(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板に設けられた一端を各々有し、前記第1の方向もしくは前記第2の方向へ並び、または前記第1の方向および前記第2の方向の双方に沿って並ぶ複数のリードをさらに備えた
請求項1または請求項2に記載のセンサユニット。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態およびその変形例
基体の中心位置とICチップの中心位置とが一致するようにしたセンサユニットの例。
2.第2の実施の形態およびその変形例
基体の中心位置とICチップの中心位置とが異なるようにしたセンサユニットの例。
3.実験例
4.その他の変形例
【0018】
<1.第1の実施の形態>
[センサユニット1Aの構成]
最初に、
図1から
図3を参照して、本発明における第1の実施の形態としてのセンサユニット1Aの構成について説明する。
図1は、センサユニット1Aの全体構成例を表す平面図である。
図2は、センサユニット1Aの、
図1に示した第1の軸J1に沿った断面を表すものである。
図3は、センサユニット1Aの概略構成を表す回路図である。このセンサユニット1Aは、例えば回転体の回転角の検出に用いられる角度検出センサとして用いられるものである。
【0019】
センサユニット1Aは、基板10と、その基板10に積層された集積回路(IC)チップ20と、ICチップ20に積層されたセンサ群30Aとを備えたものである。なお、基板10およびICチップ20を合わせたものが本発明の「基体」に対応する一具体例である。
【0020】
基板10は、互いに実質的に直交する第1の辺11および第2の辺12を含む、実質的に矩形の平面形状を有するものである。ここで、第1の辺11の長さと第2の辺12の長さとが実質的に等しく、基板10の平面形状は実質的に正方形となっているとよい。実質的に、とは、例えば製造誤差等に起因する程度のずれを許容する意味である。なお本明細書では、第1の辺11が延伸する方向をX軸方向とし、第2の辺12が延伸する方向をY軸方向とし、基板10の厚さ方向(
図1の紙面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。さらに
図1では、基板10の中心位置、すなわち基板10の、X軸方向における中心位置を通る第2の軸J2とY軸方向における中心位置を通る第1の軸J1との交点に、符号10Jを付している。
【0021】
ICチップ20は、矩形の平面形状を有すると共に基板10よりも小さな占有面積を有する。センサユニット1Aでは、ICチップ20の中心位置20J、すなわちICチップ20の、X軸方向における中心位置とY軸方向における中心位置との交点は、基板10の中心位置10Jと実質的に一致している。なお、中心位置20Jと中心位置10Jとが一致する、とは、製造誤差等に起因する±30μm程度の範囲のずれを許容するものである。また、ICチップ20は、演算回路21(
図3参照)を含んでいる。
【0022】
センサ群30Aは、例えば中心位置10J(20J)を通るX軸に平行な第1の軸J1上に並ぶn個(nは2以上の整数)のセンサ(本実施の形態では3個のセンサ31〜33)を有する。基板10上の、センサ31〜33が配列されたセンサ領域R30Aは、X軸方向において寸法X30Aを有すると共にY軸方向において寸法Y30Aを有し、ICチップ20よりも小さな占有面積を有する。ここで、寸法Y30Aに対する寸法X30Aの比、すなわちアスペクト比はn(ここでは3)未満である。なお、このアスペクト比は1に近いほど好ましく、実質的に1であることが最も好ましい。また、Y軸方向における基板10の中心位置10Jを通る第1の軸J1と、Y軸方向におけるセンサ領域R30Aの中心位置を通る軸J30Xとが実質的に一致している。
【0023】
各センサ31〜33の平面形状は矩形であり、ICチップ20の寸法よりも小さな寸法を有する。各センサ31〜33の平面形状は、X軸方向に沿った寸法よりもY軸方向に沿った寸法が大きい。特に、センサ31〜33は、全て、実質的に同一の平面形状および実質的に同一の占有面積を有するとよい。各センサ31〜33は、例えば実質的に同一の構造を有する磁気抵抗効果(MR)素子を含むものである。第1の軸J1上において、センサ31とセンサ32との距離D312は、センサ32とセンサ33との距離D323と実質的に等しいことが望ましい。すなわち、n個のセンサは、実質的に等間隔で配列されていることが望ましい。したがって、センサ31とセンサ33とは、中心位置10J(20J)に設けられた中心位置センサであるセンサ32を中心として線対称および点対称をなすように設けられている。
【0024】
センサ31〜33は、それぞれ、検出対象である外部磁場の変化(回転)に対して互いに例えば90°位相の異なる信号を出力する2つのセンサ部を有している。具体的には、
図3および
図4に示したように、例えば磁気センサ部41と磁気センサ部42とを有している。なお、
