(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369963
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】シフトレジスタ素子、シフトレジスタ、ゲート駆動回路および表示装置
(51)【国際特許分類】
G11C 19/28 20060101AFI20180730BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-545993(P2017-545993)
(86)(22)【出願日】2015年3月17日
(65)【公表番号】特表2018-501601(P2018-501601A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】CN2015074352
(87)【国際公開番号】WO2016078264
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】201410664680.7
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100122910
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 広之
(72)【発明者】
【氏名】馬 占 潔
【審査官】
後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−9738(JP,A)
【文献】
特開2006−228312(JP,A)
【文献】
特開2006−31908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モジュールと、第2モジュールと、制御モジュールとを備えるシフトレジスタ素子であって、
前記第1モジュールは、自段のシフトレジスタ素子の出力端にハイレベル信号を出力させるためのものであり、ゲートが前記制御モジュールに接続され、第1極がハイレベル信号入力端に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端に接続される第1制御トランジスタを備え、
前記制御モジュールは、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものであり、
前記第2モジュールは、自段のシフトレジスタ素子の出力端にローレベル信号を出力させるためのものであり、ゲート、第1極が何れもローレベル信号入力端に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端に接続される第2制御トランジスタを備える
ことを特徴とするシフトレジスタ素子。
【請求項2】
請求項1に記載のシフトレジスタ素子において、
前記制御モジュールは、スタート信号モジュールと、第1容量と、第1容量に並列接続される第1制御モジュール、 第2制御モジュールとを備え、
前記スタート信号モジュールは、第1容量、第1制御モジュール、第2制御モジュールにスタート信号を供給するためのものであり、
前記第1容量は、第1端がスタート信号モジュールに接続され、第2端が前記第1制御トランジスタのゲートに接続され、
前記第1制御モジュールは、前記スタート信号および第1クロック信号入力端から入力された第1クロック信号に基づき、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものであり、
前記第2制御モジュールは、前記スタート信号および第2クロック信号入力端から入力された第2クロック信号に基づき、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものである
ことを特徴とするシフトレジスタ素子。
【請求項3】
請求項2に記載のシフトレジスタ素子において、
前記スタート信号モジュールは、ゲートが前記第1クロック信号入力端に接続され、第1極が前記スタート信号入力端に接続され、第2極が前記第1容量の第1端、前記第1制御モジュールおよび前記第2制御モジュールに接続される信号制御トランジスタを備える
ことを特徴とするシフトレジスタ素子。
【請求項4】
請求項3に記載のシフトレジスタ素子において、
前記第1制御モジュールは、第2容量と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタとを備え、
前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は共に、前記第1クロック信号入力端に接続され、前記第1トランジスタの第2極は、前記第2トランジスタの第2極および前記第3トランジスタのゲートに接続され、
