(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジング内に配設された複数のファンをさらに備えており、それによって、前記複数のヒート・パイプの少なくとも2つのヒート・パイプが、それぞれの前記ファンによって冷却される、
請求項1に記載の装置。
ディスプレイ装置をさらに備えており、前記ハウジングは、前記ディスプレイ装置が、ランドスケープ向きにおいてユーザが視認できる少なくとも1つの向きをとるように構成され、前記複数のヒート・パイプの少なくとも2つのヒート・パイプは、前記ランドスケープ向きにあるときに略水平に配置される、
請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
コンピュータ装置及び他の装置によって利用される熱伝達のための従来の技術に伴う制限は、装置の機能全体に悪い影響を及ぼす。この影響は、例えば、装置によって組込むことができる機能(例えば、処理システムの速度)、装置に関するユーザの体験(例えば、ファンによってもたらされる騒音及びさらにユーザが物理的に接触するときの装置の全体的な温度)、装置によって用いられる形状因子(例えば、十分な冷却を可能にする装置のサイズ及び形状)などを制限する場合がある。
【0010】
熱伝達技術を本明細書で説明する。1つ又は複数の実装態様では、熱伝達装置は、処理システムなどの熱発生装置による高出力消費サイクルに対してバッファするために使用される相変化材料を含む。例えば、処理システムは、電池寿命を節約する低出力状態及びさらなる処理リソースを提供する高出力状態などの異なる出力状態で動作するように構成されるような、プロセッサ、機能ブロックなどを含むことができる。相応して、処理システムは、対応する機能を提供するために、これらの状態間でサイクルするように構成され得る。しかし、高出力状態によって、処理システムに、低出力状態より大量の熱を生成させる場合がある。対処されない場合に、この大量の熱は、コンピュータ装置に損傷をもたらし得る。その結果、従来の技術は、大抵の場合、コンピュータ装置に対する損傷を保護するために高出力状態の利用可能性(availability)を制限していた。
【0011】
しかし、本明細書で説明する技術では、熱伝達装置は、この追加の熱に対してバッファする相変化材料を使用することができる。相変化材料は、例えば、低出力状態中に遭遇する温度より高いが、高出力状態中に遭遇する温度より低い温度で融解(melt)するように構成され得る。したがって、相変化材料の融解によって、熱発生装置の温度が、延長された期間に亘って比較的均一のままにさせることができ、それが、高出力状態中に発生するさらなる熱に対してバッファするように使用され得る。こうして、高出力状態は、延長された期間の間に亘って利用可能にされ、コンピュータ装置に関するユーザの体験に介入する場合があるファンなどの補助的冷却を増加させることなく利用され得る。これらの技術のさらなる議論は、
図2に関連して確認することができる。
【0012】
1つ又は複数のさらなる実装態様では、熱伝達装置は、全体的に均一な冷却をコンピュータ装置の様々な向きに提供するように構成される。熱伝達装置は、例えば、熱発生装置から離れる反対の方向に配置されるような第1及び第2のヒート・パイプを含むことができる。したがって、第1のヒート・パイプに対する重力の影響は、第2のヒート・パイプによって補償され、また、その逆も同様に補償され得る。相応して、熱伝達装置は、種々の異なる向きを介したコンピュータ装置の移動中に、熱伝達をサポートすることができる。さらに、ヒート・パイプを使用して、複数のファンをサポートすることができ、ヒート・パイプが利用されて、コンピュータ装置の空間を節約し、エネルギー効率を改善することができる。これらの技術のさらなる議論は
図3に関連して確認することができる。
【0013】
以下の議論では、本明細書で説明する熱伝達技術を使用できる例示的な環境を最初に説明する。例示的な環境だけでなく他の環境でも実施され得る例示的な手順をその後説明する。その結果、例示的な手順の性能は、例示的な環境に限定されるものではなく、その例示的な環境は、その例示的な手順の性能に限定されるものではない。
【0014】
例示的な環境
図1は、本明細書で説明する技術を用いて動作可能である、例示的な実装態様における環境100の例示である。示される環境100は、処理システム104及びメモリ106として示されるコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータ装置102を含むが、他の確認もまた、以下でさらに説明するように企図される。
【0015】
コンピュータ装置102は、種々の方法で構成され得る。例えば、コンピュータ装置102は、デスクトップ・コンピュータ、移動局、エンターテインメント機器、ディスプレイ装置と通信可能に結合されるセットトップ・ボックス、無線電話、ゲーム・コンソールなどの、ネットワークを通じて通信可能なコンピュータとして構成され得る。そのため、コンピュータ装置102は、かなりのメモリ及びプロセッサ・リソースを有するフル・リソース装置(例えば、パーソナル・コンピュータ、ゲーム・コンソール)から、制限されたメモリ及び/又は処理リソースを有する低リソース装置(例えば、従来のセットトップ・ボックス、手持ち式ゲーム・コンソール)に及ぶ場合がある。加えて、単一のコンピュータ装置102が示されるが、コンピュータ装置102は、ウェブ・サービス、リモート制御及びセットトップ・ボックスの組合せ、ジェスチャを取込むように構成される画像取込み装置及びゲーム・コンソールなどによる動作を実施するためにビジネスによって利用される複数のサーバなどの複数の異なる装置を示す場合がある。コンピュータ装置が呈することができる異なる構成のさらなる議論は、
