特許第6369973号(P6369973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6369973
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】情報通信システム及び情報通信方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20180730BHJP
   G08B 13/194 20060101ALI20180730BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20180730BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B13/194
   G08B27/00 C
   H04N7/18 D
【請求項の数】2
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-62170(P2014-62170)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-186113(P2015-186113A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】荒井 一茂
(72)【発明者】
【氏名】秋山 勝生
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−266131(JP,A)
【文献】 特開2008−085874(JP,A)
【文献】 特開2007−158421(JP,A)
【文献】 特開2013−238969(JP,A)
【文献】 特開2013−161098(JP,A)
【文献】 特開2009−171296(JP,A)
【文献】 特開2000−000216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G08B 13/00−15/02
19/00−31/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04N 7/18
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認識者を判断するための判断用アイテム情報を登録する被認識者情報登録部と、前記被認識者情報登録部に登録した前記判断用アイテム情報を有線または無線ネットワークを介して送信するセンター局通信部とを有するセンター局装置と、
前記有線または無線ネットワークを介して前記判断用アイテム情報を受信する端末局通信部と、画像を取得する画像取得部と、前記端末局通信部で受信した前記判断用アイテム情報に基づいて、前記画像取得部で取得した画像から前記被認識者を検出する画像解析部とを有する端末局装置と、を備え、
前記センター局装置は、前記端末局装置に対してポーリングをかけ、前記端末局装置は、ポーリングに応じて、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を前記センター局装置に送信し、
前記センター局装置は、受信した前記被認識者の画像及び画像関連情報に基づいて、拡声放送内容生成部で拡声放送の内容データを生成することを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
被認識者を判断するための判断用アイテム情報を登録する被認識者情報登録部と、前記被認識者情報登録部に登録した前記判断用アイテム情報を有線または無線ネットワークを介して送信するセンター局通信部とを有するセンター局装置と、
前記有線または無線ネットワークを介して前記判断用アイテム情報を受信する端末局通信部と、画像を取得する画像取得部と、前記端末局通信部で受信した前記判断用アイテム情報に基づいて、前記画像取得部で取得した画像から前記被認識者を検出する画像解析部とを有する端末局装置と、を備え、
前記センター局装置が、前記端末局装置に対してポーリングをかけるステップと、
前記端末局装置が、ポーリングに応じて、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を前記センター局装置に送信するステップと、
前記センター局装置が、受信した前記被認識者の画像及び画像関連情報に基づいて、拡声放送内容生成部で拡声放送の内容データを生成するステップと、を有することを特徴とする情報通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同報無線システムや画像監視システム等の情報通信システムに関し、特に、徘徊老人の捜索や不審者の発見を支援することが可能な情報通信システム及び情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の無線通信システムにおける情報の伝達方法としては、例えば、市町村防災デジタル無線通信システムが知られている。この市町村防災デジタル無線通信システムのような一般的な同報無線システムにおいては、行政機関にセンター局装置を設置し、行政管轄地区の屋外や施設内に複数の端末局装置を設置して、センター局装置から災害関連情報等の拡声放送用の音声等の情報をこれら端末局装置や戸別受信機へ同報無線により送信し、各端末局装置や戸別受信機で受信した拡声放送用の音声等の情報を、音声通報としてスピーカから拡声出力することが行われている。一般的な同報無線システムでは、センター局装置から複数の端末局装置へ、拡声放送用の音声等の情報を単一方向に無線送信することが行われる。
【0003】
なお、無線通信システムにおいて、テレメータ等のセンサを用いて水位上昇といった災害関連情報を検知し、センサによる検知に基づいて監視カメラが撮影した画像を無線通信によりセンター局へ送信し、センター局側のモニタにセンサ発報に関係する画像を表示することが行われている(特許文献1参照)。
【0004】
また、画像監視システムは、ホテルやビル、コンビニエンスストアや金融機関、或いはダムや道路等といった公共施設などにおいて、犯罪抑止や事故防止等の目的で設置されている。従来の一般的な画像監視システムでは、カメラ等で監視対象エリアを撮像し、撮像した画像を管理事務所や警備室等の監視センターに伝送し、監視者が、伝送されてくる画像により監視対象を目視し、目的や必要に応じて、注意や警告をしたり、画像を記録・保存したりするものである。
【0005】
なお、画像監視システムにおいて、取得した画像から侵入者等を検出してアラームを発生させることが行われている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−165981号公報
【特許文献2】特開2009−225275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、徘徊老人の捜索や不審者への対応を行う場合、従来の情報通信システムでは、上記した同報無線システムを使い、センター局装置から複数の端末局装置や戸別受信機に拡声放送用の音声情報を送信し、各端末局装置や戸別受信機のスピーカから音声にて情報提供することしかできず、システム自体が徘徊老人の捜索や不審者の発見に直接貢献できるものではなかった。
【0008】
本発明は、この様な状況に鑑みて為されたものであり、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことが可能な情報通信システム及び情報通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る情報通信システムは、被認識者を判断するための判断用アイテム情報を登録する被認識者情報登録部と、前記被認識者情報登録部に登録した前記判断用アイテム情報を有線または無線ネットワークを介して送信するセンター局通信部とを有するセンター局装置と、前記有線または無線ネットワークを介して前記判断用アイテム情報を受信する端末局通信部と、画像を取得する画像取得部と、前記端末局通信部で受信した前記判断用アイテム情報に基づいて、前記画像取得部で取得した画像から前記被認識者を検出する画像解析部とを有する端末局装置と、を備え、前記端末局装置は、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を、前記端末局通信部を介して前記センター局装置へ送信し、前記センター局装置は、受信した前記被認識者の画像及び画像関連情報に基づいて、拡声放送内容生成部で拡声放送の内容データを生成することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明に係る情報通信システムは、上記した情報通信システムにおいて、前記センター局装置は、前記端末局装置に対してポーリングをかけ、前記端末局装置は、ポーリングに応じて、