(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のレバースイッチは、電磁石から発せられる磁力により磁性体が吸着され操作荷重を変化させている。そのため、遊技者の操作により、操作レバーが傾動し、磁性体と電磁石との間の距離が離れてしまうと、磁性体と電磁石との間に働く吸着力が弱くなってしまう。そのため、操作レバーの始動後は、操作荷重が変化していることが遊技者にとって判りづらくなってしまい、高い演出効果が得られないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出効果の高いレバースイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るレバースイッチは、一端に操作子を有し、他端と前記操作子との間の点を支点として傾動する軸部と、前記操作子に対する操作がないときの前記軸部の位置を基準位置とするとき、前記軸部が前記基準位置から傾斜しているか否かを検知する検知部とを備えるレバースイッチにおいて、付勢部材と、前記付勢部材が前記軸部の他端の可動範囲外に位置する第1状態と、前記付勢部材が前記可動範囲内に位置する第2状態とを切り替える切替部とを備え、前記付勢部材は、前記第2状態において、基準位置から傾斜している前記軸部の他端に対して、基準位置に戻す付勢力を与える。
【0009】
上記の構成によれば、第2状態において、軸部の他端の可動範囲内に付勢部材が位置することにより、レバースイッチの傾動操作時に遊技者は、付勢部材の付勢力に逆らってレバースイッチを傾動することとなる。そのため、付勢部材の状態を第1状態と第2状態とで切り替えることにより、遊技者は、第1状態と第2状態とで異なったレバースイッチの操作感を得ることができる。
【0010】
また、付勢部材の付勢力により異なった操作感を感じるため、遊技者に対して、傾動操作を行っている間、第1状態と第2状態とで異なった操作感を与えることができ、高い演出効果が得られる。
【0011】
さらに、本発明に係るレバースイッチにおいて、前記切替部は、基準位置にある軸部の軸方向に沿って前記付勢部材を移動させることで、前記第1状態と第2状態とを切り替えてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、付勢部材が軸方向に対して移動することで第1状態と第2状態が切り替えられる。
【0013】
さらに、本発明に係るレバースイッチにおいて、前記切り替え部は、ソレノイドであってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、第1状態と第2状態との切り替えを簡易な構成により実現することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るレバースイッチにおいて、前記付勢部材は、コイルバネと、前記コイルバネの一端に取り付けられ、穴を有する受け部と、基準位置にある軸部の軸上に前記コイルバネの他端を支持するコイルバネ支持部とを備え、前記切替部は、前記軸部の他端が前記穴に挿入するまで前記付勢部材を移動させることで前記第1状態から前記第2状態に切り替え、前記軸部の他端が前記穴から抜けるまで前記付勢部材を移動させることで前記第2状態から前記第1状態に切り替えてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、第2状態において、レバースイッチの傾動操作に必要な力は、レバースイッチをどの方向に傾動するかによって変化せず、等方性を有する。これにより、遊技者は、第2状態においてレバースイッチをどの方向に傾動させたとしても、第1状態とは異なった操作感を感じることができ、高い演出効果が得られる。
【0017】
