特許第6369934号(P6369934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369934
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】床構造及び床構造を用いた駐車場床構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/02 20060101AFI20180730BHJP
   E04B 5/43 20060101ALI20180730BHJP
   E04B 1/98 20060101ALI20180730BHJP
   E04B 1/682 20060101ALI20180730BHJP
   E04H 6/00 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   E04B5/02 J
   E04B5/43 H
   E04B1/98 R
   E04B1/682 A
   E04H6/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-148390(P2014-148390)
(22)【出願日】2014年7月21日
(65)【公開番号】特開2015-38300(P2015-38300A)
(43)【公開日】2015年2月26日
【審査請求日】2017年7月13日
(31)【優先権主張番号】特願2013-150576(P2013-150576)
(32)【優先日】2013年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594193438
【氏名又は名称】野村 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100101731
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 春季
(72)【発明者】
【氏名】野村 恭三
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−021235(JP,A)
【文献】 実開昭59−038333(JP,U)
【文献】 特開平07−331914(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0325990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/02
E04B 1/682
E04B 1/98
E04B 5/43
E04H 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部材と、基礎部材上に載置し、並列して設けた複数のC形鋼の断面形状よりなる床面構成部材と、床面構成部を基礎部材に固定する固定部材と、床面構成部の両脇に設けた緩衝部材とよりなり床構造であって、
基礎部材上に載置した並列して設ける複数の床面構成部材は、開口部のリップ部が下方となるように基礎部材上に載置し、
床面構成部を基礎部材に固定する固定部材は、床面構成部材のリップ部を挟持するように、リップ部上方に設けたアングル、チャンネル材等変形しない材質より成る内部固定部材を基礎部材との間で固定し、
床面構成部材の両脇に設けた緩衝部材は、少なくとも前記固定部材を設けている床面構成部材の両脇であって、基礎部材側下端に密着して設けることを特徴とする床構造。
【請求項2】
床面構成部材の両脇に設けている緩衝部材の上部に防水構造部材を設けることを特徴とする請求項1記載の床構造。
【請求項3】
請求項2の防水構造部材として、緩衝部材の上部に緩衝部材の幅よりやや広い大きさであって、床面構成部材の長手方向の長さと同一の長さを有する発泡スチロールを潰すように床面構成部材間に圧着挟持しながら載置すると共に、発泡スチロールの上方の隙間に上方から防水充填材を設けたことを特徴とするの床構造。
【請求項4】
請求項請求項1〜3記載のいずれか記載の床構造を駐車場に使用するに際し、床面構成部の長手方向を駐車方向と直交方向に設けたことを特徴とする駐車場用床構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動による騒音を軽減し、かつ強度が十分な床構造に関し、特に駐車場に使用出来る床構造に関するものである。
【0002】
一般に鉄材料は強度が高いことより、種々の構造材料の素材として使用されにている。そして、例えば駐車場、駐輪場において使用する場合には、鋼製床材を用いて、これらの床材と使用している例がある。