図4は、センサ31〜33の構成を表す斜視図である。磁気センサ部41は、外部磁場Hの変化(回転)を検知して差分信号S1を演算回路21へ出力する(
図3)。同様に、磁気センサ部42は、外部磁場Hの変化(回転)を検知して差分信号S2を演算回路21へ出力する(
図3)。但し、差分信号S1の位相と差分信号S2の位相とは互いに90°異なっている。例えば
図5に示したように、外部磁場Hの回転角θに対し、差分信号S1がsinθに従う出力(例えば抵抗値)の変化を表すものであるとき、差分信号S2はcosθに従う出力(例えば抵抗値)の変化を表すものである。
図5は、外部磁場Hの回転角θに対する出力の変化を模式的に表す特性図である。
【0025】
磁気センサ部41は、
図3に示したように、4つの磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子41A〜41Dがブリッジ接続されたブリッジ回路411と、差分検出器412とを含んでいる。同様に、磁気センサ部42は、4つのMR素子42A〜42Dがブリッジ接続されたブリッジ回路421と、差分検出器422とを含んでいる。ブリッジ回路411は、MR素子41AおよびMR素子41Bの一端同士が接続点P1において接続され、MR素子41CおよびMR素子41Dの一端同士が接続点P2において接続され、MR素子41Aの他端とMR素子41Dの他端とが接続点P3において接続され、MR素子41Bの他端とMR素子41Cの他端とが接続点P4において接続されている。ここで、接続点P3は電源Vccと接続されており、接続点P4は接地されている。接続点P1,P2は、それぞれ差分検出器412の入力側端子と接続されている。この差分検出器412は、接続点P3と接続点P4との間に電圧が印加されたときの接続点P1と接続点P2との間の電位差(MR素子41A,41Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、差分信号S1として演算回路21へ向けて出力するものである。
【0026】
同様に、ブリッジ回路421は、MR素子42AおよびMR素子42Bの一端同士が接続点P5において接続され、MR素子42CおよびMR素子42Dの一端同士が接続点P6において接続され、MR素子42Aの他端とMR素子42Dの他端とが接続点P7において接続され、MR素子42Bの他端とMR素子42Cの他端とが接続点P8において接続されている。ここで、接続点P7は電源Vccと接続されており、接続点P8は接地されている。接続点P5,P6は、それぞれ差分検出器422の入力側端子と接続されている。この差分検出器422は、接続点P7と接続点P8との間に電圧が印加されたときの接続点P5と接続点P6との間の電位差(MR素子42A,42Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、差分信号S2として演算回路21へ向けて出力するものである。なお、
図3において符号JSS1を付した矢印は、MR素子41A〜41D,42A〜42Dの各々における磁化固着層SS1(後出)の磁化の向きを模式的に表している。すなわち、MR素子41A,41Cの各抵抗値は、外部磁場Hの変化に応じて互いに同じ向きに変化(増加もしくは減少)し、MR素子41B,41Dの各抵抗値は、いずれも、外部磁場Hの変化に応じてMR素子41A,41Cとは反対向きに変化(減少もしくは増加)することを表している。また、MR素子42A,42Cの各抵抗値の変化は、外部磁場Hの変化に応じてMR素子41A〜41Dの各抵抗値の変化に対して位相が90°ずれている。MR素子42B,42Dの各抵抗値は、いずれも、外部磁場Hの変化に応じてMR素子42A,42Cとは反対向きに変化する。したがって例えば、外部磁場Hがθの方向に回転する(
図4)と、ある角度範囲ではMR素子41A,41Cでは抵抗値が増大し、MR素子41B,41Dでは抵抗値が減少するという挙動を示す関係にある。その際、MR素子42A,42Cの抵抗値は、MR素子41A,41Cの抵抗値の変化に例えば90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化し、MR素子42B,42Dの抵抗値は、MR素子41B,41Dの抵抗値の変化に90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化することとなる。
【0027】
各MR素子41A〜41D,42A〜42Dは、例えば
図6に示したように磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造をなしている。具体的には、一定方向に固着された磁化JSS1を有する磁化固着層SS1と、特定の磁化方向を発現しない中間層SS2と、外部磁場Hの磁束密度に応じて変化する磁化JSS3を有する磁化自由層SS3とが順にZ軸方向に積層されてなるものである。磁化固着層SS1、中間層SS2および磁化自由層SS3は、いずれもXY面内に広がる薄膜である。したがって、磁化自由層SS3の磁化JSS3の向きは、XY面内において回転可能となっている。なお、