さらに、本発明に係るレバースイッチにおいて、前記受け部は、前記コイルバネに対応する第1螺旋溝が形成された外周面を有し、前記第1螺旋溝の谷径は、前記コイルバネの内径よりも大きく、前記第1螺旋溝と前記コイルバネとが螺合することで、前記受け部が前記コイルバネに取り付けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、第1螺旋溝の谷径がコイルバネの内径よりも大きく形成されているので、第1螺旋溝とコイルバネとの間で比較的強い摩擦力が生じる。そのため、コイルバネと受け部とを螺合する際には、コイルバネの外径を広げる方へ力が作用するため、コイルバネを第1螺旋溝へ螺合することができる。また、コイルバネを第1螺旋溝から外そうとする力が作用した場合は、コイルバネには、コイルバネの外径を縮める方向へ力が作用することとなり、外れにくい。そのため、コイルバネと受け部との固定を確実なものとすることができる。
【0019】
さらに、本発明に係るレバースイッチにおいて、前記コイルバネ支持部は、前記コイルバネに対応する第2螺旋溝が形成された外周面を有する第2螺嵌部を有しており、前記第2螺旋溝の谷径は、前記コイルバネの内径よりも大きく、前記第2螺旋溝と前記コイルバネとが螺合することで、前記コイルバネ支持部が前記コイルバネに取り付けられていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、コイルバネとコイルバネ支持部とを螺合する際には、コイルバネの外径を広げる方へ力が作用するため、コイルバネを第2螺旋溝へ螺合することができる。また、コイルバネを第2螺旋溝から外そうとする力が作用した場合は、コイルバネには、コイルバネの外径を縮める方向へ力が作用することとなり、外れにくい。そのため、コイルバネとコイルバネ支持部との固定を確実なものとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、演出効果の高いレバースイッチを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
(スロットマシン11の全体構成)
図1は、本実施形態に係るレバースイッチを備えた遊技機としてのスロットマシン11の構成を示す外観斜視図である。
図1に示したように、スロットマシン11は、パネル12、リール部13、ストップボタン14、レバースイッチ15、掛け数設定ボタン16、返却ボタン17、投入口18、精算ボタン(図示せず)、下皿19等を備えている。
【0025】
遊技者がスロットマシン11を遊技利用するときは、まず投入口18にメダルMを投入する。投入されたメダルMは内部で選別され、有効と選別された適正なメダルMは遊技機内に取り込まれ、不適正と選別されたメダル類や所定枚数を超えて投入されたメダルは、メダル返却通路(図示せず)を通じて下皿19から排出される。また、遊技者が遊技を中止する為に、精算ボタンを押下した場合も、メダルMは下皿19から返却される。
【0026】
次に、遊技者は、掛け数設定ボタン16を押下し、掛け数を決定する。その後、遊技者がレバースイッチ15を傾動操作することで、遊技者と対峙する前面中央部に設けられたリール部13が回転を開始し、それに合わせてパネル12に演出が表示される。
【0027】
次に、遊技者は、前面中央の幅方向に3個並列して設けられたストップボタン14を操作し、リール部13を停止させる。その後、停止したリール部13に表示されているシンボルにより役が決定し、遊技者には、決定した役と掛け数とに応じた賞が付与される。
【0028】
(レバースイッチ15の構成概略)
次に、本実施形態に係るレバースイッチ15について説明する。
【0029】
図2は、レバースイッチ15の外観正面図であり、
図3は、レバースイッチ15の分解斜視図である。
図4の(a)は、別の方向(
図2における斜め上方)からみたときのレバースイッチ15の外観正面図であり、
図4の(b)は、
図4の(a)におけるA−A線矢示断面図である。
【0030】
図2および
図3に示すように、レバースイッチ15は、操作レバー20と、サブケース27と、メインケース30と、押圧部材38と、押圧バネ40と、遮光筒55と、ホルダー45と、センサブロック(検知部)65と、感触部材(付勢部材)70と、感触部材復帰バネ80と、ソレノイド(切替部)85と、フレーム90とを備えている。
【0031】
