特許第6369768号(P6369768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6369768化学機械研磨コンディショナー及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369768
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】化学機械研磨コンディショナー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20180730BHJP
   B24B 53/017 20120101ALI20180730BHJP
   B24B 53/12 20060101ALI20180730BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20180730BHJP
   B24D 7/00 20060101ALI20180730BHJP
   B24D 7/02 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   H01L21/304 622M
   B24B53/017 A
   B24B53/12 Z
   B24D3/00 310D
   B24D3/00 340
   B24D7/00 P
   B24D7/02 B
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-91500(P2017-91500)
(22)【出願日】2017年5月2日
(65)【公開番号】特開2018-22877(P2018-22877A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2017年5月2日
(31)【優先権主張番号】105124293
(32)【優先日】2016年8月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506398139
【氏名又は名称】中國砂輪企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】周 瑞麟
(72)【発明者】
【氏名】黄 庭笙
(72)【発明者】
【氏名】王 信君
(72)【発明者】
【氏名】蘇 學紳
【審査官】 石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−247834(JP,A)
【文献】 特開2003−175469(JP,A)
【文献】 特開2005−262341(JP,A)
【文献】 特開2015−150683(JP,A)
【文献】 特開平10−249708(JP,A)
【文献】 特開2001−157967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 53/00−57/04
B24D 3/00−99/00
H01L 21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部基板と、
前記底部基板上に設置し、中空部と、前記中空部を囲繞する環状部と、前記底部基板から離れて前記環状部から凸出する少なくとも一つの凸出リングとを包括し、前記凸出リングが環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプを包括し、前記バンプがその径方向に沿って延在する中間基板と、
前記底部基板と前記中間基板との間に設置する結合層と、
前記中間基板上に設置し、前記バンプに対応して複数の研磨凸起を形成するダイヤモンド膜と、を包含することを特徴とする、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項2】
隣接し合う前記研磨凸起同士は、前記バンプの幅の1から5倍にあたる間隔を離間することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項3】
前記研磨凸起は、前記中間基板の径方向に対して弓形を呈することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項4】
前記研磨凸起は、粗目頂面を有することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項5】
前記研磨凸起は、平坦頂面を有することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項6】
前記中間基板は、モリブデン、タングステン及び炭化タングステンからなる群のいずれかの導電性材料であることを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項7】
前記中間基板は、ケイ素或いは単結晶の酸化アルミニウムのいずれかの非導電性材料であることを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項8】
