(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に開示されている蓮の実の殻剥き装置は、蓮の実を水平方向に送りながら殻を剥くものであるため、時間当たりに殻剥き処理できる蓮の実の数が少ないという点で問題があった。このため、効率よく殻剥き処理のできる装置の開発が望まれていた。
【0008】
そこで、本願発明者は、殻剥き処理の効率を向上させるべく、蓮の実を上から下へ送りつつ殻を剥くことのできる装置を創案した。この殻剥き処理装置は、略鉛直軸線回りに回転駆動する2つのローラを並べて配置し、これらのローラの隙間を臨む位置に、外周部に螺旋刃が形成されたカッターを配置したことを基本構成とするものである。殻剥き処理装置の上に蓮の実を投入するホッパーを設置し、このホッパーから案内筒を通じて、上記殻剥き処理装置の2つのローラとカッターとの間(以下「目標位置」ともいう。)に蓮の実を落下供給させることで、蓮の実は2つのローラとカッターとに挟まれながらその殻がカッターによって切り剥がされるようになっている。但し、蓮の実は長手方向と短手方向の長さが顕著に相違するため、長手方向を縦にした状態で「目標位置」に落下供給することが必要となる。そのため、ホッパーから案内筒へ通じる孔(以下「排出孔」ともいう。)の内径および案内筒の内径を、蓮の実の長手方向の長さよりも小さく、粒径(短手方向の長さ)よりも大きい値とすることが前提となる。
【0009】
ところが、蓮の実は、長手方向が横になった状態(横たわった状態)で安定するため、ホッパー内の蓮の実がその長手方向の長さよりも小さい内径の「排出孔」から効率よく排出されないという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、多数の殻付きの実を収容し、その底部に形成された排出孔から下方へ殻付きの実を排出する器体と、前記排出孔から排出される殻付きの実を下方の所定位置に案内する案内部とを備える装置において、器体に収容される殻付きの実が、排出孔の内径より大きい長手方向の長さを有するものであっても、当該殻付きの実を排出孔から効率よく排出させることが可能な殻付実の供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る殻付実の供給装置は、底部に排出孔を有し、殻付きの実を収容する器体と、前記排出孔の下方に接続され、当該排出孔から排出される殻付きの実を前記器体の下方の所定位置へ案内する案内部と、少なくともその下部が前記器体内に配置され、略鉛直軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸に対して偏心位置に略平行に取付けられ、下端部が前記器体の底部に対して所定の隙間を空けて配設された弾性体からなる棒状材と、を備える、ことを特徴としている。
【0012】
かかる構成を備える殻付実の供給装置によれば、器体内において殻付きの実が横たわった状態で排出孔を一時的に塞ぐことがあっても、棒状材が回転軸とともに回転しつつ当該実に当たって弾性変形するため、当該実に対しては、方向および大きさが乱雑に変動する押圧力が付与されることとなる。このことにより、排出孔を塞いだ殻付きの実は、排出孔の入口で横たわった状態を維持せずに、横たわった状態から起立して当該排出孔から排出されるか、あるいは、一旦、排出孔から抜け出すように挙動する。このようなことから、殻付きの実が排出孔から効率よく排出されるようになる。
【0013】
好ましくは、上記構成を備える殻付実の供給装置において、前記排出孔は前記器体の底部に複数形成されており、前記案内部も複数あって、各排出孔の下方にそれぞれ接続されているものとする。
【0014】
かかる構成を備える殻付実の供給装置によれば、排出孔および案内部が複数あるので、ホッパー内の殻付きの実の排出効率が向上する。
【0015】
好ましくは、既述の構成を備える殻付実の供給装置において、前記棒状材は、互いに回転方向に間隔をおいて複数配設されているものとする。
【0016】
かかる構成を備える殻付実の供給装置によれば、棒状材が複数配設されているので、排出孔を塞ぐ殻付きの実に対して更に頻繁に既述した押圧力を付与することができ、その結果、器体から殻付きの実を排出する効率を更に向上させることができる。
【0017】
更に好ましくは、上記構成を備える殻付実の供給装置において、前記複数の棒状材は、互いに回転半径が相違するように配設されているものとする。