また、近年種々提案されているスチールハウス等の構造材料として梁、壁面等に鉄材料は多数使用されているが、特許文献1による技術では、2階以上の床面が根太を用いないH形鋼からなる梁によって構成され、この梁間に床板パネルを設置する構成である。
床構造として、鋼製のものは重量が有り、製作コスト等の関係から,木造のものが広く用いられている。
【0003】
しかしながら、駐車場等のように重量がかかる部位については、鋼製のもので製作する必要がある場合がある。
例えば、鋼製床材が駐車場等に使用する素材として図8、9に示す如く従来技術が存在する。この床材料の断面図を図8に示すと共に、使用状態の斜視図を図9に示す。
この床材料8の表面には、滑り止めを目的として表面に凹凸を設けたり、丸穴,グレーチング横穴を設けるものが提案されている。
【0004】
この床材料8は、図8の左側を外方に設けている受け部80を形成し,反対側に設けている折込部81を受け部80上に載置する構成となっている。そして、これらの床材料8図示しない梁等状に載置固定して使用している。
また、床材料8同士をボルトナット等で固定して使用する場合もある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−307483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述、従来技術では、駐車場,駐輪場の床、工場等の床材等の用途に使用されているようであるが、これらの用途、特に駐車場の床材と使用する場合には、床材としてパンチング等の加工した鋼板材料の場合、金型で形成された凹凸ではタイヤが滑るという課題を有している。即ち。凹凸形状が縞鋼板に用いられている模様を設ける形状とした場合には、この凸部の形状の角が丸みがあり、タイヤの接地面積を減らすだけでタイヤが滑り易い状態となっているようである。
また、穴を開けた場合には有効性はあるが、穴を開けた時には滑りを十分に防止しようとする大きさに穴を開口すると強度の低下を来すことになり、駐車場の床材としては最適とは言えない。
【0007】
また、このまま屋外で使用した場合には、床材料8の受け部80内に水が溜まることが予想され、耐食性に問題が生じるおそれもある。
更に、床材料8を梁或いは床材料同士をボルトナット等で固定しているが、この床材料8に振動が加わったとき,床材料8間で振動を吸収することが出来ない為、騒音が発生する場合が有った。
【0008】
また、床材としてパンチング等の加工した鋼板材料の場合、金型で形成された凹凸ではタイヤが滑るという課題には有効で無く、穴を開けた場合には有効性はあるが、穴を開けた時には滑りを十分に防止しようとする大きさに穴を開口すると強度の低下を来すことになり、駐車場の床材としては最適とは言えない。
本発明では,強度が有り、かつ騒音の発生を防止出来、長期間の使用によっても耐食性にすぐれた床構造であって、構造が簡単で、かつ安価に制作できる床構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の床構造は、基礎部材と、基礎部材上に載置した並列して設けた複数のC形鋼の断面形状よりなる床面構成部材と、床面構成部を基礎部材に固定する固定部材と、床面構成部の両脇に設けた緩衝部材とよりなり床構造であって、基礎部材上に載置した並列して設ける複数の床面構成部材は、開口部のリップ部が下方となるように基礎部材上に載置し、床面構成部を基礎部材に固定する固定部材は、床面構成部材のリップ部を挟持するように、リップ部上方に設けたアングル、チャンネル材等変形しない材質より成る内部固定部材を基礎部材との間で固定し、床面構成部材の両脇に設けた緩衝部材は、少なくとも前記固定部材を設けている床面構成部材の両脇であって、基礎部材側下端に密着して設けることを特徴とする。
【0010】
そして、床面構成部材の両脇に設けている緩衝部材の上部に防水構造部材を設けることが好ましく、更に、防水構造部材として、緩衝部材の上部に緩衝部材の幅よりやや広い大きさであって、床面構成部材の長手方向の長さと同一の長さを有する発泡スチロールを潰すように床面構成部材間に圧着挟持しながら載置すると共に、発泡スチロールの上方の隙間に上方から防水材を充填することが好ましい。
また、本発明の床構造を駐車場に使用するに際し、床面構成部の長手方向を駐車方向と直交方向に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の床構造は、基礎部材と、基礎部材上に載置し、並列して設けた床面構成部材と、床面構成部を基礎部材に固定する固定部材と、床面構成部の両脇に設けた緩衝部材とよりなり床構造となっている。このC形鋼の断面形状よりなる床面構成部材を用いていることより、大きな荷重が掛かる部位にも使用することが出来る。そして、床面構成部材は、開口部のリップ部が下方となるように基礎部材上に載置すると共に、床面構成部を基礎部材に固定する固定部材は、床面構成部材のリップ部を挟持するように固定する構成としていることより、床面構成部材に荷重がかかる等の応力が加わった場合には、C形鋼の断面形状よりなる床面構成部材のリップ部が開く方向に応力が加わるが、床面構成部材の両脇に設けた緩衝部材が設けられているため、この応力は速やかに吸収される。従って、床面構成部材に荷重がかかることによって生じる振動は、速やかに減衰することになり,本発明は消音効果を有する。