以降、説明の便宜上、未操作時の操作レバー20の軸を軸Xとするとき、軸Xの操作レバー20から見てソレノイド85の方向を後方とし、軸Xのソレノイド85からみて操作レバー20の方向を前方とするが、スロットマシン11において、レバースイッチ15は、必ずしも操作レバー20が遊技者にとって前方となるように水平に取り付けられているとは限らない。また、レバースイッチ15の未操作時における各部材の位置を基準位置とする。
【0032】
操作レバー20は、操作子21と、操作軸(軸部)22と、揺動カム25とを備えている。操作軸22は、円柱状の軸であって、一端には遊技者が操作する略球状の操作子21が固定されている。操作軸22は、外径が異なる大径部23と小径部24とを備えている。大径部23は前方に形成されており、小径部24は後方に形成されている。操作軸22には、軸方向中央付近の大径部23と小径部24との境界に、大径部23と小径部24との外径の差によって形成される面に当接するように、小径部24側から略ドーナツ状の揺動カム25が嵌挿されて軸支される。揺動カム25の後方側の端部は、メインケース30の後述する狭窄部32に受け止められる。また、操作軸22の操作子21とは反対側(後方)の小径部24端部近傍には、外周に周溝26が形成されている。また、小径部24の周溝26より後方の部分を延伸部24aとする。
【0033】
サブケース27は、操作レバー20と同軸上に配置される中空の略円筒状の部材である。後方端部近傍の外周に係合穴27aが形成されている。
【0034】
メインケース30は、サブケース27と同様に、操作レバー20と同軸上に配置される中空の略円筒状の部材である。メインケース30は、前方側円筒部31と狭窄部32と後方側円筒部35とケースフランジ33とを備える。
【0035】
前方側円筒部31は、サブケース27がはめ込まれるように、サブケース27の内径と略等しい外径を有しており、サブケースの係合穴27aと対応する位置に係合爪34が形成されている。狭窄部32は、前方側円筒部31の後方端部に半径方向内側に設けられ、前方側円筒部31よりも小さい内径を有している。狭窄部32の内径は、操作軸22が傾動可能となるように、操作軸22の小径部24の外径よりも大きくなっている。
【0036】
ここで、前方側円筒部31の内径は、揺動カム25の外径と対応する大きさとなっている。これにより、狭窄部32の内側に小径部24が挿通され、揺動カム25が狭窄部32に当接するように前方側円筒部31の内部に配置される。その結果、操作レバー20は、揺動カム25により、メインケース30内部で全方位に傾動自在に軸支される。すなわち、揺動カム25が取り付けられている箇所が支点となり、操作レバー20が傾動可能となる。
【0037】
後方側円筒部35は、前方側円筒部31の後方側に連接されており、遮光筒55の外径と対応する内径を有している。ケースフランジ33は、後方側円筒部35の外周面中央付近に設けられ、スロットマシン11に固定するための穴が設けられている。また、ケースフランジ33は、後方に伸びた円筒形の伸長部36を備えている。
【0038】
押圧部材38は、操作軸22の小径部24によりスライド可能に軸支される円筒部38aと、円筒部38aの前方側の端部に形成されたフランジ部38bとを有している。押圧部材38は、狭窄部32と周溝26との間と配置されるように操作軸22に軸支される。押圧部材38は、操作軸22の傾動に合わせて傾く。押圧部材38のフランジ部38bは、メインケース30の狭窄部32に当接している。
【0039】
押圧バネ40は、コイル状を有しており、その内部に押圧部材38の円筒部38aが嵌挿されている。また、押圧バネ40は、押圧部材38のフランジ部38bと止め輪41との間に圧縮した状態で配置されている。ここで、止め輪41は、揺動カム25と操作軸に形成された周溝26との間に、狭窄部32(メインケース30)と、押圧部材38と、押圧バネ40と、ワッシャー39とがこの順に操作軸22により軸支された状態で、周溝26に装着される。これにより、押圧バネ40は、一端がフランジ部38bに当接し、他端が止め輪41に係止されたワッシャー39に当接する。その結果、押圧バネ40は、ワッシャー39に対して後方側に付勢力を与える。当該付勢力により、操作レバー20は、揺動カム25が狭窄部32に当接する位置が基準位置として定められる。
