(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水熱処理が、100〜200℃の間の温度で6〜150時間実施され、得られる固体が、活性化の前に、80〜120℃で洗浄及び乾燥される、請求項1に記載の方法。
前記MoVSb固体がドーピングされる前に、前記MoVSb固体が150〜700℃の範囲の温度で加熱され、次いで、金属カチオンがドーピングされた前記MoVSb固体が、不活性雰囲気下で、150〜700℃の範囲の温度で、1〜5時間、活性化される、請求項6に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】実施例8に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。(A)100℃で乾燥された固体、及び(B)窒素雰囲気下に、600℃で熱処理された固体。記号[*]は相M1、及び[+]は相M2を示す。
【
図2】空気雰囲気下での280℃での熱処理と、その後の窒素流の下での600℃での熱処理の後の、実施例18に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、[○(白丸)]は(MoV
x)
5−xO
14、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図3】空気雰囲気下での280℃での熱処理と、その後の窒素流の下での600℃での熱処理の後の、実施例19に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、[○(白丸)]は(MoV
x)
5−xO
14、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図4】空気雰囲気下での280℃での熱処理と、その後の窒素流の下での600℃での熱処理の後の、実施例20に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[○(白丸)]は(MoV
x)
5−xO
14を示す。
【
図5】空気雰囲気下での300℃での熱処理と、その後の窒素流の下での600℃での熱処理の後の、実施例21に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[○(白丸)]は(MoV
x)
5−xO
14を示す。
【
図6】窒素流の下での625℃での熱処理の後の、実施例22に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[○(白丸)]は(MoV
x)
5−xO
14を示す。
【
図7】実施例23に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。(A)100℃で乾燥された固体、(B)空気雰囲気下で、200℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で熱処理された固体、及び(C)空気雰囲気中、250℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で熱処理された固体。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図8】実施例24に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。(A)100℃で乾燥された固体、(B)空気雰囲気下で、200℃で熱処理され、次に、600℃で第2の熱処理をされた後の触媒。記号[*]は相M1、及び[+]は相M2を示す。
【
図9】実施例25に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。(A)100℃で乾燥された後の固体、(B)空気雰囲気下で、200℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた後の触媒、(C)空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた触媒、及び(D)空気雰囲気下で、280℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた触媒。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図10】実施例27に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。(A)100℃で乾燥された後の固体、(B)空気雰囲気下で、200℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた後の触媒、(C)空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた触媒。記号[*]は相M1、及び[+]は相M2、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図11】100℃で乾燥した後の、実施例8に従って調製された触媒の走査電子顕微鏡画像である。このモルホロジーは、本明細書に記載されている水熱法によって調製された固体の典型である。
【
図12】実施例23に従って調製された触媒の走査電子顕微鏡画像である。(A欄)100℃で乾燥された固体の画像、及び(B欄)空気雰囲気下で、250℃で熱処理を受け、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理を受けた触媒の画像。
【
図13】実施例28に従って調製された触媒の走査電子顕微鏡画像である。(A欄)100℃で乾燥された固体の画像、及び(B欄)空気雰囲気下で、250℃で熱処理を受け、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理を受けた触媒の画像。
【
図14】走査電子顕微鏡画像と、電子分散型(Electron Dispersive)分光法技法による、選ばれたゾーン内の元素化学分析(下の部分)である。(A欄)実施例23の触媒、及び(B欄)実施例28の触媒。この図に含まれるどちらの触媒も、空気雰囲気下で、250℃で熱処理を受け、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理を受けた。
【
図15】(A欄)実施例23に従って調製された触媒に存在する結晶の高分解能透過電子顕微鏡画像である。(B欄)A欄の選ばれた結晶の上に印された白で囲まれた部分に対応する制限視野(Selected Area)電子線ナノ回折パターン(SAENDP)である。これらの写真は、
図7に示されるXRDパターンに一致しており、こうして、いくつかの結晶相の存在を裏付ける。(A)M1相の結晶に対応する画像(これは、その電子線ナノ回折パターン(右側)によって確認される)、(B)M2相の結晶に対応する画像(これは、その電子線ナノ回折パターン(右側)によって確認される)、及び(C)MoO
3相の結晶に対応する画像(これは、その電子線ナノ回折パターン(右側)によって確認される)。このような触媒は、空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次に、窒素流の下で、600℃で第2の熱処理をされた。
【
図16】実施例29に従って調製された触媒の走査電子顕微鏡画像と、電子分散型分光法技法による、選ばれたゾーン内の元素化学分析(右側)である。触媒は、窒素流の下で、600℃で熱処理を受けた。
【
図17】(A)実施例10、(B)実施例11、(C)実施例12、(D)実施例13、及び(E)実施例14に従って調製された触媒のXRDスペクトルである。記号[*]は相M1、[+]は相M2、及び[●(黒丸)]はMoO
3を示す。
【
図18】実施例21に従って調製された触媒の触媒試験の間に得られたクロマトグラフィー信号であり、エチレンへのエタンの酸化脱水素の間に含酸素炭化水素の存在しないことを示す。
【0039】
[発明の詳細な説明]
本発明の触媒は、MoVSbAの一般式によって表すことができ、式中、Aは、次の元素:Nb、W、Ga、Bi、Sn、Ti、Fe、Co、Cu、Ni、Cr、Zr、希土類金属、アルカリ金属若しくはアルカリ希土類金属又はこれらの混合物の1つである。別の実施形態によれば、触媒は、MoVSbの式によって表すことができる。
【0040】