【0012】
また、緩衝部材の上方には、上部に防水構造部材を設けていることより、床面構成部材の床面から内部への水の浸入防止することが出来る為、内部を腐食させる原因を除くことが出来、長期間にわたって使用することが出来、本床構造を,屋外に設置する駐車場の床構造に用いても長期間にわたって使用することが出来る。更に、本発明は、鋼板等の材料をフォーミングする等の作業をする必要が無く、市販のC形鋼を所定の長さに切断して使用することができる為、高価な金型もフォーミング機械設備も不要で、安価に製作することができる等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の床構造を示す概略斜視図である。
図2】本発明の床構造を示す一部切り欠き拡大斜視説明図である。
図3】本発明の床構造の断面説明図である。
図4】本発明の床構造の組み立てを示す断面説明図である。
図5】本発明の床構造を用いた駐車場の平面図である。
図6図5の横方向の断面図である。
図7図5の縦方向の断面図である。
図8】従来例の床構造に用いる床構成材の断面図説明図である。
図9】従来例の床構成材を用いた床材の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の床構造は、基礎部材1と、基礎部材1上に載置した並列して設けた複数の床面構成部材2と、床面構成部材2を基礎部材1に固定する固定部材3と、床面構成部材2の両脇に設けた緩衝部材4とよりなり、更に緩衝部材4の上方に防水構造部材5とより構成されている。
以下、これらについて図面に基づいて説明する。
【0015】
<基礎部材1>
基礎部材1は、床構造の基礎となるもので有り、強度のある材料、形状のものを用い、図1に示すものは、チャンネル材を用いているが、後述する駐車場の床構造等荷重が掛かる場合等、用途に応じてH形鋼等を用いる。材質的には、原則的に鋼製を用いるが、強度を有するものであれば他の材料を用いても良いことは言うまでも無い。
【0016】
<床面構成部材2>
床面構成部材2は、C形鋼の断面形状よりなり、開口部20が下方に向け、下端のリップ部21が前記基礎部材1の上面に載置する。そして、床面構成部材2の側面は側面部22となり、上面が床面23となる。
床面構成部材2の上面が床面23となることより、耐蝕性、装飾性等を考慮して、メッキ等を施すことが好ましい。
【0017】
<固定部材3>
固定部材3は、床面構成部材2を基礎部材1に固定する際に用いもので、変形等を生じない部材の例えばアングル、チャンネル材等よりなる固定部材30と、高張力ボルトナット31で構成する。
固定部材3は、図2〜4に示すように、床面構成部材2の開口部20内に挿入し、床面構成部材2のリップ部21を基礎部材1の上面との間で挟持する形で高張力ボルトナット31により固定する。
なお、固定部材3として高張力ボルトナット31を用いることが好ましいが、場合によっては高張力ボルトナット31の代わりに高強度区分ボルトナットを用いても良い。
【0018】
<緩衝部材4>
緩衝部材4は、硬質な緩衝材料よりなり、例えば硬質合成ゴムを用いることが出来る。形状は床面構成部材2間の隙間α1(図3参照)例えば5mm程度厚さの板体に形成し、長さは基礎部材1の幅程度としている。そして、床面構成部材2を基礎部材1に固定する各床面構成部材2の側面部22で、基礎部材1側に、緩衝部材4の緩衝体40を設ける構成としている。そして、この緩衝体40は、隣接する床面構成部材2の各側面部22間で挟持し、密着するように設けている。
【0019】
なお、緩衝体40を基礎部材1側に設けているのは、床面構成部材2の形状がC形鋼の断面形状であり、基礎部材1側、即ち床面構成部材2の側面部22の下端側に設けることで、床面構成部材2に荷重がかった時など下端側が開くように応力が働くことになり、この応力を速やかに緩衝し振動を吸収させるように作用させる。
【0020】
緩衝部材4は、床面構成部材2間の隙間の幅と同等に設定するか、隙間よりやや、広い幅に設定し、施工時に緩衝部材4をやや圧縮することで、密着度を高めて使用することが好ましい。例えば、床面構成部材2にC形鋼を用い、これにメッキを施した場合、メッキの厚みが30〜50μm施された場合、2つの側面では60〜100μm、メッキの分だけ狭くなる。従って、この狭くなった分だけ、床面構成部材2の側面部22を内方に力が加わり、常に緩衝部材4と床面構成部材2が密着度を高める構成となる。
