(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
相互支持構造は、各コンベア機構(13・14)のコンベアフレーム(23・43)の遊端側の複数個所に設けた載架部(57・58)と、各載架部(57・58)に対応して連結相手側の基台フレーム(11・12)に設けた支持体(55・56)を備えており、
各コンベアユニット(8・9)を連結構造で連結した状態において、載架部(57・58)を対応する支持体(55・56)で受止めて、各コンベア機構(13・14)の遊端が連結相手側の基台フレーム(11・12)で支持されている請求項1に記載のコンベア装置。
各コンベアユニット(8・9)の基台フレーム(11・12)の左右に支柱(59・60)が固定されて、各支柱(59・60)に支持体(55・56)が固定されており、
各コンベア機構(13・14)のコンベアフレーム(23・43)の遊端側の下縁に載架部(57・58)が形成してある請求項2に記載のコンベア装置。
第1コンベアユニット(8)の基台フレーム(11)と、第2コンベアユニット(9)の基台フレーム(12)のそれぞれが、床(F)に載置される複数のベースフレーム(15・35)を備えており、
各コンベアユニット(8・9)のベースフレーム(15・35)のいずれか一方に、床(F)に載置固定される接床脚(37)が設けられ、他方に床(F)上を転動する車輪(17)が設けられており、
第1コンベアユニット(8)のベースフレーム(15)と、第2コンベアユニット(9)のベースフレーム(35)がコンベア搬送方向の異なる位置に配置されている請求項1から4のいずれかひとつに記載のコンベア装置。
各コンベア機構(13・14)が、コンベアフレーム(23・43)と、駆動プーリー(24・44)および従動プーリー(25・45)と、コンベアベルト(26・46)と、駆動プーリー(24・44)を回転駆動するモーターユニット(27・47)を備えており、
各コンベア機構(13・14)のコンベアフレーム(23・43)が、駆動プーリー(24・44)を支持するフレーム本体(28・48)と、従動プーリー(25・45)を支持する補助フレーム(29・49)を備えており、
補助フレーム(29・49)は、フレーム本体(28・48)に対して揺動軸(30・50)で揺動可能に連結されて、揺動軸(30・50)を中心にして使用姿勢とベルト緩め姿勢の間で往復揺動でき、
補助フレーム(29・49)を使用姿勢にした状態では、コンベアベルト(26・46)が従動プーリー(25・45)で緊張状態に保持されており、
補助フレーム(29・49)をベルト緩め姿勢にした状態では、従動プーリー(25・45)がフレーム本体(28・48)の側へ揺動してコンベアベルト(26・46)を弛緩できる請求項1から5のいずれかひとつに記載のコンベア装置。
支持構造が、コンベア機構(87)のコンベアフレーム(23)の遊端側の複数個所に設けた載架部(57)と、載架部(57)に対応してスタンドフレーム(88)に設けた支持体(56)を備えており、
コンベアユニット(8)とコンベアスタンド(85)を連結構造で連結した状態において、載架部(57)を支持体(56)で受止めて、コンベア機構(87)の遊端がスタンドフレーム(88)で支持されている請求項7に記載のコンベア装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、コンベアベルトの着脱を容易化したウォッシャブルコンベアは、すでに市販されているが、搬送機構の支持構造が片持ち支持構造であるため、重量が大きな搬送対象を搬送するのには適しておらず、その最大搬送能力は15kg/全長に過ぎない。別のメーカーからは、最大搬送能力がより大きなウォッシャブル型のコンベア装置が市販されている(オークラ輸送機株式会社、機種名JTH)が、それでも、1基当たりの最大搬送能力は60kgに過ぎず、搬送負荷が小さな搬送対象でないと適用できなかった。
【0007】
本発明者は、例えば上段側のコンベア機構で加工対象の原料肉塊を搬送し、下段側のコンベア機構で加工済みの肉塊を搬送する、複層構造のコンベア装置の開発に携わってきた。その場合の搬送負荷は、上段及び下段のコンベア機構のそれぞれについて200〜300kgと格段に大きいものであった。こうした搬送条件では、上下のコンベア機構のフレームをそれぞれ片持ち構造にしたとしても、フレームに作用する曲げモーメントが過大になるため数百kgの肉塊を搬送することは難しく、上下のコンベア機構のフレームを両持ち構造にせざるを得なかった。しかし、コンベア機構のフレームを両持ち構造にすると、フレームが邪魔になってコンベアベルトを取外した状態で洗浄することが困難となり、コンベアベルトの洗浄に、煩雑で多くの手間が掛かるのを避けられない。本発明は、上記のようなフレーム構造に由来するコンベア装置の問題点を検討し、さらに洗浄作業を簡単に行えるコンベア装置の構造を追求した結果提案されたものである。
【0008】
本発明の目的は、基本的に片持ち支持構造のコンベアユニットであるにもかかわらず、搬送時の構造強度を大幅に向上して大きな搬送負荷に耐えることができ、しかもコンベアベルトをより少ない手間で的確に洗浄でき、常に衛生的な状態を保持できるコンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンベア装置は、