本発明は、オレフィンを製造するための、軽質パラフィンの酸化脱水素に、より詳細には、エタンが、混合多金属酸化物から構成される触媒上で、酸素若しくは酸素含有流、及び/又は別の酸化剤に接触させられる方法により、エチレンへのエタンの酸化脱水素を実施するための手法に関連する。該触媒は、テルルを含まない固体であり、Mo、V及びSbを含み、任意選択で、A金属を含んでいてもよく、A金属は、次のリスト:Nb、W、Ga、Bi、Sn、Cu、Ti、Fe、Co、Cu、Ni、Cr、Zr、希土類金属若しくは希土類アルカリ金属又はこれらの混合物から選択される。触媒は、熱処理された状態で、金属元素が酸素と一緒になって、様々な酸化状態を有する金属酸化物の混合物を生成している固体に対応するMoVSbAOの一般式によって表される。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、モリブデン、バナジウム及びアンチモンが、次の式
MoV
hSb
iOx (II)
を有する触媒処方において、熱処理された混合酸化物の状態で存在し、
式中、h及びiは、個々に、それぞれ0.001〜4.0の間であり、i/hの比は、0.3〜10.0の間であり、xは、多金属混合酸化物に存在する他の元素の原子価要求によって決められ、それと一致する数を表す。
【0042】
この実施形態では、触媒は、ある方法によって調製され、この方法は、溶液中のモリブデン、バナジウム及びアンチモンの金属前駆体と、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アンモニア、テトラ−メチルアンモニウム及びヒドラジンからなる群から選択される「構造誘導」化合物との、テルルを含まない混合物を生成すること、及びテルルを含まない前記混合物を水熱条件下に置いて、固体を生成すること、を含む。得られる固体は、洗浄及び乾燥され、その後、熱活性化されて、M1結晶相に加えて、1つ又は複数の結晶相、例えば、M2及び/又はMoO
3結晶相を有する触媒を生成する。構造誘導化合物との混合物における、触媒としての唯一の金属は、MoVSbベース金属であり、如何なる付加的又は促進剤(promoter)金属もないことが特に好ましい。同様に、M1結晶相の活性化及び生成の後、高い活性及び選択性の触媒を得るために、さらなる処理又は後処理は必要ない。
【0043】
好ましい構造誘導化合物は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ−メチルアミン、ジエチルアミン、又はこれらの混合物である。水熱処理は、100〜200℃の間の温度で、6〜150時間、実施され、得られる固体は、活性化の前に、80〜120℃で洗浄及び乾燥される。水熱処理は、150〜180℃の間の温度で、12〜48時間であるのが好ましい。活性化は、酸化剤及び/又は還元性及び/又は不活性雰囲気下で、約150〜約350℃、好ましくは160〜約300℃の範囲の温度で、1〜5時間の第1の熱処理;及び、酸化剤又は不活性雰囲気下で、約150〜約700℃、好ましくは550〜650の範囲の温度で、1〜5時間の第2の熱処理を含む。
【0044】
別の好ましい実施形態において、触媒は、次の実験式
MoV
hSb
iA
jO
x (III)
を有し、
式中、Aは、Nb、W、Ga、Bi、Sn、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Cr、Zr、希土類金属若しくは希土類アルカリ金属、又はこれらの混合物を表し、h及びiは、個々に、それぞれ0.001〜4.0の間であり、0.0001≦j≦2.0であり、i/hの比は、0.3〜10.0の間であり、xは、多金属混合酸化物に存在する他の元素の原子価要求によって決められ、それと一致する数を表し、前記触媒は、M1結晶相、及び1つ又は複数のさらなる結晶相を有し、前記方法は、モリブデン、バナジウム及びアンチモンの金属前駆体の、テルルを含まない混合物を生成すること、テルルを含まない前記混合物を熱処理して、MoVSb固体を生成すること、前記MoVSb固体に、前記Aによって表されるドーピング金属カチオンをドーピングすること、及びA金属カチオンがドーピングされたMoVSb固体を熱活性化して、M1結晶相に加えて1つ又は複数の結晶相を有する触媒を生成すること、を含む。好ましいドーピング金属カチオンは、Nb、W、Sn、Cu又はKである。MoVSb固体は、前記MoVSb固体がドーピングされる前に、約150〜約700℃の範囲の温度で加熱され、次いで、金属カチオンがドーピングされた前記MoVSb固体が、酸化性又は不活性雰囲気下に、約150〜約700℃の範囲の温度で、約1〜5時間、活性化される。「x」は、Mo、V、Sb及びA元素の酸化状態に応じて決まるので、「x」によって表される触媒中の酸素の量は、化学組成に依存するだけでなく、主として、用いられる活性化プロセスに依存するが、その理由は、酸化剤及び/又は還元剤の適切な組合せが、金属原子の酸化状態を調整することを可能にし、そうして高い活性及び選択性の触媒が生成されるためである。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態は、次の式
MoV
hSb
iA
jO
x
を有する多金属混合酸化物の生成に関連し、
式中、Aは、Nb、W、Ga、Bi、Sn、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Cr、Zr、希土類金属若しくは希土類アルカリ金属、又はこれらの混合物を表し、h及びiは、個々に、それぞれ0.001〜4.0の間であり、0.0001≦j≦2.0であり、i/hの比は、0.3〜10.0の間であり、xは、多金属混合酸化物に存在する他の元素の原子価要求によって決められ、それと一致する数を表し、前記触媒は、M1結晶相、及び1つ又は複数のさらなる結晶相を有し、前記方法は、次のステップ、
(a)金属カチオンの、テルルを含まない混合物を生成するステップであって、前記金属カチオンが、モリブデン、バナジウム及びアンチモンのカチオンからなるステップ、
(b)テルルを含まない混合物を熱処理して、MoVSb固体を生成するステップ、
(c)テルルを含まないMoVSb固体を、不活性雰囲気中、約150〜約700℃の範囲の温度で、約1〜約5時間、か焼するステップ、
(d)MoVSb固体に、Aによって表される金属カチオン、例えば、Nb、W、Sn、Cu又はKを加えることによって、ドーピングするステップ、及び
(e)A金属カチオンがドーピングされたMoVSb固体を、不活性雰囲気中、好ましくは窒素下に、150〜約600℃で、約1〜約5時間、か焼して、M1結晶相に加えて1つ又は複数の結晶相を有する触媒を生成するステップ、
を含む。
【0046】
ステップ(a)〜(e)の各々は、添加された酸素及び添加されたH
2O
2なしに実施される。表現「添加された酸素なしに」は、空気又は酸素を含むガスが、第2か焼ステップを終えるまで、どの方法ステップにおいても導入されないことを意味する。同様に、表現「添加されたH
2O
2なしに」は、H
2O
2が、どの方法ステップにおいても導入されないことを意味する。本発明のこの好ましい実施形態において、Mo、V又はSbのカチオン以外の如何なる金属カチオンも、触媒の生成の間、A金属カチオン、例えばNbが添加されるまで、存在しない。
【0047】
さらなる好ましい実施形態において、Aは、Nb、W、Ga、Bi、Sn、Ti、Fe、Co、Cu、Ni、Cr、Zr、希土類金属、アルカリ金属、若しくはアルカリ希土類金属、又はこれらの混合物に等しい。
【0048】
別の好ましい実施形態において、Aは、Nb、W、Sn、Cu、K又はこれらの混合物を表す。
【0049】
好ましい実施形態において、調製後無処理の(as−prepared)多金属混合酸化物及び/又は活性化されたものは、熱処理され、触媒処方において少なくとも1種の混合酸化物の形で、Mo、V及びSbを含む。
【0050】
固体を活性化するために実施される熱処理の後、熱処理された固体は、いくつかの回折線を有するX線パターンを示す。活性化された固体に存在する最も重要な回折線は、6.6±0.4、7.7±0.4、9.0±0.4、22.2±0.4、26.7±0.4、26.8±0.4、27.1±0.4に等しい2θに位置していなければならない;これは、斜方晶系の青銅類似構造に対応し、M1結晶相(ICSD 55097)と命名される。この相は、エチレンへのエタンの酸化脱水素に対して最も活性であると、繰返し主張されている。このため、多くの努力が、M1相だけを有する固体を生成するために、なされてきた。しかし、本発明に示されている方法に従って調製される、活性化された固体は、多くの場合、さらなる回折線を有するXRDパターンを示し、他の金属酸化物の存在を示し、これらもまた、多金属触媒系の構成物の一部である。これらの活性化された固体は、M1相だけを示すものに比べてさえ、エチレンへのエタンの酸化脱水素において、著しく、より活性で選択的であることは注目するに値する。
図2〜7、9、10及び17に示されるXRDパターン、及び
図14〜16に報告される顕微鏡画像に見られるように、M1相以外の結晶構造の存在が検出されている。得られる固体は、エチレンへのエタンの酸化脱水素のための、高度に活性で選択的な触媒である。
