(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の構成を
図1ないし
図10を参照して説明する。
【0009】
図10において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に対して着脱可能に接続される風路形成体である管部13とを有している。
【0010】
掃除機本体12は、被掃除面としての床面上を旋回および走行可能であり、電動送風機18、この電動送風機18の動作を制御する図示しない本体制御部、および、これら電動送風機18および本体制御部などに給電するためのコードリール装置、あるいは二次電池などの電源部などを収容しているとともに、電動送風機18の吸込側に連通する図示しない集塵部を備えている。また、掃除機本体12の前部には、集塵部に連通するとともに管部13の基端側が接続される本体吸込口19が開口形成されている。
【0011】
管部13は、ホース体21と、このホース体21に対して着脱可能な例えば合成樹脂製の延長管22と、この延長管22に対して着脱可能な吸込口体としての床ブラシ23とを備えている。
【0012】
ホース体21は、可撓性を有するホース部25と、このホース部25の基端側(下流側)に設けられ本体吸込口19に接続される接続管部26と、ホース部25の先端側(上流側)に設けられた手元操作部27とを有している。
【0013】
手元操作部27には、延長管22の基端側(下流側)が着脱可能に接続される。また、この手元操作部27には、使用者が把持する把持部28が基端側に突出して形成されており、この把持部28には電動送風機18の動作モードを本体制御部に設定するための設定ボタン29が配置されている。
【0014】
また、
図1ないし
図10に示すように、床ブラシ23は、床面上を走行させることにより床面上の塵埃を吸い込むものである。なお、以下、前後方向および左右方向(両側方向、幅方向)はこの床ブラシ23の走行方向を基準とし、上下方向は床ブラシ23を平坦な床面上に載置した状態での反重力方向および重力方向とする。この床ブラシ23は、左右方向に延びる長手状、すなわち横長に形成されたケース体31と、このケース体31の後部に回転可能に接続され延長管22の先端側(上流側)に着脱可能に接続される接続管32とを備えている。そして、以下、この床ブラシ23は、接続管32をケース体31に対して回動させない状態、すなわち接続管32をケース体31の左右方向の中心線に沿って後方上側に位置させた状態(
図10に示す状態)を中立位置(ニュートラル位置)として説明する。
【0015】
ケース体31は、例えば合成樹脂などの部材により形成されており、平面視で横長四角形状のケース本体35と、このケース本体35の後部の中央部から後方へと突出する四角形状の突出部36とを一体的に備える、平面視で凸字状となっている。ケース本体35の後部の中央部である突出部36の上部には、略円形状の接続開口37が開口されており、この接続開口37には、接続管32の上流端側(前端側)が接続される上流側管部としての固定管38が取り付けられている。
【0016】
ケース本体35には、接続開口37(固定管38)および接続管32と連通する図示しない吸込室が区画されている。また、このケース本体35の下部には、吸込室と連通して床面に対向する横長の吸込口41が開口されている。この吸込口41には、回転清掃体としての回転ブラシ43が回転可能に配置されている。この回転ブラシ43は、床面に入り込んだ塵埃を掻き出したり、床面を磨いたりするもので、長尺状に形成され、長手方向の両端部が、吸込口41の両側に軸支されている。また、この回転ブラシ43は、ケース本体35内にて接続管32の側方(左側)に収納された駆動手段としての電動機44により回転駆動される。この電動機44は、ケース本体35内にて接続管32の電動機44と反対側の側方(左側)に収納された制御部45により駆動が制御されるとともに、ベルトやギヤなどを用いて構成された伝達手段46を介して回転ブラシ43に駆動力を伝達するようになっている。そして、この回転ブラシ43は、ケース本体35の吸込口41の両側部に着脱可能に配置されたカバー部47,48を取り外すことで、ケース本体35(吸込口41)から取り外し可能となっている。
【0017】
固定管38は、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、略円筒状の固定管本体51と、この固定管本体51の外周から突出するフランジ部52とを有している。そして、この固定管38は、ケース本体35(ケース体31)に対して回動しないように固定されている。
【0018】
固定管本体51は、下流端である後端側から上流端である前端側へと徐々に拡径状に形成されており、前端が左右方向に扁平な楕円(長円)形状となって吸込室(吸込口41)と連通している。また、この固定管本体51の後端部には、円筒状の突出管部54が同心状に突設されており、この突出管部54の外周部には、突起状の第1ストッパ55が突設されている。さらに、この固定管本体51の後寄りで、かつ、後端部よりも前方の位置には、溝部56が外周部の全周に亘って連続して形成されている。
【0019】