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を前記センター局装置に送信することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明に係る情報通信方法は、被認識者を判断するための判断用アイテム情報を登録する被認識者情報登録部と、前記被認識者情報登録部に登録した前記判断用アイテム情報を有線または無線ネットワークを介して送信するセンター局通信部とを有するセンター局装置と、前記有線または無線ネットワークを介して前記判断用アイテム情報を受信する端末局通信部と、画像を取得する画像取得部と、前記端末局通信部で受信した前記判断用アイテム情報に基づいて、前記画像取得部で取得した画像から前記被認識者を検出する画像解析部とを有する端末局装置と、を備え、前記端末局装置が、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を、前記端末局通信部を介して前記センター局装置へ送信するステップと、前記センター局装置が、受信した前記被認識者の画像及び画像関連情報に基づいて、拡声放送内容生成部で拡声放送の内容データを生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明に係る情報通信方法は、上記した情報通信方法において、前記センター局装置が、前記端末局装置に対してポーリングをかけるステップと、前記端末局装置が、ポーリングに応じて、前記画像解析部で検出した前記被認識者の画像及び画像関連情報を前記センター局装置に送信するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムを示すシステム構成図である。
図2】本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの操作卓の構成を示す内部構成図である。
図3】本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
図4】本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例を示すシステム構成図である。
図5】本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例における動作の一例を示すタイムチャートである。
図6】本発明の情報通信システムの実施形態2に係る画像監視システムを示すシステム構成図である。
図7】本発明の情報通信システムの実施形態2に係る画像監視システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
図8】本発明の情報通信システムの実施形態3に係る無線通信システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る情報通信システムについて、図面を参照して説明する。本実施形態1では、市区町村などの防災に関する無線通信システムであるデジタル同報無線システムに本発明を適用した場合を示す。
【0016】
本実施形態1に係るデジタル同報無線システムは、例えば、災害時に行政機関から住民に対して災害関連情報を報知する等の用途として用いられ、センター局装置から同報無線送信した拡声放送用の音声等の情報を、所定の場所に設置された複数の端末局装置などで受信して出力する。具体例として、60MHz帯(54〜70MHz)における市町村デジタル防災無線通信方式であるTDMA−TDD方式による防災行政用のデジタル同報無線システムにおいて、同報無線回線を利用して、センター局装置と端末局装置などとの間で、音声情報や他の符号情報等による通報を行う機能を備える。
【0017】
本実施形態1に係るデジタル同報無線システムでは、例えば、災害が発生した時などに、行政機関から住民に対して災害関連の情報を一斉通報により報知することが行われる。具体的には、センター局装置に設置された操作卓や基地局無線送受信装置により、各地域における屋外や一般家庭や集会所や学校などに設置された端末局装置などに対して、災害に関する情報や、緊急指令の情報や、避難勧告の情報などを、通話による音声情報または文字情報等の非音声情報による拡声放送用の音声等の情報として送信して、住民へ拡声放送用の音声等の情報を伝達する。
【0018】
通信システムとしては、例えば、端末局装置が固定的に設置されるような固定系の通信システムに適用されてもよく、或いは、端末局装置が携帯電話のように移動可能な通信システムに適用されてもよい。なお、本実施形態1では、複数の端末局装置は、それぞれの地域の場所に設置されており、複数の戸別受信機は、例えば、市町村内の住居に戸別毎(世帯毎)に設置されている、或いはそれぞれの操作者(所有者)により携帯されている。
また、一般に、基地局装置(本実施形態1では、センター局装置)から端末局装置などへの通信の方向を下りと言い、端末局装置などから基地局装置(本実施形態1では、センター局装置)への通信の方向を上りと言う。
【0019】
[無線通信システムの構成]
図1には、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムを示すシステム構成図を示してある。本実施形態1に係るデジタル同報無線システムでは、センター局装置10と、複数であるn個の端末局装置30(1)〜30(n)と、複数であるm個の戸別受信機40(1)〜40(m)を設けてある。なお、複数の端末局装置30(1)〜30(n)の数nや、複数の戸別受信機40(1)〜40(m)の数mとしては、それぞれ、種々な数が用いられてもよい。以降、この様な複数の装置は、特に区別して記載しないが、複数で記載しないからといって特定の端末に限られるわけではない。
【0020】
また、図1には、センター局装置10と端末局装置30(1)との間の無線回線21や、センター局装置10と端末局装置30(n)との間の無線回線22や、センター局装置10と戸別受信機40(1)との間の無線回線23を示してある。本例では、センター局装置10の基地局無線送受信装置1が、端末局装置30(1)〜30(n)および戸別受信装置40(1)〜40(m)と、無線回線21〜23により接続される。
【0021】
また、本実施形態1では、各端末局装置30(1)〜30(n)の構成や動作は同様であるため、1個の端末局装置30(1)のみについて符号を付して構成を示してあり、また、各戸別受信機40(1)〜40(m)の構成や動作は同様であるため、1個の戸別受信機40(1)のみについて符号を付して構成を示してある。
【0022】
また、本実施形態1では、主に、センター局装置10と端末局装置30(1)〜30(n)との間で通信する場合について説明するが、例えば、端末局装置30(1)〜30(n)と同様な構成や動作を、戸別受信機40(1)〜40(m)に適用することも可能である。
【0023】
センター局装置10は、市町村役場等に設置されるものであり、センター局制御部11やセンター局無線部12やセンター局アンテナ13を有し無線通信する基地局無線送受信装置1と、操作者により操作されて各種の指令などを受け付ける操作卓2とを備えている。操作卓2は、基地局無線送受信装置1に対して、操作者により緊急情報等の拡声放送用音声信号の送出等をするものであり、操作者が入力するためのキーボード等の入力手段や、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示出力手段を備える。なお、詳細については後述する。センター局無線部12は、端末局装置30に対し、音声信号や制御信号を無線で送信する。センター局アンテナ13は、端末局装置30と無線通信するためのアンテナである。センター局制御部11は、音声情報や制御情報等を無線通信するための所定のフォーマットやレベル等をコントロールし、また端末局装置30から送信されセンター局無線部12で受信した画像や情報を読み出して出力する。センター局制御部11のハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)とセンター局制御部11の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
【0024】
各端末局装置30(1)〜30(n)は、端末局制御部31や端末局無線部32や端末局アンテナ33を有し無線通信する端末局本体装置3と、音声を拡声放送として出力するトランペットスピーカ34と、画像を取得するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を含む画像取得部36や画像解析により被認識者を検出する画像解析部37とを有し被認識者の画像及び画像関連情報を出力するカメラ35とを備えている。端末局アンテナ33は、センター局装置10と無線通信するためのアンテナである。端末局無線部32は、センター局装置10から無線送信された拡声放送用の音声等の情報、並びに被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信する。