図5に関連して確認することができる。
【0016】
コンピュータ装置102は、オペレーティング・システム108を含むものとしてさらに示される。オペレーティング・システム108は、コンピュータ装置102上で実行可能であるアプリケーション110に対してコンピュータ装置102の基礎になる機能を抽象化するように構成される。例えば、オペレーティング・システム108は、コンピュータ装置102の処理システム104、メモリ106、ネットワーク、及び/又はディスプレイ装置112の機能を抽象化することができ、それにより、アプリケーション110は、基礎になるこの機能が「どのように(how)」実装されるかを知ることなく書き出すことができる。アプリケーション110は、例えば、ディスプレイ装置112によってレンダリングされ表示されるデータを、このレンダリングがどのように実施されるかを理解することなく、オペレーティング・システム108に提供することができる。オペレーティング・システム108は、ファイル・システム及びコンピュータ装置102のユーザによってナビゲート可能であるユーザ・インタフェースを管理するなどの、種々の他の機能を示すことができる。
【0017】
コンピュータ装置102は、種々の様々な相互作用をサポートすることができる。例えば、コンピュータ装置102は、キーボード、カーソル制御装置(例えば、マウス)などの装置と相互作用するために、ユーザによって操作可能である1つ又は複数のハードウェア装置を含むことができる。コンピュータ装置102はまた、種々の方法で検出できるジェスチャをサポートすることができる。コンピュータ装置102は、例えば、コンピュータ装置102のタッチ機能を使用して検出されるようなタッチ・ジェスチャをサポートすることができる。センサ114は、例えばディスプレイ装置112と連携して、トラック・パッドの一部として単独でタッチ機能を提供するように構成され得る。この例は、
図1に示されており、ユーザの第1及び第2の手116、118が示されている。ユーザの第1の手116は、コンピュータ装置102のハウジング120を保持するものとして示される。ユーザの第2の手118は、1つ又は複数の入力を提供するものとして示され、1つ又は複数の入力は、ディスプレイ装置112のタッチ・スクリーン機能を使用して検出され、示されるようなオペレーティング・システム108のスタート・メニュー内のアプリケーションの表現を通してパン(pan)するためのスワイプ・ジェスチャを行うなどの動作を実施する。
【0018】
そのため、入力の認識が活用されて、コンピュータ装置102によって出力されるユーザ・インタフェースと相互作用し、例えば、ゲーム、アプリケーションと相互作用し、インターネットをブラウジングし、コンピュータ装置102の1つ又は複数の設定を変更するなどを行うことができる。センサ114はまた、タッチを伴わないような相互作用を認識できるナチュラル・ユーザ・インタフェース(natural user interface:NUI)をサポートするように構成され得る。例えば、センサ114は、マイクの使用を通して音声入力を認識するなど、ユーザに特定の装置にタッチさせることなく入力を検出するように構成され得る。例えば、センサ114は、特定の発話(例えば、話される命令)を認識すると共に、その発話を発した特定のユーザを認識するような音声認識をサポートするようにマイクを含むことができる。
【0019】
別の例では、センサ114は、示されるようなx、y、及びz次元などの1つ又は複数の次元におけるコンピュータ装置102の移動を、加速度計、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット(inertial measurement unit:IMU)、磁力計などの使用を通して検出するように構成され得る。この移動は、ジェスチャの定義の全体として又はジェスチャの定義の一部として部分的に認識され得る。例えば、z軸におけるコンピュータ装置102の移動が使用されて、ディスプレイ装置112上に表示されるユーザ・インタフェースをズームインすることができ、x軸を通した回転が使用されて、ビデオ・ゲーム内で車を操縦することができる。そのため、この例では、コンピュータ装置102は、種々の異なる向きを介して移動されて、装置との相互作用をサポートすることができる。
【0020】
さらなる例では、センサ114は、1つ又は複数のカメラの実装態様を通して、ジェスチャ、提示されるオブジェクト、画像などを認識するように構成され得る。カメラは、例えば異なる透視投影図が取込まれるように複数のレンズを含み、こうして、深さを決定するように構成され得る。例えば、異なる透視投影図が使用されて、センサ114からの相対的距離を決定する、したがって相対的距離の変化を決定することができる。異なる透視投影図は、コンピュータ装置102によって深さ認知として活用され得る。画像がコンピュータ装置102によって同様に活用されて、特定のユーザ(例えば、顔認識を通して)、オブジェクトなどを特定する技術などの種々の他の機能をサポートすることができる。センサ114が、カメラとしての実装態様を介してx、y、又はz軸のうちの1つ又は複数の軸において、上述したような移動の検出をサポートすることもできることが同様に留意されるべきである。
【0021】
コンピュータ装置102は、電力制御モジュール122を含むものとしてさらに示されている。電力制御モジュール122は、装置が様々な電力消費状態に入るような機能を表すものである。処理システム104は、例えば、低出力状態をサポートするように構成することができ、低出力状態では、処理リソースが減らされ、処理システム104の電力消費もまた減らされる。そのため、処理システム104は、この低出力状態にいる間に、(例えば、電池からの)リソースを節約するように構成され得る。
