(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記取得された通信品質に基づいて、前記ネットワークにおける通信品質を向上させるための前記各機器のアンテナの位置および方向を提案する前記調整情報を表示部に表示させる請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
前記制御部は、前記複数の機器を設置する空間を表す空間画像と、前記空間において前記移動後に前記通信品質が測定された位置を表す位置画像とを表示部に表示させ、前記位置において測定された通信品質を当該位置に関連付けて表示させる請求項5記載の情報処理装置。
情報処理装置および他の機器と相互に接続してネットワークを構成して前記情報処理装置および前記他の機器に関する通信品質を取得して前記情報処理装置に送信する機器と、
前記送信された通信品質に基づいて、前記機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力させる制御と、前記機器を設置する空間を表す空間画像と前記空間における前記機器の位置を示す機器画像を表示部に表示させる制御と、前記機器に関する通信品質を当該機器に関連付けて表示させる制御と、前記情報処理装置および前記機器に関する通信品質を前記情報処理装置および当該機器に関連付けて表示部に表示させる制御とを行う情報処理装置と
を具備する通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(電子機器が通信品質を測定して情報処理装置に報告する例)
2.第2の実施の形態(情報処理装置が通信品質を測定して表示する例)
3.第3の実施の形態(可動式の電子機器を設置する場合における調整方法の例)
4.第4の実施の形態(可動式の情報処理装置を用いる例)
5.第5の実施の形態(クラウドサービスを利用して通信品質を扱う例)
6.応用例
【0022】
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10のシステム構成の一例を示す図である。
【0023】
通信システム10は、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とを備える。なお、
図1では、リビング、バスルーム、キッチン、クローゼット、3つの部屋により構成される家の中に、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とを設置した場合における配置例を示す。
【0024】
ここで、情報処理装置100は、表示機能を有する携帯型の情報処理装置とすることができる。すなわち、情報処理装置100は、ユーザ20が手元で操作可能な機器であり、移動可能な機器である。なお、電子機器200乃至204は、表示機能を備えるようにしてもよく、表示機能を備えなくてもよい。
【0025】
また、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とは、無線通信を利用して他の機器との間で各情報のやりとりを行うことが可能な無線通信機能を備えるものとする。例えば、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とは、無線LAN(Local Area Network)の通信方式により無線通信を行うことができる。また、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とは、他の通信方式により無線通信を行うようにしてもよい。
【0026】
このように、一定のエリア内に、各種の無線通信機器が分散配置されることにより通信システム10が構成される。なお、情報処理装置100は、ユーザ20が所持することができる。
【0027】
ここで、一定のエリアは、例えば、オフィス、住宅、工場、空港、教育施設(例えば、学校の教室)、文化施設、スポーツ施設、福祉施設、医療施設(例えば、病院)、集会場、空港、観光施設、商業施設、宿泊施設等の場所を意味するものとする。
【0028】
また、例えば、電子機器200乃至204は、センサ類、テレビ、プロジェクタ、ハードディスクレコーダー、スピーカ、マイク、アクセスポイント、PC(Personal Computer)、ディスプレイ等の電子機器とすることができる。また、例えば、電子機器200乃至204は、ゲーム機、ブルーレイプレーヤー、プリンタ、センサ付きライト、自動ドア、防犯装置、防災装置等の電子機器とすることができる。また、例えば、電子機器200乃至204は、タブレット、スマートフォン、フォトフレーム、冷蔵庫、エアコン、空気清浄器、掃除機(例えば、自走式掃除機)、洗濯機、電子レンジ、トースター、換気扇、ラジオ等とすることができる。
【0029】
また、各機器間で行われる無線通信は、例えば、周囲の電子機器と自律的に相互接続する通信方法により実現される。なお、周囲の電子機器は、例えば、近接する電子機器、隣接する電子機器である。
【0030】
ここで、周囲の電子機器と自律的に相互接続する通信方法として、アドホック通信やアドホックネットワーク等が知られている。このようなネットワークにおいては、各電子機器は、マスタ局(例えば、制御装置)に依存することなく、周囲の電子機器と相互に通信を行うことが可能である。そこで、本技術の実施の形態では、周囲の電子機器と自律的に相互接続する通信方法として、アドホックネットワークやメッシュネットワークを例にして説明する。
【0031】
アドホックネットワークでは、周囲に新たな電子機器が追加されると、この新たな電子機器も自由にネットワークに参加することができる。このように、電子機器(周囲の電子機器)が増加するのに応じて、ネットワークのカバー範囲を増加させることができる。すなわち、電子機器が順次追加されるのに応じて、ネットワークのカバー範囲を増加させることができる。
【0032】
ここで、情報処理装置100と、電子機器200乃至204とは、周囲に存在する他の機器と自律的に相互接続する以外に、他の機器間でやりとりされる情報をバケツリレー的に転送することも可能である。
【0033】
例えば、電波が届かない等の理由により、電子機器203と直接通信することができない機器(例えば、電子機器201)が存在する場合を想定する。このように直接通信ができない場合でも、電子機器203との直接通信が可能な電子機器202が電子機器201のデータを、電子機器203に転送することが可能である。そこで、このようにデータを転送することにより、電子機器203と、電子機器203と直接通信することができない電子機器201とは、電子機器202を経由して、互いに情報のやり取りを行うことが可能となる。すなわち、電子機器201および電子機器203は、中継局(電子機器202)を介して通信することができる。
【0034】
このように互いにデータ転送(いわゆる、バケツリレー)を行い、遠くの機器に情報を届ける方法は、マルチホップ・リレーと称されている。また、マルチホップを行うネットワークは、メッシュネットワークとして一般的に知られている。また、通信システム10は、複数の機器が1対1で無線通信を行うことにより複数の機器が相互に接続されるネットワークの一例である。すなわち、通信システム10は、各機器が、アドホックネットワークやメッシュネットワークを構成するシステムである。
【0035】
例えば、電子機器200を、コンテンツ(例えば、音楽コンテンツ(音源)、画像コンテンツ(音を伴う動画))を保持して、そのコンテンツを自機または他の電子機器から出力させることが可能な電子機器(例えば、メモリを内蔵するスピーカ)とする。また、電子機器201乃至204を、電子機器200に保持されているコンテンツを出力可能なスピーカとする。
【0036】
この場合には、無線通信を利用して、電子機器200に保持されているコンテンツを電子機器201乃至204に送信して、電子機器201乃至204の設置場所毎にそのコンテンツを再生させることができる。例えば、電子機器201乃至204のそれぞれ(または、少なくとも1つ)に同一の音源のコンテンツを再生させることができる。また、例えば、電子機器201乃至204のそれぞれに異なる音源のコンテンツを別々に再生させることができる。
【0037】
ここで、無線通信を利用して情報のやりとりを行うことが可能であるため、ユーザ20は、電子機器200乃至204を自由に設置することができる。
【0038】
しかしながら、無線通信を利用する場合には、一定のエリア内では、設置場所によって、広さや電波環境等が異なることが想定される。このため、ユーザ20が、電子機器200乃至204を自由に設置すると、一部の電子機器を電波の届かない場所に設置してしまうことも想定される。また、例えば、一部の電子機器に届きにくい通信経路(パス)ができてしまうおそれがある。また、例えば、一部の電子機器にのみ、負荷がかかる通信経路(パス)が生成されるおそれもある。
【0039】
また、ユーザ20は、電子機器200乃至204をどこに設置すれば無線通信環境として良好なパスを多く確保することができるのか、また、通信システム10としての性能が最適(または、好適)となる配置を把握することが困難である。このため、ユーザ20は、例えば、電子機器200乃至204を設置した後に、電子機器200乃至204から音声を出力させ、その音声出力を聞き、電子機器200乃至204の設置場所を探す必要がある。このように、ユーザ20は、電子機器200乃至204を適当に順次移動させて、電子機器200乃至204の設置場所を探す必要がある。
【0040】
このように、電子機器の設置環境が様々であるため、ユーザ20にとって、電子機器200乃至204をどのように配置することが、通信システム10として好適な配置方法なのかを把握することが困難である。また、例えば、電子機器200乃至204の設置場所が分散されているため、電子機器200乃至204の調整方法が困難である。
【0041】
そこで、本技術の第1の実施の形態では、通信システム10としての性能が最適(または、好適)となる電子機器の配置をユーザが容易に把握することができる例を示す。
【0042】
[情報処理装置の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0043】
情報処理装置100は、通信部110と、アンテナ111と、制御部120と、記憶部130と、タイマ140と、表示部150と、操作受付部160と、音声出力部170とを備える。また、これらの各部は、バス180を介して接続される。情報処理装置100は、例えば、ユーザ20が持ち歩くことができる携帯型の情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話)である。
【0044】
通信部110は、アンテナ111を介して、電波の送受信を行うためのモジュール(例えば、無線LAN(Local Area Network)モデム)である。例えば、通信部110は、無線LANの通信方式により無線通信を行うことができる。また、例えば、通信部110は、ZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、BT(Bluetooth(登録商標))、BLE(Bluetooth Low Energy)により無線通信を行うことができる。また、例えば、通信部110は、他の通信方式(例えば、可視光通信)により無線通信を行うことができる。
【0045】
例えば、通信部110は、制御部120の制御に基づいて、他の機器と接続し、各情報のやりとりをその機器との間で無線通信を利用して行うことができる。また、例えば、通信部110は、制御部120の制御に基づいて、他の機器(第1機器)を経由してその機器(第1機器)以外の他の機器(第2機器)に各情報を転送することができる。
【0046】
また、通信部110は、電波(電磁波)を用いた無線通信を行うようにしてもよく、電波以外の媒体を用いた無線通信(例えば、磁界を用いて行われる無線通信)を行うようにしてもよい。なお、通信部110は、特許請求の範囲に記載の取得部の一例である。
【0047】
制御部120は、記憶部130に格納されている制御プログラムに基づいて情報処理装置100の各部を制御するものである。例えば、制御部120は、CPU(Central Processing Unit)により実現される。また、例えば、制御部120は、送受信した情報の信号処理を行う。
