(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計測部は、前記正極と前記負極との間にパルス状の電圧が印加された場合における、前記正極及び前記負極の少なくとも一方の電位の変化量と前記正極と前記負極との間の電流の変化量を計測し、
前記算出部は、前記正極と前記負極との間に前記パルス状の電圧が印加された場合における前記電位の変化量と前記電流の変化量とに基づいて、前記正極及び前記負極の少なくとも一方と前記参照電極との間の抵抗を算出する
請求項3に記載の鉛蓄電池。
パルス状の高電圧を前記正極と前記負極との間に印加する高電圧充電と、前記高電圧より低い低電圧を前記正極と前記負極との間に印加する低電圧充電とを交互に繰り返すことによって前記鉛蓄電池を充電する充電制御部
をさらに備え、
前記計測部は、前記低電圧充電及び前記高電圧充電の一方から他方への切り替えの前後における、前記正極及び前記負極の少なくとも一方の電位の変化量と前記正極と前記負極との間の電流の変化量を計測し、
前記算出部は、前記低電圧充電及び前記高電圧充電の一方から他方への切り替えの前後における前記電位の変化量と前記電流の変化量とに基づいて、前記正極及び前記負極の少なくとも一方と前記参照電極との間の抵抗を算出する
請求項4に記載の鉛蓄電池。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は、一実施形態における電源システム120の機能ブロック及び負荷90を概略的に示す。電源システム120は、電源装置10と蓄電システム20とを備える。電源装置10は、蓄電システム20の入力端子12に接続される。蓄電システム20の出力端子14には負荷90が接続される。電源装置10は交流電源であってよい。負荷90は交流で動作する負荷であってよい。蓄電システム20は、無停電電源装置(UPS)において用いられてよい。また、蓄電システム20は、太陽光発電装置、風力発電装置、燃料電池装置などの発電装置において用いられてよい。
【0022】
蓄電システム20は、コンバータ22と、インバータ24と、鉛蓄電池装置100とを有する。鉛蓄電池装置100は、制御装置30と、鉛蓄電池40と、充放電装置50と、計測装置60とを有する。制御装置30は、充放電制御部31と、算出部32と、劣化判定部34と、電極制御部37とを有する。
図1において、電源装置10、コンバータ22、インバータ24、鉛蓄電池40、充放電装置50及び負荷90の電気的接続は、単線図で示される。
【0023】
充放電装置50の一端は、コンバータ22とインバータ24との間のノード16に電気的に接続される。充放電装置50の他端は鉛蓄電池40に電気的に接続される。
【0024】
コンバータ22は、電源装置10から出力される交流電流を直流電流に変換する。コンバータ22により変換された直流電流は、インバータ24及び充放電装置50の少なくとも一方に出力され得る。充放電装置50は、鉛蓄電池40の充放電を行う。具体的には、充放電装置50は、コンバータ22からの直流電流を、鉛蓄電池40の充電用の直流電流に変換して、鉛蓄電池40側に出力する充電回路を有する。鉛蓄電池40は、充放電装置50から出力される充電用の直流電流により充電される。また、充放電装置50は、鉛蓄電池40から出力される直流電流を、給電用の直流電流に変換して、ノード16側に出力する放電回路を有する。給電用の直流電流は、インバータ24に供給される。制御装置30は、充放電装置50を制御することにより、鉛蓄電池40の充放電を制御する。制御装置30は、鉛蓄電池40の充電制御装置として機能する。また、制御装置30は、鉛蓄電池40の放電制御装置として機能する。
【0025】
インバータ24は、コンバータ22から出力される直流電流及び充放電装置50から出力される直流電流の少なくとも一方を、交流電流に変換して出力する。インバータ24から出力された交流電流は、負荷90に供給される。なお、負荷90が直流で動作する場合は、インバータ24を省略してよい。また、電源装置10が直流を供給する場合は、コンバータ22を省略してよい。
【0026】
通常動作時において、電源システム120は、コンバータ22及びインバータ24を介して電源装置10の電力を負荷90に供給してよい。また、通常動作時において、制御装置30は、電源装置10の電力で鉛蓄電池40を充電してよい。非通常動作時において、蓄電システム20は、鉛蓄電池40に蓄えられている電力を負荷90に供給してよい。
【0027】