【0022】
処理システム104はまた、高出力状態をサポートするように構成することができ、高出力状態では、追加の処理リソースが、利用可能にされ、電力消費の対応する増加がもたらされる。そのため、処理システム104は、追加の処理リソースが所望されるときに高出力状態を利用するが、そうすることによって、低出力状態で動作するときに比べて多くの電池リソースを消費する場合がある。したがって、処理システム104は、これらの状態間でサイクルして、所望の機能提供する、例えば、電力を節約するか又は処理リソースを増加させるように構成され得る。
【0023】
しかし、高出力状態における処理システム104の使用は、低い高出力状態の場合に比べて追加の熱発生をもたらす場合がある。さらに、処理システム104が、比較的短い時間量、例えば20秒以下の間、高出力状態で通常サイクルすることが、製品設計者によって観測される場合がある。しかし、対流熱伝達技術によって、処理システム104を冷却するためにコンピュータ装置102の1つ又は複数のファンの速度を増加させるなど、コンピュータ装置102でのユーザの体験に介入する場合がある行為を実施することがある。しかし、熱伝達装置124が、こうした変化に対してバッファする一体型蓄熱をサポートすることができる技術が本明細書で説明され、そのさらなる議論が、以下の図に関連して確認することができる。
【0024】
図2は、一体型蓄熱をサポートするような
図1の熱伝達装置124を示す例示的な実装態様200を表す。熱伝達装置124は、
図1に関連して説明するような処理システム104などの熱発生装置202に近接して配設されるものとして示されるが、コンピュータ装置又は他の装置の他の電気装置などの他の熱発生装置もまた企図される。
【0025】
この熱伝達装置124の例として、ヒート・パイプ204が挙げられる。ヒート・パイプ204は、熱伝導及び相転移を利用して熱発生装置202から離れる方向に熱を伝達させるように構成される。例えば、ヒート・パイプ202は、熱伝導性材料、例えば銅などの金属から閉囲式チューブとして形成することができ、こうして、熱伝導を利用して熱発生装置202から離れる方向に熱を伝導させることができる。
【0026】
このチューブは、この例では液体から気体へなどの相転移するように構成されるような、チューブ内に配設された材料を含むことができる。ヒート・パイプの蒸発部は、例えば、熱がそこから伝達される熱源、例えば熱発生装置202に近接して配設され得る。蒸発部に配設される液体は、相転移が起こるまで熱を吸収して気体を形成することができる。気体は、その後、対流を使用してチューブを通して移動して、ヒート・パイプ204の凝縮部で冷却され得る。これは、例えば、強制対流フィンなどの示されるような1つ又は複数の熱冷却フィンの使用を通して、1つ又は複数のファンの使用を通して引き起される空気移動によって冷却され得る。気体の冷却によって、熱が放出されるにつれて、材料が液体に戻る別の相転移を受ける。液体は、その後、ヒート・パイプ204の蒸発部に向けて戻ることができ、このプロセスが繰返され得る。この例ではヒート・パイプ204が説明されるが、折り畳み式フィン・ヒートシンク、蒸気チャンバを有するヒートシンク、中実金属ベースを有するヒートシンクなどの種々の異なるヒートシンクが企図される。
【0027】
熱伝達装置124は、蓄熱エンクロージャ206を含むものとしてさらに示される。この例の蓄熱エンクロージャ206は、このエンクロージャ206内に配設された相変化材料208を含む。相変化材料208はまた、相変化を受けて、熱発生装置から離れる方向に熱を伝達させるように構成される。相変化は、ヒート・パイプ204について説明したように液体から気体へ及び再び元の液体に戻る変化、固体から液体へ及び再び元の固体に戻る変化などを伴うような、ヒートシンク204に関連して説明した相変化と同じか又は異なるようにすることができる。これは、種々の異なる機能をサポートするために使用され得る。
【0028】
先に説明したように、例えば、熱発生装置202は、低出力状態と高出力状態との間でサイクルするように構成され得る。例えば、熱発生装置202は、処理システム104のプロセッサとして構成され得る。処理システム104は、低出力状態で15ワットの電力を消費するように構成することができ、低出力状態で、処理システム104は、約40℃で動作することができる。処理システム104は、60ワットの消費などの高出力でサイクルするように構成することもでき、それは、かなり大量の熱の生成及び対応する温度の上昇をもたらす場合がある。相応して、コンピュータ装置102の製品設計者は、このサイクルに対してバッファするように蓄熱エンクロージャ206を構成して、コンピュータ装置102を用いる全体的なユーザの体験を改善すると共に、電力消費の低減など、コンピュータ装置102の動作自体を改善することができる。
【0029】
コンピュータ装置102の製品設計者は、例えば、コンピュータ装置102の典型的な使用が、ウェブページのコンテンツを処理したり、アプリケーション110を開けるなどのために、20秒未満など、高出力状態にサイクルする比較的短い時間量を伴う場合があることを観測する場合がある。しかし、この高い電力消費から発生する熱に対処するために利用された従来の技術は、装置を冷却するために利用されるファンの速度を上げることを通常伴い、装置のユーザによって体験される騒音の増加をもたらした。こうした電力消費が継続する場合に、熱発生装置202が、元の低出力状態に切り換えられ、それにより、高出力状態のリソースをコンピュータ装置102が利用不能になるような技術が同様に使用され得る。
