(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御装置であって、
前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算手段と、
前記相電流演算手段によって演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算手段と、
前記電圧指令演算手段によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調手段と、
基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成手段と、
前記指令変調手段により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成手段によって生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成手段と
を具備し、
前記PWM信号生成手段は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御装置。
前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最小値を示した電圧指令をフルオフさせる相として特定し、特定した相の電圧指令を常に前記フルオフ電圧に設定する請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最大値を示した電圧指令をフルオンさせる相として特定し、特定した相の電圧指令を常に前記フルオン電圧に設定する請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最小値を示した電圧指令をフルオフさせる相として特定する期間と、最大値を示した電圧指令をフルオンさせる相として特定する期間とを所定の周波数で切り替え、
前記所定の周波数は、前記搬送波の周波数よりも低く設定されている請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御方法であって、
前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算工程と、
前記相電流演算工程において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算工程と、
前記電圧指令演算工程によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調工程と、
基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成工程と、
前記指令変調工程により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成工程により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成工程と
を具備し、
前記PWM信号生成工程は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御方法。
直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御プログラムであって、
前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算処理と、
前記相電流演算処理において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算処理と、
前記電圧指令演算処理によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調処理と、
基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成処理と、
前記指令変調処理により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成処理により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成処理と
をコンピュータに実行させ、
前記PWM信号生成処理は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のインバータでは、直流入力電流から各相電流を得ることができるが、高効率化を達成することは難しい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、直流入力電流から各相電流を演算できるとともに、高効率化を図ることのできるインバータ制御装置及びインバータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御装置であって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算手段と、前記相電流演算手段によって演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算手段と、前記電圧指令演算手段によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調手段と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成手段と、前記指令変調手段により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成手段によって生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成手段とを具備
し、前記PWM信号生成手段は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御装置である。