【0051】
触媒は、固体、例えば、シリカ、シリカゲル、アモルファスシリカ、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、アルミナ、酸化チタン、コージエライト、カオリン、アルミニウム−シリケート、又はこれらの混合物に担持されてもよく、
図16は、例として示されている。選ばれた担体の量は、全触媒重量の20〜70wt%の範囲である。同様に、触媒は、自立した状態の、並びに/或いは、
図10C及び14において確認されるように、固体前駆体として初期に存在する金属元素から得られる及び/又は分離した結晶相と強い相互作用状態の、多金属混合酸化物であってもよい。これに関連して、分離した金属酸化物は、多金属酸化物のナノメートルサイズのM1活性相結晶の形成を可能にし、こうして触媒中の活性部位の数を増加させる。好ましい形態において、分離した相が酸化モリブデン(MoO
3)及び/又はM2相の結晶相であり、これが、多金属混合酸化物(大部分はM1相)のナノメートル結晶の分散を促進することが望ましい。
【0052】
多金属混合酸化物の調製方法
多金属混合酸化物触媒は、様々な元素の化合物を含む溶液から、単体の同じ元素の溶液から、又は、両方の混合物から、望まれる原子比を調節することによって、通常の方法によって調製できる。前述の溶液は、好ましくは、水溶液である。
【0053】
多金属混合酸化物触媒を調製するための手法は、少なくとも次の段階を含む。
1.様々な金属前駆体が混合され、溶液のpHが調節されることもある第1段階。
2.第2段階は、水熱又は熱処理プロセスのいずれかによって固体を生成するための、前のステップの金属前駆体混合物の調製条件の設定を含む。
3.第3段階は、第2ステップで得られた固体を乾燥することを含む。
4.第4段階は、エチレンへのエタンの酸化脱水素のための触媒として使用できる活性化された固体を得るための、乾燥された固体の熱処理手順を含む。
【0054】
第1段階において、金属前駆体は、単体の金属元素、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、鉱酸、及び/又はこれらの混合物であり得る。第1段階の多金属混合酸化物の混合物のpHは、有機若しくは無機塩基又は鉱酸、例えば、アンモニア、H
2SO
4、HNO
3、HCl又はこれらの混合物により調節され得る。
【0055】
1つの調製手法によれば、第2段階の後、混合物は、第2ステップとして、水熱処理を受け、100〜200℃の間に、12〜150時間、保たれる。第2段階の後、混合物は、50〜100℃の範囲の温度で、熱処理される。次いで、混合物は、水を除去するための蒸発プロセスに供する。
【0056】
「ドーピング」調製手法では、ドーピング元素が第1段階の多金属混合酸化物に組み入れられ、組み入れられるこのような元素には、塩、酸化物、水酸化物、若しくはアルコキシドとして、単一で又はこれらの混合物として、Nb、Cu、W、Bi、Sn、Ti、Fe、Co、Ni、Cr、Ga、Zr、希土類元素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれる。次に、混合物は、50〜100℃の範囲の温度で熱処理され、水を除去するために、蒸発プロセスに従う。
【0057】
第2段階において、水熱又は熱処理のいずれかによって調製された、多金属混合酸化物混合物は、第3段階として、80〜120℃で、洗浄又は乾燥される。
【0058】
第3ステップで得られる、乾燥された固体は、酸化剤及び/又は還元性及び/又は不活性雰囲気下の、150〜350℃の範囲の温度での、1〜5時間の熱処理によって活性化される;次いで、酸化剤及び/又は不活性流、好ましくは窒素の下で、150〜700℃の範囲の温度で、1〜5時間、熱処理される。
【0059】
第2段階において、水熱又は熱処理のいずれかによって調製され、洗浄又は乾燥された固体は、150〜700℃の範囲の温度で、熱処理される。次いで、元素、例えば、Nb、Cu、W、Bi、Sn、Ti、Fe、Co、Ni、Cr、Ga、Zr、希土類元素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(塩、酸化物、水酸化物、若しくはアルコキシドとして、単一で又はこれらの混合物として)を含むドーピング溶液が、熱処理された固体と混合される。このようにして得られた、高められた(promoted)材料は、80〜120℃で乾燥される。乾燥された固体は、酸化剤及び/又は還元性及び/又は不活性雰囲気下の、150〜350℃、好ましくは160〜300℃の範囲の温度での、1〜5時間の熱処理によって活性化される;次いで、酸化剤及び/又は不活性流、好ましくは窒素の下で、150〜700℃、好ましくは550〜650℃の範囲の温度で、1〜5時間、熱処理される。
【0060】
第1ステップにおいて調製される多金属混合酸化混合物に構造誘導化合物が添加される、本発明の触媒調製方法によれば、このような有機化学種は、鋳型、若しくは構造誘導剤として、又は固体を生成する金属元素の酸化状態の調節剤として、使用される。このような有機化合物が、多金属混合酸化物混合物に添加される場合、混合物は、第2ステップとして、100〜200℃の間、好ましくは150〜180℃の間の温度で、12〜48時間の、水熱又は熱処理のいずれかを受ける。第3ステップとして、生成した固体は、80〜120℃で、洗浄及び乾燥される。構造誘導有機化合物は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アンモニア、テトラ−メチルアンモニウム又はヒドラジンであり得る。好ましくは、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ−メチルアミン、ジエチルアミン、又はこれらの混合物が利用される。多金属混合酸化物混合物に組み入れられるアミンの量は、触媒が含むことになるMoの量に応じて決まる。多金属混合酸化物混合物における窒素(アミン中の)に対するMoの原子比は、0.0001〜5.0の範囲にある。
【0061】
ヒドラジンが、構造誘導化合物として、多金属混合酸化物混合物に添加される場合、N
2H
2/Moのモル比が、0.001〜2.0、好ましくは0.01から1.0の範囲内で用いられるべきである。
【0062】
第1混合段階において、金属前駆体は、モリブデン、バナジウム及びアンチモンであり、これらは、単体金属元素、若しくは金属塩、若しくは金属酸化物、若しくは金属水酸化物、若しくは金属アルコキシド若しくは鉱酸として、又はこれらの混合物として、添加できる。したがって、硫酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物又は硝酸塩が、好ましくは、ハロゲン化物及び硫酸塩が、金属塩として使用され得る。用語「金属前駆体」は、モリブデン、バナジウム及びアンチモンのこのような任意の形を含むものとする。
【0063】
モリブデンは、混合段階において、好ましくは、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、ヘプタ−モリブデン酸アンモニウム又は酸化モリブデンの形で添加され得る。バナジウムは、同様に混合段階の間に、好ましくは、バナジウム酸アンモニア、硫酸バナジル、酸化バナジウム、シュウ酸バナジル、又は塩化バナジルの形で組み入れることができる。次に、アンチモンも、また、混合段階の間に、好ましくは、酸化アンチモン、硫酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、塩化アンチモン、臭化アンチモン、ヨウ化アンチモン、フッ化アンチモン又は金属アンチモンとして、添加され得る。前記化合物において、アンチモンは、Sb(III)、Sb(V)又はSb(0)の状態にあり得るが、好ましくはSb(III)の化合物として存在し得る。
【0064】
ドーピング元素である、Nb、Cu、W、Bi、Sn、Ti、Fe、Co、Ni、Cr、Ga、Zr、希土類元素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属は、酸化物、水酸化物又はアルコキシドの形で、単一で又は2つ以上の元素の混合物の一部として、添加され得る。金属源として、金属の硫酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物又は硝酸塩が、より好ましくはハロゲン化物及び硫酸塩が利用され得る。
【0065】
次に、ヒドラジンもまた、混合段階の間に、又は、ひとたび全ての様々な金属化合物がすでに組み入れられれば、添加され得る。
【0066】
混合段階の後、静止状態で、又は撹拌下にかのいずれかで、反応器内に保持される時間があり得る。その時間は、静止又は撹拌下に、大気圧又は加圧下に実施され得る。混合段階を終了させた後、多金属混合酸化物触媒の固体前駆体の生成が、水熱又は加熱プロセスによって行われる。
