその商品の取引情報が既に記憶されていることを目視で確認するためでもある。
【0048】
そして前記買物確認画面において発行ボタンをタッチしていた場合は、例えば
図13に示すような、コード情報なしのラベル発行済画面を表示手段77に表示する(ステップ2−16,ステップ2−17)。表示手段77に表示されたコード情報なしのラベル発行済画面には、計量装置70からラベルを取って商品を包装した袋に貼る旨の指示内容が記載されている。次に商品登録完了通知を携帯端末110へ送信する(ステップ2−18)。なお前記発行ボタンは、載置されて計量された商品が最後の品目であることを宣言する完了ボタンでもある。
【0049】
そして計量装置用クレードル100から携帯端末110が離脱されて(ステップ1−13)、離脱信号が計量装置70に送信されると(ステップ1−14)、計量装置70では、ステップ2−19において、この離脱信号を受信することで、接続フラグを「1」から「0」にして(ステップ2−20)、計量装置70での計量処理を終了する。
【0050】
一方前記買物確認画面において商品追加ボタンをタッチしていた場合は、例えば
図14に示すように、計量再開要求画面を表示手段77に表示する(ステップ2−16,ステップ2−22)。表示手段77に表示された計量再開要求画面には、計量装置70からラベルを取って商品を包装した袋に貼った後、次に購入する商品を計量装置70に載せることを促す内容が記載されている。そしてステップ2−6に戻って、前記計量動作を繰り返す。なお前記商品追加ボタンは、計量される商品が複数品目であることを宣言する宣言ボタンでもある。
【0051】
一方前記ステップ2−14において、ステップ2−23に移行した場合は、コード情報ありのラベルを発行する。
図17はコード情報ありのラベルの1例を示す図である。同図に示すように、ラベルにはコード情報(この例ではバーコード)が記載されている。ラベルにコード情報を記載するのは、計量装置70と携帯端末110間の通信不良により商品の取引情報が携帯端末110に記憶されなかったため、後でこのコード情報を利用して、携帯端末110に商品の取引情報を読み取らせるためである。
【0052】
そして例えば
図15に示すような、コード情報付きラベル発行済画面を表示手段77に表示する(ステップ2−24)。表示手段77に表示されたコード情報付きラベル発行済画面には、計量装置70からラベルを取って商品を包装した袋に貼り、さらにそのラベルのバーコードを読み取る旨の指示内容が記載されている。次に携帯端末110との受信不良が生じたことを携帯端末110へ送信する(ステップ2−25)。
【0053】
そして計量装置用クレードル100から携帯端末110が離脱されて(ステップ1−13)、離脱信号が計量装置70に送信されると(ステップ1−14)、計量装置70では、ステップ2−19において、この離脱信号を受信することで、接続フラグを「1」から「0」にして(ステップ2−20)、計量装置70での計量処理を終了する。そして客は、計量装置用クレードル100から取り外した携帯端末110のスキャナ部117によって、前記ラベルのコード情報を読み取り、その商品の取引情報をRAM115に記憶等する。
【0054】
図18は携帯端末110によるラベルのコード情報の読み取り処理のフローチャートである。同図に示すように、携帯端末110のスキャナ部117を前記ラベルに印刷したコード情報に近づけて、前記ラベルのコード情報を読み取って商品の取引情報を取得した場合は、ステップ3−2に移行する(ステップ3−1)。ステップ3−2では、読み取った商品の取引情報と同じ商品の取引情報が既にRAM115に記憶されているか否かを検索し、読み取った商品の取引情報と同じ商品の取引情報が未だ記憶されていない場合は、読み取った商品の取引情報をRAM115に記憶する(ステップ3−3)。そして携帯端末110の表示ディスプレイ119に、例えば
図23(a)に示すような、記憶完了画面を表示する(ステップ3−4)。記憶完了画面には、例えば、「商品の登録が完了しました」の文言を表示する。これによって、計量装置70によって測定された商品の取引情報が計量装置70から通信回線を介して携帯端末110に送信できない場合でも、前記商品の取引情報を携帯端末110に記憶させることができる。
【0055】
一方、ステップ3−2において、読み取った商品の取引情報と同じ商品の取引情報が既に記憶されていた場合は、携帯端末110の表示ディスプレイ119に、例えば
図23(b)に示すような、記憶済画面を表示する(ステップ3−5)。記憶済画面には、例えば、「この商品はすでに登録されています。もう一回登録する場合は登録ボタンを押してください。登録しない場合は完了ボタンを押してください。」の文言を表示する。つまり、同一の商品を複数組購入する場合は登録ボタンを押下し、一方、意図しない同一商品の二重登録となる場合は完了ボタンを押下する。