【0021】
<防水構造部材5>
防水構造部材5は、隣接して設置した床面構成部材2間の隙間に、水等の侵入を防止するため設けるもので、前記した緩衝部材4の上方に、棒状発泡スチロール50と防水充填材51を設ける構成である。この棒状発泡スチロール50の大きさは、前述の隣接する床面構成部材2間の隙間より、大きいものを用いる。例えば、隙間が5mmであれば7mm程度の円柱状のものを用いる。長さは、床面構成部材2の長手方向の長さと同等長さとする。棒状発泡スチロール50は、図3、4に示すように、床面構成部材2の側面部22の隙間に押しつぶすように介在させ、防水効果を高めるように使用する。
【0022】
防水充填材51は、例えばシリコン樹脂等を用いるが、防水出来るものであれば材料は限定するものではない。ただ、シリコン樹脂は、前記した緩衝部材4と同様に、床面構成部材2の側面部22に密着するため、振動の発生を軽減する機能を併せて持たせることが出来るものである。
なお、上述の防水構造部材5は、屋外で使用し、下方に水等の落下が問題ない場合にはこの防水構造部材5を省略することができる。
【0023】
次に、本発明の製作の概略を図1〜4に基づいて簡単に説明する。
図に示すように床面構成部材2の先端側の内部に内部固定部材30を挿入し、基礎部材1に高張力ボルトナット31で固定する。同様に床面構成部材2の後端側、及び中間部位の三カ所で基礎部材1に固定し、一個の床面構成部材2の固定を完了する。
なお、この固定に際して、高超力ボルトナット31に対して基礎部材1、固定部材3の取付穴は、やや大きく設定している。例えばM12の高超力ボルトナット31を用いた場合には、取付穴はφ14mmを用いる。2mm程度の余裕を持たせ緩衝部材4を床面構成部材2間に取り付け密着度を高めて作業を行える構成となっている。
【0024】
次いで、緩衝部材4の緩衝体40を基礎部材1上の床面構成部材2の側面部22に置き、緩衝体40の上部に棒状発泡スチロール50を載置し、次の床面構成部材2を基礎部材1に置く。この載置した床面構成部材2に組み立てた固定した床面構成部材2に押しつけ、前記緩衝体40を密着させ、棒状発泡スチロール50を押しつぶすように、床面構成部材2の側面部22を密着させ、この状態で、内部固定部材30を床面構成部材2内部に挿入し、高張力ボルトナット31を螺合固定させる。
同様に床面構成部材2の後端側、中間部分を基礎部材1に固定することで、緩衝部材4及び棒状発泡スチロール50を2つの床面構成部材2間に固定する。
【0025】
以下、これらを繰りかえし、緩衝部材4、棒状発泡スチロール50等を介在させた状態で、全ての床面構成部材2を基礎部材1に組み立て固定した床構造の組み立てを完了させる。
ついで、棒状発泡スチロール50の上部にシリコン樹脂等よりなる防水充填剤51を注入して組み立て作業を完了する。
【0026】
なお、図1においては床面構成部材2は5枚の例を示しているが、これを1ユニットとし製作し、同様のものを組み合わせて、畳を敷くように複数枚組み合わせて用いることを念頭に置いたものであるが、この場合各端部には緩衝部材4及び防水構造部材5を組み合わせたものを介在させる必要がある。
なお、上記実施の形態と異なり、多枚数の床面構成部材2を目的に応じて一度に製作することも出来ることは言うまでも無く、この場合には、当然に基礎部材1の数も増やして製作することは言うまでも無い。
【0027】
本発明は、上述のように構成しており、
本発明の床構造は、基礎部材1と、基礎部材1上に載置し、並列して設けた複数のC形鋼の断面形状よりなる床面構成部材2と、床面構成部1を基礎部材1に固定する固定部材3と、床面構成部材2の両脇に設けた緩衝部材4とよりなり床構造となっている。
このC形鋼の断面形状よりなる床面構成部材2を用いていることより、大きな荷重が掛かる部位にも使用することが出来る。そして、床面構成部材2は、開口部20のリップ部21が下方となるように基礎部材1上に載置している。
【0028】
ここで、床面構成部材2を基礎部材1に固定する固定部材3は、床面構成部材2のリップ部21を挟持するように、リップ部21上方に設けた内部固定部材30を、基礎部材1との間で固定する構成としている。従って、床面構成部材1に荷重がかかる等の応力が加わった場合には、C形鋼の断面形状よりなる床面構成部材のリップ部自体を溶接等により強固に固定しているのではなく、挟持した形式で固定しているため、リップ部21を開く方向に応力が加わった場合には、応力は横方向に逃げるように作用する。
【0029】
このとき床面構成部材2の両脇に設けた緩衝部材4が設けられているためは、この応力は速やかに吸収されることになる。従って、床面構成部材に荷重がかかることによって生じる振動は、速やかに減衰することができる。
