(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のセットの色パラメータ値は、赤色ピクセル強度値と、緑色ピクセル強度値と、青色ピクセル強度値とを含み、前記第2のセットの色パラメータ値は、XYZ三刺激値を含み、少なくとも4つの異なる色に関連付けられた前記色サブフィールドは、赤色サブフィールド、緑色サブフィールド、青色サブフィールド、および白色サブフィールドを含む、
請求項1に記載の装置。
前記制御論理は、コンテンツ適応型画像分解プロセスに従って、それぞれの色サブフィールドを形成するために、前記複数のピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解するようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
前記それぞれの色サブフィールドの各々に関連付けられた色を有する光源を含むバックライトをさらに備え、前記制御論理は、色サブフィールドに関連付けられた前記ディスプレイ要素状態情報の一部分を出力すると、前記ディスプレイ要素のアレイを照明するために、前記色サブフィールドに関連付けられた光源を照明するように構成される、
請求項1に記載の装置。
前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスは、各ピクセルについて、電力管理パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のセットの色パラメータ値を前記第2のセットの色パラメータ値にさらにマッピングする、
請求項1に記載の装置。
前記プロセッサに前記画像データを送ることが可能な画像ソースモジュールをさらに含み、前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、
請求項10に記載の装置。
プロセッサによって実行されると、ディスプレイ上に画像を形成する方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
入力画像フレームを受信すること、ここにおいて、前記入力画像フレームは、複数のピクセルの各々について、第1のセットの色パラメータ値を含む、と、
前記ピクセルに関連付けられた前記第1のセットの色パラメータ値を第2のセットの色パラメータ値にマッピングするために、前記ピクセルに関連付けられた前記第1のセットの色パラメータ値にコンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスを適用すること、ここにおいて、前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスが、前記入力画像フレームのコンテンツに少なくとも部分的に基づく、と、
前記入力画像フレームのための飽和レベルパラメータを決定し、前記入力画像フレームの前記決定された飽和パラメータに基づいて、前記ガマットマッピングプロセスを適応させること、ここにおいて、画像飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブルを生成することによって、前記ガマットマッピングプロセスを適応させることは、前記決定された画像飽和パラメータに基づいて、少なくとも2つの記憶されたガマットマッピングルックアップテーブルの間で補間することをさらに備える、と、
少なくとも4つの異なる色に関連付けられたそれぞれの色サブフィールド内でピクセル強度値を取得するために、前記ピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解することと、
前記色サブフィールドに基づいて、ディスプレイ要素のアレイ内のディスプレイ要素のためのディスプレイ要素状態情報を生成することと、
前記ディスプレイ要素のアレイに、前記少なくとも4つの色サブフィールドに関連付けられた前記ディスプレイ要素状態情報を出力することと
を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
前記第1のセットの色パラメータ値は、赤色ピクセル強度値と、緑色ピクセル強度値と、青色ピクセル強度値とを含み、前記第2のセットの色パラメータ値が、XYZ三刺激値を含み、少なくとも4つの異なる色に関連付けられた前記色サブフィールドは、赤色サブフィールド、緑色サブフィールド、青色サブフィールド、および白色サブフィールドを含む、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
前記各ピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解することは、コンテンツ適応型画像分解プロセスに従って、前記第2のセットの色パラメータ値を分解することを含む、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
前記方法は、前記受信された画像フレームのための飽和レベルパラメータを決定することをさらに備え、前記コンテンツ適応型画像分解プロセスは、前記決定された飽和レベルパラメータに基づいて調整された色分解行列を適用することを備える、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスは、各ピクセルについて、電力管理パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のセットの色パラメータ値を前記第2のセットの色パラメータ値にさらにマッピングする、
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
前記制御論理は、前記飽和パラメータに少なくとも部分的に基づいて、分解行列を導出するようにさらに構成され、前記XYZ三刺激値を分解することは、前記分解行列を適用することを備える、
請求項21に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0032]以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明される実装形態は、動いていようと(ビデオなど)、静止していようと(静止画像など)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示することができる任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。本開示で提供される概念および例は、1つまたは複数のディスプレイ技術からの特徴を組み込んだディスプレイに加えて、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ、ならびに電気機械システム(EMS)およびマイクロ電気機械(MEMS)ベースのディスプレイなど、様々なディスプレイに適用可能であり得る。
【0022】
[0033]説明される実装形態は、限定はしないが、モバイル電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受像機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドコンピュータまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、ウェアラブルデバイス、時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取りデバイス(電子リーダーなど)、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(走行距離計ディスプレイおよび速度計ディスプレイなど)、コックピット制御機器および/またはディスプレイ、カメラ視野ディスプレイ(車両における後方視野カメラのディスプレイなど)、電子写真、街頭ビジョンまたは電子看板、プロジェクタ、建築構造、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、パーキングメーター、パッケージング(非電気機械システム(EMS)適用例に加えて、マイクロ電気機械システム(MEMS)適用例を含むEMS適用例におけるものなど)、審美構造物(宝石または衣類への画像の表示など)、ならびに様々なEMSデバイスなどの様々な電子デバイスに含まれ得るか、またはそれらの電子デバイスに関連付けられ得る。
【0023】
[0034]本明細書の教示はまた、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子テスト機器などの、非ディスプレイの適用例においても使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示される実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に容易に明らかになるような広い適用性を有する。
【0024】
[0035]多原色ディスプレイは、ガマットマッピング関数に従って入力ピクセル値をXYZ色空間にマッピングすること、および、次いで、XYZ三刺激値を、ディスプレイの原色に関連付けられた色サブフィールドに分解することによって、入力画像データを、ディスプレイによって採用された多原色空間に変換する、制御論理を含み得る。たとえば、そのようなプロセスは、RGB色空間内で符号化された画像フレームを、RGBW色空間に変換するために使用され得る。
【0025】
[0036]いくつかの実装形態では、色忠実度を維持し、電力効率を改善するために、制御論理は、入力画像ピクセル値をXYZ色三刺激空間に変換するとき、画像飽和依存ガマットマッピングを採用することができる。いくつかの実装形態では、制御論理は、飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブル(LUT)を生成することによって、画像飽和依存ガマットマッピングを実装することができる。飽和レベルは、パラメータQによって表される。飽和レベル依存ガマットマッピングLUTは、少なくとも2つの記憶された飽和レベル依存(すなわち、Q依存)ガマットマッピングLUTの間で値を補間することによって形成され得る。いくつかの実装形態では、制御論理は、飽和レベル依存分解行列を使用して、XYZ三刺激値を多原色サブフィールドに分解することができる。
【0026】
[0037]いくつかの実装形態では、飽和ベースのガマットマッピングは、ディスプレイの電力消費を制御するように適応され得る。たとえば、画像は、デバイス非アクティビティを検出することに応答して、または低バッテリー状態を検出することに応答して、より低い飽和(すなわち、より高いQ値)を使用して、ガマットマッピングされ得る。同様に、ガマットマッピングのために使用される飽和レベルは、目標電力消費またはバッテリー寿命を維持するために調整され得る。
【0027】
[0038]本開示で説明される主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施され得る。飽和依存ガマットマッピングプロセスを使用して、入力ピクセル値を出力ピクセル値に変換することによって、色忠実度を実質的に維持しながら、著しい電力節約が達成され得る。入力ピクセル値がXYZ色空間内でXYZ三刺激値にマッピングされるようなガマットマッピングプロセスを実施することによって、ディスプレイの制御論理は、得られたディザリングされたピクセルXYZ三刺激値をRGBW強度値に分解する前に、ベクトル誤差拡散プロセスをより容易に実施することができる。XYZ色空間内のベクトル誤差拡散は、RGBW色空間内の単一色サブフィールドディザリングと比較して、画像品質を著しく改善することができる。
【0028】
[0039]いくつかの実装形態では、ガマットマッピングプロセスは、ディスプレイが組み込まれるデバイスのバッテリー寿命を維持または延長するために、電力がディスプレイによって消費される割合を制御するために使用され得る。サブフレーム低減など、追加の電力管理機能もまた、ディスプレイのバッテリーレベル、および/または画像フレームを表示するために選択されるQ値に基づいて採用され得る。
【0029】
[0040]
図1Aは、例示的な直視型MEMSベースのディスプレイ装置100の概略図を示す。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102a〜102d(全体として、光変調器102)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通過させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105によって照明される場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するために利用され得る。別の実装形態では、装置100は、装置の前方から発する周辺光の反射によって画像を形成し得る。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前方に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわち、フロントライトの使用によって画像を形成し得る。
【0030】
[0041]いくつかの実装形態では、各光変調器102は、画像104内のピクセル106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、画像104内のピクセル106を形成するために、複数の光変調器を利用し得る。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含み得る。特定のピクセル106に対応する色固有光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104の中のカラーピクセル106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104における輝度レベルを提供するために、ピクセル106当たり2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、ピクセルは、画像の解像度によって定義された最も小さい画素に対応する。ディスプレイ装置100の構造的な構成要素に関して、ピクセルという用語は、画像の単一ピクセルを形成する光を変調するために利用される、組み合わされた機械的および電気的な構成要素を指す。
【0031】
[0042]ディスプレイ装置100は、投影用途で通常見出される結像光学素子を含まないことがあるという点で、直視型ディスプレイである。投影型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面の上に形成された画像は、スクリーンの上にまたは壁の上に投影される。ディスプレイ装置は、投影画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、画像は、ディスプレイ装置を直接注視することによって見られ得、ディスプレイ装置は、ディスプレイ上で見られるブライトネスおよび/またはコントラストを高めるために、光変調器および随意にバックライトまたはフロントライトを含む。
