特許第6371006号(P6371006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江 宗儒の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371006
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】種類変更可能な靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 21/42 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   A43B21/42
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-524472(P2017-524472)
(86)(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公表番号】特表2018-513697(P2018-513697A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】CN2016083165
(87)【国際公開番号】WO2017161671
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2017年4月28日
(31)【優先権主張番号】201610159912.2
(32)【優先日】2016年3月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517153376
【氏名又は名称】江 宗儒
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江 宗儒
(72)【発明者】
【氏名】黄 雅芬
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第2483900(GB,A)
【文献】 国際公開第2012/107712(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0113837(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00−23/30
A43C 1/00−19/00
A43D 1/00−999/00
B29D 35/00−35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴本体と、
前記靴本体の一方の側に位置し、且つ、前ブラケットと、前記前ブラケットに枢着され、前記靴本体とは反対側に枢着座を有する後ブラケットとを含む靴板と、
一端が前記枢着座に枢着するヒールと、
前記後ブラケットの前記枢着座と同じ側に位置し、且つ、前記前ブラケットと前記ヒールにそれぞれ枢着する連動部材と、
前記靴板と前記連動部材を被覆し、前記靴本体と反対側の面に前記ヒールを収納するための収納溝を有する靴底層と、
を備えることを特徴とする種類変更可能な靴。
【請求項2】
前記靴板と前記ヒールに接続し、前記ヒールを前記収納溝の外、又は前記収納溝の内に回動するように連動させるための弾性素子を更に含む請求項1に記載の種類変更可能な靴。
【請求項3】
前記ヒールと前記枢着座の少なくとも一つに接続し、前記収納溝内に位置する前記ヒール及び前記収納溝の外に位置する前記ヒールを固定するためのロック機構を更に含む請求項1に記載の種類変更可能な靴。
【請求項4】
前記ロック機構は、
前記ヒールに摺動可能に位置するストッパー素子と、
前記ストッパー素子と前記ヒールに接続し、前記ストッパー素子を復帰させるためのばねと、
前記ストッパー素子に接続し、且つ前記収納溝から前記靴の外に露出する操作部と、
を含み、
前記ストッパー素子が前記枢着座に当接すると、前記枢着座が前記ヒールの回動をストップさせ、前記操作部が前記ストッパー素子を前記枢着座から離れるように連動させると、前記ヒールが自在に回動できる請求項3に記載の種類変更可能な靴。
【請求項5】
前記枢着座の一方の面にはチャンバがあり、前記ロック機構は、前記ヒールの前記一端に一体成形されて位置する弾性リブを有し、
前記弾性リブが一時的に変形して前記枢着座の外側に移った場合に、前記枢着座が前記弾性リブに当接して前記ヒールの第1の向きへの回動をストップし、前記弾性リブが一時的に変形して前記チャンバ内に移った場合に、前記チャンバの内側が前記弾性リブに当接して前記ヒールの前記第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする請求項3に記載の種類変更可能な靴。
【請求項6】
前記ロック機構は、
前記枢着座に摺動可能に位置するストッパー素子と、
前記ストッパー素子と前記枢着座に接続し、前記ストッパー素子を復帰させるためのばねと、
前記ストッパー素子に接続し、且つ、前記靴底層の前記後ブラケットに隣接する側から前記靴の外に露出する操作部とを含み、
前記ストッパー素子が前記ヒールに当接すると、前記ストッパー素子は前記ヒールの回動をストップし、前記操作部が前記ストッパー素子を前記ヒールから離れるように連動させると、前記ヒールが自在に回動できる請求項3に記載の種類変更可能な靴。
【請求項7】
前記ヒールの前記一端は、凹溝を有し、前記ロック機構は、前記枢着座の一端に一体成形されて位置する弾性リブを有し、
前記弾性リブが一時的に変形して前記凹溝の外側に移った場合に、前記弾性リブが前記ヒールの前記端に当接して前記ヒールの第1の向きの回動をストップし、前記弾性リブが一時的に変形して前記凹溝内に移った場合に、前記凹溝の内側が前記弾性リブに当接して前記ヒールの前記第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする請求項3に記載の種類変更可能な靴。