【0030】
しかし、本明細書で説明する技術では、製品設計者は、これらのサイクルに対してバッファするために、相変化材料の量及びタイプを選択することができる。引き続き先の例に関し、製品設計者は、約45℃で融解するように構成されるパラフィン・ワックスなど、低出力状態中に熱発生装置202によって達成される温度を超える温度で融解するように構成される相変化材料を選択することができる。
【0031】
さらに、ある量の相変化材料を、蓄熱エンクロージャ206内に含めることができ、それにより、相変化材料の全体が、高出力状態での観測されるサイクル中に相転移を受けることがない。やはり、引き続き先の例に関し、製品設計者は、処理システム104が、通常、20秒未満の間、高出力状態にサイクルすることを観測する場合がある。相応して、ある量の相変化材料208を、蓄熱エンクロージャ206内への包含のために選択することができ、それにより、材料の少なくとも一部は、観測されるこの期間の間、処理システム104によって融解されないことになる。
【0032】
したがって、処理システム104は、この例では固体から液体への変化を受けるときに相変化材料208によって実施される熱吸収のために大幅な温度上昇に遭遇することなく高出力状態で動作し続けることができる。相変化材料208は、その後、処理システム104又は他の熱発生装置202が、例えば蓄熱エンクロージャ206自体の冷却を通して、ヒート・パイプ204の使用を介してなどによって低出力状態に戻った後に固体状態に戻るよう冷却され得る。こうして、ファン速度の増加などの補助的冷却技術は、通常観測されるサイクル時間を過ぎて高出力状態が継続しなければ使用されず、それにより、「騒音が少ない(less noisy)」ことによってコンピュータ装置102でのユーザ体験を維持すると共に、ファンの速度を増加させないことによってコンピュータ装置102の電池の電力を節約する。
【0033】
例えば、処理システム104は、相変化材料208が例えば固体から液体への相変化を受けるように構成される温度より低い温度で低出力状態で動作することができる。処理システム104は、その後、アプリケーションをロードする、ウェブページをレンダリングするなどのために高出力状態にサイクルすることができる。高出力状態は、電力消費を増加させ及びこれに対応する熱生成の増加をもたらす場合がある。相応して、相変化材料208は、材料の少なくとも一部の相変化を開始させる、例えば、材料の一部が融解し始めることによってこの熱の吸収を開始することができる。
【0034】
相変化材料の少なくとも一部の相変化中に、蓄熱エンクロージャ206は、相変化が起こるように構成される温度、例えば約45℃を維持することができる。その結果、処理システム104は、この温度で高出力状態で動作し続けることができる。相変化材料208が完全に融解すると、処理システム104の温度は、相変化材料208の相変化が起こる温度を超えて上昇し始める場合がある。
【0035】
この温度上昇は、蓄熱エンクロージャ206から離れる方向の例えば凝縮器に熱を伝達するためのヒート・パイプ204の使用を通して、コンピュータ装置102の他の装置によって減じることができる。1つ又は複数の実装態様では、コンピュータ装置102は、相変化材料208の相変化が起こる温度を超えるように設定される閾値温度を使用して、コンピュータ装置102のファンの速度の増加をトリガーする、例えば、ファンのスイッチをオンする、既に回っているファンの速度を増加させるなどを行うことができる。こうして、蓄熱エンクロージャ206の相変化材料208は、積極的な冷却技術(例えば、ファンの使用)に対してバッファすることができ、それにより、コンピュータ装置102の電池のリソースを節約し、ファンの動作によって引起される騒音を減じることによってコンピュータ装置102でのユーザの体験を改善する。熱伝達装置124の一部としての蓄熱エンクロージャ206の使用についてのさらなる議論は、
図4に関連して確認される。
【0036】
先に説明したように、コンピュータ装置102は種々の方法で構成され得る。事例によっては、これらの構成は、3次元空間内での複数の向きを介したコンピュータ装置102の移動及び複数の向きでのコンピュータ装置102の使用を伴うことができる。相応して、熱伝達装置124は、これらの様々な向きに熱伝達をサポートするように構成され得る。これの一例は、
図2に示され、蓄熱エンクロージャ206内に複数のフィンを包含している。これらのフィンが使用されて、蓄熱エンクロージャ206と、この蓄熱エンクロージャ206内に配設される相変化材料208との間の接触を促進することができる。さらに、熱伝達装置124が、種々の異なる向きで移動及び/又は使用される、例えば、回転される、「引っくり返される(flipped over)」、表面上に載置される、「直立に保持される(held upright)」などが行われるときに、フィンの使用によって、蓄熱エンクロージャ206と相変化材料208との間で保持される接触を促進することもできる。熱伝達装置124はまた、種々の他の方法で構成されて、異なる向きでの動作をサポートすることができ、その別の例を、以下の図に関連して確認することができる。
【0037】
図3は、例示的な実装態様300を示しており、