【0067】
第3段階は、加熱プロセスのために、通常の方法、すなわち、オーブンでの蒸発、又は真空乾燥、又は噴霧乾燥、及び/或いはこれらの混合によって実施できる。
【0068】
前記材料を水熱手法により調製する特定の場合において、反応合成の温度及び時間は、固体の物理化学的特性に重要な影響を及ぼす。このため、合成の温度は、100〜200℃、好ましくは150〜180℃の間の範囲にある。合成の時間は、好ましくは、6〜150時間の範囲、より詳細には、12〜48時間内にある。
【0069】
本発明に開示されている手法の別の調製において、モリブデン、バナジウム及びアンチモンの多金属混合酸化物の混合物は、金属酸化物として担体に、例えば、シリカ、シリカゲル、アモルファスシリカ、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、アルミナ、酸化チタン、コージエライト、カオリン、アルミニウム−シリケート、又はこれらの混合物に、組み込まれる。
【0070】
本発明に開示されている手法の別の調製において、担体、例えば、シリカ、シリカゲル、アモルファスシリカ、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、アルミナ、酸化チタン、コージエライト、カオリン、アルミニウム−シリケート、又はこれらの混合物として使用される金属酸化物の量は、20〜70wt%の範囲にあり得る。
【0071】
本発明に開示されている手法の別の調製において、カチオンの酸化状態を調節するために、酸化剤、例えばH
2O
2が、モリブデン、バナジウム及びアンチモンの多金属混合酸化物と、選ばれた担体との混合物に添加される。最終の混合物は、50〜100℃の範囲、好ましくは70〜90℃の間の温度で熱処理され、次いで、それは、水を除去するために、蒸発プロセスに従う。最終ステップとして、生成される固体は、80〜120℃で洗浄及び乾燥される。
【0072】
多金属混合酸化物の活性化プロセス
乾燥された多金属混合酸化物のための活性化プロセスは、酸化剤及び/又は還元性及び/又は不活性雰囲気下の、150〜350℃、好ましくは160〜300℃の範囲の温度での、1〜5時間、好ましくは2時間の熱処理によって実施される;次いで、酸化剤及び/又は不活性流、好ましくは窒素の下で、150〜700℃、好ましくは550〜650℃の範囲の温度で、1〜5時間、好ましくは2時間、熱処理される。
【0073】
第3段階において得られる、乾燥された固体の活性化プロセスにおいて、酸化剤は、酸素、空気、CO
2、亜酸化窒素、オゾン又はこれらの混合物であってよく、より好ましくは酸素又は空気である。
【0074】
代わりに、第3段階において得られる、乾燥された固体の活性化は、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン又はこれらの混合物を含めて、不活性剤により、より好ましくは窒素により実施されてもよい。
【0075】
同様に、第3段階において得られる、乾燥された固体の活性化プロセスは、水素、CO、アルコール、H
2O
2、軽質炭化水素(例えばメタン)、又はこれらの混合物を含めて、還元剤により実施されてもよい。
【0076】
ひとたび熱処理された状態で利用できるようになれば、本発明に記載されている手法に従って調製された触媒は、エチレンを製造するための、エタンの酸化脱水素に使用されるのに適している。
【0077】
エチレンへのエタンの酸化脱水素のための触媒としての、活性化された多金属混合酸化物の利用
【0078】
エチレンを製造するための、エタンの酸化脱水素は、触媒として、活性化された多金属混合酸化物固体を使用し、エタン、又は他の軽質炭化水素と混合されたエタンを、酸化剤及び/又は不活性剤に接触させることを含む。エチレンへの、エタン又は他の軽質炭化水素と混合されたエタンの転化のための供給原料;好ましくは、C
1〜C
4に限定され、それらの含有量が、エタンに対して15体積%より少ない軽質炭化水素を利用する。エチレンへの、エタン又は他の軽質炭化水素と混合されたエタンの転化は、酸素、空気、CO
2、亜酸化窒素、オゾン又はこれらの混合物であってよく、より好ましくは酸素及び空気である酸化剤を利用する。エタン、又は他の軽質炭化水素と混合されたエタンは、不活性剤を含んでいてもよく、これは、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン又はこれらの混合物、より好ましくは窒素であり得る。エチレンへのエタンの酸化脱水素が気相で実施される場合、それは、水蒸気の存在下に実施される。水含有量は、0.0001〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%の間で変わり得る。本発明の触媒は、適度の反応温度(<500℃)、及び大気圧で、酢酸及び/又は他の含酸素炭化水素の生成なしに、92%より大きい高いエタン転化率及び高いエチレン選択性を示す。エチレンへの、エタン又は他の軽質炭化水素と混合されたエタンの転化は、固定床多管又は流動床反応器において、大気圧で(約0.77〜1気圧の間)又は一般に行われている通りの圧力下に、約250℃〜550℃、好ましくは300〜480℃の間、より好ましくは350〜450℃の範囲内の反応温度で、実施され得る。エタンの入口モル流量に対する触媒質量の比に相当する空間−時間(W/F
0ethane)は、10〜800g
cath(mol)
−1の範囲に渡っていたが、好ましくは20〜600g
cath(mol)
−1の範囲内、より好ましくは30〜350g
cath(mol)
−1の間が利用され得る。本発明の触媒は、高いエタン転化率、エチレン選択性及びエチレン収率をもたらす。例えば、MoV
hSb
iA
jO
x触媒は、250〜550℃で変わる反応温度、及び大気圧で、86モル%より大きいエタン転化率を示し、エチレン選択性は95モル%より大きいこともある;ここで、エタンの入口モル流量に対する触媒質量の比に相当する空間−時間(W/F
0ethane)は、10〜800g
cath(mol)
−1の範囲に渡っていた。活性化されたMoV
hSb
i触媒の使用は、420〜540℃の反応温度範囲で、0.8〜1atmの間を含む運転圧力下に、420〜540℃の反応温度範囲で、92%より大きいエチレン選択性をもたらし得るし、エタン転化率は86%より大きい。そのW/F
0ethaneは、80〜160g
cath(mol)
−1の範囲に渡っていた。
【0079】
420〜540℃の範囲の反応温度で、0.8〜1atmの間を含む運転圧力、及び80〜160g
cath(mol)
−1の範囲に渡るW/F
0ethaneの下で、エチレン収率が70%より大きく、活性化されたMoV
hSb
i触媒が、請求項1〜6に従って調製される。活性化されたMoV
hSb
iA
jx触媒の使用は、0.8〜1atmの間を含む運転圧力下に、160g
cath(mol)
−1のW/F
0ethaneで、92%より大きいエチレン選択性、84%より大きいエタン転化率、及び420〜450℃の反応温度範囲をもたらすことができる。同様に、このような触媒は、420〜450℃の範囲の反応温度で、0.8〜1atmの間を含む運転圧力下に、71%より大きいエチレン収率をもたらすことができる。そのW/F
0ethaneは、160g
cath(mol)
−1であった。
【0080】
活性化されたMoV
hSb
i触媒の使用は、390〜470℃の反応温度で、0.8〜1atmの間を含む運転圧力下に、93%より大きいエチレン選択性をもたらし、エタン転化率は75%より大きい。そのW/F
0ethaneは、80〜160g
cath(mol)
−1の範囲に渡っていた。同様に、このような触媒は、390〜470℃の範囲の反応温度で、0.8〜1atmの間を含む運転圧力下に、62%より大きいエチレン収率をもたらすことができる。そのW/F
0ethaneは、80〜160g
cath(mol)
−1の範囲に渡っていた。
【0081】
金属酸化物に担持され、活性化されたMoV
hSb
iA
j触媒の使用は、430〜460℃の反応温度を使用し、0.8〜1atmに間を含む運転圧力下に、95%より大きいエチレン選択性、及び71%より大きいエタン転化率を生じる。そのW/F
0ethaneは、170〜320g
cath(mol)
−1の範囲にある。金属酸化物に担持され、活性化されたMoV
hSb
iA
j触媒は、430〜460℃の反応温度で、0.8〜1atmに間を含む運転圧力下に、63%より大きいエチレン収率をもたらすことができる。そのW/F
0ethaneは、170〜320g
cath(mol)
−1の範囲にあった。こうして、本発明の触媒は、以下の実施例によって示されるように、適度の反応温度(<500℃)で、大気圧で、86モル%より大きいエタン転化率をもたらし、エチレン選択性は、95モル%より大きいことが可能である。