なお、蓄電システム20がUPSに用いられる場合、入力電源正常時には、電源装置10からコンバータ22及びインバータ24を介して負荷90に電力が供給される。これに対し、停電などの入力電源異常時には、鉛蓄電池40から充放電装置50及びインバータ24を経て負荷90に電力が供給される。入力電源異常時とは、例えば、電源装置10からの電力について、電圧及び周波数の少なくとも一方が定常状態及び過渡変動範囲を外れた場合、若しくは、ひずみ又は電力瞬断時間が予め定められた限界値を超えたときであってよい。なお、蓄電システム20がUPSに用いられる場合、電源装置10は商用交流電源であってよい。電源装置10は、商用交流電源以外の電源であってよい。なお、電源システム120は、蓄電システム20をバイパスして、入力端子12及び出力端子14を介さずに電源装置10の電力を負荷90に供給する直送回路を有してよい。
【0028】
また、蓄電システム20が発電装置に用いられる場合、電源装置10は発電機であってよい。例えば、電源装置10は、太陽電池、風力発電機、燃料電池、内燃力発電機などの発電機であってよい。この場合、蓄電システム20は電源装置10の補助電源として機能してよい。電源装置10の出力が規定値の場合には、電源装置10からコンバータ22及びインバータ24を介して負荷90に電力が供給される。この場合、鉛蓄電池40は、電源装置10からの電力のうち負荷90によって消費されない余剰電力により充電されてよい。これに対し、電源装置10に異常が生じた場合などには、鉛蓄電池40から充放電装置50及びインバータ24を介して、負荷90に電力が供給される。また、電源装置10から負荷90に供給される電力が、負荷90が必要とする電力より小さい場合に、鉛蓄電池40から充放電装置50及びインバータ24を介して、負荷90に不足分の電力が供給されてよい。
【0029】
鉛蓄電池40は、電極としての少なくとも1つの正極及び少なくとも1つの負極と、正極と負極との間に設けられたセパレータと、正極、負極及びセパレータが設けられた空間を満たす電解液を有する1以上の電池セルを有する。鉛蓄電池40は、例えば直列接続された6つの電池セルを有するユニットであってよい。電池セルとは、一対の正極端子及び負極端子を有する鉛蓄電池の最小単位を指す。
【0030】
計測装置60は、正極の電位に関する情報を計測する。計測装置60は、負極の電位に関する情報を計測する。計測装置60が計測する情報については後述する。計測装置60による計測値は、制御装置30に供給される。
【0031】
制御装置30は、充放電装置50を制御することにより、鉛蓄電池40を間欠充電する。制御装置30において、充放電制御部31は、パルス状の高電圧を鉛蓄電池40に印加する高電圧充電と、高電圧より低い低電圧を鉛蓄電池40に印加する低電圧充電とを交互に繰り返すことによって鉛蓄電池40を充電する。間欠とは、高電圧が印加されない期間が繰り返し存在することを意味する。
【0032】
ここで、鉛蓄蓄電池の負極及び正極の劣化について説明する。鉛蓄電池においては、充電時に下記の半反応が進む。
(正極反応)PbSO
4+2H
2O → PbO
2+4H
++SO
42−+2e
−
(負極反応)PbSO
4+2e
− → Pb+SO
42−
また、放電時には、充電時とは逆の下記の半反応が進む。
(正極反応)PbO
2+4H
++SO
42−+2e
− → PbSO
4+2H
2O
(負極反応)Pb+SO
42− → PbSO
4+2e
−
鉛蓄電池においては放電により負極に形成された硫酸鉛により、サルフェーションが促進される場合がある。
【0033】
電極に形成された硫酸鉛は、速やかに十分な充電を行えば分解されて電解液に戻り得る。しかし、硫酸鉛が付着した状態が継続すると、電極に形成された硫酸鉛が結晶化して硬質化する。硫酸鉛が硬質化すると、充電によっても上記の反応は実質的に起こらない。したがって、結晶化した硫酸鉛が電極を被うことで、電極の有効面積が減少する。これにより、各電極における反応が進みにくくなり、放電性能が低下し得る。また、結晶化した硫酸鉛の量が多くなるほど、電気エネルギーの蓄積を担う電解液中の鉛イオン及び硫酸イオンが減少する。そのため、結晶化した硫酸鉛が増えるほど、蓄電性能が低下し得る。場合によっては、鉛蓄電池の充電が困難になってしまう場合がある。このようにして、負極は、主として硫酸鉛により劣化し得る。
【0034】
また、鉛蓄電池が過充電されると、電解液中の水が電気分解されて鉛蓄電池の外部に失われる。また、電解液は、蒸発及び透湿などによっても鉛蓄電池の外部に失われる。これにより、電解液濃度が経時的に上昇し得る。例えば、電解液中の水分が失われることで、鉛蓄電池の充電率が規定値である場合における硫酸濃度が、経時的に上昇し得る。これにより、正極の電極格子の腐食が進む。このようにして、正極の劣化が進む。
【0035】
充放電制御部31は、高電圧充電と低電圧充電とを交互に繰り返して鉛蓄電池40を充電することで、後述するように、鉛蓄電池40の電極の劣化を抑制することができる。
【0036】