図1に示すように、前後に対向する第1コンベアユニット8および第2コンベアユニット9を備えている。各コンベアユニット8・9は、床Fに設置される基台フレーム11・12と、各フレーム11・12で片持ち支持される少なくとも一つのコンベア機構13・14を備えている。第1コンベアユニット8のコンベア機構13と、第2コンベアユニット9のコンベア機構14は、それぞれのコンベア機構13・14が上下に段違い状に対向する状態で各基台フレーム11・12に支持されている。第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9は、両コンベアユニット8・9の間に設けた相互支持構造と連結構造を介して連結される搬送姿勢と、連結構造の連結状態が解除されて、両コンベアユニット8・9が分離された洗浄姿勢に組換えることができる。両コンベアユニット8・9を相互支持構造と連結構造で連結した状態においては、各コンベア機構13・14の遊端が、連結相手側の基台フレーム11・12で相互支持構造を介して支持されて、コンベア機構13・14が前後の基台フレーム11・12で両持ち支持されることを特徴とする。
【0010】
相互支持構造は、各コンベア機構13・14のコンベアフレーム23・43の遊端側の複数個所に設けた載架部57・58と、各載架部57・58に対応して連結相手側の基台フレーム11・12に設けた支持体55・56を備えている。各コンベアユニット8・9を連結構造で連結した状態においては、載架部57・58を対応する支持体55・56で受止めて、各コンベア機構13・14の遊端が連結相手側の基台フレーム11・12で支持される。
【0011】
各コンベアユニット8・9の基台フレーム11・12の左右に支柱59・60を固定して、各支柱59・60に支持体55・56を固定する。各コンベア機構13・14のコンベアフレーム23・43の遊端側の下縁に載架部57・58を形成する。
【0012】
第1コンベアユニット8の基台フレーム11と、第2コンベアユニット9の基台フレーム12の間に連結構造を設ける。連結構造は、両基台フレーム11・12のいずれか一方に設けた第1連結体63と、他方に設けた第2連結体64と、両連結体63・64を分離不能に固定する締結体65で構成する。
【0013】
第1コンベアユニット8の基台フレーム11と、第2コンベアユニット9の基台フレーム12のそれぞれが、床Fに載置される複数のベースフレーム15・35を備えている。各コンベアユニット8・9のベースフレーム15・35のいずれか一方に、床Fに載置固定される接床脚37を設け、他方に床F上を転動する車輪17を設ける。
図13に示すように第1コンベアユニット8のベースフレーム15と、第2コンベアユニット9のベースフレーム35はコンベア搬送方向の異なる位置に配置してある。
【0014】
各コンベア機構13・14は、コンベアフレーム23・43と、駆動プーリー24・44および従動プーリー25・45と、コンベアベルト26・46と、駆動プーリー24・44を回転駆動するモーターユニット27・47を備えている。各コンベア機構13・14のコンベアフレーム23・43は、駆動プーリー24・44を支持するフレーム本体28・48と、従動プーリー25・45を支持する補助フレーム29・49を備えている。補助フレーム29・49は、フレーム本体28・48に対して揺動軸30・50で揺動可能に連結されて、揺動軸30・50を中心にして使用姿勢とベルト緩め姿勢の間で往復揺動できる。補助フレーム29・49を使用姿勢にした状態では、コンベアベルト26・46が従動プーリー25・45で緊張状態に保持される。補助フレーム29・49をベルト緩め姿勢にした状態では、従動プーリー25・45がフレーム本体28・48の側へ揺動してコンベアベルト26・46を弛緩できる。
【0015】
本発明に係る別のコンベア装置は、
図16に示すように、前後に対向するコンベアユニット84と、コンベアスタンド85を備えている。コンベアユニット84は、床Fに設置される基台フレーム86と、基台フレーム86で片持ち支持されるコンベア機構87を備えている。コンベアスタンド85は、床Fに設置されるスタンドフレーム88を備えている。スタンドフレーム88は、複数のスタンド枠89と、スタンド枠89同士を繋ぐ横フレーム90を備えている。コンベアユニット84とコンベアスタンド85は、両者の間に設けた支持構造と連結構造を介して連結される搬送姿勢と、連結構造の連結状態が解除されて、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が分離される洗浄姿勢に組換えることができる。コンベアユニット84とコンベアスタンド85を支持構造と連結構造を介して連結した状態において、コンベア機構87の遊端が支持構造で支持されて、コンベア機構87が基台フレーム86とスタンドフレーム88で両持ち支持してあることを特徴とする。
【0016】
支持構造は、コンベア機構87のコンベアフレーム23の遊端側の複数個所に設けた載架部57と、載架部57に対応してスタンドフレーム88に設けた支持体56を備えている。コンベアユニット8とコンベアスタンド85を連結構造で連結した状態において、載架部57を支持体56で受止めて、コンベア機構87の遊端をスタンドフレーム88で支持する。
【0017】
コンベアユニット84の基台フレーム86とスタンドフレーム88の間に連結構造を設ける。連結構造は、基台フレーム86とスタンドフレーム88のいずれか一方に設けた第5連結枠93と、他方に設けた第6連結枠94と、両連結具93・94を締結固定する締結体95で構成する。搬送姿勢において、第5連結枠93と第6連結枠94を締結体95で分離不能に締結固定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るコンベア装置は、前後に対向する第1コンベアユニット8および第2コンベアユニット9で構成し、各コンベアユニット8・9のコンベア機構13・14を、床Fに設置した基台フレーム11・12で片持ち支持するようにした。また、両コンベアユニット8・9は、それぞれのコンベア機構13・14が上下に段違い状に対向する状態で支持されるようにし、相互支持構造と連結構造を介して連結された搬送姿勢と、連結構造の連結状態を解除した洗浄姿勢に組換えられるようにした。両コンベアユニット8・9を相互支持構造と連結構造で連結した状態においては、各コンベア機構13・14が、前後の基台フレーム11・12と連結相手側の基台フレーム11・12で相互支持構造を介して両持ち支持されるようにした。