【0018】
かかる構成を備える殻付実の供給装置によれば、複数の棒状材は、互いに異なる軌道を通過するので、排出孔を塞ぐ殻付きの実に対して、より多様な方向から押圧力を付与することができ、より確実に、排出孔を塞いだ殻付きの実の姿勢を変化させることができる。その結果、器体から殻付きの実を排出する効率を更に向上させることができる。
【0019】
好ましくは、既述の構成を備える殻付実の供給装置において、前記回転軸が何れか一方に回転するときに、器体内の殻付きの実を浮き上がらせる翼体が前記回転軸から側方に延出しているものとする。
【0020】
かかる構成を備える殻付実の供給装置によれば、翼体により器体内の蓮の実が浮かび上がるので、翼体より低い位置にある蓮の実の位置および姿勢が同じ状態で固まってしまうことを防止できる。その結果、器体から殻付きの実を排出する効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、器体に収容される殻付きの実が、排出孔の内径より大きい長手方向の長さを有するものであっても、当該実を排出孔から効率よく排出させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る殻付実の供給装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る殻付実の供給装置200は、殻剥き処理装置300とともに、殻付き実の殻剥き設備100を構成している。なお、本実施形態では、殻付きの実の一例として「蓮の実」を挙げて説明するが、「蓮の実」以外の殻付きの実(例えば「どんぐり」等)を殻付実の殻剥ぎ設備100によって処理することも可能である。
【0024】
殻付実の殻剥き設備100は、既述したように、主に、殻付実の供給装置200と殻剥き処理装置300とで構成されている。
【0025】
殻付実の供給装置200は、
図2〜
図4に示すように、蓮の実が投入される器体であるホッパー204と、蓮の実を案内しつつ下方へ落下させる2つの案内部206と、蓮の実を撹拌する撹拌部205とを備えている。
【0026】
ホッパー204は、殻剥き処理装置300のベース板7(
図1参照)上に立設された図示しないポッパー支持フレームに支持されている。
図2〜
図3に例示するホッパー204は、円板からなる底部204aと、この底板204aの周縁から逆円錐台状に立ち上がった中間部204bと、この中間部204bから連続して円筒状に上方に延びた上部204cとで構成されている。底部204aには、蓮の実を下方へ排出させるための排出孔51が2つ形成されている。2つの排出孔51は、その中心が底部204aの中心から同じ半径位置となるように形成されており、また、2つの排出孔51の内径は、ホッパー204に投入される蓮の実の粒径(本実施形態では10.0mm〜12.0mm)の最大値よりも若干大きい値(本実施形態では、14mm)とされる。なお、2つの排出孔51の内径は相違していてもよいが本実施形態では互いに同一とする。
【0027】
案内部206は、ホッパー204の底部204aの各排出孔51の下方にそれぞれ接続されており、当該排出孔51から排出される蓮の実をホッパー204の下方に設置された殻剥き処理装置300の所定位置へ案内する。この案内部206は、ポッパー204の底部204aから下方に延出した筒部206aと、この筒部206aの下方に接続された可視筒部206bとで構成されている。可視筒部206bは、その内外を連通する多数の窓207を有しており、その窓207を通じて、内部を通過する蓮の実を視認することができる。また、可視筒部206bの内部に蓮の実が詰まった場合に、細い棒材等の先端を可視筒部206b内に窓207を介して挿入することで詰まり状態を解消することができる。本実施形態では、可視筒部206bは、多数(
図2の例では8本)の小径の丸棒材206cが隙間をおいて円筒状に並べられることにより構成され、上記多数の窓207は、丸棒材206c同士の隙間によって形成されている。
図2の符号206dは、複数の丸棒材206c同士を環状に連結するリング材であり、このリング材206dに丸棒材206cが溶接固定されている。なお、本実施形態では、案内部206の概ね下半分が可視筒部206bとなっているが、可視筒部206bは、案内部206の少なくとも一部に設けられていればよい。例えば、案内部206の上部若しくは中間部のみを可視筒部とし、あるいは、案内部206全体を可視筒部としてもよい。