突出管部54は、固定管本体51の後端部の外周部よりも径寸法が僅かに小さく形成されている。したがって、この突出管部54の外方にて固定管本体51の後端部には、固定管38の中心軸である軸心C1に対して交差(直交)する上下方向に沿って、円環状の当接面58が形成されている。すなわち、固定管本体51の後端部は、突出管部54に対して段差状となっている。
【0020】
第1ストッパ55は、一側55aおよび他側55bの位置でケース体31(固定管38)に対して接続管32を所定角度で回り止めするものであり、突出管部54の外縁部で、かつ、当接面58に位置している。この第1ストッパ55は、突出管部54の周方向に沿って形成されており、外縁部が固定管本体51の外周面と略面一となっている。さらに、この第1ストッパ55は、例えば突出管部54の下部の左右方向の中央部、すなわち軸心C1に対して垂直下方(直下)に位置している。
【0021】
また、フランジ部52は、固定管本体51の溝部56よりも前方の位置にて径方向に突設されており、接続管32の上流端部である前端部と当接してこの接続管32の前端部を位置決めする規制部である。このフランジ部52の接続管32と対向する後部(規制面部)60には、第2ストッパ61が突設されている。さらに、このフランジ部52の左右方向の一側(右側)には、前後方向に貫通して配線挿通孔62が開口されている。
【0022】
第2ストッパ61は、一側61aおよび他側61bの位置でケース体31(固定管38)に対して接続管32を所定角度で回り止めするものであり、第1ストッパ55および溝部56に対して前方で、かつ、第1ストッパ55に対して固定管38の径方向外方(軸心C1から相対的に遠い位置)に位置している。また、この第2ストッパ61の他側61bおよび一側61aは、軸心C1方向から見て、第1ストッパ55と軸心C1とを通る第1仮想線L1と直交し軸心C1を通る第2仮想線(仮想面)L2に対して、第1ストッパ55の一側55aおよび他側55bとは反対側に少なくとも一部が位置している。すなわち、第2ストッパ61の他側61bおよび一側61aは、軸心回り方向(周方向)において、第1ストッパ55の一側55aおよび他側55bに対して90°以上270°以下に離間された位置に配置されている。本実施形態では、第2ストッパ61は、軸心C1に対して上方に位置で、かつ、例えば左右方向の他側(左側)に偏って位置している。換言すれば、第2ストッパ61と第1ストッパ55とは、軸心C1を通る仮想的な水平面に対して互いに反対側に位置している。また、第2ストッパ61は、フランジ部52の周方向に沿って形成されており、このフランジ部52の外縁部に対して中心(軸心C1)側に離間された位置に配置されている。さらに、第2ストッパ61は、第1ストッパ55よりも周方向に長手状となっている。そして、第2ストッパ61は、フランジ部52の後部60から後方への突出量が、例えば第1ストッパ55の当接面58から後方への突出量と略同等、あるいはそれ以上に設定されている。
【0023】
配線挿通孔62は、接続管32(掃除機本体12)側からの電力や信号を電動機44および制御部45などへと供給するリード線65(
図6)が挿通される部分であり、フランジ部52の周方向に沿って円弧状(半円弧状)に湾曲した長手状に形成されている。この配線挿通孔62は、固定管38の軸心回り方向(周方向)に対して、第1ストッパ55と第2ストッパ61との間で、かつ、これらストッパ55,61の左右方向の一側(右側)に位置している。すなわち、この配線挿通孔62は、軸心C1に対して、第2ストッパ61と左右方向の反対側に位置している。また、この配線挿通孔62は、フランジ部52において、固定管本体51の上部から下部に亘って連続して形成されている。このため、この配線挿通孔62は、上端部が第2ストッパ61よりも上方で、かつ、下端部が第1ストッパ55よりも下方に位置するように延び、両端間が軸心C1を通る仮想的な水平面と交差するようになっている。この配線挿通孔62の両端間の長さは、ケース体31(固定管38)に対する接続管32側の軸心回りの回転角度に対応して設定されている。
【0024】
一方、接続管32は、固定管38の下流側に対して軸心回り方向(中心軸である軸心C2の周囲)に回動可能に軸支された下流側管部である回転管67と、この回転管67に軸心C2に対して交差(直交)する方向に回動可能に軸支された接続部68とを備えている。
【0025】
回転管67は、接続管32の上流端(前端)を構成するもので、回転管本体71と、この回転管本体71の下部を覆う回転管カバー72とを一体的に有している(
図6)。そして、この回転管67の内部に、固定管38の固定管本体51の後端側が、軸心C1,C2を略一直線上に一致させるように挿入されている。
【0026】
回転管本体71は、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、円環状の本体部74と、この本体部74の両側部から後方に向けて延びる接続突出部としての接続腕部75,75とを備えている。
【0027】
