(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊技機は、パチンコ機、スロットマシン、または、メダルの代わりに遊技球でスロットマシンの遊技をするパロットのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の遊技機すなわちパチンコ機10の遊技機主部21と外枠11とが嵌合した状態を示す斜視図である。
図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。
図3はパチンコ機10の背面図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0013】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。
<遊技機10の全体構成>
外枠11は、
図1及び
図3に示すように、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
【0014】
上記のように左右の板材12,13を金属製とすると共に上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。
【0015】
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、
図2に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。本発明は、これら支持金具17,18に遊技機主部21を着脱自在に取り付ける構造になる。
【0016】
遊技機主部21は、
図2に示すように、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。
【0017】
遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
【0018】
遊技機ベースユニット22は、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。
【0019】
また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35(
図1参照)が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
【0020】
遊技機ベースユニット22には、
図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、
図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
【0021】
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
図4は遊技機ベースユニット22の正面図である。
図5は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図である。
図6は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、
図4では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0022】
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。
【0023】
遊技機ベースユニット22は、
図4に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41には後述する遊技盤スライド枠2101を介在して遊技盤61が取り付けられている。
【0024】
図4に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方には、遊技球発射機構80が取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(
図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
【0025】
遊技盤61は合板より成り、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
【0026】
図5に示すように、遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成され、各開口部には一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、スルーゲート66、可変表示ユニット67及びアウト口68等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、可変表示ユニット67及びアウト口68は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及びアウト口68の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に3個及び右側に1個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
【0027】
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
【0028】
各種入賞口等に入らなかった遊技球は、後述する内レール部77によって集められ、内レール部77の最下部に設けられたアウト口68を通って遊技領域から排出される。その他に、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)や内レール部77および外レール部78が配設されている。
【0029】
可変表示ユニット67は、遊技盤61の略中央部上方に形成された略円形の開口部に取り付けられる図柄表示装置71と、開口部の周縁に図柄表示装置71を囲むようにして配設されたセンターフレーム72を備えている。
【0030】
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置であり、後述する表示制御装置101により、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示するように制御されている。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