【0028】
なお、本実施形態では、筒部206aおよび可視筒部206bの内径値は、蓮の実が長手方向を縦にした状態を維持して落下するように(例えば12.5mm〜14mm程度に)設定されている。つまり、一般的な蓮の実の粒径(短軸側の直径)である10mm〜12mmより若干小さい値に設定されている。
【0029】
撹拌部205は、ホッパー204内に投入された蓮の実Mを撹拌することにより、蓮の実Mを排出孔51から下方へ円滑に排出させるために設けられている。撹拌部205は、主に、回転軸208、棒状材209、翼体211等で構成されている。
【0030】
回転軸208は、略鉛直軸線210回りに回転するように、殻剥き処理装置300のベース板7上に立設された図示しないポッパー支持フレームに回転自在に支持されている。この回転軸208は、図示しないモータおよびその駆動力を伝達する所定の動力伝達機によって回転駆動されるようになっている。回転軸208は、所定位置より下側がホッパー204内に配置されている。
【0031】
棒状材209は、ゴム製、樹脂製等の弾性体(例えば、アクリルゴム)からなるものであって、回転軸208に対して偏心位置に略平行に支持されている。この棒状材209は、自然状態において、
図4に示すように上から視て、排出孔51と重なる位置を回転動作により通過する。2本の棒状材209は、互いに回転方向に180°位置を違えた状態で、後述する支持手段212を介して回転軸208に取付支持されている。各棒状材209は下端部が半球状となった略円柱状のものとなっており、半球状部の最下位置とホッパーの底部204aとの間には、所定の隙間(例えば2〜3mm程度の隙間)が空いている。なお、上記「自然状態」は、蓮の実による外力が作用していない状態、つまり弾性変形を生じていない状態のことをいう。
【0032】
また、
図4に示すように、2本の棒状材209A,209Bは、互いに回転半径が相違するように配設されている。すなわち、一方の棒状材209Aは、自然状態において、その中心が半径R1の円上を回転移動し、もう一方の棒状材209Bは、自然状態において、その中心が半径R2の円上を回転移動するように回転軸208(
図4において不図示)に支持されている。但し、R1<R2。特に、本実施形態では、一方の棒状材209Aは、自然状態において、上から視て、その中心が排出孔51の中心よりも内側を通過するように回転し、もう一方の棒状材209Bは、自然状態において、上から視て、その中心が排出孔51の中心よりも外側を通過するように回転軸208に支持されている。
【0033】
上記支持手段212は、
図2および
図3に示すように、回転軸208の下端部に固設され回転軸208(鉛直軸線210)から両側方に延出した円柱状の横材213と、この横材213の両側部に上下に形成された貫通孔213aに挿入された薄肉材からなる2つの管部材214と、横材213の外部から貫通孔213aに至るまで形成された雌ねじにねじ込まれたホーローセット216とで主に構成されている。なお、ホーローセット216には、その緩み止めを目的としたナット217が螺着されている。棒状材209は管部材214内に挿入されており、ホーローセット216を強く締め付けることにより、管部材214とともに、横材213に固定される。これにより、棒状材209は、支持手段212を介して回転軸208に支持されることとなる。
【0034】
翼体211は、ホッパー204内の比較的低い位置において、回転軸208の側方に延出している。本実施形態では、翼体211は2枚設けられている。各翼体211は、回転軸208が何れか一方(図示する例では、上から視て時計回り)に回転するときに、ホッパー204内の蓮の実を浮き上がらせるように、回転方向に対して傾斜している。この翼体211によりホッパー204内の比較的低い位置において、蓮の実が浮かび上がり、これより低い位置にある蓮の実の位置および姿勢が同じ状態で固まってしまうことを防止し、排出孔51から蓮の実が円滑に排出されることを促す。
【0035】
つぎに、殻剥き処理装置300について説明する。以下では、説明の便宜上、
図5において左から右に向かう方向をX軸方向とし、下から上に向かう方向をY軸方向とし、紙面奥側から紙面手前側に向かって紙面に直交する方向をZ軸方向として説明する。