【請求項8】
前記ヒールの他端が自由端であり、前記ヒールの前記自由端が前記収納溝内の前記靴底層に接触する請求項1に記載の種類変更可能な靴。
【請求項9】
前記後ブラケットは第1の枢軸を軸として前記前ブラケットに対して枢動し、前記ヒールは第2の枢軸を軸として前記後ブラケットに対して枢動し、前記連動部材の一端は、第3の枢軸を軸として前記前ブラケットに対して枢動し、前記連動部材の他端は、第4の枢軸を軸として前記ヒールに対して枢動し、前記第1の枢軸、前記第2の枢軸、前記第3の枢軸及び前記第4の枢軸は互いに平行であり、且つ、前記第4の枢軸が前記第2の枢軸と前記後ブラケットとの間にある請求項1に記載の種類変更可能な靴。
【請求項10】
靴本体と、
前記靴本体とは反対側の面に収納溝を有する靴底層と、
前記靴本体と前記靴底層との間にあり、前ブラケットと、後ブラケットと、支持部材と、連動部材と、を含み、また、前記前ブラケットが前記後ブラケットと前記連動部材に枢着し、前記支持部材が前記収納溝内に位置し且つ前記支持部材の一端が前記連動部材と前記後ブラケットに枢着する連結ロッド構造と、
を備え、
前記前ブラケットと前記後ブラケットとの挟角を縮小するために前記後ブラケットを枢動する場合に、前記支持部材が前記後ブラケットと前記連動部材の連動によって前記収納溝から外に回動することを特徴とする種類変更可能な靴。
【請求項11】
前記後ブラケットと前記支持部材に接続し、前記支持部材を前記収納溝の外、又は前記収納溝内に回動するように連動させるための弾性素子を更に含む請求項10に記載の種類変更可能な靴。
【請求項12】
前記支持部材と前記後ブラケットの少なくとも一方に接続し、前記収納溝内に位置する前記支持部材及び前記収納溝の外に位置する前記支持部材を固定するためのロック機構を更に含む請求項10に記載の種類変更可能な靴。
【請求項13】
前記ロック機構は、
前記支持部材に摺動可能に位置するストッパー素子と、
前記ストッパー素子と前記支持部材に接続し、前記ストッパー素子を復帰させるためのばねと、
前記ストッパー素子に接続し、且つ、前記収納溝から前記靴の外に露出する操作部と、を含み、
前記ストッパー素子が前記後ブラケットに当接すると、前記後ブラケットが前記支持部材の回動をストップし、
前記操作部は前記ストッパー素子を前記後ブラケットから離れるように連動させると、前記支持部材が自在に回動できる請求項12に記載の種類変更可能な靴。
【請求項14】
前記後ブラケットの前記靴本体とは反対側の面は、チャンバを更に含み、前記ロック機構は、前記支持部材の前記端に一体成形されて位置する弾性リブを有し、
前記弾性リブが一時的に変形して前記チャンバの外側に移る場合に、前記後ブラケットが前記弾性リブに当接して前記支持部材の第1の向きの回動をストップし、前記弾性リブが一時的に変形して前記チャンバ内に移った場合に、前記チャンバの内側は、前記弾性リブに当接して前記支持部材の前記第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする請求項12に記載の種類変更可能な靴。
【請求項15】
前記ロック機構は、
前記後ブラケットの前記靴本体とは反対側に摺動可能に位置するストッパー素子と、
前記ストッパー素子と前記後ブラケットに接続し、前記ストッパー素子を復帰させるためのばねと、
前記ストッパー素子に接続し、且つ、前記靴底層の前記後ブラケットに隣接する側から前記靴の外に露出する操作部と、
を更に含み、
前記ストッパー素子が前記支持部材に当接すると、前記ストッパー素子が前記支持部材の回動をストップし、前記操作部が前記ストッパー素子を前記支持部材から離れるように連動させると、前記支持部材が自在に回動できる請求項12に記載の種類変更可能な靴。
【請求項16】
前記支持部材の前記一端は、凹溝を有し、前記ロック機構は、前記後ブラケットの前記靴本体とは反対側に一体成形されて位置する弾性リブを有し、
前記弾性リブが一時的に変形して前記凹溝の外側に移った場合に、前記弾性リブが前記支持部材の前記端に当接して前記支持部材の第1の向きの回動をストップし、前記弾性リブが一時的に変形して前記凹溝内に移った場合に、前記凹溝の内側は前記弾性リブに当接して前記支持部材の前記第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする請求項12に記載の種類変更可能な靴。
【請求項17】
前記支持部材の他端が自由端であり、前記支持部材の前記自由端は、前記収納溝内の前記靴底層に接触する請求項10に記載の種類変更可能な靴。
【請求項18】
前記支持部材は、ヒール、補助輪又は鋲である請求項10に記載の種類変更可能な靴。
【請求項19】
前記後ブラケットは、第1の枢軸を軸として前記前ブラケットに対して枢動し、前記支持部材は、第2の枢軸を軸として前記後ブラケットに対して枢動し、前記連動部材は、第3の枢軸を軸として前記前ブラケットに対して枢動し、前記連動部材は、第4の枢軸を軸として前記支持部材に対して枢動し、前記第1の枢軸、前記第2の枢軸、前記第3の枢軸及び前記第4の枢軸が互いに平行であり、且つ、前記第4の枢軸は、前記第2の枢軸と前記後ブラケットとの間にある請求項10に記載の種類変更可能な靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴に関し、特に、種類変更可能な靴に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の女性は、礼儀を重視するために、またはスタイルをよく見せるために、外出時にハイヒールを履くことがある。しかし、ハイヒールを長時間履くと足がむくんだり、足首をくじいたりしてしまい、転びやすいだけでなく、長時間に履くと足首が変形して健康に悪影響をもたらし、また不快感をもたらす。そのため、着用者は、より低いハイヒールを選択したり、または履き替えのためにヒールのない靴(フラットシューズ)を携帯したりする。