本発明の第2態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御装置であって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算手段と、前記相電流演算手段によって演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算手段と、前記電圧指令演算手段によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調手段と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成手段と、前記指令変調手段により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成手段によって生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成手段とを具備し、前記PWM信号生成手段は、前記他の二相の電圧指令のいずれか一方と前記第1搬送波とを比較するとともに、前記他の二相の電圧指令の他方と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御装置である。
【0007】
本態様のインバータ制御装置によれば、三相電圧指令のうちのいずれか一相は、フルオンまたはフルオフの状態とされるため、スイッチング損失を低減させることが可能となる。更に、3つの搬送波と各相電圧指令とを比較することにより、PWM信号を生成するので、国際公開第2010/095445号に開示されているように、一定期間以上の電流検出期間が確保でき、相電流検出を安定して行うことが可能となる。
また、前記PWM信号生成手段
が、
他の二相の電圧指令のいずれか一方と第1搬送波とを比較するとともに、他の二相の電圧指令の他方と第3搬送波とを比較してPWM信号を生成するので、無駄な電力消費を削減することが可能となる。
【0008】
上記インバータ制御装置において、前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最小値を示した電圧指令をフルオフさせる相として特定し、特定した相の電圧指令を常に前記フルオフ電圧に設定することとしてもよい。あるいは、上記インバータ制御装置において、前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最大値を示した電圧指令をフルオンさせる相として特定し、特定した相の電圧指令を常に前記フルオン電圧に設定することとしてもよい。
【0009】
このようにすることで、デューティを100%とするフルオンとデューティを0%とするフルオフとが頻繁に切り替わることによる中性点の変動を抑制することができ、リップルの発生を抑制することができる。
【0010】
上記インバータ制御装置において、前記指令変調手段は、前記三相電圧指令のうち、最小値を示した電圧指令をフルオフさせる相として特定する期間と、最大値を示した電圧指令をフルオンさせる相として特定する期間とを所定の周波数で切り替えることとしてもよい。この場合において、前記所定の周波数は、前記搬送波の周波数よりも低く設定されていることが好ましい。例えば、搬送波の周波数の1/100倍以下に設定されることが好ましい。
【0011】
このように、前記三相電圧指令のうち、最小値を示した電圧指令をフルオフさせる相として特定する期間と、最大値を示した電圧指令をフルオンさせる相として特定する期間とを所定の周波数で切り替えることにより、上述した常にフルオンあるいは常にフルオフとする場合に比べて、インバータにおける上アームと下アームとをバランスよく使用することができる。
【0013】
本発明の第
3態様は、上記のインバータ制御装置を備えるインバータ装置である。
本発明の第
4態様は、上記インバータ装置を有する電動圧縮機を備える車載用空調機である。
【0014】
本発明の第
5態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御方法であって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算工程と、前記相電流演算工程において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算工程と、前記電圧指令演算工程によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調工程と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成工程と、前記指令変調工程により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成工程により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成工程とを具備
し、前記PWM信号生成工程は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御方法である。
本発明の第6態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御方法であって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算工程と、前記相電流演算工程において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算工程と、前記電圧指令演算工程によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調工程と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成工程と、前記指令変調工程により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成工程により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成工程とを具備し、前記PWM信号生成工程は、前記他の二相の電圧指令のいずれか一方と前記第1搬送波とを比較するとともに、前記他の二相の電圧指令の他方と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御方法である。
