(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記実装用第1凸部および前記実装用第2凸部がそれぞれ形成してある前記第1鍔部および前記第2鍔部の反対側側面には、板コアが配置してある請求項3〜6のいずれかに記載のコイル装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、コイル装置の小型化が可能であると共に、しかも巻始め部あるいは巻き終わり部で、複数のワイヤのリード部が交差せず、耐衝撃特性に優れたコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
巻芯部と、
前記巻芯部の巻軸方向の第1端に形成してある第1鍔部と、
前記巻芯部の巻軸方向の第2端に形成してある第2鍔部と、
前記第1鍔部に形成してある第1端子電極と、
前記第2鍔部に形成してある第2端子電極と、
前記巻芯部の外周に主要部分が接触するように巻回してあり、前記第1端子電極に接続してある第1層第1端リードと、前記第2端子電極に接続してある第1層第2端リードとを有する第1層ワイヤと、
前記第1層ワイヤの外周に主要部分が接触するように巻回してあり、前記第1端子電極に接続してある第2層第1端リードと、前記第2端子電極に接続してある第2層第2端リードとを有する第2層ワイヤと、
前記第2層ワイヤの外周に主要部分が接触するように巻回してあり、前記第1端子電極に接続してある第3層第1端リードと、前記第2端子電極に接続してある第3層第2端リードとを有する第3層ワイヤと、を有し、
前記第2端子電極には、前記巻軸方向と略垂直方向に沿って、第1層第2端リードと、第2層第2端リードと、第3層第2端リードとが、この順序で接続してあり、
前記第1端子電極には、前記巻軸方向と略垂直方向に沿って、第3層第1端リードと、第1層第1端リードと、第2層第1端リードとが、この順序で接続してある。
【0008】
本発明に係るコイル装置では、それぞれの端子電極に、複数のワイヤのリードが、所定の順序となるように配置してある。そのため、巻芯部の軸方向の長さを短くしても、複数のワイヤのリードを交差することなく、端子電極に接続することが容易になる。そのため、コイル装置の小型化が可能であると共に、しかも巻始め部あるいは巻き終わり部で、複数のワイヤのリードが交差せず、耐衝撃特性に優れたコイル装置を提供することが可能になる。
【0009】
好ましくは、前記巻芯部に巻回してある第1層ワイヤの第2端側に位置する前記巻芯部の外周に、最終ターンの第2層ワイヤが巻回してあり、
前記巻芯部に巻回してある第1層ワイヤの第1端側に位置する前記巻芯部の外周に、初回ターンの第3層ワイヤが巻回してあり、
最終ターンの第3層ワイヤは、前記最終ターンの第2層ワイヤと最終ターンの前記第1層ワイヤとの間に形成してある。
【0010】
このように構成することで、コイル装置の小型化が可能であると共に、しかも巻始め部あるいは巻き終わり部で、複数のワイヤのリードが交差せず、耐衝撃特性に優れたコイル装置を提供することが可能になる。
【0011】
好ましくは、前記第1端子電極は、
前記第3層第1端リードと、前記第1層第1端リードと、前記第2層第1端リードとが接続される1以上の第1端接続部に対して突出している実装用第1凸部を有し、
前記第2端子電極は、
前記第1層第2端リードと、前記第2層第2端リードと、前記第3層第2端リードとが接続される1以上の第2端接続部に対して突出している実装用第2凸部を有する。
【0012】
実装用第1凸部および実装用第2凸部には、いずれのリードも接続されていない。そのため、リードを熱圧着などで取り付けることによる端子電極の表面の劣化がなく、これらの凸部を回路基板に接続する時の接続強度が向上する。
【0013】
好ましくは、前記実装用第1凸部は、前記第1層第1端リードと、前記第2層第1端リードとの間に位置し、
前記実装用第2凸部は、前記第1層第2端リードと、前記第2層第2端リードとの間に位置する。
【0014】
このような配置関係とすることで、第1凸部の位置と、第2凸部の位置とをずらすことが容易になり、回路基板など半田などで接合する凸部の位置が、第1鍔部と第2鍔部とで位置ズレすることになる。その結果、コイル装置を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0015】
好ましくは、前記実装用第1凸部の第1頂面と、前記実装用第2凸部の第2頂面とは、略同一平面上に位置する。このような関係にある時に、コイル装置を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0016】