【0031】
また、センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が、センターフレーム72の上部及び下部には保留ランプ部75,76がそれぞれ設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0032】
第1特定ランプ部73では、上作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
【0033】
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
【0034】
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0035】
遊技盤61の周縁部分には、略円弧状の内レール部77と外レール部78とが取り付けられており、これら内レール部77と外レール部78とにより誘導レールが構成され、上述した遊技球発射機構80から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。また、
図5に示すように、樹脂ベース41の窓孔51の右上部には返しゴム79が設けられており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム79に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。この場合、返しゴム79はその遊技球が当たる面が遊技領域の中央側に向けて傾斜させて形成されているため、遊技領域の中央に向けた遊技球の跳ね返しが良好に行われるようになっている。
【0036】
遊技機ベースユニット22が遊技機前面ユニット23を支持する機構について、
図4等に基づいて説明する。
【0037】
遊技機ベースユニット22の樹脂ベース41の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられている。これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(
図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
【0038】
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について
図6を用いて詳細に説明する。
【0039】
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
【0040】
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67(
図5参照)には、
図6に示すように、センターフレーム72(
図5参照)を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられており、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられていると共に、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
【0041】
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
【0042】
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる第1基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、後述するように当該基板ボックスの開放痕跡手段としてかしめ部材や封印シールが設けられていると共に、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてかしめ部材が設けられている。なお、ここで基板ボックス(第1基板ボックス)108と称しているが、後述するように基板ボックス148,149が複数存在するので、それぞれ区別するために便宜的に用いた。その順番以外に何ら意味合いを持つものではない。
【0043】
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
【0044】
遊技機ベースユニット22が裏パックユニット24を支持する機構について説明する。
【0045】
樹脂ベース41の背面における回動基端側(
図6の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。遊技機ベースユニット22には、これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
【0046】
樹脂ベース41の背面には、
図6に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、
図6に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた後述する締結具117(
図8参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<遊技機前面ユニット23>
遊技機前面ユニット23の構成について
図1に基づいて説明する。
【0047】
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、上記遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
【0048】
遊技機前面ユニット23には、窓パネル部91の下方に、手前側へ膨出した第1膨出部95と第2膨出部96とが上下に並設されている。
【0049】
第1膨出部95内側には、上方に開口した上皿95aが設けられている。上皿95aは、第1払出口231より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)の遊技球発射機構80へ導く機能を有する球受皿である。
【0050】