【0032】
[0043]直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つまたは複数のランプから発する光をフィルタ処理するか、または選択的に遮断する。ランプからの光は、各ピクセルが一様に照明され得るように、場合によってはライトガイドまたはバックライトに注入される。透視直視型ディスプレイは、光変調器を含む1つの基板がバックライトにわたって配置されるサンドイッチ組立方式を容易にするために、しばしば、透明基板の上に作られる。いくつかの実装形態では、透明基板は、ガラス基板(時々、ガラスプレートまたはガラスパネルと呼ばれる)またはプラスチック基板であり得る。ガラス基板は、たとえば、ホウケイ酸ガラス、ワイングラス、融解石英、ソーダ石灰ガラス、水晶、人工水晶、パイレックス(登録商標)、もしくは他の好適なガラス材料であり得るか、またはそれらを含み得る。
【0033】
[0044]各光変調器102は、シャッター108と、開口109とを含むことができる。画像104におけるピクセル106を照明するために、シャッター108は、光が開口109を通過できるように配置される。ピクセル106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、開口109を通る光の通路を妨げるように配置される。開口109は、各光変調器102中の反射材料または光吸収材料を貫通してパターニングされた開口によって画定される。
【0034】
[0045]ディスプレイ装置はまた、シャッターの移動を制御するために、基板および光変調器に結合された制御行列を含む。制御行列は、ピクセルの行当たり少なくとも1つの書込み許可相互接続部110(スキャン線相互接続部とも呼ばれる)と、ピクセルの列に対して1つのデータ相互接続部112と、すべてのピクセルに、または少なくともディスプレイ装置100の中の複数の列と複数の行の両方からのピクセルに共通電圧を供給する1つの共通相互接続部114とを含む、(相互接続部110、112、および114などの)一連の電気相互接続部を含む。適切な電圧(書込み許可電圧、V
WE)の印加に応答して、ピクセルの所与の行に対する書込み許可相互接続部110は、行の中のピクセルを、新しいシャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続部112は、新しい移動命令をデータ電圧パルスの形態で通信する。データ相互接続部112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態では、シャッターの静電動作に直接寄与する。いくつかの他の実装形態では、データ電圧パルスは、通常はデータ電圧よりも値が大きい別個の駆動電圧の、光変調器102への印加を制御する、トランジスタまたは他の非線形回路要素などのスイッチを制御する。これらの駆動電圧の印加は、シャッター108の静電駆動移動をもたらす。
【0035】
[0046]制御行列はまた、限定はしないが、各シャッターアセンブリに関連付けられたトランジスタおよびキャパシタなどの回路を含み得る。いくつかの実装形態では、各トランジスタのゲートは、スキャン線相互接続部に電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、各トランジスタのソースは、対応するデータ相互接続部に電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、各トランジスタのドレインは、対応するキャパシタの電極および対応するアクチュエータの電極と並列に、電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、各シャッターアセンブリに関連付けられたキャパシタおよびアクチュエータの他方の電極は、共通電位または接地電位に接続され得る。いくつかの他の実装形態では、トランジスタは、半導体ダイオード、または金属絶縁体金属スイッチング要素と置き換えられてよい。
【0036】
[0047]
図1Bは、例示的なホストデバイス120(すなわち、セルフォン、スマートフォン、PDA、MP3プレーヤ、タブレット、電子リーダー、ネットブック、ノートブック、腕時計、ウェアラブルデバイス、ラップトップ、テレビジョン、または他の電子デバイス)のブロック図を示す。ホストデバイス120は、ディスプレイ装置128(
図1Aに示されるディスプレイ装置100など)と、ホストプロセッサ122と、環境センサー124と、ユーザ入力モジュール126と、電源とを含む。
【0037】
[0048]ディスプレイ装置128は、複数のスキャンドライバ130(書込み許可電圧源とも呼ばれる)と、複数のデータドライバ132(データ電圧源とも呼ばれる)と、コントローラ134と、共通ドライバ138と、ランプ140〜146と、ランプドライバ148と、
図1Aに示される光変調器102などのディスプレイ要素のアレイ150とを含む。スキャンドライバ130は、書込み許可電圧をスキャン線相互接続部131に印加する。データドライバ132は、データ電圧をデータ相互接続部133に印加する。
【0038】
[0049]ディスプレイ装置のいくつかの実装形態では、データドライバ132は、特に画像の輝度レベルがアナログ方式で導出される場合、アナログデータ電圧をディスプレイ要素のアレイ150に提供することが可能である。アナログ動作では、ディスプレイ要素は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続部133を介して印加されるとき、得られる画像におけるある範囲の中間の照明状態または輝度レベルが得られるように設計される。いくつかの他の実装形態では、データドライバ132は、デジタル電圧レベルの2、3または4などの低減されたセットをデータ相互接続部133に印加することが可能である。ディスプレイ要素が
図1Aに示される光変調器102などのシャッターベースの光変調器である実装形態では、これらの電圧レベルは、デジタル方式で、開状態、閉状態、または他の個別状態をシャッター108の各々に設定するように設計される。いくつかの実装形態では、ドライバは、アナログモードとデジタルモードとの間で切り替わることができる。
【0039】
[0050]スキャンドライバ130およびデータドライバ132は、デジタルコントローラ回路134(コントローラ134とも呼ばれる)に接続される。コントローラ134はデータを、いくつかの実装形態では行および画像フレームでグルーピングされてあらかじめ決定され得るシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ132に送る。データドライバ132は、直列/並列データコンバータ、レベルシフティング、および適用例によっては、デジタル/アナログ電圧コンバータを含み得る。
【0040】
[0051]ディスプレイ装置は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を含む。いくつかの実装形態では、共通ドライバ138は、たとえば、一連の共通相互接続部139に電圧を供給することによって、ディスプレイ要素のアレイ150内のすべてのディスプレイ要素にDC共通電位を与える。いくつかの他の実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに従って、電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイの複数の行および列の中のすべてのディスプレイ要素の同時作動を駆動および/または起動することができるグローバルな作動パルスを、ディスプレイ要素のアレイ150に発行する。
【0041】
[0052]異なるディスプレイ機能のためのドライバの各々(スキャンドライバ130、データドライバ132および共通ドライバ138など)は、コントローラ134によって時間同期され得る。コントローラ134からのタイミングコマンドは、ランプドライバ148を介した赤色、緑色、青色および白色のランプ(それぞれ、140、142、144および146)の照明と、ディスプレイ要素のアレイ150内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ132からの電圧の出力と、ディスプレイ要素の作動をもたらす電圧の出力とを調整する。いくつかの実装形態では、ランプは発光ダイオード(LED)である。
【0042】
[0053]コントローラ134は、それによってディスプレイ要素の各々が新しい画像104に対して適切な照明レベルにリセットされ得るシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新しい画像104は、周期的な間隔において設定され得る。たとえば、ビデオディスプレイ用に、ビデオのカラー画像またはフレームは、10〜300ヘルツ(Hz)にわたる周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150に対する画像フレームの設定は、交互の画像フレームが、赤色、緑色、青色、および白色など、交互の一連の色で照明されるように、ランプ140、142、144および146の照明と同期される。それぞれの色ごとの画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールドシーケンシャルカラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが20Hzを上回る周波数で交替される場合、人間の視覚系(HVS)は、交互のフレーム画像を平均して、広くて連続した範囲の色を有する画像を知覚する。いくつかの他の実装形態では、ランプは、赤色、緑色、青色および白色以外の原色を採用することができる。いくつかの実装形態では、原色を用いる4つよりも少ない、または4つよりも多いランプが、ディスプレイ装置128において採用されてよい。
【0043】
[0054]ディスプレイ装置128が、開状態と閉状態との間の、
図1Aに示されるシャッター108などのシャッターのデジタルスイッチング向けに設計される、いくつかの実装形態では、コントローラ134は、時分割グレースケールの方法によって画像を形成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置128は、ピクセル当たり複数のディスプレイ要素を使用することを通して、グレースケールを提供することができる。
【0044】
[0055]いくつかの実装形態では、画像状態のデータは、スキャン線とも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によって、コントローラ134によってディスプレイ要素のアレイ150にロードされる。シーケンスの中の各行すなわちスキャン線に対して、スキャンドライバ130は、ディスプレイ要素のアレイ150のその行に対する書込み許可相互接続部131に書込み許可電圧を印加し、その後、データドライバ132は、アレイの選択された行の中の各列に対して、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このアドレス指定プロセスは、データがディスプレイ要素のアレイ150におけるすべての行のためにロードされるまで、繰り返すことができる。いくつかの実装形態では、データのロードのための選択された行のシーケンスは線形であり、ディスプレイ要素のアレイ150において上から下に進む。いくつかの他の実装形態では、潜在的な視覚的アーティファクトを低減するために、選択された行のシーケンスは、擬似ランダム化される。また、いくつかの他の実装形態では、シーケンシングは、ブロックによって編成され、この場合、あるブロックでは、画像のある一部分のデータがディスプレイ要素のアレイ150にロードされる。たとえば、シーケンスは、シーケンスにおいてディスプレイ要素のアレイ150の5行目ごとをアドレス指定するように実装され得る。
【0045】
[0056]いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150に画像データをロードするためのアドレス指定プロセスは、ディスプレイ要素を作動させるプロセスから、時間的に分離される。そのような実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150は、各ディスプレイ要素のデータメモリ要素を含み得、制御行列は、メモリ要素内に記憶されたデータに従ってディスプレイ要素の同時作動を開始するために、共通ドライバ138からトリガ信号を運ぶためのグローバル作動相互接続部を含み得る。
【0046】
[0057]いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150、およびディスプレイ要素を制御する制御行列は、方形の行および列以外の構成で配列されてよい。たとえば、ディスプレイ要素は、六角形アレイまたは曲線的な行および列で配列されてよい。
【0047】
[0058]ホストプロセッサ122は、概して、ホストデバイス120の動作を制御する。たとえば、ホストプロセッサ122は、ポータブル電子デバイスを制御するための汎用または専用のプロセッサであり得る。ホストデバイス120内に含まれるディスプレイ装置128に対して、ホストプロセッサ122は、画像データ、ならびにホストデバイス120についての追加のデータを出力する。そのような情報は、周辺光もしくは温度などの環境センサー124からのデータ、たとえば、ホストの動作モードもしくはホストデバイスの電源の中に残っている電力の量を含むホストデバイス120に関する情報、画像データのコンテンツに関する情報、画像データのタイプに関する情報、および/またはイメージングモードを選択する際に使用するためのディスプレイ装置128のための命令を含んでよい。
【0048】
[0059]いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、直接、またはホストプロセッサ122を介して、コントローラ134にユーザの個人的な選好を伝達することを可能にする。いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが個人的な選好、たとえば、カラー、コントラスト、電力、ブライトネス、コンテンツ、ならびに他のディスプレイ設定およびパラメータ選好を入力するソフトウェアによって制御される。いくつかの他の実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが個人的な選好を入力するハードウェアによって制御される。いくつかの実装形態では、ユーザは、音声コマンド、1つもしくは複数のボタン、スイッチもしくはダイヤルを介して、またはタッチ機能を用いて、これらの選好を入力することができる。コントローラ134への複数のデータ入力は、最適なイメージング特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するように、コントローラに指示する。