【0048】
例えば、制御部120は、通信部110により取得された電子機器に関する通信品質に基づいて、電子機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力(例えば、
図10に示す通信品質通知画面340の表示)させることができる。例えば、電子機器200には、アンテナ211(
図6に示す)が設けられている。また、アンテナ211は、例えば、電子機器200に内蔵されて固定されていることが多い。このため、例えば、電子機器200の移動やその設置方向の変更をすることにより、電子機器200のアンテナ211の位置および方向を調整することができる。なお、電子機器に可動式のアンテナが取り付けられている場合には、電子機器の移動や方向の変更をしなくても、そのアンテナの位置や方向を調整することができる。
【0049】
記憶部130は、各種情報を格納するメモリである。例えば、記憶部130には、情報処理装置100が所望の動作を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が格納される。また、記憶部130には、例えば、他の電子機器が通信品質を測定する際に用いるテストフレームを送信するためのテストデータ(キャリブレーションデータ)が格納される。ここで、通信品質は、例えば、電子機器間における通信品質である。例えば、通信品質は、分散配置された電子機器のシステム通信性能、無線通信を利用してデータを通信する場合における各パスの通信性能として把握することができる。また、記憶部130には、各電子機器により測定された通信品質を管理する管理テーブル(
図3乃至
図5に示す管理テーブル)が格納される。
【0050】
例えば、無線通信を利用して通信部110によりデータを送信する場合を想定する。この場合には、制御部120は、記憶部130から読み出された情報や操作受付部160から入力された操作情報等を処理し、実際に送信するデータの塊(送信パケット)を生成する。続いて、制御部120は、その生成された送信パケットを通信部110に出力する。また、通信部110は、その送信パケットを、実際に伝送するための通信方式のフォーマット等に変換した後に、変換後の送信パケットをアンテナ111から外部に送信する。
【0051】
また、例えば、無線通信を利用して通信部110によりデータを受信する場合には、通信部110は、アンテナ111を介して受信した電波信号を、通信部110内の受信機が行う信号処理により受信パケットを抽出する。そして、制御部120は、その抽出された受信パケットを解釈する。この解釈の結果、保持すべきデータであると判断された場合には、制御部120は、そのデータを記憶部130に書き込む。また、他の機器に転送すべきデータであると判断された場合には、制御部120は、他の機器に転送するための送信パケットとして、そのデータを通信部110に出力する。また、出力すべきデータであると判断された場合には、制御部120は、表示部150や音声出力部170への出力や、I/Oインタフェース(図示せず)から外部(例えば、外部音声出力装置)への出力を行う。
【0052】
タイマ140は、各種時間を計時するタイマである。例えば、タイマ140は、情報処理装置100がテストフレームを送信する所定時間を計時する。そして、タイマ140は、その所定時間に達した場合にその旨を制御部120に通知する。
【0053】
表示部150は、制御部120の制御に基づいて各種情報を出力する表示部である。表示部150として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。表示部150には、例えば、
図10に示すように、電子機器200乃至204間の通信品質に関する情報が表示される。
【0054】
操作受付部160は、ユーザにより行われた操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた操作情報を制御部120に出力する。操作受付部160は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、センサ(例えば、タッチインタフェース)により実現される。なお、表示部150および操作受付部160については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
【0055】
音声出力部170は、制御部120の制御に基づいて各種音声情報を出力する音声出力部(例えば、スピーカ)である。
【0056】
[管理テーブルの内容例]
図3乃至
図5は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100により保持される管理テーブルを模式的に示す図である。
【0057】
図3には、通信品質としてデータレートを管理するデータレート管理テーブル131を示す。
図4には、通信品質として、ホップ数を管理するホップ数管理テーブル132を示す。
図5には、通信品質として、時間ずれを管理する時間ずれ情報管理テーブル133を示す。これらの各テーブルは、情報処理装置100の記憶部130に記憶される。また、これらの各値は、電子機器200乃至204から情報処理装置100に送信される。
【0058】
また、
図3乃至
図5では、説明の容易のため、電子機器200乃至204を表す識別情報として、符号200乃至204を使用する。また、
図3乃至
図5では、各行における電子機器を送信元とし、各列における電子機器を宛先とする場合における電子機器間の関係例を示す。
【0059】
データレート管理テーブル131には、通信システム10を構成する電子機器200乃至204間のデータレートが格納される。
【0060】
ホップ数管理テーブル132には、通信システム10を構成する電子機器200乃至204間のホップ数(転送数)が格納される。例えば、他の電子機器を経由せずに直接通信することができる電子機器間には、ホップ数として「1」が格納される。また、例えば、1つの電子機器を経由して、間接的に通信することができる電子機器間には、ホップ数として「2」が格納される。
【0061】
ホップ数管理テーブル132により、例えば、何れかの電子機器を音源とすべきかを、容易に把握することができる。なお、ここで示す音源は、無線環境におけるコンテンツの配信元を意味する。例えば、コンテンツを提供する電子機器を音源とすることができる。また、コンテンツを提供する電子機器を変更することができる場合には、その配布元の電子機器を音源とすることができる。
【0062】
時間ずれ情報管理テーブル133には、通信システム10を構成する電子機器200乃至204間のデータ通信により発生する到達時間ずれが格納される。
【0063】
なお、これらの通信品質は、一例であり、他の通信品質(例えば、評価値(例えば、メトリック値))を測定して格納するようにしてもよい。
【0064】
[電子機器の構成例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における電子機器200の機能構成例を示すブロック図である。なお、他の電子機器201乃至204の機能構成についても、電子機器200と略同一である。このため、ここでは、電子機器200についてのみ説明し、他の機器の説明の一部を省略する。
【0065】
電子機器200は、通信部210と、アンテナ211と、制御部220と、記憶部230と、タイマ240と、音声出力部250とを備える。また、これらの各部は、バス260を介して接続される。なお、通信部210、アンテナ211、制御部220、記憶部230、タイマ240および音声出力部250は、
図2に示す情報処理装置100における同一名称の各部に対応する。このため、ここでは、
図2に示す情報処理装置100における各部と異なる点を中心にして説明する。
【0066】
記憶部230は、各種情報を格納するメモリである。例えば、記憶部230には、電子機器200が所望の動作を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が格納される。また、記憶部230には、例えば、音声出力部250や他の電子機器から出力させるコンテンツ(例えば、音楽コンテンツ、動画コンテンツ)が格納される。また、記憶部230には、
図7に示す通信品質管理テーブル231が格納される。
【0067】
また、電子機器200は、再生モードと、調整モードとの2つの動作モードを設定することが可能とする。
【0068】
再生モードは、コンテンツ(記憶部230に記憶されているコンテンツ、または、他の電子機器から送信されたコンテンツ)を再生(音声出力部250から出力)するモード(通常使用モード)である。
【0069】
調整モードは、電子機器200の設置場所を最適な場所とするための調整を行う際に設定するモード(キャリブレーションモード)である。
【0070】
これらの各モード(再生モード、調整モード)は、例えば、操作部材(例えば、スイッチ、リモートコントローラ(遠隔操作機器)を用いて設定することができる。例えば、電子機器200の本体に、再生モードおよび調整モードを切り替えることができる操作部材を設けることができる。この場合には、ユーザ20は、物理的に各モードを切り替えることができる。
【0071】
また、例えば、情報処理装置100、または、コントロール専用端末をリモートコントローラとして用いることができる。この場合には、リモートコントロールから、電子機器200にモード切替信号を送信する。また、例えば、リモートコントロールから、電子機器200乃至204にモード切替信号を送信することにより、電子機器200乃至204のそれぞれを同時に調整モードに設定することができる。
【0072】
また、各モード(再生モード、調整モード)は、例えば、他の機器からの制御(例えば、コントロールフレームを用いた制御)に基づいて、設定することができる。
【0073】
ここで、電子機器200乃至204は、調整モードが設定されている場合には、他の電子機器とのデータ通信に関する通信品質を測定する。そして、電子機器200乃至204は、その測定結果(通信品質)を情報処理装置100に送信する。ここで、調整モードは、上述したように、電子機器200乃至204の何れかの機器からの指示に基づいて設定するようにしてもよく、情報処理装置100からの指示に基づいて設定するようにしてもよい。ここでは、電子機器200において調整モードが設定された場合を例にして説明する。
【0074】
電子機器200の制御部220は、調整モードが設定された場合には、タイマ240からの情報に基づいて、記憶部230に保存されているテストデータ(テストフレーム)を通信部210から定期的に送信する。例えば、マルチキャスト、ブロードキャスト、ユニキャストの何れかにより送信することができる。なお、テストデータは、記憶部230に保存されているデータではなく、制御部220がランダムな値を生成して送信するようにしてもよい。また、例えば、電子機器200がスピーカである場合には、音声データの特徴を有するテストデータを使用することができる。
【0075】
また、他の電子機器についても同様に、テストフレームを送信する。このため、電子機器200は、他の電子機器が送信したテストフレームを受信する。このように、他の電子機器からのテストフレームを受信した場合には、電子機器200の制御部220は、通信部210により受信したテストフレームに基づいて、他の電子機器との通信品質を測定する。例えば、制御部220は、データレート、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、MCS(Modulation and Coding Scheme)、時間ずれ情報、ホップ数等を通信品質として測定する。なお、時間ずれ情報は、テストフレームの送信元の電子機器から送信されてから、電子機器200が受信するまでの時間(例えば、送受信時間間隔のずれ時間)に関する情報である。
【0076】
また、電子機器200の制御部220は、通信部210により受信したテストフレームに基づく測定結果(他の電子機器との通信品質)を、そのテストフレームの送信元の電子機器に関連付けて記録する。この記録例を、
図7に示す。
【0077】
[通信品質管理テーブルの内容例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における電子機器200により保持される通信品質管理テーブル231を模式的に示す図である。