図6は、外部磁場Hが磁化JSS3の向きに付与されている負荷状態を示している。また、MR素子41A,41Cにおける磁化固着層SS1は、例えば+X方向に固着された磁化JSS1を有し、MR素子41B,41Dにおける磁化固着層SS1は、−X方向に固着された磁化JSS1を有する。なお、磁化固着層SS1,中間層SS2および磁化自由層SS3は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。また、磁化固着層SS1,中間層SS2および磁化自由層SS3が、上記とは逆の順番に積層されていてもよい。
【0028】
磁化固着層SS1は、例えばコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などの強磁性材料からなる。なお、磁化固着層SS1と隣接するように、中間層SS2と反対側に反強磁性層(図示せず)を設けるようにしてもよい。そのような反強磁性層は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。反強磁性層は、例えば磁気センサ部41においては、+X方向のスピン磁気モーメントと−X方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、隣接する磁化固着層SS1の磁化JSS1の向きを、+X方向へ固定するように作用する。
【0029】
スピンバルブ構造が磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)膜として機能するものである場合、中間層SS2は、例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。MgOからなるトンネルバリア層は、例えば、MgOからなるターゲットを用いたスパッタリング処理のほか、マグネシウム(Mg)の薄膜の酸化処理、あるいは酸素雰囲気中でマグネシウムのスパッタリングを行う反応性スパッタリング処理などによって得られる。また、MgOのほか、アルミニウム(Al),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf)の各酸化物もしくは窒化物を用いて中間層SS2を構成することも可能である。なお中間層SS2は、例えばルテニウム(Ru)や金(Au)などの白金族元素や銅(Cu)などの非磁性金属により構成されていてもよい。その場合、スピンバルブ構造は巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)膜として機能する。
【0030】
磁化自由層SS3は軟質強磁性層であり、例えばコバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはコバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などによって構成される。
【0031】
ブリッジ回路411を構成するMR素子41A〜41Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P3において分流された電流I1もしくは電流I2が供給される。ブリッジ回路411の接続点P1,P2からそれぞれ取り出された信号e1,e2が差分検出器412に流入する。ここで、信号e1は例えば磁化JSS1と磁化JSS3とのなす角度をγとしたときAcos(+γ)+B(A,Bはいずれも定数)に従って変化する出力変化を表し、信号e2はAcos(γ−180°)+Bに従って変化する出力変化を表す。
【0032】
一方、ブリッジ回路421を構成するMR素子42A〜42Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P7において分流された電流I3もしくは電流I4が供給される。ブリッジ回路421の接続点P5,P6からそれぞれ取り出された信号e3,e4が差分検出器422に流入する。ここで、信号e3はAsin(+γ)+Bに従って変化する出力変化を表し、信号e4はAsin(γ−180°)+Bに従って変化する出力変化を表す。さらに、差分検出器412からの差分信号S1および差分検出器422からの差分信号S2が演算回路21に流入する。演算回路21では、tanγに応じた角度が算出される。ここで、γはセンサ群30に対する外部磁場Hの回転角θに相当するので、回転角θが求められるようになっている。
【0033】
[センサユニット1Aの動作および作用]
本実施の形態のセンサユニット1Aでは、例えばXY面内における外部磁場Hの回転角θの大きさを、センサ群30Aによって検出することができる。
【0034】