【0049】
[0060]環境センサーモジュール124も、ホストデバイス120の一部として含まれ得る。環境センサーモジュール124は、温度およびまたは周囲の照明状態などの周囲環境に関するデータを受信することが可能であり得る。センサーモジュール124は、たとえば、デバイスが、屋内またはオフィス環境で動作しているのか、明るい日光の中での屋外環境で動作しているのか、それとも夜間の屋外環境で動作しているのかを識別するようにプログラムされ得る。コントローラ134が周囲環境に応じて視聴状態を最適にすることができるように、センサーモジュール124は、この情報をディスプレイコントローラ134へ通信する。
【0050】
[0061]
図2Aおよび
図2Bは、例示的な二重アクチュエータシャッターアセンブリ200の図を示す。二重アクチュエータシャッターアセンブリ200は、
図2Aに示されるように開状態にある。
図2Bは、閉状態にある二重アクチュエータシャッターアセンブリ200を示す。シャッターアセンブリ200は、シャッター206の両側にアクチュエータ202および204を含む。各アクチュエータ202および204は、独立して制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ202は、シャッター206を開く働きをする。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ204は、シャッター206を閉じる働きをする。アクチュエータ202および204の各々は、柔軟ビーム電極アクチュエータとして実装され得る。アクチュエータ202および204は、シャッターがその上方で取り付けられている開口層207に対して平行な平面において、シャッター206を実質的に駆動することによって、シャッター206を開閉する。シャッター206は、アクチュエータ202および204に取り付けられたアンカー208によって、開口層207の少し上方に取り付けられる。アクチュエータ202および204をシャッター206の移動の軸に沿ってシャッター206の対向する端部に接続することは、シャッター206の面外の動きを減らし、動きを実質的に基板(図示されず)に平行な平面に制限する。
【0051】
[0062]示される実装形態では、シャッター206は、光がそこを通って通過することができる2つのシャッター開口212を含む。開口層207は、3つの開口209のセットを含む。
図2Aでは、シャッターアセンブリ200は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ202は作動されており、シャッター閉アクチュエータ204はその緩和位置にあり、シャッター開口212の中心線が開口層の開口209のうちの2つの中心線と一致する。
図2Bでは、シャッターアセンブリ200は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ202はその緩和位置にあり、シャッター閉アクチュエータ204は作動されており、シャッター206の遮光部分は今では、(点線として図示された)開口209を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
【0052】
[0063]各開口は、その周辺部を囲むように少なくとも1つの縁部を有する。たとえば、矩形の開口209は4つの縁部を有する。いくつかの実装形態では、円形、楕円形、卵形または他の曲線形の開口が開口層207に形成されており、各開口は単一の縁部を有し得る。いくつかの他の実装形態では、開口は数学的な意味で分離または区分される必要はなく、代わりに接続され得る。すなわち、開口の部分または整形されたセクションは、各シャッターへの対応を維持し得るが、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続的な外辺部が複数のシャッターによって共有されるように接続され得る。
【0053】
[0064]様々な出口角(exit angles)を有する光が開状態において開口212および209を通過することを可能にするために、シャッター開口212の幅またはサイズは、開口層207の中の開口209の、対応する幅またはサイズよりも大きくなるように設計され得る。閉状態で光が洩れることを効果的に遮断するために、シャッター206の遮光部分は、開口209の縁部にオーバーラップするように設計され得る。
図2Bは、シャッター206の中の遮光部分の縁部と、開口層207の中に形成される開口209の1つの縁部との間の、いくつかの実装形態では前もって定義され得るオーバーラップ216を示す。
【0054】
[0065]静電アクチュエータ202および204は、それらの電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ200に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、そのアクチュエータが閉状態にある(シャッターは開いているか、または閉じている)間に印加された場合に、対向するアクチュエータに駆動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉じたままに保ち、シャッターを所定位置に保つ、作動電圧を下回る電圧の範囲が存在する。そのような対向する力に対してシャッターの位置を維持するために必要な最小電圧は、維持電圧V
mと呼ばれる。
【0055】
[0066]
図3は、例示的なディスプレイ装置300のブロック図を示す。ディスプレイ装置300は、ホストデバイス302とディスプレイモジュール304とを含む。ホストデバイス302は、ホストデバイス120の一例であり得、ディスプレイモジュール304は、ディスプレイ装置128の一例であり得、両方とも
図1Bに示されたものである。ホストデバイス302は、携帯電話、スマートフォン、腕時計、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、テレビジョン、セットトップボックス、DVDもしくは他のメディアプレーヤ、または、以下の
図11Aおよび
図11Bに示されるディスプレイデバイス40と同様のディスプレイにグラフィカル出力を提供する任意の他のデバイスなど、いくつかの電子デバイスのいずれかであり得る。一般に、ホストデバイス302は、ディスプレイモジュール304上で表示されるべき画像データのためのソースとして働く。
【0056】
[0067]ディスプレイモジュール304は、制御論理306と、フレームバッファ308と、ディスプレイ要素のアレイ310と、ディスプレイドライバ312と、バックライト314とをさらに含む。一般に、制御論理306は、ホストデバイス302から受信された画像データを処理するように働き、画像データ中で符号化される画像を一緒に生じるように、ディスプレイドライバ312と、ディスプレイ要素のアレイ310と、バックライト314とを制御する。
図3に示される制御論理306、フレームバッファ308、ディスプレイ要素のアレイ310、およびディスプレイドライバ312は、いくつかの実装形態では、以下の
図11Aおよび
図11Bに示されるドライバコントローラ29、フレームバッファ28、ディスプレイアレイ30、およびアレイドライバ22と同様であり得る。制御論理306の機能について、
図5〜
図10に関して以下でさらに説明される。
【0057】
[0068]いくつかの実装形態では、
図3に示されるように、制御論理306の機能は、マイクロプロセッサ316とインターフェース(I/F)チップ318との間で分割される。いくつかの実装形態では、インターフェースチップ318は、特定用途向け集積回路(ASIC)など、集積回路論理デバイスにおいて実装される。いくつかの実装形態では、マイクロプロセッサ316は、制御論理306の画像処理機能のすべてまたは実質的にすべてを実行するように構成される。加えて、マイクロプロセッサ316は、ディスプレイモジュール304が受信された画像を生成するために使用するための、適切な出力シーケンスを決定するように構成され得る。たとえば、マイクロプロセッサ316は、受信された画像データ中に含まれる画像フレームを画像サブフレームのセットに変換するように構成され得る。各画像サブフレームは、色および重みに関連付けられ得、ディスプレイ要素のアレイ310中のディスプレイ要素の各々の所望の状態を含む。マイクロプロセッサ316はまた、所与の画像フレームを生成するために表示するべき画像サブフレームの数と、画像サブフレームが表示されるべき順序と、各サブフレーム中のディスプレイ要素をアドレス指定することに関連付けられたタイミングパラメータと、画像サブフレームの各々のための適切な重みを実装することに関連付けられたパラメータとを決定するように構成され得る。これらのパラメータは、様々な実装形態では、それぞれの画像サブフレームの各々が照明されるべきである継続時間と、そのような照明の強度とを含み得る。これらのパラメータ(すなわち、サブフレームの数、それらの出力の順序およびタイミング、ならびに、各サブフレームのためのそれらの重み実装パラメータ)の集まりは、「出力シーケンス」と呼ばれ得る。
【0058】
[0069]インターフェースチップ318は、ディスプレイモジュール304のよりルーチン的な動作を実行することが可能であり得る。それらの動作は、フレームバッファ308から画像サブフレームを取り出すことと、取り出された画像サブフレームとマイクロプロセッサ316によって決定された出力シーケンスとに応答して、制御信号をディスプレイドライバ312およびバックライト314に出力することとを含み得る。いくつかの他の実装形態では、マイクロプロセッサ316およびインターフェースチップ318の機能は、マイクロプロセッサ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイスの形態をとり得る単一の論理デバイスに結合される。たとえば、マイクロプロセッサ316およびインターフェースチップ318の機能は、
図11Bに示されるプロセッサ21によって実装され得る。いくつかの他の実装形態では、マイクロプロセッサ316およびインターフェースチップ318の機能は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または他の論理デバイスを含む複数の論理デバイス間で、他の方法で分割され得る。
【0059】
[0070]フレームバッファ308は、DRAM、高速キャッシュメモリ、またはフラッシュメモリなどの任意の揮発性または不揮発性集積回路メモリであり得る(たとえば、フレームバッファ308は、
図11Bに示されるフレームバッファ28と同様であり得る)。いくつかの他の実装形態では、インターフェースチップ318は、データ信号をディスプレイドライバ312に直接出力することを、フレームバッファ308に行わせる。フレームバッファ308は、少なくとも1つの画像フレームに関連付けられた色サブフィールドデータとサブフレームデータとを記憶するのに十分な容量を有する。いくつかの実装形態では、フレームバッファ308は、単一の画像フレームに関連付けられた色サブフィールドデータとサブフレームデータとを記憶するのに十分な容量を有する。いくつかの他の実装形態では、フレームバッファ308は、少なくとも2つの画像フレームに関連付けられた色サブフィールドデータとサブフレームデータとを記憶するのに十分な容量を有する。そのような余分のメモリ容量は、以前に受信された画像フレームがディスプレイ要素のアレイ310を介して表示されている間に、より最近受信された画像フレームに関連付けられた画像データのマイクロプロセッサ316による追加の処理を可能にする。
【0060】
[0071]いくつかの実装形態では、ディスプレイモジュール304は複数のメモリデバイスを含む。たとえば、ディスプレイモジュール304は、マイクロプロセッサ316に直接関連付けられたメモリなどの、サブフィールドデータを記憶するための1つのメモリデバイスを含み得、フレームバッファ308は、サブフレームデータの記憶用に確保される。
【0061】
[0072]ディスプレイ要素のアレイ310は、画像形成に使用され得る任意のタイプのディスプレイ要素のアレイを含むことができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素はEMS光変調器であり得る。いくつかのそのような実装形態では、ディスプレイ要素は、
図2Aまたは
図2Bに示されたものと同様のMEMSシャッターベースの光変調器であり得る。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ要素は、時分割グレースケール画像形成プロセスとともに使用するために構成された、液晶光変調器、他のタイプのEMSもしくはMEMSベースの光変調器、または、OLEDエミッタなどの発光体を含む、他の形態の光変調器であり得る。
【0062】
[0073]ディスプレイドライバ312は、ディスプレイ要素のアレイ310中のディスプレイ要素を制御するために使用される特定の制御行列に応じて、様々なドライバを含み得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイドライバ312は、
図1Bに示されるような、スキャンドライバ130と同様の複数のスキャンドライバと、データドライバ132と同様の複数のデータドライバと、共通ドライバ138と同様の共通ドライバのセットとを含む。上記で説明されたように、スキャンドライバは、書込み許可電圧をディスプレイ要素の行に出力するが、データドライバは、データ信号をディスプレイ要素の列に沿って出力する。共通ドライバは、ディスプレイ要素の複数の行および複数の列中のディスプレイ要素に、信号を出力する。
【0063】
[0074]いくつかの実装形態では、特に、より大きいディスプレイモジュール304では、ディスプレイ要素のアレイ310中のディスプレイ要素を制御するために使用される制御行列は、複数の領域にセグメント化される。たとえば、
図3に示されるディスプレイ要素のアレイ310は、4象限にセグメント化される。ディスプレイドライバ312の別個のセットが、各象限に結合される。ディスプレイをこのようにしてセグメントに分割することで、ディスプレイドライバによって出力された信号が、所与のドライバに結合された最も遠いディスプレイ要素に到達するために必要とされる伝搬時間を低減し、それによって、ディスプレイをアドレス指定するために必要とされる時間を減らすことができる。そのようなセグメント化はまた、採用されるドライバの電力要件を低減することもできる。
【0064】