前記第2トランジスタのゲートは前記信号制御トランジスタの第2極に接続され、前記第2トランジスタの第1極は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第3トランジスタのゲートに接続され、
前記第3トランジスタのゲートは前記第2容量の第1端に接続され、前記第2容量の第2端は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記第1制御トランジスタのゲート、前記第1容量の第2端に接続される
ことを特徴とするシフトレジスタ素子。
【請求項5】
請求項4に記載のシフトレジスタ素子において、
前記第2制御モジュールは、ゲートが前記信号制御トランジスタの第2極、前記第1容量の第1端に接続され、第1極が前記第2クロック信号入力端に接続され、第2極が前記第1制御トランジスタのゲート、前記第1容量の第2端に接続される第4トランジスタを備える
ことを特徴とするシフトレジスタ素子。
【請求項6】
カスケード接続された複数段のシフトレジスタ素子を備えるシフトレジスタであって、
前記シフトレジスタ素子としては、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシフトレジスタ素子が用いられる
ことを特徴とするシフトレジスタ。
【請求項7】
シフトレジスタを備えるゲート駆動回路であって、
前記シフトレジスタとしては、請求項6に記載のシフトレジスタが用いられる
ことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項8】
ゲートとゲート駆動回路とを備える表示装置であって、
前記ゲート駆動回路としては、請求項7に記載のゲート駆動回路が用いられる
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示技術分野に関し、特にシフトレジスタ素子、該シフトレジスタ素子を備えるシフトレジスタ、該シフトレジスタを備えるゲート駆動回路、ならびに該ゲート駆動回路を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light−Emitting Diode、以下はOLEDと略称する)表示装置において、各画素が薄膜トランジスタの制御で独立に発光することにより、表示が行われる。OLED表示装置のゲート駆動回路には、発光制御シフトレジスタ素子を設ける必要があり、この発光制御シフトレジスタ素子は、1パルスにおいて閉信号を出力し、他の時間帯のいずれにも開信号を出力することにより、画素発光段階における、画素発光を常時開状態にさせる制御を実現する。
【0003】
図1は、従来の発光制御シフトレジスタ素子の回路図である。
図1に示すように、該発光制御シフトレジスタ素子は、第1モジュール1と、第2モジュール2と、第1制御モジュール3’と、第2制御モジュール3”とを備える。第1モジュール1は、自段のシフトレジスタ素子の出力端4にハイレベル信号を出力させるためのものであり、第1極がハイレベル信号入力端5に接続され、第2極が出力端4に接続される第1制御トランジスタ10を備える。第2モジュール2は、自段のシフトレジスタ素子の出力端4にローレベル信号を出力させるためのものであり、第1極がローレベル信号入力端6に接続され、第2極が出力端4に接続される第2制御トランジスタ20を備える。第1制御モジュール3’および第2制御モジュール3”は、第1制御トランジスタ10および第2制御トランジスタ20のオンオフを制御するためのものである。第1制御モジュール3’は、スタート信号モジュール3c’と、第1容量C
S0と、第1容量C
S0に並列接続される第1サブモジュール3a’、 第2サブモジュール3b’とを備え、第2制御モジュール3”は、第3サブモジュール3a”と、第4サブモジュール3b”を備える。第1サブモジュール3a’、 第2サブモジュール3b’は、第1制御トランジスタ10のゲートに接続され、第1制御トランジスタ10のオンオフを制御するのに用いられ、また、第1サブモジュール3a’、 第2サブモジュール3b’は、第3サブモジュール3a”にも接続され、第3サブモジュール3a”における各トランジスタのオンオフを制御するのに用いられる。第3サブモジュール3a”および第4サブモジュール3b”は、第2制御トランジスタ20のゲートに接続され、第2制御トランジスタ20のオンオフを制御するのに用いられる。具体的には、スタート信号モジュール3c’は、信号制御トランジスタ30を備え、第1サブモジュール3a’は、第1トランジスタ31と、第2トランジスタ32と、第3トランジスタ33と、第2容量C
S1とを備え、第2サブモジュール3b’は、第4トランジスタ34を備え、第3サブモジュール3a”は、第5トランジスタ35と、第6トランジスタ36とを備え、第4サブモジュール3b”は、第7トランジスタ37と、第3容量C