【0019】
上記のコンベア装置によれば、もともとコンベア機構13・14を片持ち支持するコンベアユニット8・9でありながら、両コンベアユニット8・9を相互支持構造と連結構造で連結することにより、各コンベア機構13・14を前後の基台フレーム11・12で両持ち支持することができる。これにより各コンベア機構13・14に下向きの大きな曲げモーメントが作用するのを解消して、両持ち支持構造のコンベア装置と同等の搬送能力を発揮できる。従って、基本的に片持ち支持構造のコンベアユニット8・9であるにもかかわらず、搬送時の構造強度を大幅に向上して大きな搬送負荷に耐えられるコンベア装置を提供できる。また、連結構造の連結状態を解除して、両コンベアユニット8・9を分離した状態では、各コンベア機構13・14が基台フレーム11・12で片持ち支持された状態となる。従って、コンベアベルト26・46をより少ない手間で的確に洗浄でき、常に衛生的な状態を保持できる多層構造のコンベア装置を提供できる。
【0020】
コンベアフレーム23・43の遊端に設けた載架部57・58と、連結相手側の基台フレーム11・12に設けた支持体55・56で相互支持構造を構成した。こうした相互支持構造によれば、各コンベアユニット8・9を相互支持構造と連結構造で連結して一体化するだけで、各コンベア機構13・14を個々の基台フレーム11・12と、連結相手側の基台フレーム11・12で強固に両持ち支持して、各コンベア機構13・14の搬送負荷を増強できる。また、連結相手側の基台フレーム11・12に設けた支持体55・56と、各コンベア機構13・14の遊端に設けた載架部57・58で相互支持構造を構成するので、相互支持構造の構造を簡素化して低コスト化できる。
【0021】
基台フレーム11・12の左右に支柱59・60を固定し、これらの支柱59・60に支持体55・56を固定した。また、各コンベア機構13・14のコンベアフレーム23・43の遊端側の下縁に載架部57・58を形成した。こうしたコンベア装置によれば、支柱59・60の位置および形状を好適化することにより、連結相手側のフレーム本体28・48の好適な位置を左右の支持体55・56で支持できる。具体的には、フレーム本体28・48の左端の載架部57・58と、他より重量が大きな駆動部フレーム18・38の下方の載架部57・58を一対の支持体55・56で支持して、各コンベアユニット8・9のコンベア機構13・14を安定した状態で支持できる。
【0022】
第1連結体63と、第2連結体64と、両連結体63・64を分離不能に固定する締結体65で連結構造を構成し、両コンベアユニット8・9を搬送姿勢において分離不能に固定できるようにした。こうしたコンベア装置によれば、コンベアユニット8・9を稼働する状態において、各コンベアユニット8・9が外力を受けて連結相手から分離するのを確実に防止できるので、搬送対象を安定した状態で搬送できる。また、連結構造の締結体65の締結状態を解除するだけで、各コンベアユニット8・9をより少ない手間で洗浄姿勢に組みかえることができる。
【0023】
各コンベアユニット8・9の基台フレーム11・12のそれぞれが、床Fに載置される複数のベースフレーム15・35を備えるようにし、ベースフレーム15・35のいずれか一方に車輪17を設け、他方に接床脚37を設けるようにした。こうしたコンベア装置によれば、車輪17で支持された側のコンベアユニット8(または9)を移動操作することにより、一対のコンベアユニット8・9を連結する状態と分離する状態の間で、簡便に移動できる。また、接床脚37で支持された側のコンベアユニット9(または8)から分離したコンベアユニット8(または9)を、洗浄しやすい位置へと移動することができる。従って、各コンベアユニット8・9の連結作業、あるいは各コンベアユニット8・9の洗浄作業を簡便に行うことができる。第1コンベアユニット8のベースフレーム15と、第2コンベアユニット9のベースフレーム35を、コンベア搬送方向の異なる位置に配置するので、両コンベアユニット8・9を連結した状態において、両コンベアユニット8・9をコンパクトに連結できる。
【0024】
コンベア機構13・14のコンベアフレーム23・43を、フレーム本体28・48と補助フレーム29・49で構成し、補助フレーム29・49をフレーム本体28・48に対して揺動軸30・50で揺動可能に連結した。こうしたコンベア機構13・14によれば、補助フレーム29・49が揺動軸30・50を中心にして往復揺動することで、補助フレーム29・49を使用姿勢とベルト緩め姿勢に姿勢変更できる。また、補助フレーム29・49をベルト緩め姿勢にした状態では、従動プーリー25・45がフレーム本体28・48の側へ揺動してコンベアベルト26・46を弛緩できる。従って、コンベアベルト26・46をコンベアフレーム23・43から容易に取外して、その表裏両面を適確に洗浄することができる。さらに、コンベアフレーム23・43、駆動プーリー24・44、従動プーリー25・45に付着した肉片や脂肪等を洗い流すことができるので、コンベア装置2の洗浄をより少ない手間で簡便に行って、常に衛生的な状態を保持できる。
【0025】
本発明に係る別のコンベア装置は、前後に対向するコンベアユニット84と、コンベアスタンド85で構成し、基台フレーム86と、同フレーム86で片持ち支持されるコンベア機構87でコンベアユニット84を構成した。また、複数のスタンド枠89と、スタンド枠89同士を繋ぐ横フレーム90を備えたスタンドフレーム88を主要構造にしてコンベアスタンド85を構成した。そのうえで、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が、支持構造と連結構造を介して連結される搬送姿勢と、両者84・85が分離される洗浄姿勢に組換えられるようにした。