【0015】
本発明の第
7態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御プログラムであって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算処理と、前記相電流演算処理において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算処理と、前記電圧指令演算処理によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調処理と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成処理と、前記指令変調処理により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成処理により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成処理とをコンピュータに実行させ
、前記PWM信号生成処理は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合に、最小値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成し、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、最大値の前記相電圧指令と前記第2搬送波とを比較するとともに、中間値の前記相電圧指令と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御プログラムである。
本発明の第8態様は、直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に出力するインバータと、前記インバータの入力側の直流電流を計測する電流計測手段とを有するインバータ装置に適用されるインバータ制御プログラムであって、前記電流計測手段の計測結果を用いて前記交流電動機に流れる各相電流を演算する相電流演算処理と、前記相電流演算処理において演算された相電流を用いて前記交流電動機に与える三相電圧指令を演算する電圧指令演算処理と、前記電圧指令演算処理によって生成された各相電圧指令を比較し、比較結果に基づいてフルオンまたはフルオフさせる相を特定し、特定した相の電圧指令をデューティ100%に対応するフルオン電圧またはデューティ0%に対応するフルオフ電圧に設定するとともに、他の二相の電圧指令を前記フルオン電圧または前記フルオフ電圧に従ってオフセットし、線間電圧を一定に保つような電圧指令に変更する指令変調処理と、基準となる第1搬送波と、前記第1搬送波を一定時間遅らせた第2搬送波と、前記第1搬送波を一定時間進ませた第3搬送波を生成する搬送波生成処理と、前記指令変調処理により変調された後の各相電圧指令と前記搬送波生成処理により生成された3つの搬送波とを予め設定されている所定のルールに従って比較し、PWM信号を生成するPWM信号生成処理とをコンピュータに実行させ、前記PWM信号生成処理は、前記他の二相の電圧指令のいずれか一方と前記第1搬送波とを比較するとともに、前記他の二相の電圧指令の他方と前記第3搬送波とを比較して前記PWM信号を生成するインバータ制御プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、直流入力電流を計測することによって三相電流を検出できるとともに、高効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るインバータ装置の概略構成を示した図であるである。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るインバータ制御装置の機能ブロック図である。
【
図3】電圧指令生成部により生成された三相電圧指令の一例を示した図である。
【
図4】
図3に示した三相電圧指令を指令変調部により変調した後の三相電圧指令を示した図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るPWM信号生成部により生成されるPWM信号について説明するための図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るPWM信号生成部により生成されるPWM信号について説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る電圧指令生成部によって生成された三相電圧指令の一例を示した図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るインバータ制御装置により、
図7に示された三相電圧指令に基づいて生成された変調後の三相電圧指令である。
【
図9】
図8に示された変調後の三相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るPWM信号生成部により生成されるPWM信号と、第2実施形態に係るPWM信号生成部により生成されるPWM信号とを比較して示した図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るインバータ制御装置により、
図7に示された三相電圧指令に基づいて生成された変調後の三相電圧指令である。
【
図12】
図11に示された変調後の三相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係るインバータ制御装置において、いずれか一相の電圧指令を常にフルオン電圧に設定した場合の変調後の三相電圧指令の一例を示した図である。
【
図14】
図13に示された変調後の三相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係るインバータ制御装置において、いずれか一相の電圧指令を常にフルオフ電圧に設定した場合の変調後の三相電圧指令の一例を示した図である。
【
図16】