【0078】
なお、
図7では、説明の容易のため、電子機器201乃至204を表す端末識別情報として、符号201乃至204を使用する。なお、この端末識別情報として、システム上(アプリケーション上)のID(例えば、スピーカ1、スピーカ2等)や、MACアドレス等を用いることができる。
【0079】
通信品質管理テーブル231には、テストフレームに基づく測定結果(他の電子機器との通信品質)が、そのテストフレームの送信元の電子機器に関連付けて格納される。なお、
図7では、他の電子機器との通信品質として、データレート、RSSI、MCS、ホップ数、時間ずれ情報を格納する例を示す。
【0080】
このように、通信品質管理テーブル231に記録された通信品質を、電子機器200の制御部220は、通信部210から情報処理装置100に送信する。この場合に、通信品質管理テーブル231に記録された通信品質の全てまたは一部を情報処理装置100に送信することができる。また、通信品質管理テーブル231に記録された通信品質に基づいて別の評価値を算出し、この評価値を情報処理装置100に送信するようにしてもよい。この通信品質の送信に使用する報告フレーム(レポートフレーム)の構成例を、
図8に示す。
【0081】
[報告フレームの構成例]
図8は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10を構成する各装置間でやり取りされる報告フレームの構成例を示す図である。
【0082】
例えば、報告フレームにおけるBodyフィールド300に、電子機器および通信品質情報を関連付けて記録する。例えば、Bodyフィールド300における第1端末識別情報フィールド301に、電子機器201の端末識別情報を格納し、第1通信品質情報フィールド302に、電子機器201に関する通信品質情報を格納する。同様に、Bodyフィールド300における第2端末識別情報フィールド303に、電子機器202の端末識別情報を格納し、第2通信品質情報フィールド304に、電子機器202に関する通信品質情報を格納する。また、電子機器203、204に関する各情報についても同様に格納することができる。
【0083】
このように、電子機器200乃至204は、自装置および他の電子機器において測定された通信品質を報告フレームに格納して情報処理装置100に送信する。ただし、自装置および他の電子機器がテストフレームを受信することができずに、何れかの電子機器について通信品質を測定することができないことも想定される。このような場合には、テストフレームを受信することができずに通信品質を測定することができなかった旨を報告フレームに含めて情報処理装置100に通知するようにしてもよい。
【0084】
ここで、電子機器200乃至204が、報告フレームを受信した場合には、情報処理装置100に転送する。また、情報処理装置100が、報告フレームを受信した場合には、その報告フレームに含まれる通信品質情報を各テーブル(
図3乃至
図5に示すデータレート管理テーブル131、ホップ数管理テーブル132、時間ずれ情報管理テーブル133)に格納する。そして、情報処理装置100は、それらの各テーブルに記録された通信品質に基づいて、電子機器200乃至204間に関する通信品質に関する情報を表示部150に表示する。この場合には、電子機器200乃至204間に関する通信品質を、ユーザに分かりやすく表示することが好ましい。この表示例を
図10に示す。また、このように、電子機器200乃至204間に関する通信品質を表示するための通信品質通知画面におけるフロアのレイアウトを登録する例を
図8に示す。
【0085】
[通信品質通知画面のレイアウト生成例]
図9は、本技術の第1の実施の形態における表示部150に表示されるレイアウト生成画面の一例(レイアウト生成画面310)を示す図である。
【0086】
レイアウト生成画面310は、通信品質通知画面(例えば、
図10に示す通信品質通知画面340)のレイアウトを生成する際に用いる表示画面である。また、ここでは、表示部150および操作受付部160をタッチパネルで構成する例を示す。
【0087】
レイアウト生成画面310には、アイコンリスト表示領域320およびレイアウト表示領域330が表示される。
【0088】
アイコンリスト表示領域320には、部屋のレイアウトを生成する場合における素材(部屋を構成する素材(例えば、リビング、バスルーム))や各機器に関する素材が表示される。
【0089】
レイアウト表示領域330には、ユーザにより生成されるレイアウトが表示される。例えば、ユーザは、アイコンリスト表示領域320に表示されている素材を選択し、この選択された素材をレイアウト表示領域330に表示させる。
【0090】
例えば、リビングアイコン321を指でタッチした状態で、矢印322に示すように、その指をレイアウト表示領域330の所定位置まで移動させる。これにより、レイアウト表示領域330にリビング領域が形成される。また、リビング領域のサイズや形状については、ユーザによる手動操作(例えば、領域を縮小する操作、領域を拡大する操作)により適宜変更できるものとする。また、他の素材についても同様に生成することができる。
図9では、
図1に示す部屋のレイアウトを生成した場合の表示例を示す。
【0091】
このように、各部屋が生成されたレイアウト表示領域330において、電子機器200乃至204の設置場所に、電子機器アイコン323を表示させるようにする。また、このように、各部屋が生成されたレイアウト表示領域330において、電子機器200乃至204に対応する電子機器アイコンが配置された後に、電子機器200乃至204と、電子機器アイコンとの関連付けを行う。
【0092】
例えば、レイアウト表示領域330に配置された電子機器アイコンを長押し(例えば、3秒)した場合に、その電子機器アイコンに対応する電子機器の端末識別情報を入力するための入力領域を表示させる。そして、その入力領域において、電子機器の端末識別情報を入力することにより、電子機器200乃至204と、電子機器アイコンとの関連付けを行うことができる。
【0093】
また、例えば、レイアウト表示領域330に配置された電子機器アイコンを長押し(例えば、3秒)するとともに、その電子機器アイコンに対応する電子機器において所定操作(例えば、所定ボタンの押下操作)を行う。その所定操作により、その電子機器アイコンに対応する電子機器から情報処理装置100に制御信号が送信される。そして、その制御信号に基づいて、電子機器200乃至204と、電子機器アイコンとの関連付けを行うことができる。
【0094】
このように、通信品質通知画面におけるフロアのレイアウトを生成して登録する。これにより、そのフロアのレイアウトを再利用することができる。
【0095】
なお、この例では、1階の建物(1フロアの建物)のレイアウトを生成する例を示したが、複数階の建物(複数フロアの建物)のレイアウトを生成する場合についても適用することができる。例えば、複数階の建物(複数フロアの建物)のレイアウトを生成する場合には、フロア毎にレイアウト表示領域を設け、このレイアウト表示領域を並べて表示することができる。また、フロア毎にレイアウト表示領域を立体視画像として表示させるようにしてもよい。これにより、建物の上下関係を表現することができる。
【0096】
[通信品質通知画面の表示例]
図10は、本技術の第1の実施の形態における表示部150に表示される通信品質通知画面の一例(通信品質通知画面340)を示す図である。
【0097】
通信品質通知画面340は、電子機器200乃至204から報告された通信品質(調整モードにおいてテストフレームの送受信により測定される通信品質)をユーザに通知するための表示画面である。通信品質通知画面340は、例えば、情報処理装置100をユーザ操作することにより電子機器200乃至204を調整モードに設定した後に表示される。
【0098】
例えば、通信品質通知画面340には、システム状態通知バー341と、アシスト情報領域342と、機器状態通知領域343とが表示される。なお、
図10では、説明の容易のため、各電子機器を表すアイコンには、
図1に示す電子機器200乃至204と同一の符号を付して示す。
【0099】
システム状態通知バー341は、システム全体として、どの電子機器からどの電子機器にデータを送信しても音切れなく再生できるか否かの度合い(システム全体の状態)を表示するための棒状の領域である。また、アシスト情報領域342は、どの度合かを示す位置に表示される領域である。アシスト情報領域342には、改善すべき内容(例えば、お勧め情報)が吹き出し領域に表示される。例えば、アシスト情報領域342には、データフローが集中する電子機器、または、他の電子機器との通信品質が良くない電子機器をピックアップして、ユーザに移動を促すための情報を表示することができる。
【0100】
ここで、各電子機器とのパスが増加するように、改善すべき点を提供することが好ましい。そこで、例えば、情報処理装置100は、電子機器の位置情報に基づいて、データフローが集中する電子機器、または、他の電子機器との通信品質が良くない電子機器をピックアップすることができる。例えば、情報処理装置100は、部屋の中央付近に存在する電子機器(例えば、電子機器202)を移動するように薦めることができる。例えば、
図10では、データフローが集中する電子機器、または、他の電子機器との通信品質が良くない電子機器として電子機器202がピックアップされた場合の例を示す。
【0101】
このように、例えば、情報処理装置100は、各通信品質を解析してユーザに電子機器の移動や向きの変更をお薦め情報(例えば、アシスト情報領域342に表示)として提供することができる。
【0102】
なお、システム状態通知バー341において、例えば、左側に進むに従って良好となり、右側に進むに従って改善が必要になることを意味する。なお、
図10に示すシステム状態通知バー341の表示方法は、一例であり、これに限定されない。例えば、他の表示態様(例えば、円形標識による表示、文字や記号による表示)により、システム全体の状態を表示するようにしてもよい。
【0103】
機器状態通知領域343には、レイアウト生成画面310を用いて登録された部屋のレイアウトと電子機器間の通信品質とが表示される。この通信品質は、例えば、記憶部130に記憶されている各テーブル(例えば、
図3乃至
図5に示す各テーブル)に基づいて、表示することができる。また、表示対象となる通信品質は、例えば、受信データレート、RSSI、ソース機器(コンテンツを提供する電子機器)からのホップ数、時間ずれ情報、または、これらに基づいて換算される通信品質を示す値とすることができる。なお、
図10では、通信品質として、受信データレートを表示する例を示す。
【0104】
また、例えば、電子機器間における通信品質を容易に把握することができるように、電子機器間における通信品質を標識(例えば、矢印)で模式的に示す。
図10では、通信品質が良好である電子機器間の矢印を実線の太線で示す。また、通信品質が良好ではないが、通信が可能である電子機器間の矢印を点線の太線で示す。通信品質が悪い電子機器間の矢印を点線の細線で示す。
【0105】
なお、電子機器間における通信品質を表す標識(例えば、矢印)は、パスが確立できている電子機器間のみに表示することができる。また、電子機器間における通信品質を表す標識(例えば、矢印)は、例えば、閾値判断をすることにより表示することができる。例えば、受信データレートが5Mbs以上である場合には、通信品質が良好であることを示す標識(実線の太線で示す矢印)を表示する。また、例えば、受信データレートが1Mbs未満である場合には、通信品質が悪いことを示す標識(点線の細線で示す矢印)を表示する。
【0106】
また、電子機器間における通信品質を表す標識を、他の表示態様で表示するようにしてもよい。例えば、通信品質の良し悪しを、異なる色で表す矢印を表示することができる。また、例えば、通信品質の良し悪しを、異なるアイコンを表示することができる。
【0107】
また、電子機器200乃至204の通信品質は、定期的に情報処理装置100に報告される。このため、情報処理装置100は、電子機器200乃至204からの報告フレームを受信した場合には、その受信した報告フレームに基づいて、最新の値を更新して表示するようにすることが好ましい。
【0108】
図10に示すように、