第1膨出部95の上面右側(上皿95aの下流側)には、奥側に上皿球抜きスイッチ232が、手前側に貸球操作部233がそれぞれ配設されている。上皿球抜きスイッチ232は、上皿95aに貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
【0051】
貸球操作部233には、球貸しボタン234と、返却ボタン235とが設けられている。球貸しボタン234は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン235は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、球貸しボタン234及び返却ボタン235とからなる貸球操作部233は、第1膨出部95の上方にも設けられている。
【0052】
遊技機10には遊技者により操作する演出ボタン236が設けられている。この演出ボタン236は後述するように回動、回転更にプッシュ可能である。演出ボタン236には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出スイッチ236を操作された場合、後述する図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。
【0053】
第1膨出部95と同様に、第1膨出部95の下方に手前側へ膨出するように設けられている第2膨出部96内側にも、上方に開口した下皿96aが設けられている。下皿96aは、第2払出口237より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿96aには、例えば、上皿95aにて遊技球が余剰となった場合には、下皿球抜きスイッチ233が操作され、上皿95aに貯留された遊技球が第2払出口237より排出されるようになっている。
【0054】
第2膨出部96前面側には、下皿96aに貯留された遊技球を下方に排出するための上球抜きスイッチ238が設けられている。また、第2膨出部96の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル84が設けられている。遊技球発射ハンドル84は、板材12の背面側に設けられた遊技球発射機構80(
図4参照)に連結されており、上皿95aに貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル84を回転させることにより、遊技盤61に形成された遊技領域に向けて発射される。
【0055】
図7は遊技機前面ユニット23の背面図である。
【0056】
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(
図7の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(
図7の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
【0057】
また、遊技機前面ユニット23の背面には、
図7に示すように、前面側通路ユニット271が取り付けられている。前面側通路ユニット271は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。
<裏パックユニット24>
裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。
【0058】
図8は裏パックユニット24の正面図である。
図9は裏パックユニット24の分解斜視図である。
【0059】
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
【0060】
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、
図8に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に遊技機ベースユニット22の軸受け金具111〜113(
図6参照)に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
【0061】
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
【0062】
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
【0063】
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
【0064】
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
【0065】
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレール133は、タンク132の下方において当該タンク132に連結されており、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に払出装置135が設けられている。また、上下通路ユニット134の下流側には、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部が設けられており、前面側通路部は上皿95a及び下皿96aに連通されている。
【0066】
つまり、タンク132と、上皿95a及び下皿96aの受け皿との間には、タンクレール133、上下通路ユニット134、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部からなる誘導通路部が設けられており、タンク132に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿95a又は下皿96aに払い出される。なお、上下通路ユニット134の構成、及びそれよりも下流側の構成については後に詳細に説明する。
【0067】
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0068】
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
【0069】
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パックユニット141が構成されている。