【0025】
端末局制御部31は、端末局無線部32で受信した拡声放送用の音声等の情報を読出して出力し、またカメラ35で取得した被認識者の画像及び画像関連情報等を無線通信するための所定のフォーマットやレベル等をコントロールする。ハードウエア構成としては、CPUと端末局制御部31の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
【0026】
各戸別受信機40(1)〜40(m)は、操作者の操作を受け付け通報音声の録音再生を制御する録音再生部41と、音声を操作者へ出力するモニタスピーカ42とを備えている。
【0027】
ここで、本実施形態1では、センター局装置10に対して、複数の端末局装置30(1)〜30(n)や複数の戸別受信機40(1)〜40(m)が直接的に無線回線21〜23を介して接続されるシステム構成であるが、例えば、図示していない中継局装置を設けて、センター局装置10と複数の端末局装置30(1)〜30(n)や複数の戸別受信機40(1)〜40(m)とが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成が用いられてもよい。
【0028】
図2には、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの操作卓の構成を示す内部構成図を示してある。
【0029】
操作卓2は、CPUと操作卓2の動作プログラム等格納するメモリとからなるセンター局制御部201を備え、このセンター局制御部201には記憶部209及びインターフェース群が接続されている。インターフェース群は、出力インターフェース202、入力インターフェース204、表示インターフェース206及び無線インターフェース210とから構成されている。
【0030】
出力インターフェース202は、センター局制御部201で生成された音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ203から拡声出力する。入力インターフェース204には、マイクロホン205及び入力部207が接続されている。入力インターフェース204は、マイクロホン205から入力されたシステム管理者の通報音声、及び入力部207により入力された操作情報をデジタル信号に変換してセンター局制御部201へ出力する。表示インターフェース206は、センター局制御部201から出力された表示データを表示部208に表示する。表示部208には、例えば、LCD等の表示装置が使用される。無線インターフェース210は、センター局制御部201の制御の下、基地局無線送受信装置1との間で信号を送受信する。
【0031】
上記した構成により、基地局無線送受信装置1は、上記操作卓2から出力された送信信号により変調された下り無線信号を生成し、この生成された下り無線信号をこのシステムに割り当てられた無線周波数に変換してセンター局アンテナ13から端末局装置30に送信する。また、端末局装置30から送られた上り無線信号を受信して復調し、この復調により再生された受信信号をセンター局制御部201に転送する。なお、上記下り無線信号を端末局装置30に対し直接送信する場合には同報波が、また中継局装置を介して送信する場合には同報波とは周波数が異なる中継波が使用される。
【0032】
記憶部209には、端末局管理テーブル209a、被認識者情報テーブル209b、および音声データ209cが記憶されている。端末局管理テーブル209aには、このシステムに属する端末局装置30のIDに対応付けて、端末局装置30の状態変化を表わすデータとその時刻、および端末局装置30の設置位置を表わす位置データが記憶されている。なお、本実施形態1では、位置データは、例えば、緯度経度により表わされるが、地区の名称や施設の名称などが記憶されていてもよい。
【0033】
センター局制御部201は、ポーリング制御機能に加え、さらに本発明に係わる制御機能として、拡声放送用テキスト生成機能201aおよび音声変換機能201bを備えている。これらの制御機能はいずれも、図示しないプログラムメモリに格納されたアプリケーション・プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0034】
ポーリング制御機能は、所定の時間ごとに管理エリアに存在する全ての端末局装置30に対して端末局監視信号を送信する。そして、この端末局監視信号を受信した各端末局装置30から送信されるポーリング応答信号の受信処理を実行する。センター局制御部201は、ポーリング応答信号を受信すると、このポーリング応答信号から、端末局装置30の端末局ID、状態データ及びその検出時刻を抽出し、抽出された情報を端末局管理テーブル209aに記憶すると共に、端末局IDに対応付けて上記状態データ及びその検出時刻を表示部208に一覧表示する。
【0035】
拡声放送用テキスト生成機能201aは、端末局装置30から送信されたカメラ35で検出された被認識者の画像及び画像関連情報を受信すると、被認識者の登録ID、検出時刻、端末局IDを抽出し、被認識者情報テーブル209bに記憶し、これらの情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する。このとき、センター局制御部201が記憶部209内の端末局管理テーブル209aおよび被認識者情報テーブル209bを参照し、例えば、被認識者の種別に応じたテキスト定型文に時刻や場所の情報を組み込んで拡声放送用のテキストを作成し、表示部208に画像等と共に表示する。このとき生成されるテキストは、例えば、「○時○分頃、△△町△丁目で、捜索中の男性を発見しました。」「○時○分頃、△△町△丁目付近に、不審な人物が現れました。近隣住民の皆さんは注意してください。」等である。ここで場所情報は、端末局装置30の設置場所の住所が記憶されていてもよいし、近隣の施設の名称等が記憶されていてもよく、これらの情報が抽出されてテキスト化される。
【0036】
音声変換機能201bは、前述の拡声放送用テキスト生成機能201aにより生成された拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する。このとき、センター局制御部201が記憶部209内の音声データ209cを参照し、テキストに応じた音声を生成する。例えば、定型文に対応する音声を記憶しておき、時間や場所の音声を各文字の音声を繋ぎ合せて生成してもよいし、全ての文字の音声を繋ぎ合せて生成してもよい。生成した音声は、必要に応じてスピーカ203から出力してもよい。
【0037】
拡声放送用テキスト生成機能201aにより生成された拡声放送用のテキストまたは音声変換機能201bにより生成された拡声放送用の音声データは、入力部207からの修正指示を受け付けると修正内容に応じて再生成される。
【0038】
入力部207から拡声放送の指示が出ると、拡声放送用の音声データは、無線インターフェース210および基地局無線送受信装置1を介してセンター局アンテナ13より指定された端末局装置30または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に対して無線伝送される。端末局装置30は、拡声放送用の音声データを受信すると、端末局無線部32および端末局制御部31を介して、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送する。
【0039】
[無線通信システムの動作]
次に、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムにおける動作について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
【0040】
例えば、市区町村等の行政機関において、住民から徘徊老人に関する捜索願を受け付けた場合に、センター局装置10では、操作者が捜索願の依頼人より入手した被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を操作卓2の入力部207から入力することで、当該判断用アイテム情報が記録部209の被認識者情報テーブル209bに登録され、被認識者の情報登録が為される(ステップS101)。
ここで、被認識者を判断するための判断用アイテム情報とは、例えば、年齢、性別、着衣(形、色)、髪型、髪色などであり、それぞれの特徴量が被認識者情報テーブル209bに登録される。これらの登録方法は、例えば、入力部207からの操作によって、表示部208に表示された操作画面上でこれらを選択式に設定できるようにしてもよい。
【0041】