[0075]いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ中のディスプレイ要素は、直視透過型ディスプレイにおいて利用され得る。直視透過型ディスプレイでは、EMS光変調器などのディスプレイ要素は、1つまたは複数のランプによって照明される、バックライト314などのバックライトから発する光を選択的に遮断する。そのようなディスプレイ要素は、たとえば、ガラスから作られた、透明基板上に作製され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイドライバ312は、ディスプレイ要素がその上に形成されるガラス基板に直接結合される。そのような実装形態では、ドライバは、チップオングラス構成を使用して構築される。いくつかの他の実装形態では、ドライバは、別個の回路板上に構築され、ドライバの出力は、たとえば、フレックスケーブルまたは他の配線を使用して基板に結合される。
【0065】
[0076]バックライト314は、光ガイドと、1つまたは複数の光源(LEDなど)と、光源ドライバとを含むことができる。光源は、赤色、緑色、青色、および、いくつかの実装形態では白色など、複数の色の光源を含み得る。光源ドライバは、バックライトにおける照明グレースケールおよび/またはコンテンツ適応型バックライト制御(CABC:content adaptive backlight control)を可能にするために、光源を複数の個別の光源レベルに個々に駆動することが可能である。加えて、複数の色の光は、ディスプレイによって使用される成分色の色度を調整して、たとえば、所望の色域と整合させるために、様々な強度レベルで同時に照明され得る。複数の色の光はまた、合成色を形成するためにも照明され得る。赤色、緑色、および青色の成分色を採用するディスプレイでは、ディスプレイは、合成色の白色、黄色、シアン色、マゼンタ色、または、成分色のうちの2つ以上の組合せから形成された任意の他の色を利用することができる。
【0066】
[0077]光ガイドは、光源によって出力された光を、ディスプレイ要素のアレイ310の下で実質的に均等に分配する。いくつかの他の実装形態では、たとえば、反射性ディスプレイ要素を含むディスプレイの場合、ディスプレイ装置300は、バックライトの代わりに、フロントライトまたは他の形態の照明を含むことができる。そのような代替光源の照明は、コンテンツ適応型制御機能を組み込む照明グレースケールプロセスに従って、同様に制御され得る。説明を容易にするために、本明細書で説明されるディスプレイプロセスについては、バックライトの使用に関して説明される。ただし、そのようなプロセスがまた、フロントライトまたは他の同様の形態のディスプレイ照明とともに使用するためにも適応され得ることは、当業者には理解されよう。
【0067】
[0078]
図4は、たとえば、
図3に示されるディスプレイ装置300における制御論理306としての使用に好適な、例示的な制御論理400のブロック図を示す。より詳細には、
図4は、マイクロプロセッサ316およびI/Fチップ318によって、または、制御論理400を形成するか、もしくは制御論理400内に含まれる他の集積回路論理によって実行される、機能モジュールのブロック図を示す。各機能モジュールは、マイクロプロセッサ316によっておよび/またはI/Fチップ318に組み込まれた論理回路として実行され得る、有形のコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令の形態において、ソフトウェアとして実装され得る。いくつかの実装形態では、以下で説明される各モジュールの機能は、ASICなどの集積回路論理内で実装され得る機能の量を増し、場合によっては、マイクロプロセッサ316の必要性を実質的になくす、または完全になくすように設計される。
【0068】
[0079]制御論理400は、入力論理402と、サブフィールド導出論理404と、サブフレーム生成論理406と、飽和補償論理408と、出力論理410とを含む。一般に、入力論理402は、表示するための入力画像を受信する。サブフィールド導出論理404は、受信された画像フレームを色サブフィールドに変換する。サブフレーム生成論理406は、色サブフィールドを、
図3に示されるディスプレイ要素310などのディスプレイ要素のアレイに直接ロードされ得る一連のサブフレームに変換する。飽和補償論理408は、(
図6に関してさらに説明されるように)受信された画像フレームのコンテンツを評価し、画像飽和ベース変換パラメータをサブフィールド導出論理404およびサブフレーム生成論理406に提供する。出力論理410は、
図3に示されるディスプレイ要素310などのディスプレイ要素のアレイへの、生成されたサブフレームのロードを制御し、サブフレームを照明および表示するために、同じく
図3に示されるバックライト314などのバックライトの照明を制御する。
図4では別個の機能モジュールとして示されるが、いくつかの実装形態では、モジュールのうちの2つ以上の機能が、1つまたは複数のより大きい、より包括的なモジュールに結合され、またはより小型のより個別のモジュールに分割され得る。制御論理400の構成要素は、ディスプレイ上で画像を生成するための方法を実行するように一緒に機能する。
【0069】
[0080]
図5は、
図4に示される制御論理400を使用して、ディスプレイ上に画像を生成するための例示的なプロセス500のフロー図を示す。プロセス500は、画像フレームを受信すること(ステージ502)と、受信された画像フレームをXYZ色空間にマッピングすること(ステージ504)と、画像フレームをXYZ色空間から赤色(R)サブフィールド、緑色(G)サブフィールド、青色(B)サブフィールド、および白色(W)サブフィールドに分解すること(ステージ506)と、画像フレームをディザリングすること(ステージ508)と、色サブフィールドの各々のためのサブフレームを生成すること(ステージ510)と、画像を出力するためにサブフレームを表示すること(ステージ512)とを含む。いくつかの実装形態では、プロセス500は、飽和補償論理408を使用せずに、画像を表示する。飽和補償論理408を使用するプロセスが、
図6に示される。
【0070】
[0081]
図4および
図5を参照すると、プロセス500は、入力論理402が画像フレームに関連付けられたデータを受信すること(ステージ502)を含む。典型的には、そのような画像データは、画像フレーム中の各ピクセルの赤色成分、緑色成分、および青色成分のための強度値のストリームとして取得される。強度値は、典型的には、2進数として受信される。受信されたデータは、RGB色サブフィールドの入力セットとして記憶される。各色サブフィールドは、ディスプレイ中のピクセルごとに、画像フレームを形成するために、そのピクセルによってその色のために送信されるべき光の量を示す、強度値を含む。いくつかの実装形態では、入力論理402および/またはサブフィールド導出論理404は、受信された画像データ中で表された各原色(典型的には、赤色、緑色、および青色)のためのピクセル強度値をそれぞれのサブフィールドに分離することによって、成分色サブフィールドの入力セットを導出する。いくつかの実装形態では、ガンマ補正およびディザリングなど、1つまたは複数の画像前処理演算もまた、色サブフィールドの入力セットを導出するより前に、またはそのプロセスにおいて、入力論理402および/またはサブフィールド導出論理404によって実行され得る。
【0071】
[0082]サブフィールド導出論理404は、色サブフィールドの入力セットをXYZ色空間に変換する(ステージ504)。変換プロセスを促進するために、サブフィールド導出論理は、3次元LUTを採用することができ、3次元LUTでは、それぞれの入力色サブフィールドの強度値が、LUTへのインデックスとして働く。{R,G,B}強度値の各トリプレットは、XYZ色空間内の対応するベクトルにマッピングされる。LUTは、RGB→XYZ LUT514と呼ばれる。RGB→XYZ LUT514は、制御論理400内に組み込まれたメモリ内に記憶され得るか、または、制御論理400の外部であるが、制御論理400によってアクセス可能なメモリ内に記憶され得る。いくつかの実装形態では、サブフィールド導出論理404は、画像フレームを符号化するために使用された色域に適合された変換行列を使用して、各ピクセルのためのXYZ三刺激値を別個に計算することができる。
【0072】
[0083]サブフィールド導出論理404は、XYZ三刺激色空内のピクセル値を、赤色(R)サブフィールド、緑色(G)サブフィールド、青色(B)サブフィールド、および白色(W)サブフィールド(または、RGBWサブフィールド)に変換する(ステージ506)。サブフィールド導出論理は、次のように定義される、分解行列Mを適用する。
【0076】
は、赤色サブフィールドに関連付けられた照明されたサブフレームに使用される光の色のXYZ三刺激値に対応し、
【0078】
は、緑色サブフィールドに関連付けられた照明されたサブフレームに使用される光の色のXYZ三刺激値に対応し、
【0080】
は、青色サブフィールドに関連付けられた照明されたサブフレームに使用される光の色のXYZ三刺激値に対応し、
【0082】
は、白色サブフィールドに関連付けられた照明されたサブフレームに使用される光の色のXYZ三刺激値に対応する。RGBW空間内の各ピクセル値は、
【0084】
に等しく、ただし、fは、分解行列Mと所望の三刺激値XYZとを伴う、ある分解プロシージャである。
【0085】
[0084]いくつかの実装形態では、分解行列を適用する代わりに、サブフィールド導出論理404は、サブフィールド導出論理404によって記憶されているか、またはアクセス可能である、XYZ→RGBW LUT516を利用する。XYZ→RGBW LUT516は、各XYZ三刺激値トリプレットをRGBWピクセル強度値のセットにマッピングする。
【0086】
[0085]いくつかの実装形態では、制御論理400は、多原色ディスプレイプロセスと呼ばれるものを使用して、画像を表示する。多原色ディスプレイプロセスは、画像を形成するために、4色以上の原色を利用し、原色のXYZ三刺激値の和は、ガマット白色点のディスプレイXYZ三刺激値に等しい。これは、原色の和が白色点に等しくない、4色以上の原色を利用するいくつかの他のディスプレイプロセスとは、対照的である。たとえば、赤色サブフィールド、緑色サブフィールド、青色サブフィールド、および白色サブフィールドを使用する、いくつかのディスプレイプロセスでは、赤色、緑色、および青色の原色は、合計するとガマットのディスプレイ白色点になり、白色サブフィールドを通して提供される輝度は、その結合された輝度に加えたものになる。すなわち、すべてのRGBW原色が全強度で照明された場合、合計の照明は、ガマット白色点の輝度の2倍を有することになる。したがって、いくつかの実装形態では、ディスプレイ原色の赤色、緑色、青色、および白色の各々について上記で言及されたXYZ値は、合計すると、表示されているガマットの白色点のXYZ三刺激値になる。
【0087】
[0086]いくつかの実装形態では、ディスプレイは、各サブフィールドのための異なる数のサブフレームを使用して、画像を出力する(ステージ512)。したがって、RGBWサブフィールド内のピクセル強度値は、それらの値が各サブフィールドのためのそれぞれの割り振られた数のサブフレームとともに表示され得るように、調整される。そのような調整は、画像品質を低減し得る量子化誤差を導入し得る。サブフィールド導出論理404は、そのような量子化誤差を軽減するために、ディザリングプロセスを実行する(ステージ508)。
【0088】
[0087]いくつかの実装形態では、各RGBWサブフィールドが、RGBW色空間内で別個にディザリングされる。いくつかの他の実装形態では、RGBWサブフィールドは、ベクトル誤差拡散ベースのディザリングアルゴリズムによってまとめて処理される。いくつかの実装形態では、そのようなベクトル誤差拡散ベースのディザリングは、XYZ色空間内で実行される。いくつかの実装形態では、したがって、ディザリングは、RGBWサブフィールドへのXYZピクセル値の変換より前に実行される。ベクトル誤差拡散では、誤差がXYZ空間内で拡散されるので、任意の1つの色に関する誤差は、ピクセルの色度または輝度値に対する直接的な調整を通して、すべての色にわたって拡散され得る。対照的に、RGBまたはRGBW色空間内のディザリングは、同じ色サブフィールド内の他のピクセルにわたって色における誤差を拡散する。いくつかの実装形態では、ディザリング(ステージ508)およびRGBWサブフィールドへの画像フレームの変換(ステージ506)は、統合されたプロセスに組み合わされ得る。
【0089】
[0088]再び
図4および
図5を参照すると、サブフレーム生成論理406は、サブフレームのセットを生成するために、RGBWサブフィールドを処理する(ステージ510)。各サブフレームは、時分割グレースケール画像出力シーケンス中の特定のタイムスロットに対応する。各サブフレームは、そのタイムスロットのためのディスプレイ中の各ディスプレイ要素の所望の状態を含む。各タイムスロットにおいて、ディスプレイ要素は、非透過状態、または、異なる度合いの光透過を可能にする1つもしくは複数の状態のいずれかを取ることができる。いくつかの実装形態では、生成されたサブフレームは、
図3に示されるディスプレイ要素のアレイ310中の各ディスプレイ要素のための別個の状態値を含む。
【0090】
[0089]いくつかの実装形態では、サブフレーム生成論理406は、サブフレームを生成するために、コードワードLUTを使用する(ステージ510)。いくつかの実装形態では、コードワードLUTは、所与のピクセル強度値を生じる対応する一連のディスプレイ要素状態を示すコードワードと呼ばれる一連の2進値を記憶する。コードワード中の各数字の値は、ディスプレイ要素状態(たとえば、明もしくは暗、または開もしくは閉)を示し、コードワード中の数字の位置は、その状態に起因するべきである重みを表す。いくつかの実装形態では、重みは、各数字に前の数字の重みの2倍である重みが割り当てられるように、コードワード中の各数字に割り当てられる。いくつかの他の実装形態では、コードワードの複数の数字には同じ重みが割り当てられ得る。いくつかの他の実装形態では、各数字には異なる重みが割り当てられるが、重みはすべて固定パターンに従って数字ごとに増加するとは限らないことがある。
【0091】
[0090]サブフレームのセットを生成する(ステージ510)ために、サブフレーム生成論理406は、色サブフィールド中のすべてのピクセルのためのコードワードを取得する。サブフレーム生成論理406は、サブフィールド中のピクセルのセットのためのコードワード中のそれぞれの位置の各々における数字を一緒にサブフレームに統合することができる。たとえば、各ピクセルのための各コードワードの第1の位置における数字が、第1のサブフレームに統合される。各ピクセルのための各コードワードの第2の位置における数字が、第2のサブフレームに統合される、などとなる。サブフレームは、生成されると、
図3に示されるフレームバッファ308内に記憶される。
