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特許6369937アイコン表示装置及びアイコン表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369937
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】アイコン表示装置及びアイコン表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20180730BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20180730BHJP
【FI】
   G06F3/0481 170
   G06F3/0488
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-182230(P2014-182230)
(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公開番号】特開2016-57747(P2016-57747A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001410
【氏名又は名称】株式会社河合楽器製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】勝田 雅則
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0186173(US,A1)
【文献】 特開2013−246727(JP,A)
【文献】 特開2012−083801(JP,A)
【文献】 特開2012−137822(JP,A)
【文献】 特開平09−160739(JP,A)
【文献】 特開2004−086274(JP,A)
【文献】 特開2012−252384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01− 3/0489
G06F 3/14− 3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ画面にコマンド用アイコンを表示する装置であって、
閉塞されたコントロール枠内の中央に移動する選択アイコンと、前記選択アイコンを中心として前記コントロール枠内の周囲の定位置に退避する非選択アイコンと、前記コントロール枠内におけるなぞり操作によるアイコン移動を表示するコントロール画像生成部と、
前記なぞり操作及びその移動方向を検出するドラッグ移動検出部と、を備え、
前記コントロール画像生成部は、
前記なぞり操作の移動方向元に対応する非選択アイコンが中央に引き出された場合に、同時に中央に表示されていた前記選択アイコンが前記コントロール枠の周囲の定位置に退避して非選択アイコンとなるよう表示する
ことを特徴とするアイコン表示装置。
【請求項2】
前記非選択アイコンは、その一部が前記コントロール枠内に表示される請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項3】
前記非選択アイコンは、前記選択アイコンに比較して小さく表示される請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項4】
前記非選択アイコンは、前記選択アイコンに比較して透過率を高くして表示される請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項5】
前記各アイコンの前記定位置を、前記コントロール枠内の周囲に等間隔に配置する請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項6】
前記コントロール枠を円形とした請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項7】
前記なぞり操作中において、前記選択アイコンは連続して小さくなるよう表示され、前記定位置で非選択アイコンに変わる最小化位置となる請求項3に記載のアイコン表示装置。
【請求項8】
前記なぞり操作中において、前記選択アイコンは連続して透過率が高くなるよう表示され、前記定位置で非選択アイコンに変わる最大透過率位置となる請求項4に記載のアイコン表示装置。
【請求項9】
前記非選択アイコンが前記コントロール枠の中央に移動して選択アイコンに変わり、それと同時に前記選択アイコンのコマンドが実行される請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項10】
前記ディスプレイ画面においてタップ操作を検出するタップ検出部を備え、