図1に示す電子機器200乃至204の配置では、電子機器202と他の電子機器との良いパスが少ないため、配置を変更すると良いことがわかる。
【0109】
このように、ユーザが通信品質通知画面340を見ることにより、通信品質の悪い電子機器202を持って別の場所へ移動することができる。そして、電子機器202の移動後に、通信品質通知画面340を再度確認することにより、電子機器202を部屋のどこの場所に移動すれば、システム性能が良くなるのかを容易に確認することができる。
【0110】
このように、メッシュネットワーク内に、システムとしての通信品質の悪い電子機器が存在する場合に、システムとしての通信品質が良くなる場所へその電子機器を移動させることができる。すなわち、ユーザは、各電子機器をユーザが配置したい場所に配置することができる。この場合において、各電子機器において調整モードを設定することにより、ユーザが手元に所持する情報処理装置100を見ながら、各電子機器の設置場所を調整することができる。
【0111】
このように、情報処理装置100の制御部120は、通信品質通知画面340を表示部150に表示させることができる。この通信品質通知画面340には、電子機器200乃至204を設置する空間を表す空間画像と、その空間において電子機器200乃至204を設置する位置を表す機器画像とを含めて表示させることができる。また、制御部120は、電子機器200乃至204に関する通信品質をそれらの機器に関連付けて表示させることができる。
【0112】
また、制御部120は、メッシュネットワークにおける通信品質を向上させるための電子機器200乃至204のアンテナの位置および方向を提案する調整情報(例えば、アシスト情報領域342)を表示部150に表示させることができる。また、制御部120は、取得された通信品質に基づいて、メッシュネットワークにおける通信品質の状態を表す状態画像(例えば、システム状態通知バー341、アシスト情報領域342)を表示部150に表示させることができる。
【0113】
なお、通信品質として、例えば、電子機器200乃至204により測定された電子機器200乃至204間における通信品質、または、情報処理装置100および電子機器200乃至204間における通信品質を表示することができる。
【0114】
[調整モードの設定例]
次に、電子機器200乃至204の設置場所を調整する場合の例について説明する。
【0115】
最初に、ユーザ20は、電子機器200乃至204を好みの位置に設置して、電子機器200乃至204のそれぞれを起動させる。この場合に、電子機器200乃至204によりメッシュネットワークを構成するための初期設定(例えば、IDやパスワードの設定操作)を手動または自動で行うようにする。なお、電子機器200乃至204がセット機器(例えば、セットスピーカ)であるような場合には、初期設定(ID、パスワード)により自動的にメッシュネットワークを構成することができる。
【0116】
このように、電子機器200乃至204によりメッシュネットワーク(例えば、セットスピーカネットワーク)が構成される。続いて、ユーザ20は、情報処理装置100をそのメッシュネットワークに参加させる。例えば、そのメッシュネットワークに参加するための初期設定(例えば、IDやパスワードの設定操作)を手動または自動で行うようにする。
【0117】
続いて、ユーザ20は、情報処理装置100を用いて、部屋のレイアウトと、電子機器200乃至204の配置レイアウトとを生成する。例えば、
図9に示すレイアウト生成画面を用いて、部屋のレイアウトと、電子機器200乃至204の配置レイアウトとを生成する。
【0118】
続いて、ユーザ20は、電子機器200乃至204において調整モードを設定する。電子機器200乃至204において調整モードが設定されている場合における通信例(通信品質の測定例および測定結果の報告例)を
図11に示す。
【0119】
[通信例]
図11は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10を構成する各機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図11では、電子機器200乃至204のうち、電子機器200、201のみを示し、他の電子機器の図示を省略する。
【0120】
調整モードが設定されている場合には、電子機器200乃至204は、周囲に存在する電子機器にテストフレームを送信する(401、407)。例えば、電子機器200乃至204は、ブロードキャスト、ユニキャストまたはマルチキャストフレームでテストフレームを定期的に送信することができる。なお、
図11では、各電子機器が異なるタイミングでテストフレームを送信する例を示す。
【0121】
また、電子機器200乃至204は、周囲に存在する電子機器から送信されたテストフレームを受信する(402、408)。そして、電子機器200乃至204は、受信したテストフレームに基づいて、通信品質(例えば、RSSI、実際に送信されたデータレート)を測定する(403、409)。
【0122】
続いて、電子機器200乃至204は、その測定結果を情報処理装置100に報告する(404、405、410、411)。例えば、
図8に示す報告フレームに各電子機器に関する通信品質情報を含めて送信することにより、その測定結果を情報処理装置100に報告することができる。また、例えば、電子機器200乃至204は、その測定結果を情報処理装置100に定期的に報告することができる。このように、定期的に報告することにより、キャリブレ期間中(調整モードを設定中)の通信品質を情報処理装置100が定期的に受信することができる。
【0123】
また、電子機器200乃至204からの測定結果を受信した情報処理装置100は、その測定結果を記録する(406、412)。例えば、
図3乃至
図5に示す各テーブルに記録する。
【0124】
なお、情報処理装置100に報告するタイミングについては、テストフレームを受信する毎に報告するようにしてもよい。また、一定期間の測定結果を修正した値(または、演算した値(例えば、平均した値))を定期的または不定期に報告するようにしてもよい。
【0125】
[電子機器の動作例]
図12は、本技術の第1の実施の形態における電子機器200による通信品質測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、電子機器201乃至204の動作例については、電子機器200と同一であるため、ここでは、電子機器200についてのみ説明し、電子機器201乃至204の説明を省略する。
【0126】
最初に、電子機器200の制御部220は、調整モードが設定されているか否かを判断する(ステップS801)。調整モードが設定されていない場合(すなわち、再生モードが設定されている場合)には(ステップS801)、通信品質測定処理の動作を終了する。
【0127】
調整モードが設定されている場合には(ステップS801)、制御部220は、タイマ240からの情報に基づいて、テストフレームの送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS802)。テストフレームの送信タイミングである場合には(ステップS802)、制御部220は、通信部210にテストフレームを送信させる(ステップS803)。
【0128】
テストフレームの送信タイミングでない場合には(ステップS802)、制御部220は、テストフレームを他の電子機器から受信したか否かを判断する(ステップS804)。テストフレームを他の電子機器から受信していない場合には(ステップS804)、ステップS801に戻る。
【0129】
テストフレームを他の電子機器から受信した場合には(ステップS804)、制御部220は、そのテストフレームを送信した電子機器に関する通信品質を測定する(ステップS805)。続いて、制御部220は、その測定結果(通信品質)を情報処理装置100に送信する(ステップS806)。なお、テストフレームの送信処理および受信処理の順序は、何れが先となるようにしてもよい。また、テストフレームの送信処理および受信処理を同時に処理することが可能である場合には、それらの各処理を同時に処理するようにしてもよい。
【0130】
[情報処理装置の動作例]
図13は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100による通信品質通知処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0131】
最初に、情報処理装置100の制御部120は、調整モードが設定されているか否かを判断する(ステップS811)。調整モードが設定されていない場合には(ステップS811)、通信品質通知処理の動作を終了する。
【0132】
調整モードが設定されている場合には(ステップS811)、制御部120は、報告フレームを電子機器から受信したか否かを判断する(ステップS812)。報告フレームを電子機器から受信していない場合には(ステップS812)、ステップS811に戻る。
【0133】
報告フレームを電子機器から受信した場合には(ステップS812)、制御部120は、その報告フレームに含まれる通信品質情報を集計処理する(ステップS813)。続いて、制御部120は、その集計結果に基づいて各テーブルの内容を更新する(ステップS814)。
【0134】
続いて、制御部120は、更新後の各テーブルの内容に基づいて、通信品質通知画面を表示部150に表示させる(ステップS815)。例えば、
図10に示すように、通信品質通知画面340が表示される。
【0135】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、電子機器が通信品質を測定して情報処理装置に報告する例を示した。
【0136】
例えば、
図1に示す環境において、高品質のデータ(例えば、ハイレゾリューションオーディオ(High-Resolution Audio)音源)を流す場合を想定する。この場合には、ユーザ20は、通信品質が不足しているため、電子機器200乃至204以外に新たな電子機器(例えば、スピーカ)を買い足すことを考えることも想定される。
【0137】
このような場合に、メッシュネットワークに新たな電子機器を参加させたときに、どのように通信品質が良くなるかをシミュレートすることができれば、新たな電子機器を購入し易いと考えられる。そこで、本技術の第2の実施の形態では、新たな電子機器の代わりに、情報処理装置が通信品質を測定して取得する例を示す。すなわち、電子機器200乃至204が受信品質を報告する報告先の情報処理装置100を1つの電子機器とみなす。そして、電子機器200乃至204により構成されるメッシュネットワーク内に、新たな電子機器を追加した場合に、システムとしての通信品質がどうなるかをシミュレートする場合の例を示す。
【0138】
なお、本技術の第2の実施の形態における各装置の構成については、
図1、
図2、
図6等に示す情報処理装置100、電子機器200乃至204と略同一である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、本技術の第1の実施の形態と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
【0139】
[通信例]
図14は、本技術の第2の実施の形態における通信システム10を構成する各機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図14では、電子機器200乃至204のうち、電子機器200、201のみを示し、他の電子機器の図示を省略する。
【0140】
また、
図14では、情報処理装置100は、テストフレームを送信せず、電子機器200乃至204からのテストフレームに基づいて受信品質を測定して、情報処理装置100および電子機器200乃至204間における通信品質を取得する例を示す。
【0141】
なお、
図14は、
図11の変形例であるため、
図11と共通する部分についての説明を省略する。
【0142】
図11と同様に、調整モードが設定されている場合には、電子機器200乃至204は、周囲に存在する電子機器にテストフレームを送信する(421、431、435)。ただし、