好ましくは、前記実装用第1凸部と、前記実装用第2凸部とは、前記巻軸方向と略垂直方向に位置ズレして配置してある。このような関係にある時に、コイル装置を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0017】
前記実装用第1凸部および前記実装用第2凸部がそれぞれ形成してある前記第1鍔部および前記第2鍔部の反対側側面には、板コアが配置してあってもよい。板コアを配置することで閉磁路のコイル装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るコイル装置は、表面実装型のコイル部品10で構成してある。このコイル部品10は、ドラム型のドラムコア20と、板状の板コア30と、ドラムコア20の巻芯部22に巻回されたコイル部40とを有する。
【0020】
なお、コイル部品10の説明では、コイル部品10を実装する実装面と平行な面内にありドラムコア20の巻芯部22の巻軸と平行な方向をX軸、X軸と同じく実装面と平行な面内にありX軸と垂直な方向をY軸方向、実装面の法線方向をZ軸方向とする。
【0021】
コイル部品10は、その外形寸法は特に限定されないが、たとえばY軸方向幅が2.3〜2.7mmで、Z軸方向高さが2.2〜2.6mmで、X軸方向長さが3.0〜3.4mmである。
【0022】
コイル部品10のコアは、ドラムコア20と板コア30とを組み合わせて構成される。ドラムコア20は、棒状の巻芯部22と、巻芯部22の巻軸方向の第1端に設けられる第1鍔部24と、巻芯部22の巻軸方向の第2端(第1端の反対側)に設けられる第2鍔部25と、を有する。
【0023】
これらの鍔部24,25の外形状は、同じでも異なっていても良いが、同じであることが好ましく、本実施形態では、略直方体である。これらの鍔部24,25は、X軸方向に関して所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。巻芯部22は、これらの一対の鍔部24,25において互いに向かい合うそれぞれの面の略中央部に接続しており、一対の鍔部24,25を接続している。巻芯部22の横断面形状は、本実施形態では四角形であるが、その他の多角形あるいは円形または楕円形でも良く、その断面形状は特に限定されない。
【0024】
板コア30は、板状のコアであり、板コア30の外形状は、Z軸方向の辺が最も短い辺となる略直方体である。板コア30は、上面32の法線方向(Z軸方向)から見てX軸方向に長い略長方形であるが、正方形、あるいはその他の形状であってもよい。X軸方向の両端に位置する板コア30の上面32は、鍔部24,25の底面24a,25aと向かい合っており、底面24aに対して、たとえば熱硬化性樹脂などの接着剤などにより固定される。これにより、板コア30は、ドラムコア20と連続する磁路を形成する。
【0025】
ドラムコア20の各鍔部24,25の設置面24b,25b(Z軸方向上部)には、それぞれ第1端子電極51および第2端子電極52が形成してある。これらの端子電極51,52の形成方法は、特に限定されず、印刷または塗布された導電膜の焼付け処理、および/またはメッキ処理により形成してもよく、あるいは、金属端子を接着して形成してもよい。
【0026】
各端子電極51および52は、それぞれ、少なくとも一部が鍔部24,25の設置面24b,25bにY軸方向に連続して設けられ、鍔部24,25のX軸方向外端面、X軸方向内端面またはY軸方向の側面の一部に連続して設けられてもよい。なお、鍔部24,25の設置面24b,25bは、板コア30の上面32に向かい合う底面24a,25aとは、反対側のZ軸方向の上面である。
【0027】
各端子電極51および52の形状は、それらがそれぞれ形成してある鍔部24,25の設置面24b,25bの形状に合わせてあり、本実施形態では、相互に点対称な形状である。第1端子電極51は、Y軸方向の両側に、それぞれ第1端接続部51a1,51a2を有し、それらの間に、これらの接続部51a1,51a2よりもZ軸方向に突出する実装用第1凸部51bを有している。
【0028】
本実施形態では、各接続部51a1,51a2と凸部51bのZ軸方向の頂部は、平面に形成されていることが好ましく、各接続部51a1,51a2と凸部51bとの間には、テーパ部あるいは段差が形成してある。各接続部51a1,51a2に対する凸部51bのZ軸方向の高さは、コイル部40を構成する第1〜第3ワイヤ41〜43の第1端リード41α〜43αの先端接続部の高さよりも大きいことが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.15mmである。