前記選択アイコンがタップ操作された時に、前記選択アイコンのコマンドが実行される請求項1に記載のアイコン表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のアイコン表示装置を動作させるためのプログラムであって、前記各部をコンピュータ上に構築することを特徴とするアイコン表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末のディスプレイ画面に表示されるコマンド用アイコンの表示に関し、限られた面積の画面において、複数のコマンド機能を有するアイコンを操作性良好に表示するアイコン表示装置及びアイコン表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯型の情報端末においては、ディプレイ画面に複数のコマンド用アイコンを表示し、タップ操作によりアイコンを選択することで、コマンド機能が実行される。また、情報端末上で各種のアプリを動作させるような場合についても、動作したアプリによるディスプレイ画面に表示されたコマンド用アイコンを選択することで、コマンド機能が実行される。
【0003】
例えば、情報端末上で楽譜の編集作業を行うようなアプリを動作させた場合、ディスプレイ画面に多数のコマンド用アイコンをタッチ操作に支障のない大きさを確保して配置すると、主たる編集機能のための画面領域が狭くなって作業がやり難いという課題が存在した。特に、タブレット型端末に比べて画面が小さいスマートフォンでは、画面設計自体がより困難になる。
【0004】
また、特許文献1には、ディプレイ画面が限られた情報端末の文字入力に関し、入力文字列に基づき複数の確定文字列候補を表示する場合に、候補文字列を円周上に表示し、ユーザーによるドラッグ回転操作により選択する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−3802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したアイコン表示であると、操作に支障ない大きさを確保するとともに、主たる編集機能のための画面領域を確保した場合、一画面の領域に全てのアイコンが表示できなくので、アイコン表示について階層的な複数画面表示を行う等の処理が必要となり、アイコン選択するまでの操作が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて提案されたもので、情報端末においてアイコン表示を行うディスプレイ画面の領域が限定されていても、複数アイコンを操作性良く表示することが可能なアイコン表示装置及びアイコン表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の請求項1に係るアイコン表示装置は、ディスプレイ画面にコマンド用アイコンを表示する装置であって、
閉塞されたコントロール枠内の中央に移動する選択アイコンと、前記選択アイコンを中心として前記コントロール枠内の周囲の定位置に退避する非選択アイコンと、前記コントロール枠内におけるなぞり操作(ドラッグ、スワイプ、フリップ)によるアイコン移動を表示するコントロール画像生成部と、
前記なぞり操作及びその移動方向を検出するドラッグ移動検出部と、を備え、
前記コントロール画像生成部は、
前記なぞり操作の移動方向元に対応する非選択アイコンが中央に引き出された場合に、同時に中央に表示されていた前記選択アイコンが前記コントロール枠の周囲の定位置に退避して非選択アイコンとなるよう表示する
ことを特徴としている。
【0009】
請求項2は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記非選択アイコンは、その一部が前記コントロール枠内に表示される
ことを特徴としている。
【0010】
請求項3は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記非選択アイコンは、前記選択アイコンに比較して小さく表示される
ことを特徴としている。
【0011】
請求項4は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記非選択アイコンは、前記選択アイコンに比較して透過率を高くして表示される
ことを特徴としている。
【0012】
請求項5は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記各アイコンの前記定位置を、前記コントロール枠内の周囲に等間隔に配置する
ことを特徴としている。
【0013】
請求項6は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記コントロール枠を円形とした
ことを特徴としている。
【0014】
請求項7は、請求項3のアイコン表示装置において、
前記なぞり操作中において、前記選択アイコンは連続して小さくなるよう表示され、前記定位置で非選択アイコンに変わる最小化位置となる
ことを特徴としている。
【0015】
請求項8は、請求項4のアイコン表示装置において、