図14では、情報処理装置100が通信品質を測定する。このため、テストフレームを受信した電子機器201は、そのテストフレームを情報処理装置100に転送する(422乃至424)。
【0143】
また、情報処理装置100は、周囲に存在する電子機器から送信されたテストフレームを受信する(424、432)。そして、情報処理装置100は、受信したテストフレームに基づいて、通信品質(例えば、RSSI、実際に送信されたデータレート)を測定する(426、433)。
【0144】
続いて、情報処理装置100は、その測定結果を記録する(427、434)。このように、ユーザ20が所持する情報処理装置100を、新たに追加する電子機器と想定して、メッシュネットワークに参加させることができる。この場合に、情報処理装置100が存在する位置に関する通信品質を測定することができる。これにより、電子機器200乃至204と同様に、情報処理装置100に関する通信品質を、通信品質通知画面に表示させることができる。
【0145】
[情報処理装置がテストフレームを送信する場合の通信例]
図14では、情報処理装置100は、テストフレームを送信せず、情報処理装置100および電子機器200乃至204間における通信品質を取得する例を示した。ただし、情報処理装置100がテストフレームを送信するようにしてもよい。そこで、
図15では、情報処理装置100がテストフレームを送信する例を示す。
【0146】
図15は、本技術の第2の実施の形態における通信システム10を構成する各機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図15では、電子機器200乃至204のうち、電子機器200、201のみを示し、他の電子機器の図示を省略する。
【0147】
なお、
図15に示す通信処理は、例えば、
図14に示す通信処理の後に行うようにしてもよい。また、
図15は、
図11の変形例であるため、
図11と共通する部分についての説明を省略する。
【0148】
調整モードが設定されている場合には、情報処理装置100は、周囲に存在する電子機器にテストフレームを送信する(451)。また、そのテストフレームを受信した電子機器201は、そのテストフレームを電子機器200に転送する(452乃至454)。
【0149】
また、電子機器200、201は、周囲に存在する電子機器、情報処理装置100から送信されたテストフレームを受信する(452、454)。そして、電子機器200、201は、受信したテストフレームに基づいて、通信品質(例えば、RSSI、実際に送信されたデータレート)を測定する(455、459)。
【0150】
続いて、電子機器200、201は、その測定結果を情報処理装置100に報告する(456、457、460乃至463)。続いて、情報処理装置100は、その測定結果を記録する(458、464)。
【0151】
[通信品質通知画面の表示例]
図16は、本技術の第2の実施の形態における表示部150に表示される通信品質通知画面の一例(通信品質通知画面350)を示す図である。
【0152】
通信品質通知画面350は、
図10に示す通信品質通知画面340の変形例であり、情報処理装置100を表すアイコン351を追加するとともに、情報処理装置100に関する通信品質を追加して表示する点が通信品質通知画面340と異なる。なお、これらの以外の点については、通信品質通知画面340と共通するため、通信品質通知画面340と共通する部分については、通信品質通知画面340と同一の符号を付して示す。
【0153】
図16に示すように、ユーザ20が所持する情報処理装置100が存在する位置における通信品質(電子機器200乃至204との通信品質)を容易に確認することができる。これにより、ユーザ20は、通信品質通知画面350を見ながら、情報処理装置100を移動させることにより、新たな電子機器を部屋のどこの場所に移動すれば、システム性能が良くなるのかを容易に確認することができる。
【0154】
このように、情報処理装置100の制御部120は、通信品質通知画面350を表示部150に表示させることができる。この通信品質通知画面350には、電子機器200乃至204を設置する空間において、情報処理装置100が存在する位置を表す装置画像を表示させることができる。また、通信品質通知画面350には、情報処理装置100および電子機器200乃至204に関する通信品質を各機器に関連付けて表示させることができる。
【0155】
[情報処理装置の動作例]
図17は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置100による通信品質通知処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17に示す動作例は、
図12および
図13と一部が共通する。すなわち、
図17に示す処理手順(ステップS821、S823乃至S826、S832乃至S835)は、
図13に示す処理手順(ステップS812乃至S815)に対応する。また、
図17に示す処理手順(ステップS827乃至S830)は、
図12に示す処理手順(ステップS802乃至S805)に対応する。そこで、これらの説明を省略する。
【0156】
情報処理装置100の制御部120は、調整モードが設定されている場合には(ステップS821)、自装置も通信品質を測定する設定になっているか否かを判断する(ステップS822)。そして、自装置も通信品質を測定する設定になっている場合には(ステップS822)、ステップS827に進み、自装置が通信品質を測定する設定になっていない場合には(ステップS822)、ステップS823に進む。
【0157】
また、情報処理装置100の制御部120は、自装置が測定した測定結果(通信品質)を集計して記録する(ステップS831)。
【0158】
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1および第2の実施の形態では、固定された電子機器に関する通信品質を通知する例を示した。
【0159】
ここで、自律的またはユーザ操作により可動(例えば、移動、回転)する電子機器(例えば、自走式掃除機、自走式スピーカ、ロボット)が考えられる。このような可動式の電子機器を設置するための調整を行う場合には、それらの電子機器を可動させながら、通信品質を測定し、最適な環境を設定することも可能である。そこで、本技術の第3の実施の形態では、可動式の電子機器を設置する場合における調整方法の例を示す。
【0160】
なお、本技術の第3の実施の形態における各装置の構成については、
図1、
図2、
図6等に示す情報処理装置100、電子機器200乃至204と略同一である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、本技術の第1の実施の形態と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
【0161】
[可動式の電子機器に関する通信品質通知画面の表示例]
図18は、本技術の第3の実施の形態における表示部150に表示される通信品質通知画面の一例(通信品質通知画面360)を示す図である。この例では、電子機器200乃至204のそれぞれが、自律的、または、情報処理装置100からの制御(例えば、遠隔操作)に基づいて、自装置を回転することが可能な可動式の電子機器である場合を想定して説明する。このように、電子機器200乃至204のそれぞれが、自装置を回転することにより、音声出力をする方向(音声出力方向)を変更することができる。
【0162】
通信品質通知画面360は、
図10に示す通信品質通知画面340の変形例であり、電子機器200乃至204を表すアイコン370乃至374を表示するとともに、各電子機器の向き毎の通信品質を表示する点が通信品質通知画面340と異なる。また、通信品質通知画面360には、電子機器200乃至204を表すアイコン370乃至374の付近に、電子機器200乃至204のそれぞれの音声出力方向を表すアイコン380乃至384を表示させる。なお、電子機器が表示装置(例えば、ディスプレイ)である場合には、表示画面の方向を表すアイコン(アイコン380乃至384に相当)を表示させることができる。このように、電子機器の各部のうち、ユーザに向いていなければいけないと想定される部分の方向をユーザに表示して通知することができる。
【0163】
例えば、調整モードが設定されている場合に、電子機器200乃至204のそれぞれは、自律的、または、情報処理装置100からの制御に基づいて、自装置を順次回転させて、各方向(例えば、8方向)の通信品質を測定する。この場合に、例えば、情報処理装置100は、電子機器200乃至204のうちの1つの電子機器を、方向を変更する電子機器(指定電子機器)として指定し、他の電子機器は固定として、各電子機器に通信品質を測定させることができる。そして、その指定電子機器が全ての方向について通信品質を測定した後に、他の電子機器を、方向を変更する電子機器(指定電子機器)として新たに指定し、この指定電子機器が全ての方向について通信品質を測定するようにする。このように、方向を変更する電子機器(指定電子機器)を所定規則に従って変更しながら、各電子機器のそれぞれの組み合わせで、各方向(例えば、8方向)の通信品質を測定する。
【0164】
そして、電子機器200乃至204のそれぞれは、その測定結果(通信品質)を、その測定された方向に関連付けて情報処理装置100に順次報告するようにする。このように取得された通信品質については、
図18に示すように、電子機器の方向に関連付けて表示させることができる。
【0165】
例えば、電子機器200乃至204を表すアイコン370乃至374の回りに、8方向について測定された通信品質を表す標識(例えば、矢印)を表示する。
図18では、通信品質が良好である方向の矢印を実線の太線で示す。また、通信品質が良好ではないが、通信が可能である方向の矢印を点線の太線で示す。通信品質が悪い方向の矢印を点線の細線で示す。また、通信品質が最も良い方向を表す標識(例えば、矢印)のみを表示するようにしてもよい。
【0166】
また、情報処理装置100は、各電子機器のそれぞれの組み合わせについて測定された通信品質を取得した場合には、その取得された通信品質に基づいて、通信品質が最も良い方向を電子機器毎に選択する。そして、情報処理装置100は、無線通信を利用して、その選択された方向を各電子機器に通知し、各電子機器がその選択された方向に回転するように制御する。この場合に、情報処理装置100は、通信品質が最も良い方向を各電子機器に通知し、各電子機器がその通知された方向に自動で回転を行うようにする。または、情報処理装置100は、通信品質が最も良い方向に各電子機器を回転させるための制御情報を送信し、各電子機器がその制御情報に基づいて回転を行うようにしてもよい。
【0167】
また、情報処理装置100は、通信品質が明らかに悪い方向を排除することができる。この場合に、情報処理装置100は、通信品質が明らかに悪い方向を向いている電子機器を警告するための表示(例えば、アイコン370乃至374の点滅表示、赤表示)をするようにしてもよい。
【0168】
また、通信品質が明らかに悪い方向を排除した場合には、情報処理装置100は、明らかに悪い通信品質の方向以外を再度探査することにより、通信品質の良い方向をユーザに表示することができる。
【0169】
このように、情報処理装置100の制御部120は、電子機器200乃至204に関する通信品質として、各電子機器の複数の設置方向(例えば、8方向)毎に測定された通信品質を、それらの各設置方向に関連付けて表示させることができる。
【0170】
また、電子機器200乃至204を移動が可能な機器とすることができる。この場合に、制御部120は、電子機器200乃至204を移動させるための制御情報を生成し、この制御情報を電子機器200乃至204をに送信することができる。
【0171】
[電子機器管理テーブルの内容例]
ここで、情報処理装置100が、通信品質を測定する電子機器が、据置の電子機器であるか、移動可能な電子機器(例えば、モバイル端末)であるかを管理することもできる。そこで、この管理例を
図19に示す。
【0172】
図19は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置100により保持される電子機器管理テーブル134を模式的に示す図である。
【0173】