【0003】
市場に、ヒールを取り外すことができるハイヒールのデザインがあるが、ハイヒールとして使用した後、ヒール又は靴底層に泥や異物が付くことが多く、ヒールを取り外す際に、手でヒールや靴底層に触れることがあり、着用者の指を汚してしまう。
【0004】
したがって、上記による欠点及び不便を改善するために、解決手段をどのように研究するかは、実に現在当業者にとって一刻も猶予できない重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、背景技術での前記の問題を解決するために、すなわち、着用者が手でヒールを引き出し、手が汚れてしまう可能性を低減する種類変更可能な靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、このような種類変更可能な靴は、靴本体と、靴本体の一方の側に位置し、且つ、前ブラケットと前ブラケットに枢着されて靴本体とは反対側に枢着座を有する後ブラケットとを含む靴板と、一端が枢着座に枢着するヒールと、後ブラケット側に位置し、且つ、前ブラケットとヒールにそれぞれ枢着する連動部材と、枢着座、靴板及び連動部材を被覆し、且つ、靴本体とは反対側の面にヒールを収納するための収納溝を有する靴底層と、を備える。
【0007】
したがって、本実施形態の靴を履く場合に、着用者の足部が大体靴板に位置する。このように、着用者が足指部を曲げるために踵部を上げる場合に、本実施形態では、靴板を曲げることにより、手でヒールを引き出す必要がなく、前ブラケットと後ブラケットを枢動すると同時に、靴内に隠れたヒールを同期して外に回動させることができ、更に手を汚す可能性を低減する。
【0008】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、本実施形態の靴は、靴板とヒールに接続し、ヒールを収納溝の外、又は収納溝の内に回動するように連動させるための弾性素子を更に含む。
【0009】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、本実施形態の靴は、ヒールと枢着座の少なくとも一つに接続し、収納溝内に位置するヒール及び収納溝の外に位置するヒールを固定するためのロック機構を更に含む。
【0010】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ロック機構は、ヒールに摺動可能に位置するストッパー素子と、ストッパー素子とヒールに接続し、ストッパー素子を復帰させるためのばねと、ストッパー素子に接続し、且つ、収納溝から靴の外に露出する操作部と、を含む。したがって、ストッパー素子が枢着座に当接すると、枢着座は、ヒールの回動をストップし、操作部がストッパー素子を枢着座から離れるように連動させると、ヒールは、自在に回動できる。
【0011】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、枢着座の一方の面は、チャンバを有する。ロック機構は、ヒール端に一体成形されて位置する弾性リブを有する。したがって、弾性リブが一時的に変形して枢着座の外側に移った場合に、枢着座が弾性リブに当接してヒールの第1の向きの回動をストップし、逆に、弾性リブが一時的に変形してチャンバ内に移った場合に、チャンバの内側が弾性リブに当接してヒールの第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする。
【0012】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ロック機構は、枢着座に摺動可能に位置するストッパー素子と、ストッパー素子と枢着座に接続し、ストッパー素子を復帰させるためのばねと、ストッパー素子に接続し、且つ、靴底層の後ブラケットに隣接する側から靴の外に露出する操作部と、を含む。したがって、ストッパー素子がヒールに当接すると、ストッパー素子は、ヒールの回動をストップし、逆に、操作部がストッパー素子をヒールから離れるように連動させると、ヒールは、自在に回動できる。
【0013】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ヒール端は、凹溝を有する。ロック機構は、枢着座の一端に一体成形されて位置する弾性リブを有する。したがって、弾性リブが一時的に変形して凹溝の外側に移った場合に、弾性リブがヒール端に当接してヒールの第1の向きの回動をストップし、逆に、弾性リブが一時的に変形して凹溝内に移った場合に、凹溝の内側が弾性リブに当接してヒールの第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする。
【0014】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ヒールの他端が自由端である。ヒールの自由端は、収納溝内の靴底層に接触する。
【0015】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、後ブラケットは、第1の枢軸を軸として前ブラケットに対して枢動し、ヒールは、第2の枢軸を軸として後ブラケットに対して枢動し、連動部材の一端は、第3の枢軸を軸として前ブラケットに対して枢動し、連動部材の他端は、第4の枢軸を軸として当該ヒールに対して枢動する。この場合に、第1の枢軸、第2の枢軸、第3の枢軸及び第4の枢軸は互いに平行であり、且つ、第4の枢軸が第2の枢軸と後ブラケットとの間にある。