前記なぞり操作中において、前記選択アイコンは連続して透過率が高くなるよう表示され、前記定位置が非選択アイコンに変わる最大透過率位置となる
ことを特徴としている。
【0016】
請求項9は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記非選択アイコンが前記コントロール枠の中央に移動して選択アイコンに変わり、それと同時に前記選択アイコンのコマンドが実行される
ことを特徴としている。
【0017】
請求項10は、請求項1のアイコン表示装置において、
前記ディスプレイ画面においてタップ操作を検出するタップ検出部を備え、
前記選択アイコンがタップ操作された時に、前記選択アイコンのコマンドが実行される
ことを特徴としている。
【0018】
請求項11のアイコン表示プログラムは、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のアイコン表示装置を動作させるためのプログラムであって、前記各部をコンピュータ上に構築することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1のアイコン表示装置によれば、ディスプレイ画面のコントロール枠内に選択アイコンと複数の非選択アイコンを表示し、コントロール枠内でなぞり操作を行うことで、移動方向元に対応する非選択アイコンが中央に引き出され、同時に中央に表示されていた選択アイコンが退避して非選択アイコンとなるので、コントロール枠内に複数アイコンを同時に表示するとともに、なぞり操作により選択アイコンとすることができる。
【0020】
請求項2のアイコン表示装置によれば、非選択アイコンの一部がコントロール枠内に表示されるので、限られた領域で多数の非選択アイコンを表示することができるとともに、非選択アイコンの内容を認識することができる。
【0021】
請求項3のアイコン表示装置によれば、非選択アイコンについて、選択アイコンに比較して小さく表示することで、限られた領域で多数の非選択アイコンを表示することができるとともに、非選択アイコンであることを容易に認識させることができる。
【0022】
請求項4のアイコン表示装置によれば、非選択アイコンについて、選択アイコンに比較して透過率を高くして表示することで、非選択アイコンであることを容易に認識させることができる。
【0023】
請求項5のアイコン表示装置によれば、非選択アイコンの定位置をコントロール枠内の周囲に等間隔に配置することで、非選択アイコンを中央に引き出すためのなぞり操作の方向について、容易に認識させることができる。
【0024】
請求項6のアイコン表示装置によれば、コントロール枠を円形とすることで、コントロール枠内の領域を広くし、複数の非選択アイコンを表示させ易くすることができる。
【0025】
請求項7のアイコン表示装置によれば、なぞり操作中において、選択アイコンは連続して小さくなるよう表示されるので、非選択アイコンに変わるものであることを容易に認識させることができる。
【0026】
請求項8のアイコン表示装置によれば、なぞり操作中において、選択アイコンは連続して透過率が高くなるよう表示されるので、非選択アイコンに変わるものであることを容易に認識させることができる。
【0027】
請求項9のアイコン表示装置によれば、非選択アイコンをコントロール枠の中央に移動させるだけで選択アイコンに変わり、同時に選択アイコンのコマンドを実行させることができる。
【0028】
請求項10のアイコン表示装置によれば、コントロール枠の中央に位置した選択アイコンがタップ操作された時に、選択アイコンのコマンドが実行されるので、コマンドを実行するというタップ操作を行った場合にのみコマンドを実行させることができる。
【0029】
請求項11のアイコン表示プログラムによれば、各請求項に記載した各部をコンピュータ上に構築させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明のアイコン表示プログラムが格納された情報端末のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2】情報端末に構築されるアイコン表示装置の構成を示すブロック図である。
図3】情報端末において、楽譜編集アプリが動作した場合のタッチパネルにおけるディスプレイ画面図である。
図4】(a)〜(e)は、ディスプレイ画面図において、カテゴライズされた機能毎のアイコン表示を説明するための図である。
図5】(a)〜(c)は、機能毎のアイコン表示について、アイコンの機能切り換えを説明するための図である。
図6】アイコンの機能切換(モード切換)の処理を説明するためのフローチャートである。