電子機器管理テーブル134には、各電子機器に関する情報(据置/モバイル、機能)が格納される。このように、情報処理装置100が、通信品質を測定する電子機器が、据置機器であるか、移動可能機器(例えば、モバイル端末)であるか、また、各電子機器の機能を情報収集することにより、移動させることが可能か否かを把握することができる。
【0174】
例えば、据置機器である場合には、電源が潤沢にあると想定される。このため、他の電子機器とのパスが多くなるように、お勧め情報を提供することができる。また、例えば、電子機器の性能を考慮して、お勧め情報を提供することができる。
【0175】
なお、本技術の第3の実施の形態では、自装置を回転することが可能な電子機器を例にして説明したが、自装置を移動させることが可能な電子機器についても同様に通信品質を表示させることができる。この場合には、例えば、電子機器を移動可能範囲内において順次移動させることにより、通信品質を測定することができる。
【0176】
<4.第4の実施の形態>
本技術の第3の実施の形態では、可動式の電子機器を設置する例を示した。ここで、電子機器に関する通信品質を取得して表示する情報処理装置を、自律的またはユーザ操作により可動(例えば、移動、回転)させることも考えられる。このような可動式の情報処理装置を用いる場合には、その情報処理装置を可動させながら、通信品質を取得し、最適な環境を設定することも可能である。
【0177】
そこで、本技術の第4の実施の形態では、可動式の情報処理装置を用いる例を示す。
【0178】
なお、本技術の第4の実施の形態における電子機器の構成については、
図1、
図6等に示す電子機器200乃至204と略同一である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、本技術の第1の実施の形態と同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
【0179】
[情報処理装置の構成例]
図20は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置500の機能構成例を示すブロック図である。
【0180】
情報処理装置500は、通信部510と、アンテナ511と、制御部520と、記憶部530と、タイマ540と、表示部550と、操作受付部560と、音声出力部570と、センサ581と、アクチュエータ582と、モータ583とを備える。また、これらの各部は、バス580を介して接続される。情報処理装置500は、例えば、自律的または遠隔操作により移動が可能なロボット(例えば、定期的に自動で掃除を行う自走式掃除機、移動可能な自走式スピーカー、人型ロボット)である。
【0181】
なお、通信部510、アンテナ511、制御部520、記憶部530、タイマ540、表示部550、操作受付部560および音声出力部570は、
図2に示す同一名称の各部に対応する。このため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0182】
センサ581は、情報処理装置500の状態を検出するためのセンサであり、検出されたセンサ情報を制御部520に出力する。これにより、制御部520は、情報処理装置500の位置や方向を検出することができる。なお、センサ581は、例えば、位置情報を取得することが可能なGPS(Global Positioning System)センサ、方向を検出することが可能なジャイロセンサ、方位を検出することが可能な方位センサ、衝突回避のための障害物センサ(障害物を検知してその障害物を避けるためのセンサ)等により構成される。
【0183】
アクチュエータ582は、制御部520の制御に基づいて、情報処理装置500の各部または全体を稼働させるための駆動装置である。アクチュエータ582は、例えば、情報処理装置500の方向を変更するための回転を行う際に用いられる。また、例えば、アクチュエータ582は、アンテナ511の方向や角度を変更する際に用いられる。
【0184】
モータ583は、制御部520の制御に基づいて、情報処理装置500を移動させるための駆動装置である。例えば、モータ583は、情報処理装置500の下部に備えられる車輪を駆動させることにより、情報処理装置500を移動させる。
【0185】
[各場所における通信品質の記録例]
図21は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置500により測定される通信品質の記録例を示す図である。
【0186】
図21のaには、情報処理装置500により測定される通信品質を記録する通信品質管理テーブル700を模式的に示す。
図21のbには、情報処理装置500が移動して通信品質を測定する場所P1乃至Pzを簡略化して示す。なお、P1乃至Pzは、場所毎に割り振られたIDとする。また、場所P1乃至Pzについては、ランダムに設定するようにしてもよく、ユーザにより生成されたレイアウト(部屋および電子機器の位置)を所定規則(例えば、部屋における位置、電子機器との関係)とに基づいて設定するようにしてもよい。
【0187】
例えば、情報処理装置500の制御部520は、情報処理装置500を場所P1乃至Pzに順次移動させて通信品質の測定を行う。例えば、情報処理装置500は、自走して移動しながら、電子機器200乃至204からのテストフレームを受信し、電子機器200乃至204毎の通信品質を測定する。この場合に、測定する時間は、電子機器200乃至204のそれぞれから一定数のフレームを受信することができるまでの時間とするようにしてもよく、所定時間(例えば、1分)とするようにしてもよい。このように、情報処理装置500は、測定時間の間、場P1乃至Pzに一時停止して測定する。
【0188】
また、制御部520は、測定された通信品質を、場所P1乃至Pz毎に、電子機器200乃至204について通信品質管理テーブル700に記録する。例えば、情報処理装置500が場所P1に移動して、場所P1において測定された電子機器200乃至204に関する通信品質が、矢印のように、通信品質管理テーブル700におけるP1に関連付けて記録される。なお、通信品質管理テーブル700に格納される通信品質は、本技術の第1乃至第3の実施の形態で示した情報(例えば、
図3乃至
図5に示す管理テーブルの内容)と同一のものとしてもよく、他の情報としてもよい。
【0189】
また、情報処理装置500は、各場所において、自装置の向きも変えて、各向きの通信品質を測定するようにしてもよい。例えば、8方向に分割し、情報処理装置500を各方向へ向けた状態で、一時停止して通信品質を測定することができる。この記録例を
図22に示す。
【0190】
[各場所における複数方向の通信品質の記録例]
図22は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置500により測定される通信品質の記録例を示す図である。
【0191】
図22のaには、情報処理装置500により測定される通信品質を記録する通信品質管理テーブル701を模式的に示す。
図21のbには、場所P1における8方向の通信品質を簡略化して示す。例えば、矢印に示すように、電子機器204について、場所P1における8方向の通信品質が、それぞれ記録される。また、これらの通信品質については、ユーザにわかりやすく表示することができる。この表示例を
図23、
図24に示す。
【0192】
[各場所における複数方向の通信品質の表示例]
図23および
図24は、本技術の第4の実施の形態における表示部150に表示される通信品質通知画面の一例(通信品質通知画面370)を示す図である。この例では、場所P1における8方向の通信品質を表示する例を示す。
【0193】
通信品質通知画面370は、
図10に示す通信品質通知画面340の変形例であり、電子機器200乃至204間における通信品質を表示する代わりに、各場所P1乃至Pzにおける通信品質を表示する点が通信品質通知画面340と異なる。
【0194】
図23に示すように、例えば、ユーザ操作により選択された場所に、方向毎の通信品質をマトリクス表示するリスト372を電子機器200乃至204毎に表示することができる。
【0195】
また、
図24に示すように、例えば、ユーザ操作により選択された場所に、方向毎の通信品質を色表示するリスト373を電子機器200乃至204毎に表示することができる。
【0196】
これらのリストは、ユーザ操作により、所望の電子機器を選択して上側に切り替えて表示することができる。
【0197】
また、例えば、各場所での色分けされたマトリクス(リスト373)を重ね合わせることにより、各項目の色を合成して表示させることができる。このように、色を合成することにより、各場所(例えば、場所P1)での電子機器200乃至204の性能を加味した通信品質を視覚的にわかりやすく表示することができる。すなわち、ユーザにとって認識し易い表示態様で通信品質を表示することができる。
【0198】
[通信例]
図25は、本技術の第4の実施の形態における通信システム10を構成する各機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図25では、複数の電子機器のうち、電子機器200、201のみを示し、他の電子機器の図示を省略する。電子機器201は、電子機器200と同様の構成であるものとする。また、
図25では、電子機器200、201から送信されるテストフレームに基づいて、情報処理装置500が通信品質を測定する例を示す。
【0199】
最初に、電子機器200、201に調整モードを設定する。すなわち、情報処理装置500は、同じネットワークに参加している電子機器200、201に設定フレームを送信する(601乃至604)。この設定フレームは、通信品質のデータ収集を開始することを通知するための指示フレームである。
【0200】
設定フレームを受信した電子機器200、201は、受信した設定フレームに基づいて、調整モードを設定する。このように、調整モードが設定された場合には、電子機器200、201は、設定完了を示すフレームを情報処理装置500に送信する(605乃至608)。
【0201】
続いて、電子機器200、201は、テストフレームを情報処理装置500に送信する(609、610、613、614)。テストフレームを受信した情報処理装置500は、受信したテストフレームに基づいて、通信品質を測定する(611、615)。そして、情報処理装置500は、その測定結果を記録する(612、616)。
【0202】
このように、電子機器200、201からのテストフレームの送信と、情報処理装置500による通信品質の測定および記録が定期的または不定期に行われる。なお、
図25では、これらの図示を省略する。
【0203】
続いて、情報処理装置500は、調整モード(性能評価モード)を終了させる場合には、テスト終了フレームを電子機器200、201に送信する(617乃至620)。このテスト終了フレームは、調整モード(性能評価モード)を終了させるための通知を行うフレームである。このテスト終了フレームを受信した電子機器200、201は、調整モードを解除する。
【0204】
なお、通信品質の測定時間(調整モードの設定時間)を予め決めておき、この測定時間が経過した後に、電子機器200、201に自動で調整モードを終了させるようにしてもよい。例えば、情報処理装置500が最初に送信する設定フレームに測定時間を含めておく。この場合には、電子機器200、201は、その設定フレームを受信した場合に、調整モードを設定し、その設定フレームに含まれる測定時間が経過した場合に、自動で調整モードを終了させる。
【0205】
[通信例]
図26は、本技術の第4の実施の形態における通信システム10を構成する各機器間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、
図26では、複数の電子機器のうち、電子機器200、201のみを示し、他の電子機器の図示を省略する。また、
図26では、情報処理装置500および電子機器200、201のそれぞれが通信品質を測定する例を示す。
【0206】
なお、
図26に示す各処理(621乃至628、641乃至644)は、
図25に示す各処理(601乃至608、617乃至620)に対応する。
【0207】
