(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369819
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】りん型独楽
(51)【国際特許分類】
A63H 1/28 20060101AFI20180730BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
A63H1/28
A63H5/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-135999(P2017-135999)
(22)【出願日】2017年7月12日
【出願変更の表示】実願2017-2554(U2017-2554)の変更
【原出願日】2014年10月2日
(65)【公開番号】特開2017-185298(P2017-185298A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年7月20日
(31)【優先権主張番号】特願2014-185331(P2014-185331)
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】
上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−139572(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3182093(JP,U)
【文献】
国際公開第2013/168961(WO,A1)
【文献】
特開2001−054683(JP,A)
【文献】
米国特許第04954116(US,A)
【文献】
特表平06−508767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口したりんと、
前記りんの底部に設けた回転するための軸芯と、
前記りんの振動の妨げにならないように当該りんの内側底部の中央部から立設した回し軸とを備えたことを特徴とするりん型独楽。
【請求項2】
前記りんは中央部にめねじ部を有し、
前記回し軸はおねじ部と先端に独楽が回転する軸芯とを有し、
前記回し軸のおねじ部を前記りんのめねじ部に螺着すると独楽になることを特徴とする請求項1記載のりん型独楽。
【請求項3】
前記回し軸は慣性モーメントを発生させる重量部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のりん型独楽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、りんと独楽(こま)としての機能を結合させたりん型独楽に関する。
【背景技術】
【0002】
独楽(こま)は、バランスをとるための重りの先に回転軸芯が付いたものであり、回転させて遊ぶ玩具の一種である。
りんは、りん棒で打ち鳴らすもので仏具としても利用され、音色に特徴がある。
独楽の遊び方としては回る時間を競うものの他に、ぶつけ合せて遊ぶことも行われている。
特許文献1には、発音孔を有する空洞円筒状の発音体を重ね合せたうなり独楽を開示する。
しかし、この種のうなり独楽は回転時の風切り音であり、味わいのある音色と言えるものではない。
そこで本発明者は、小型りんに有する澄み切った独特の音色が出る独楽を検討した結果、本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−342103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、デザイン性に優れ、りん音が発生するりん型独楽の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るりん型独楽は、上部
又は下部が開口したりんと、前記りんの中央部に立設した回し軸とを備えたことを特徴とする。
ここでりんは、物にぶつかったり、独楽同士がぶつかり合ったりすると、りんが振動し共鳴音が出るものである。
従来から仏具として用いられているおりんは、りん棒で打つと打音の後に数秒以上の残響音が続くものである。
よって、本発明におけるりんは少なくとも1秒以上、好ましくは2秒以上残響音が出るものをいう。
また、りんの形状は、従来のお椀状のりん形状のみならず、逆さにしたお椀状、異形状、りんの開口部が花模様等にデザイン化されたもの、2つのりんが開口部を向き合せて、あるいは背を向けるように対にしたもの等も含まれる。
【0006】
例えば、上部が開口したりんの底部に回転する軸芯を設け、りんの内側底部に、りんの振動の妨げにならないように回し軸を立設したものでもよく、りんと回し軸との連結構造に制限はないが、りんは中央部にめねじ部を有し、前記回し軸はおねじ部と先端に独楽が回転する軸芯とを有し、前記回し軸のおねじ部を前記りんのめねじ部に螺着すると独楽になるようにすると、構造が簡単で組立て易い。
このようにすると、回し軸のおねじ部を前記りんの外側から当該りんのめねじ部に螺着すると携帯りんとなる。
ここで、携帯りんは、仏具として引磬とも称されている。
本発明においては、軸芯は当該軸芯の動きに合せてボールが回転しインクが滲出するボールペン機構を有するようにすることもできる。
このようにすると、独楽の軌跡に沿って線を描くことができる。
また、独楽として遊ぶ場合には、長く回るように慣性モーメントが大きくなる重量部を回し軸に設けてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るりん型独楽は、りん部を打りんすると、りんとしての機能を有し、回し軸を手で持って回すと、独楽としての機能を有する。