【0016】
本発明の他の一実施形態において、このような種類変更可能な靴は、靴本体と、靴本体とは反対側の面に収納溝を有する靴底層と、靴本体と靴底層との間にあり、後ブラケットと連動部材に枢着する前ブラケット、後ブラケット、収納溝内に位置し且つ一端が連動部材と後ブラケットに枢着する支持部材、及び連動部材を含む連結ロッド構造と、を備える。このように、前ブラケットと後ブラケットとの挟角を縮小するように後ブラケットを枢動する場合に、支持部材が後ブラケットと連動部材の連動によって収納溝の外に回動する。
【0017】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、本実施形態の靴は、後ブラケットと支持部材に接続し、支持部材を収納溝の外、又は収納溝の内に回動するように連動させる弾性素子を更に含む。
【0018】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、本実施形態の靴は、支持部材と後ブラケットの少なくとも一つに接続し、収納溝内に位置する支持部材及び収納溝の外に回動した支持部材を固定するためのロック機構を更に含む。
【0019】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ロック機構は、支持部材に摺動可能に位置するストッパー素子と、ストッパー素子と支持部材に接続し、ストッパー素子を復帰させるためのばねと、ストッパー素子に接続し、且つ、収納溝から靴の外に露出する操作部と、を含む。したがって、ストッパー素子が後ブラケットに当接すると、後ブラケットは、支持部材の回動をストップし、操作部がストッパー素子を後ブラケットから離れるように連動させると、支持部材は、自在に回動できる。
【0020】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、後ブラケットの靴本体とは反対側の面は、チャンバを更に含む。ロック機構は、支持部材端に一体成形されて位置する弾性リブを有する。したがって、弾性リブが一時的に変形してチャンバの外側に移った場合に、後ブラケットが弾性リブに当接して支持部材の第1の向きの回動をストップし、逆に、弾性リブが一時的に変形してチャンバ内に移った場合に、チャンバ内側が弾性リブに当接して支持部材の第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする。
【0021】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、ロック機構は、後ブラケットの靴本体とは反対側に摺動可能に位置するストッパー素子と、ストッパー素子と後ブラケットに接続し、ストッパー素子を復帰させるためのばねと、ストッパー素子に接続し、且つ、靴底層の後ブラケットに隣接する側から靴の外に露出する操作部とを含む。したがって、ストッパー素子が支持部材に当接すると、ストッパー素子は、支持部材の回動をストップし、逆に、操作部がストッパー素子を支持部材から離れるように連動させると、支持部材は、自在に回動できる。
【0022】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、支持部材端は、凹溝を有する。ロック機構は、後ブラケットの一端に一体成形されて位置する弾性リブを有する。したがって、弾性リブが一時的に変形して凹溝の外側に移った場合に、弾性リブが支持部材端に当接して支持部材の第1の向きの回動をストップし、逆に、弾性リブが一時的に変形して凹溝内に移った場合に、凹溝の内側が弾性リブに当接して支持部材の第1の向きとは反対向きの第2の向きの回動をストップする。
【0023】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、支持部材の他端は、自由端である。支持部材の自由端は、収納溝内の靴底層に接触する。
【0024】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、支持部材は、ヒール、補助輪又は鋲である。
【0025】
本発明の一つ又は複数の実施形態においては、後ブラケットは、第1の枢軸を軸として前ブラケットに対して枢動し、支持部材は、第2の枢軸を軸として後ブラケットに対して枢動し、連動部材の一端は、第3の枢軸を軸として前ブラケットに対して枢動し、連動部材の他端は、第4の枢軸を軸として当該支持部材に対して枢動する。この場合に、第1の枢軸、第2の枢軸、第3の枢軸及び第4の枢軸は互いに平行であり、且つ、第4の枢軸が第2の枢軸と後ブラケットとの間にある。
【0026】
従来の技術と比べると、本発明に係る種類変更可能な靴によると、着用者が手でヒールを引き出し、更に手を汚す可能性を低減することができるという有益な効果を有する。
【0027】
上記は、本発明が解决しようとする課題、課題を解决するための技術手段、及びその効果等を記述するためのものであり、本発明の具体的な細部を、下記の実施形態及び関連する図面において詳しく説明する。
【0028】
本発明の上記とその他の目的、特徴、メリット及び実施例をより明らかでわかりやすくするために、添付される図面の説明は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による種類変更可能な靴の外観を示す模式図である。
図2A図1の要部を示す分解図である。
図2B図2Aの範囲M1を示す拡大図である。
図3図2AのA−A線の範囲を示す断面図である。
図4図1の種類変更可能な靴の操作を示す模式図である。
図5図1の種類変更可能な靴の操作を示す模式図である。
図6図1の種類変更可能な靴の操作を示す模式図である。
図7図6の局所M2を示す断面図であり、その断面方向が図3と同じである。