【0040】
ホルダー45は、第1円筒部47と、第1円筒部47の前方側端部に形成されたホルダーフランジ46と、第1円筒部47の後方側端部に連接しており、第1円筒部47の内径よりも小さい内径を有する第2円筒部49と、第2円筒部49の後方側端部に連接しており、第2円筒部49の内径よりも小さい内径を有する第3円筒部50と、第3円筒部50の後方側端部に連接しており、第3円筒部50の内径よりも小さい内径を有する第4円筒部51とを備える。
【0041】
ホルダーフランジ46は、ケースフランジ33と対応する形状を有している。ホルダーフランジ46には、ケースフランジ33の伸長部36と対応する凹部46aが形成されており、凹部46aの底に穴が形成されている。ホルダー45とメインケース30とは、ケースフランジ33とホルダーフランジ46とを互いに対向させて、凹部46aと伸長部36とをネジ46bにより螺合することにより、連結している。また、ホルダーフランジ46にも、ケースフランジ33と同様に、スロットマシン11に固定するための穴が設けられており、当該穴を用いてスロットマシン11に固定される。
【0042】
第1円筒部47は、メインケース30の後方側円筒部35の外径に対応する内径を有しており、その内側に後方側円筒部35が嵌挿される。
【0043】
また、第1円筒部47の外周面上には、センサブロック65が取り付けられている。センサブロック65は、センサとコネクタとを備えている。センサは、発光部と受光部とを備え、発光部と受光部との間に形成された空間(物体検出空間)への物体の出入りを検知するフォトインタラプタである。物体検出空間に物体が存在しないときはOFFの信号を、存在するときはONの信号を、コネクタを通してスロットマシン11へと発信する。そして、第1円筒部47には、センサブロック65が有する物体検知空間に連通している、軸Xに沿ったスリット48が形成されている。
【0044】
第2円筒部49は、遮光筒55の外径に対応する内径を有している。
【0045】
第3円筒部50は、感触部材70が軸Xに沿ってスライド可能な中空を有している。また、上述したように、第3円筒部50が第2円筒部49より小さい内径を有しているため、第3円筒部50と第2円筒部49との連接部分において、前方側に面した第1当接面53が形成される。
【0046】
第4円筒部51は、感触部材70の後述する摺動軸74を、軸X上で支持するために、摺動軸74に対応する内径を有している。また、上述したように、第4円筒部51が第3円筒部50より小さい内径を有しているため、第4円筒部51と第3円筒部50との連接部分において、前方側に面した第2当接面54が形成される。さらに、第4円筒部51の後方側には、外径が小さくなっている小外径部51aが形成されており、小外径部51aの前方側に段差が形成されている。
【0047】
遮光筒55は、略円筒形の部材で、遮光筒55の外周に半径方向外側に突出した遮光板56を備えている。遮光筒55は、遮光板56がホルダー45のスリット48の中に差し込まれた状態で、ホルダー45およびメインケース30の後方側円筒部35の内部に収容される。ここで、上述したように、ホルダー45の第2円筒部49およびメインケース30の後方側円筒部35は、遮光筒55の外径と対応する内径を有している。そのため、遮光筒55は、第2円筒部49および後方側円筒部35の内面に沿って、軸Xに沿ってスライド可能となる。また、遮光筒55の内側には、操作レバー20の操作軸22が通る。
【0048】
さらに、遮光筒55の前方の端部に、半径方向内側に迫り出した環状部57を備えている。環状部57は、押圧部材38のフランジ部38bの外径よりも小さい内径を有している。そのため、環状部57は、フランジ部38bと対向し、押圧部材38が傾動したときに、フランジ部38bの一部が環状部57に対して後方側への力を与える。その結果、遮光筒55が後方側にスライドする。すなわち、環状部57は、押圧部材38の傾動を遮光筒55の軸Xに沿ったスライド動作に変換する機能を有している。遮光筒55のスライド動作により、遮光筒55に形成された遮光板56は、センサブロック65が有する物体検知空間に出入りする。また、環状部57は、フランジ部38bと接触する面が曲面となっている。これにより、フランジ部38bが傾動したときに、環状部57とフランジ部38bとの間の摺動が円滑になる。