【0082】
[実施例]
本発明に関する基本的態様が説明されたので、一連の実施例が、具体的実施形態を例示するために提供される;しかしながら、本発明は、これらに限定されると考えられるべきではない。以下では、室温は、10〜40℃の範囲の温度と定義される。触媒試験の結果は、ここに記載される実施例に関して、大気圧で得られたが、これは、ここでは、0.77〜1気圧の間の範囲の圧力と定義される。
【0083】
実施例1〜14は、いわゆる水熱法によって調製される触媒に関する。
【0084】
実施例1
11.7グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び2.7グラムの硫酸アンチモンを、80℃で、85グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、17グラムの蒸留水中、4.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒1と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を用い、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0085】
実施例2
10.7グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び3.3グラムの臭化アンチモンを、80℃で、78グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、15グラムの蒸留水中、3.6グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例により得られた固体は、触媒2と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を用い、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0086】
実施例3
12.3グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び2.4グラムの塩化アンチモンを、80℃で、90グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、17グラムの蒸留水中、4.1グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒3と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0087】
実施例4
9.0グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び2.1グラムの硫酸アンチモンを、80℃で、79グラムの蒸留水に溶かし、次いで、この溶液を、4.0mlのH
2SO
4(1M)(pH=2.0)により酸性にする。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、3.0グラムの硫酸バナジルにより、別の溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒4と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0088】
実施例5
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び4.1グラムの硫酸アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かし、得られた溶液を、8.5mlのH
2SO
4(1M)(pH=2.0)により酸性にする。並行して、室温で、25グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、別の溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒5と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0089】
実施例6
8.9グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び2.7グラムの臭化アンチモンを、80℃で、141グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、3.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒6と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0090】
実施例7
17.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.3グラムの臭化アンチモンを、80℃で、125グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、24グラムの蒸留水中、5.7グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で2日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒7と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0091】
実施例8
10.8グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び3.3グラムの臭化アンチモンを、80℃で、79グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、15グラムの蒸留水中、3.6グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒8と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15の原子比を有する。(A)100℃で乾燥され、(B)窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒のX線回折スペクトルが
図1に示される。100℃で乾燥された触媒の走査電子顕微鏡(SEM)画像が、
図11に示される;よく秩序だったクリスタリットが、はっきりと観察され、これらは配置され、適度の多孔性を有するキャビティを形成して、分子の往来を向上させる。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0092】
実施例9
17.5グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.4グラムの臭化アンチモンを、80℃で、127グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、25グラムの蒸留水中、5.8グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加え、次いで、この新たな溶液に0.2グラムの炭酸水素カリウムを混入する。次に、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。この実施例から得られた固体は、触媒9と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15K
0.02の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0093】
実施例10
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.5グラムの臭化アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、25グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。別に、室温で、0.01グラムの炭酸水素カリウムを、3.1グラムの水に溶かして、溶液を生成し、それを、先に得られた7.8gの固体に加える。前の段階により得られた懸濁液を濾過し、得られた固体を蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この熱処理された試料は、触媒10で示され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15K