情報処理装置500は、テストフレームを電子機器200、201に送信する(629、630、635、636)。テストフレームを受信した電子機器200、201は、受信したテストフレームに基づいて、通信品質を測定する(631、637)。そして、電子機器200、201は、その測定結果を情報処理装置500に送信する(632、633、638、639)。この場合に、情報処理装置500は、電子機器200、201から送信されるフレーム(測定結果)に基づいて、通信品質を測定する(633、639)。そして、情報処理装置500は、その測定結果(受信した測定結果を含む)を記録する(634、640)。
【0208】
このように、電子機器200、201へのテストフレームの送信と、情報処理装置500による通信品質の測定および記録が定期的または不定期に行われる。なお、
図26では、これらの図示を省略する。
【0209】
なお、
図25と同様に、通信品質の測定時間(調整モードの設定時間)を予め決めておき、この測定時間が経過した後に、電子機器200、201に自動で調整モードを終了させるようにしてもよい。
【0210】
このように、移動可能な情報処理装置500が、移動しながら他の電子機器からのフレームの受信性能を測定することができる。そして、データ収集してまとめることができる。これにより、ユーザ自身が移動せずに、電子機器の好適な配置、向きを推定することができる。また、情報処理装置500に自動で通信品質を取得させておくことにより、ユーザが知りたいときに、そのデータを見ることが可能となる。
【0211】
[電子機器の動作例]
図27は、本技術の第4の実施の形態における電子機器200による通信品質測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図27では、
図25に示す通信例に対応する動作例を示す。なお、電子機器201乃至204の動作例については、電子機器200と同一であるため、ここでは、電子機器200についてのみ説明し、電子機器201乃至204の説明を省略する。
【0212】
最初に、電子機器200の制御部220は、設定フレームを受信したか否かを判断する(ステップS841)。設定フレームを受信していない場合には(ステップS841)、通信品質測定処理の動作を終了する。
【0213】
設定フレームを受信した場合には(ステップS841)、制御部220は、調整モードを設定し、設定完了を情報処理装置500に送信する(ステップS842)。
【0214】
続いて、制御部220は、タイマ240からの情報に基づいて、テストフレームの送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS843)。テストフレームの送信タイミングである場合には(ステップS843)、制御部220は、通信部210にテストフレームを送信させる(ステップS844)。
【0215】
テストフレームの送信タイミングでない場合には(ステップS843)、制御部220は、テスト終了フレームを受信したか否かを判断する(ステップS845)。テスト終了フレームを受信していない場合には(ステップS845)、ステップS843に戻る。
【0216】
テスト終了フレームを受信した場合には(ステップS845)、通信品質測定処理の動作を終了する。
【0217】
[情報処理装置の動作例]
図28は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置500による通信品質測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図28では、
図25に示す通信例に対応する動作例を示す。
【0218】
最初に、情報処理装置500の制御部520は、調整モードが設定されているか否かを判断する(ステップS851)。調整モードが設定されていない場合には(ステップS851)、通信品質測定処理の動作を終了する。
【0219】
調整モードが設定されている場合には(ステップS851)、制御部520は、設定フレームを各電子機器に送信する(ステップS852)。続いて、制御部520は、設定完了を全ての電子機器から受信したか否かを判断する(ステップS853)。設定完了を全ての電子機器から受信していない場合には(ステップS853)、監視を継続して行う。
【0220】
設定完了を全ての電子機器から受信した場合には(ステップS853)、テストフレームを受信したか否かを判断する(ステップS854)。テストフレームを受信していない場合には(ステップS854)、ステップS858に進む。
【0221】
テストフレームを受信した場合には(ステップS854)、制御部520は、そのテストフレームに基づいて、通信品質を測定する(ステップS855)。続いて、制御部520は、その通信品質を集計処理して各テーブルの内容を更新する(ステップS856)。
【0222】
続いて、制御部520は、更新後の各テーブルの内容に基づいて、通信品質通知画面を表示部150に表示させる(ステップS857)。
【0223】
続いて、制御部520は、タイマ540からの情報に基づいて、テスト終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS858)。テスト終了タイミングである場合には(ステップS858)、制御部520は、通信部510にテスト終了フレームを送信させる(ステップS861)。
【0224】
テスト終了タイミングでない場合には(ステップS858)、制御部520は、情報処理装置500の位置または方向を更新する更新タイミングであるか否かを判断する(ステップS859)。更新タイミングである場合には(ステップS859)、制御部520は、情報処理装置500の位置または方向を変更する(ステップS860)。更新タイミングでない場合には(ステップS859)、ステップS854に戻る。
【0225】
[電子機器の動作例]
図29は、本技術の第4の実施の形態における電子機器200による通信品質測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図29では、
図26に示す通信例に対応する動作例を示す。なお、電子機器201乃至204の動作例については、電子機器200と同一であるため、ここでは、電子機器200についてのみ説明し、電子機器201乃至204の説明を省略する。
【0226】
なお、
図29に示す処理手順(ステップS871、S872、S876)は、
図27に示す処理手順(ステップS841、S842、S845)に対応するため、ここでの説明を省略する。
【0227】
電子機器200の制御部220は、テストフレームを受信したか否かを判断する(ステップS873)。テストフレームを受信していない場合には(ステップS873)、ステップS876に進む。
【0228】
テストフレームを受信した場合には(ステップS873)、制御部220は、そのテストフレームに基づいて、通信品質を測定する(ステップS874)。続いて、制御部220は、その測定結果(通信品質)を情報処理装置500に送信する(ステップS875)。
【0229】
[情報処理装置の動作例]
図30は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置500による通信品質測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図30では、
図26に示す通信例に対応する動作例を示す。
【0230】
なお、
図30に示す処理手順(ステップS881乃至S883、S890乃至S893)は、
図28に示す処理手順(ステップS851乃至S853、S858乃至S861)に対応するため、ここでの説明を省略する。
【0231】
制御部520は、タイマ540からの情報に基づいて、テストフレームの送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS884)。テストフレームの送信タイミングである場合には(ステップS884)、制御部520は、通信部510にテストフレームを送信させる(ステップS885)。テストフレームの送信タイミングでない場合には(ステップS884)、ステップS886に進む。
【0232】
続いて、制御部220は、報告フレームを受信したか否かを判断する(ステップS886)。報告フレームを受信していない場合には(ステップS886)、ステップS890に進む。
【0233】
報告フレームを受信した場合には(ステップS886)、制御部520は、その報告フレームに基づいて、通信品質を測定する(ステップS887)。また、制御部520は、その報告フレームに含まれる通信品質を集計処理する(ステップS887)。続いて、制御部520は、その集計結果に基づいて、各テーブルの内容を更新する(ステップS888)。
【0234】
続いて、制御部520は、更新後の各テーブルの内容に基づいて、通信品質通知画面を表示部150に表示させる(ステップS889)。
【0235】
このように、情報処理装置500の制御部520は、情報処理装置500を移動させ、その移動後において順次測定された電子機器200乃至204に関する通信品質を用いることができる。また、制御部520は、電子機器200乃至204を設置する空間を表す空間画像と、その空間において情報処理装置500の移動後に通信品質が測定された位置を表す位置画像(P1乃至Pz)とを表示部550に表示させることができる。この場合に、制御部520は、その各位置において測定された通信品質をその位置に関連付けて表示させることができる。
【0236】
このように、情報処理装置100、500は、電子機器200乃至204(または、自装置)により測定された通信品質に基づいて、通信システムに関する各種情報を表示することができる。例えば、情報処理装置100、500は、ソース機器を設置した場所において、どの程度のシステム品質を保つことができるか否かを算出して表示することができる。なお、通信品質は、通信システムとしての要求仕様が異なる。例えば、大量のデータをリアルタイムで送受信する必要がある通信システムは、送受信フレームの受信間隔ずれが小さいく、ホップ数が少なく、通信レートが高い方が好ましい。一方、通信システムによっては、品質ではなく、人間の耳に話が聞こえる程度の品質で十分である場合も想定される。そこで、使用される通信システムに応じて、通信システムとしての通信品質の良し悪しの表示方法をレベル分けして変更することができる。これらの変更は、ユーザ操作に基づいて行うようにしてもよく、各電子機器の性能情報等を情報処理装置が取得して、これらの性能情報等に基づいて、情報処理装置が自動で行うようにしてもよい。
【0237】
<5.第5の実施の形態>
本技術の第1乃至第4の実施の形態では、各機器により測定された通信品質を情報処理装置が扱う例を示した。これらの各通信品質を集計して用いることによりユーザにさらに役に立つ情報を提供することができると考えられる。
【0238】
そこで、本技術の第5の実施の形態では、クラウドサービスを利用して通信品質を扱う例を示す。
【0239】
[通信システムの構成例]
図31は、本技術の第5の実施の形態における通信システム30のシステム構成例を示すブロック図である。
【0240】
通信システム30は、ネットワーク31と、アクセスポイント32と、基地局33と、情報処理装置40、100、500とを備える。通信システム30は、例えば、クラウドサービスを実現するための通信システムである。
【0241】
ネットワーク31は、電話網、インターネット等のネットワーク(例えば、公衆回線網)である。アクセスポイント32は、無線通信を利用して情報処理装置を接続するアクセスポイントである。基地局33は、無線通信を利用して情報処理装置を接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
【0242】
サーバ750は、情報処理装置40、100、500から送信された情報を取得する情報処理装置である。また、サーバ750は、情報処理装置40、100、500に各情報を提供する。
【0243】
例えば、ユーザは、電子機器200乃至204を購入した際に、通信品質をユーザにとって見やすく表示するアプリケーションをサーバ750から取得する。続いて、ユーザは、そのアプリケーションを利用して、情報処理装置100において、電子機器の配置と、部屋のフロアレイアウトとを入力し、それらのデータ(レイアウト情報)を情報処理装置100に保存する。また、情報処理装置100は、各電子機器により測定された通信品質(通信品質情報)を情報処理装置100に保存する。