図1の熱伝達装置が、種々の異なる向きに設置されるときに、全体的に均一な冷却を提供するように構成される。この例では、熱伝達装置124は、第1及び第2のヒート・パイプ302、304として示される複数のヒート・パイプを含む。第1及び第2のヒート・パイプ302、304は、前と同様に、熱発生装置202から離れる方向に熱を伝導するように構成される。例えば、第1及び第2のヒート・パイプ302、304は、熱伝導及び相転移を活用するように構成され得る。そのため、第1及び第2のヒート・パイプ302、304は、例えば拡散板を通して熱的に結合された熱発生装置202に近接して配設される蒸発部、及び、熱発生装置202から離れて配設される蒸発部を含むことができる。第1及び第2のヒート・パイプ302、304の蒸発部は、例示的な実装態様300のフィン、例えば強制対流フィンを含むものとして、また、第1及び第2のファン306、308によって冷却されるものとしてそれぞれ示される。
【0038】
熱伝達装置124は、熱発生装置202からx、y、又はz軸の1つ又は複数の軸上の複数の異なる向きを介して全体的に均一な熱伝達を提供するように配置されるヒート・パイプを含むものとして示される。例えば、ヒート・パイプは、重力によって部分的に駆動される。したがって、重力に対するヒート・パイプの向きは、ヒート・パイプの熱負荷搬送能力に影響を及ぼす場合がある。
【0039】
相応して、示される例の第1及び第2のヒート・パイプ302、304は、熱発生装置202から通常反対の方向に配置されるものとして示される。第1及び第2のヒート・パイプ302、304を反対方向に配置することによって、種々の特徴をサポートするために利用され得る。例えば、熱伝達装置124の異なる向きへの移動中に、ヒート・パイプのうちの1つのヒート・パイプは、重力によって反対のヒート・パイプより高い性能を有することができる。したがって、このより高い性能は、この利点を持たないヒート・パイプが経験するようなより低い性能を低減させ、さらに相殺するのに役立つ場合がある。こうして、熱伝達装置124は、熱発生装置202から種々の異なる向きに全体的に均一な熱伝達を提供することができる。この例では2つのヒート・パイプが説明されているが、熱伝達装置124は、コンピュータ装置102がそこで使用される、企図される向きに一致する配置を使用するために、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、異なる向きに配置される異なる数のヒート・パイプを使用することができる。
【0040】
示される例では、熱伝達装置124は、複数のファンによって冷却されるようにさらに示されており、その例が、第1及び第2のヒート・パイプ302、304をそれぞれ冷却する第1及び第2のファン306、308として示されている。コンピュータ装置102による2つ以上のファンの使用によって、種々の異なる特徴をサポートすることができる。例えば、第1及び第2のファン306、308の使用は、同じ冷却性能の単一ファンによって費される設置面積に比べてハウジング120内で少ない量のシステム「設置面積(footprint)」を占める場合がある。例えば、第1及び第2のファン306、308は、示される例ではy軸に沿ってハウジング120内で少ない空間を消費する。さらに、2つ以上のファンは、同様の冷却性能を提供する単一ファンより高い効率で動作することができる。例えば、ファンによる電力消費は、ファン速度の3乗によって増加する。したがって、2つのファンの速度の2倍で動作する単一ファンは、2つのファンの2倍の電力を消費する。そのため、熱伝達装置124は、先に説明した種々の異なる機能を提供するために種々の方法で構成され得る。
【0041】
例示的な手順
以下の議論は、先に説明したシステム及び装置を利用して実装される熱伝達技術を説明する。手順のそれぞれの態様は、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、或いはこれらの組合せで実装され得る。手順は、1つ又は複数の装置によって実施される動作を指定するブロックのセットとして示されるが、動作を実施するために示す、それぞれのブロックによる順序に必ずしも限定されるものではない。以下の議論の複数の部分において、
図1の環境100並びに
図2及び
図3の例示的な実装態様200、300に対してそれぞれ参照が行われることになる。
【0042】
図4は、例示的な実装態様における手順400を示しており、熱伝達装置は、相変化材料を使用して、高出力状態と低出力状態の両方を呈する熱発生装置からの熱伝達による熱をバッファする。熱発生コンポーネントは、1つ又は複数の動作を実施するために低出力状態で動作し、低出力状態は、温度を規定温度未満に留まるようにさせる(ブロック402)。処理システム104は、例えば、処理システム104を40℃に留まるように、15ワットを消費する低出力状態で動作することができる。
【0043】
熱発生コンポーネントは、その後、1つ又は複数の追加の動作を実施するために高出力状態で動作し、高出力状態は、熱伝達装置の蓄熱エンクロージャの相変化材料の融解を開始させるのに十分な熱を発生させ、それにより、熱発生コンポーネントの温度は、規定の閾値未満に留まる(ブロック404)。処理システム104は、上記低出力状態から、60ワットを消費する高出力状態に切り換わって、さらなる処理リソースを利用可能にすることができる。これは、アプリケーションを開ける、ウェブ・コンテンツをレンダリングするなどの種々の目的で実施され得る。これは、蓄熱エンクロージャ206の相変化材料208が融解し始めるような温度まで、処理システム104の温度を上昇させることができる。これは、処理システム104の温度を、相変化中に、すなわち固体から液体への変化を受ける相変化材料が存在する限り、相変化材料208の融点に留まらせる。
【0044】