次に、被認識者である徘徊老人の捜索について、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS102)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS103の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずにステップS108の処理へ進む。
ここで、例えば、捜索する被認識者が不審者等の場合には、公にすることなく端末局装置30のカメラ35による捜索が必要となるため、拡声放送しないようにする方がよい。
【0042】
ステップS102において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、拡声放送用テキスト生成機能201aにより、被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS103)。
次に、センター局制御部201が、音声変換機能201bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する(ステップS104)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS105)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し(ステップS106)、また、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS107)。
【0043】
また、操作卓2のセンター局制御部201は、被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を、基地局無線送受信装置1を介して端末局装置30に送信する(ステップS108)。
端末局装置30は、センター局装置10から被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信すると、カメラ35を作動させて画像取得並びに画像解析の処理を開始し、画像取得部36で取得した画像を画像解析部37で解析を行い、被認識者を検出する(ステップS109)。
なお、ステップS109の画像解析処理においては、例えば、特開2009−199322号公報等に開示された人物の同一性を判断する公知の技術を使い、被認識者の人物検索を行う。特開2009−199322号公報には、顔特徴量と着衣情報から人物を検索する技術が記載されている。
そして、端末局装置30のカメラ35は、ステップS109の画像解析処理にて検出した被認識者の画像及び画像関連情報を図示していない記憶部に蓄積・保存する(ステップS110)。
【0044】
一方、センター局装置10では、操作者が操作卓2の入力部207から、ポーリング機能により、端末局装置30に対して画像送信要求を行うと(ステップS111)、端末局装置30は、被認識者の画像及び画像関連情報を、検出時刻や端末局IDと共に無線回線21を介してセンター局装置10へ送信する(ステップS112)。
センター局装置10では、端末局装置30から被認識者の画像及び画像関連情報を基地局無線送受信装置1で受信すると、操作卓2に転送し、操作卓2のセンター局制御部201が、記憶部209の被認識者情報テーブル209bに蓄積・保存する(ステップS113)。
センター局制御部201は、端末局装置30から収集した複数の被認識者の画像及び画像関連情報の解析を行い(ステップS114)、解析した結果を表示部208に表示させる(ステップS115)。例えば、センター局制御部201は、解析した結果に基づいて、表示部208に表示された操作画面の地図上に、被認識者の画像と被認識者が見つかった場所を明示するようにする。
【0045】
次に、被認識者である徘徊老人が見つかったことについて、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS116)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS117の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずに処理を終了する。
ここで、例えば、捜索していた被認識者が不審者等の場合には、公にしない方がよい場合があるので、拡声放送するかしないかは適宜操作者または管理者が判断するようにすればよい。
【0046】
ステップS116において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、拡声放送用テキスト生成機能201aにより、被認識者の画像及び画像関連情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS117)。
次に、センター局制御部201が、音声変換機能201bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する(ステップS118)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS119)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し(ステップS120)、また、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS121)。
【0047】
なお、ステップS102及びステップS116の処理では、操作者が拡声放送の必要の有無を判断することとしたが、センター局制御部201が自動で判断するようにしてもよい。その際には、被認識者情報テーブル209bに被認識者ごとの拡声放送必要の有無を設定しておき、センター局制御部201が記憶部209の被認識者情報テーブル209bを参照して、拡声放送必要の有無の設定に応じて判断するようにする。
【0048】
以上説明したように、本発明の実施形態1によれば、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことができる。
【0049】
<実施形態1の変形例>
[無線通信システムの構成]
次に、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例を示すシステム構成図である。本実施形態に係るデジタル同報無線システムは、端末局装置30とは異なる場所に設置された監視端末局装置50において画像を取得し被認識者を検出する点で、実施形態1と異なる。以降、図を用いて説明するが、実施形態1と同じ部分については一部省略して記載する。
【0050】
本実施形態に係るデジタル同報無線システムでは、センター局装置10と、複数であるn個の端末局装置30(1)〜30(n)と、複数であるm個の戸別受信機40(1)〜40(m)と、複数であるs個の監視端末局装置50(1)〜(s)を設けてある。なお、複数の端末局装置30(1)〜30(n)の数nや、複数の戸別受信機40(1)〜40(m)の数mや、複数の監視端末局装置50(1)〜(s)の数sとしては、図には1つしか記載していないものもあるが、それぞれ、種々な数が用いられてもよく、場合によっては1であってもよい。
【0051】
また、図4には、センター局装置10と端末局装置30(1)との間の無線回線21や、センター局装置10と戸別受信機40(1)との間の無線回線23や、センター局装置10と監視端末局装置50(s)との間の無線回線24を示してある。本例では、センター局装置10の基地局無線送受信装置1が、端末局装置30(1)〜30(n)、戸別受信装置40(1)〜40(m)、監視端末局装置50(1)〜(s)と、無線回線21,23,24により接続される。
【0052】
また、本実施形態では、各端末局装置30(1)〜30(n)の構成や動作は同様であるため、1個の端末局装置30(1)のみについて符号を付して構成を示してあり、また、各戸別受信機40(1)〜40(m)の構成や動作は同様であるため、1個の戸別受信機40(1)のみについて符号を付して構成を示してあり、監視端末局装置50(1)〜(s)の構成や動作は同様であるため、1個の監視端末局装置50(1)のみについて符号を付して構成を示してある。
【0053】
また、本実施形態では、主に、センター局装置10と端末局装置30(1)〜30(n)および監視端末局装置50(1)〜(s)との間で通信する場合について説明するが、例えば、端末局装置30(1)〜30(n)と同様な構成や動作を、戸別受信機40(1)〜40(m)に適用することも可能である。
【0054】
センター局装置10の構成や動作は、実施形態1と基本的に同様であるが、記憶部209の端末局管理テーブル209aには監視端末局装置50(1)〜(s)の被認識者検知や時刻等の状態情報や設置位置を表す位置データも、端末局装置30(1)〜30(n)の情報と共に記憶される。なお、被認識者検知や時刻等の状態情報は、主に、カメラ55で被認識者を検出した際に記憶される。
【0055】