【0244】
このように、情報処理装置100に保存される各情報(例えば、レイアウト情報、通信品質情報)を、ネットワーク上のサービスにユーザが提供することができる。例えば、情報処理装置100に保存される各情報(例えば、レイアウト情報、通信品質情報)を、サーバ750に送信してサーバ750が扱うことができるようにする。
【0245】
これにより、サーバ750は、各ユーザの部屋に関するレイアウト情報や、そのレイアウトにおける通信品質情報を取得することができる。そして、サーバ750は、それらの各情報(例えば、レイアウト情報、通信品質情報)を解析して学習することにより、各種情報を生成することができる。例えば、おおよそのレイアウト情報から、最適な通信品質を提供する電子機器の配置や電子機器の向きに関する情報を算出することができる。例えば、ユーザが部屋のレイアウト情報をサーバ750に提供することにより、そのレイアウトに最適な電子機器の配置を、サーバ750から情報処理装置100に送信することができる。これにより、電子機器を配置する前に、電子機器の最適な配置をユーザが知ることができる。
【0246】
このように、クラウドサービスを利用して、システムに最適な配置情報を学習することができる。
【0247】
また、例えば、ユーザが各情報(レイアウト情報、通信品質情報)を提供する代わりに、追加の電子機器を購入する際の割引や、ポイント等のインセンティブをサービスから提供するようにしてもよい。また、機器(モデルの違い等)により、無線の性能が異なるため、その情報も含めてユーザに提供することができる。これにより、サービス側は、データ源を収集することができる。また、ユーザは、割引やポイント等のインセンティブを受けることができる。
【0248】
このように、本技術の実施の形態では、電子機器200乃至204(または、情報処理装置100、500を含める)に関する通信品質を情報処理装置100、500に報告する。これにより、情報処理装置100、500は、電子機器200乃至204に関する通信品質を、ユーザに分かりやすくリアルタイムに表示させることができる。また、ユーザがその表示内容を確認することにより、電子機器200乃至204を環境に合わせたシステムとして最適な場所に配置することができる。
【0249】
これにより、電子機器200乃至204にとっての最適な方向を含む配置をユーザが自由に設定することができる。すなわち、電子機器200乃至204間の通信品質に応じた適切な環境を提供することができる。
【0250】
また、通信システム10に電子機器を新たに追加する際に、どこにいくつ追加すれば、メッシュネットワークのシステム性能を向上させることができるかをユーザが容易に認識することができる。また、メッシュネットワークから電子機器を減らす場合や、メッシュネットワークを構成する電子機器を交換する場合等についても同様に、ユーザが容易に認識することができる。
【0251】
また、電子機器200乃至204の設置場所の変更を、ユーザが行いたいタイミングでいつでも行うことができる。
【0252】
また、さまざまな環境のデータを蓄積、解析することにより、電子機器に関する通信品質の学習をすることができ、ユーザに対し、最適な設置場所へ誘導することができる。
【0253】
<6.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、情報処理装置100、500、電子機器200乃至204は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、情報処理装置100、500、電子機器200乃至204は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、情報処理装置100、500、電子機器200乃至204は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
【0254】
[6−1.第1の応用例]
図32は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
【0255】
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
【0256】
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
【0257】
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
【0258】
なお、
図32の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
【0259】
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図32に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
【0260】
図32に示したスマートフォン900において、
図2を用いて説明した制御部120、
図6を用いて説明した制御部220、および、
図20を用いて説明した制御部520は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。
【0261】
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
【0262】
[6−2.第2の応用例]
図33は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
【0263】
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
【0264】
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
【0265】
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
【0266】
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
【0267】
なお、
図33の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
【0268】
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図33に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
【0269】
図33に示したカーナビゲーション装置920において、
図2を用いて説明した制御部120、
図6を用いて説明した制御部220、および、
図20を用いて説明した制御部520は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
【0270】
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
【0271】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0272】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0273】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0274】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
複数の機器が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の機器を構成する各機器に関する通信品質を取得する取得部と、
前記取得された通信品質に基づいて、前記各機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力させる制御部と
を具備する情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記複数の機器を設置する空間を表す空間画像と、前記空間において前記機器を設置する位置を表す機器画像とを表示部に表示させ、前記機器に関する通信品質を当該機器に関連付けて表示させる前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記空間において前記情報処理装置が存在する位置を表す装置画像を前記表示部に表示させ、前記情報処理装置および前記機器に関する通信品質を前記情報処理装置および当該機器に関連付けて表示させる前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記機器に関する通信品質として当該機器の複数の設置方向毎に測定された通信品質を当該各設置方向に関連付けて表示させる前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記取得された通信品質に基づいて、前記ネットワークにおける通信品質を向上させるための前記各機器のアンテナの位置および方向を提案する前記調整情報を表示部に表示させる前記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記情報処理装置は、移動が可能な機器であり、
前記制御部は、前記情報処理装置を移動させ、当該移動後において順次測定された前記各機器に関する通信品質を用いる
前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記複数の機器を設置する空間を表す空間画像と、前記空間において前記移動後に前記通信品質が測定された位置を表す位置画像とを表示部に表示させ、前記位置において測定された通信品質を当該位置に関連付けて表示させる前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記機器は、移動が可能な機器であり、
前記制御部は、前記取得された通信品質に基づいて前記各機器を移動させるための制御情報を生成し、前記制御情報を前記各機器に送信する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、前記取得された通信品質に基づいて、前記ネットワークにおける通信品質の状態を表す状態画像を表示部に表示させる前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記通信品質は、前記各機器により測定された前記各機器間における通信品質、または、前記情報処理装置および前記機器間における通信品質である前記(1)から(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11)
前記ネットワークは、前記複数の機器が1対1で無線通信を行うことにより前記複数の機器が相互に接続されるネットワークである前記(1)から(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12)
情報処理装置および他の機器と相互に接続してネットワークを構成して前記情報処理装置および前記他の機器に関する通信品質を取得して前記情報処理装置に送信する機器と、
前記送信された通信品質に基づいて、前記各機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力させる情報処理装置と
を具備する通信システム。
(13)
複数の機器が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の機器を構成する各機器に関する通信品質を取得する取得手順と、
前記取得された通信品質に基づいて、前記各機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力させる制御手順と
を具備する情報処理方法。
(14)
複数の機器が相互に接続されるネットワークにおける前記複数の機器を構成する各機器に関する通信品質を取得する取得手順と、
前記取得された通信品質に基づいて、前記各機器のアンテナの位置および方向を調整するための調整情報を出力させる制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。