S2とを備える。前記各トランジスタの接続関係は、
図1に示す通りである。
【0004】
以下では、
図1および
図2を参照しながら、発光制御シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタがP型トランジスタであることを例にして、発光制御シフトレジスタ素子の作動原理を説明する。具体的には、
図2に示すように、第1段階aにおいて、スタート信号入力端8から入力されたスタート信号はローレベルにあり、第1クロック信号入力端7から入力された第1クロック信号はローレベルにあり、第2クロック信号入力端9から入力された第2クロック信号はハイレベルにある。この場合、第1制御トランジスタ10および第3サブモジュール3a”における各トランジスタが第2サブモジュール3b’の制御でオフになり、第2制御トランジスタ20が第4サブモジュール3b”の制御でオンになることにより、ローレベル信号入力端6から入力されたローレベル信号は、第2モジュール2を介して出力端4から出力され、すなわち開信号は出力端4から出力される。第2段階bにおいて、スタート信号はハイレベルになり、第1クロック信号はハイレベルになり、第2クロック信号はローレベルになる。この場合、第1制御トランジスタ10および第3サブモジュール3a”における各トランジスタが第2サブモジュール3b’の制御でオンになり、さらに第2制御トランジスタ20が第3サブモジュール3a”の制御でオフになるようにすることにより、ハイレベル信号入力端5から入力されたハイレベル信号は、第1モジュール1を介して出力端4から出力され、すなわち閉信号は出力端4から出力される。第3段階cにおいて、スタート信号はハイレベルに維持され、第1クロック信号はローレベルになり、第2クロック信号はハイレベルになる。この場合、第1制御トランジスタ10および第3サブモジュール3a”における各トランジスタが第1サブモジュール3a’の制御でオフになり、第2制御トランジスタ20が第4サブモジュール3b”の制御でオンになることにより、ローレベル信号入力端6から入力されたローレベル信号は、第2モジュール2を介して出力端4から出力され、すなわち開信号は出力端4から出力される。第4段階dにおいて、スタート信号はハイレベルに維持され、第1クロック信号はハイレベルになり、第2クロック信号はローレベルになる。この場合、第1制御トランジスタ10および第3サブモジュール3a”における各トランジスタが第1サブモジュール3a’の制御でオフになり、第2制御トランジスタ20が第4サブモジュール3b”の制御でオンになることにより、ローレベル信号入力端6から入力されたローレベル信号は、第2モジュール2を介して出力端4から出力され、すなわち開信号は出力端4から出力される。その後の各段階において、前記第3段階cおよび第4段階dを絶えずに繰り返すことにより、出力端4から出力される信号は何れも開信号であるようにしている。
【0005】
前記発光制御シフトレジスタ素子において、多くのトランジスタ(合計10個)の使用によって発光制御シフトレジスタ素子の信号出力(すなわち、1パルスにのみ閉信号を出力し、他の時間帯に開信号を出力する)を制御するため、発光制御シフトレジスタ素子は、大きなスペース、すなわち額縁幅を占有する必要があり、表示装置の狭額縁設計の実現に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する技術的課題の一つを解決するためになされたものであり、シフトレジスタ素子、シフトレジスタ、ゲート駆動回路および表示装置を提供する。前記シフトレジスタ素子は、それが備えるトランジスタの数を少なくすることにより、その占有のスペース、すなわち額縁幅を小さくすることができるため、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を実現するために、第1モジュールと、第2モジュールと、制御モジュールとを備えるシフトレジスタ素子であって、前記第1モジュールは、自段のシフトレジスタ素子の出力端にハイレベル信号を出力させるためのものであり、ゲートが前記制御モジュールに接続され、第1極がハイレベル信号入力端に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端に接続される第1制御トランジスタを備え、前記制御モジュールは、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものであり、前記第2モジュールは、自段のシフトレジスタ素子の出力端にローレベル信号を出力させるためのものであり、ゲート、第1極が何れもローレベル信号入力端に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端に接続される第2制御トランジスタを備えるシフトレジスタ素子を、提供する。