【0092】
[0091]いくつかの他の実装形態では、たとえば、1つまたは複数の部分透過状態を達成することが可能な光変調器を使用する実装形態では、コードワードLUTは、3進法、4進法、10進法、または何らかの他の基数方式を使用するコードワードを記憶し得る。
【0093】
[0092]制御論理400の出力論理410(
図4に示される)は、受信された画像フレームを表示するために、生成されたサブフレームを出力することができる(ステージ512)。I/Fチップ318について、
図3に関して上記で説明されたものと同様に、出力論理410は、各サブフレームがディスプレイ要素のアレイ310(
図3に示される)にロードされることと、出力シーケンスに従って照明されることとを引き起こす。いくつかの実装形態では、出力シーケンスは、構成されることが可能であり、ユーザ選好、表示されている画像データのコンテンツ、外部環境要因などに基づいて修正され得る。
【0094】
[0093]白色LED(赤色LED、緑色LED、または青色LEDよりも電力効率が良い傾向がある)など、より高効率な白色光源によって照明され得る白色サブフィールドを通して、ある量の画像輝度を表示することによって、プロセス500は、ディスプレイのエネルギー効率を改善することができる。プロセス500が、ディスプレイであるサブフィールドの各々のための三刺激値の単一のセットを使用するとすれば、プロセスは計算効率が良いが、いくつかの画像を再生するとき、画像品質が低減され得る。いくつかの実装形態では、エネルギー効率もまた悪化することがある。たとえば、画像輝度の無視できない部分が白色サブフィールドにプッシュされると仮定すると、高度に飽和した色をもつ画像は、色あせて見えることがある。
【0095】
[0094]
図6は、
図4に示される制御論理400を使用して、ディスプレイ上に画像を生成するための別の例示的なプロセス600のフロー図を示す。プロセス600は、
図5に示されるディスプレイプロセス500とともに生じ得る画像品質問題を軽減するために、飽和補償論理408を利用する。より詳細には、プロセス600は、入力ピクセル値がXYZ色空間に変換される方法と、XYZ色空間内のピクセル値が、いくつかの実装形態では、各画像フレームについて決定され得る飽和メトリックQに基づいて、RGBWサブフィールド中のピクセル値に変換される方法とを調整する。ビデオ画像のためのものなど、いくつかの実装形態では、単一のQ値が、シーンにおける第1の画像フレームに基づいて決定され得、シーン変化が検出されるまで、後続の画像フレームのために使用され得る。プロセス600は、RGB色空間内の画像フレームを受信すること(ステージ602)と、画像フレームのための飽和率Qを決定すること(ステージ604)と、画像フレーム中のピクセル値を、Qに基づいてXYZ色空間にマッピングすること(ステージ606)と、XYZ色空間内の画像フレームをRGBWサブフィールドに分解すること(ステージ608)と、画像フレームをディザリングすること(ステージ610)と、RGBWサブフレームを生成すること(ステージ612)と、画像を表示するために、サブフレームを出力すること(ステージ614)とを含む。
【0096】
[0095]プロセス600は、
図5に示されたステージ502に関して上記で説明されたように、RGBピクセル値のストリームの形態において、RGB色空間内の画像フレームを受信すること(ステージ602)を含む。ステージ502に関して説明されたように、ステージ602は、ピクセル値を前処理することと、入力RGB色サブフィールドのセット内に結果を記憶することとを含み得る。
【0097】
[0096]
図4に示される飽和補償論理408は、画像フレームのための飽和率Qを決定するために、画像フレームを処理する(ステージ604)。Qパラメータは、入力色域に対する出力色域の相対サイズに対応する。別の見方をすると、Qは、赤色サブフィールド、緑色サブフィールド、および青色サブフィールドに対して、画像の輝度が白色サブフィールドを通してディスプレイによって出力されることになる度合いを表す。概して、Q値が増すにつれて、ディスプレイによって出力される色域のサイズが縮小する。この縮小は、サブフィールド色の色度が固定のままである間に、それらの強度が低減される結果であり得る。たとえば、1.0のQ値は白黒画像に対応し、その理由は、すべてのディスプレイ輝度が白色サブフィールドにおいて出力されるからである。0.0のQ値は、いかなる輝度も白色サブフィールドに転送されることなく、赤色フィールド、緑色フィールド、および青色フィールドによって純粋に形成された、完全に飽和した色域に対応する。高度に飽和した色を含む画像は、Qの低い値とともにより忠実に表され得るのに対して、大量の白色コンテンツをもつ画像(たとえば、ワードプロセシング文書および多数のウェブページ)は、Qのより高い値とともに、知覚的に著しい品質の低下なしに、著しい電力節約を得ながら表示され得る。したがって、Qは、主に不飽和な色を含む画像に対して大きくなるように選択されるのに対して、低いQ値は、高度に飽和した色を含む画像に対して選択される。いくつかの実装形態では、Q値は、入力ピクセル値に関連付けられたヒストグラムデータを取ること、およびQ値LUTへのインデックスとしてヒストグラムデータの一部または全部を使用することによって、取得され得る。いくつかの実装形態では、色誤差を導入することなく、画像フレーム中のすべてのピクセルから抽出され得る最大白色強度値を決定するために、入力RGB色サブフィールドのセットが解析される。いくつかのそのような実装形態では、Qは次のように計算され、
【0099】
ただし、MaxIntensityは、サブフィールド中で可能な最大強度値(8ビットサブフィールド中で255など)に対応する。
【0100】
[0097]いくつかの他の実装形態では、Qは、XYZ色空間内で計算され得る。そのような実装形態では、Q
sは、(原点における)黒色のXYZ値と純粋な白色(0.9502, 1.0, 1.0884のXYZ値など)とを接続するXYZ色空間中心軸に垂直な共通平面に投射された入力画像中に含まれたすべてのXYZピクセル値を囲むことができる、最小境界六角形のサイズを特定することによって決定され得る。Qは、1.0と、境界六角形と完全なディスプレイ色域をキャプチャすることから得られることになる六角形(sRGB、Adobe RGB色域、またはrec.2020色域など)のサイズの比との間の差に等しく設定される。
【0101】
[0098]決定されたQ値に基づいて、RGB色サブフィールドの入力セット中に記憶されたピクセル値が、XYZ色空間にマッピングされる(ステージ606)。上記で示されたように、Qが増すにつれて、より多くの画像輝度が、赤色サブフィールド、緑色サブフィールド、および青色サブフィールドを通してではなく、白色サブフィールドを通して出力されるので、出力画像のガマットが減少される。画像品質を維持するために、すなわち、選択された飽和レベルが与えられると、適切なカラーバランスを維持するために、低減された出力ガマットに適合されたガマットマッピングアルゴリズムを使用して、ピクセル値がXYZ色空間に変換される。
【0102】
[0099]いくつかの実装形態では、RGB値は、RGBピクセル値のセットにQ依存色変換行列を乗算することによって、XYZ色空間に変換され得る。いくつかの他の実装形態では、変換の速度を上げるために、3次元Q依存RGB→XYZ LUTが、{R,G,B}トリプレット値によってインデックス付けされ、飽和補償論理408によって記憶され得る(または、それによってアクセス可能であり得る)。多数のそのようなLUTを記憶することは、いくつかの実装形態では、メモリ容量の観点から禁止になり得る。多数のQ依存RGB→XYZ LUTを記憶することに関連するメモリ容量の懸念を改善するために、飽和補償論理408は、比較的少数のQ依存RGB→XYZ LUTを記憶し、記憶されたLUTに関連付けられたもの以外のQ値のためにLUT間の補間を使用することができる。
【0103】
[0100]
図6は、1つのそのような実装形態を示す。
図6に示されるプロセス600は、2つのQ依存RGB→XYZ LUT、すなわち、Q
min LUT616とQ
max LUT618とを利用する。Q
min LUT616は、制御論理400によって使用されるQの最低値に基づくRGB→XYZ LUTである。Q
max LUT618は、制御論理400によって使用されるQの最高値に基づくRGB→XYZ LUTである。いくつかの実装形態では、最小Q値は、約0.01から約0.2までに及び、最大Q値は、約0.4から約0.8までに及ぶ。いくつかの実装形態では、最大Q値は、1.0までに及び得る。いくつかの実装形態では、3つ以上のQ依存RGB→XYZ LUTが、より正確な補間のために採用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、プロセス600は、0.0、0.5、および1.0のQ値のためのRGB→XYZ LUTを使用することができる。
【0104】
[0101]補間を実行するために、飽和補償論理408は、次のようにスケーリング係数αを計算することができる。
【0106】
[0102]XYZ色空間は線形であるので、Q
minとQ
maxとの間の任意のQ値をもつ任意のRGB入力ピクセル値のためのXYZ三刺激値は、
【0108】
に等しくなるように計算され得、ただし、LUT(RGB)は、所与のRGB入力ピクセル値のためのLUTの出力を表す。いくつかの実装形態では、各ピクセル値について2つのルックアップ関数を実行する代わりに、飽和補償論理408は、所与のRGB入力ピクセル値のためのXYZ三刺激値を決定するための同様の式に従って、Q
min LUTとQ
max LUTとを結合して、各画像フレームについて(または、Qが画像フレーム間で変化するたびに)新しいRGB→XYZ LUTを生成する。すなわち、次の通りである。
【0110】
[0103]画像ピクセル値がXYZ三刺激空間内にあるようになると、サブフィールド導出論理404は、ピクセル値をRGBW色サブフィールドのセットに分解する(ステージ608)。
図5に示されたピクセル分解ステージ(ステージ506)と同様に、ステージ608で、サブフィールド導出論理404は、分解行列を使用して各ピクセル値を分解する。ただし、ステージ608で、サブフィールド導出論理404は、Q依存分解行列M
Qを使用する。Q依存分解行列M
Qは、各サブフィールドに関連付けられたXYZ値が選択されたQの値に基づいて変動する以外は、分解行列Mと同じ形式を有する。
【0111】
[0104]いくつかの実装形態では、飽和補償論理408は、大きい範囲のQ値のための分解行列のセットを記憶するか、またはそれへのアクセスを有する。いくつかの他の実装形態では、メモリを節約するために、RGB→XYZ LUTのように、制御論理400は、より限られたセットの分解行列M
Qを記憶するか、またはそれにアクセスすることができ、他の値のための行列は、補間を介して計算される。たとえば、制御論理は、第1の分解行列M
Q-min620と第2の分解行列M
Q-max622とを記憶するか、またはそれらにアクセスすることができる。Q
minとQ
maxとの間のQの値のための分解行列は、次のように計算され得る。
【0113】
[0105]いくつかの他の実装形態では、ステージ608でQ依存分解行列を使用するのではなく、サブフィールド導出論理404は、代わりに、Q依存XYZ→RGBW LUTを利用する。Q依存RGB→XYZ LUTのように、サブフィールド導出論理404は、限られた数のQ依存XYZ→RGBW LUTを記憶するか、またはそれへのアクセスを有することができる。次いで、サブフィールド導出論理404は、Q固有のRGB→XYZ LUTを生成するために使用された同様の補間プロセスを通して、その対応するQ値に基づいて、画像フレームのためのフレーム固有のXYZ→RGBW LUTを生成することができる。
【0114】
[0106]いくつかの他の実装形態では、LUTは、まったく使用されなくてよく、XYZからRGBWへの分解は、すべてのQのためのディスプレイガマットを囲む仮想原色R' G' B'を取得するために、最初にXYZピクセル値に行列M'を乗算して、直接導出される。この行列M'は、M
Q=0に対応し、その理由は、Q=0のためのガマットが、すべてのQ>0について取得されたガマットを囲むからである。次いで、R、G、B、およびWのための強度値が、次の計算によって取得される。
【0116】
[0107]ディスプレイプロセスは、ピクセル分解ステージの結果をディザリングし(ステージ610)、ディザリングの結果からRGBWサブフレームのセットを生成する(ステージ612)。ディザリングステージ(ステージ610)およびサブフレーム生成ステージ(ステージ612)は、
図5に関して説明されたプロセス500における対応する処理ステージ(ステージ508および510)に等しくなり得る。
【0117】
[0108]画像を表示するために、生成されたRGBWサブフレームが出力される(ステージ614)。
図5に示された出力ステージ512とは対照的に、サブフレーム出力ステージ(ステージ614)は、画像フレームのために選択されたQの値に基づいて、光源の強度を調整するための、光源強度計算プロセスを含む。上記で示されたように、Qの選択は、ディスプレイガマットへの修正を生じ、したがって、RGBサブフィールドの各々のための光源強度は、Qが増すにつれて飽和が減るように調整され、白色サブフィールドのための白色光源の強度は、Qが増すにつれて増大される。いくつかの実装形態では、光源強度は、Qの値に基づいて線形にスケーリングされる。たとえば、0.5のQでは、各非白色サブフィールドのための光源強度値が0.5によって乗算される。Qが0.2であった場合、各非白色サブフィールドのための光源強度値は、0.8によって乗算される、などとなる。いくつかの実装形態では、光源強度計算は、プロセス600においてより早く実行され得る。
【0118】
[0109]
図7は、ディスプレイ上に画像を形成する例示的なプロセス700のフロー図を示す。プロセス700は、第1の色空間内で符号化された入力画像フレームを受信することを含み、それにおいて、入力画像フレームが、複数aピクセルの各々について、色強度値のセットを含む(ステージ702)。そのような処理ステージの例は、それぞれ
図5および
図6に示されたステージ502および602として、上記で説明されている。プロセス700は、それぞれのピクセルに関連付けられた色強度値を、XYZ色空間内の対応する三刺激値に変換するために、受信された入力画像フレーム内の複数のピクセルに関連付けられた色強度値に、ガマットマッピングプロセスを適用することを含む(ステージ704)。この処理ステージの例は、
図5および
図6にも示されたステージ504および606として、上記で説明されている。プロセス700は、少なくとも4つの異なる色に関連付けられたそれぞれの色サブフィールドを形成するために、複数のピクセルに関連付けられたXYZ三刺激値を分解することをさらに含む(ステージ706)。各色サブフィールドは、入力画像からそれぞれのピクセルのための対応する色のための強度値を含む。処理ステージ706の例は、