図7】(a)〜(c)は、機能毎のアイコン表示について、アイコンの機能切り換えを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例に係るアイコン表示プログラムについて説明する。アイコン表示プログラムは、情報端末に対して、例えば楽譜編集プログラムをインストールするに際して、楽譜編集アプリケーション内で各種機能を実行するために、アイコン表示装置を構築する。情報端末としては、iPhone(商品名)等のスマートフォン、iPad(商品名)等のタブレット型端末が使用される。
【0032】
図1は、情報端末に構築されたアイコン表示装置の主要なハードウエア構成を示すブロック図であり、バス1に対して、操作部2、CPU3、ROM4、RAM5、HDD6、ネットワークインターフェイス7を接続して構成されている。
操作部2はディスプレイ内にタッチパネルを備え、タッチパネル上における指の動きとしてのドラッグ、スワイプ、フリップなどのなぞり操作、タップ、ピンチイン/ピンチアウト、長押し等のタッチ操作及びタッチパネル内での操作位置が検出可能なように構成されている。
【0033】
CPU3は、操作部1へのタッチ操作に応じたアイコン表示プログラム及び楽譜編集プログラムの各種処理の実行を制御する。ROM4は、CPU3により実行又は参照される各種プログラムや各種データ等を格納する。RAM5は、CPU3がプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして使用される。
HDD6には、CPU3でロードされるアイコン表示プログラムを含む楽譜編集プログラムが、ネットワークインターフェイス7を介して所定のURLからダウンロードされて記憶されている。
【0034】
図2は、アイコン表示プログラムをインストールすることで、情報端末に構築されたアイコン表示装置の構成を示すブロック図である。
アイコン表示装置は、情報端末のディスプレイ画面としてのタッチパネル装置10と、タッチパネル装置10におけるタッチ操作を検出するタッチ操作検出部11と、タッチ操作の内容を検出するドラッグ移動検出部12及びタップ検出部13と、操作内容に基づく画像生成を行うコントロール画像生成部14と、生成された画像を表示する表示装置20を備えている。
【0035】
タッチ操作検出部11では、上述したタップ、ドラッグ、スワイプ、フリップ、ピンチイン/ピンチアウト、長押し等のタッチ操作の種類を検出するとともに、タッチパネル内でのタッチ操作の操作位置を検出する。タッチ操作の種類及び操作位置の検出は、タッチパネル上での指の移動を検知する既存の技術により行われる。
【0036】
タッチ操作検出部11は、ドラッグ移動検出部12、タップ検出部13に接続され、タッチ操作検出部11で検出されたタッチ操作は、操作内容により、ドラッグ移動検出部12、タップ検出部13のそれぞれへ出力される。
【0037】
ドラッグ移動検出部12は、ディスプレイ画面において、ドラッグ、スワイプ、フリップ等のユーザーの指による画面をなぞるなぞり操作が行われた場合に、当該操作をドラッグ操作として検出するとともに、その移動方向及び移動距離を検出する。
タップ検出部13は、ディスプレイ画面において、タップの操作が行われた場合に、当該操作をタップ操作として検出する。
【0038】
コントロール画像生成部14は、ドラッグ移動検出部12及びタップ検出部13からの信号に基づいて、表示装置20を介してディスプレイ画面に表示されるコントロール画像を生成する。コントロール画像の詳細については後述する。
【0039】
コマンド選択部15は、ディスプレイ画面に表示されたコントロール枠の中心に位置する選択アイコンをコマンドアイコンとして選択し、この状態でタップ操作が行われた場合に、コマンド実行部16により選択アイコンのコマンドが実行される。
【0040】
続いて、コントロール画像生成部14が生成する具体的なコントロール画像について、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、情報端末において楽譜編集アプリを動作させた場合の表示装置20におけるディスプレイ画面図である。ディスプレイ画面30には、作曲や編集作業を行うための五線31と、その上方に各種の楽譜編集を行うため複数個(この例の場合は6個)のコントロール画像32が表示されている。各コントロール画像32は、同種の又は関連する機能毎のアイコンが集約してカテゴライズされ、区別し易いようにそれぞれ異なる色調で表示されている。
【0041】
コントロール画像32は、円形のコントロール枠33と、コントロール枠33内の中央に表示される一つの選択アイコンと、コントロール枠33内の周囲の定位置に配置された複数の非選択アイコンから構成され、コントロール枠33内においてなぞり操作(ドラッグ、スワイプ、フリップ)が行われた場合には、対象となる一対のアイコンが移動するアニメーション表示が行われる。アニメーション表示の詳細については後述する。
また、非選択アイコンは、コントロール枠33の中心側の一部が表示されている。表示される一部でアイコン内容が判別できるようにしている。
【0042】