計測装置60は、鉛蓄電池40が備える正極及び負極の少なくとも一方の電位に関する情報を計測する。算出部32は、計測装置60が計測した情報に基づいて、鉛蓄電池40が備える正極抵抗及び負極抵抗の少なくとも一方を算出する。算出部32は、計測装置60が計測した情報に基づいて、鉛蓄電池40が備える正極及び負極の少なくとも一方における過電圧を算出する。劣化判定部34は、算出部32が算出した情報に基づいて、負極の劣化及び正極の劣化を判定する。なお、接続切替装置70及び電極制御部37の機能については後述する。
【0037】
図2は、鉛蓄電池40が有する電池セル48の構成例を模式的に示す。電池セル48は、鉛蓄電池40が有する複数の電池セルのうちの1つの電池セルを示す。鉛蓄電池40は、電池セル48と同様の構成を持つ複数の電池セルが直列に接続されて形成される。鉛蓄電池40は、制御弁式鉛蓄電池である。
【0038】
電池セル48の筐体には、正極端子41と、負極端子42と、参照極端子44とが設けられる。電池セル48は、複数の正極板210と、複数の負極板220と、複数のセパレータ230と、正極ストラップ270と、負極ストラップ280と、参照電極200とを内部に備える。正極板210は、電池セル48の正極の一例である。負極板220は、電池セル48の負極の一例である。
【0039】
1つのセパレータ230は、1つの正極板210と1つの負極板220との間に設けられる。
図2における斜線は、正極板210、負極板220及びセパレータ230が並ぶ方向に並行な断面で切断した断面を示す。
【0040】
正極ストラップ270は、複数の正極板210のそれぞれの耳部212を連結する。負極ストラップ280は、複数の負極板220のそれぞれの耳部222を連結する。なお、正極ストラップ270は、正極端子41に電気的に接続され、負極ストラップ280は、負極端子42に電気的に接続される。
【0041】
セパレータ230は、電気絶縁材料で形成される。セパレータ230は、電解液を含浸する絶縁部材の一例である。セパレータ230は、例えば、リテーナマットである。セパレータ230は、例えば、ガラスリテーナマットである。セパレータ230は、正極板210と負極板220とを隔離する。
【0042】
参照電極200は、少なくとも1つのセパレータ230に接触して設けられる。参照電極200は、一例としてセパレータ230の上部に設けられる。参照電極200は、セパレータ230の上面に設けられる。参照電極200は、参照極端子44に電気的に接続される。参照極端子44は、鉛蓄電池40の実運用中に、鉛蓄電池40の外部から基準電極を計測可能に設けられる。
【0043】
参照電極200は、白金電極である。例えば、参照電極200は、白金黒付白金電極である。参照電極200は、セパレータ230が含浸する電解液に接触する。また、参照電極200は、電池セル48の内部空間内に存在する空気に接触する。参照電極200は、電解液及び空気に接触するので、電解液及び白金電極の表面において3相界面を形成する。そのため、参照電極200は、酸素雰囲気下の電極電位を示す。具体的には、参照電極200は、約1Vvs.RHEを示す。参照電極200は、実質的に一定の電位を示し得る。
【0044】
計測装置60は、参照電極200に対する正極板210の電位を計測する。例えば、計測装置60は、参照極端子44と正極端子41との間の電圧を計測する。算出部32は、計測装置60が計測した正極板210の電位に基づいて、鉛蓄電池40の正極の過電圧を算出する。また、計測装置60は、参照電極200に対する負極板220の電位を計測する。例えば、計測装置60は、参照極端子44と負極端子42との間の電圧を計測する。算出部32は、計測装置60が計測した負極板220の電位に基づいて、鉛蓄電池40の負極の過電圧を算出する。
【0045】
なお、接続切替装置70は、参照極端子44と負極端子42との電気的な接続状態を切り替えることができる。例えば、接続切替装置70は、参照極端子44と負極端子42とを短絡した状態と、短絡していない状態とを切り替える。電極制御部37は、接続切替装置70を制御して、参照電極200と負極板220とを電気的に接続させることにより、参照電極200を可逆水素電極として機能させる。具体的には、電極制御部37は、接続切替装置70に参照極端子44と負極端子42とを電気的に接続させた後に、参照極端子44と負極端子42との電気的な接続を切断することによって、参照電極200を可逆水素電極として機能させる。
【0046】
具体的に説明すると、参照電極200は白金電極であり、参照電極200の水素過電圧が小さい。そのため、参照極端子44が負極端子42に電気的に接続されて、参照電極200が負極板220と同一の電位になると、参照電極200がセパレータ230と接触している面で水素が発生する。参照電極200で水素を発生させた後、接続切替装置70が参照極端子44と負極端子42との電気的接続を切断したとき、参照電極200の電位は実質的に可逆水素電位を示す。計測装置60は、参照電極200と負極板220との間の電気的な接続を切断した後に、参照極端子44に対する正極端子41及び負極端子42の電位を計測することにより、可逆水素電位に対する正極板210及び負極板220の電位を計測することができる。