0.002の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0094】
実施例11
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.5グラムの臭化アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。別に、室温で、0.02グラムの硫酸銅(II)を、3.1グラムの水に溶かして、溶液を生成し、それを、先に得られた7.8gの固体に加える。前の段階により得られた懸濁液を濾過し、得られた固体を蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この熱処理された試料は、触媒11と記され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15Cu
0.003の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0095】
実施例12
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.5グラムの臭化アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。別に、室温で、0.02グラムのシュウ酸ニオブを、3.1グラムの水に溶かして、溶液を生成し、それを、先に得られた7.8gの固体に加える。前の段階により得られた懸濁液を濾過し、得られた固体を蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この熱処理された試料は、触媒12で示され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15Nb
0.003の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0096】
実施例13
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.5グラムの臭化アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。別に、室温で、0.03グラムのメタ−タングステン酸アンモニウムを、3.1グラムの水に溶かして、溶液を生成し、それを、先に得られた7.8gの固体に加える。前のステップにより得られた懸濁液を濾過し、得られた固体を蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この熱処理された試料は、触媒13で示され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15W
0.002の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0097】
実施例14
18.1グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び5.5グラムの臭化アンチモンを、80℃で、132グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で、13グラムの蒸留水中、6.0グラムの硫酸バナジルにより、溶液を調製する。この第2の溶液を、室温で、一定の撹拌下に、第1のものにゆっくりと加える。次いで、得られた混合物を、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。オートクレーブ内に含まれる空気を除去するために、窒素を、5分間、混合物にバブリングする。次に、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で4日間、保つ。次いで、オートクレーブを室温まで冷却する。オートクレーブの内容物を、濾過し、次に、固体フラクションを回収し、蒸留水で洗浄する。次いで、固体を100℃で乾燥し、次に、窒素流の下、600℃で2時間、熱処理する。別に、室温で、0.03グラムの硫酸スズ(II)を、3.1グラムの水に溶かして、溶液を生成し、それを、先に得られた7.8gの固体に加える。前のステップにより得られた懸濁液を濾過し、得られた固体を蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この熱処理された試料は、触媒14で示され、Mo
1.0V
0.36Sb
0.15Sn
0.003の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表1に示される。
【0098】
図17のXRDスペクトルに見られるように、実施例10〜14の触媒は、M1、M2及びMoO
3結晶相を有する。
【0099】
実施例15〜22は、加熱法による触媒の調製に対応する。
【0100】
実施例15
3.6グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び0.9グラムの硫酸アンチモンを、撹拌を続けながら、80℃で、約1時間かけて、63グラムの蒸留水に溶かす。この溶液を、2.3mlのHNO
3(1M)(pH=2.2)を加えることによって酸性にし、その後、0.6グラムのメタバナジン酸アンモニウムを混入する。得られた混合物を、数分間撹拌する(溶液A)。並行して、0.5グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、18グラムの蒸留水に溶かす(溶液B)。次に、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、50℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒15と呼ばれ、Mo
1.0V
0.25Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0101】
実施例16
2.5グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び0.6グラムの硫酸アンチモンを、撹拌を続けながら、80℃で、約1時間かけて、43グラムの蒸留水に溶かす。この溶液を、1.6mlのHNO
3(1M)(pH=2.4)を加えることによって酸性にし、その後、0.4グラムのメタバナジン酸アンモニウムを混入する。得られた混合物を、数分間撹拌する(溶液A)。並行して、0.4グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、12グラムの蒸留水に溶かす(溶液B)。次に、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、50℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下で、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒16で示され、Mo
1.0V
0.25Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0102】
実施例17
3.4グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び0.8グラムの硫酸アンチモンを、撹拌を続けながら、80℃で、約1時間かけて、60グラムの蒸留水に溶かす。この溶液を、1.3mlのH
2SO
4(1M)(pH=2.5)を加えることによって酸性にし、その後、0.6グラムのメタバナジン酸アンモニウム及び4.7mlのHNO
3(1M)(pH=2.4)を混入する。得られた混合物を、数分間撹拌する(溶液A)。並行して、0.5グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、17グラムの蒸留水に溶かす(溶液B)。次に、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、50℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下で、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒17と記され、Mo
1.0V
0.27Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0103】
実施例18
4.0グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び0.9806グラムの硫酸アンチモンを、撹拌を続けながら、80℃で、約1時間かけて、70グラムの蒸留水に溶かす。この溶液に、1.2mlのH
2SO