このセンサユニット1Aでは、センサ群30Aに対して外部磁場Hが回転すると、いずれもセンサ群30Aに及ぶX軸方向の磁界成分の変化およびY軸方向の磁界成分の変化が磁気センサ部41,42におけるMR素子41A〜41D,42A〜42Dによって検出される。その際、ブリッジ回路411,421からの出力として、例えば
図5に示した変化を示す差分信号S1,S2が演算回路21へ流入する。そののち、演算回路21において、計算式Arctan(αsinθ/βcosθ)に基づいて外部磁場Hの回転角θを求めることができる。
【0035】
[センサユニット1Aの効果]
このセンサユニット1Aでは、センサ群30Aを構成するセンサ31〜33における外部磁場Hに対する検出特性が向上している。
【0036】
具体的には、各センサ31〜33において、温度変化が生じた場合であっても、直交性(orthogonality)の低下が抑制されるようになっている。ここでいう直交性とは、例えば磁気センサ部41からの出力(差分信号S1)の位相に対する磁気センサ部42からの出力(差分信号S2)の位相の設定値(例えば90°)からのずれ量を意味する。このずれ量は0に近いほど好ましい。
【0037】
本実施の形態のセンサユニット1Aにおいて、センサ31〜33の直交性の低下が抑制されるのは、センサ31〜33がいずれも温度変化に起因する基板10の歪みが比較的小さい位置に設置されているためと考えられる。すなわち、複数のセンサ31〜33が、実質的に矩形の平面形状を有する基板10の、第1の辺11に実質的に平行であって中心位置10Jを通る第1の軸J1上に並ぶようにしたことにより、基板10の歪みの影響を受けにくいと考えられる。なお、温度変化の原因としては、周囲環境温度の変化のほか、ICチップ20の発熱が含まれる。
【0038】
特に、本実施の形態のセンサユニット1Aでは、複数のリード40の並び方向と一致する方向(ここではX軸方向)に複数のセンサ31〜33を並べるようにしたので、センサ31〜33の各々におよぶ応力をより緩和できる。複数のリード40と基板10との各接続点とセンサ31〜33とのY軸方向の距離をほぼ一定とすることができるからである。このため、センサ31〜33の直交性の低下を回避することができる。
【0039】
また、本実施の形態のセンサユニット1Aでは、基板10上の、n個のセンサ(センサ31〜33)を、寸法Y30Aに対する寸法X30Aの比がn未満であるセンサ領域R30Aに配列するようにした。すなわち、センサ31〜33の各平面形状を、センサ31〜33の並び方向と直交する方向(ここではY軸方向)を長手方向とする長方形とした。このため、センサ領域R30Aのアスペクト比を、例えば各センサ31〜33の平面形状が正方形である場合と比べて1に近づけることができる。したがって、アスペクト比がn以上であるセンサ領域にn個のセンサを設置した場合と比較して、各センサ31〜33の振幅比の向上が実現できる。ここでいう振幅比とは、例えば磁気センサ部41からの出力(差分信号S1)の振幅に対する磁気センサ部42からの出力(差分信号S2)の振幅の比(S2/S1)、をいう。この振幅比S2/S1は1に近いほど好ましく、実質的に1であることが最も好ましい。
【0040】
[第1の実施の形態の第1変形例(変形例1−1)]
図7は、本実施の形態における第1変形例(変形例1−1)としてのセンサユニット1Bの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態としてのセンサユニット1Aでは、n=3の場合、すなわちセンサ群30Aが3個のセンサ31〜33を有する場合について説明した。これに対し本変形例のセンサユニット1Bは、センサ群30Aの代わりに、n=4に対応する、すなわち4個のセンサ51〜54からなるセンサ群50Bを有するようにした。ここで、4個のセンサ51〜54は、第1の軸J1上に並び、寸法Y50Bに対する寸法X50Bの比が4未満であるセンサ領域R50Bに配列されている。このようにすることで、本変形例においても、センサ51〜54における振幅比の向上が実現できる。なお、基板10の中心位置10Jを通る第1の軸J1と、Y軸方向におけるセンサ領域R50Bの中心位置を通る軸J50Xとが実質的に一致している。
【0041】
[第1の実施の形態の第2変形例(変形例1−2)]
図8は、本実施の形態における第2変形例(変形例1−2)としてのセンサユニット1Cの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態としてのセンサユニット1Aでは、複数のリード40の並び方向(X軸方向)と実質的に平行の第1の軸J1上に複数のセンサ31〜33を並べるようにした。これに対し、本変形例では、複数のリード40の並び方向(X軸方向)と実質的に直交すると共に中心位置10J(20J)を通る第2の軸J2上に複数のセンサ34,32,35を順に並べるようにした。すなわち、第2の軸J2と、X軸方向におけるセンサ領域R30Cの中心位置を通る軸J30Yとが実質的に一致している。センサ34,32,35はセンサ群30Cを構成している。ここで、センサ34とセンサ35とは、センサ32を中心として線対称および点対称をなすように配置されているとよい。すなわち、センサ34とセンサ32との距離D342と、センサ32とセンサ35との距離D325とが実質的に等しいことが望ましい。また、センサ34,32,35が構成するセンサ群30Cは、短手方向の寸法X30Cに対する長手方向の寸法Y30Cの比が3未満であるセンサ領域R30Cを占有している。センサ34,32,35をこのように配置した場合であっても、センサ34,32,35における振幅比の向上を図ることができる。