図8】本発明の別の実施形態による種類変更可能な靴を示す断面図であり、その断面位置が図3と同じである。
図9A】本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴を示す局所断面図であり、その断面位置が図3と同じである。
図9B図9Aのヒール付き靴モードにある靴を示す局所断面図である。
図10A】本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴を示す局所断面図であり、その断面位置が図3と同じである。
図10B図10Aのヒール付き靴モードにある靴を示す局所断面図である。
図11A】本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴を示す局所断面図であり、その断面位置が図3と同じである。
図11B図11Aのヒール付き靴モードにある靴を示す局所断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面で本発明の複数の実施形態を開示し、明らかに説明するために、多くの実務上の細部は、以下の説明において併せて説明する。しかしながら、当業者は了解すべきなのは、本発明の一部の実施形態において、これらの実務上の細部は、必要なものではないので、本発明を制限するためのものではない。又、図面を簡略化するために、いくつかの従来の慣用の構造と要素は、図面において簡単に模式的に示される。また、図示の便宜上、図面における各要素の寸法は、実際の割合に基づいて示されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による種類変更可能な靴10の外観を示す模式図である。図2Aは、図1に示す部分の分解図である。図2Bは、図2Aに示す範囲M1を示す拡大図である。図1から図2Bに示されるように、このような種類変更可能な靴10は、靴本体100と、靴板200と、ヒール300と、連動部材400と、靴底層500とを含む。靴板200は、靴本体100の一方の側に位置する。ヒール300、連動部材400、および靴底層500は、いずれも靴板200の、靴本体100の反対側に位置する。靴板200は、前ブラケット210と後ブラケット220を含む。後ブラケット220は、前ブラケット210に枢着する。後ブラケット220は、靴本体100の反対側に枢着座230を有する。ヒール300の一端は後ブラケット220の枢着座230に枢着する。連動部材400の両端は、それぞれ前ブラケット210とヒール300に枢着する。靴底層500は、靴板200と連動部材400を被覆し、且つ、靴底層500には、靴底層500の靴本体100とは反対側の面に位置し、ヒール300乃至ヒール300の全体を露出して収納するための収納溝510が設置される。
【0032】
連結ロッド構造(例えば四連結ロッド構造)を形成するために前ブラケット210、後ブラケット220(枢着座230を含む)、ヒール300及び連動部材400が互いに枢着されており、前ブラケット210又は後ブラケット220が枢動すると、後ブラケット220と連動部材400との連動によって、ヒール300は、同期して収納溝510の内へと、又は収納溝510の外へと回動することができて、ヒール付き靴モード又はフラットシューズモードに容易に変更する目的を達成し、手でヒール300を引き出す必要がなく、更に手を汚す可能性を低減する。
【0033】
具体的には、図2A図2Bに示されるように、靴板200は、背中合わせに配置される上側面201と下側面202とを有する。靴本体100は、靴板200の上側面201に位置する。ヒール300、連動部材400及び靴底層500は、いずれも靴板200の下側面202に位置する。後ブラケット220が前ブラケット210の一方の側縁に枢着するので、後ブラケット220は、第1の枢軸R1により前ブラケット210に対して枢動できる。ヒール300は、長柱状であり、互いに反対側に位置する第1端301と第2端302を含む。ヒール300の第1端301は、自由端であり、ヒール300の第2端302は、ヒール300が第2の枢軸R2を軸として後ブラケット220に対して枢動できるように、後ブラケット220の前ブラケット210から遠い側の一端に枢着する。連動部材400の両端は、連動部材400が第3の枢軸R3を軸として前ブラケット210に対して枢動でき、第4の枢軸R4を軸としてヒール300に対して枢動できるように、それぞれ前ブラケット210とヒール300に枢着する。了解すべきなのは、第1の枢軸R1、第2の枢軸R2、第3の枢軸R3及び第4の枢軸R4の軸線は、その方向は互いに平行であるが、一致してはいない。なお、第4の枢軸R4は、第2の枢軸R2と後ブラケット220との間にある。
【0034】
図3は、図2AのA−A断面図を示す。図2B図3に示されるように、本実施形態において、より詳しくは、後ブラケット220は、枢着座230を有する。枢着座230は、座体231、2つの枢着翼232及びチャンバ233を含む。座体231は、後ブラケット220の靴本体100とは反対側の面に設けられ、且つ、ヒール300の第2端302の凹溝303内に延びる。この2つの枢着翼232同士は、ヒール300の第2端302が第2の枢軸R2を介してこれらの枢着翼232に枢着するように、互いに間隔を空ける。チャンバ233は、座体231内に形成され、且つ、これらの枢着翼232の間にある。
【0035】