端末局装置30(1)〜30(n)の構成や動作は、カメラがないところ以外は実施形態1と同様であるが、中にはカメラが設置されているものがあってもよい。そのカメラで被認識者を検出した場合は、実施形態1の動作と同様である。戸別受信機40(1)〜40(m)の構成や動作についても実施形態1と同様である。
【0056】
各監視端末局装置50(1)〜(s)は、監視端末局制御部51や監視端末局無線部52や監視端末局アンテナ53を有し無線通信する監視端末局本体装置5と、画像を取得するCCDなどの撮像素子を含む画像取得部56や画像解析により被認識者を検出する画像解析部57とを有し被認識者の画像及び画像関連情報を出力するカメラ55とを備えている。監視端末局アンテナ53は、センター局装置10と無線通信するためのアンテナである。監視端末局無線部52は、センター局装置10から無線送信された被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信する。
【0057】
ここで、本実施形態では、センター局装置10に対して、複数の端末局装置30(1)〜30(n)や複数の戸別受信機40(1)〜40(m)や複数の監視端末局装置50(1)〜(s)が直接的に無線回線21,23,24を介して接続されるシステム構成を示すが、例えば、図示していない中継局装置を設けて、センター局装置10と複数の端末局装置30(1)〜30(n)や複数の戸別受信機40(1)〜40(m)や監視端末局装置50(1)〜(s)とが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成が用いられても良い。
【0058】
センター局装置10では、操作者が操作卓2の入力部207から、監視端末局装置50に対して、被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を送信すると、センター局制御部201で画像収集要求信号が生成され、基地局無線送受信装置1を介してセンター局アンテナ13から無線送信される。監視端末局装置50では、画像収集要求信号を監視端末局アンテナ53から受信すると、監視端末局本体装置5の監視端末局無線部52を介して監視端末局制御部51が受信し、カメラ55に対し被認識者に関する画像の収集を要求する。カメラ55は、画像取得並びに画像解析の処理を開始し、画像取得部56で取得した画像を画像解析部57で解析を行い、被認識者を検出する。また、カメラ55は、センター局装置10からの画像送信要求(ポーリング)に応じて、蓄積・保存した被認識者の画像及び画像関連データを監視端末局制御部51へ出力する。監視端末局制御部51は、監視端末局無線部52を介して、監視端末局アンテナ53から被認識者の画像及び画像関連情報をセンター局装置10へ向けて無線送信する。センター局装置10では、被認識者の画像及び画像関連情報をセンター局アンテナ13から受信すると、基地局無線送受信装置1のセンター局無線部12を介してセンター局制御部11が受信し、操作卓2へ出力する。操作卓2では、受信した被認識者の画像及び画像関連情報をセンター局制御部201が記録部209の被認識者情報テーブル209bに蓄積・保存し、データ解析を行う。そして、センター局制御部201が解析した結果を表示部208へ出力し、被認識者の画像並びにその位置情報を表示部208の操作画面の地図上に表示させる。これにより、センター局装置10側での操作により、被認識者の画像並びにその位置情報を閲覧することができる。
【0059】
監視端末局装置50において画像を取得し、その画像から被認識者を検出し、検出した被認識者の画像及び画像関連情報をセンター局装置へ無線送信する処理は、実施形態1における処理と同様である。
【0060】
[無線通信システムの動作]
次に、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例における動作について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の情報通信システムの実施形態1に係る無線通信システムの変形例における動作の一例を示すタイムチャートである。
【0061】
例えば、市区町村等の行政機関において、住民から徘徊老人に関する捜索願を受け付けた場合に、センター局装置10では、操作者が捜索願の依頼人より入手した被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を操作卓2の入力部207から入力することで、当該判断用アイテム情報が記録部209の被認識者情報テーブル209bに登録され、被認識者の情報登録が為される(ステップS201)。
ここで、被認識者を判断するための判断用アイテム情報とは、例えば、年齢、性別、着衣(形、色)、髪型、髪色などであり、それぞれの特徴量が被認識者情報テーブル209bに登録される。これらの登録方法は、例えば、入力部207からの操作によって、表示部208に表示された操作画面上でこれらを選択式に設定できるようにしてもよい。
【0062】
次に、被認識者である徘徊老人の捜索について、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS202)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS203の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずにステップS207の処理へ進む。
ここで、例えば、捜索する被認識者が不審者等の場合には、公にすることなく端末局装置30のカメラ35による捜索が必要となるため、拡声放送しないようにする方がよい。
【0063】
ステップS202において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、拡声放送用テキスト生成機能201aにより、被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS203)。
次に、センター局制御部201が、音声変換機能201bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する(ステップS204)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS205)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS206)。
【0064】
また、操作卓2のセンター局制御部201は、被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を、基地局無線送受信装置1を介して監視端末局装置50に送信する(ステップS207)。
監視端末局装置50は、センター局装置10から被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信すると、カメラ55を作動させて画像取得並びに画像解析の処理を開始し、画像取得部56で取得した画像を画像解析部57で解析を行い、被認識者を検出する(ステップS208)。
なお、ステップS208の画像解析処理においては、例えば、特開2009−199322号公報等に開示された人物の同一性を判断する公知の技術を使い、被認識者の人物検索を行う。特開2009−199322号公報には、顔特徴量と着衣情報から人物を検索する技術が記載されている。
そして、監視端末局装置50のカメラ55は、ステップS208の画像解析処理にて検出した被認識者の画像及び画像関連情報を図示していない記憶部に蓄積・保存する(ステップS209)。
【0065】
一方、センター局装置10では、操作者が操作卓2の入力部207から、ポーリング機能により、監視端末局装置50に対して画像送信要求を行うと(ステップS210)、監視端末局装置50は、被認識者の画像及び画像関連情報を、検出時刻や端末局IDと共に無線回線24を介してセンター局装置10へ送信する(ステップS211)。
センター局装置10では、監視端末局装置50から被認識者の画像及び画像関連情報を基地局無線送受信装置1で受信すると、操作卓2に転送し、操作卓2のセンター局制御部201が、記憶部209の被認識者情報テーブル209bに蓄積・保存する(ステップS212)。
センター局制御部201は、監視端末局装置50から収集した複数の被認識者の画像及び画像関連情報の解析を行い(ステップS213)、解析した結果を表示部208に表示させる(ステップS214)。例えば、センター局制御部201は、解析した結果に基づいて、表示部208に表示された操作画面の地図上に、被認識者の画像と被認識者が見つかった場所を明示するようにする。
【0066】
次に、被認識者である徘徊老人が見つかったことについて、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS215)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS216の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずに処理を終了する。