熱伝達装置の蓄熱エンクロージャの相変化材料を融解するのに十分な時間量にわたって高出力状態で熱発生コンポーネントが動作することに応答して、熱は、熱伝達装置の蓄熱エンクロージャからヒート・パイプに伝達され、ヒート・パイプを冷却するように構成されるファンの速度を増加させる(ブロック406)。処理システム104は、例えば、相変化材料208が融解するまで動作し続けることができる。その後、これは次いで、相変化材料の融点を超える処理システム104の温度の上昇をもたらし得る。相応して、熱伝達装置は、ヒート・パイプ204、1つ又は複数のファンなどの使用を介して、この温度上昇を低減する技術を使用することができる。
【0045】
熱発生コンポーネントの温度を規定の温度を超えて上昇させるのに十分な時間量にわたって高出力状態で熱発生コンポーネントが動作することに応答して、熱発生コンポーネントは、高出力状態から低出力状態に切り換えられる(ブロック408)。電力制御モジュール122は、例えば、閾値を使用して、コンピュータ装置102の処理システム104又は他のコンポーネントに起こり得る損傷を制限するように、処理システム104が達することが許容される温度を制限することができる。したがって、この温度に達すると、電力制御モジュール122は、処理システム104を高出力状態から低出力状態に戻るよう切り換えて、装置による熱の発生を低減させることができる。
【0046】
高出力状態で動作することから低出力状態に戻るような熱発生コンポーネントによって行われる切換えに応答して、蓄熱エンクロージャの融解した相変化材料は、蓄熱エンクロージャの冷却を介して固化する(ブロック410)。継続して先の例に関して、処理システム104は、今や低出力状態で動作するため、約40℃の温度に戻ることができる。したがって、相変化材料208は、冷却され、固体形態(solid form)に戻ることができる。相変化材料208の全体を融解させない時間の間、高出力状態がサイクルされ、それにより、先に説明したファン又は他の積極的な冷却技術などの補助的冷却技術の使用を回避する例など、種々の他の例もまた企図される。
【0047】
例示的なシステム及び装置
図5は、本明細書で説明する種々の技術を実装することができる1つ又は複数のコンピュタ・システム及び/又は装置を表す例示的なコンピュータ装置502を含む、全体的に500の例示的なシステムを示す。コンピュータ装置502は、例えば、サービス・プロバイダのサーバ、クライアントに関連する装置(例えば、クライアント装置)、オンチップ・システム、及び/又は任意の他の適したコンピュータ装置又はコンピュータ・システムとすることができる。
【0048】
示されるような例示的なコンピュータ装置502は、互いに通信可能に結合される、処理システム504、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体506、及び1つ又は複数のI/Oインタフェース508を含む。図示しないが、コンピュータ装置502は、種々のコンポーネントを互いに結合するようなシステム・バス或いは他のデータ及びコマンド転送システムをさらに含むことができる。システム・バスは、メモリ・バス又はメモリ・コントローラ、周辺バス、ユニバーサル・シリアル・バス、及び/又は種々のバス・アーキテクチャの任意のアーキテクチャを利用するプロセッサ又はローカルバスなどの異なるバス構造の任意の1つ又は組合せを含み得る。制御ライン及びデータ・ラインなどの種々の他の例もまた企図される。
【0049】
処理システム504は、ハードウェアを使用して1つ又は複数の動作を実施する機能を表す。相応して、処理システム504は、プロセッサ、機能ブロックなどとして構成することができるハードウェア要素510を含むものとして示される。これは、特定用途向け集積回路又は1つ又は複数の半導体を使用して形成される他のロジック・デバイスとしてハードウェアでの実装を含むことができる。ハードウェア要素510は、ハードウェア要素510が形成される材料又はハードウェア要素510で使用される処理メカニズムによって制限されない。例えば、プロセッサは、半導体(複数可)及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(IC))から構成することができる。こうした文脈では、プロセッサ実行可能命令は、電子的に実行可能な命令とすることができる。
【0050】
コンピュータ可読記憶媒体506は、メモリ/ストレージ512を含むものとして示される。メモリ/ストレージ512は、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に関連するメモリ/ストレージ容量を表す。メモリ/ストレージ・コンポーネント512は、揮発性媒体(ランダム・アクセス・メモリ(RAM)など)及び/又は不揮発性媒体(読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、光ディスク、磁気ディスクなど)を含むことができる。メモリ/ストレージ・コンポーネント512は、固定媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハード・ディスクなど)だけでなく取外し可能媒体(例えば、フラッシュ・メモリ、取外し可能ハード・ディスク、光ディスクなど)を含むことができる。コンピュータ可読媒体506は、以下でさらに説明するように種々の他の方法で構成され得る。
【0051】
入力/出力インタフェース(複数可)508は、ユーザがコマンド及び情報をコンピュータ装置502に入力することを可能にし、また同様に、種々の入力/出力装置を使用して情報がユーザ並びに/又は他のコンポーネント又は装置に提示されることを可能にする機能を表す。入力装置の例は、キーボード、カーソル制御装置(例えば、マウス)、マイク、スキャナ、タッチ機能(例えば、身体的タッチを検出するように構成される容量性の又は他のセンサ)、カメラ(例えば、可視波長又は赤外周波数などの不可視波長を使用して、タッチを伴わない移動をジェスチャとして認識することができる)などを含む。出力装置の例は、ディスプレイ装置(例えば、モニタ又は投影機)、スピーカ、プリンタ、ネットワーク・カード、触知応答装置などを含む。そのため、コンピュータ装置502は、ユーザ相互作用をサポートするために、以下でさらに説明するような種々の方法で構成され得る。