図2Bに示されるように、連動部材400は、長手型靴板体410、第1の開口411及び第2の開口412を含む。第1の開口411と第2の開口412は、それぞれ長手型靴板体410の両端に形成される。前ブラケット210の一方の側縁に、局所的にラグ211が延びる。ラグ211は、長手型靴板体410の第1の開口411を有する端が第3の枢軸R3を介してラグ211に枢着されるように、第1の開口411内に位置する。第2の開口412は、スリット状であり、長手型靴板体410の第3の枢軸R3の反対側の端側に形成される。第2の開口412は、長手型靴板体410の第2の開口412を有する端が第4の枢軸R4を介してヒール300の第2端302に枢着されるように、ヒール300と枢着座230を収納することに用いられる。了解すべきなのは、第4の枢軸R4は、枢着座230に接続しない。
【0036】
なお、図3に示されるように、種類変更可能な靴10は、ロック機構600を更に含む。ロック機構600は、ヒール300に接続し、枢着座230に摺動可能に当接し、ヒール300の位置を固定するためにヒール300の回動を適時に禁止することに用いられる。より詳しくは、本実施形態において、ロック機構600は、第1のストッパー素子610と、第1のばね620と、第1の操作部630とを含む。第1のストッパー素子610は、ヒール300に摺動可能に位置する。例えば、第1のストッパー素子610はヒール300の第2端302の凹溝303内に位置し、且つ、第1のストッパー素子610の一端が凹溝303の外に延びる。第1のばね620は、第1のストッパー素子610とヒール300に接続し、第1のストッパー素子610を復帰させることに用いられ、例えば、第1のばね620が凹溝303内に位置し、且つ、第1のばね620の一端が凹溝303の内部に当接し、第1のばね620の他端が第1のストッパー素子610に当接する。第1の操作部630は、第1のストッパー素子610に接続し、且つ、第1のストッパー素子610と連動する。第1の操作部630は、靴底層500から靴10の外に露出し、例として、第1の操作部630が押しボタン又はプッシュロッドであり、着用者が第1の操作部630により第1のストッパー素子610を移動するように、ヒール300の裂け目304から露出し、且つ、収納溝510から靴の外に露出する。しかしながら、本発明はこれに限定するものではなく、その他の選択において、第1のストッパー素子610を連動させることができれば、第1の操作部は、靴底層又は靴本体の裂け目からヒールの外に露出してもよい。
【0037】
したがって、第1のストッパー素子610が枢着座230外側に当接するように、第1のばね620が第1のストッパー素子610を復帰させた(図3)場合に、枢着座230は、ヒール300をストップしヒール300の回動を制限し、更に靴10をフラットシューズモードにあるように保持させる。逆に、第1の操作部630は、第1のばね620を圧縮して第1のストッパー素子610を枢着座230から離れるように連動させた場合には、ロック機構600は、ヒール300に対する位置制限を解除し、つまり、枢着座230はヒール300の回動を再び制限することなく、更に靴10をヒール付き靴モードに変更させる。
【0038】
なお、図3に示されるように、このような種類変更可能な靴10は、ねじりばね700を更に含む。ねじりばね700は、靴板200の靴本体100とは反対側に位置し、且つ、その両端が、それぞれ靴板200(枢着座230)とヒール300に接続する。ヒール300が収納溝510内に回動し、且つ、一時的にロック機構600によって係合される場合に、ねじりばね700が圧縮された後に復帰弾力が貯蓄される。より詳しくは、ねじりばね700内には第2の枢軸R2が通過する中空通路710が形成される。ねじりばね700の両端のばねアーム720は、それぞれ靴板200とヒール300に接続する。しかしながら、本発明はこれに限定するものではなく、ねじりばね700は、伸縮式のばね等のその他の弾性素子に変えてもよい。
【0039】
なお、図4から図6は、図1の種類変更可能な靴10の操作を示す模式図である。了解すべきなのは、靴の内部の素子の動作を明示するために、特に図4から図6における靴底層500に対して部分的透視を採用するが、これは種類変更可能な靴の側面外観ではない。
【0040】
本実施形態において、図4に示されるように、枢着座230は、固定素子110(例えば、固定釘)を介して後ブラケット220に固定される。靴本体100は、靴板200とともに空間100Sを画定する。この空間100Sは人体の一方の足部800を収納するためのものである。靴本体100は、例えば、足部800の全体又は一部を被覆する材料であり、且つ、前ブラケット210は、人体の足部800の足指部810を支持するためのものである。後ブラケット220は、人体の足部800の踵部820を支持するためのものである。了解すべきなのは、靴本体とは、全ての靴の外観種類を広範的に指し、本発明は図に示される態様に限定するものではない。
【0041】
このように、靴10をフラットシューズモードからヒール付き靴モードに変更しようとする場合に、図4に示されるように、着用者は、先ず、ヒール300に対する位置制限を解除するためにロック機構600を手動操作し、次に、図5に示されるように、着用者は、足指部810を曲げるために踵部820を上げ、踵部820が靴本体100を介して後ブラケット220を第1の回動の向きC1に向かって前ブラケット210に対して枢動するようにして、前ブラケット210と後ブラケット220との挟角θを縮小し、したがって、後ブラケット220によって、部材400とヒール300を第1の回動の向きC1に向かって前ブラケット210に対して枢動するように連動させ、これによりヒール300の第2端302が収納溝510から外に回動することになる。同時に、解除後の後のねじりばね700から復帰弾力が放出されるので、復帰弾力でヒール300を収納溝510の外に回動するように連動させ、ヒール300をワンステップだけで靴10を支持可能な位置決め(図6)に回動させ、この場合に、靴10がヒール付き靴モードにある。
【0042】