【0008】
前記制御モジュールは、スタート信号モジュールと、第1容量と、前記第1容量に並列接続される第1制御モジュール、 第2制御モジュールとを備え、前記スタート信号モジュールは、第1容量、第1制御モジュール、第2制御モジュールにスタート信号を供給するためのものであり、前記第1容量は、第1端がスタート信号モジュールに接続され、第2端が前記第1制御トランジスタのゲートに接続され、前記第1制御モジュールは、前記スタート信号および第1クロック信号入力端から入力された第1クロック信号に基づき、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものであり、前記第2制御モジュールは、前記スタート信号および第2クロック信号入力端から入力された第2クロック信号に基づき、前記第1制御トランジスタのオンオフを制御するためのものである。
【0009】
前記スタート信号モジュールは、ゲートが前記第1クロック信号入力端に接続され、第1極が前記スタート信号入力端に接続され、第2極が前記第1容量の第1端、前記第1制御モジュールおよび前記第2制御モジュールに接続される信号制御トランジスタを備える。
【0010】
前記第1制御モジュールは、第2容量と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタとを備える。前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は何れも、前記第1クロック信号入力端に接続され、前記第1トランジスタの第2極は、前記第2トランジスタの第2極および前記第3トランジスタのゲートに接続される。前記第2トランジスタのゲートは前記信号制御トランジスタの第2極に接続され、前記第2トランジスタの第1極は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第3トランジスタのゲートに接続される。前記第3トランジスタのゲートは前記第2容量の第1端に接続され、前記第2容量の第2端は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記ハイレベル信号入力端に接続され、前記第3トランジスタの第2極は前記第1制御トランジスタのゲート、前記第1容量の第2端に接続される。
【0011】
前記第2制御モジュールは、ゲートが前記信号制御トランジスタの第2極、前記第1容量の第1端に接続され、第1極が前記第2クロック信号入力端に接続され、第2極が前記第1制御トランジスタのゲート、前記第1容量の第2端に接続される第4トランジスタを備える。
【0012】
別の技術案としては、本発明は、カスケード接続された複数段のシフトレジスタ素子を備えるシフトレジスタであって、前記シフトレジスタ素子が本発明による前記シフトレジスタ素子であるシフトレジスタを、さらに提供する。
【0013】
別の技術案としては、本発明は、シフトレジスタを備えるゲート駆動回路であって、前記シフトレジスタとしては、本発明による前記シフトレジスタが用いられるゲート駆動回路を、さらに提供する。
【0014】
別の技術案としては、本発明は、ゲートとゲート駆動回路とを備える表示装置であって、前記ゲート駆動回路としては、本発明による前記ゲート駆動回路が用いられる表示装置を、さらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、下記の有益な効果を有している。
【0016】
本発明によるシフトレジスタ素子によれば、第2制御トランジスタのゲートがローレベル信号入力端に接続され、すなわち第2制御トランジスタのオンオフが直接にローレベル信号により制御されるため、第2制御トランジスタのオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、本発明によるシフトレジスタ素子は、トランジスタの数を少なくすることにより、シフトレジスタ素子に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0017】
本発明によるシフトレジスタは、本発明による前記シフトレジスタ素子を用い、第2制御トランジスタのオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、トランジスタの数を少なくすることにより、シフトレジスタに必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0018】
本発明によるゲート駆動回路は、本発明による前記シフトレジスタを用い、第2制御トランジスタのオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、トランジスタの数を少なくすることにより、ゲート駆動回路に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0019】