前記中間基板の材質は、導電性或いは非導電性の炭化ケイ素のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項9】
前記凸出リングは、2から20個の間に介するリング数を有することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項10】
隣接し合う前記凸出リングは、互いに位置をずらすことを特徴とする請求項9に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項11】
前記底部基板は、平面基板であって、前記中間基板は、前記平面基板上に設置することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項12】
前記底部基板は、前記中間基板を収容するための環状収容溝を有することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項13】
前記中間基板は、円形基板であることを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項14】
前記円形基板は、隣接し合う複数のセグメントを包括することを特徴とする請求項13に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項15】
前記底部基板を貫設する担持柱と、前記担持柱上に設置する研磨粒子と、前記担持柱及び前記研磨粒子の間に設置する研磨材結合層とをそれぞれ含む複数の研磨ユニットをさらに包括することを特徴とする請求項1に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項16】
前記研磨ユニットは、前記底部基板の外周部分に位置することを特徴とする請求項15に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項17】
前記研磨ユニットは、前記底部基板の中央部分に位置することを特徴とする請求項15に記載の、化学機械研磨コンディショナー。
【請求項18】
表面を有し、中空部、前記中空部を囲繞する環状部及び前記環状部から凸出する少なくとも一つの凸出リングを包含し、前記凸出リングが環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプを包括し、前記バンプがその径方向に沿って延在する中間基板を提供するステップ1と、
前記バンプに対応して複数の研磨凸起を形成するダイヤモンド膜を前記中間基板上に形成するステップ2と、
前記中間基板の底面を底部基板上に固定し、そのうち、前記中間基板を結合層、ろう付け溶接法、或いは、機械的結合を用いて、底部基板上に固定するステップ3と、を包括することを特徴とする、化学機械研磨コンディショナーの製造方法。
【請求項19】
前記中間基板の成型方法は、加圧鋳造法或いはエネルギー加工法のいずれかであることを特徴とする請求項18に記載の、化学機械研磨コンディショナーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学機械研磨コンディショナー及びその製造方法、特に良好な切削及び除去機能を兼ね備えた化学機械研磨コンディショナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ製造過程では、化学機械研磨(Chemical mechanical polish,CMP)工程を幅広く用い、ウエハに対して研磨を行い、ウエハ表面を平坦化させている。一般的な化学機械研磨工程は、回転台に固定する研磨パッドを使用し、回転可能なキャリア上に担持するウエハに接触するとともに押圧し、研磨する際、前記キャリアと前記回転台とが回転し且つ前記研磨パッドに研磨スラリーを提供している。通常、研磨で発生した研磨屑及び研磨スラリーは、研磨パッドにある穴に累積し、研磨パッドに損傷を発生させ且つウエハに対する研磨効果の低下を引き起こすため、コンディショナー(Conditioner)を用いて研磨パッドに残留する研磨屑及び研磨スラリーを除去する必要がある。
【0003】
周知の化学機械研磨コンディショナーでは、ダイヤモンド粒子を研磨材として用いたものがあり、特許文献1で開示するような化学機械研磨コンディショナーは、支持部材と、前記支持部材の面上に設ける複数の硬質砥粒を備える化学機械研磨コンディショナーであって、前記複数の硬質砥粒は、前記支持部材の面上で規則的配列を呈し、前記硬質砥粒は、ダイヤモンド粒子であることを特徴としている。その他に、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition,CVD)ダイヤモンドを用いたものがあり、特許文献2で開示するような非表面CVDダイヤモンドを被覆するCMPパッドのコンディショナー及びその製造方法は、CVDダイヤモンド被覆複合物を包含するコンディショニングヘッドをを主に掲示し、前記コンディショニングヘッドは、(a)(1)少なくとも一つのセラミック材を包含する第1の相と、(2)少なくとも一つの炭化物形成材を包含し且つそのうちの前記基材表面が前記基材表面から凸出する少なくとも一つの非表面修正エリアを包含する第2の相をさらに含む基材表面を包括する未塗布基材をさらに包含している。