図5および
図6に示されたステージ506および608に関して、上記で説明されている。色サブフィールドに基づいて、ディスプレイ要素のアレイ内のディスプレイ要素のために、ディスプレイ要素状態情報が生成される(ステージ708)。ディスプレイ要素状態情報は、いくつかの実装形態では、サブフレームを含み得る。サブフレームを生成する例は、ステージ510および612に関して説明されている。プロセス700は、画像を形成するために、ディスプレイ要素のアレイに、少なくとも4つの色サブフィールドに関連付けられたディスプレイ要素状態情報を出力することをさらに含む(ステージ710)。処理ステージ710の例は、それぞれ
図5および
図6に示されたステージ512および614に関して、上記で説明されている。
【0119】
[0110]プロセス700は、画像フレーム全体を処理することに関して、上記で説明されている。同様のプロセスは、セグメント化されたディスプレイに対して実施され得る。セグメント化されたディスプレイでは、バックライトが、独立して制御されたセグメントのセットに分割される。したがって、画像フレームは、画像フレームセグメントに分解され得る。異なるセグメントに対応する画像データは、異なる色度および/またはブライトネスレベルのサブフィールドに分解され得る。いくつかの実装形態では、セグメント化されたディスプレイでは、
図7に示されるプロセス700は、画像フレームの各セグメントがそれ自体のQ値に従って処理されるように適応される。いくつかの実装形態では、セグメントのためのQ値は、
図6に示されたステージ604に関して上記で説明されたプロセスを使用して、そのセグメントに関連付けられたデータを別個の画像フレームとして扱い、いかなる他のセグメントのものからも独立して計算される。いくつかの他の実装形態では、2つの隣接するセグメントのQ値が互いにあまりに大きく異ならず、それによって、2つの隣接するセグメントの間の色飽和の急速な変化から生じ得る画像アーティファクトを回避することを保証するために、セグメントのためのQ値がまとめて決定される。セグメントのための集合的なQ値決定は、当業者に知られている様々な制約ベースの最適化アルゴリズムを使用して実施され得る。
【0120】
[0111]上記で説明されたように、画像データを白色サブフィールドに転送することによって、画像を形成することにおいて採用する飽和レベルを変動させるディスプレイは、バッテリー寿命の延長を助ける電力管理機能を実施することができる。任意の所与の画像について、「可逆的」または実質的に可逆的なQ値、Q
optが存在し、Q
optは、色忠実度に過度に影響を及ぼすことなく、白色サブフィールドに転送され得る画像データのレベルに対応する。いくつかの実装形態では、Q
optは、それを超えると色誤差が人間の視覚系にとって顕著になるしきい値色誤差にほぼ等しい平均色誤差の量を出力画像に導入する、Q値に対応する(すなわち、許容可能に低損失)。より多くのデータが、より高効率の白色光源によって照明される白色サブフィールドを通して提示されるにつれて、ディスプレイの電力消費が減少する。極端において、1.0のQ値とともに黒色および白色における画像を出力することは、非白色光源がまったく照明される必要がないので、最大の電力量を節約する。電力はまた、非白色サブフィールドに対応するサブフレームとともにディスプレイをアドレス指定することを控えることによっても節約され得る。
【0121】
[0112]
図8は、ディスプレイにおける電力消費を低減する例示的なプロセス800のフロー図を示す。プロセス800では、画像を表示するために使用されるQの値を変動させることによって、変動する飽和レベルを通して可能な電力節約は、ディスプレイのための飽和度低下ベースのタイムアウト機能を提供するために活用され得る。すなわち、多くの現在のスマートフォンおよびタブレットのディスプレイが行うように構成されているように、ディスプレイが減光し、次いで、非アクティビティの時間期間後にシャットオフするのではなく、ディスプレイは、そのような非アクティビティに応答して、(Q値を増すことによって)その飽和レベルを徐々に低減することができる。
【0122】
[0113]このプロセスは、Q
optを使用して、画像を表示することを含み得る(ステージ802)。ディスプレイデバイス、またはディスプレイデバイスを組み込んだホストデバイスとの対話など、アクティビティが検出される間(決定ブロック804)、ディスプレイデバイスは、非アクティビティ期間タイマーをリセットし(ステージ806)、Q
optを使用して、画像を表示する(ステージ802)。アクティビティが検出されない場合(決定ブロック804)、非アクティビティ期間タイマーが増分される(ステージ808)。非アクティビティ期間タイマーが、第1のしきい値T1を下回ったままである場合(決定ブロック810)、プロセス800は、Q
optを使用して、画像を表示し続ける(ステージ802)。非アクティビティ期間タイマーが、T1を超えるが、第2のしきい値T2を下回ったままである場合(決定ブロック812)、ディスプレイデバイスは、Qの増加された値Q
highにおいて、画像を表示する(ステージ814)。Q
highは、Q
optの倍数など、Q
optの関数であり得るか、または約0.6と約0.8との間の値など、固定されたより高いQ値であり得る。非アクティビティ期間タイマーがT1を超える場合、ディスプレイは、1.0のQ値を使用して、黒色および白色において画像を出力する(ステージ816)。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイスは、1.0のQ値を使用して、画像を表示することに、直接移行する。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイスは、一連のフレームにわたって、Q
high値を使用することから、1.0のQ値へとスムーズに移行する。ディスプレイは、決定ブロック804で、アクティビティが検出されるまで、1.0のQ値を使用して、画像を出力し続ける。すなわち、ユーザが、ディスプレイを組み込んだデバイスに再び関与すると、非アクティビティ期間がリセットされ得(ステージ806)、ディスプレイは、可逆的(または、許容可能に低損失)なQ値、すなわちQ
optを使用して、画像を出力すること(ステージ802)に戻ることができる。
【0123】
[0114]
図9は、ディスプレイにおける電力消費を低減する第2の例示的なプロセス900のフロー図を示す。プロセス900は、その中にディスプレイが含まれるホストデバイスの残りのバッテリーレベルに基づいて、画像を表示するために使用されるQの値を調整する。プロセス900は、Q
optを使用して、画像を表示することを含む(ステージ902)。プロセス900は、ホストデバイスバッテリーレベルをチェックし(904)、バッテリーレベルを、残りのバッテリー寿命の25%など、第1のしきい値P1と比較する(決定ブロック906)。バッテリーレベルがP1を上回る場合、ディスプレイデバイスは、Q
optを使用して、画像を表示し続ける(ステージ902)。バッテリーレベルが、P1と、残りのバッテリー寿命の約5%など、第2のしきい値P2との間である場合(決定ブロック907)、ディスプレイは、Q
scaledと呼ばれる、残りのバッテリー寿命に対してスケーリングされるQ値を使用して、画像を表示する(ステージ908)。たとえば、バッテリーがその残りの寿命の約25%と約5%との間を有する間、ディスプレイデバイスは、約0.25および約1.0など、2つのQ値の間の線形補間(または、他の好適なランプ関数)を介して決定されるQ値を使用して、画像を出力することができる。バッテリー寿命がP2を下回る場合(決定ブロック909)、ディスプレイは、1.0のQ値を使用して、黒色および白色において画像を出力する(ステージ910)。上記の例では、しきい値の割合は、実際には例示的なものにすぎず、他の割合のしきい値が他の実装形態において使用され得る。
【0124】
[0115]
図10は、所望される電力消費目標に部分的に基づいて選択されるQ値を使用して、画像を出力するディスプレイの例示的なプロセス1000のフロー図を示す。いくつかの電子デバイスでは、所与のバッテリー寿命が保証され得るように、デバイス内に含まれるディスプレイのための平均電力消費レベルを識別することが可能であることが望ましい。その電力消費が、表示されている画像のコンテンツに高度に依存するディスプレイでは、正確な電力消費レベルを提供することは、困難であり得る。
図10に示されるプロセス1000は、ディスプレイデバイスが、所望または指定された電力消費目標を満たすために、画像を表示(および、したがって、その電力消費を調整)するために使用するQ値を調整することを可能にする。
【0125】
[0116]プロセス1000は、画像フレームを受信すること(ステージ1002)と、Q
optを決定すること(ステージ1004)とを含む。ディスプレイデバイスは、過去に画像を表示するために使用していた平均Q値、Q
avgと、指定された電力消費目標に対応するQ値、Q
targetとの間の差を比較する。その差の絶対値がしきい値を下回る場合(決定ブロック1006)、ディスプレイデバイスは、画像について決定されたQ
opt値を使用して、画像を出力し(ステージ1008)、Q
avgを更新し(ステージ1010)、次の画像フレームを処理する。差の絶対値がしきい値を超える場合(決定ブロック1006)、ディスプレイデバイスは、Q
avgがQ
targetよりも大きいか否かを決定する(決定ブロック1012)。Q
avgがQ
target未満である場合、画像は、Qの増加された値を用いて表示され(ステージ1014)、Q
avgが更新され(ステージ1010)、次の画像フレームが受信される(ステージ1002)。いくつかの実装形態では、Q
avgをQ
targetのより近くに移動させることを開始するために、Qの増加された値が、Q
targetよりも大きくなるように選択される。いくつかの実装形態では、画像忠実度における過度の劣化を回避するために、制限が量Qに課されるがQ
optを上回るように増加される。Q
avgがQ
targetよりも大きい場合、画像は、Q
optを用いて表示され得る。ディスプレイは、Qavgを更新し(ステージ1010)、受信すると、次の画像フレームを処理する(ステージ1002)。
【0126】
[0117]プロセス1000のいくつかの実装形態では、Q
optは、表示されている画像の色コンテンツ以外のデータに基づいて選択され得る。たとえば、Q
optは、選択されたバッテリー寿命設定とともに、画像に関連付けられたアプリケーションまたはコンテンツタイプに基づいて、選択され得る。たとえば、一般に、ワードプロセシングまたは電子リーダーアプリケーションによって出力される画像は、画像忠実度における多くの劣化なしに、比較的高いQ値を使用して表示され得るのに対して、写真またはビデオアプリケーションによって生成される画像は、より高いQ値を用いて出力されるとき、画像劣化の欠点があることが多い。バッテリー寿命設定は、たとえば、ディスプレイデバイスによって、またはその中にディスプレイデバイスが組み込まれているホストデバイスによって、提供されるグラフィカルユーザインターフェースによって、調整され得る。
【0127】
[0118]そのような実装形態では、ディスプレイ装置は、2次元LUTを維持することができる。LUTは、画像のアプリケーションまたはコンテンツタイプに、および可能なバッテリー寿命設定に合わせられる。LUTは、各アプリケーション/コンテンツタイプバッテリー寿命設定のための対応するQ値を記憶する。そのようなLUTの一例が、以下に表1として示される。
【0129】
[0119]表1に示されるように、各アプリケーションのためのQ値は、概して、所望のバッテリー寿命設定が増大するにつれて増大する。いくつかの実装形態では、Q
targetはまた、バッテリー寿命設定に基づいて変動され得る。いくつかのそのような実装形態では、上記の表におけるQ値は、すべてのバッテリー寿命設定について一定であり得る。
【0130】
[0120]
図8〜
図10に示されたプロセス800、900、および1000のいくつかの実装形態では、1つまたは複数の追加の電力管理機能が実施され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ディスプレイ装置のバッテリーレベルは、上記で説明された飽和レベル変化に加えて、経時的に減少するので、ディスプレイ装置の制御論理(
図3に示された制御論理306など)は、ディスプレイ装置が各画像フレームを出力するために使用するサブフレームの数を低減することができる。サブフレームの数を低減することは、もはや表示されないことになるサブフレームのために、ディスプレイにデータをロードする際に費やされる電力の量を低減することによって、消費される電力の量を低減する。それはまた、表示される残りのサブフレームが、より低い強度においてより長い間に照明されることを可能にし、ディスプレイ光源がより効率的に動作することを可能にする。
【0131】
[0121]たとえば、全電力で、ディスプレイ装置は、赤色、緑色、および青色サブフィールドの各々のために4つと8つとの間のサブフレームを使用し、白色サブフィールドのために3つと5つとの間のサブフレームを使用して、画像フレームを表示し得る。バッテリーレベルが低下するにつれて、ディスプレイ装置は、
図8および
図9においてステージ816および910に関して説明されたように、ディスプレイがモノクロームモードに切り替えて、その場合にディスプレイがいかなる赤色、緑色、または青色サブフレームをもまったく出力しないのでない限り、使用される赤色、緑色、および青色サブフィールドの数を、3と5との間に低減することができる。いくつかの実装形態では、同数の白色サブフレームが、バッテリーレベルにかかわらず表示され得る。いくつかの実装形態では、白色サブフィールドを表示するために使用されるサブフレームの数は、Qが増すにつれて増し得る。いくつかの実装形態では、赤色、緑色、および青色サブフィールドを表示するために使用されるサブフレームの数は、概して、ディスプレイ装置のバッテリーレベルにかかわらず、画像フレームを表示するために使用されるQの値に反比例し得る。
【0132】
[0122]いくつかの実装形態では、画像フレームを表示するために使用されるサブフレームの数が低減されるとき、制御論理は、より高く重み付けされたサブフレームを省略する前に、より低く重み付けされたサブフレームのディスプレイを省略することを、ディスプレイに行わせる。いくつかの他の実装形態では、制御論理は、色サブフィールドを表示するために使用されるサブフレームの数に応じて、色サブフィールドのための異なるサブフレーム重み付け方式を実施することができる。加えて、制御論理は、色サブフィールドを表示するために使用されるサブフレームの数における低減が導入し得る量子化誤差を考慮するために、その低減に応答して、追加のまたは異なるディザリング動作を実施し得る。