【0070】
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0071】
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0072】
払出制御装置146は、第2基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0073】
電源及び発射制御装置147は、第3基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【実施例1】
【0074】
<遊技盤スライド枠2101の構造>
以下に実施例1の本発明を説明する。
【0075】
図10は遊技盤61をスライド移動かつ回動可能に支持する遊技盤スライド枠2101を示す斜視図である。
図11は遊技盤スライド枠2101を遊技機前面ユニット23の裏面に取り付ける状態を示す斜視図である。なお、この
図10から
図14までは、遊技盤スライド枠2101と関係のない遊技盤61と遊技機前面ユニット23等の詳細な説明、図示を簡潔な表現にして、遊技盤スライド枠2101の構成の説明を中心に説明する。
【0076】
実施例1の遊技機10の遊技盤スライド枠2101は、遊技機前面ユニット23の裏面に取り付けた略四角形状になる枠構造体であり、遊技盤61をスライド移動かつ回動可能に支持する部材である。遊技盤スライド枠2101は、例えば金属製の略四角形状の枠体2102を有し、この上下位置にそれぞれ略水平方向に伸びるようにガイドレール2103を、両ガイドレール2103の一端に抜止めレール2104を備えた部材である。この抜止めレール2104の反対側は開放部になり、遊技盤61の出入を可能にする。
【0077】
遊技盤スライド枠2101のガイドレール2103は、
図11に示すように、遊技機前面ユニット23の横方向の幅よりやや短い長さを有する。このガイドレール2103の長さは、遊技盤61を支える遊技盤スライド枠2101の横方向と同じ程度の長さがあれば十分である。この程度の長さがあれば、遊技盤61をガイドレール2103から引き出した状態で、遊技盤スライド枠2101と共に遊技盤61を展開できる。逆に、遊技機前面ユニット23の横幅より長くすると、このガイドレール2103、即ち遊技盤スライド枠2101が遊技機10内部における他の部材、装置、機構と干渉するおそれがある。
【0078】
上下の各ガイドレール2103は、その長手方向の一側(遊技機前面ユニット23側)が遊技盤スライド枠2101の枠体2102に取り付けられている。各ガイドレール2103の枠体2102への取り付けは、枠体2102と一体成形によるものである。但し一体成形に限定されず、ねじ固定、接着剤固定などによるものでもよい。
【0079】
この図示例による各ガイドレール2103の形状は、一例であって横断面形状が上向きのコ字形状の略樋形状のもの、下向きのコ字形状のものに限定されない。遊技盤61を横方向にスライド移動でき、かつ容易には外れない構造であればよい。例えば、細長い板材の長手方向の略中央に凸条を設け、この凸条に係合するように遊技盤61の天井部と底部に溝部をそれぞれ形成した構造にすることもできる(図示していない)。
【0080】
なお、抜止めレール2104は、単に遊技盤61の位置決めとしての機能を有するものであるため、略四角形状の枠体2102の一辺より短いものであれば問題ない。図示例では、上下に配置したガイドレール2103を抜止めレール2104として使用している。同じ部品を上下のガイドレール2103に使用し、更に抜止めレール2104としてもそれぞれに使用することで遊技機10全体の製造コストの低減を図ることができる。
【0081】
図12は遊技盤61と遊技盤スライド枠2101を示し、(a)は全体の平面図、(b)は抜止め部材2105の拡大平面図である。
【0082】
遊技盤61の天井部に設けた抜止め部材2105は、例えば遊技盤61の天井部に開けた長方形状の開口部2106において出没する、上方へコイルばね等の弾性部材により付勢される突起2107から成り、常時はこの開口部2106から突出した状態にあり、遊技盤スライド枠2101のガイドレール2103の端縁に当たり、抜け止めとして機能する。この抜止め部材2105は、遊技機主部21が遊技盤スライド枠2101即ちガイドレール2103間で不用意に移動することを防止するものである。
【0083】
この抜止め部材2105は、この突起2107を下方へ押し込み、上側のガイドレール2103の下面と同じ位置まで押し下げる。そのまま遊技盤61を、ガイドレール2103間をスライド移動させれば、遊技盤61を遊技盤スライド枠2101から引き出すことができる。
【0084】
遊技盤61は、遊技機10の遊技時には遊技盤スライド枠2101内において維持される。遊技機10の点検、清掃、整備する際に、遊技盤61を、この遊技盤スライド枠2101から水平方向に引き出すように容易にスライド移動させることができる。
【0085】
なお、この抜止め部材2105の構成は、図示例のように、遊技盤61の天井部に突起2107を設けた構成に限定されない。これとは逆の配置になるように、ガイドレール2103側に下方へ付勢される突起2107を設け、この突起2107を遊技盤61の天井部に開けた嵌合穴に嵌合させて抜け止めの機能を発揮するようにしてもよい(図示していない)。
<遊技盤スライド枠2101のヒンジ部材2108の構造>
遊技盤スライド枠2101には、枠体2102の抜止めレール2104が備えられた側にヒンジ部材2108が備えられている。このヒンジ部材2108は、例えば遊技機前面ユニット23から着脱し得るように遊技盤スライド枠2101に取り付けた部材である。
図11の図示例では、遊技盤スライド枠2101の上下位置にそれぞれ下向きに突出する回動軸2109を有するスライド枠支持金具2110を取り付けている。一方、遊技機前面ユニット23には、これらスライド枠支持金具2110の回動軸2109が着脱自在に差し込める軸孔2111が2箇所設けられている。この2箇所に限定されず、3箇所又は4箇所とその数は2箇所以上であれば良い。
【0086】
ヒンジ部材2108が、遊技機前面ユニット23から着脱し得るように構成したものは、必要に応じて遊技盤スライド枠2101と共に遊技盤61遊技機前面ユニット23から取り外すことができる。例えば、島から遊技盤61のみを簡単に外すことができる。従来のように外枠11から遊技機10全体を外す必要はない。