【0026】
上記のコンベア装置によれば、もともとコンベア機構87を片持ち支持するコンベアユニット84でありながら、コンベアユニット84とコンベアスタンド85を支持構造と連結構造で連結することにより、コンベア機構87を基台フレーム86とスタンドフレーム88で両持ち支持して、搬送時の構造強度を大幅に向上できる。従って、基本的に片持ち支持構造のコンベアユニット84であるにもかかわらず、コンベア機構87に下向きの大きな曲げモーメントが作用するのを解消して、両持ち支持構造のコンベア装置と同等の搬送負荷に耐えられるコンベア装置が得られる。また、連結構造の連結状態を解除して、コンベアユニット84をコンベアスタンド85から分離した状態では、コンベア機構87が基台フレーム86で片持ち支持された状態となる。従って、コンベアベルト26をより少ない手間で的確に洗浄でき、常に衛生的な状態を保持できる多層構造のコンベア装置を提供できる。
【0027】
コンベアフレーム23の遊端側の複数個所に設けた載架部57と、スタンドフレーム88に設けた支持体56で支持構造を構成した。こうした支持構造によれば、コンベアユニット84とコンベアスタンド85を支持構造と連結構造で連結して一体化するだけで、コンベア機構87を基台フレーム86と、スタンドフレーム88で強固に両持ち支持して、コンベア機構87の搬送負荷を増強できる。また、スタンドフレーム88に設けた支持体56と、コンベア機構87の遊端に設けた載架部57で支持構造を構成するので、支持構造の構造を簡素化して低コスト化できる。
【0028】
第5連結枠93と、第6連結枠94と、両連結具93・94を締結固定する締結体95で連結構造を構成し、基台フレーム86とスタンドフレーム88を搬送姿勢において分離不能に固定できるようにした。こうしたコンベア装置によれば、コンベアユニット84を稼働する状態において、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が外力を受けて連結相手から分離するのを確実に防止できるので、搬送対象を安定した状態で搬送できる。また、連結構造の締結体95の締結状態を解除するだけで、コンベアユニット84とコンベアスタンド85をより少ない手間で洗浄姿勢に組みかえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例1に係るコンベア装置の縦断側面図である。
【
図2】実施例1に係るコンベア装置の使用例を示す平面図である。
【
図3】実施例1に係るコンベア装置の正面図である。
【
図4】実施例1に係る第1コンベアユニットの正面図である。
【
図5】実施例1に係るコンベア装置を分離した状態の縦断側面図である。
【
図6】実施例1に係る第1コンベアユニットのベルト緩め機構を示す横断平面図である。
【
図7】実施例1に係る第2コンベアユニットの正面図である。
【
図8】実施例1に係る第2コンベアユニットのベルト緩め機構を示す横断平面図である。
【
図9】実施例1に係るコンベアユニットのベルト緩め機構を示す縦断正面図である。
【
図10】実施例1に係るコンベアベルトを緩めた状態を示す縦断正面図である。
【
図11】実施例1に係るコンベア装置を分離した状態の平面図である。
【
図12】実施例1に係る連結構造の縦断側面図である。
【
図13】実施例1に係る両コンベアユニットを連結した状態の基台フレームの平面図である。
【
図14】実施例1に係る両コンベアユニットを分離した状態の基台フレームの平面図である。
【
図15】実施例2に係るコンベア装置を分離した状態の縦断側面図である。
【
図16】実施例3に係るコンベア装置を分離した状態の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施例1)
図1ないし
図14に、本発明に係るコンベア装置を、ハムソーセージ製造のための食肉加工ラインに適用した実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、
図2、
図3に示す交差矢印と、交差矢印の近傍の前後・左右・上下の表記に従う。
図2において食肉加工ラインは、洗浄した未処理の原料肉M1を搬送する前段コンベア1と、未処理の原料肉M1と処理済みの原料肉M2を搬送する多層構造のコンベア装置2と、処理済の原料肉M2を収容するミートワゴン3と、ミートワゴン3の重量を計測するフロアスケール5などで構成してある。ミートワゴン3内の処理済の原料肉M2の合計重量が所定量になると、ミートワゴン3はフロアスケール5から図示していないタンブリング装置へと移送され、回転ドラムに投入されてマッサージ処理される。コンベア装置2の前後には、それぞれ2個のまな板を備えたキャスター付きの調理台6が配置してある。各調理台6にはそれぞれ2名の作業者が配置されており、各作業者は調理台6において未処理の原料肉M1から骨、筋、余分な脂肪などを除去したうえで、処理済の原料肉M2をコンベア装置2へ戻してミートワゴン3へ搬送する。各調理台6は4個のキャスター7で支持してある。
【0031】
図3および
図5においてコンベア装置2は、前後に対向配置した前側の第1コンベアユニット8と、後側の第2コンベアユニット9で構成してある。各コンベアユニット8・9は、床Fに設置される基台フレーム11・12と、各フレーム11・12で片持ち支持されるコンベア機構13・14を備えている。
図1、
図5に示すように、前後に対向する両コンベアユニット8・9は、各コンベア機構13・14が上下に段違い状に対向する状態で、各基台フレーム11・12に片持ち支持されている。両コンベアユニット8・9のコンベア機構13・14は、いずれも搬送対象をミートワゴン3側へ向かって搬送するが、上段に位置する第2コンベアユニット9のコンベア機構14で未処理の原料肉M1を搬送し、下段に位置する第1コンベアユニット8のコンベア機構13で処理済の原料肉M2を搬送する。