図15に示された変調後の三相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るインバータ制御装置及びインバータ装置を車載の空気調和機に使用される電動圧縮機に適用した場合の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明に係るインバータ制御装置及びインバータ装置は、以下に説明する電動圧縮機のみに適用されるものではなく、モータ全般に広く適用することができる。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置の概略構成を示した図である。
図1に示されるように、インバータ装置1は、直流電源7からの直流電圧Vdcを三相交流電圧に変換して電動圧縮機のモータ5に出力するインバータ2と、インバータ2を制御するインバータ制御装置3と、インバータ制御装置3から与えられるPWM信号に基づいてインバータ2を駆動するドライバ回路4とを備えている。
【0020】
インバータ2は、各相に対応して設けられた上側アームのスイッチング素子S
1u、S
1v、S
1wと下側アームのスイッチング素子S
2u、S
2v、S
2wとを備えており、これらのスイッチング素子がインバータ制御装置3からのPWM信号に基づいてドライバ回路4によって駆動されることにより、モータ5に供給される3相交流電圧が生成される。
【0021】
また、インバータ装置1は、インバータ2の入力側の直流電流(直流入力電流)Idcを検出するための電流センサ(電流計測手段)6及びインバータ2の入力直流電圧Vdcを検出する電圧センサ8を備えている。
電流センサ6により検出された直流電流Idc及び電圧センサ8により検出された直流電圧Vdcはインバータ制御装置3に入力される。ここで、電流センサ6の一例としては、シャント抵抗が挙げられる。なお、
図1では、電流センサ6を直流電源5の負極側に設けているが、正極側に設けることとしてもよい。
【0022】
インバータ制御装置3は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)であり、以下に記載する各処理を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を有しており、CPUがこの記録媒体に記録されたプログラムをRAM等の主記憶装置に読み出して実行することにより、以下の各処理が実現される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。
【0023】
インバータ制御装置3は、モータ5の回転速度が上位の制御装置(図示略)から与えられるモータ速度指令に一致させるようなPWM信号Sを相毎に生成し、生成したPWM信号Sをドライバ回路4に出力する。ドライバ回路4は、PWM信号Sに基づく駆動電圧をインバータ2の各相に対応するスイッチング素子に与えることでインバータ3を駆動し、所望の3相交流電圧をモータ5に供給する。
【0024】
図2は、インバータ制御装置3が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
図2に示すように、インバータ制御装置3は、相電流演算部11と、電圧指令生成部12と、指令変調部13と、搬送波生成部14と、PWM信号生成部15とを備えている。
相電流演算部11は、電流センサ6により検出された直流電流Idcと、PWM信号生成部15からインバータ2に与えられるPWM信号Sとを用いてU相、V相、W相の各相電流を演算する。なお、直流電流Idcから各相電流を演算する方法については公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
電圧指令生成部12は、電圧センサ8によって計測された直流電圧Vdc及び相電流演算部11によって演算された各相電流、及び上位制御装置(図示略)から与えられる回転数指令N
*等を用いて、モータ5の回転数を回転数指令N
*に一致させるような三相電圧指令を生成する。三相電圧指令を生成する手法については、適宜公知の技術を採用して用いればよい。例えば、V/f一定制御、ベクトル制御等が一例として挙げられる。
【0026】
指令変調部13は、電圧指令生成部12によって生成された三相電圧指令を二相変調する。例えば、指令変調部13は、その時々における三相電圧指令の値を比較し、所定のアルゴリズムに従ってこの比較結果からいずれか一相の電圧指令をフルオン電圧(デューティ100%に対応する電圧)またはフルオフ電圧(デューティ0%に対応する電圧)に設定し、他の2相については、フルオン電圧またはフルオフ電圧に応じてオフセットして、線間電圧が一定となるように調整する。
【0027】
例えば、三相電圧指令のうち、最大値と最小値とを抽出し、最大値とフルオン電圧との差、最小値とフルオフ電圧との差を算出し、差が小さい方をオフオンまたはフルオフの対象として選定する。なお、本実施形態では、上記のようなアルゴリズムに従ってフルオンまたはフルオフの相を決定することとしたが、この例に限られず、例えば、最大値をとる相を常にフルオンさせる、あるいは、最小値をとる相を常にフルオフさせるなど、制御目的に応じてフルオン/フルオフさせる相の決定する際のアルゴリズムを作成すればよい。
【0028】
例えば、
図3に示すような三相電圧指令が生成された場合、回転子位置(電気角)が30[deg]から60[deg]の範囲では、W相の電圧指令値とフルオフ電圧との差ΔVwの方が、U相の電圧指令値とフルオン電圧との差ΔVuよりも小さい。また、回転子位置が60[deg]から90[deg]の範囲では、W相の電圧指令値とフルオフ電圧との差ΔVwの方が、V相の電圧指令値とフルオン電圧との差ΔVvよりも小さい。したがって、
図4に示すように、回転子位置が30[deg]から90[deg]の範囲では、W相の電圧指令がフルオフ電圧に設定され、他の二相の電圧指令は、線間電圧が一定となるように、フルオフ電圧に応じてオフセットされる。
これにより、
図3に示した三相電圧指令は、指令変調部13により、
図4に示すような三相電圧指令に変更される。
【0029】
搬送波生成部14は、
図5に示すように、一定時間間隔Tsを有する3つの搬送波C1、C2、C3を生成する。例えば、基準となる第1搬送波C1を一定時間遅らせた第2搬送波C2、第1搬送波C1を一定時間進ませた第3搬送波を生成する。なお、