【0029】
また
図4Bに示す凸部51bのY軸方向の幅y1は、鍔部24のY軸方向全幅y0に対して、0.3〜0.5倍が好ましい。このような幅に設定することで、コイル部品10を回路基板などに実装する際の安定性がよくなると共に、各接続部51a1,51a2に十分なY軸方向幅を確保することができる。
【0030】
本実施形態では、一方の接続部51a1のY軸方向の幅が、他方の接続部51a2のY軸方向の幅よりも大きいことが好ましい。一方の接続部51a1には、Y軸方向の奥側から、第3層ワイヤ43の第3層第1端リード43αと、第1層ワイヤ41の第1層第1端リード41αとが、この順で接続してある。また、他方の接続部51a2には、第2層ワイヤ42の第2層第1端リード42αのみが接続してある。
【0031】
このような観点からは、一方の接続部51a1のY軸方向の幅は、第3層第1端リード43αと、第1層第1端リード41αとが、それぞれ別々に熱圧着などの手段で接続部51a1に接着できる程度の幅が好ましい。また、他方の接続部51a2のY軸方向の幅は、単一の第2層第1端リード42αが、熱圧着などの手段で接続部51a2に接着できる程度の幅であれば良い。
【0032】
なお、これらのリード41α〜43αを、端子電極51の接続部51a1,51a2に接続するための方法としては、特に限定されず、熱圧着以外に、半田付け、ロー付け、レーザ溶接、抵抗溶接、アーク溶接、超音波溶接などが例示される。
【0033】
第2端子電極52は、第1端子電極51と同様であり、実装用第2凸部52bが実装用第1凸部51bに対応し、一方の第2端接続部52α1が一方の第1端接続部51α1に対応し、他方の第2端接続部52α2が他方の第1端接続部51α2に対応し、共通する部分の説明は省略する。以下、相違する部分について説明する。
【0034】
本実施形態では、一方の接続部52a1のY軸方向の幅が、他方の接続部52a2のY軸方向の幅よりも小さいことが好ましい。一方の接続部52a1には、第1層ワイヤ41の第1層第2端リード41βのみが接続される。他方の接続部52a2には、Y軸方向の奥側から、第2層ワイヤ42の第2層第2端リード42βと第3層ワイヤ43の第3層第2端リード43βとが、この順で接続してある。
【0035】
このような観点からは、一方の接続部52a1のY軸方向の幅は、単一の第1層第2端リード41βのみが、熱圧着などの手段で接続部52a1に接着できる程度の幅であれば良い。また、他方の接続部52a2のY軸方向の幅は、第2層第2端リード42βと、第3層第2端リード43βとが、それぞれ別々に熱圧着などの手段で接続部52a1に接着できる程度の幅が好ましい。
【0036】
第2端接続部52a1のY軸方向の幅は、その対角に位置する第1端接続部51a2のY軸方向の幅と同等であることが好ましいが、多少異なっていても良い。また、第2端接続部52a2のY軸方向の幅は、その対角に位置する第1端接続部51a1のY軸方向の幅と同等であることが好ましいが、多少異なっていても良い。
【0037】
図1に示すように、ドラムコア20の巻芯部22には、コイル部40が形成されている。コイル部40は、本実施形態では、3本以上のワイヤ41〜43により構成される。ワイヤ41〜43は、たとえば被覆導線で構成してあり、良導体からなる芯材を絶縁性の被覆膜で覆った構成を有しており、巻芯部22に、下述するように、少なくとも3層構造で巻回されている。ワイヤ41〜43の巻回方法の一例を説明する。
【0038】
図2に示すように、まず、第1鍔部24の第1端子電極51における一方の第1端接続部51a1で、実装用第1凸部51bの近くに、第1層ワイヤ41の第1層第1端リード41αの先端を熱圧着などの手段で接続する。その後に、ドラムコア20の巻芯部22に、第1層ワイヤ41を、第1鍔部24の近くから右ねじの方向に巻き付ける。
【0039】
図5に示すように、第1層ワイヤ41の巻始めである初回ターンA1と第1鍔部24との間に位置する巻芯部22の外周には、後で第3層ワイヤ43の初回ターンC1が巻回されるために、少なくともその分のX軸方向の第1隙間22aが形成してある。第1層ワイヤ41の巻き終わりである最終ターンA10と第1鍔部24との間に位置する巻芯部22の外周には、後で第2層ワイヤ42の最終ターンB10が巻回されるために、少なくともその分のX軸方向の第2隙間22bが形成してある。第2隙間22bは、第1隙間22aよりも大きいことが好ましい。
【0040】
なお、