【0052】
種々の技術が、ソフトウェア、ハードウェア要素、又はプログラム・モジュールの一般的な文脈で本明細書において説明される。一般に、こうしたモジュールは、特定のタスクを実施するか又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、エレメント、コンポーネント、データ構造などを含む。本明細書で使用される場合、用語「モジュール(module)」、「機能(functionality)」、及び「コンポーネント(component)」は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組合せを示す。本明細書で説明する技術の特徴は、プラットフォームに無関係であり、その技術が、種々のプロセッサを有する種々の市販のコンピュータ・プラットフォーム上で実装され得ることを意味する。
【0053】
説明したモジュール及び技術の実装態様は、ある形態のコンピュータ可読媒体上に記憶されるか又はそれにわたって送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ装置502によってアクセスされ得る種々の媒体を含むことができる。制限ではなく、例として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ可読記憶媒体(computer-readable storage media)」及び「コンピュータ可読信号媒体(computer-readable signal media)」を含むことができる。
【0054】
「コンピュータ可読記憶媒体」は、単なる信号送信、搬送波、又は信号それ自体と対照的に、情報の持続的な及び/又は非一時的な記憶を可能にする媒体及び/又は装置を指す。そのため、コンピュータ可読記憶媒体は、非信号担持媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性媒体及び不揮発性媒体、リムーバブル媒体及び非リムーバブル媒体などのハードウェア、並びに/又は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、ロジック・エレメント/回路、又は他のデータなどの情報の記憶に適した方法又は技術で実装される記憶装置を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ストレージ、ハード・ディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージ又は他の磁気ストレージ装置、或いは、他のストレージ装置、有形媒体、又は、所望の情報を記憶するのに適しかつコンピュータによってアクセスされ得る製品を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
「コンピュータ可読信号媒体」は、ネットワークを介して、コンピュータ装置502のハードウェアに命令を送信するように構成される信号担持媒体を指す。信号媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、或いは搬送波、データ信号、又は他の輸送メカニズムなどの変調データ信号内の他のデータを具現化することができる。信号媒体はまた、任意の信号送出媒体を含む。用語「変調データ信号(modulated data signal)」は、信号内の情報をエンコードするように設定又は変更されるようなその特性の1つ又は複数を有する信号を意味する。制限ではなく、例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、並びに、音響媒体、RF媒体、赤外媒体、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。
【0056】
先に説明したように、ハードウェア要素510及びコンピュータ可読媒体506は、1つ又は複数の命令を実施するなど、本明細書で説明する技術の少なくともいくつかの態様を実装するようないくつかの実施形態で使用することができるハードウェア形態で実装される、モジュール、プログラム可能ロジック、及び/又は固定デバイス・ロジックを表す。ハードウェアは、集積回路又はオンチップ・システムのコンポーネント、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、及び、シリコンにおける他の実装態様、或いは他のハードウェアを含むことができる。この文脈では、ハードウェアは、ハードウェアによって具現化される命令及び/又はロジックによって規定されるプログラム・タスクを実施する処理装置だけでなく、実行用の命令を記憶するために利用されるハードウェア、例えば先に説明したコンピュータ可読記憶媒体として動作することができる。
【0057】