【0049】
遮光筒復帰バネ60は、コイル状を有しており、外径が遮光筒55の内径と略等しい大きさである。遮光筒復帰バネ60は、一方の端が遮光筒55の環状部57の後方側の面に、他方の端が第1当接面53に当接するように、第2円筒部49および遮光筒55の内側に、圧縮した状態で配置される。そのため、遮光筒55には、前方への付勢力が働くため、環状部57が押圧部材38のフランジ部38bに当接する。これにより、遮光筒55の基準位置が定められている。
【0050】
図5の(a)は、感触部材70の斜視図であり、
図5の(b)は感触部材70の分解斜視図である。
【0051】
図5に示すように、感触部材70は、受け部71と感触バネ(コイルバネ)72と円柱部材(コイルバネ支持部)73と摺動軸(コイルバネ支持部)74とを有している。感触バネ72は、コイルバネであり、ホルダー45の第3円筒部50内で軸Xに沿ってスライド可能な外径を有している。
【0052】
受け部71は、前端面に穴を有する部材であり、本実施形態では円筒状である。受け部71は、外周に感触バネ72の巻線に対応するネジ溝(第1螺旋溝)が形成されている。そして、受け部71は、感触バネ72の一端の内側に螺嵌される。ここで、受け部71の外周面に形成されたネジ溝は、感触バネ72の内径よりもわずかに大きい谷径を有している。なお、谷径とは、ネジ溝の底に接する仮想的な円筒の直径である。そのため、感触バネ72と受け部71とを螺合する際、感触バネ72には、感触バネ72の外径を広げる方向(つまり、感触バネ72の巻線を緩める方向)に力が作用し、容易に螺合することができる。また、感触バネ72を受け部71から外そうとする力が作用した場合には、感触バネ72には、感触バネ72の外径を縮める方向(つまり、感触バネ72の巻線を締める方向)に力が働くため、感触バネ72は、受け部71から外れにくい。そのため、感触バネ72と受け部71との固定を確実なものとすることができる。
【0053】
また、受け部71の内径は、操作軸22の後方側の端部である延伸部24aの外径より大きくなっている。これにより、受け部71の内側の穴に延伸部24aを抜き差しすることができる。
【0054】
円柱部材73も、感触バネ72の巻線に対応するネジ溝(第2螺旋溝)が形成された外周面を有している。そして、円柱部材73は、感触バネ72の他端の内側に螺合される。ここで、円柱部材73の外周面に形成されたネジ溝も、感触バネ72の内径よりもわずかに大きい谷径を有している。その結果、受け部71と同様に、円柱部材73も感触バネ72に容易に取り付けることができるとともに、感触バネ72から外れにくくなっている。
【0055】
摺動軸74は、円柱部材73よりも小さい外径を有しており、円柱部材73の一方の端面(後方側の端面)に取り付けられ、円柱部材73と一体となっている。摺動軸74の外径は、ホルダー45の第4円筒部51の内径に対応しており、第4円筒部51の内面により、軸Xに沿ってスライド可能に支持される。すなわち、摺動軸74は、円柱部材73および第4円筒部51とともに、感触バネ72の後方側の端部(受け部71が取り付けられていない側の端部)を軸X上に支持するためのコイルバネ支持部として機能する。摺動軸74は、後方端部近傍に周溝75が形成されている。
【0056】
感触部材70は、摺動軸74が後方になるようにホルダー45の前方側から、円柱部材73の後方側の端面が第2当接面54に当接するまで挿入される。円柱部材73の後方側の端面が第2当接面54に当接するとき、
図4に示されるように、摺動軸74の周溝75を含む一部は、ホルダー45の第4円筒部51を通して、第4円筒部51の後方から外部に露出する。外部に露出した周溝75には、上述の操作軸22の周溝26と同様に、周溝75の前方側において、コイル状の感触部材復帰バネ80とワッシャー76とが摺動軸74により軸支された状態で、止め輪77が装着される。
【0057】