図5では、巻芯部22に巻回してある第1層ワイヤ41の主要部分として、初回ターンA1から最終ターンA10までの10ターンのみが図示してあるが、10ターンに限定されるものではなく、それ以上でも、それ以下でもよい。また同様に、
図5では、巻芯部22に巻回してある第2層ワイヤ42の主要部分として、初回ターンB1から最終ターンB10までの10ターンのみが図示してあるが、10ターンに限定されるものではなく、それ以上でも、それ以下でもよい。さらに同様に、
図5では、巻芯部22に巻回してある第3層ワイヤ43の主要部分として、初回ターンC1から最終ターンC10までの10ターンのみが図示してあるが、10ターンに限定されるものではなく、それ以上でも、それ以下でもよい。
【0041】
第1層ワイヤ41の巻き終わりである最終ターンA10の後には、
図2に示すように、第1層ワイヤ41の第1層第2端リード41βの先端は、第2端子電極52の一方の第2端接続部52a1に引き出され、そこで、熱圧着などにより第2端接続部52a1に接続される。
【0042】
次に、
図3に示すように、第1鍔部24の第1端子電極51における他方の第1端接続部51a2に、第2層ワイヤ42の第2層第1端リード42αの先端を熱圧着などの手段で接続する。その後に、
図5に示すように、ドラムコア20の巻芯部22に巻回してある第1層ワイヤ41の外周に、第2層ワイヤ42の主要部分を巻き付ける。第2層ワイヤ42の初回ターンB1は、第1層ワイヤ41の初回ターンA1と第2ターンA2との間で、それらの上に位置するように巻回することが好ましい。
【0043】
また、第2層ワイヤ42の巻回方向は、第1層ワイヤ41と同じであることが好ましい。第1層ワイヤ41の巻き終わりである最終ターンA10と第1鍔部24との間に位置する巻芯部22の外周には、第2隙間22bが形成してあり、その部分に位置する巻芯部22の外周に、第2層ワイヤ42の最終ターンB10が位置するように、第2層ワイヤ42は、巻芯部22の外周に巻回される。
【0044】
第2層ワイヤ42の巻き終わりである最終ターンB10の後には、
図3に示すように、第2層ワイヤ42の第2層第2端リード42βの先端は、第2端子電極52の他方の第2端接続部52a2に引き出され、そこで、熱圧着などにより第2端接続部52a2に接続される。第2層第2端リード42βの先端の接続は、他方の第2端接続部52a2における第2凸部52bに近い側で行われる。
【0045】
次に、
図4Aに示すように、第1鍔部24の第1端子電極51における一方の第1端接続部51a1で、第1層第1端リード41αの先端接続部よりもY軸方向の奥側に、第3層ワイヤ43の第3層第1端リード43αの先端を熱圧着などの手段で接続する。その後に、
図5に示すように、ドラムコア20の巻芯部22に巻回してある第2層ワイヤ42の外周に、第3層ワイヤ43の主要部分を巻き付ける。
【0046】
第3層ワイヤ43の初回ターンC1は、第1層ワイヤ41の初回ターンA1と第1鍔部24との間の第1隙間22aの位置で、巻芯部22の外周に直接に巻回することが好ましい。その後の第3層ワイヤ43の第2ターンC2は、第2層ワイヤ42の初回ターンB1と第2ターンB2との間で、これらの上から巻き付けられることが好ましい。
【0047】
また、第3層ワイヤ43の巻回方向は、第2層ワイヤ42と同じであることが好ましい。第3層ワイヤ43の最終ターンC10は、第1層ワイヤ41の巻き終わりである最終ターンA10と、第2層ワイヤ42の巻き終わりである最終ターンB10との間で、これらの上に巻回されることが好ましい。
【0048】
第3層ワイヤ43の巻き終わりである最終ターンC10の後には、
図4Aに示すように、第3層ワイヤ43の第3層第2端リード43βの先端は、第2端子電極52の他方の第2端接続部52a2に引き出され、そこで、熱圧着などにより第2端接続部52a2に接続される。第3層第2端リード43βの先端の接続は、第2端接続部52a2における第2層第2端リード42βよりもY軸方向の手前側で行われる。
【0049】
本実施形態では、このような巻回作業によりドラムコア20の巻芯部22にコイル部40が形成される。その後に、必要に応じて、
図1に示す板コア30がドラムコア20に接合する。板コア30は、ドラムコア20と同様に、Ni−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成してある磁性材料の焼結体または成形体で構成される。
【0050】