【0087】
なお、このヒンジ部材2108の構成は、図示例の遊技盤スライド枠2101にスライド枠支持金具2110について、遊技機前面ユニット23に軸孔2111を設けた配置を逆にしても良い。例えば、遊技機前面ユニット23に回動軸を上向きに突出させ、この回動軸に差し込める軸孔を開けたスライド枠支持金具を遊技盤スライド枠2101にそれぞれ取り付けた構成にすることも可能である。
【0088】
また、ヒンジ部材2108は、上述したように着脱自在な構造にする必要はない。通常の分離しないスライド枠支持金具を用いることができる。遊技盤スライド枠2101を遊技機前面ユニット23から積極的に取り外す機会が少ない場合に、分離しないスライド枠支持金具を用いる。
<遊技盤スライド枠2101の施錠装置2112の構造>
図13は遊技盤スライド枠2101を遊技機前面ユニット23の裏面に施錠装置2112により固定した状態を示す斜視図である。
【0089】
遊技盤スライド枠2101に、遊技機前面ユニット23の裏面に遊技盤スライド枠2101を着脱自在に掛け止める施錠装置2112を取り付けた。この施錠装置2112は、遊技盤スライド枠2101の開放口側の枠体2102に、固定側のスライド枠鉤金具2113を形成した。図示例では遊技盤スライド枠2101の枠体2102の上部と下部その中間の3箇所に遊技機前面ユニット23に向けて設けられている。これらのスライド枠鉤金具2113を掛け止めるスライド枠連動杆2114が遊技機前面ユニット23側に設けられている。このスライド枠連動杆2114の上下動の操作により、スライド枠鉤金具2113を施錠、解錠するようになっている。このスライド枠鉤金具2113は枠体2102と一体成形になったものを図示しているが、一体成形のものに限定されない。
【0090】
図示するように、この遊技盤スライド枠2101の施錠装置2112は、遊技機前面ユニット23を遊技機ベースユニット22に掛け止める施錠装置31の内側に構成されている。即ち、遊技機ベースユニット22に掛け止める鉤金具33に重なるように、スライド枠連動杆2114が設けられている。この鉤金具33は、遊技機ベースユニット22に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。
【0091】
遊技盤スライド枠2101に取り付けた施錠装置2112は、遊技盤スライド枠2101を遊技機前面ユニット23の裏面において掛け止めることができ、遊技機10を点検、清掃、整備する際に、遊技盤スライド枠2101が揺動することなく遊技機主部21を水平方向に引き出すようにスライド移動させることができる。施錠装置2112を解除すれば、遊技盤61を水平方向に引き出し、更に遊技盤61を遊技盤スライド枠2101と共に水平方向に回動させることができる。また、施錠状態のときは、遊技機前面ユニット23を解錠すると、この遊技機前面ユニット23の開閉に合わせて遊技盤スライド枠2101と共に、遊技盤61も開閉することができる。
【0092】
遊技盤61を引き出した状態で、ヒンジ部材2108を回動中心にして遊技盤スライド枠2101と共に遊技盤61を水平方向に回動させることができるので、点検、清掃、整備する箇所に合わせて所望の角度に展開させることができる。そこで、遊技機主部21の遊技盤61の釘、入賞口などが設けられた盤全面が開放され、従来のように他の部材に干渉、邪魔されることなく遊技盤61の細部に至るまで点検、清掃、整備することができる。また、遊技機主部21の各制御装置105,107,108,127・・・(各制御ユニット)も遊技機前面ユニット23の側方へ大きく飛び出しているので、この点検、清掃、整備を容易かつ安全に実施することができる。
<ストッパ部(嵌合孔2115)の変形例>
図14は遊技盤スライド枠2101にストッパ部(嵌合孔2115)を設けた変形例の平面図であり、(a)は遊技盤61を遊技盤スライド枠2101の途中で維持している状態、(b)は遊技盤61を遊技盤スライド枠2101の開口まで抜き出した状態である。
【0093】
遊技盤スライド枠2101には、遊技盤61を略水平方向のスライド途中で停止するようにストッパ部(嵌合孔2115)を設けることができる。このストッパ部(嵌合孔2115)は、上側ガイドレール2103の板材に、嵌合孔2115を数箇所設けたものである。
図14の図示例では、上側ガイドレール2103の長手方向にその中間位置と開放側の2箇所に開けている。これらの嵌合孔2115には、上述した遊技機主部21例へば遊技盤61の天井部に設けた出没自在になる抜止め部材2105(突起2107)が掛け止められる。
【0094】
先ず、遊技盤61を半分のみ開放したいときには、
図14(a)に示すように、中間の嵌合孔2115に抜止め部材2105(突起2107)を掛け止める。作業が終われば、この抜止め部材2105を下に押し込み遊技盤61を遊技盤スライド枠2101のガイドレール2103に押し戻す。遊技盤スライド枠2101にストッパ部(嵌合孔2115)を設けたものは、遊技盤61を略水平方向の途中で停止することができるので、遊技盤61の盤面の左半分を引き出し、その状態で点検、清掃、整備の作業を容易に実施できる。
【0095】
あるいは、
図14(b)に示すように、遊技盤61を大きく開放したいときには、開放側の嵌合孔2115に抜止め部材2105を掛け止める。このときは遊技盤61の盤面を大きく開放することができるので、更に点検、清掃、整備の作業が容易になる。
【0096】
中間又は開放側の嵌合孔2115に抜止め部材2105(突起2107)を掛け止め、遊技盤61を維持することにより、作業中に遊技機主部が不用意に移動しないので安全に作業できる。
【0097】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0098】
上記実施の形態では、図柄表示装置を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、受け皿として上皿及び下皿が設けられているのではなく、単一の受け皿が設けられたパチンコ機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0099】
遊技機A