了解すべきなのは、図7は、図6に示す範囲M2を示す断面図であり、その断面方向は、図3と同じである。図7に示されるように、靴10がヒール付き靴モードに変更する場合に、第1のストッパー素子610は、適切にチャンバ233内に延びてチャンバ233の内壁に当接し、座体231及びねじりばね700のトルクが、第1のストッパー素子610(すなわち、ヒール300)の第2の回動の向きC2への回動をストップするのに十分であり、靴10にヒール付き靴モードを保持させる。
【0043】
逆に、靴10をフラットシューズモードに変更させようとする場合に、図5から図4の順序に従う。図5から図4を参照されたい。着用者がヒール300に対する位置制限を解除するためにロック機構600を手動で操作した後に、着用者がヒール300を踏みつけることで、ヒール300を第2の回動の向きC2に換えて回動させ更に収納溝510内に回動させる。それと同時に、図3のように、適切に復帰した第1のストッパー素子610が枢着座230の座体231の外側に当接してねじりばね700の回復力に抵抗すると、ヒール300が外へ回動できないように制限され、更に靴10をフラットシューズモードに変更させる。この場合に、それによって前ブラケット210と後ブラケット220の挟角θが増加して、靴板200を平らにする(図4)。
【0044】
なお、手が汚れる可能性を更に低減するために、靴10がフラットシューズモードにある場合に、図1のように収納溝510内に位置するヒール300の第1端301が靴底層500に接触ており、着用者は手でヒール300を引き出そうとはしなくなる。
【0045】
図8は、本発明の別の実施形態による種類変更可能な靴11を示す断面図であり、その断面方向は、図3と同じである。図8の靴11と図3の靴10は、ほぼ同じであり、その相違点の一つは、図3のねじりばね700が前向きにヒール300と靴板200との間に装着され、つまり、ねじりばね700の2つのばねアーム720のいずれもヒール300に向かって延伸し、よって、図3のねじりばね700の復帰弾力が、ヒール300を収納溝510の外に回動するように自動的に連動させることができるのに対し、逆に、図8に示される別の実施形態のねじりばね700Aは、後向きにヒール300と靴板200との間に装着され、つまり、ねじりばね700Aの2つのばねアーム720Aのいずれもヒール300から離れる向きに延伸することにある。より詳しくは、ねじりばね700A内には、第2の枢軸R2が通過する中空通路710Aが形成される。ねじりばね700Aの両端のばねアーム720Aは、それぞれ靴板200とヒール300に接続する。しかしながら、本発明はこれに限定するものではなく、ねじりばねは、伸縮式のばね等のその他の弾性素子に変えてもよい。
【0046】
したがって、図8のねじりばね700Aは、圧縮された後に、すなわち、ねじりばね700Aの両端のばねアーム720A同士が近接すると、復帰弾力が貯蓄される。この復帰弾力は、ヒール300を靴11内に隠すように、ヒール300を収納溝510内に回動するように連動させることができる。
【0047】
図9Aは、本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴12を示す断面図であり、その断面位置が図3と同じである。図9Bは、ヒール付き靴モードにある図9Aの種類変更可能な靴12を示す断面図である。図9Aの靴12が図3の靴10とほぼ同じであり、その相違点の1つは、ロック機構601がヒール300ではなく、枢着座230に位置することにある。
【0048】
より詳しくは、本実施形態において、ロック機構601は、第2のストッパー素子611と、第2のばね621と、第2の操作部631とを含む。第2のストッパー素子611は、枢着座230に摺動可能に位置し、例えば、第2のストッパー素子611は、枢着座230の空間溝234内に位置し、且つ、第2のストッパー素子611の一端は、空間溝234の外に延びる。第2のばね621は、第2のストッパー素子611と枢着座230に接続し、第2のストッパー素子611を復帰させることに用いられ、例えば、第2のばね621は、空間溝234内に位置し、且つ、第2のばね621の一端は、空間溝234の内部に当接し、第2のばね621の他端は、第2のストッパー素子611に当接する。第2の操作部631は、第2のストッパー素子611に接続し、且つ、第2のストッパー素子611に連動する。第2の操作部631は、靴底層500から靴12の外に露出し、例として、第2の操作部631は、押しボタン又はプッシュロッドであり、靴底層500の裂け目501から靴12の外に露出し、裂け目501は、靴底層500の後ブラケット220に隣接する側に位置する。
【0049】
したがって、図9Aのように、第2のばね621は、第2のストッパー素子611を復帰させて、第2のストッパー素子611をヒール300外側に当接させた場合に、第2のストッパー素子611は、ヒール300の第2端302の凸ストッパー305に当接して、ヒール300の収納溝510外への回動をストップし、更に靴10をフラットシューズモードにあるように保持させる。このように、着用者が第2の操作部631により第2のストッパー素子611をヒール300から離れるように移した場合には、第2のストッパー素子611は、ヒール300に対する位置制限を解除して、これによりヒール300がねじりばね700によって自由に連動され、更に靴12をヒール付き靴モード(図9Bに示す)に変更させる。この場合に、第2のばね621は、第2のストッパー素子611を復帰させ、第2のストッパー素子611を適切に凸ストッパー305の凹溝306内に延伸させ、ヒール300の凹溝306内側に当接した場合には、第2のストッパー素子611は、ヒール300をストップしヒール300の回動を制限し、更に靴12をヒール付き靴モードにあるように保持させる。
【0050】