【0047】
このように、電極制御部37は、参照電極200と負極板220とを電気的に接続して参照電極200において水素を発生させた後に、参照電極200と負極板220との間の電気的な接続を切断する。そして、計測装置60は、電極制御部37が参照電極200と負極板220との間の電気的な接続を切断した直後に、参照電極200に対する正極板210及び負極板220の少なくとも一方の電位を計測する。これにより、計測装置60は、可逆水素電位を基準とした正極板210及び負極板220の電位を計測することができる。
【0048】
電池セル48内の酸素濃度が変化すると、参照電極200の電位が変化するので、参照電極200を基準とした正極板210及び負極板220の電位も変化する。この場合、電極制御部37が参照極端子44と負極端子42とを電気的に接続して参照電極200を可逆水素電極として機能させた状態で、参照極端子44に対する正極端子41及び負極端子42の電位を計測装置60が計測することで、正極板210及び負極板220の電位を安定的に計測することができる。一例として、電極制御部37は、参照電極200と負極板220とを電気的に接続していない場合において計測装置60により計測された、参照電極200に対する正極板210及び負極板220の少なくとも一方の電位の時間変化が予め定められた閾値より大きい場合に、上述したように参照電極200と負極板220とを電気的に接続して参照電極200を可逆水素電極として機能させることにより、可逆水素電位に対する正極板210及び負極板220の少なくとも一方の電位を計測装置60に計測させてよい。
【0049】
また、計測装置60及び制御装置30は、参照電極200と正極板210との間の抵抗を計測する。例えば、計測装置60は、参照極端子44と正極端子41との間に電流を流し、正極端子41と負極端子42との間の電流と、参照極端子44と正極端子41との間の電圧とを計測する。算出部32は、正極端子41と負極端子42との間の電流と、参照極端子44と正極端子41との間の電圧とに基づいて、参照電極200と正極板210との間の抵抗を算出する。なお、計測装置60は、参照極端子44と正極端子41との間に交流電流を流すことによって、参照電極200と正極板210との間の抵抗を計測してよい。
【0050】
また、計測装置60及び制御装置30は、参照電極200と負極板220との間の抵抗を計測する。例えば、計測装置60は、参照極端子44と負極端子42との間に電流を流し、正極端子41と負極端子42との間の電流と、参照極端子44と負極端子42との間の電圧とを計測する。算出部32は、正極端子41と負極端子42との間の電流と、参照極端子44と負極端子42との間の電圧とに基づいて、参照電極200と負極板220との間の抵抗を算出する。なお、計測装置60は、参照極端子44と負極端子42との間に交流電流を流すことによって、参照電極200と負極板220との間の抵抗を計測してよい。
【0051】
このように、算出部32は、参照電極200に対する正極板210の電位に基づいて、正極板210と参照電極200との間の抵抗を算出する。また、算出部32は、参照電極200に対する正極板210の電位に基づいて、正極板210における過電圧を算出する。また、算出部32は、参照電極200に対する負極板220の電位に基づいて、負極板220と参照電極200との間の抵抗を算出する。また、算出部32は、参照電極200に対する負極板220の電位に基づいて、負極板220における過電圧を算出する。
【0052】
なお、計測装置60は、正極板210と負極板220との間にパルス状の電圧が印加された場合における、正極板210及び負極板220の少なくとも一方の電位の変化量と正極板210と負極板220との間の電流の変化量を計測してよい。算出部32は、正極板210と負極板220との間にパルス状の電圧が印加された場合における電位の変化量と電流の変化量とに基づいて、正極板210及び負極板220の少なくとも一方と参照電極200との間の抵抗を算出してよい。
【0053】
後に詳細に説明するように、制御装置30は、パルス状の電圧を印加する間欠充電により鉛蓄電池40を充電する。計測装置60及び算出部32は、間欠充電によりパルス状の電圧が印加された場合において、電位の変化量と電流の変化量とに基づいて、正極板210と参照電極200との間の抵抗を算出してよい。また、計測装置60及び算出部32は、間欠充電によりパルス状の電圧が印加された場合において、電位の変化量と電流の変化量とに基づいて、参照電極200と負極板220との間の抵抗を算出してよい。
【0054】
図3は、鉛蓄電池40の充電電圧及び充電電流のタイミングチャートを模式的に示す。
図3のタイミングチャートの横軸は時刻を示す。上段のタイミングチャートは充電電圧のタイミングチャートであり、下段のタイミングチャートは充電電流のタイミングチャートを示す。充電電圧のタイミングチャートの縦軸は電圧を示す。充電電流のタイミングチャートの縦軸は電流を示す。