また、特許文献3で開示するような化学機械研磨に用いるコーディネーターは、化学機械研磨において研磨パッド上に用いるコーディネーターを主に掲示し、ベース構成及び複数のブレードを包含し、前記ベース構成は、回転軸を有し、凸出した前記ブレードは、ブレードエリア内で前記ベース構成によって支持され、各ブレードは、前記ベース構成の中心アリアから外側に向かって放射状に呈し且つ接線的に延在し、これらブレードは共通の方向に延伸している。また、特許文献4で開示するような化学機械研磨コンディショナーは、頂面を有する基板と、結合層を介して前記基板に設ける複数の研磨ユニットを包含し、各前記研磨ユニットは、研磨ユニット基板と、研磨層とを包括し、前記研磨ユニット基板は、前記基板に相対する前記結合層の一面に設け、且つ前記基板にある前記頂面の面積は、100%とし、前記研磨ユニット基板が前記基板を被覆して占める面積は5%から50%であって、前記研磨層は、前記研磨層に相対する前記研磨ユニット基板の一面に形成するとともに複数の先端を有している。
【0004】
上述した周知技術において、ダイヤモンド粒子を用いた化学機械研磨コンディショナーの場合、ダイヤモンド粒子の切削の特性の関係で、研磨パッドを損傷させて詰まらせ、ウエハが擦傷してしまうことが度々あり、CVDダイヤモンドを用いた化学機械研磨コンディショナーの場合、原則上、いずれもベースと、前記ベース上に形成する複数の研磨ユニット基板と、前記研磨ユニット基板上に形成するCVDダイヤモンドとを包括し、CVDダイヤモンドをコンディショニング用の材料としているが、そのうち、前記研磨ユニット基板の形状からいうと、特許文献2において、前記非平面である表面特徴構成は、直線性或いは非直線性の線分、例えば、同心円環、不連続或いは交錯の同心円環、螺旋、不連続な螺旋、長方形、不連続な長方形或いは不規則なパターンなどとしたり、不連続や連続的な同心円環及び螺旋、同心円環及び螺旋形の線分としたりすることができる。また、特許文献3において、湾曲した前記ブレードは、放射線方向に延在し、各前記ブレードが中心エリアよりエッジに延在している。さらにまた、特許文献4において、前記研磨ユニット基板は、六角形、弓形或いはその他の幾何学形状とすることができる。これらCVDダイヤモンドを用いた化学機械研磨コンディショナーは、研磨パッドの損傷という問題を改善することができるものの、不純物や切屑を有効的に除去することができない。このため、化学機械研磨コンディショナーの構造設計は依然として改善する余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許公告第575477号
【特許文献2】台湾特許公開第200948533号
【特許文献3】台湾実用新案公告第M275917号
【特許文献4】台湾特許出願第104208835号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主要な目的は、ダイヤモンド粒子を用いた周知の化学機械研磨コンディショナーにある、研磨パッドを損傷させて詰まらせてウエハを傷付けてしまうことやCVDダイヤモンドを用いた周知の化学機械研磨コンディショナーでは不純物や切屑を有効的に除去することができないことといった問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明は、底部基板、中間基板及びダイヤモンド膜を包含し、前記中間基板は、前記底部基板上に設置し、中空部と、前記中空部を囲繞する環状部と、前記底部基板から離れて前記環状部から凸出する少なくとも一つの凸出リングとを包括し、前記凸出リングは、環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプを包括し、前記バンプは、前記中間基板の径方向に沿って延在し、前記ダイヤモンド膜は、前記中間基板上に設置し、前記バンプに対応して複数の研磨凸起を形成する化学機械研磨コンディショナーを提供している。
【0008】
実施例において、隣接し合う前記研磨凸起同士は、前記バンプの幅の1から5倍にあたる間隔を離間している。
【0009】
実施例において、前記研磨凸起は、前記中間基板の径方向に対して弓形を呈している。
【0010】
実施例において、前記研磨凸起は、粗目頂面を有している。
【0011】
実施例において、前記研磨凸起は、平坦頂面を有している。
【0012】
実施例において、前記中間基板は、モリブデン、タングステン及び炭化タングステンからなる群のいずれかの導電性材料である。
【0013】
実施例において、前記中間基板は、ケイ素或いは単結晶の酸化アルミニウムのいずれかの非導電性材料である。
【0014】