本発明による表示装置は、本発明による前記ゲート駆動回路を用い、ゲート駆動回路に必要な占有スペースを小さすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面は、本発明をさらに理解させるために提供されたものであり、明細書の一部となって、後述の実施形態とともに、本発明の解釈に用いられるが、本発明を制限するものではない。図面のうち、
【
図1】は、従来の発光制御シフトレジスタ素子の回路図である。
【
図2】は、発光制御シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタがP型トランジスタである場合、発光制御シフトレジスタ素子における各信号のタイミングチャートである。
【
図3】は、本発明によるシフトレジスタ素子の好ましい実施形態に係る回路図である。
【
図4】は、シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタがP型トランジスタである場合、シフトレジスタ素子における各信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳しく説明する。ここで記述する実施形態が単に本発明を説明および解釈するためのものであり、本発明を制限するためのものでないことは、理解されるべきである。
【0022】
図3は、本発明によるシフトレジスタ素子の好ましい実施形態に係る回路図である。
図3に示すように、本実施形態において、シフトレジスタ素子は、第1モジュール1と、第2モジュール2と、第3モジュール3とを備える。第1モジュール1は、自段のシフトレジスタ素子の出力端4にハイレベル信号を出力させるためのものであり、ゲートが制御モジュール3に接続され、第1極がハイレベル信号入力端5に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端4に接続される第1制御トランジスタ10を備える。制御モジュール3は、第1制御トランジスタ10のオンオフを制御するためのものである。第2モジュール2は、自段のシフトレジスタ素子の出力端4にローレベル信号を出力させるためのものであり、ゲート、第1極が何れもローレベル信号入力端6に接続され、第2極が自段のシフトレジスタ素子の出力端4に接続される第2制御トランジスタ20を備える。
【0023】
本実施形態において、言及された用語「第1極」は何れもソースであり、用語「第2極」は何れもドレインである、あるいは、用語「第1極」は何れもドレインであり、用語「第2極」は何れもソースである。
【0024】
本実施形態において、第2制御トランジスタ20のゲートがローレベル信号入力端6に接続され、すなわち第2制御トランジスタ20のオンオフが直接にローレベル信号入力端6から入力されたローレベル信号により制御されるため、第2制御トランジスタ20のオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、本実施形態におけるシフトレジスタ素子は、トランジスタの数を少なくすることにより、シフトレジスタ素子に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0025】
制御モジュール3は、スタート信号モジュール3cと、第1容量C
s0と、第1容量C
s0に並列接続される第1制御モジュール3a、 第2制御モジュール3bとを備える。スタート信号モジュール3cは、第1容量C
s0、第1制御モジュール3a、第2制御モジュール3bにスタート信号を供給するためのものであり、第1容量C
s0は、第1端がスタート信号モジュール3cに接続され、第2端が前記第1制御トランジスタ10のゲートに接続される。第1制御モジュール3aは、前記スタート信号および第1クロック信号入力端7から入力された第1クロック信号に基づき、第1制御トランジスタ10のオンオフを制御するためのものである。第2制御モジュール3bは、前記スタート信号および第2クロック信号入力端9から入力された第2クロック信号に基づき、第1制御トランジスタ10のオンオフを制御するためのものである。
【0026】
スタート信号モジュール3cは、ゲートが第1クロック信号入力端7に接続され、第1極がスタート信号入力端8に接続され、第2極が第1容量C
s0の第1端、第1制御モジュール3aおよび第2制御モジュール3bに接続される信号制御トランジスタ30を備える。
【0027】