ここで、止め輪77の前方にワッシャー76が、ワッシャー76の前方に感触部材復帰バネ80が配置されるようになっている。そして、感触部材復帰バネ80は、ワッシャー76とホルダー45の第4円筒部51における小外径部51aの前方側の段差との間に、圧縮した状態で配置される。すなわち、感触部材復帰バネ80は、一端がワッシャー76によって支持され、他端が小外径部51aの前方側の段差によって支持されており、ワッシャー76を後方へと付勢している。そのため、感触部材70は、感触部材復帰バネ80により後方へ付勢される。これにより、感触部材70に対して後述するソレノイド85からの力が加わっていない場合、感触部材70の円柱部材73がホルダー45の第2当接面54に当接し、感触部材70の基準位置を定めている。
【0058】
なお、感触部材70の円柱部材73がホルダー45の第2当接面54に当接している状態において、感触部材70の円筒部材71は、操作軸22の延伸部24aよりも後方に位置している。つまり、円筒部材71は、操作レバー20を傾動させたときの延伸部24aの可動範囲外に位置している(第1状態)。
【0059】
ソレノイド85は、略円柱状であって、ソレノイド可動部87とソレノイド固定部86とを有しており、軸X上に配置される。ソレノイド85は、ソレノイド固定部86にソレノイドコイルを有しており、通電により励磁されると、ソレノイド可動部87が軸X上を前方へと移動する。ソレノイド可動部87はまた、前方端面が、感触部材70の摺動軸74の後方端面と当接するように配置されている。ソレノイド可動部87は、ソレノイド固定部86が通電されたときに、感触部材70の受け部71の内側(穴の中)に操作軸22の延伸部24aが挿入される位置まで感触部材70を前方にスライドさせる。このとき、受け部71は、操作軸22を傾動させたときの延伸部24aの可動範囲内に位置することになる(第2状態)。
【0060】
フレーム90は、ソレノイド固定部86の前方の面に設けられたネジ穴に螺合するネジ88よってソレノイド固定部86を支持している。また、フレーム90は、ネジ91によりホルダー45に固定されている。
【0061】
(傾動操作時のレバースイッチ15の動作)
図6は、ソレノイド85が非作動時に傾動操作を行った場合のレバースイッチ15の断面図である。
【0062】
遊技者によって、操作子21が操作されると、揺動カム25を支点として、操作軸22が傾動する。この時、操作レバー20の傾動可能な傾動量は、操作軸22がサブケース27の前方開口端に当たることで定められている。つまり、操作レバー20は、操作軸22がサブケース27に当たるまで傾動可能である。
【0063】
操作軸22が傾動すると、押圧部材38が傾く。このとき、押圧部材38のフランジ部38bにおける後方側の端部は、遮光筒55の環状部57を軸Xに沿って後方側に押す。これにより、操作軸22の傾動量は遮光筒55の軸Xに沿った後方への移動量へと変換される。遮光筒55が遮光筒復帰バネ60を圧縮しながら軸Xに沿って後方へ移動し、遮光板56はが、センサブロック65の物体検出空間へと入り込む。その後、センサブロック65は、スロットマシン11へとONの信号を送信する。
【0064】
遊技者が操作レバー20の傾動操作を終了すると、押圧バネ40と遮光筒復帰バネ60とが復帰し、操作レバー20、押圧部材38、遮光筒55は、基準位置へと戻る。そのため、遮光板56は、物体検出空間から脱出し、センサブロック65は、スロットマシン11へOFFの信号を送信する。
【0065】
(ソレノイド85作動時のレバースイッチ15の動作)
図7は、ソレノイド85作動時における、レバースイッチ15を示したものであり、
図7の(a)は外観正面図、
図7の(b)は、
図7の(b)におけるB−B線矢示断面図である。
【0066】
ソレノイド85が通電され、作動すると、ソレノイド可動部87は、上述したように軸X前方に移動する。ソレノイド可動部87の前方端面は、感触部材70の摺動軸74の後方端面と当接しているため、ソレノイド85が作動すると感触部材70は、ソレノイド可動部87に押され、感触部材復帰バネ80を圧縮しながら軸X前方へとスライドする。これにより、感触部材70の受け部71の中空部分(穴)に操作軸22の延伸部24aが浸入する。