図3のタイミングチャートに示されるように、充放電制御部31は、間欠充電によって鉛蓄電池40を充電する。なお、ここでは、鉛蓄電池40が、直列接続された6個の電池セルを有するものとして説明する。充電電圧は、6個の電池セルの全体に印加する電圧である。
【0055】
T
Hは、鉛蓄電池40の端子間に高電圧を印加する高電圧充電期間の時間長さを示す。横軸において、tsは、低電圧を印加している状態から高電圧の印加を開始する時刻の1つを示し、teは低電圧の印加を開始する時刻の1つを示す。よって、T
H=te−tsである。充放電制御部31は、tsにおいて、鉛蓄電池40に印加する電圧を低電圧から高電圧に切り替え、teにおいて、鉛蓄電池40に印加する電圧を高電圧から低電圧に切り替える。
【0056】
T
Lは、鉛蓄電池40に低電圧を印加する低電圧充電期間の時間長さを示す。V
Hは、間欠充電における高電圧の電圧値を示す。V
Lは、間欠充電における低電圧の電圧値を示す。I
Hは、高電圧充電期間における鉛蓄電池40の充電電流の電流値を示す。I
Lは、低電圧充電期間における充電電流の電流値を示す。
【0057】
充放電制御部31は、充放電装置50を制御して、鉛蓄電池40に高電圧を印加するT
Hと鉛蓄電池40に低電圧を印加するT
Lとを有する1周期を1回以上繰り返すことにより、鉛蓄電池40を間欠充電する。V
H、V
L、T
H及びT
Lは、間欠充電における充電パラメータの一例である。
【0058】
高電圧充電において、充放電制御部31は、充放電装置50を制御することにより、パルス状の高電圧を鉛蓄電池40に印加する。
図3に示すパルス状の高電圧は、予め定められたピーク電圧値V
Hを有する矩形波形状を有する。なお、パルス状の高電圧とは、短時間で急峻に電圧値が上昇する電圧波形を意味してよい。パルス状の高電圧は、矩形波以外に、例えば、正弦波、三角波又は鋸波におけるピークを含む部分期間の波形形状を有してよい。
【0059】
ここで、V
H、V
L、T
H及びT
Lがどの程度の値であるかを例示するとともに、間欠充電により得られる効果を説明することを目的として、V
H、V
L、T
H及びT
Lの具体的な数値等を例示する。
【0060】
T
Hは、例えば60秒である。T
Lは例えば3600秒である。間欠充電では、高電圧をパルス状に印加するので、T
Hを短くすることができる。T
Hが短いほど、電解液中の水が電気分解により鉛蓄電池40から失われることを抑制できる。また、パルス状の高電圧を印加することで、負極に発生した硫酸鉛が分解され易くなる場合がある。また、T
Hを短くすることで、鉛蓄電池40の正極の劣化を抑制し得る。例えば、正極に形成される酸化鉛に起因する体積膨張を抑制し得る。また、過充電によって電解質濃度が上昇して正極が腐食することを抑制し得る。
【0061】
V
Lは、例えば12.6Vである。この場合、T
Lの期間内に、1つの電池セルあたり2.1Vの電圧が印加される。なお、V
Lは、0Vよりも高くてよい。V
Lは、鉛蓄電池40の完全放電時の起電力以上であってもよい。例えば、1つの電池セルの完全放電時の起電力が1.95Vである場合、V
Lは11.7V以上であってよい。
【0062】
鉛蓄電池への印加電圧が極端に低いと、自己放電が進んで、負極で硫酸鉛の形成及び結晶化が進む。例えば、充電電圧が0Vの場合、負極で硫酸鉛の結晶化が進み易くなる。これに対し、蓄電システム20においては、V
Lを0Vよりも高くすることで、硫酸鉛の結晶化の進行を抑制し得る。また、V
Lを完全放電時の起電力以上とすることによっても、硫酸鉛の結晶化の進行を抑制し得る。このように、充放電制御部31は、低電圧充電期間において、鉛蓄電池40の負極の劣化を抑制し得る電圧値を、鉛蓄電池40に印加する。
【0063】
なお、V
Lは、鉛蓄電池40における理論起電力の74%以上であってもよい。例えば、1つの電池セルの理論起電力が2.04Vである場合に、V
Lは9.06V以上であってよい。V
Lは、鉛蓄電池40における理論起電力の93%以上であってもよい。例えば、1つの電池セルの理論起電力が2.04Vである場合に、V
Lは11.4V以上であってよい。V
Lが理論起電力の74%以上又は93%以上である場合とは、低電圧充電期間における瞬間最低値が理論起電力の70%以上又は93%以上であることを意味してよい。V
Lが理論起電力の74%以上又は93%以上である場合、硫酸塩の結晶化の抑制に一定の効果があり得る。
【0064】
また、V
Lは、鉛蓄電池40の完全充電時の起電力以下であってよい。1つの電池セルの完全充電時の起電力が2.1Vである場合に、V
Lは12.6V以下であってよい。
【0065】
また、V
Lは、鉛蓄電池40における理論起電力の電圧値の121%以下であってよい。1つの電池セルの理論起電力が2.04Vである場合に、V