コントロール画像32Aは、図4に示すように、指やタッチペンで楽譜上に手書き入力で音符や休符などの音楽記号を入力する「手書き入力モード」アイコンa1、楽譜上にテキスト入力用のキーボードで発想標語を入力する「発想標語入力モード」アイコンa2、楽譜上にメモ書きする「メモ入力モード」アイコンa3の3種類から選択できるように構成されている。
コントロール画像32Bは、五線上に入力した音符や休符などの音楽記号を均等に整列する「整列」アイコンb1、楽譜のタイトルやテンポなどの楽譜全体のプロパティ、あるいは選択したパートのパート名、キー、譜表などのパートのプロパティ、あるいは選択した発想評語のフォントや演奏方法のプロパティを設定する「プロパティ」アイコンb2、入力した楽譜全体あるいは選択した小節の移調を行う「移調」アイコンb3の3種類から選択できるように構成されている。
コントロール画像32Cは、直前の操作を元に戻す「アンドゥ」アイコンc1、直前の操作をやり直す「リドゥ」アイコンc2の2種類から選択できるように構成されている。
コントロール画像32Dは、楽譜の演奏を開始する「演奏開始」アイコンd1、演奏を停止する「演奏停止」アイコンd2の2種類から選択できるように構成されている。
コントロール画像32Fは、操作内容等の説明を求める「ヘルプ」アイコンf1、作成した楽譜の一元管理と閲覧を行うライブラリ画面へ遷移する「ライブラリ」アイコンf2、アプリ全体の各種設定を行う「アプリの設定」アイコンf3、指以外の場所が画面にタッチして不用意に意図しない操作が行われてしまうことを防止するためのリストガードビューの表示をスイッチする「リストガード」アイコンf4の4種類から選択できるように構成されている。
【0043】
コントロール画像32A,32B,32C,32D,32Fのコマンド(アイコン)数は、それぞれ3個、3個、2個、2個、4個の例を挙げたが、12個のコマンドを時計の12方向に振り分けてもよい。
その場合、アイコン表示プログラムにより、ドラッグ移動検出部12において、ドラッグ操作による移動方向について、12方向が検知できるよう設定される。
【0044】
各非選択アイコンは、コントロール枠33内におけるドラッグ、スワイプ、フリップのなぞり操作により、中央に引き出して選択アイコンとすることができる(アイコン入れ替え)。
すなわち、コントロール枠33内でドラッグ操作を行った場合、ドラッグ移動検出部12において移動方向及び移動距離が検出され、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンが中央に引き出されて選択アイコンとなり、それと同時に中央に表示されていた選択アイコンがコントロール枠33の周囲の定位置に退避して非選択アイコンとなる。
【0045】
ドラッグ操作中において、選択アイコンが未だ最小化及び最大透過率に移行していない時は、選択アイコンとしては従前の状態が維持される。
また、ドラッグ操作中でアイコンが完全に入れ替わらない(選択アイコンが最小化及び最大透過率に移行して非選択アイコンになり、新たな選択アイコンが中央に表示されるに至らない)うちに、ディスプレイ画面でのドラッグ操作を中断したような場合に、検出された移動距離が予め決められた所定量以下である時には、アイコンの入れ替えはキャンセルされ、移動距離が所定量を超えた時には、コントロール枠33内の中央に表示して選択アイコンとするアイコン入れ替えが行われる。
【0046】
定位置で最小化位置となる非選択アイコンは、最大サイズとしてコントロール枠33の中央に表示される選択アイコンに比較して、50%の大きさ(最小サイズ)で表示される。
また、定位置で最大透過率位置となる非選択アイコンは、選択アイコンに比較して透過率を高くして表示される。非選択アイコンは、選択アイコンに対して30%(最大透過率)の透過率で表示される。
そして、コントロール枠33内における各アイコンのドラッグ操作による移動途中(ドラッグ操作中)についても、ドラッグ操作位置に沿って引き出されるアイコンと退避するアイコンから成る一対のアイコンが移動するアニメーション表示が行われる。
【0047】
ドラッグ操作中においては、一対のアイコンのうち、選択アイコンにしようとする(引き出される)アイコンは、連続して大きくなるよう表示されるとともに、連続して透過率が低くなるよう表示されるアニメーションが行われる。その一方、アイコンの引き出しに応じて自動的に定位置に退避して非選択アイコンとなる(退避する)アイコンは、連続して小さくなるよう表示されるとともに、連続して透過率が大きくなるよう表示される。
【0048】
例えば、図5(a)に示すコントロール画像32Aを使用し、3種類のモード切換を行う場合について、図6のフローチャートを参照して説明する。
コントロール画像32Aでは、「手書き入力モード」、「発想標語入力モード」、「メモ入力モード」の3種類のモードに切換可能となっており、各アイコンは非選択アイコンとして退避して表示される配置箇所(定位置)がコントロール枠の均等位置(120度の等間隔)になるように表示されている。
【0049】