実施例において、前記中間基板の材質は、導電性或いは非導電性の炭化ケイ素のいずれかである。
【0015】
実施例において、前記底部基板と前記中間基板との間に設置する結合層をさらに包括している。
【0016】
実施例において、前記凸出リングは、2から20個の間に介するリング数を有している。
【0017】
実施例において、隣接し合う前記凸出リングは、互いに位置をずらしている。
【0018】
実施例において、前記底部基板は、平面基板であって、前記中間基板は、前記平面基板上に設置している。
【0019】
実施例において、前記底部基板は、前記中間基板を収容するための環状収容溝を有している。
【0020】
実施例において、前記中間基板は、円形基板である。
【0021】
実施例において、前記円形基板は、隣接し合う複数のセグメントを包括している。
【0022】
実施例において、前記底部基板を貫設する担持柱と、前記担持柱上に設置する研磨粒子と、前記担持柱及び前記研磨粒子の間に設置する研磨材結合層とをそれぞれ含む複数の研磨ユニットをさらに包括している。
【0023】
実施例において、前記研磨ユニットは、前記底部基板の外周部分に位置している。
【0024】
実施例において、前記研磨ユニットは、前記底部基板の中央部分に位置している。
【0025】
また、上述した目的を達成するため、本発明は、中空部、前記中空部を囲繞する環状部及び前記環状部から凸出する少なくとも一つの凸出リングを包含し、前記凸出リングが環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプを包括し、前記バンプが前記中間基板の径方向に沿って延在する中間基板を提供するステップ1と、前記バンプに対応して複数の研磨凸起を形成するダイヤモンド膜を前記中間基板上に形成するステップ2と、前記中間基板を底部基板上に固定するステップ3と、を包括する化学機械研磨コンディショナーの製造方法をさらに提供している。
【0026】
実施例において、前記中間基板の成型方法は、加圧鋳造法或いはエネルギー加工法のいずれかである。
【0027】
実施例において、前記中間基板は、結合層を用いて前記底部基板に固定している。
【0028】
実施例において、前記中間基板は、ろう付け溶接法を用いて前記底部基板に固定している。
【0029】
実施例において、前記中間基板は、機械的結合を用いて前記底部基板に固定している。
【発明の効果】
【0030】
上述した各周知技術とそれぞれ比較すると、本発明は、特許文献1のようなダイヤモンド粒子を用いずに、前記ダイヤモンド膜で形成した前記研磨凸起を用いて研磨パッドに対してコンディショニングを行っていることから、研磨パッドの損傷という問題を減少させ、ウエハが擦傷することを防いでいる。また、特許文献2乃至4と比較すると、本発明は、特殊な研磨凸起の構成を用い、高い効率で切屑や不純物を除去することができ、且つ各方向の除去量が均等であることから、安定したコンディショニングパフォーマンスが得られている。このため、全体的に見て、優れたコンディショニング効果を提供しているといえる。また、前記化学機械研磨コンディショナーを製造する際、規則的な高低起伏を有する環状凸起構成の前記ダイヤモンド膜を先に形成し、前記中間基板を前記底部基板に一度に固定しており、製造工程上、相対的に簡便で、大量生産に利し、製造コストを低減している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係る第一実施例を示す平面図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3図1のB−B線断面図である。
図4】本発明に係る第二実施例を示す平面図である。
図5図4のC−C線断面図である。
図6】本発明に係る第三実施例を示す平面図である。
図7図6のD−D線断面図である。
図8】本発明に係る第四実施例を示す平面図である。
図9】本発明に係る第四実施例の使用を示す模式図である。
図10】本発明に係る第五実施例を示す平面図である。
図11A】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図11B】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図12A】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図12B】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図13A】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図13B】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図14A】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
図14B】本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る詳細な説明及び技術的内容について、図面を参照しつつ以下において説明する。