上記の組合せが、同様に使用されて、本明細書で説明する種々の技術を実装することができる。相応して、ソフトウェア、ハードウェア、又は実行可能モジュールは、ある形態のコンピュータ可読記憶媒体上で具現化される1つ又は複数の命令及び/又はロジックとして、及び/又は、1つ又は複数のハードウェア要素510によって実装され得る。コンピュータ装置502は、ソフトウェア及び/又はハードウェア・モジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実行するように構成され得る。相応して、ソフトウェアとしてコンピュータ装置502によって実行可能であるモジュールの実装形態は、少なくとも部分的にハードウェアで、例えば、コンピュータ可読記憶媒体及び/又は処理システム504のハードウェア要素510の使用を介して達成され得る。命令及び/又は機能は、本明細書で説明する技術、モジュール、及び実施例を実装するために1つ又は複数の製品(例えば、1つ又は複数のコンピュータ装置502及び/又は処理システム504)によって実行可能/動作可能にすることができる。
【0058】
図5にさらに示されるように、例示的なシステム500は、パーソナル・コンピュータ(PC)、テレビジョン装置、及び/又はモバイル装置上でアプリケーションを実行するときにシームレスなユーザ体験のためのユビキタス環境を可能にする。サービス及びアプリケーションは、アプリケーションを利用し、ビデオ・ゲームを行い、ビデオを視聴するなどを行う間に、1つの装置から次の装置に移行するとき、一般的なユーザ体験のために3つ全ての環境において実質的に同様に実行される。
【0059】
例示的なシステム500では、複数の装置が、中央コンピュータ装置を介して相互接続される。中央コンピュータ装置は、複数の装置に対してローカルであるか又は複数の装置から遠隔に配置され得る。一実施形態では、中央コンピュータ装置は、ネットワーク、インターネット、又は他のデータ通信リンクを介して複数の装置に接続される1つ又は複数のサーバ・コンピュータのクラウドとすることができる。
【0060】
一実施形態では、この相互接続アーキテクチャは、複数の装置にわたって機能を供給することを可能にし、それにより、共通でかつシームレスな体験を複数の装置のユーザに提供する。複数の装置のそれぞれは、異なる物理的要件及び能力を有することができ、中央コンピュータ装置は、装置に対する体験の供給が、装置に適合されると共に、全ての装置に共通に適合されることを可能にするプラットフォームを使用する。一実施形態では、ターゲット装置のクラスが生成され、体験は、装置の汎用クラスに適合される。装置のクラスは、装置の物理的特徴、使用タイプ、又は他の一般的な特性によって規定され得る。
【0061】
種々の実装態様では、コンピュータ装置502は、コンピュータ514使用、モバイル516使用、及びテレビジョン518使用などの、種々の異なる構成を呈することができる。これらの構成のそれぞれは、全体的に異なる構造及び能力を有することができる装置を含み、したがって、コンピュータ装置502は、異なる装置クラスの1つ又は複数に従って構成され得る。例えば、コンピュータ装置502は、パーソナル・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、マルチスクリーン・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ネットブックなどを含むコンピュータ514装置クラスとして実装され得る。
【0062】
コンピュータ装置502はまた、携帯電話、可搬型音楽プレーヤ、可搬型ゲーム装置、タブレット・コンピュータ、マルチスクリーン・コンピュータなどのモバイル装置を含むモバイル516装置クラスとして実装され得る。コンピュータ装置502はまた、平常の視野環境において全体的に大きなスクリーンを有するか又はそれに接続される装置を含むテレビジョン518装置クラスとして実装され得る。これらの装置は、テレビジョン、セットトップ・ボックス、ゲーム・コンソールなどを含む。
【0063】
本明細書で説明する技術は、コンピュータ装置502のこれらの種々の構成によってサポートされるが、また、本明細書で説明する技術の特定の例に限定されるものではない。
【0064】
機能はまた、分散システムの使用を介して、例えば以下で説明するようなプラットフォーム522を介して「クラウド(cloud)」520にわたって全体的に又は部分的に実装され得る。クラウド520は、リソース524用のプラットフォーム522を含む、かつ/又は、そのプラットフォーム522を表す。プラットフォーム522は、クラウド520のハードウェア(例えば、サーバ)及びソフトウェア・リソースの基礎にある機能を抽象化する。リソース524は、コンピュータ装置502から遠隔にあるサーバ上でコンピュータ処理が実行される間に、利用され得るアプリケーション及び/又はデータを含むことができる。リソース524はまた、インターネットを通じて、及び/又は、セルラ又はWi−Fiネットワークなどの加入者ネットワークを介して提供されるサービスを含み得る。
【0065】
プラットフォーム522は、コンピュータ装置502を他のコンピュータ装置に接続するリソース及び関数を抽象化することができる。プラットフォーム522はまた、プラットフォーム522を介して実装されるリソース524についての遭遇する要求に対して対応するレベルのスケールを提供するリソースのスケーリングを抽象化するのに役立つことができる。相応して、相互接続された装置の実施形態では、本明細書で説明する機能の実装態様は、システム500全体を通して分散され得る。例えば、機能は、コンピュータ装置502だけでなくクラウド520の機能を抽象化するプラットフォーム522を介して部分的に実装され得る。
【0066】
結び
本発明は、構造的特徴及び/又は方法的行為に固有の言語で説明したが、添付特許請求の範囲において規定される本発明が、説明する特定の特徴又は行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴又は行為は、特許請求される発明を実装する例示的な形態として開示される。