遊技機Aは、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりに遊技球でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に関する。
【0100】
遊技機の一種としてのパチンコ機では、例えば発射装置が発射した遊技球が打ち出される遊技領域を備えた遊技盤が設けられている。遊技盤は、発射装置から発射された遊技球を遊技領域に案内するためのガイドレール(ガイド部材)と一体に形成されている。このような遊技盤は、定期的に点検、清掃、整備する必要がある。この点検、清掃、整備する際に、前面扉、前枠といった遊技機前面ユニットを開放して遊技盤の盤面を露出させる。
【0101】
パチンコ機は年々複雑化及び多様化が進んでおり、遊技機前面ユニットの前面に膨出している部分が多くなり、遊技機前面ユニットを大きく開閉しづらくなってきた。そのために、遊技盤の点検、清掃、整備に際して、隣接するパチンコ機と干渉して遊技機前面ユニットを大きく開けられないことがあり、遊技盤の左半分が遊技機前面ユニットの裏面に邪魔されて作業がしづらいといった問題があった。
【0102】
同様に各制御装置(各制御ユニット)も枠材(外枠)が邪魔して点検、清掃、整備がしづらいことがあった。
【0103】
例えば特許文献2の特開2009−77784の「パチンコ機」には、パチンコ機の機種変更などの際に、本体枠から取り外されて仕様の異なるものへと交換される遊技機に関する構成が提案されている。
【特許文献2】特開2009−77784公報 しかし、特許文献2の「パチンコ機」では、遊技機の遊技盤及びの交換が技術目的であり、簡単な作業により、遊技盤の盤面又は各制御装置(各制御ユニット)を大きく露出させて遊技盤又は各制御装置(各制御ユニット)の点検、清掃、整備することはできないという問題を有していた。
【0104】
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技盤又は各制御装置(各制御ユニット)の点検、清掃、整備を容易かつ安全に実施することができる遊技機を提供することにある。
【0105】
遊技機A1は、遊技機前面ユニットの裏面において、遊技盤を該遊技機前面ユニットの裏面位置と、該遊技機前面ユニットの外部に張り出す位置との間を略水平方向へスライド移動するように該遊技盤を支持する遊技盤スライド枠と、
前記遊技機前面ユニットに対して、前記遊技盤スライド枠が水平方向へ回動するように、該遊技機前面ユニットと該遊技盤スライド枠に介在させたヒンジ部材と、を備えた、ことを特徴とする遊技機。
【0106】
遊技機A1の構成では、遊技盤は、遊技機の遊技時には遊技盤スライド枠内において維持される。遊技機の点検、清掃、整備する際に、遊技盤を含む遊技機主部を、この遊技盤スライド枠から水平方向に引き出すように容易にスライド移動させることができる。遊技機主部を引き出した状態で、ヒンジ部材を回動中心にして遊技盤スライド枠と共に遊技機主部を水平方向に回動させることができるので、点検、清掃、整備する箇所に合わせて所望の角度に展開させることができる。そこで、遊技機主部の遊技盤の釘、入賞口などが設けられた盤全面が開放され、従来のように他の部材に干渉、邪魔されることなく遊技盤の細部に至るまで点検、清掃、整備することができる。また、遊技機主部の各制御装置(各制御ユニット)も遊技機前面ユニットの外部に大きく飛び出しているので、この点検、清掃、整備を容易かつ安全に実施することができる。
【0107】
遊技機A2は、前記遊技盤スライド枠に、前記遊技機前面ユニットの裏面に該遊技盤スライド枠を着脱自在に掛け止める施錠装置を取り付けた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
【0108】
遊技機A2の構成では、遊技盤スライド枠に施錠手段を取り付けたものは、遊技盤スライド枠を遊技機ベースユニットの裏面において掛け止めることができ、点検、清掃、整備する際に、遊技盤スライド枠が揺動することなく遊技機主部を水平方向に引き出すようにスライド移動させることができる。施錠手段を解除すれば、遊技機主部を水平方向に引き出し、更に遊技機主部を遊技盤スライド枠と共に水平方向に回動させることができる。
【0109】
遊技機A3は、前記遊技盤スライド枠に、前記遊技盤を略水平方向のスライド途中で停止するようにストッパ部材を設けた、ことを特徴とする遊技機A1又はA2の遊技機。
【0110】
遊技機A3の構成では、遊技盤スライド枠にストッパ部材を設けたものは、遊技機主部を略水平方向の途中で停止することができるので、遊技盤の盤面の左半分を引き出し、その状態で点検、清掃、整備の作業を容易に実施できる。このストッパ部材により、作業中に遊技機主部が不用意に移動しないので安全に作業できる。
【0111】
遊技機A4は、前記ヒンジ部材は、前記遊技機前面ユニットから着脱し得るように前記遊技盤スライド枠に取り付けた部材である、ことを特徴とする遊技機A1、A2又はA3の遊技機。
【0112】
遊技機A4の構成では、ヒンジ部材が、遊技機前面ユニットから着脱し得るように構成したものは、必要に応じて遊技盤スライド枠と共に遊技盤を、遊技機前面ユニットから取り外すことができる。例えば、島から遊技盤のみを簡単に外すことができる。従来のように外枠から遊技機全体を外す必要はない。
【0113】
因みに、特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを上記特徴A1乃至A4に適用してもよい。
【0114】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0115】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構のソレノイド)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0116】
遊技機10、A1〜A4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0117】
遊技機10、A1〜A4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0118】
遊技機10、A1〜A4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。