【0032】
図4、
図5に示すように、第1コンベアユニット8の基台フレーム11は、左右一対のベースフレーム15と、左右のベースフレーム15の上部および下枠部の前部を橋絡する上下一対の横フレーム16で、側面視がL字状の枠体として構成してある。ベースフレーム15の下面の前後にはキャスター(車輪)17が固定してあるので、第1コンベアユニット8は必要に応じて簡単に移動することができる。ベースフレーム15の上端には、コンベア機構13のコンベアフレーム23が片持ち支持状に締結固定してあり、その搬送終端にモーターユニット27を支持する駆動部フレーム18が突設してある。第1コンベアユニット8のコンベア機構13は、後述する第2コンベアユニット9のコンベア機構14より低い位置に設けてあり、その左右長さは第2コンベアユニット9のコンベア機構14の左右長さより大きく設定してある。
【0033】
コンベア機構13は、コンベアフレーム23と、同フレーム23で回転自在に支持される駆動プーリー24および従動プーリー25と、これら両プーリー24・25に巻き掛けられるコンベアベルト26と、駆動プーリー24を回転駆動するモーターユニット27などで構成してある。モーターユニット27は、先の駆動部フレーム18で支持される減速機とモーターを備えており、モーターユニット27の回転動力をチェーン機構で駆動プーリー24に伝動している。
【0034】
図4および
図6に示すように、コンベアフレーム23は、駆動プーリー24を支持する左右に長いフレーム本体28と、従動プーリー25を支持する補助フレーム29で構成してある。補助フレーム29はフレーム本体28に対して揺動軸30で揺動可能に連結してあり、使用姿勢とベルト緩め姿勢の間で往復揺動できる。使用姿勢においては、補助フレーム29がフレーム本体28に連続して横向きに大きく突出するので、コンベアベルト26を従動プーリー25で緊張状態に保持できる(
図9参照)。ベルト緩め姿勢においては、従動プーリー25がフレーム本体28側へ傾動するので、コンベアベルト26を弛緩させることができる(
図10参照)。補助フレーム29が使用姿勢を越えて揺動するのを規制するために、フレーム本体28左側端に補助フレーム29を受止める板状のストッパー片31を設けている。また、使用姿勢に切換えた補助フレーム29が揺動するのを規制するために、補助フレーム29に挿通した固定ピン32をフレーム本体28に係合している。なお、上記のベルト緩め機構と、第2コンベアユニット9のベルト緩め機構は構造が同じあるので、
図9、
図10においては、後者のベルト緩め機構の部材符号を括弧付き符号で併記している。
【0035】
図5、
図7において第2コンベアユニット9の基台フレーム12は、左右一対のベースフレーム35と、左右のベースフレーム35の上下および前部を橋絡する3個の横フレーム36で側面視がL字状の枠体として構成してある。後述するように、第2連結枠64を基台フレーム12の前部に設ける必要上、左右のベースフレーム35の前部に横フレーム36を固定している。ベースフレーム35の下面の前後には、床Fにボルト40で締結される接床脚37が固定してある。左右のベースフレーム35の上端には、コンベア機構14のコンベアフレーム43が片持ち支持状に締結固定してあり、その搬送終端にモーターユニット47を支持する駆動部フレーム38が突設してある。
図13に示すように、第2コンベアユニット9のベースフレーム35の左右間隔は、第1コンベアユニット8のベースフレーム15の左右間隔より僅かに小さく設定してある。これは、両コンベアユニット8・9を、後述する搬送姿勢に組んだ状態において、平面から見て第2コンベアユニット9の基台フレーム12を、第2コンベアユニット9の基台フレーム11の左右幅内に位置させて、両コンベアユニット8・9をコンパクトに連結するためである。基台フレーム12の横フレーム36の床面からの高さと、基台フレーム11の横フレーム16の床面からの高さは同じである。
【0036】
コンベア機構14は、コンベアフレーム43と、同フレーム43で回転自在に支持される駆動プーリー44および従動プーリー45と、これら両プーリー44・45に巻き掛けられるコンベアベルト46と、駆動プーリー44を回転駆動するモーターユニット47などで構成してある。モーターユニット47は、先の駆動部フレーム38で支持される減速機とモーターを備えており、モーターユニット47の回転動力をチェーン機構で駆動プーリー44に伝動している。
【0037】
図8ないし
図10において、コンベアフレーム43は、駆動プーリー44を支持する左右に長いフレーム本体48と、従動プーリー45を支持する補助フレーム49で構成してある。補助フレーム49はフレーム本体48に対して揺動軸50で揺動可能に連結してあり、使用姿勢とベルト緩め姿勢の間を往復揺動できる。使用姿勢においては、補助フレーム49がフレーム本体48に連続して横向きに大きく突出するので、コンベアベルト46を従動プーリー45で緊張状態に保持できる。ベルト緩め姿勢においては、従動プーリー45がフレーム本体48側へ傾動するので、コンベアベルト46を弛緩させることができる。補助フレーム49が使用姿勢を越えて揺動するのを規制するために、フレーム本体48に補助フレーム49を受止めるストッパー片51を設けている。また、使用姿勢に切換えた補助フレーム49が揺動するのを規制するために、補助フレーム49に挿通した固定ピン52をフレーム本体48に係合している。この実施例では、ストッパー片51をボルトで構成して、そのねじ込み量を調整することで補助フレーム49の受止め位置を調整できるようにした。
図11に示すように、第1コンベアユニット8のコンベア機構13の左右長さは、第2コンベアユニット9のコンベア機構14の左右長さより僅かに大きく設定してある。
【0038】