【0036】
殻剥き処理装置300は、殻付実の供給装置200から供給される蓮の実に対して殻剥き処理を行うものである。この殻剥き処理装置300は、
図1、
図5、
図6に示すように、第1ローラ11(第1回転体)、第2ローラ12(第2回転体)、第1カッター13(第3回転体)、第2カッター14(第4回転体)、2つのカッター調整部16などを備えている。
【0037】
第1ローラ11は、ベース板7を貫通して鉛直方向に配設された駆動軸17(
図6参照)の上端部に回転一体に固定されており、上から視て反時計回り(以下「左回り」ともいう。)に鉛直方向の軸線11d(以下「鉛直軸線11d」ともいう。)回りに回転する。
図7(a)に示すように、この第1ローラ11は、その外周部の上端位置から中間位置(例えば、上端位置から第1ローラ11の高さ寸法の約1/3だけ低い位置)にかけて下方に向かって大径となるテーパ部11aが形成されている。また、第1ローラ11の中間位置から下端位置にかけては、外径が一定となった一般部11bが形成されている。また、第1ローラ11の外周部には、多数の凹凸11cが形成されている。この凹凸11cは、第1ローラ11の左回り回転により蓮の実Mを下方へ送るように形成されたねじ部と、このねじ部の条に交差するように多数形成された溝部とで構成されている。上記中間位置から上端位置にかけて形成された溝部は母線に沿って形成されているが、上記中間位置から下端位置にかけて形成された溝部は、第1ローラ11の左回り回転により蓮の実Mを下方へ送るように、母線に対して若干傾斜している。この溝部の傾斜は例えば、上から下に向かって回転方向に約5°傾斜させたものとすることができる。なお、
図7(a)では、作図の都合により、この溝部の傾斜は表現していない。
【0038】
第2ローラ12は、ベース板7を貫通して鉛直方向に配設された駆動軸18(
図6参照)の上端部に回転一体に固定されており、第1ローラ11と同じく左回りに鉛直方向の軸線12d(以下「鉛直軸線12d」ともいう。)回りに回転する。但し、第2ローラ12の回転速度は第1ローラ11の回転速度と相違させている(好ましくは第1ローラ11の回転速度よりも若干高く設定する。)。
図7(b)に示すように、この第2ローラ12は、その外周部の上端位置から中間位置(例えば、上端位置から第2ローラ12の高さ寸法の約1/3だけ低い位置)にかけて下方に向かって大径となるテーパ部12aが形成されている。また、第2ローラ12の中間位置から下端位置にかけては、外径が一定となった一般部12bが形成されている。また、第2ローラ12の外周部にはローレット目12cが形成されている。なお、第2ローラ12と第1ローラ11との間には、小さな隙間F(
図5参照)が確保されており、これらは互いに接触していない。
【0039】
第1カッター13は、その外周部に螺旋状の刃が形成されており、第1ローラ11と第2ローラ12との隙間Fに臨む位置で、軸線13d回りに従動回転するように、支持部21によって回転自在に支持されている。第1カッター13の軸線13dは、後述するカッター調整部16の傾斜角度調整機能により、任意の方向に任意の角度だけ傾斜設定することが可能となっている。
図6に示す例では、上記傾斜角度調整機能により、第1カッター13の軸線13dは、−X軸方向(軸線11dおよび軸線12dを含む平面に直交する方向)に視て、+Z軸方向に対して角度θ1だけ傾斜している。なお、θ1は例えば8.5°前後とすることができる。
【0040】
第1カッター13は、
図7(c)に示すように、上から下に行くにつれて一定の割合で外径が拡大しており、かつ、その回転によって蓮の実Mを下方へ送るように外周部の刃の螺旋が形成されている。また
図1に示すように、第1カッター13の軸線13dは、+Y軸方向に視て鉛直軸線よりも+X軸方向に角度θ2だけ傾斜している。なお、θ2は例えば1.5°前後とすることができる。
【0041】
第2カッター14も、その外周部に螺旋状の刃が形成されており、第1ローラ11と第2ローラ12との隙間Fに臨む位置で、第1カッター13とは反対の側に支持部21によって軸線14d回りに回転自在に支持されている。第2カッター14の軸線14dも、カッター調整部16の傾斜角度調整機能により、任意の方向に任意の角度だけ傾斜設定することが可能となっている。本実施形態では、上記傾斜角度調整機能により、第2カッター14の軸線14dは、−X軸方向(軸線11dおよび軸線12dを含む平面に直交する方向)に視て、+Z軸方向に対して角度θ3だけ傾斜している。なお、θ3は、例えばθ1と同じ値とすることができる。