【0042】
[第1の実施の形態の第3変形例(変形例1−3)]
図9は、本実施の形態における第3変形例(変形例1−3)としてのセンサユニット1Dの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態の第2の変形例としてのセンサユニット1Cでは、n=3の場合、すなわちセンサ群30Cが3個のセンサ31〜33を有する場合について説明した。これに対し本変形例のセンサユニット1Dは、センサ群30Cの代わりに、n=4に対応する、すなわち4個のセンサ55〜58からなるセンサ群50Dを有するようにした。ここで、4個のセンサ55〜58は、寸法X50Dに対する寸法Y50Dの比が4未満であるセンサ領域R50Dに配列されている。このようにすることで、本変形例においても、センサ55〜58における振幅比の向上を図ることができる。なお、X軸方向におけるセンサ領域R50Dの中心位置を通る軸J50Yは、第2の軸J2と実質的に一致している。
【0043】
<2.第2の実施の形態>
[センサユニット2Aの構成]
図10は、本発明における第2の実施の形態としてのセンサユニット2Aの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態のセンサユニット1A〜1Dでは、基板10の中心位置10Jを通る第1の軸J1または第2の軸J2と、センサ領域R30A,R50Bの中心を通る軸J30X,J50Xまたはセンサ領域R30C,R50Dの中心を通る軸J30Y,J50Yとが実質的に一致するようにした。これに対し、本実施の形態のセンサユニット2Aでは、第1の軸J1と平行でありながら、第1の軸J1と異なる位置にある軸J30X上に並ぶセンサ31〜33を有するセンサ群30Eを備えるようにした。
【0044】
本実施の形態のセンサユニット2Aでは、センサ群30Eにおける3個のセンサ31〜33は、寸法Y30Eに対する寸法X30Eの比が3未満であるセンサ領域R30Eに配列されている。このため、センサユニット2Aにおいても、センサ領域R30Eのアスペクト比を、例えば各センサ31〜33の平面形状が正方形である場合と比べて1に近づけることができる。したがって、各センサ31〜33における振幅比の向上を図ることができる。
【0045】
[第2の実施の形態の変形例(変形例2−1)]
図11は、本実施の形態における第1変形例(変形例2−1)としてのセンサユニット2Bの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、第2の軸J2に平行でありながら、第2の軸J2と異なる位置にある軸J30Y上に順に並ぶセンサ34,32,35を有するセンサ群30Fを備えるようにした。この点を除き、他は上記センサユニット2Aと同様の構成を有する。すなわち、センサユニット2Bでは、センサ群30Fにおける3個のセンサ34,32,35は、寸法Y30Fに対する寸法X30Fの比が3未満であるセンサ領域R30Fに配列されている。センサ34,32,35をこのように配置した場合であっても、センサ34,32,35における振幅比の向上を実現できる。
【0046】
<3.実験例>
上記第1および第2の実施の形態ならびにそれらの変形例として挙げた各センサユニット1A〜1D,2A,2Bのサンプルを作製し、各々における振幅比(%)および直交性(deg)を測定した。ここで、実験例1Aは
図1のセンサユニット1Aに対応し、実験例1Bは
図7のセンサユニット1Bに対応し、実験例1Cは
図8のセンサユニット1Cに対応し、実験例1Dは
図9のセンサユニット1Dに対応し、実験例2Aは
図10のセンサユニット2Aに対応し、実験例2Bは
図11のセンサユニット2Bに対応する。これらの実験例1A〜1D,2A,2Bでは、基板10の平面形状を5.0mm角の正方形とし、ICチップの平面形状を3.5mm角の正方形とした。また、実験例1A,1C,2A,2Bでは、センサ領域R30A,R30C,R30E,R30Fをいずれも1.6mm×0.6mmの矩形とし、センサ31〜35の平面形状をいずれも0.4mm×0.6mmの矩形とした。実験例1B,1Dでは、センサ領域R50B,R50Dをいずれも2.2mm×0.6mmの矩形とし、センサ51〜58の平面形状をいずれも0.4mm×0.6mmの矩形とした。
【0047】
また、実験例3Aは、