【0133】
[0123]ディスプレイ装置のバッテリーレベルにおける低下に応答して、より少数のサブフレームが表示される、いくつかの実装形態では、より少数のサブフレームが使用されるとき、より少ない画像データが記憶される必要があるので、ディスプレイ装置のフレームバッファの部分を選択的に電源切断することによって、追加の電力節約が得られ得る。ディスプレイがモノクロームモードで動作させられるとき、追加の電力を節約するために、追加のディスプレイハードウェアが電源切断され得る。たとえば、赤色、緑色、および青色光源に関連付けられたドライバおよび論理は、所与の画像フレームのために使用されないようになる場合、電源切断され得る。
【0134】
[0124]いくつかの実装形態では、制御論理は、それがディスプレイ装置のバッテリーレベルに基づいて実行する画像処理動作の複雑さを調整することが可能であり得る。たとえば、制御論理は、そのディザリング動作中に考慮に入れる画像フレーム内のピクセルの数を変動させることができる。ピクセルの値を決定するために、ディザリングアルゴリズムは、問題のピクセルの周囲の構成可能な距離内のピクセルの値を考慮に入れる。たとえば、ディザリングアルゴリズムは、直接隣接するピクセルの値のみを考慮に入れることができるか、または、2つ、3つ、4つ、もしくはそれ以上のピクセルだけ離れたすべてのピクセルの値を考慮に入れることができる。より多数のピクセルを考慮に入れるディザリングプロセスは、より少数のピクセルを考慮に入れるプロセスよりも、実行するためにより多くのプロセッササイクルを必要とする。したがって、制御論理は、バッテリーレベルにおける低下に応答して、動作を完了するために必要とされるプロセッササイクルの数を低減し、それによって電力を節約するために、そのディザリング動作において考慮に入れるピクセルの数を低減するように構成され得る。
【0135】
[0125]上記の電力管理技法は、
図8〜
図10において示されたプロセス800、900、および1000とともに使用するために上記で説明されているが、いくつかの実装形態では、ディスプレイコントローラは、そのようなプロセスとは無関係に、これらの技法を採用することができる。
【0136】
[0126]
図11Aおよび
図11Bは、複数のディスプレイ要素を含む例示的なディスプレイデバイス40のシステムブロック図を示す。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話、またはモバイル電話であり得る。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそのわずかな変形形態は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイス、およびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスも示す。
【0137】
[0127]ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形、および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、絵、もしくはシンボルを含む他の取外し可能な部分と交換可能であり得る取外し可能な部分(図示されず)を含むことができる。
【0138】
[0128]ディスプレイ30は、本明細書で説明されるように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイ、OLED、超ねじれネマチック(STN)ディスプレイ、LCD、もしくは薄膜トランジスタ(TFT)LCDなどのフラットパネルディスプレイ、または、陰極線管(CRT)もしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むことが可能であり得る。加えて、ディスプレイ30は、本明細書で説明されるように、機械的光変調器ベースのディスプレイを含んでもよい。
【0139】
[0129]ディスプレイデバイス40の構成要素が、
図11Bに概略的に示される。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、その中に少なくとも部分的に封入された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合され得るアンテナ43を含む、ネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40上に表示され得る画像データのためのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は、画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像ソースモジュールとして働き得る。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタ処理するかまたはさもなければ操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続され得る。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合され得、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合され得る。
図11Aに特に示されない要素を含むディスプレイデバイス40の中の1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能することが可能であり得、プロセッサ21と通信することが可能であり得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計における実質的にすべての構成要素に電力を供給することができる。
【0140】
[0130]ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43と、トランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を緩和するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11規格のいずれか、またはIEEE802.11規格のいずれかに従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3G、4Gもしくは5G、またはそれらのさらなる実装の技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGSM環境(EDGE)、地上基盤無線(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO RevA、EV−DO RevB、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、それらの信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号を、アンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、処理することができる。
【0141】
[0131]いくつかの実装形態では、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられ得る。加えて、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理され得るフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータを、ドライバコントローラ29に、または記憶するためにフレームバッファ28に、送ることができる。生データは、通常は、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0142】
[0132]プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器とフィルタとを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であってもよいし、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれていてもよい。
【0143】
[0133]ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28からのいずれかで取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたってスキャンするのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。ドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロンの集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋め込まれ得、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋め込まれ得、またはアレイドライバ22とハードウェア内で完全に統合され得る。
【0144】
[0134]アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマット済みの情報を受信してもよく、ディスプレイのディスプレイ要素のx−y行列からの数百本、場合によっては数千本(またはそれよりも多く)のリード線に1秒当たりに何度も印加される互いに平行な1組の波形に、ビデオデータを再フォーマットしてもよい。いくつかの実装形態では、アレイドライバ22およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。
【0145】
[0135]いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明されるタイプのディスプレイのうちのいずれかに適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。加えて、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(機械的光変調器ディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と統合され得る。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、腕時計または小面積ディスプレイにおいて、有用であり得る。
【0146】
[0136]いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえばユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードもしくは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、または感圧膜もしくは感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を通した音声コマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。さらに、いくつかの実装形態では、音声コマンドは、ディスプレイパラメータと設定とを制御するために使用され得る。
【0147】
[0137]電源50は、様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁ソケットまたは光起電性デバイスもしくはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーは、ワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、またはプラスチック太陽電池もしくは太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0148】
[0138]いくつかの実装形態では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29内に存在し、ドライバコントローラ29は電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティはアレイドライバ22内に存在する。上記で説明された最適化は、任意の数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
【0149】
[0139]本明細書で使用されるとき、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、a−bと、a−cと、b−cと、a−b−cとを包含するものである。
【0150】
[0140]本明細書で開示される実装形態に関して説明される様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装される場合がある。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明された様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびプロセスにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0151】
[0141]本明細書で開示される態様に関して説明される様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、本明細書で説明される機能を実行するように設計された、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せによって実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
【0152】
[0142]1つまたは複数の態様では、説明される機能は、本明細書で開示される構造とそれらの構造的均等物とを含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアで、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明される主題の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置によって実行するか、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0153】