【0042】
第2カッター14も、上から下に行くにつれて一定の割合で外径が拡大しており、かつ、その回転によって蓮の実Mを下方へ送るように外周部の刃の螺旋が形成されている。また
図1に示すように、第2カッター14の軸線14dは、+Y軸方向に視て鉛直軸線よりも−X軸方向に角度θ4だけ傾斜している。なお、θ4は例えば3.5°前後とすることができる。
【0043】
カッター調整部16は、第1カッター13、第2カッター14の位置、傾き等を調整するために設けられている。このカッター調整部16は、カッター傾斜角度調整機能(傾斜角度調整手段)およびカッター追従機能を備えている。カッター傾斜角度調整機能は、第1カッター13、第2カッター14の軸線13d,14dを任意の方向に任意の傾斜角に設定するための機能である。また、カッター追従機能は、案内部206から落下供給される蓮の実Mの大きさに追従して第1カッター13、第2カッター14を第1ローラ11と第2ローラ12との隙間Fに対して接近離反させる機能である。これらの機能を実現するために、カッター調整部16は、以下に説明する支持部21、連結部材22、回動部材23、付勢機構24等を備えている。なお、以下の説明ではカッター調整部16に関して、第1カッター13に関わる構成と相違する第2カッター14に関する構成を括弧内に記す。
【0044】
支持部21は、
図1に示すように、第1カッター13(第2カッター14)を図示しないベアリングを介して回転自在に支持する支軸21aと、この支軸21aの両端部を支持するコ字状部材21bと、このコ字状部材21bの背面に、軸線13d(軸線14d)に直交する方向に突設された雄ねじ21cとを備えている。
【0045】
連結部材22は、
図6に示すように、上方に開口した長穴22aが形成された縦板材22bと、この縦板材22bの側部から−Y軸方向(+Y軸方向)に延出した軸材22cとで構成されている。連結部材22は、支持部21に対して、前記雄ねじ21cおよびナット25にて締結されている。
【0046】
回動部材23は、上記連結部材22の軸材22cが挿通された筒材23aと、この筒材23aに溶接固定された回動中心筒材23bと、この回動中心筒材23bの側部から−Y軸方向(+Y軸方向)に延出したレバー23cと、で主に構成されている。筒材23aには、内外を貫通した雌ねじが周方向2カ所に形成され、各雌ねじにボルト26(なお、
図6においては一方のボルト26の図示を省略している。)が螺着されている。回動中心筒材23bは、ベース板7上に立設された軸材に回転自在に嵌め付けられ、この回動中心筒材23bの軸材からの抜け止めとして、当該軸材の上端部にナット20が螺着されている。
【0047】
なお、第1カッター13(第2カッター14)の第1ローラ11および第2ローラ12に対する接触および過度の接近を規制するために、回動規制部27が設けられている。この回動規制部27は、ベース板7上に立設され、X軸方向に雌ねじが形成された立設部材28と、この雌ねじに−X軸方向(+X軸方向)に螺着されて先端部がレバー23cの側面に当接するように設けられたボルト29とで主に構成されている。このボルト29の位置を調節することで、第1カッター13(第2カッター14)の第1ローラ11および第2ローラ12に対する最短距離を調整することができる。
【0048】
付勢機構24は、ベース板7に立設され、X軸方向に雌ねじが形成された立設部材31と、この雌ねじに+X軸方向(−X軸方向)に螺着されたボルト32と、レバー23cに−X軸方向(+X軸方向)に貫通螺着されたボルト33と、ボルト32およびボルト33の間に圧縮装着されたコイルスプリング34とで主に構成されている。なお、ボルト32の先端には、そのねじ径よりも小径の円柱材32aが形成されており、この円柱材32aとねじ部32bとの段差部にコイルスプリング34の一端側が係合している。
【0049】
以上に説明した殻付実の殻剥き設備100を使用して、蓮の実の殻剥きを実施する場合、先ず、蓮の実を粒径(短軸側の直径)に応じて分類する。例えば、粒径が特大(例えば11.5mm〜12mm)のもの、粒径が大(例えば11.0mm〜11.5mm)のもの、粒径が中(例えば10.5mm〜11.0mm)、粒径が小(例えば10.0mm〜10.5mm)のものに分類する。