Lは14.8V以下であってもよい。
【0066】
なお、T
Lは、T
Hよりも長くてよい。また、T
Hが60秒であり、T
Lが240秒以上であってよい。また、T
Hが60秒であり、T
Lが30分以上であってよい。T
Hが60秒であり、T
Lが1時間以上であってよい。このように、T
LとT
Hとの比は、4≦T
L/T
H、30≦T
L/T
H又は60≦T
L/T
Hであってよい。
【0067】
また、T
Hが60秒であり、T
Lが5時間以下であってよい。T
Hが60秒であり、T
Lが3時間以下であってよい。このように、T
LとT
Hとの比は、T
L/T
H≦180又はT
L/T
H≦300としてよい。特に、鉛蓄電池において、T
Lが3時間以上5時間以下の間において、負極の劣化の進行が早まる場合があることが、本願の発明者らによる実験において確認されている。したがって、T
Lを5時間以下、より好ましくは3時間以下とすることは、鉛蓄電池の劣化抑制に有効といえる。
【0068】
計測装置60は、tsより予め定められた時間前の時刻t1において、参照極端子44と正極端子41との間の電圧と、正極端子41と負極端子42との間を流れる電流を計測する。また、計測装置60は、tsより予め定められた時間後の時刻t2において、参照極端子44と正極端子41との間の電圧と、正極端子41と負極端子42との間を流れる電流を計測する。時刻tにおける電圧及び電流をそれぞれV
+(t)、I(t)とすると、算出部32は、(V
+(t2)−V
+(t1))/(I(t2)−I(t1))により、参照電極200と正極板210との間の抵抗を算出する。
【0069】
負極における抵抗も同様に、計測装置60は、時刻t1において、参照極端子44と負極端子42との間の電圧と、正極端子41と負極端子42との間を流れる電流を計測する。また、計測装置60は、tsより予め定められた時間後の時刻t2において、参照極端子44と負極端子42との間の電圧と、正極端子41と負極端子42との間を流れる電流を計測する。時刻tにおける電圧をV
−(t)とすると、算出部32は、(V
−(t2)−V
−(t1))/(I(t2)−I(t1))により、参照電極200と負極板220との間の抵抗を算出する。
【0070】
なお、ここでは、低電圧充電から高電圧充電に切り替える場合における電圧変化量及び電流変化量から、参照電極200と正極板210との間の抵抗及び参照電極200と負極板220との間の抵抗を算出する場合の処理について具体的に説明した。しかし、高電圧充電から低電圧充電に切り替える場合における電圧変化量及び電流変化量から、参照電極200と負極板220との間の抵抗を算出してもよい。
【0071】
このように、充放電制御部31は、パルス状の高電圧を正極板210と負極板220との間に印加する高電圧充電と、前記高電圧より低い低電圧を正極板210と負極板220との間に印加する低電圧充電とを交互に繰り返すことによって鉛蓄電池40を充電する。
計測装置60は、低電圧充電及び高電圧充電の一方から他方への切り替えの前後における、正極板210及び負極板220の少なくとも一方の電位の変化量と正極板210と負極板220との間の電流の変化量を計測し、算出部32は、低電圧充電及び高電圧充電の一方から他方への切り替えの前後における電位の変化量と電流の変化量とに基づいて、正極板210及び負極板220の少なくとも一方と参照電極200との間の抵抗を算出する。
【0072】
次に、正極板210及び負極板220の抵抗又は過電圧に基づく劣化状態の判断及び鉛蓄電池40の充電方法の制御手順を説明する。上述したように、計測装置60は、参照電極200に対する正極板210及び負極板220のそれぞれの電位を算出する。また、算出部32は、参照電極200に対する正極板210及び負極板220のそれぞれの電位に基づいて、正極板210及び負極板220のそれぞれと参照電極200との間の抵抗を算出する。算出部32は、参照電極200に対する正極板210及び負極板220のそれぞれの電位に基づいて、正極板210及び負極板220のそれぞれにおける過電圧を算出する。
【0073】
劣化判定部34は、算出部32が算出した抵抗に基づいて、負極板220の劣化及び正極板210の劣化を判定してよい。例えば、劣化判定部34は、正極板210及び負極板220のそれぞれと参照電極200との間の抵抗に基づいて、負極板220の劣化及び正極板210の劣化を判定する。例えば、劣化判定部34は、参照電極200と負極板220との間の抵抗から、参照電極200と正極板210との間の抵抗を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、負極板220が劣化したと判定してよい。劣化判定部34は、参照電極200と正極板210との間の抵抗から、参照電極200と負極板220との間の抵抗を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、正極板210が劣化したと判定してよい。