先ず、ドラッグ移動検出部12において、タッチ操作検出部11で検出されたディスプレイ画面におけるタッチ操作がドラッグ操作であるか否かを判断し(ステップ61)、ドラッグ操作である場合、ドラッグ操作の移動方向を検出し(ステップ62)、その移動量を検出し(ステップ63)、コントロール枠内で移動方向及び移動量に応じた一対のアイコンのアニメーション表示を行う(ステップ64)。
一対のアイコンのアニメーション表示は、ドラッグ操作の移動元に位置する非選択アイコンが順次大きく且つ透過率が低くなるようにドラッグ操作の移動方向へ引き出されるとともに、コントロール枠33の中央に位置していた選択アイコンが順次小さく且つ透過率が高くなるように移動しながらコントロール枠33の周囲の所定位置に向かって退避する画像表示で行われる。
【0050】
次に、コントロール枠33内での移動量が予め設定された所定量を超えたか否かを判断し(ステップ65)、超えない場合はステップ62及びステップ63の処理を繰り返して一対のアイコンが移動するアニメーション表示を行う(ステップ64)。
コントロール枠33内での移動量が予め設定された所定量を超えた場合は、引き出されたアイコンが選択アイコンとしてコントロール枠33の中央位置に表示するアイコンの入れ替えが行われ(ステップ66)、モード切換の処理を終了する。
【0051】
以上の処理が行われることで、コントロール画像32Aにおいて、「手書き入力モード」アイコンa1が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における下方左側から上方右側に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「発想標語入力モード」アイコンa2がドラッグ操作方向に徐々に大きく表示されて引き出され、同時に「手書き入力モード」アイコンa1が定位置である直上位置に退避する。その結果、「発想標語入力モード」アイコンa2が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0052】
図5(b)に示すコントロール画像32Aのように、「発想標語入力モード」アイコンa2が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における下方右側から上方左側に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「メモ入力モード」アイコンa3がドラッグ操作方向に引き出され、同時に「発想標語入力モード」アイコンa2が定位置である左下位置に退避する。その結果、「メモ入力モード」アイコンa3が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0053】
図5(c)に示すコントロール画像32Aのように、「メモ入力モード」アイコンa3が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における上方から下方に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「手書き入力モード」アイコンa1がドラッグ操作方向に引き出され、同時に「メモ入力モード」アイコンa3が定位置である右下位置に退避する。その結果、「手書き入力モード」アイコンa1が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0054】
すなわち、図5(a)〜(c)に示すコントロール画像32Aの場合、「手書き入力モード」アイコンa1が非選択アイコンとなる定位置はコントロール枠33の直上位置、「発想標語入力モード」アイコンa2が非選択アイコンとなる定位置はコントロール枠33の左下位置、「メモ入力モード」アイコンa3が非選択アイコンとなる定位置はコントロール枠33の右下位置であり、それぞれ120度間隔に配置されている。そして、これらのアイコンの一つをコントロール枠33の中央位置に引き出すドラッグ操作を行うと、中央位置に表示されていた選択コマンドが定位置に退避する。
【0055】
続いて、図7(a)に示すコントロール画像32Bを使用し、3種類のコマンド切換を行う場合について説明する。
コントロール画像32Bは、「整列」、「プロパティ」「移調」の3種類のコマンドに切換可能となっており、各アイコンは非選択アイコンとして退避して表示される配置箇所(定位置)がコントロール枠33の均等位置(120度間隔)になるように表示されている。
【0056】
「移調」アイコンb3が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における上側から下側に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「整列」アイコンb1がドラッグ操作方向に引き出され、同時に「移調」アイコンa3が定位置である右下位置に退避する。その結果、「整列」アイコンb1が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0057】