図5の詳細については後述する。
【0030】
PWM信号生成部15は、指令変調部13によって変調された三相電圧指令と、搬送波生成部14によって生成された3つの搬送波とを所定のルールに従って比較し、PWM信号Sを生成する。具体的には、PWM信号生成部15は、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧に設定されている場合には、電圧指令の最小値と第2搬送波C2とを比較するとともに、電圧指令の中間値と第3搬送波C3とを比較して、PWM信号Sを生成する。なお、この場合、フルオン電圧に設定されている相については、デューティは100%となる。
【0031】
図5は、搬送波1周期分の波形を拡大して示した図である。なお、三相電圧指令は
図4に示すように回転子位置によって変化するが、搬送波1周期に相当する三相電圧指令は直流電圧値としてみなせるので、
図5では各相電圧指令が一つの値(直線)として表されている。なお、以降についても同様である。
【0032】
図5は、V相電圧指令Vv
*がフルオン電圧に設定され、W相電圧指令が中間値をとり、U相電圧指令が最小値をとる場合について例示した図である。これは、例えば、
図4に示した回転子位置120[deg]から150[deg]の範囲に相当する。この場合、PWM信号生成部15は、第2搬送波C2と最小値であるU相電圧指令Vu
*とを比較し、第3搬送波C3と中間値であるW相電圧指令Vw
*とを比較することで、
図5の下段に示すようなPWM信号Sを生成する。また、フルオン電圧に設定されているV相については、デューティは100%となる。
【0033】
また、PWM信号生成部15は、いずれか一相の電圧指令がフルオフ電圧に設定されている場合には、電圧指令の最大値と第2搬送波C2とを比較するとともに、電圧指令の中間値と第3搬送波C3とを比較して、PWM信号Sを生成する。なお、この場合、フルオフ電圧に設定されている相については、デューティは0%となる。
【0034】
図6は、V相電圧指令Vv
*がフルオフ電圧に設定され、U相電圧指令Vu
*が中間値をとり、W相電圧指令Vw
*が最大値をとる場合について例示した図である。これは、例えば、
図4に示した回転子位置270[deg]から300[deg]の範囲に相当する。
図6に示すように、PWM信号生成部15は、第2搬送波C2と最大値であるW相電圧指令Vw
*とを比較し、第3搬送波C3と中間値であるU相電圧指令Vu
*とを比較することで、
図6の下段に示すようなPWM信号Sを生成する。また、フルオフ電圧に設定されているV相については、デューティは0%となる。
図5、
図6に示すように、いずれの場合においても一相の電流のみが入力直流電流Idcとして流れる期間、すなわち、電流検出期間として、一定期間Ts以上の時間を確保できている。これにより、各相電流を確実に検出することが可能となる。
【0035】
次に、上記構成を備えるインバータ制御装置3及びインバータ装置1の動作について説明する。
インバータ装置1において、電流センサ6、電圧センサ8により直流電流Idc、直流電圧Vdcがそれぞれ検出され、検出結果がインバータ制御装置3に出力される。インバータ制御装置3では、相電流演算部11において、PWM信号Sと直流電流Idcとから各相電流が演算され、電圧指令生成部12に出力される。電圧指令生成部12では、電圧センサVdcによって計測された直流電圧Vdc、各相電流、及び不図示の上位制御装置から与えられる回転数指令N
*等を用いて、モータ5の回転数を回転数指令N
*に一致させるような各相電圧指令が生成され、指令変調部13に出力される。
【0036】
指令変調部13では、電圧指令生成部12によって生成された三相電圧指令が二相変調される。具体的には、その時々の三相電圧指令の値の比較において、いずれか一相の電圧指令がフルオン電圧またはフルオフ電圧に設定され、他の2相の電圧指令については、フルオン電圧またはフルオフ電圧に応じてオフセットされて、線間電圧が一定となるように調整される。指令変調部13により変調された各相電圧指令は、PWM信号生成部15に出力される。
【0037】
PWM信号生成部15は、指令変調部13から入力された各相電圧指令と、搬送波生成部14において生成された一定間隔Tsを有する3つの搬送波C1、C2、C3とを比較することにより、PWM信号Sを生成する。
【0038】
このようにしてPWM信号生成部15により生成されたPWM信号Sは、ドライバ回路4に出力される。ドライバ回路4は、各相のPWM信号に基づいて各相に対応するアームのスイッチング素子に対して駆動電圧を与えることにより、インバータ2を制御する。これにより、各相電圧指令に応じた電圧がモータ5に供給され、モータ5の回転数が制御される。
【0039】
図7は、電圧指令生成部12によって生成された三相電圧指令の一例、
図8は、
図7に示された三相電圧指令に基づいて生成された変調後の三相電圧指令、
図9は、
図8に示された各相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
図9において、「(OFF)」はフルオフ電圧、すなわちデューティ0[%]を示し、「(ON)」は、フルオン電圧、すなわちデューティ100%を示している。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係るインバータ制御装置3及びインバータ装置1によれば、
図5及び
図6に示すように、Ts期間以上の電流検出期間が確保できるとともに、二相変調方式を採用することにより、三相のうちの一相についてはスイッチングが停止されるので、スイッチング損失を低減することができ、高効率化を図ることが可能となる。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るインバータ制御装置及びインバータ装置について図を参照して説明する。本実施形態に係るインバータ制御装置及びインバータ装置では、PWM信号生成部によるPWM信号の生成処理が上述した第1実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態に係るPWM信号生成部は、相電圧指令がフルオン電圧またはフルオフ電圧に設定されていない他の2相については、時間差がTsの搬送波同士、例えば、第1搬送波C1と第2搬送波C2、あるいは、第1搬送波C1と第3搬送波C3を用いてPWM信号を生成する。