【0033】
本発明に係る第一実施例を示す平面図である図1と、図1のA−A線断面図である図2と、図1のB−B線断面図である図3とを参照されたい。本発明は、底部基板10、中間基板20、ダイヤモンド膜30及び結合層40を包含し、前記底部基板10は、環状収容溝11と、前記環状収容溝11に囲繞された中央部分12とを包括し、本発明に係る実施例において、前記底部基板10の材質は、ステンレス鋼、金属材、プラスチック材、セラミック材或いはこれらの組合せのいずれかである。
【0034】
前記中間基板20は、前記底部基板10上に設置し、本実施例において、前記中間基板20は、一体成形した円形基板で、中空環状を呈して前記環状収容溝11内に設置しているが、その他の実施例において、前記中間基板20は、隣接しながら連結し合って前記円形基板を形成する複数のセグメントを包括することができ、そのうち、前記環状収容溝11の深さは、実際に使用する際のニーズに応じて調整することもでき、ここでは、あくまでも例示して説明したに過ぎない。また、その他の実施例において、前記底部基板10は、前記環状収容溝11が設置されていない平面基板とし、前記中間基板20を前記底部基板10の頂面に設置することができる。また、前記中間基板20の材料は、導電性或いは非導電性の炭化ケイ素のいずれかとすることができる。
【0035】
本発明に係る第一実施例において、前記中間基板20は、中空部21と、前記中空部21を囲繞する環状部22と、少なくとも一つの凸出リング23とを包括している。本発明において、前記凸出リング23は、1から20個の間に介するリング数を有し、本実施例では例示として一つの凸出リングで説明しており、前記凸出リング23は、環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプ231を包括し、そのうち、前記バンプ231は、前記環状部22から前記底部基板10から離れる方向に凸出し、前記中間基板20の径方向に沿って延在している。本発明において、前記径方向の定義は、前記中間基板20の中心から前記中間基板20の外縁に向かって延伸する方向を指している。本実施例において、前記バンプ231は、前記中間基板20の径方向に対して弓形を呈し、前記バンプ231の弓形の方向は反時計回転の方向であり、且つ前記バンプ231の断面は、図2のように、方形を呈している。しかし、本発明はこれに限らず、その他の実施例において、前記バンプ231は、台形といったその他の幾何学形状とすることもできる。本実施例において、前記中間基板20は、前記結合層40を介して前記底部基板10上に設置し、前記結合層40は、樹脂、さらにいうと、エポキシ樹脂といった粘着性を有する材料である。
【0036】
前記ダイヤモンド膜30は、前記中間基板20に被覆し、前記バンプ231に対応して複数の研磨凸起31を形成し、前記研磨凸起31の間に屑除去溝32を形成し、つまり、前記ダイヤモンド膜30は、規則的な高低起伏がある環状凸起構成を形成しており、そのうち、前記研磨凸起31は、図1のように、弓形を呈している。本発明において、前記研磨凸起31は、粗目頂面或いは平坦頂面のいずれかである頂面311を包括している。また、同じ環状エリア上にある前記研磨凸起31同士は、前記バンプ231の幅の1から5倍にあたる間隔Sを離間している。
【0037】
本発明に係る第二実施例を示す平面図である図4及び図4のC−C線断面図である図5を参照すると、前記化学機械研磨コンディショナーは、前記底部基板10を貫設する担持柱51と、前記担持柱51上に設置する研磨粒子52と、前記担持柱51及び前記研磨粒子52の間に設置することで前記研磨粒子52を前記担持柱51上に固定する研磨材結合層53とを含む複数の研磨ユニット50をさらに包括しており、本実施例において、前記研磨ユニット50は、前記底部基板10の中央部分12に位置している。本発明に係る第三実施例を示す平面図である図6及び図6のD−D線断面図である図7を参照すると、本実施例は、上述した第二実施例と違い、前記研磨ユニット50が前記底部基板10の外周部分13に位置している。
【0038】
本発明に係る第四実施例を示す平面図である図8及び本発明に係る第四実施例の使用を示す模式図である図9を参照すると、本実施例では二つの凸出リングで説明しており、前記凸出リング23は、第一凸出リング及び第二凸出リングを包括し、前記第一凸出リング及び前記第二凸出リングは、互いに離間する複数の第一バンプ及び複数の第二バンプをそれぞれ包括し、前記ダイヤモンド膜30は、前記中間基板20に被覆し、前記第一バンプ及び前記第二バンプに対応して複数の研磨凸起31a及び複数の研磨凸起31bを形成し、それぞれに複数の第一屑除去溝32a及び複数の第二屑除去溝32bを形成している。また、本実施例において、前記研磨凸起31aは、前記研磨凸起31bとの間に位置ずれDを形成し、且つ前記研磨凸起31aの弓形方向は、前記研磨凸起31bの弓形方向と反対で、前者は反時計回転の方向、後者は時計回転の方向となっている。さらに本実施例の例示として前記化学機械研磨コンディショナーの屑除去機構を説明するため、図9を参照すると、コンディショニングを行うと、前記化学機械研磨コンディショナーは、回転によって外向きの遠心力が発生し、この時、切屑及び不純物は、前記遠心力の駆動を受けて前記第一屑除去溝32a及び複数の第二屑除去溝32bから迅速に外部に排出されている。次に、本発明に係る第五実施例を示す平面図である図10を参照すると、本実施例は、上述した第四実施例と違い、前記研磨凸起31aと前記研磨凸起31bとの弓形方向が同じである。