【0074】
また、劣化判定部34は、算出部32が算出した正極板210における過電圧及び負極板220における過電圧に基づいて、負極板220の劣化及び正極板210の劣化を判定してよい。例えば、劣化判定部34は、負極板220における過電圧から正極板210における過電圧を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、負極板220が劣化したと判定してよい。劣化判定部34は、正極板210における過電圧から負極板220における過電圧を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、正極板210が劣化したと判定してよい。
【0075】
負極板220が劣化していると判定された場合に、充放電制御部31は、鉛蓄電池40の単位時間あたりの充電量を大きくしてよい。例えば、充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、鉛蓄電池40の充電電圧を高めてよい。一例として、鉛蓄電池40を間欠充電する場合において、充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、T
Hを長くしてよい。充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、T
Lを短くしてよい。充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、T
Lに対するT
Hの比率を大きくしてよい。充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、V
Hを高くしてよい。充放電制御部31は、負極板220が劣化していると判定された場合に、V
Lを高くしてよい。このように、鉛蓄電池40の単位時間あたりの充電量を大きくすることで、負極板220に形成された硫酸鉛の分解を促進することができるので、負極板220における硫酸鉛の結晶化の進行を抑制できる。
【0076】
正極板210が劣化していると判定された場合に、充放電制御部31は、鉛蓄電池40の単位時間あたりの充電量を小さくしてよい。例えば、充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、鉛蓄電池40の充電電圧を低くしてよい。一例として、鉛蓄電池40を間欠充電する場合において、充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、V
Hを低くしてよい。充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、V
Lを低くしてよい。充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、T
Hを短くしてよい。充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、T
Lを長くしてよい。充放電制御部31は、正極板210が劣化していると判定された場合に、T
Lに対するT
Hの比率を小さくしてよい。このように、鉛蓄電池40の充電時における単位時間あたりの通電量を小さくすることで、鉛蓄電池40の過充電を抑制することができる。これにより、例えば電解液の電気分解により電解液濃度の上昇速度を抑制することができ、正極板210の腐食の進行を抑制することができる。
【0077】
なお、充放電制御部31は、劣化判定部34における劣化判断を経ることなく、鉛蓄電池40の充電方法を制御してよい。例えば、充放電制御部31は、参照電極200と負極板220との間の抵抗から参照電極200と正極板210との間の抵抗を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、上述したように鉛蓄電池40の単位時間あたりの充電量を大きくしてよい。充放電制御部31は、参照電極200と正極板210との間の抵抗から参照電極200と負極板220との間の抵抗を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、上述したように鉛蓄電池40の充電時における単位時間あたりの通電量を小さくしてよい。また、充放電制御部31は、負極板220における過電圧から正極板210における過電圧を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、上述したように鉛蓄電池40の単位時間あたりの充電量を大きくしてよい。また、充放電制御部31は、正極板210における過電圧から負極板220における過電圧を差し引いた値が予め定められた値より大きい場合に、上述したように鉛蓄電池40の充電時における単位時間あたりの通電量を小さくしてよい。