図10Aは、本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴13を示す断面図であり、その断面位置は図3と同じである。図10Bは、図10Aのヒール付き靴モードにある種類変更可能な靴13を示す断面図である。図10Aの靴13と図3の靴10はほぼ同じであり、その相違点の一つは、図10Aのロック機構が、ストッパー素子と、ばねと、操作部とを有することではなく、弾性リブ311のみを有することにある。弾性リブ311は、ヒール310の第2端302に固着され、ヒール310の第1端301とは反対の向きに延びる。弾性リブ311は、例えば、ヒール300の第2端302に一体成形され位置する。
【0051】
このように、図10Aから図10Bへの順序のように、弾性リブ311が一時的に変形してチャンバ233内に移り、逆に、図10Bから図10Aへの順序のように、弾性リブ311が一時的に変形して枢着座230の外側に移った場合に、枢着座230は、弾性リブ311に当接してヒール310の第1の向きの回動をストップする。
【0052】
このように、図10Aから図10Bへの順序のように、着用者が十分な外力を提供して後ブラケット220をヒール310が収納溝510から外に回動するように枢動させた後に、弾性リブ311が弾性を有するリブであるので、弾性リブ311は、一時的に変形してチャンバ233内に移ることができ、手動でヒール310に対する位置制限を解除する必要がなく、靴13をヒール付き靴モードに変更させることができる。この場合に、チャンバ233の内側が弾性リブ311に当接してヒール310の第2の向きC2の回動をストップする。逆に、図10Aのように、着用者が十分な外力を提供してヒール310を靴内に回動させた場合に、同様に、弾性リブ311が弾性を有するリブであるので、弾性リブ311は一時的に変形してチャンバ233の外に移り出すことができ、手動でヒール310に対する位置制限を解除する必要がなく、ヒール310をフラットシューズモードに変更させることができる。この場合に、枢着座230の外側は、弾性リブ311に当接してヒール310の第1の向きC1の回動をストップする。
【0053】
図11Aは、本発明のまた別の実施形態によるフラットシューズモードにある種類変更可能な靴14を示す断面図であり、その断面位置は図3と同じである。図11Bは、図11Aのヒール付き靴モードにある種類変更可能な靴14を示す断面図である。図11Aの靴14と図10Aの靴13はほぼ同じであり、その相違点の一つは、図11Aの弾性リブ235が枢着座230の一端に固着され、ヒール320の方向に延びることにある。弾性リブ235は、例えば、枢着座230の一端に一体成形して位置する。
【0054】
このように、弾性リブ235が一時的に変形してヒール300の第2端302に形成された凹溝306の外側に移った場合に、弾性リブ235は、ヒール320の凸ストッパー305の外側に当接してヒール320の第1の向きC2への回動をストップし、逆に、弾性リブ235が一時的に変形してヒール320の第2端302に形成された凹溝306内に移った場合に、凹溝306の内側は、弾性リブ235に当接してヒール320の第2の向きC2への回動をストップする。
【0055】
了解すべきなのは、以上に挙げられたヒール300、連動部材400、前ブラケット210、後ブラケット220、第1の枢軸R1〜第4の枢軸R4、枢着座230、ロック機構600、弾性リブ311の数量は、例示のみであり、本発明を制限するためのものではなく、当業者は、実際なニーズに応じて、以上の数量を柔軟に調整すべきである。
【0056】
なお、本発明に記載のヒール300、310の形態は、如何なる外形又は機能の支持部材に限定されなく、外へ回動した後に靴底部に人体の足部の踵部を支持できれば、例えばヒールではない支持部材(例えば、補助輪又は鋲)のいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0057】
本発明の実施形態を前述の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、当業者なら誰でも、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができ、したがって、本発明の保護範囲は、下記添付の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0058】
10 種類変更可能な靴、100 靴本体、100S 空間、200 靴板、201 上側面、202 下側面、210 前ブラケット、211 ラグ、220 後ブラケット、230 枢着座、231 座体、232 枢着翼、233 チャンバ、234 空間溝、235 弾性リブ、300 ヒール、301 ヒールの第1端、302 ヒールの第2端、303 ヒールの第2端の凹溝、304 ヒールの裂け目、305 ヒールの第2端の凸ストッパー、306 凸ストッパーの凹溝、320 ヒール、400 連動部材、410 長手型靴板体、411 第1の開口、412 第2の開口、500 靴底層、501 靴底層の裂け目、510 収納溝、600 ロック機構、601 ロック機構、610 第1のストッパー素子、611 第2のストッパー素子、620 第1のばね、621 第2のばね、630 第1の操作部、631 第2の操作部、700 ねじりばね、700A ねじりばね、710A 中空通路、720 ばねアーム、720A ばねアーム、800 人体の足部、810 人体の足部の足指部、820 人体の足部800の踵部、A 線、C1 第1の向き、C2 第2の向き、M1 範囲、M2 範囲、R1 第1の枢軸、 R2 第2の枢軸、R3 第3の枢軸、R4 第4の枢軸。

図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B