【0030】
また、緩衝部材4の上方には、上部に防水構造部材5を設けていることより、床面構成部材の床面から内部への水の浸入を防止することが出来る為、内部を腐食させる原因を除くことが出来、長期間にわたって使用することが出来、本床構造を,屋外に設置する駐車場の床構造に用いても長期間にわたって使用することが出来る。
【実施例】
【0031】
図5〜8は、上記床構造を駐車場に、設けた構成の実施例である。
従来ピット式の機械式立体駐車場が設置されていたものを、平置きの駐車場に変更する場合の例であり、ピットに蓋をした形式の駐車場とする場合であり、床面構成部材2を25枚用いた例を示している。
基礎部材1は、中央側にH型鋼(200mm×100mm×5.5/8mm 長さ5110mm)を5本をピット内に取付基礎材61を介し取り付け、両端は山形鋼(75mm×75mm×6mm 長さ5110mm)を2本をピット内に設ける構成としている。
材床面構成部材2は、C形鋼(200mm×75mm×20mm 長さ 6800mm、厚み3.2mm)を25枚を用い、前述した方法で、基礎部材1上に組み立てている。
固定部材3の固定部材3としては山形鋼(65mm×65mm 厚み8mm)を用い、M12の高張力ボルトナット31を用いる。
また、緩衝部材4の緩衝体40は、合成ゴム(40mm×100mm×5mm)を用い、防水構造部材5の棒状発泡スチロール50は直径7mm長さ6800mmを用い、防水充填材51はシリコン樹脂を用いた。
なお、図中7は車止めである。
【0032】
この様にして駐車場に利用した。十分防水することが出来ピット内に水の進入は無かった。また、図5に示すように、床面構成部材2を車の駐車方向と直角方向に設けている。この方向に床面構成部材2を設けることにより、車のタイヤは通常、接地部分の長さは、100mm程度であるが、上述の実施例では、隙間5mm+床面構成部材2のアール部分各6.4mmであることより図3に示すα2=5+6.4+6.4=17.8mmとなり、滑り止めの効果を得ることが出来る。
タイヤの径、床面の傾斜等を考慮して、隙間を調整すれば、滑り止めとして更に有効である。
【0033】
また、上述の効果を従来技術との確認するため以下の実験を行った。
材料は、図5に示す本発明の構成で、床面構成部材2の大きさは、200mm、長さ600mm、高さ75mmのC形鋼で、鋼材の厚みは、3.2mmである。これを図に示すように、50mm×50mm×5mmのゴムの緩衝部材4を挟んで3枚を、H形鋼よりなる、基礎部材1に、上述した固定部材3で固定した。なお、この実験の本発明品には、防水構造部材5は設けなかった。
比較例として図8に示す製品を、150mm、長さ600mm、高さ50mmを4枚を同様の基礎部材1にボルトナットで固定して、騒音試験を行った。
騒音試験の測定方法は、床板上1mの高さより標準重量床衝撃源(ボール)を落下させた時の放射音を測定する方法を用いた結果を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示すように、本発明にかかる床面構成部材においては、従来製品に比べ5.1dBの差が生じて、大幅な消音効果を有している。
【0036】
次に、上述の騒音試験を行った製品と同じものを用いて、滑り止めの効果を図る上で、静止摩擦力の試験を行った。
測定方法としては、2つの本発明品と比較例のそれぞれに床上に500KGの荷重をかけた固定タイヤを載せ、引抜を測定し、静止摩擦力を測定した。
なお、この試験に於いて、引き抜き方向は、それぞれの試料の本発明品および比較例のそれぞれの床面構成部材2又は図8に示す製品の長手方向と直交方向としている。
ここで使用したタイヤは、横浜ゴム株式会社製(205/70R15 95Q)の未使用品を使用した。
静止摩擦力の試験結果は、
本発明品 2500kg
比較例 1500kg
であった。
このように、本発明によれば、静止摩擦力が大きく設定することができ、駐車場に使用するに際し、十分な滑り止め効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、強度の必要な床面構成部材を提供することができ、駐車場床面等の設備の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 基礎部材
2 床面構成部材
20 開口部
21 リップ部
22 側面部
23 床面
3 固定部材
30 内部固定部材
31 高張力ボルトナット
4 緩衝部材
40 緩衝体
5 防水構造部材
50 棒状発泡スチロール
51 防水充填材
6 ピット
60 取付基礎材
7 車止め
8 床材料
80 受け部
81 折込部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9