【0067】
ソレノイド85の作動が終了すると、感触部材復帰バネ80の付勢力により、感触部材70およびソレノイド85は基準位置へと戻る。
【0068】
(ソレノイド85作動時に傾動操作を行った場合のレバースイッチ15の動作)
図8は、
図7の(b)において、傾動操作を行った場合のレバースイッチ15の断面図である。
【0069】
ソレノイド85作動時に傾動操作を行うと、上述したように操作軸22の延伸部24aが感触部材70の受け部71の中空部分に挿入しているため、操作軸22の傾動に伴い受け部71も一体となって移動する。そのため、感触部材70の感触バネ72が伸びることとなり、操作軸22には感触バネ72が自然長へ戻ろうとする復元力が作用する。そのため、遊技者は、レバースイッチ15を傾動するのに、ソレノイド85が非作動時にレバースイッチ15を傾動するのに必要な力とは別に、感触バネ72の復元力に逆らう力を加える必要が生じる。これにより、レバースイッチ15は、遊技者が感じる操作感を、ソレノイド85作動時と、非作動時とで、変化させることができる。
【0070】
特許文献1に記載のレバースイッチにおいては、異なった操作感を与えているのは電磁石による吸着力であったのに対して、本発明に係るレバースイッチ15は、感触バネ72である。そのため、操作レバー20の傾動量が大きくなったとしても感触バネ72の復元力が作用し続けるため、特許文献1に記載のレバースイッチとは異なり、操作レバー20の傾動の全行程においてソレノイド85非作動時とは異なった操作感を得ることができる。
【0071】
また、本実施形態では、操作軸22は、揺動カム25により支持されており、軸Xに垂直な全方向に傾動可能となっている。そして、操作軸22の延伸部24aが挿入される感触部材70は、感触バネ72を有している。そのため、操作軸22がいずれの方向に傾動されたとしても、感触バネ72は、操作軸22に対して基準位置に戻す力を与えることができる。すなわち、操作レバー20の傾動方向にかかわらず、ソレノイド85の作動時/非作動時で異なった操作感を操作レバー20に与えることができる。
【0072】
また、スロットマシン11の内部状態やパネル12に表示される演出等に応じてソレノイド85作動させることで、レバースイッチ15の操作感を変化させ、遊技者の、期待感を高めることができる。そのため、高い演出効果が得られる。
【0073】
(変形例1)
上記の実施形態において、感触部材70は、感触バネ72としてコイルバネを備えている場合を示したが、これに限られるものではない。例えば、特許文献1に記載されているように、操作レバーの傾動方向が上下の2方向のみである場合、感触バネ72は板バネであってもよい。この場合、ソレノイド85作動時に、延伸部24aの上下に2枚の板バネがスライドされる。これにより、ソレノイド85作動時にレバースイッチを傾動操作すれば、遊技者はソレノイド85非作動時とは異なった操作感を得ることができる。そのため、演出効果の高いレバースイッチを提供することができる。
【0074】
(変形例2)
上記の実施形態において、感触バネ72は、操作感(傾動に必要な力)を変化させるために用いたが、これに限られるものでは無く、変形に非常に強い力が必要なバネや、変形しない剛体の円筒等を用いてもよい。
【0075】
感触バネ72の代わりに変形に非常に大きな力が必要な材料や変形しない材料を用いた場合は、ソレノイド85作動時に、遊技者がレバースイッチ15を傾動(操作)できないようにすることができる。これにより、スロットマシン11にとって、遊技者がレバースイッチ15を操作してほしくない場合、例えば、スロットマシン11のリール部13が回転しているとき等にソレノイド85を作動させることでレバースイッチ15をロックすることができる。このほかにも、スロットマシン11のパネル12に表示されている演出等に応じてソレノイド85を作動させ、レバースイッチ15をロックすることによりレバースイッチ15を演出の一部として使用してもよい。
【0076】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。