ドラムコア20は、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、たとえばNi−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成してある磁性粉体を、成型および焼結することにより作製される。
【0051】
なお、本実施形態では、ワイヤ41〜43は、全て同じ線径のワイヤにより構成してあるが、場合によっては異ならせても良い。ワイヤ41〜43の線径は、好ましくは0.03〜0.05mmである。
【0052】
ワイヤ41〜43としては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。準備された端子電極51および52を設置したドラムコア20およびワイヤ41〜43は、巻線機にセットされ、ワイヤ41〜43が、所定の順序でドラムコア20の巻芯部22に巻回される。
【0053】
本実施形態に係るコイル部品10は、たとえば
図6に示すように、信号と電流とを一本の通信線で行う同軸ケーブル60の両側に設けられる電源のためのインダクタなどとして好適に用いることができる。すなわち、
図1に示すように、本実施形態のコイル部品10では、3本のワイヤ41〜43を多層巻で端子電極51,52間を接続することから、小型化が可能であり、しかも高いインダクタンスと低抵抗とを同時に実現することができる。
【0054】
また、本実施形態に係るコイル部品10では、それぞれの端子電極51,52に、複数のワイヤ41〜43のリード41α〜43αが、所定の順序となるように配置してある。そのため、巻芯部22のX軸方向の長さを短くしても、複数のワイヤ41〜43のリード41α〜43αを交差させることなく、端子電極51,52に接続することが容易になる。そのため、コイル部品10の小型化が可能であると共に、しかも巻始め部あるいは巻き終わり部で、複数のワイヤ41〜43のリード41α〜43αが交差せず、耐衝撃特性に優れたコイル部品10を提供することが可能になる。
【0055】
しかも本実施形態では、
図5に示すように、巻芯部22に巻回してある第1層ワイヤ41の最終ターンA10の第2鍔部25の側に位置する巻芯部22の外周に、最終ターンB10の第2層ワイヤ42が巻回してある。また、巻芯部22に巻回してある第1層ワイヤ41の初回ターンA1の第1鍔部24の側に位置する巻芯部22の外周には、第3層ワイヤ43の初回ターンC1が巻回してある。さらに、第3層ワイヤ43の最終ターンC10は、第2層ワイヤ42の最終ターンB10と第1層ワイヤ1の最終ターンA10との間で、それらの上に形成してある。
【0056】
このように構成することで、本実施形態では、コイル部品10の小型化が可能であると共に、しかも巻始め部あるいは巻き終わり部で、複数のワイヤ41〜43のリード41α〜43αが交差せず、耐衝撃特性に優れたコイル部品10を提供することが可能になる。
【0057】
さらに本実施形態では、
図1に示すように、第1端子電極51は、第3層第1端リード43αと、第1層第1端リード41αと、第2層第1端リード42αとが接続される第1端接続部51a1,51a2に対して突出している実装用第1凸部51bを有する。また、第2端子電極52は、第1層第2端リード41βと、第2層第2端リード42βと、第3層第2端リード43βとが接続される第2端接続部52a1,52a2に対して突出している実装用第2凸部52bを有する。
【0058】
実装用第1凸部51bおよび実装用第2凸部52bには、いずれのリード41α〜43αまたは41β〜43βも接続されていない。そのため、これらのリード41α〜43αまたは41β〜43βを熱圧着などで取り付けることによる端子電極51または52の表面の劣化がなく、これらの凸部51b,52bを回路基板に接続する時の接続強度が向上する。特に、凸部51b,52bの頂面では、たとえば錫メッキ膜が表面に良好に残っており、半田との相性がよく、回路基板に接続する時の接続強度が向上する。
【0059】
なお、
図1に示すコイル部品10を回路基板などに実装する場合には、コイル部品10のZ軸方向の上下を逆にして、すなわち、凸部51b,52bが下向きになるようにして、回路基板の上面に半田付けなどで接続する。
【0060】
また、本実施形態では、実装用第1凸部51bは、第1層第1端リード41αと第2層第1端リード42αとの間に位置し、実装用第2凸部52bは、第1層第2端リード41βと、第2層第2端リード42βとの間に位置する。このような配置関係とすることで、第1凸部51bの位置と、第2凸部52bの位置とを、Y軸に沿ってずらすことが容易になり、回路基板に半田などで接合する凸部51b,52bの位置が、第1鍔部24と第2鍔部25とで位置ズレすることになる。その結果、コイル部品10を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0061】