ここで、例えば、捜索していた被認識者が不審者等の場合には、公にしない方がよい場合があるので、拡声放送するかしないかは適宜操作者または管理者が判断するようにすればよい。
【0067】
ステップS215において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、拡声放送用テキスト生成機能201aにより、被認識者の画像及び画像関連情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS216)。
次に、センター局制御部201が、音声変換機能201bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する(ステップS217)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS218)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS219)。
【0068】
なお、ステップS202及びステップS215の処理では、操作者が拡声放送の必要の有無を判断することとしたが、センター局制御部201が自動で判断するようにしてもよい。その際には、被認識者情報テーブル209bに被認識者ごとの拡声放送必要の有無を設定しておき、センター局制御部201が記憶部209の被認識者情報テーブル209bを参照して、拡声放送必要の有無の設定に応じて判断するようにする。
【0069】
以上説明したように、本発明の実施形態1の変形例によれば、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことができる。
【0070】
上述した2つの実施形態において、拡声放送用のテキスト及び音声の生成は、入力部からの拡声放送用のテキスト生成及び音声生成の操作を受け付けてから生成されるようにしたが、自動で実行されるようにしてもよい。
【0071】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係る情報通信システムについて、図面を参照して説明する。本実施形態2では、被認識者を徘徊老人とした場合の画像監視システムに本発明を適用した場合を示す。
【0072】
[画像監視システムの構成]
図6には、本発明の情報通信システムの実施形態2に係る画像監視システムを示すシステム構成図を示してある。本実施形態2に係る画像監視システムでは、監視センター局装置60と、複数であるp個の監視端末局装置70(1)〜70(p)と、複数であるq個の放送端末局装置80(1)〜80(q)を設けてある。監視センター局装置60は、監視対象施設内や遠隔地に設けられる。監視端末局装置70(1)〜70(p)は、監視対象施設や屋外等に設けられる。放送端末局装置80(1)〜80(q)は、監視対象施設内や必要な遠隔地等に設けられる。なお、複数の監視端末局装置70(1)〜70(p)の数pや、複数の放送端末装置局80(1)〜80(q)の数qとしては、それぞれ、種々な数が用いられてもよい。
【0073】
また、図6には、監視センター局装置60と監視端末局装置70(1)〜70(p)と放送端末局装置80(1)〜80(q)とは、それぞれネットワーク回線61で接続されている。ネットワーク回線61は、有線であっても無線であってもよい。また、図示しないが、ネットワーク回線61には、画像記録装置が接続されていることが多く、カメラで取得した画像を記録したり、要求された記録映像を配信したりする。
【0074】
監視センター局装置60は、CPUと監視センター局装置60の動作プログラム等格納するメモリとからなる監視センター局制御部601を備え、この監視センター局制御部601には記憶部609及びインターフェース群が接続されている。インターフェース群は、出力インターフェース602、入力インターフェース604、表示インターフェース606及びネットワークインターフェース610とから構成される。
【0075】
監視センター局制御部601は、拡声放送用テキスト生成機能601aおよび音声変換機能601bを備えている。これらの制御機能はいずれも、図示しないプログラムメモリに格納されたアプリケーション・プログラムをCPUに実行させることにより実現される。
【0076】
各監視端末局装置70(1)〜70(p)は、画像を取得するCCDなどの撮像素子を含む画像取得部71と、画像解析により被認識者を検出する画像解析部72と、ネットワーク回線61に接続された装置との間で信号を送受信するネットワークインターフェース73とを備えている。
【0077】
放送端末局装置80(1)〜80(q)は、受信した拡声放送用の音声データを読出して音声として拡声放送するスピーカ81と、ネットワーク回線61に接続された装置との間で信号を送受信するネットワークインターフェース82とを備えている。
【0078】
ここで、本実施形態2では、監視センター局装置60に対して、複数の監視端末局装置70(1)〜70(p)や複数の放送端末局装置80(1)〜80(q)が直接的にネットワーク回線61を介して接続されるシステム構成を示すが、例えば、図示していない中継局装置を設けて、監視センター局装置60と複数の監視端末局装置70(1)〜70(p)や複数の放送端末局装置80(1)〜80(q)とが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成が用いられてもよい。
【0079】
監視センター局装置60について、図6を参照して詳細に説明する。出力インターフェース602は、センター局制御部601で生成された音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ603から拡声出力する。入力インターフェース604には、マイクロホン605及び入力部607が接続されている。入力インターフェース604は、マイクロホン605から入力されたシステム管理者の音声、及び入力部607により入力された操作情報をデジタル信号に変換して監視センター局制御部601へ出力する。表示インターフェース606は、監視センター局制御部601から出力された表示データを表示部608に表示する。表示部608には、例えば、LCD等の表示装置が使用される。ネットワークインターフェース610は、センター局制御部601の制御の下、ネットワークに接続された装置との間で信号を送受信する。
【0080】
記憶部609には、端末局管理テーブル609a、被認識者情報テーブル609b、および音声データ609cが記憶されている。端末局管理テーブル609aには、このシステムに属する監視端末局装置70のIDに対応付けて、監視端末局装置70の状態変化を表わすデータとその時刻、および監視端末局装置70の設置位置を表わす位置データが記憶されている。なお、本実施形態2では、位置データは、例えば、緯度経度や監視対象施設名やフロア名や部屋名や地区名等により表わされる。
【0081】
拡声放送用テキスト生成機能601aは、監視端末局装置70から送信された監視端末局装置70で検出された被認識者の画像及び画像関連情報を受信すると、被認識者の登録ID、検出時刻、端末局IDを抽出し、被認識者情報テーブル609bに記憶して、これらの情報を基にして拡声放送用のテキストを生成する。このとき、監視センター局制御部601が記憶部609内の端末局管理テーブル609aおよび被認識者情報テーブル609bを参照し、例えば、被認識者の種別に応じたテキスト定型文に時刻や場所の情報を組み込んで拡声放送用のテキストを作成し、表示部608に画像等と共に表示する。このとき生成されるテキストは、例えば、「○時○分頃、△△町△丁目で、捜索中の男性を発見しました。」「○時○分頃、△△町△丁目付近に、不審な人物が現れました。近隣住民の皆さんは注意してください。」等である。ここで場所情報は、監視端末局装置70の設置場所の住所が記憶されていてもよいし、監視対象施設名やフロア名や部屋名や地区名等が記憶されており、これらの情報が抽出されてテキスト化される。
【0082】
音声変換機能601bは、前述の拡声放送用テキスト生成機能601aにより生成された拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する。このとき、監視センター局制御部601が記憶部609内の音声データ609cを参照し、テキストに応じた音声を生成する。例えば、定型文に対応する音声を記憶しておき、時間や場所の音声を各文字の音声を繋ぎ合せて生成してもよいし、全ての文字の音声を繋ぎ合せて生成してもよい。画像監視システムの場合、監視端末局装置70から送信されてきた被認識者の画像及び画像関連情報を受信して、拡声放送用のテキストおよび音声を生成すると、まずスピーカ603から音声出力し、監視者に知らせるのが好ましい。