上記のように、個々のコンベアユニット8・9は、コンベア機構13・14を基台フレーム11・12で片持ち支持するため、個々のコンベアユニット8・9で重量が大きな肉塊を搬送するには構造強度が不足する。こうした構造強度の不足を補って、両持ち支持構造のコンベア装置と同等の搬送能力を発揮できるようにするために、第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9の間に相互支持構造を設け、さらに第1コンベアユニット8の基台フレーム11と、第2コンベアユニット9の基台フレーム12の間に連結構造を設けている。
【0039】
図1および
図5に示すように相互支持構造は、連結相手側のコンベア機構13・14を支持する支持体55・56と、各支持体55・56で受止められる載架部57・58で構成する。詳しくは、第1コンベアユニット8の側においては、前側のコンベアフレーム23の上面の左右に一対の支柱59を固定し、同支柱59の上部に逆L字状の支持体55を固定している。また、コンベア機構13の遊端側(後側)のコンベアフレーム23の左右に載架部57を設けている。
図4に示すように左右の支柱59は、左右の基台フレーム11の縦枠の延長上のコンベアフレーム23の上面に固定されており、
図4に向かって右側の支柱59が単に縦長であるのに対して、
図4に向かって左側の支柱59は、逆L字状に形成してある。このように、支柱59の位置および形状を異ならせることにより、連結相手側のフレーム本体48の好適な位置を左右の支持体55で支持できる。具体的には、フレーム本体48の左端の載架部58と、他より重量が大きな駆動部フレーム38の下方の載架部58を一対の支持体55で支持して、第2コンベアユニット9のコンベア機構14を安定した状態で支持できる。
【0040】
第2コンベアユニット9の側においては、基台フレーム12の外側面に水平の支柱60を固定し、その突端に逆L字状の支持体56を固定している。また、コンベア機構14の遊端側(前側)のコンベアフレーム43の左右に載架部58を設けている。
図7に向かって右側の支柱60の長さは、左側の支柱60の長さより大きく設定してある。このように、支柱60の長さを異ならせることにより、連結相手側のフレーム本体28の左端の載架部57と、他より重量が大きな駆動部フレーム18の下方の載架部57を一対の支持体56で支持して、第1コンベアユニット8のコンベア機構13を安定した状態で支持できる。上記のように、各支持体55・56は、いずれも連結相手側のフレーム本体28・48の下面の載架部57・58を支持する。
【0041】
連結構造は、第1コンベアユニット8の下側の横フレーム16に設けた左右一対の第1連結枠(第1連結体)63と、第1連結枠63と正対する状態で第2コンベアユニット9の横フレーム36に設けた左右一対の第2連結枠(第2連結体)64と、両連結枠63・64を分離不能に締結固定する締結体65で構成してある。四角形状の鋼板で形成した第1連結枠63の左右中央には掛止溝66が形成してあり、その下半側の板面が横フレーム16に固定したブラケットに締結固定してある。締結体65は、ねじ軸67と、ねじ軸67にねじ込まれるノブ状の雌ねじ体68と、ねじ軸67の基端に固定した筒軸69を備えており、筒軸69を第2連結枠64に設けた水平のピン70で軸支することにより、締結体65の全体が前後傾動可能に支持される。第2連結枠64には、前方傾動したねじ軸67を受止める逃げ溝71が形成してある。ねじ軸67を第1連結枠63の掛止溝66に係合した状態で雌ねじ体68をねじ込むことにより、第1連結枠63と第2連結枠64を小さな隙間を介して締結固定して、第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9を連結できる。このとき、基台フレーム11の横フレーム16と基台フレーム12の横フレーム36は前後に密着している。
【0042】
コンベア装置2を稼働する際に調理台6が移動するのを防ぐために、前後の調理台6を各コンベアユニット8・9の基台フレーム11・12に分離不能に連結している。詳しくは、
図12に示すように、前後の調理台6の調理台フレームの側枠部分に第3連結枠73を固定し、左右一対のベースフレーム15・35の外側面に第4締結枠74を固定して、これらの締結枠73・74を締結体75で締結固定している。第3連結枠73は第1連結枠63と、第4締結枠74は第2締結枠64と、締結体75は締結体65と同じであるので、その説明を省略する。
図2に示すように、基台フレーム11・12に連結された調理台6の調理面の高さは、第1コンベアユニット8のコンベアベルト26の搬送面の高さとほぼ同じ高さになっている。そのため、骨などが除去された処理済の原料肉M2を、余分に持上げる必要もなくコンベアベルト26の搬送面に簡便に載置できる。
【0043】
上記のように構成したコンベア装置2は、第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9が、相互支持構造および連結構造で連結されて一体化された搬送姿勢(
図1、
図13に示す状態)と、お互いのコンベア機構13・14が分離する洗浄姿勢(
図5、
図14に示す状態)に組換えることができる。
図1に示すように搬送姿勢においては、前側のコンベア機構13に設けた載架部57が、後側の基台フレーム12に設けた支持体56で支持され、後側のコンベア機構14に設けた載架部58が、前側の基台フレーム12に設けた支持体55で支持される。この状態で、左右一対の締結体65をピン70の周りに前向きに回動させて、ねじ軸67を第1連結枠63の掛止溝66に係合し、雌ねじ体68をねじ込み操作することにより、第1コンベアユニット8を第2コンベアユニット9側へ引き寄せて、両コンベアユニット8・9を分離不能に一体化できる。
【0044】