第1制御モジュール3aは、第1トランジスタ31と、第2トランジスタ32と、第3トランジスタ33とを備える。第1トランジスタ31のゲート、第1極は何れも第1クロック信号入力端7に接続され、第1トランジスタ31の第2極は、第2トランジスタ32の第2極および第3トランジスタ33のゲートに接続される。第2トランジスタ32のゲートは信号制御トランジスタ30の第2極に接続され、第2トランジスタ32の第1極はハイレベル信号入力端5に接続され、第2トランジスタ32の第2極は第3トランジスタ33のゲートに接続される。第3トランジスタ33のゲートは第2容量C
s1の第1端に接続され、第2容量C
s1の第2端はハイレベル信号入力端5に接続され、第3トランジスタ33の第1極はハイレベル信号入力端5に接続され、第3トランジスタ33の第2極は第1制御トランジスタ10のゲート、第1容量C
s0の第2端に接続される。
【0028】
第2制御モジュール3bは、ゲートが信号制御トランジスタ30の第2極、第1容量C
s0の第1端に接続され、第1極が第2クロック信号入力端9に接続され、第2極が第1制御トランジスタ10のゲート、第1容量C
s0の第2端に接続される第4トランジスタ34を備える。
【0029】
以下は、
図3および
図4を参照しながら、前記シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタがP型トランジスタであることを例にして、該シフトレジスタ素子の作動原理を説明する。具体的には、
図3および
図4に示すように、第1段階aにおいて、スタート信号入力端8から入力されたスタート信号はローレベルにあり、第1クロック信号入力端7から入力された第1クロック信号はローレベルにあり、第2クロック信号入力端9から入力された第2クロック信号はハイレベルにある。この場合、信号制御トランジスタ30、第1トランジスタ31はオンになる。スタート信号は第1容量C
s0に対して充電保持を行い、かつ、前記スタート信号は、第2トランジスタ32、第4トランジスタ34のゲートに入力され、第2トランジスタ32、第4トランジスタ34をオンにさせる。第2トランジスタ32のオンにより、ハイレベル信号入力端5から入力されたハイレベル信号は、第2トランジスタ32の第1極、第2極を介して第3トランジスタ33のゲートに入力され、第3トランジスタ33をオフにさせる。第4トランジスタ34のオンにより、第2クロック信号は第1制御トランジスタ10のゲートに入力され、これにより、第1制御トランジスタ10はオフになる。この過程において、ローレベル信号はローレベル信号入力端6から第2制御トランジスタ20のゲートに入力され、第2制御トランジスタ20はオンになり、これにより、ローレベル信号はシフトレジスタ素子の出力端4から出力され、すなわち出力端4は開信号を出力する。
【0030】
第2段階bにおいて、スタート信号はハイレベルになり、第1クロック信号はハイレベルになり、第2クロック信号はローレベルになる。この場合、信号制御トランジスタ30、第1トランジスタ31はオフになり、第1容量C
s0は、それが保持している第1段階aのスタート信号を第2トランジスタ32および第4トランジスタ34のゲートに入力し、第2トランジスタ32および第4トランジスタ34をオンにさせる。第2トランジスタ32のオンにより、ハイレベル信号入力端5から入力されたハイレベル信号は、第2トランジスタ32の第1極、第2極を介して第3トランジスタ33のゲートおよび第2容量C
s1の第1端に入力され、第3トランジスタ33をオフにさせ、かつ、該ハイレベル信号は第2容量C
s1に対して充電保持を行う。第4トランジスタ34のオンにより、第2クロック信号は、第4トランジスタ34の第1極、第2極を介して第1制御トランジスタ10のゲートに入力され、これにより、第1制御トランジスタ10はオンになる。この過程において、ローレベル信号が第2制御トランジスタ20のゲートに入力されることにより、第2制御トランジスタ20は依然としてオン状態にあるが、第1制御トランジスタ10がすでにオンになっており、ハイレベル信号の電圧がローレベル信号の電圧より高いため、最終的に、シフトレジスタ素子はハイレベル信号を出力し、すなわち出力端4は閉信号を出力する。
【0031】
第3段階cにおいて、スタート信号はハイレベルに維持され、第1クロック信号はローレベルになり、第2クロック信号はハイレベルになる。この場合、信号制御トランジスタ30、第1トランジスタ31はオンになり、スタート信号は、第1容量C
s0に対して充電保持を行い、かつ第2トランジスタ32、第4トランジスタ34のゲートに入力され、第2トランジスタ32、第4トランジスタ34をオフにさせる。第1トランジスタ31のオンにより、第1クロック信号は、第1トランジスタ31の第1極、第2極を介して第3トランジスタ33のゲートに入力され、第3トランジスタ33をオンにさせる。第3トランジスタ33のオンにより、ハイレベル信号入力端5から入力されたハイレベル信号は、第3トランジスタ33の第1極、第2極を介して第1制御トランジスタ10のゲートに入力され、これにより、第1制御トランジスタ10はオフになる。それと同時に、該ハイレベル信号は、第2容量C