よって、独楽として遊ぶ場合に独楽が回転しながら物にぶつかったり、他の独楽にぶつかると、りん独特の音色で鳴る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明に係る独楽の外観斜視図を示し、(b)は部分断面図を示す。
【
図2】(a)は携帯りん(引磬)の状態に組立てた状態の外観斜視図を示し、(b)は部分断面図を示す。
【
図3】(a)から(c)はりん型独楽を形成する部品図を示す。
【
図4】(a)はりん型独楽の平面図、(b)は底面図を示す。
【
図5】軸芯の例を示し、(a)は先端角が約30°、(b)は先端角が約80°の例である。(c)は軸芯の先端部にボールを保持させた例である。
【
図6】回し軸に大きい慣性モーメントを発生させるための重量部を形成した例を示す。(a)は上部が開口したりんの場合を示し、(b)は下部が開口したりんの場合を示す。
【
図7】(a)はりんの形状が有底円筒状の例を示し、(b)は2つのりんの開口部を向き合せて一対にした例を示す。
【
図8】複数のりん型独楽をぶつけ合せて遊ぶ例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るりん型独楽は、りんとしての機能を付加した独楽として捉えることもでき、逆に独楽として遊べるりんと捉えることもできる。
【0010】
図1に独楽の状態にしたものを示し、
図2に携帯りんの状態にしたものを示す。
図1に示した実施例のりん型の独楽10は、お椀形状の上部が開口したりん11の内側底部から回し軸12を立設させた例である。
りん11は、銅合金,鉄,アルミ等の金属製が好ましく、図示を省略したが、りん棒等で打りんすると澄み切った共鳴音が出る外径10〜40mmの小型のりんが好ましい。
回し軸12は、独楽を回すためのものであり、紐等で廻すこともできるが、本実施例は手で回すことができる回し軸12となっている。
【0011】
独楽の回転中心となる軸芯は、りんの底部に形成される。
この場合にりんの底部に直接形成してもよいが、本実施例ではりん11の底部11aが曲面形状のお椀型で上部が開口部11bになっているとともに、底部にめねじ部11cを形成することで、回し軸12の先端部におねじ部12cを形成し、その先に軸芯12dを形成した回し軸12を
図1に示すようにりん11の内側から螺着でき、また
図2に示すようにりん11の外側からも螺着できるようにした。
【0012】
これにより、
図1のように組立てると回し軸12の先端部がりん11の底部から突設され、独楽を回す軸芯12dとなる。
本実施例では、回し軸12の軸部12bの上部が拡径したつまみ部12aになっていて、指先でつまみ部12aをつまみ、独楽を回すことができる。
本実施例では、りん11の底部と回し軸12との連結部間にOリング13を設けた例になっているが、
図5(c)に示すようにこのOリング13は必ずしも必要ではない。
図2に示すように、回し軸12をりん11の外側底部から螺着すると引磬になり、回し軸12を把持し、りん棒等で打りんするのに用いることができる。
部品の構成を
図3に示す。
【0013】
図5に軸芯の形状例を示し、(a)は先端角が約30°、(b)は先端角が約80°の例である。
(c)は、先端部にボールペンの芯先に採用されているボール12eを取り付けた例である。
図5(a)の独楽と(c)のボール12eを有する独楽を比較した。
相対的に硬い台の表面にて独楽を回すと、(c)では回し初めは傾斜した歳差運動をした後に直立回転した。
相対的に軟らかい台の表面にて独楽を回すと、(a),(b)ともに直立回転になるのが早かった。
軸芯12dにボール12eを取り付けると、ボール12eが台の表面にて摺る状態と、ボール12eが回転しながら独楽が回る状態が状況に応じて結合されていると思われる。
また、このようにボール12eによるボールペン機構を有すると、独楽の動く軌跡に沿ってボール12eが回転すると、それに伴ってインクが滲出し線が描かれる。
さらには、回し軸12を持ってペンとして使用もできる。
【0014】
次に本発明に係るりん型独楽の変形例を示す。
図6は、回し軸12に軸径よりも拡径させた重量部112を設けることで、回転時の慣性モーメントが大きくなるようにした例である。
(a)は、お椀型のりん11の開口部を上向きにした例で、(b)はりん11の開口部を下向きにした例である。
(b)のように、りん11の開口部を下向きにした場合は、回し軸12の先端部におねじ部12cを形成し、このおねじ部12cにりん11のめねじ部11cを螺着するとともに、おねじ部12cの先に重量部112を螺着することで組み立てることができる。
この場合に軸芯12dは、重量部112の底部に設けるとよい。
本発明においてりんの形状に限定がなく、
図7(a)に示した例は、有底筒状のりん111であり、りんの外径は円状に限らず五角形等の多角形であってもよく、開口部の上端を花びら状に凹凸形状にする等、デザイン化された異形状であってもよい。
図7(b)は、りん11,11の開口部を上下に向き合せ、隙間dを形成した一対のりんからなる、りん型独楽の例であり、この場合にりん11の底部側を背合せにした上下に開口部を有する一対のりんにすることもできる。
【0015】
図8は、2つの独楽を回し、ぶつけ合せて遊ぶ例を示す。
台1の上面に中央部が少し凹んだ土俵部2を形成し、この土俵部2にて独楽同士をぶつけ合せて遊ぶ例である。
2つのりん型の独楽10,10がぶつかるとチリリンと音が鳴り、その残響音が長く、従来のぶつけ独楽にない音色が楽しめる。
また、独楽を回した状態で例えば、りん棒のような棒状体で軽く触れるだけで音が鳴り、楽しむこともできる。
りんの外形を多角形にしたり、開口部に凹凸を設け花模様のように異形状にすると、棒体を回転している独楽に近づけるだけで音色を楽しむことができる。
【符号の説明】
【0016】
10 独楽
11 りん
12 回し軸
12d 軸芯
112 重量部