4(1M)(pH=2.5)を加えることによって酸性にし、その後、0.6452グラムのメタバナジン酸アンモニウム及び1.2mlのHCl(1M)(pH=2.5)を混入する。得られた混合物を、数分間、撹拌する(溶液A)。並行して、0.4211グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、20グラムの蒸留水に溶かす。この溶液を室温まで冷却し、次に、0.7mlのNH
4OH(1M)(pH=2.0)を加える(溶液B)。次いで、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、50℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下に、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒18と記され、Mo
1.0V
0.24Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。空気雰囲気下に280℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒のX線回折パターンが、
図2に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/83の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0104】
実施例19
8.0グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び2.62グラムの臭化アンチモンを、撹拌を続けながら、80℃で、約1時間かけて、140グラムの蒸留水に溶かす。この溶液に、1.3mlのH
2SO
4(1M)(pH=2.5)を加えることによって酸性にし、その後、1.27グラムのメタバナジン酸アンモニウム及び4.7mlのHNO
3(1M)(pH=2.5)を混入する。得られた混合物を、数分間、撹拌する(溶液A)。並行して、0.86グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、40グラムの蒸留水に溶かす(溶液B)。その後、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、50℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下に、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒19と記され、Mo
1.0V
0.24Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。空気雰囲気下に280℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒のX線回折パターンが、
図3に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0105】
実施例20
7.985グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び1.642グラムの塩化アンチモンを、撹拌を続けながら、72℃で、約1時間かけて、140グラムの蒸留水に溶かす。次いで、この溶液に、1.295グラムのメタバナジン酸アンモニウムを加え、その後、15.5mlのHCl(1M)(pH=1.5)により酸性にする。得られた混合物を、数分間、撹拌する(溶液A)。並行して、1.204グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、40グラムの蒸留水に溶かす。この溶液を室温まで冷却し、次に、2.5mlのNH4OH(1M)(pH=2.0)を加える(溶液B)。溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、60℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下に、280℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒20と記され、Mo
1.0V
0.25Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。空気雰囲気下に280℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒のX線回折パターンが、
図4に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0106】
実施例21
7.985グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、及び1.642グラムの塩化アンチモンを、撹拌を続けながら、70℃で、約1時間かけて、140グラムの蒸留水に溶かす。次いで、この溶液に、1.295グラムのメタバナジン酸アンモニウムを加え、その後、8.5mlのHCl(1M)(pH=1.8)により酸性にする。得られた混合物を、数分間、撹拌する(溶液A)。並行して、1.204グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、40グラムの蒸留水に溶かす(溶液B、pH=1.7)。その後、溶液Bを、室温で、撹拌を続けながら、溶液Aにゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、ロータリーエバポレーターで真空下に、60℃で、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、空気雰囲気下に、300℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、触媒21と記され、Mo
1.0V
0.25Sb
0.16Nb
0.06の原子比を有する。空気雰囲気下に300℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒のX線回折パターンが、
図5に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0107】
実施例22
7.0グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物を、撹拌を続けながら、室温で、40グラムの蒸留水に溶かし、次いで、0.99グラムの三酸化アンチモン、及び0.80グラムの過酸化水素(50wt%)溶液を加える。得られた混合物を、三酸化アンチモンが完全に溶解して溶液Aを生成するまで、撹拌下に、80℃で1時間、保つ。並行して、1.4グラムのメタ−バナジン酸アンモニウムを、80℃で、40グラムの蒸留水に溶かす(溶液B)また、並行して、1.28グラムのシュウ酸ニオブを、80℃で、20グラムの蒸留水に溶かし、溶液Bを生成する。後で、溶液Cを、溶液Aと溶液Bをブレンドした後に生成する溶液に加えて、新たな溶液を生成する。次に、この新たな溶液に、80℃で、0.136グラムのヒドラジン一水和物を加え、20分間撹拌する。2.55mLのH
2SO
4(10wt%)(pH=4.7)を、前の段階の混合物に混入する。この最後の混合物の一部である水を、混合物を200℃で加熱することによって蒸発させる。最後に、残った固体を、窒素流の下で、625℃で2時間、熱処理する。熱処理された固体は、触媒22と記され、Mo
1.0V
0.30Sb
0.17Nb
0.07の原子比を有する。窒素流の下で、625℃で熱処理された触媒のX線回折パターンが、
図6に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表2に示される。
【0108】
これから記載される実施例は、合成にアミンを組み入れることを含む水熱法による触媒の調製に対応する。
【0109】
実施例23
6.9グラムのモリブデン酸、2.27グラムのメチルアミン塩酸塩(CH
3NH
2 HCl)を、1.58グラムの硫酸アンチモンと共に、80℃で、85グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、250℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒23で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。(A)100℃で乾燥され、(B)空気雰囲気下に200℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理され、及び(C)空気雰囲気下に250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒のX線回折パターンが、