【0050】
つぎに、好ましくは、ホッパー204内に投入予定の蓮の実の粒径分類に応じて、第1カッター13、第2カッター14の蓮の実Mに対する押圧力を調整する。この押圧力の調整は、カッター調整部16のボルト32を何れかの方向へ廻すことで行われる。例えば、ボルト32を一方に廻してレバー23c側に移動させれば、第1カッター13、第2カッター14の蓮の実Mに対する押圧力は大きくなり、ボルト32を他方に廻してレバー23c側から遠ざければ、第1カッター13、第2カッター14の蓮の実Mに対する押圧力は小さくなる。
【0051】
また、好ましくは、ホッパー204内に投入予定の蓮の実の粒径分類に応じて、第1カッター13の軸線13d、第2カッター14の軸線14dを所定の方向に所定の傾斜角に設定する。この設定は、ナット25、ボルト26等を緩めて第1カッター13、第2カッター14をおねじ21c回り(X軸回り)に回転調整するとともに、軸材22c回り(Y軸回り)に回転調整することにより行われる。なお、設定値には、過去の殻剥き装置1の使用履歴等から最も効率的に殻剥き処理が行われたときのものを採用するとよい。
【0052】
以上の準備が完了した後、モータ(不図示)を駆動して、殻付実の供給装置200の回転軸208、並びに、殻剥き処理装置300の第1ローラ11および第2ローラ12を回転駆動させ、ホッパー204に蓮の実を投入する。
【0053】
ホッパー204に投入された蓮の実は、回転軸208と共に回転する翼体211、支持手段212の各構成部材によって撹拌され、特に、翼体211よりも下方では、蓮の実がその姿勢および位置を活発に変化させる。ホッパー204の排出孔51近傍にある蓮の実は、その長手方向が水平方向に対してある程度起立させた状態になると、排出孔51から下方へ排出される。
【0054】
排出孔51から下方へ排出された蓮の実は、案内部206内を落下し、一方の案内部206からは、第1ローラ11、第2ローラ12および第1カッター13に囲まれた位置に落下供給され、もう一方の案内部206からは、第1ローラ11、第2ローラ12および第2カッター14に囲まれた位置にも落下供給される。これら2つの位置に落下供給された蓮の実Mは、第1ローラ11および第2ローラ12の回転に従って回転しながら下方に移動しつつ、第1カッター13又は第2カッター14によってその殻が切り剥がされる。切り剥がされた殻および実は共に、ベース板7に形成された排出口36から下方へ排出され、所定の方法により、殻と実に分別される。
【0055】
以上に説明した殻付実の殻剥き設備100(特に、殻付実の供給装置200)によれば、以下の作用効果が奏される。
(1)
図8および
図9に示すように、ホッパー204内では、蓮の実が横たわった状態で排出孔51を一時的に塞ぐことがあるが、本実施形態に係る殻付実の供給装置200によれば、棒状材209が回転軸209とともに回転しつつ当該蓮の実Mに当たって弾性変形するため、当該蓮の実Mに対しては、方向および大きさが乱雑に変動する押圧力が付与されることとなる。このことにより、蓮の実Mは、横たわった状態を維持せずに、横たわった状態から起立して排出孔51から排出されるか、あるいは、一旦、排出孔51から抜け出すように挙動する。このようなことから、殻付実の供給装置200によれば、蓮の実が排出孔51から効率よく排出されるようになる。
(2)棒状材209が弾性体からなるものであるので、万一、
図8又は
図9に示すような状態で、蓮の実Mが排出孔51の入口に嵌まり込んでしまっても、当該蓮の実Mに当たる棒状材209は弾性変形するので、当該棒状材209や回転軸208の駆動系が損傷することはない。
(3)2本の棒状材209は、互いに異なる軌道を通過するので、排出孔51を塞ぐ蓮の実に対して、より多様な方向から押圧力を付与することができ、より確実に、排出孔51を塞いだ蓮の実の姿勢を変化させ、蓮の実が排出孔51から更に効率よく排出されるようになる。
【0056】
<他の実施形態>
既述した実施形態では、殻付実の供給装置200を、殻剥き処理装置300に蓮の実を供給するものとして説明したが、殻付実の供給装置200から蓮の実を供給する対象は殻剥き処理装置300に限定されない。すなわち、殻付きの実を縦にした状態で供給する必要のある装置、設備、場所等であれば、どのような物、場所等であっても、本発明に係る殻付実の供給装置を有益に採用し得る。