さらに本実施形態では、実装用第1凸部51bのZ軸方向第1頂面と、実装用第2凸部52bの第2頂面とは、Z軸方向の高さが同じであり、略同一平面上に位置する。このような関係にある時に、コイル部品10を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0062】
また本実施形態では、実装用第1凸部51bと実装用第2凸部52bとは、巻軸(X軸)方向と略垂直なY軸方向に沿って位置ズレして配置してある。このような関係にある時に、コイル部品10を傾かせずに回路基板上に接続することが容易になる。
【0063】
さらに本実施形態では、実装用第1凸部51bおよび実装用第2凸部52bがそれぞれ形成してある第1鍔部24および第2鍔部25の反対側側面には、板コア30が配置してある。板コア30を配置することで閉磁路のコイル部品10を実現することができる。
【0064】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0065】
たとえば、ドラムコア20の形状については、実施形態に示すドラム型に限定されず、U字型など、巻芯部の両端に一対のコア端部を備える任意の形状とすることができる。また、ドラムコア20の2つの鍔部24は、同じ形状であっても、異なる形状であってもよい。
【0066】
さらに、本実施形態では、巻芯部22に対するワイヤの巻回方法を工夫することにより、巻回時に用いるワイヤの本数を減らしてもよい。たとえば1本のワイヤを用いて、巻芯部22にコイル部40の一層目(
図5に示す第1層ワイヤ41のターンA1〜A10)を形成した後、同じワイヤを用いてコイル部40の二層目(
図5に示す第2層ワイヤ42のターンB10〜B1)を逆方向から巻回して形成しても良い。その後に、同じワイヤを用いて、コイル部40の三層目(
図5に示す第3層ワイヤ43のターンC1〜C10)を形成しても良い。
【0067】
ただし、この場合には、
図3に示す端子電極52に接続してある第1層第2端リード41βの先端のさらに先(図示せず)で、同じく端子電極52に接続してある第2層第2端リード42βの先(図示せず)が繋がっている。また、
図4Aに示す端子電極51に接続してある第2層第1端リード41αの先端のさらに先(図示せず)で、同じく端子電極51に接続してある第3層第1端リード43αの先(図示せず)が繋がっている。これらの図示省略してある繋がり部分を除去すれば、
図4Aに示すコイル部品10と同じものを製作することができる。なお、繋がり部分は、除去しなくてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、一対の第1端接続部51a1,51a2の間に、実装用第1端凸部51bを形成してあり、一対の第2端接続部52a1,52a2の間に、実装用第2端凸部52bを形成してあるが、これに限定されない。たとえば、
図1において、Y軸方向に短い第1端接続部51a2を第1端接続部51a1の側に移して単一の第1端接続部51a1のみとし、実装用第1凸部51bをY軸方向の手前側のみに形成してもよい。その場合には、単一の第1端接続部51a1に、3つのリード43α、41α、42αが、Y軸方向の奥側からこの順で接続される。
【0069】
また、
図1において、Y軸方向に短い第2端接続部52a1を第2端接続部52a2の側に移して単一の第2端接続部52a2のみとし、実装用第2凸部52bをY軸方向の奥側のみに形成してもよい。その場合には、単一の第2端接続部52a2に、3つのリード41β、42β、43βが、Y軸方向の奥側からこの順で接続される。
【0070】
ただし、これらの場合には、単一の接続部51a1または52a2に、3つのリード41α〜42αまたは41β〜43βの3つの熱圧着が必要となる。このため、熱圧着の信頼を上げるためには、
図1に示すように、凸部51bまたは52bによりそれぞれ分離された2つ以上の接続部が、それぞれの鍔部24または25に形成してあることが好ましい。
【0071】
また、本発明の別の実施形態では、第1層ワイヤ41と第2層ワイヤ42とは、別々のワイヤで同時に、巻芯部22に同一方向に巻き付け、その後に、第3層ワイヤ43を、これらと同一方向に巻き付けてもよい。また、本発明の別の実施形態では、第3層ワイヤ43の上に、さらに第4層以降のワイヤを巻回してもよい。さらに本発明の別の実施形態では、
図1に示す板コア30は無くても良い。