上記のように、第1連結枠63と、第2連結枠64と、両連結枠63・64を分離不能に固定する締結体65で連結構造を構成し、両コンベアユニット8・9を搬送姿勢において分離不能に固定できるようにした。こうしたコンベア装置によれば、コンベアユニット8・9を稼働する状態において、各コンベアユニット8・9が外力を受けて連結相手から分離するのを確実に防止できるので、搬送対象を安定した状態で搬送できる。また、連結構造の締結体65の締結状態を解除するだけで、各コンベアユニット8・9をより少ない手間で洗浄姿勢に組みかえることができる。
【0045】
両コンベアユニット8・9を相互支持構造および連結構造で連結して搬送姿勢にした状態では、各コンベア機構13・14の載架部57・58が基台フレーム11・12に設けた支持体55・56で支持される。これにより、各コンベア機構13・14は前後の基台フレーム11・12で両持ち支持されることになり、搬送時の構造強度を大幅に向上できる。従って、基本的に片持ち支持構造のコンベアユニット8・9であるにもかかわらず、各コンベア機構13・14に下向きの大きな曲げモーメントが作用するのを解消して、両持ち支持構造のコンベア装置と同等の搬送負荷に耐えられるコンベア装置が得られる。搬送姿勢に連結した第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9を分離する場合には、基台フレーム11・12に連結した前後の調理台6を予め分離して、邪魔にならない場所に移動しておく。また、雌ねじ体68を緩めて締結体65をピン70の周りに後向きに回動させて、ねじ軸67を第1連結枠63の掛止溝66から分離することにより、両コンベアユニット8・9を洗浄姿勢に分離することができる。
【0046】
両コンベアユニット8・9を洗浄姿勢に分離した状態では、前側のコンベアユニット8を移動させることにより、各コンベアユニット8・9を洗浄しやすい状態に保持できる。また、分離された各コンベアユニット8・9は、各コンベア機構13・14が基台フレーム11・12で片持ち支持された状態になるので、各コンベアフレーム23・43にねじ込んだ固定ピン32・52を取外して、補助フレーム29・49をベルト緩め姿勢に傾動することにより、
図10に示すようにコンベアベルト26・46を弛緩させることができる。従って、コンベアベルト26・46をコンベアフレーム23・43から容易に取外して、その表裏両面をより少ない手間で的確に洗浄でき、あるいは洗浄したコンベアベルト26・46を殺菌液に浸漬して殺菌できる。また、コンベアフレーム23・43、駆動プーリー24・44、従動プーリー25・45に付着した肉片や脂肪などを洗浄できるので、コンベア装置2の洗浄をより少ない手間で簡便に行って、常に衛生的な状態を保持できる。同様にして、基台フレーム11・12から分離した調理台6も隅々まで洗浄することができる。
【0047】
キャスター17で支持された第1コンベアユニット8を移動操作することにより、一対のコンベアユニット8・9を連結する状態と分離する状態に組換えることができる。従って、各コンベアユニット8・9の連結作業、あるいは各コンベアユニット8・9の洗浄作業を簡便に行うことができる。
【0048】
(実施例2)
図15に実施例2に係るコンベア装置を示している。そこでは、第2コンベアユニット9に上下2段のコンベア機構14A・14Bを設けるようにした。第1コンベアユニット8と第2コンベアユニット9を連結構造で連結した状態においては、第1コンベアユニット8のコンベア機構13が先のコンベア機構14A・14Bの間に入込んで、3基のコンベア機構13・14A・14Bが上下方向へ段違い状に対向する。この場合の各コンベア機構13・14A・14Bの搬送方向は全て同じであってもよく、あるいはいずれかひとつのコンベア機構の搬送方向が、他のふたつのコンベア機構の搬送方向と異なっていてもよい。上下2段のコンベア機構14A・14Bの構造は、実施例1で説明したコンベア機構14の構造と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。上下2段のコンベア機構14A・14Bのコンベアフレーム43には、それぞれ載架部58を設け、連結相手側の基台フレーム11の上下には支持体55を固定した。この実施例から理解できるように、基台フレーム11・12には、複数のコンベア機構13・14を設けることができる。
【0049】
(実施例3)
図16に実施例3に係るコンベア装置を示している。そこでは、コンベアユニット84と、コンベアスタンド85でコンベア装置を構成した。コンベアユニット84は、床Fに設置される基台フレーム86と、基台フレーム86で片持ち支持されるコンベア機構87を備えている。コンベアスタンド85は、床Fに設置されるスタンドフレーム88を備えており、基台フレーム86とスタンドフレーム88の間に、支持構造と連結構造が設けてある。基台フレーム86およびコンベア機構87の構造は、実施例1で説明した基台フレーム11およびコンベア機構13と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。また、支持構造は実施例1で説明した相互支持構造に相当し、連結構造は実施例1で説明した連結構造と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
スタンドフレーム88は、左右一対のL字状のスタンド枠89と、スタンド枠89の前後枠部分の間に固定される前後一対の横フレーム90と、スタンド枠89の前後枠部分の下面に固定される接床脚92を備えている。接床脚92は床Fにボルト40で締結固定される。
【0051】
支持構造は、コンベア機構87のフレーム本体28の遊端側の左右に設けた載架部57と、載架部57に対応してスタンドフレーム88の上部に設けた逆L字状の支持体56で構成してある。コンベアユニット84とスタンドフレーム88を組付けた状態において、支持体56はコンベア機構87のフレーム本体28の左端の載架部57と、他より重量が大きな駆動部フレーム18の下方の載架部57を一対の支持体56で支持して、コンベアユニット84のコンベア機構87を安定した状態で支持できる。つまり、この状態のコンベア機構87は、基台フレーム86とコンベアスタンド85で両持ち支持された状態になっている。