【0039】
本発明は、本発明に係る実施例の製造工程を示す模式図である図11A乃至図14Bのように、上述した化学機械研磨コンディショナーに対応する化学機械研磨コンディショナーの製造方法をさらに提供しており、その方法は、以下のとおりである。
【0040】
図11A及び図11AのE−E線断面図である図11Bを参照すると、まず、中空部21と、前記中空部21を囲繞する環状部22とを包括する中間基板20を提供している。次に、前記中間基板20に対して加工を行い、例えば、放電加工或いはレーザ加工のいずれかのエネルギ加工法を用いることができるが、これはあくまでも例示して説明したに過ぎ、ユーザは実際のニーズに応じて適宜な加工方法を選択することができる。前記中間基板20は、図12A及び図12AのF−F線断面図である図12Bのように、その一部分を取り除くことで、環状エリアに沿って離間するように配列する複数のバンプ231を包括する少なくとも一つの凸出リング23を前記中間基板20に発生させ、前記バンプ231は、前記中間基板20の径方向に沿って延在している。本発明において、前記中間基板20は、導電性材料或いは非導電性材料のいずれかとすることができ、前記導電性材料は、モリブデン、タングステン、炭化タングステン及びこれらの組合せのいずれかであって、前記非導電性材料は、ケイ素或いは単結晶の酸化アルミニウムのいずれかである。導電性材料を使用する場合、放電加工を用いることができ、非導電性材料を使用する場合、レーザ加工を用いることができる。また、上述した方法を用いて前記中間基板20の構成を形成する以外に、加圧鋳造法を用いて成形する際に上述した構成を直接得ることもでき、例示すると、粉末を用いて希望の形状に圧出した後、焼結を介して成形している。
【0041】
図13A及び図13AのG−G線断面図である図13Bを参照すると、前記中間基板20を形成した後、ダイヤモンド膜30を前記中間基板20に被覆し、前記バンプ231に対応して複数の研磨凸起31を形成し、前記研磨凸起31の間に屑除去溝32を形成しており、本発明において、前記ダイヤモンド膜30は、化学蒸着法で形成したダイヤモンド膜であって、化学蒸着法は、例えば、フィラメント化学気相堆積法(filament CVD)、プラズマ化学気相堆積法(PECVD)、マイクロ波プラズマ化学気相堆積法(MPCVD)或いはその他類似した方法等がある。その後、図14A及び図14AのH−H線断面図である図14Bのように、結合層40を用いて前記中間基板20を底部基板10に固定しており、本発明において、前記中間基板20及び前記底部基板10の間は、ろう付け溶接法或いは機械的結合を用いて互いに固定することもできる。
【0042】
以上のことから、本発明に係る化学機械研磨コンディショナーは、ダイヤモンド粒子を用いずに、前記ダイヤモンド膜で形成した前記研磨凸起を用いて研磨パッドに対してコンディショニングを行っていることから、研磨パッドの損傷という問題を減少させ、ウエハが擦傷することを防いでいる。また、本発明に係る化学機械研磨コンディショナーは、特殊な研磨凸起の構成を用い、高い効率で切屑や不純物を除去することができ、且つ各方向の除去量が均等であることから、安定したコンディショニングパフォーマンスが得られている。このため、全体的に見て、優れたコンディショニング効果を提供しているといえる。また、前記化学機械研磨コンディショナーを製造する際、規則的な高低起伏を有する環状凸起構成の前記ダイヤモンド膜を先に形成し、前記中間基板を前記底部基板に一度に固定しており、製造工程上、相対的に簡便で、大量生産に利し、製造コストを低減している。
【0043】
なお、上述したものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明が実施する範囲を範囲を制限するものではない。本発明が請求した範囲に基づいて行った変更及び修正は、いずれも本発明の範疇に属するものである。
【符号の説明】
【0044】
10 底部基板
11 環状収容溝
12 中央部分
13 外周部分
20 中間基板
21 中空部
22 環状部
23 凸出リング
231 バンプ
30 ダイヤモンド膜
31 研磨凸起
31a 第一研磨凸起
31b 第二研磨凸起
311 頂面
32 屑除去溝
32a 第一屑除去溝
32b 第二屑除去溝
40 結合層
50 研磨ユニット
51 担持柱
52 研磨粒子
53 研磨材結合層
D 位置ずれ
S 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B