【0083】
拡声放送用テキスト生成機能601aにより生成された拡声放送用のテキストまたは音声変換機能601bにより生成された拡声放送用の音声データは、入力部607からの修正指示を受け付けると修正内容に応じて再生成される。
【0084】
入力部607から拡声放送の指示が出ると、拡声放送用の音声データは、ネットワークインターフェース610より指定された、または全ての放送端末局装置80に対して送信される。放送端末局装置80は、拡声放送用の音声データを受信すると、スピーカ81から拡声放送用の音声が拡声放送される。
【0085】
[画像監視システムの動作]
次に、本発明の情報通信システムの実施形態2に係る画像監視システムの動作について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の情報通信システムの実施形態2に係る画像監視システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
【0086】
例えば、市区町村等の行政機関において、住民から徘徊老人に関する捜索願を受け付けた場合に、監視センター局装置60では、操作者が捜索願の依頼人より入手した被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を入力部607から入力することで、当該判断用アイテム情報が記録部609の被認識者情報テーブル609bに登録され、被認識者の情報登録が為される(ステップS301)。
ここで、被認識者を判断するための判断用アイテム情報とは、例えば、年齢、性別、着衣(形、色)、髪型、髪色などであり、それぞれの特徴量が被認識者情報テーブル609bに登録される。これらの登録方法は、例えば、入力部607からの操作によって、表示部608に表示された操作画面上でこれらを選択式に設定できるようにしてもよい。
【0087】
次に、被認識者である徘徊老人の捜索について、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS302)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS303の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずにステップS307の処理へ進む。
ここで、例えば、捜索する被認識者が不審者等の場合には、公にすることなく監視端末局装置70による捜索が必要となるため、拡声放送しないようにする方がよい。
【0088】
ステップS302において拡声放送が必要と判断された場合、監視センター局装置60では、監視センター局制御部601が、拡声放送用テキスト生成機能601aにより、被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS303)。
次に、監視センター局制御部601が、音声変換機能601bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声に変換する(ステップS304)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての放送端末局装置80に送信される(ステップS305)。
そして、放送端末局装置80は、監視センター局装置60から拡声放送用の音声データを受信すると、スピーカ81から拡声放送用の音声を拡声放送する(ステップS306)。
【0089】
また、監視センター局制御部601は、被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を、ネットワーク回線61を介して監視端末局装置70に送信する(ステップS307)。
監視端末局装置70は、監視センター局装置60から被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信すると、画像取得並びに画像解析の処理を開始し、画像取得部71で取得した画像を画像解析部72で解析を行い、被認識者を検出する(ステップS308)。
なお、ステップS308の画像解析処理においては、例えば、特開2009−199322号公報等に開示された人物の同一性を判断する公知の技術を使い、被認識者の人物検索を行う。特開2009−199322号公報には、顔特徴量と着衣情報から人物を検索する技術が記載されている。
そして、監視端末局装置70は、ステップS308の画像解析処理にて検出した被認識者の画像及び画像関連情報を図示していない記憶部に蓄積・保存する(ステップS309)。
【0090】
一方、監視センター局装置60では、操作者が入力部607から、ポーリング機能により、監視端末局装置70に対して画像送信要求を行うと(ステップS310)、監視端末局装置70は、被認識者の画像及び画像関連情報を、検出時刻や端末局IDと共にネットワーク回線61を介して監視センター局装置60へ送信する(ステップS311)。
監視センター局装置60では、監視端末局装置70から被認識者の画像及び画像関連情報を受信すると、監視センター局制御部601が、記憶部609の被認識者情報テーブル609bに蓄積・保存する(ステップS312)。
監視センター局制御部601は、監視端末局装置70から収集した複数の被認識者の画像及び画像関連情報の解析を行い(ステップS313)、解析した結果を表示部608に表示させる(ステップS314)。例えば、監視センター局制御部601は、解析した結果に基づいて、表示部608に表示された操作画面の地図上に、被認識者の画像と被認識者が見つかった場所を明示するようにする。
【0091】
次に、被認識者である徘徊老人が見つかったことについて、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS315)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS316の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずに処理を終了する。
ここで、例えば、捜索していた被認識者が不審者等の場合には、公にしない方がよい場合があるので、拡声放送するかしないかは適宜操作者または管理者が判断するようにすればよい。
【0092】
ステップS315において拡声放送が必要と判断された場合、監視センター局装置60では、監視センター局制御部601が、拡声放送用テキスト生成機能601aにより、被認識者の画像及び画像関連情報を基にして、拡声放送用のテキストを生成する(ステップS316)。
次に、監視センター局制御部601が、音声変換機能601bにより、拡声放送用のテキストを拡声放送用の音声データに変換する(ステップS317)。変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての放送端末局装置80に送信される(ステップS318)。
そして、放送端末局装置80は、監視センター局装置60から拡声放送用の音声データを受信すると、スピーカ81から拡声放送用の音声を拡声放送する(ステップS319)。
【0093】
なお、ステップS302及びステップS315の処理では、操作者が拡声放送の必要の有無を判断することとしたが、監視センター局制御部601が自動で判断するようにしてもよい。その際には、被認識者情報テーブル609bに被認識者ごとの拡声放送必要の有無を設定しておき、監視センター局制御部601が記憶部609の被認識者情報テーブル609bを参照して、拡声放送必要の有無の設定に応じて判断するようにする。
【0094】
以上説明したように、本発明の実施形態2によれば、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことができる。
【0095】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3に係る情報通信システムについて、説明する。本実施形態3では、本発明の実施形態1に係る情報通信システムにおいて、拡声放送用のテキストデータを作成することなくダイレクトに拡声放送用の音声データを作成する場合について説明する。
【0096】
[無線通信システムの動作]
本発明の情報通信システムの実施形態3に係る無線通信システムにおける動作について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の情報通信システムの実施形態3に係る無線通信システムにおける動作の一例を示すタイムチャートである。
例えば、市区町村等の行政機関において、住民から徘徊老人に関する捜索願を受け付けた場合に、センター局装置10では、操作者が捜索願の依頼人より入手した被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を操作卓2の入力部207から入力することで、当該判断用アイテム情報が記録部209の被認識者情報テーブル209bに登録され、被認識者の情報登録が為される(ステップS401)。