【0052】
連結構造は、基台フレーム86の下側の横フレーム16に固定した第5連結枠93と、第5連結枠93と正対する状態でスタンドフレーム88の前側の横フレーム90に設けた第6連結枠94と、両連結枠93・94を締結固定する締結体95で構成する。第5連結枠93と、第6連結枠94と、締結体95は、実施例1で説明した第1連結枠63と、第2連結体64と、締結体65と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
上記のように構成したコンベア装置は、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が、支持構造および連結構造で連結されて一体化された搬送姿勢と、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が分離する洗浄姿勢に組換えることができる。搬送姿勢においては、コンベア機構87に設けた載架部57が、コンベアスタンド85に設けた支持体56で支持される。この状態で、左右一対の締結体95を前向きに回動させて、第5連結枠93に係合し、雌ねじ体68をねじ込み操作することにより、コンベアユニット84とコンベアスタンド85を互いに引き寄せて、分離不能に一体化できる。
【0054】
両コンベアユニット8・9を連結構造で連結して搬送姿勢にした状態では、コンベア機構87の載架部57がコンベアスタンド85に設けた支持体56で支持される。これにより、コンベア機構87は基台フレーム86とスタンドフレーム88で両持ち支持されることになり、搬送時の構造強度を大幅に向上できる。従って、基本的に片持ち支持構造のコンベアユニット84であるにもかかわらず、コンベア機構87に下向きの大きな曲げモーメントが作用するのを解消して、両持ち支持構造のコンベア装置と同等の搬送負荷に耐えられるコンベア装置が得られる。搬送姿勢に連結したコンベアユニット84とコンベアスタンド85を分離する場合には、雌ねじ体68を緩めて締結体95を第5連結枠93から分離することにより、コンベアユニット84を洗浄姿勢に分離することができる。
【0055】
コンベアユニット84を洗浄姿勢に分離した状態では、コンベアユニット84を移動させて洗浄しやすい状態に保持できる。また、分離されたコンベアユニット84は、コンベア機構87が基台フレーム86で片持ち支持された状態になるので、ベルト緩め機構を緩めてコンベアベルト26を弛緩させることにより、コンベアベルト26をコンベアフレーム23から容易に取外して、その表裏両面をより少ない手間で的確に洗浄でき、あるいは洗浄したコンベアベルト26を殺菌液に浸漬して殺菌できる。また、コンベアフレーム23、駆動プーリー、従動プーリー等に付着した肉片や脂肪などを洗浄できるので、コンベア装置の洗浄をより少ない手間で簡便に行って、常に衛生的な状態を保持できる。同様にして、コンベアスタンド85も隅々まで洗浄することができる。
【0056】
コンベアフレーム23の遊端側の左右に設けた載架部57と、スタンドフレーム88に設けた支持体56で支持構造を構成するようにした。こうした支持構造によれば、コンベアユニット84とコンベアスタンド85を支持構造と連結構造で連結して一体化するだけで、コンベア機構87を基台フレーム86と、スタンドフレーム88で強固に両持ち支持して、コンベア機構87の搬送負荷を増強できる。また、スタンドフレーム88に設けた支持体56と、コンベア機構87の遊端に設けた載架部57で支持構造を構成するので、支持構造の構造を簡素化して低コスト化できる。
【0057】
第5連結枠93と、第6連結枠94と、両連結具93・94を締結固定する締結体95で連結構造を構成し、基台フレーム86とスタンドフレーム88を搬送姿勢において分離不能に固定できるようにした。こうしたコンベア装置によれば、コンベアユニット84を稼働する状態において、コンベアユニット84とコンベアスタンド85が外力を受けて連結相手から分離するのを確実に防止できるので、搬送対象を安定した状態で搬送できる。また、連結構造の締結体95の締結状態を解除するだけで、コンベアユニット84とコンベアスタンド85をより少ない手間で洗浄姿勢に組みかえることができる。
【0058】
上記の実施例1では、遊端側のコンベアフレーム23・43の下縁を載架部57・58として利用したが、その必要はなく、コンベアフレーム23・43に別の部品を固定して載架部57・58を形成してもよい。例えば、丸軸状や角軸状に形成した載架部57・58を支持体55・56で支持することができる。その場合には、支持体55・56の上面側に断面がU字状またはV字状の受面を形成しておいて、軸状の載架部57・58を支持体55・56で左右移動不能に支持して、位置決めすることができる。
【0059】
載架部57・58および支持体55・56は対応する3個所以上に設けることができ、必要があれば左右に長い1個の枠体として構成してもよい。車輪17は床F上を転動できる車輪であれば、キャスター以外の車輪構造や、無端軌道帯を使用した車輪構造であってもよい。締結体65・75・95は、ねじを締結要素とする締結構造である必要はなく、レバーリンク式のファスナー(パッチン錠)や、一端にフックを備えているリンク体と、デッドポイントを越えてリンク体を引寄せ操作するカムと、カムを回動操作するレバーを備えたカム式の締結構造であってもよい。
【0060】
本発明に係る多層構造のコンベア装置は、ハムソーセージ製造のための食肉加工ライン以外に、食品、化粧品、薬品などの製造ラインに適用することができ、とくに搬送負荷が大きな搬送対象を搬送する用途に適している。