s1に対して充電保持を行う。この過程において、ローレベル信号が第2制御トランジスタ20のゲートに入力されることにより、第2制御トランジスタ20は依然としてオン状態にあり、これにより、ローレベル信号はシフトレジスタ素子から出力され、すなわち出力端4は開信号を出力する。
【0032】
第4段階dにおいて、スタート信号はハイレベルに維持され、第1クロック信号はハイレベルになり、第2クロック信号はローレベルになる。この場合、信号制御トランジスタ30、第1トランジスタ31はオフになり、第1容量C
s0は、それが保持している第3段階cのスタート信号を第2トランジスタ32および第4トランジスタ34のゲートに入力し、第2トランジスタ32および第4トランジスタ34をオフにさせる。第2容量C
s1は、それが保持している第3段階cのハイレベル信号を第3トランジスタ33のゲートに入力し、第3トランジスタ33をオフにさせる。第1容量C
s0は、それが保持している第3段階cのスタート信号を第1制御トランジスタ10のゲートに入力し、第1制御トランジスタ10をオフにさせる。この過程において、ローレベル信号が第2制御トランジスタ20のゲートに入力されることにより、第2制御トランジスタ20は依然としてオン状態にあり、これにより、シフトレジスタ素子はローレベル信号を出力し、すなわち出力端4は開信号を出力する。その後の各段階において、前記第3段階cおよび第4段階dを絶えずに繰り返すことにより、出力端4から出力された信号は何れも開信号であるようにしている。
【0033】
上記において、シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタがP型トランジスタであることを例にして、シフトレジスタ素子の作動原理を説明したが、シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタはP型トランジスタに限定されるのではなく、例えば、シフトレジスタ素子における各トランジスタおよび画素発光を制御する薄膜トランジスタはN型トランジスタであってもよい。この場合、スタート信号、第1クロック信号および第2クロック信号のタイミングを制御することにより、第1制御トランジスタ10は1パルスにのみオフになり、他の時間帯にオンに維持されるようにして、シフトレジスタ素子は1パルスにのみ閉信号を出力し、他の時間帯に開信号を出力するようにする。
【0034】
本発明によるシフトレジスタ素子によれば、第2制御トランジスタ20のゲートがローレベル信号入力端6に接続され、すなわち第2制御トランジスタ20のオンオフが直接にローレベル信号により制御されるため、第2制御トランジスタ20のオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、本発明によるシフトレジスタ素子は、トランジスタの数を少なくすることにより、シフトレジスタ素子に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0035】
別の技術案としては、本発明は、カスケード接続された複数段のシフトレジスタ素子を備えるシフトレジスタであって、前記シフトレジスタ素子が本発明による前記シフトレジスタ素子であるシフトレジスタを、さらに提供する。
【0036】
別の技術案としては、本発明は、シフトレジスタを備えるゲート駆動回路であって、前記シフトレジスタが本発明による前記シフトレジスタであるゲート駆動回路を、さらに提供する。
【0037】
本発明によるゲート駆動回路は、本発明による前記シフトレジスタを用い、第2制御トランジスタのオンオフをそれぞれに制御するための付加的トランジスタを別個設ける必要がなく、従来技術と比べて、トランジスタの数を少なくすることにより、シフトレジスタおよびゲート駆動回路に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0038】
別の技術案としては、本発明は、ゲートとゲート駆動回路とを備える表示装置であって、前記ゲート駆動回路としては、本発明による前記ゲート駆動回路が用いられる表示装置を、さらに提供する。
【0039】
具体的には、前記表示装置は、OLED表示装置である。
【0040】
本発明による表示装置は、本発明による前記ゲート駆動回路を用い、ゲート駆動回路に必要な占有スペースを小さくすることができ、表示装置の狭額縁設計の実現に寄与する。
【0041】
以上の実施形態が単に本発明の原理を説明するために用いられた例示的な実施形態であり、本発明がこれに限定されないことは、理解されるべきである。本分野の一般的な技術者であれば、本発明の精神および実体から逸脱することなく様々な変更や改良を行うことができる。これらの変更や改良も本発明の保護範囲にあるものと見なされる。