ここで、被認識者を判断するための判断用アイテム情報とは、例えば、年齢、性別、着衣(形、色)、髪型、髪色などであり、それぞれの特徴量が被認識者情報テーブル209bに登録される。これらの登録方法は、例えば、入力部207からの操作によって、表示部208に表示された操作画面上でこれらを選択式に設定できるようにしてもよい。
【0097】
次に、被認識者である徘徊老人の捜索について、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS402)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS403の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずにステップS407の処理へ進む。
ここで、例えば、捜索する被認識者が不審者等の場合には、公にすることなく端末局装置30のカメラ35による捜索が必要となるため、拡声放送しないようにする方がよい。
【0098】
ステップS402において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、図示していない拡声放送用音声生成機能により、被認識者である徘徊老人を判断するための判断用アイテム情報を基にして、拡声放送用の音声データを生成し(ステップS403)、変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS404)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し(ステップS405)、また、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS406)。
【0099】
また、操作卓2のセンター局制御部201は、被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を、基地局無線送受信装置1を介して端末局装置30に送信する(ステップS407)。
端末局装置30は、センター局装置10から被認識者の判断用アイテム情報と被認識者に関する画像収集の開始要求を受信すると、カメラ35を作動させて画像取得並びに画像解析の処理を開始し、画像取得部36で取得した画像を画像解析部37で解析を行い、被認識者を検出する(ステップS408)。
なお、ステップS408の画像解析処理においては、例えば、特開2009−199322号公報等に開示された人物の同一性を判断する公知の技術を使い、被認識者の人物検索を行う。特開2009−199322号公報には、顔特徴量と着衣情報から人物を検索する技術が記載されている。
そして、端末局装置30のカメラ35は、ステップS408の画像解析処理にて検出した被認識者の画像及び画像関連情報を図示していない記憶部に蓄積・保存する(ステップS409)。
【0100】
一方、センター局装置10では、操作者が操作卓2の入力部207から、ポーリング機能により、端末局装置30に対して画像送信要求を行うと(ステップS410)、端末局装置30は、被認識者の画像及び画像関連情報を、検出時刻や端末局IDと共に無線回線21を介してセンター局装置10へ送信する(ステップS411)。
センター局装置10は、端末局装置30から被認識者の画像及び画像関連情報を受信すると、操作卓2に転送し、操作卓2のセンター局制御部201が、記憶部209の被認識者情報テーブル209bに蓄積・保存する(ステップS412)。
センター局制御部201は、端末局装置30から収集した複数の被認識者の画像及び画像関連情報の解析を行い(ステップS413)、解析した結果を表示部208に表示させる(ステップS414)。例えば、センター局制御部201は、解析した結果に基づいて、表示部208に表示された操作画面の地図上に、被認識者の画像と被認識者が見つかった場所を明示するようにする。
【0101】
次に、被認識者である徘徊老人が見つかったことについて、拡声放送が必要か否かを操作者に判断させ(ステップS415)、必要と判断された場合(YES)には、次のステップS416の処理へ進み、不要と判断された場合(NO)には、拡声放送せずに処理を終了する。
ここで、例えば、捜索していた被認識者が不審者等の場合には、公にしない方がよい場合があるので、拡声放送するかしないかは適宜操作者または管理者が判断するようにすればよい。
【0102】
ステップS415において拡声放送が必要と判断された場合、センター局装置10では、操作卓2のセンター局制御部201が、図示していない拡声放送用音声生成機能により、被認識者の画像及び画像関連情報を基にして、拡声放送用の音声データを生成し(ステップS416)、変換された拡声放送用の音声データは、指定した、または全ての端末局装置30または/および戸別受信機40に送信される(ステップS417)。
そして、端末局装置30は、センター局装置10から拡声放送用の音声データを受信すると、トランペットスピーカ34から拡声放送用の音声を拡声放送し(ステップS418)、また、戸別受信機40は、拡声放送用の音声データを受信すると、モニタスピーカ42から拡声放送用の音声を出力する(ステップS419)。
【0103】
なお、ステップS402及びステップS415の処理では、操作者が拡声放送の必要の有無を判断することとしたが、センター局制御部201が自動で判断するようにしてもよい。その際には、被認識者情報テーブル209bに被認識者ごとの拡声放送必要の有無を設定しておき、センター局制御部201が記憶部209の被認識者情報テーブル209bを参照して、拡声放送必要の有無の設定に応じて判断するようにする。
【0104】
以上説明したように、本発明の実施形態3によれば、徘徊老人や不審者等、被認識者の捜索に直接貢献することができ、検出した被認識者に関する情報に基づいて、より正確且つ迅速に情報提供を行うことができる。
また、端末局装置により被認識者を検出すると、センター局装置で拡声放送用の音声データを自動的に生成し、端末局装置および戸別受信機で拡声放送できるため、より迅速に被認識者の情報を知らせることができる。
【0105】
以上、本発明を複数の実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態に限定するものではない。例えば、被認識者検出のための画像解析機能は、本実施形態ではカメラに備えることとしたが、カメラとは別体の画像処理装置を設けてもよいし、センター局装置側に設けてもよい。また、テキスト生成機能と音声変換機能は同一の媒体に備わっていてもよいし、別々の媒体に備わっていてもよい。
【0106】
要するに本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1・・基地局無線送受信装置、2・・操作卓、3・・端末局本体装置、5・・監視端末局本体装置、10・・センター局装置、11・・センター局制御部、12・・センター局無線部、13・・センター局アンテナ、21・・無線回線、22・・無線回線、23・・無線回線、24・・無線回線、30・・端末局装置、31・・端末局制御部、32・・端末局無線部、33・・端末局アンテナ、34・・トランペットスピーカ、35・・カメラ、36・・画像取得部、37・・画像解析部、40・・戸別受信機、41・・録音再生部、42・・モニタスピーカ、50・・監視端末局装置、51・・監視端末局制御部、52・・監視端末局無線部、53・・監視端末局アンテナ、55・・カメラ、56・・画像取得部、57・・画像解析部、60・・監視センター局装置、61・・ネットワーク回線、70・・監視端末局装置、71・・画像取得部、72・・画像解析部、73・・ネットワークインターフェース、80・・放送端末局装置、81・・スピーカ、82・・ネットワークインターフェース、201・・センター局制御部、201a・・拡声放送用テキスト生成機能、201b・・音声変換機能、202・・出力インターフェース、203・・スピーカ、204・・入力インターフェース、205・・マイクロホン、206・・表示インターフェース、207・・入力部、208・・表示部、209・・記憶部、209a・・端末局管理テーブル、209b・・被認識者情報テーブル、209c・・音声データ、210・・無線インターフェース、601・・監視センター局制御部、601a・・拡声放送用テキスト生成機能、601b・・音声変換機能、602・・出力インターフェース、603・・スピーカ、604・・入力インターフェース、605・・マイクロホン、606・・表示インターフェース、607・・入力部、608・・表示部、609・・記憶部、609a・・端末局管理テーブル、609b・・被認識者情報テーブル、609c・・音声データ、610・・ネットワークインターフェース。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8