[0143]ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書で開示される方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実装され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。また、任意の接続も、適宜コンピュータ可読媒体と呼ばれ得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。加えて、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令のうちの1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
【0154】
[0144]本開示で説明された実装形態への様々な修正は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義された一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示された実装形態に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示された原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。
【0155】
[0145]加えて、「上側」および「下側」という用語は、時として図の説明を簡単にするために使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対的位置を示し、実装されたときの任意のデバイスの適切な配向を反映しない場合があることを、当業者は容易に諒解されよう。
【0156】
[0146]また、別個の実装形態の文脈において本明細書で説明されるいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装され得る。また、逆に、単一の実装形態の文脈において説明される様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、または任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0157】
[0147]同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは逐次的な順序で実行されること、またはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、フロー図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示すことがある。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれらの間に、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明された実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明されたプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。加えて、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ディスプレイ要素のアレイと、
制御論理と
を備え、前記制御論理は、
入力画像フレームを受信すること、ここにおいて、前記入力画像フレームは、複数aピクセルの各々について、第1のセットの色パラメータ値を含む、と、
前記第1のセットの色パラメータ値を第2のセットの色パラメータ値にマッピングするために、前記ピクセルに関連付けられた前記第1のセットの色パラメータ値にコンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスを適用すること、ここにおいて、前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスは、前記画像フレームの前記コンテンツに少なくとも部分的に基づく、と、
少なくとも4つの異なる色に関連付けられたそれぞれの色サブフィールド内でピクセル強度値を取得するために、前記ピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解することと、
前記色サブフィールドに基づいて、前記ディスプレイ要素のためのディスプレイ要素状態情報を生成することと、
前記ディスプレイ要素のアレイに、前記少なくとも4つの色サブフィールドに関連付けられたディスプレイ要素状態情報を出力することと
を行うように構成される、装置。
[C2]
前記第1のセットの色パラメータ値は、赤色ピクセル強度値と、緑色ピクセル強度値と、青色ピクセル強度値とを含み、前記第2のセットの色パラメータ値は、XYZ三刺激値を含む、
C1に記載の装置。
[C3]
前記制御論理は、前記画像のための飽和レベルパラメータを決定し、前記入力画像フレームの前記決定された色飽和パラメータに基づいて、前記ガマットマッピングプロセスを適応させるようにさらに構成される、
C1に記載の装置。
[C4]
前記制御論理は、画像飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブルを生成することによって、前記ガマットマッピングプロセスを適応させるようにさらに構成される、
C3に記載の装置。
[C5]
前記制御論理は、前記決定された画像飽和パラメータに基づいて、少なくとも2つの記憶されたガマットマッピングルックアップテーブルの間で補間することによって、前記画像飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブルを生成するようにさらに構成される、
C4に記載の装置。
[C6]
前記制御論理は、コンテンツ適応型画像分解プロセスに従って、それぞれの色サブフィールドを形成するために、前記複数のピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解するようにさらに構成される、
C1に記載の装置。
[C7]
前記制御論理は、前記受信された画像フレームのための飽和レベルパラメータを決定するようにさらに構成され、
前記コンテンツ適応型画像分解プロセスは、前記決定された飽和レベルパラメータに基づいて調整された色分解行列を適用することを含む、
C6に記載の装置。
[C8]
前記それぞれの色サブフィールドの各々に関連付けられた色を有する光源を含むバックライトをさらに備え、前記制御論理は、色サブフィールドに関連付けられた前記ディスプレイ要素状態情報の一部分を出力すると、前記ディスプレイ要素のアレイを照明するために、前記色サブフィールドに関連付けられた光源を照明するように構成される、
C1に記載の装置。
[C9]
前記制御論理は、前記色サブフィールドに関連付けられた前記ディスプレイ要素状態情報の前記部分を出力すると、異なる色サブフィールドに関連付けられた光源を照明するように構成され、前記制御論理は、前記色サブフィールドに関連付けられた前記光源と前記異なる色サブフィールドに関連付けられた前記光源とが、前記受信された画像フレームのために決定された飽和レベルパラメータの値に部分的に基づいて照明される、前記強度を制御するように構成される、
C8に記載の装置。
[C10]
前記制御論理は、ベクトル誤差拡散プロセスを使用して、前記色サブフィールドをまとめてディザリングするようにさらに構成される、
C1に記載の装置。
[C11]
前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスは、各ピクセルについて、電力管理パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のセットの色パラメータ値を前記第2のセットの色パラメータ値にさらにマッピングする、
C1に記載の装置。
[C12]
前記電力管理パラメータは、非アクティビティ期間タイマー値、目標飽和パラメータ値、およびバッテリーレベルのうちの1つを備える、
C12に記載の装置。
[C13]
ディスプレイ要素の前記アレイと、
前記ディスプレイと通信することが可能なプロセッサと、前記プロセッサが画像データを処理することが可能である、
前記プロセッサと通信することが可能なメモリデバイスと
を含むディスプレイをさらに備える、
C1に記載の装置。
[C14]
前記ディスプレイは、
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送ることが可能なドライバ回路と、
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送ることが可能なコントローラと
をさらに含む、C13に記載の装置。
[C15]
前記プロセッサに前記画像データを送ることが可能な画像ソースモジュールをさらに含み、前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、
C13に記載の装置。
[C16]
入力データを受信することが可能であり、前記プロセッサに前記入力データを通信するための入力デバイスをさらに含む、
C13に記載の装置。
[C17]
プロセッサによって実行されると、ディスプレイ上に画像を形成する方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
入力画像フレームを受信すること、ここにおいて、前記入力画像フレームは、複数aピクセルの各々について、第1のセットの色パラメータ値を含む、と、
前記ピクセルに関連付けられた前記第1のセットの色パラメータ値を第2のセットの色パラメータ値にマッピングするために、前記ピクセルに関連付けられた前記第1のセットの色パラメータ値にコンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスを適用すること、ここにおいて、前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスが、前記画像フレームの前記コンテンツに少なくとも部分的に基づく、と、
少なくとも4つの異なる色に関連付けられたそれぞれの色サブフィールド内でピクセル強度値を取得するために、前記ピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解することと、
前記色サブフィールドに基づいて、ディスプレイ要素のアレイ内のディスプレイ要素のためのディスプレイ要素状態情報を生成することと、
前記ディスプレイ要素のアレイに、前記少なくとも4つの色サブフィールドに関連付けられたディスプレイ要素状態情報を出力することと
を備える、コンピュータ可読媒体。
[C18]
前記第1のセットの色パラメータ値は、赤色ピクセル強度値と、緑色ピクセル強度値と、青色ピクセル強度値とを含み、前記第2のセットの色パラメータ値が、XYZ三刺激値を含む、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C19]
前記方法は、前記画像のための飽和レベルパラメータを決定することと、前記入力画像フレームの前記決定された色飽和パラメータに基づいて、前記ガマットマッピングプロセスを適応させることとをさらに含む、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C20]
前記ガマットマッピングプロセスを適応させることは、画像飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブルを生成することを含む、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C21]
前記画像飽和レベル依存ガマットマッピングルックアップテーブルを生成することは、前記決定された画像飽和パラメータに基づいて、少なくとも2つの記憶されたガマットマッピングルックアップテーブルの間で補間することを含む、
C20に記載のコンピュータ可読媒体。
[C22]
前記各ピクセルに関連付けられた前記第2のセットの色パラメータ値を分解することは、コンテンツ適応型画像分解プロセスに従って、前記第2のセットの色パラメータ値を分解することを含む、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C23]
前記方法は、前記受信された画像フレームのための飽和レベルパラメータを決定することをさらに備え、前記コンテンツ適応型画像分解プロセスは、前記決定された飽和レベルパラメータに基づいて調整された色分解行列を適用することを備える、
C22に記載のコンピュータ可読媒体。
[C24]
前記方法は、ベクトル誤差拡散プロセスを使用して、前記色サブフィールドをまとめてディザリングすることをさらに備える、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C25]
前記コンテンツ適応型ガマットマッピングプロセスは、各ピクセルについて、電力管理パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のセットの色パラメータ値を前記第2のセットの色パラメータ値にさらにマッピングする、
C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C26]
前記電力管理パラメータは、非アクティビティ期間タイマー値、目標飽和パラメータ値、およびバッテリーレベルのうちの少なくとも1つを含む、
C25に記載のコンピュータ可読媒体。
[C27]
ディスプレイ要素のアレイと、
制御論理と
を備え、前記制御論理は、
第1の色空間内で符号化された入力画像フレームを受信すること、ここにおいて、前記入力画像フレームは、複数aピクセルの各々について、色強度値のセットを含む、と、
前記画像フレームのための飽和パラメータを決定することと、
前記受信された画像フレーム内の各ピクセルについて、
飽和パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記ピクセルに関連付けられた前記色強度値を、前記XYZ色空間内の対応する三刺激値に変換するために、前記色強度値にガマットマッピングプロセスを適用することと、
少なくとも4つの異なる色サブフィールドに関連付けられたピクセル強度値を取得するために、前記ピクセルに関連付けられた前記XYZ三刺激値を分解することと、
前記色サブフィールドに基づいて、前記ディスプレイ要素のアレイ内の前記ディスプレイ要素のためのディスプレイ要素状態情報を生成することと、
画像を形成するために、前記ディスプレイ要素のアレイに、前記少なくとも4つの色サブフィールドに関連付けられたディスプレイ要素状態情報を出力することと
を行うように構成される、装置。
[C28]
前記制御論理は、前記飽和パラメータに少なくとも部分的に基づいて、分解行列を導出するようにさらに構成され、前記XYZ三刺激値を分解することは、前記分解行列を適用することを備える、
C27に記載の装置。