【0078】
以上に説明したように、電源システム120によれば、鉛蓄電池40の正極及び負極のそれぞれの電位に関する情報を、簡素な構成で独立に計測することができる。そのため、鉛蓄電池40の劣化状態や正極及び負極の状態をより正確に計測することができる。そして、鉛蓄電池40の劣化状態や正極及び負極の状態に応じて鉛蓄電池40の充電を制御することができる。そのため、鉛蓄電池40の充電を最適化することができる。ひいては、鉛蓄電池40の寿命を長くすることができる。
【0079】
図4は、鉛蓄電池40が備える電池セルの他の形態を示す。
図4に示す電池セル49は、
図2に示す電池セル48が備える構成要素に加えて絶縁部材430を備え、
図2に示す電池セル48の参照電極200に替えて、絶縁部材430に接触して設けられた参照電極400を備える。これらの点を除いて、
図4の電池セル49は、
図2に示す電池セル48と同一の構成を有する。ここでは、
図2の電池セル48との相違点を主として説明し、重複する事項についての説明は省略する。
【0080】
絶縁部材430は、負極板220の上方に設けられる。絶縁部材430は、負極板220に接触して設けられてよい。絶縁部材430は、リテーナマットであってよい。絶縁部材430は、ガラスリテーナマットであってよい。絶縁部材430は、電解液を含浸する。絶縁部材430が含浸する電解液は、セパレータ230が含浸する電解液と電気的に接続している。
【0081】
絶縁部材430は、隣接するセパレータ230の少なくとも一方に接触して設けられる。これにより、絶縁部材430が含浸する電解液は、セパレータ230が含浸する電解液と液絡する。絶縁部材430は、負極板220に接触して設けられてよい。
【0082】
電池セル49においては、絶縁部材430は負極板220の上方に設けられるが、絶縁部材430は、正極板210の上方に設けられてよい。絶縁部材430は、1以上の正極板210に設けられてよく、1以上の負極板220の上方に設けられてもよい。
【0083】
参照電極400は、参照電極200と同様、白金電極である。参照電極400は、絶縁部材430に接触して設けられる。参照電極400は、セパレータ230に接触していない。しかし、参照電極400は、セパレータ230が含浸する電解液と、絶縁部材430を通じて電気的に接続されている。そのため、参照電極400は、
図2に示す参照電極200と同様に基準電極として機能する。そのため、電池セル49を備える鉛蓄電池40においても、電池セル48を備える鉛蓄電池40の劣化の判定方法や充電制御方法と同様の処理手順を適用できる。したがって、電池セル49を備える鉛蓄電池40は、電池セル48を備える鉛蓄電池40と同様の効果を奏する。
【0084】
なお、参照電極200及び参照電極400を設ける絶縁部材は、セパレータ230や絶縁部材430に限られない。参照電極は、鉛蓄電池40における電池反応に寄与する電解液に電気的に接続するように設けられていれば、どのような形態も採用できる。また、
図2等に関する説明において、鉛蓄電池40は制御弁式鉛蓄電池である。しかし、電解液を含浸する絶縁部材に接触した参照電極を備える構成は、制御弁式鉛蓄電池以外の鉛蓄電池、例えばベント形鉛蓄電池等の鉛蓄電池にも、適用可能である。
【0085】
上述したように、参照電極200及び参照電極400は白金電極である。参照電極200及び参照電極400は、白金電極でなくてよい。参照電極は、可逆水素電極、銀塩化銀電極、硫酸水銀電極、金属鉛電極、又は金属カドミウム電極等であってよい。白金電極である参照電極を可逆水素電極として機能させるための構成及び手法を述べたが、上述した構成及び方法とは異なる構成又は方法を用いて参照電極を可逆水素電極として機能させてよい。
【0086】
上述したように、鉛蓄電池装置100は、鉛蓄電池40、制御装置30、計測装置60及び接続切替装置70を備える。しかし、鉛蓄電池40が制御装置30、計測装置60及び接続切替装置70の少なくとも1つを備える形態も採用できる。鉛蓄電池とは、電池セルを複数含む組電池のみならず、電池セル単体を含む概念である。また、鉛蓄電池とは、鉛蓄電池装置100、鉛蓄電池装置100や蓄電システム20等、電池セル又は組電池に加えて種々の装置を備えた構成を含む概念である。
【0087】
制御装置30は、コンピュータにより実現されてよい。コンピュータがプログラムを実行することにより、プログラムは、コンピュータが有するプロセッサおよびメモリ等の各ユニットを制御して、制御装置30として機能させてよい。当該プログラムは、コンピュータを、充放電制御部31と、算出部32と、劣化判定部34と、電極制御部37として機能させてよい。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0089】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。