図10は、V相電圧指令Vv
*がフルオン電圧に設定され、W相電圧指令Vw
*が中間値をとり、U相電圧指令Vu
*が最小値をとる場合について例示した図であり、
図10(a)は上述した第1実施形態に係るインバータ制御装置3により生成されたPWM信号S、
図10(b)は、本実施形態に係るインバータ制御装置により生成されたPWM信号を示している。
図10(b)に示すように、本実施形態では、第2搬送波C2と最小値であるU相電圧指令Vu
*とを比較し、第1搬送波C1と中間値であるW相電圧指令Vw
*とを比較することで、PWM信号を生成する。
【0042】
ここで、
図10(a)、(b)には、それぞれのPWM信号に基づくUV線間電圧Vuwが示されている。
図10(a)、(b)の最下段に示すように、第2実施形態におけるPWM信号の方が、第1実施形態に係るPWM信号よりも無駄な電圧を低減できるという効果がある。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係るインバータ制御装置及びインバータ装置によれば、相電圧指令がフルオン電圧またはフルオフ電圧に設定されていない他の2相については、時間差がTsの搬送波同士、例えば、第1搬送波C1と第2搬送波C2、あるいは、第1搬送波C1と第3搬送波C3を用いてPWM信号を生成する。したがって、
図10(b)に示すように、無駄な電力消費を回避することが可能となる。これにより、インバータの出力電流に重畳される高調波成分を更に低減できるとともに、インバータ装置の効率を更に向上させることが可能となる。
【0044】
ただし、本実施形態に係るPWM信号に基づくインバータ制御では、
図10(b)からもわかるように、フルオン電圧またはフルオフ電圧に設定されていない他の2相の電圧指令のうちのいずれか一相がフルオン電圧またはフルオフ電圧に近づいた場合、電流検出期間を十分に確保することが難しくなる。したがって、このような回転子位置の範囲においては、上述した第1実施形態に係る方法を採用したり、あるいは、二相変調を行わずに、電圧指令生成部12によって生成された三相電圧指令を用いてPWM信号を生成することとしてもよい。この場合には、方式を切り替える回転子位置を予め設定しておき、各回転子位置に応じてPWM信号の生成方式を切り替えることとすればよい。
【0045】
図11は、
図7に示された三相電圧指令に基づいて生成された変調後の三相電圧指令、
図12は、
図11に示された変調後の三相電圧指令と回転子位置との関係を示した図である。
図12において、「(OFF)」はフルオフ電圧、すなわちデューティ0[%]を示し、「(ON)」は、フルオン電圧、すなわちデューティ100%を示している。
【0046】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るインバータ制御装置及びインバータ装置について図を参照して説明する。
上述した第1または第2実施形態では、指令変調部によって変調を行う際に、ある区間ではフルオン電圧に、ある区間ではフルオフ電圧に設定されており、フルオン電圧とフルオフ電圧とが交互にあらわれていた(例えば、
図8、
図11参照)。このように、回転子位置60[deg]毎、あるいは、180[deg]毎にフルオン電圧とフルオフ電圧とを切り替えた場合、以下の(1)式に示すように、切り替わりの瞬間に相電圧が大きく変化するため、各相の中性点電位が変動することとなる。
【0047】
中性点電位=(U相電圧+V相電圧+W相電圧)/3 (1)
【0048】
このように、中性点電位が変動することにより、リップル電流が増大するおそれがある。そこで、本実施形態においては、フルオン電圧とフルオフ電圧との切り替えを少なくして、中性点電位の変動を抑制する。例えば、
図7に示した三相電圧指令に対して、最大値をとる相電圧指令を常にフルオン電圧とした場合の三相電圧指令を
図13に、また、このときの回転子位置と各相電圧指令の関係を
図14に示す。また、
図7に示した三相電圧指令に対して、最小値をとる相電圧指令を常にフルオフ電圧とした場合の三相電圧指令を
図15に、また、このときの回転子位置と各相電圧指令の関係を
図16に示す。
【0049】
上述のように、フルオン電圧とフルオフ電圧との切替回数を減らすことにより、中性点電位の変動を抑制し、リップル電流を抑制することが可能となる。
【0050】
また、上記のように、常にフルオフ電圧あるいは常にフルオン電圧とするのではなく、フルオン電圧を採用する場合と、フルオフ電圧を採用する場合とを所定の周波数で切り替えることにより、フルオフ/オフオンの切替頻度を低減させることとしてもよい。ここで、上記「所定の周波数」は、搬送波の周波数よりも低い周波数(例えば、数Hz、数十Hzの周波数)に設定されることが好ましい。
【0051】
なお、本実施形態に係るPWM信号の生成方法においても、上述した第2実施形態と同様に、電流検出期間を十分に確保することが難しくなる。したがって、このような回転子位置の範囲においては、上述した第1実施形態に係る方法を採用したり、あるいは、二相変調を行わずに、電圧指令生成部12によって生成された三相電圧指令を用いてPWM信号を生成することとしてもよい。この場合には、方式を切り替える回転子位置を予め設定しておき、各回転子位置に応じてPWM信号の生成方式を切り替えることとすればよい。
【0052】
また、上述した各実施形態においては、指令変調部13において、電圧指令生成部12からの各相電圧指令を随時比較することにより、フルオフ電圧またはフルオン電圧に設定する相を特定する方法の他、例えば、
図9等に示したように、回転子位置とフルオフ電圧またはフルオン電圧に設定する相とが関連付けられたテーブルを予め用意しておき、このテーブルを参照することにより、フルオフ電圧またはフルオン電圧に設定する相を特定することとしてもよい。
【0053】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、例えば、上述した各実施形態を部分的または全体的に組み合わせる等して、種々変形実施が可能である。