図7(b)に示すコントロール画像32Fを使用し、4種類のモード切換を行う場合について説明する。
コントロール画像32Fでは、「ヘルプ」、「ライブラリ」、「アプリの設定」、「リストガード」の4種類のコマンドに切換可能となっており、各アイコンは非選択アイコンとして退避して表示される配置箇所(定位置)がコントロール枠33の均等位置(90度の等間隔)になるように表示されている。
【0058】
「ヘルプ」アイコンf1が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における右側から左側に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「アプリの設定」アイコンf3がドラッグ操作方向に引き出され、同時に「ヘルプ」アイコンf1が定位置である左位置に退避する。その結果、「アプリの設定」アイコンf3が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0059】
図7(c)に示すコントロール画像32Cを使用し、2種類のコマンド切換を行う場合について説明する。
コントロール画像32Cでは、「アンドゥ」、「リドゥ」の2種類のコマンドに切換可能となっており、各アイコンは非選択アイコンとして退避して表示される配置箇所(定位置)がコントロール枠33の均等位置(180度間隔となる左右位置)になるように表示されている。
「アンドゥ」アイコンc1が選択アイコンとしてコントロール枠33の中央に表示される状態から、コントロール枠33における左側から右側に矢印Xに沿ったドラッグ操作を行った場合、ドラッグ操作の移動方向元に対応する非選択アイコンである「リドゥ」アイコンc2がドラッグ操作方向に引き出され、同時に「アンドゥ」アイコンc1が定位置である左位置に退避する。その結果、「リドゥ」アイコンc2が中央に位置して選択アイコンとなる。
【0060】
また、コマンドが実行できない(無効であるような)場合、図7(c)の右端の「リドゥ」アイコンc2が表示されたコントロール枠33のように、コントロール枠33内を灰色で表示することで、無効化の態様を分かり易くするアイコン表示を行っても良い。
【0061】
上述した例では、図2のブロック図において、ディスプレイ画面でタップ操作を検出するタップ検出部13を備えることで、コントロール枠33の中央に表示された選択アイコンがタップ操作された時に、選択アイコンのコマンドが実行されるようにしたが、タップ検出部13を省略し、コントロール枠33の中央に選択アイコンが表示されてコマンド選択部15でアイコンが選択されたことを以て、コマンド実行部16でコマンドが実行されるようにしてもよい。
【0062】
また、コントロール枠33の形状を円形としたが、閉塞される形状であればよく、例えば、楕円、正方形、長方形、三角形、四角形、五角形、六角形、長丸、星型等の幾何学図形であってもよい。すなわち、コントロール枠の周囲に配置されたアイコン(非選択アイコン)を図形の中央部にドラッグ移動できる形状であれば良い。
【0063】
上述したアイコン表示装置によれば、複数のアイコン(コマンド実行アイコン)をコントロール枠33の円周状に配置したので、狭い画面でも多機能なアイコン表示を行うことができる。
その際に、コマンド内容が理解できる程度に非選択アイコンの一部がコントロール枠33内に表示されるようにしたので、限られた領域で多数の非選択アイコンを表示することができるとともに、非選択アイコンの内容を認識することができる。
【0064】
また、実行したいコマンドに対応するアイコンをコントロール枠33の周辺部から中央にドラッグ操作で移動するので、必要なものを引っ張り出す直感的な操作でコマンド切換が可能となる。
コマンドに対応するアイコンを引っ張り出す方向は変化せずに一定(非選択アイコンは定位置に配置)なので、コマンド選択を間違えることなく、モード切換操作を覚え易くすることができる。
【0065】
選択アイコンは、コントロール枠33の中央に最大化して表示されるので、いずれのモードやコマンドが選択されているか選択状態を明確にすることができる。
非選択アイコンは小さく且つ透過率を大きく表示するので、選択アイコンが目立つように表示できる。
また、ドラッグ操作によりアイコンが入れ替わる様子をアニメーション表示することで、誤操作を防止するとともに、モード切換を視覚的に表示することができる。
【符号の説明】
【0066】
10…タッチパネル装置、 11…タッチ操作検出部、 12…ドラッグ移動検出部、 13…タップ検出部、 14…コントロール画像生成部、 15…コマンド選択部、 16…コマンド実行部、 20…表示装置、 30…ディスプレイ画面、 32…コントロール画像、 33…コントロール枠。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7