【0056】
そして携帯端末110の、例えば操作部121(
図2参照)に設置されている登録ボタンを押下すると、登録要求があったと判断し(ステップ3−6)、ステップ3−3に移行し、読み取った商品の取引情報をRAM115に記憶する(ステップ3−3)。そして携帯端末110の表示ディスプレイ119に、記憶完了画面を表示する(ステップ3−4)。一方、携帯端末110の、例えば操作部121に設置されている完了ボタンを押下すると、登録要求はないと判断し(ステップ3−6)、ステップ3−7に移行し、携帯端末110の表示ディスプレイ119に、例えば
図23(c)に示すような、記憶中止画面を表示する。記憶中止画面には、例えば、「商品の登録を中止しました」の文言を表示する。
【0057】
上記
図18に示すフローチャートにおいて、ステップ3−1,3−2の処理を行うCPU111は、スキャナ部117がラベルのコード情報を読み取ると、RAM115が記憶する商品の取引情報を検索する検索手段を構成している。またステップ3−3,3−4,3−5の処理を行うCPU111は、RAM115に前記コード情報から読み取られた商品の取引情報が既に記憶されている場合は、既に前記商品の取引情報が記憶されている旨を記憶済画面に表示して報知し、RAM115に前記コード情報から読み取られた商品の取引情報が記憶されていない場合は、前記商品の取引情報をRAM115に記憶させ前記商品の取引情報を記憶させた旨を記憶完了画面に表示して報知する報知手段を構成している。さらにこの報知手段は、前記コード情報から読み取られた商品の取引情報が既に記憶されている旨の報知を行う際に、RAM115に前記商品の取引情報を追加で記憶させるか否かの選択肢(ステップ3−6)を含めた報知を行い、追加で記憶させることが選択された場合は、前記商品の取引情報をRAM115に追加して記憶させ(ステップ3−3)、一方追加で記憶させないことが選択された場合は、前記商品の取引情報のRAM115への追加記憶を中止するようにしている。
【0058】
以上の検索手段と報知手段によって、買い上げる商品の取引情報を携帯端末110に二重に登録することを防止できる。また商品の取引情報の登録洩れも防止できる。つまり買い上げる商品の取引情報を正しく登録することができる。さらに、コード情報と対応する商品の取引情報が既に記憶されている旨の報知を行う際に、商品の取引情報を追加で記憶させるか否かの選択肢を含めて報知させるようにしているので、追加で記憶させることが選択された場合には商品の取引情報を携帯端末110に記憶し、追加で記憶させないことが選択された場合には商品の取引情報を携帯端末110に記憶しないようにすることができる。
【0059】
以上のようにして、計量装置70での各種操作が終了する。次に、客は、前記商品の取引情報を記憶している携帯端末110を持って会計装置20の所に行き、商品の代金の決済を行う。なお、量り売り商品以外の商品についても客が購入を行う場合は、客が別途これらの商品のバーコードを携帯端末110のスキャナ部117で読み取ればよい。これによってそれらの商品の取引情報もRAM115に記憶される。
【0060】
図19は会計装置20での携帯端末110を用いた代金決済の方法を示すフローチャートである。会計装置20において、会計装置用クレードル150に携帯端末110をセットすると(ステップ4−1)、携帯端末110から会計装置用クレードル150を介してRAM115に記憶していた商品の取引情報が会計装置20のRAM27に転送され記憶される(ステップ4−2)。そしてその後は、従来と同様の方法によって、会計処理がなされる(ステップ4−3)。つまり、全ての商品(前記計量装置70によって計量した商品及び計量しない一般の商品)の取引情報を用いて、通常の会計処理が行われ、代金が決済される。
【0061】
本発明にかかる商品登録装置3(計量装置70と計量装置用クレードル100と携帯端末110とこれらを接続する通信回線からなる。計量装置用クレードル100は無くても良い。)によれば、計量装置70の載置部73に商品が載置されてその商品の計量が完了し、携帯端末110が前記計量された商品の取引情報を記憶した場合は、携帯端末110によるコード情報の読取作業が不要になる。これによって量り売り商品の登録を、携帯端末110を用いて簡便に行うことができる。以下に、客側の操作を具体的に説明する。
(1)携帯端末110を計量装置用クレードル100へ置く。
(2)商品を計量装置70に置く。
(3)計量装置70からラベルが発行される(このとき通信により、計量装置70のコード情報が携帯端末110に記憶されるとコード情報なしのラベルが発行され、携帯端末110に記憶されないとコード情報を含むラベルが発行される)。
(4)ラベルを商品に貼る。
(5−1)コード情報なしのラベルが発行された場合で、複数商品を登録する場合は、上記(2)〜(4)を繰り返す。