図13に示した第1の参考例としてのセンサユニット3Aに対応するものである。センサユニット3Aは、センサ群30Aの代わりにセンサ131〜133を有するセンサ群130Aを備えることを除き、他はセンサユニット1A(
図1)と同じ構成である。同様に、実験例3Bは
図14に示した第2の参考例としてのセンサユニット3Bに対応する。センサユニット3Bは、センサ群50Bの代わりにセンサ151〜154を有するセンサ群150Bを備えることを除き、他はセンサユニット1B(
図7)と同じ構成である。実験例3Cは
図15に示した第3の参考例としてのセンサユニット3Cに対応する。センサユニット3Cは、センサ群30Cの代わりにセンサ132,134,135を有するセンサ群130Cを備えることを除き、他はセンサユニット1C(
図8)と同じ構成である。実験例3Dは
図16に示した第4の参考例としてのセンサユニット3Dに対応する。センサユニット3Dは、センサ群50Dの代わりにセンサ155〜158を有するセンサ群150Dを備えることを除き、他はセンサユニット1D(
図9)と同じ構成である。実験例4Aは
図17に示した第5の参考例としてのセンサユニット4Aに対応する。センサユニット4Aは、センサ群30Eの代わりにセンサ131〜133を有するセンサ群130Eを備えることを除き、他はセンサユニット2A(
図10)と同じ構成である。実験例4Bは
図18に示した第6の参考例としてのセンサユニット4Bに対応する。センサユニット4Bは、センサ群30Fの代わりにセンサ132,134,135を有するセンサ群130Fを備えることを除き、他はセンサユニット2B(
図11)と同じ構成である。なお、実験例3A,3C,4A,4Bでは、センサ領域R130A,R130C,R130E,R130Fをいずれも1.6mm×0.4mmの矩形とし、センサ131〜135の平面形状をいずれも0.4mm×0.4mmの正方形とした。実験例3B,3Dでは、センサ領域R150B,R150Dをいずれも2.2mm×0.4mmの矩形とし、センサ151〜158の平面形状をいずれも0.4mm×0.4mmの正方形とした。
【0048】
図12に、それぞれのサンプルについて、直交性と、基板加熱後の振幅比と基板加熱前の振幅比との差分(以下、単に振幅比の差分という。)とを示す。ここでいう基板加熱後の振幅比とは、基板10を120℃で24h保持した直後に測定した振幅比をいう。基板加熱前の振幅比は室温(23℃)で測定した振幅比である。振幅比の差分は、0に近いほど好ましく、実質的に0であることが最も好ましい。
図12は、横軸が直交性[deg]を示し、縦軸が振幅比の差分[%]を示す。なお、
図12では、実験例1A〜1D,2A,2B,3A〜3D,4A,4Bに対応するプロットにそれぞれ符号PL1A〜PL1D,PL2A,PL2B,PL3A〜PL3D,PL4A,PL4Bを付している。なお、
図12では、実験例1A(
図1)はセンサ33に、実験例1B(
図7)はセンサ54に、実験例1C(
図8)はセンサ35に、実験例1D(
図9)はセンサ58に、実験例2A(
図10)はセンサ33に、実験例2B(
図11)はセンサ35にそれぞれ対応するデータを示している。さらに、
図12では、実験例3A(
図13)はセンサ133に、実験例3B(
図14)はセンサ154に、実験例3C(
図15)はセンサ135に、実験例3D(
図16)はセンサ158に、実験例4A(
図17)はセンサ133に、実験例4B(
図18)はセンサ135にそれぞれ対応するデータを示している。
【0049】
図12に示したように、本発明の実験例1A〜1D,2A,2B(プロットPL1A〜PL1D,PL2A,PL2B)では、参考例としての実験例3A〜3D,4A,4B(プロットPL3A〜PL3D,PL4A,PL4B)とそれぞれ比較すると、振幅比の改善が認められた。
【0050】
<4.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、3または4個のセンサがX軸方向またはY軸方向に並ぶようにした例を説明したが、本発明では、センサの数はこれに限定されるものではなく、2以上であれば任意に選択可能である。また、1つのセンサユニットに搭載される各センサの形状および寸法は同一の場合に限定されるものではない。
【0051】
また、上記実施の形態等では、回転体の回転角の検出に用いられる角度検出センサとして用いられるセンサユニットについて説明したが、本発明のセンサユニットの用途はそれに限定されない。例えば地磁気を検出する電子コンパスなどにも適用可能である。また、センサは磁気抵抗効果素子以外の検出素子、例えばホール素子等を含むものであってもよい。
【0052】
なお本発明は、磁気抵抗効果素子として、GMR膜を有するGMR素子を採用した場合よりもMTJ膜を有する磁気トンネル接合素子(TMR素子)を採用した場合に特に有用である。一般的に、TMR素子はGMR素子よりも感度が高いため、センサに印加される応力の影響を受けやすい(誤差の増大が生じやすい)からである。