図7に示されている。(A欄)100℃で乾燥され、(B欄)空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒の代表的な走査電子顕微鏡画像が、
図12に示されている。
図14、A欄に、触媒の走査電子顕微鏡画像に加えて、空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒の、電子分散型分光法(EDS)技法による、選ばれたゾーンの元素化学分析(下の部分)が示されている。触媒の代表的な高分解能透過電子顕微鏡画像が、
図15に示され、(A)M1相の結晶、及び対応するその電子線ナノ−回折(END)パターン(右側)、(B)M1相の結晶、及び対応するそのENDパターン(右側)、並びに(C)MoO
3相の結晶、及び対応するそのENDパターン(右側)である。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0110】
実施例24
6.9グラムのモリブデン酸、2.73グラムのジメチルアミン塩酸塩(CH
3NH CH
3 HCl)を、1.58グラムの硫酸アンチモンと共に、80℃で、85グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、200℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒24で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。(A)100℃で乾燥され、(B)空気雰囲気下に200℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒のX線回折パターンが、
図8に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0111】
実施例25
6.9グラムのモリブデン酸、2.73グラムのエチルアミン塩酸塩(CH
3CH
2NH HCl)及び1.58グラムの硫酸アンチモンを、80℃で、85グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、250℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒25で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。(A)100℃で乾燥され、(B)空気雰囲気下に200℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、(C)空気雰囲気下に250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、及び(D)空気雰囲気下で、280℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒のX線回折パターンが、
図9に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0112】
実施例26
6.9グラムのモリブデン酸、2.73グラムのエチルアミン塩酸塩(CH
3CH
2NH HCl)を、1.58グラムの硫酸アンチモンと共に、80℃で、85グラムの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、200℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒26で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0113】
実施例27
6.9グラムのモリブデン酸、3.18グラムのトリメチルアミン塩酸塩[(CH
3)
3N HCl]を、1.58グラムの硫酸アンチモンと共に、80℃で、85mlの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、200℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒27で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。(A)100℃で乾燥され、(B)空気雰囲気下に200℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、(C)空気雰囲気下に250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒のX線回折パターンが、
図10に示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0114】
実施例28
6.9グラムのモリブデン酸、3.18グラムのトリメチルアミン塩酸塩[(CH
3)
3N HCl]を、1.58グラムの硫酸アンチモンと共に、80℃で、85mlの蒸留水に溶かす。並行して、室温で17グラムの水に2.29グラムの硫酸バナジルを含む第2の溶液を調製する。第2の溶液を、撹拌下に、室温で、第1のものにゆっくりと加える。得られた混合物を、30分間さらに撹拌し、その後、テフロンコートステンレス鋼オートクレーブに移す。混合物を、オートクレーブ内部に含まれる空気を追い出すために、5分間、窒素でバブリングする。次いで、オートクレーブを、撹拌なしに、175℃で1日、保つ。次に、オートクレーブを室温まで冷却し、その内容物を濾過する。固体フラクションを回収し、次いで、蒸留水で洗浄する。後で、固体を100℃で乾燥し、次に、空気雰囲気下に、250℃で熱処理し、最後に、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。熱処理された試料は、触媒28で示され、Mo
1.0V
0.38Sb
0.16の原子比を有する。(A欄)100℃で乾燥され、(B欄)空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された、触媒の代表的な走査電子顕微鏡画像が、
図13に示されている。
図14、B欄に、触媒の走査電子顕微鏡画像に加えて、空気雰囲気下で、250℃で熱処理され、次いで、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒の、電子分散型分光法技法による、選ばれたゾーンの元素化学分析(下の部分)が示されている。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件が、表3に示される。
【0115】
以下の例は、加熱法による担持触媒の調製に対応する。
【0116】
実施例29
8.0グラムのヘプタ−モリブデン酸アンモニウム四水和物、1.2189グラムのメタ−バナジン酸アンモニウム、及び1.734グラムの酸化アンチモン(Sb
2O
3)を、100℃で、32グラムの水に溶かし、混合物を、撹拌下に2時間保ち、この後、溶液を50℃に冷却した。次いで、7.96グラムのシリカゲル(60Åの細孔径、及び500m
2/gの表面積を有する)を加え、30分間撹拌した。最後に、8グラムの希釈H
2O
2(5wt%)を加え、1時間撹拌した(溶液A)。
【0117】
並行して、60℃で、撹拌下に、5グラムの水に1.88グラムのシュウ酸ニオブを用い、溶液を調製する;この溶液を、室温で冷ました。後の溶液を、一定の撹拌下に、室温で、溶液Aに、ゆっくりと加える。この新たな溶液を構成する水を、蒸発によって除去する。得られた固体を100℃で乾燥し、次いで、窒素流の下で、600℃で2時間、熱処理する。この実施例において生成された固体試料は、40wt%のSiO
2及び60wt%の活性相によって構成され、Mo
1.0V
0.23Sb
0.26Nb
0.09の原子比を有し、試料は、触媒29とラベル表示した。
図16に、触媒の走査電子顕微鏡画像に加えて、窒素流の下で、600℃で熱処理された触媒の、電子分散型分光法技法による、選ばれたゾーンの元素化学分析(右側)が示される。さらなる段階において、それは、石英製固定床反応器において、フィードとして、9/7/84の公称モル比を有するエタン/酸素/窒素から構成されるガス混合物を使用し、触媒として試験される。触媒活性試験の結果と、温度及び空間−時間に関する対応する運転条件は、表3に示されている。
【0118】
表1〜3は、様々な化学組成で、いくつかの方法によって調製された、多金属混合酸化物触媒性能の結果を示す。最も重要なパラメータだけが含められた。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】