(5−2)コード情報を含むラベルである場合は、携帯端末110でコード情報を読み込む。コード情報を読み込むために計量装置用クレードル100から取り外して前記コード情報を読み込んだ携帯端末110を再び計量装置用クレードル100にセットすれば、引き続き商品の登録作業を続行することができる。
(5−3)買物中止を行って計量装置用クレードル100から取り外した携帯端末110を再び計量装置用クレードル100にセットした場合も、引き続き商品の登録を続行することができる。
(6)携帯端末110を計量装置用クレードル100から取り出して一連の作業を終了する。
【0062】
通常はコード情報なしのラベルが発行されるので、複数商品を連続して登録する場合、計量装置70に商品を置いて、計量装置70から発行されるラベルを貼る操作を繰り返すだけの作業になる(計量装置70と携帯端末110間に通信不良が生じた場合のみ、ラベルのコード情報を読み込む作業が必要になる)。このため、携帯端末110を操作する手間と回数とを格段に少なくでき、客にとっての操作性は非常に良くなる。
【0063】
これに対して、計量装置に商品を置き、計量装置から発行されたコード情報付きのラベルをその商品に貼り、このコード情報を携帯端末でスキャンする作業を、購入する商品全てについて繰り返す作業は、携帯端末を操作する手間と回数が多くなり、使い勝手が悪く、煩雑である。
【0064】
次に、会計装置20で代金決済を行う場合は、下記の操作を行うことにより、簡単に代金決済を行うことができる。
(1)携帯端末110を会計装置20に接続された会計装置用クレードル150へ置く。
(2)会計装置20が携帯端末110より、自動的に量り売り商品(及びそれ以外の商品)の取引情報を読み取る。
(3)会計装置20の店員用表示部31(及び客用表示部33)に会計明細と請求金額が表示される。
(4)請求金額に基づいて代金決済を行う(会計済みレシート発行まで実行)。
(5)携帯端末110を会計装置用クレードル150から取り出す。
【0065】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば上記例では、計量装置用クレードル100を用いて、計量装置70と携帯端末110とを1対1に対応させるように構成したが、計量装置用クレードル100を用いないで、直接計量装置70と携帯端末110とを1対1に対応させるように構成しても良い。即ち例えば、計量装置70と携帯端末110とをコードで連結することで、直接計量装置70と携帯端末110とを1対1に対応させる等しても良い。
【0066】
また例えば計量装置用クレードル100と携帯端末110との間で通信させるように構成することにより、計量装置70から送信される商品の取引情報を、計量装置用クレードル100を介して携帯端末110に受信させるように構成しても良い。要は、計量装置70と携帯端末110とを通信回線を介して接続する構成であれば、どのような構成であっても良い。
【0067】
また上記例では、携帯端末110に記憶された商品の取引情報を会計装置20に取り込む取込手段として、会計装置用クレードル150を用いたが、会計装置用クレードル150の代りに、例えば携帯端末110と会計装置20とを直接無線通信させるように構成した取込手段によって、携帯端末110に記憶された商品の取引情報を会計装置20に取り込むように構成してもよい。
【0068】
また上記例では、複数の商品を繰り返し計量する場合、計量装置70は、商品を計量する毎にラベルを発行する構成としたが、その代りに、全ての商品を計量し終わった後に、まとめて複数枚の各商品毎のラベルを発行するように構成してもよい。または計量装置70は、全ての商品を計量し終わった後に、まとめて1枚のラベルを発行するように構成してもよい。
図20,
図21は、全ての商品を計量し終わった後に1枚発行されるラベルの1例を示す図であり、
図20はコード情報なしの場合、
図21はコード情報ありの場合を示している。
図21に示すラベルの場合のコード情報は、データ量が多いので、2次元コードを使用している。
【0069】
また上記例では、買物中止の場合は、買物中止に至るまでに計量した商品の取引情報を携帯端末110に記憶し、記憶した商品については会計装置20で精算できるようにしているが、その代りに、買物中止の場合は、買物中止に至るまでに計量した商品の取引情報を携帯端末110のRAM115から削除し、精算できないように構成しても良い。
【0070】
上記例では、商品の質量の単価から直接販売価格を算出しているが、商品がリンゴなどの場合は、1個当たりの質量が略同一なので、1個当たりの質量の範囲を予め計量装置70のRAM87に記憶しておくことで、測定した質量からその商品の個数を算出し、1個当たりの単価から販売価格を算出しても良い。