本体部74は、上流端である前端が固定管38のフランジ部52の後部60に当接しており、回転管67を固定管38に対して回動させた状態でフランジ部52の後部60に沿って摺接するようになっている。また、この本体部74は、接続開口37に対して後方でかつ突出部36の上方に位置してケース本体35の外部に露出している。さらに、この本体部74には、軸心C2に対して互いに対称な位置、例えば中立位置で上下のそれぞれの位置に、開口部77,78が開口され、これら開口部77,78に、固定管38と回転管67とを抜け止めする固定体79,80がそれぞれ挿入されている。また、この本体部74の内周部には、後端部、すなわち開口部77,78よりも後方の位置に、一方および他方の当接部82a,82bを両側に備えた回転管ストッパとしてのストッパリブである第1ストッパ部82がリブ状に突設されている。そして、この本体部74のフランジ部52の後部60に対向する前端部には、外縁部に沿って円弧状(円環状)の嵌合溝部83が形成されており、この嵌合溝部83内に一方および他方の第2ストッパ部84,85が形成されている。さらに、本体部74の一方の接続腕部75の下部には、本体部74を軸方向に貫通して嵌合溝部83と連通する連通孔86が形成されている。
【0028】
開口部77,78は、周方向に沿って長手状に開口されており、本体部74を径方向に貫通してこの本体部74の外周部と内周部とを連通している。また、これら開口部77,78は、溝部56と対向してこの溝部56と連通している。
【0029】
固定体79,80は、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、開口部77,78に嵌合されて溝部56の内部へと延びている。したがって、これら固定体79,80は、固定管38に対して回転管67を相対的に軸方向へと抜け止めしている。
【0030】
第1ストッパ部82は、固定管38の突出管部54の外周で当接面58の後方に対向する部分であり、中立位置で軸心C2に対して上方に位置し、本体部74の内周縁に沿って一側部から上側部を通り他側部に亘って連続する半円弧状に形成され、両側部(両端部)の一方および他方の当接部82a,82bが固定管38の第1ストッパ55の一側55aおよび他側55bと当接することで固定管38に対する回転管67の回動角度を一側方および他側方に規制するようになっている。
【0031】
嵌合溝部83は、固定管38の第2ストッパ61が挿入されて嵌合するとともに、掃除機本体12側からの配線が挿通される部分である。なお、この嵌合溝部83の内部には、補強用のリブ88を第2ストッパ61と干渉しないように径方向に沿って適宜設けてもよい。
【0032】
第2ストッパ部84,85は、嵌合溝部83を横断するように本体部74の径方向に沿ってそれぞれ形成されている。これら第2ストッパ部84,85は、本体部74の前端部と略面一に形成されており、嵌合溝部83に挿入された第2ストッパ61の一側61aおよび他側61bと当接することで、固定管38に対する回転管67の回動角度を規制するようになっている。本実施形態では、第2ストッパ部84,85は、軸心C2に対して互いに反対側に位置し、中立位置で第2ストッパ部84が軸心C2の上方、第2ストッパ部85が軸心C2の下方に位置している。そして、第1ストッパ55の一側55aと第1ストッパ部82の一方の当接部82aとが当接した状態で、第2ストッパ61の他側61bと他方の第2ストッパ部85とが当接し、第1ストッパ55の他側55bと第1ストッパ部82の他方の当接部82bとが当接した状態で、第2ストッパ61の一側61aと一方の第2ストッパ部84とが当接するようになっている。
【0033】
したがって、第1ストッパ55の一側55aと第1ストッパ部82の一方の当接部82aとの当接位置および第2ストッパ61の他側61bと他方の第2ストッパ部85との当接位置から、第1ストッパ55の他側55bと第1ストッパ部82の他方の当接部82bとの当接位置および第2ストッパ61の一側61aと一方の第2ストッパ部84との当接位置までの間で、回転管67(接続管32)が固定管38(ケース体31)に対して軸心C1,C2の周囲(軸心回り)に回動可能となっている。本実施形態では、回転管67(接続管32)が固定管38(ケース体31)に対して、中立位置から左右にそれぞれ所定の等角度(例えば90°)ずつ回動するようになっている(
図1(a)ないし
図1(c))。
【0034】
ここで、第1ストッパ55の一側55aと第1ストッパ部82の一方の当接部82aとの当接位置と、第2ストッパ61の他側61bと他方の第2ストッパ部85との当接位置とは、軸心方向から見て、第1ストッパ55と軸心C1,C2とを通る第1仮想線L1と直交し軸心C1,C2を通る第2仮想線L2に対して互いに反対側となっている。同様に、第1ストッパ55の他側55bと第1ストッパ部82の他方の当接部82bとの当接位置と、第2ストッパ61の一側61aと一方の第2ストッパ部84との当接位置とは、軸心方向から見て、第1ストッパ55と軸心C1,C2とを通る第1仮想線L1と直交し軸心C1,C2を通る第2仮想線L2に対して互いに反対側となっている。
【0035】
連通孔86は、嵌合溝部83を介して固定管38の配線挿通孔62と連通して配線を掃除機本体12側に導出可能とするもので、本体部74の周方向に沿って円弧状に形成されている。そして、この連通孔86は、回転管67(接続管32)を固定管38(ケース体31)に対して軸心C1,C2の周囲に回動させたときに、配線挿通孔62との連通を維持するようになっている。
【0036】
各接続腕部75は、回転管本体71と回転管カバー72とを接続するとともに、接続部68を回動可能に軸支するためのもので、回転管カバー72に対向する下部の内側に、それぞれ半円弧状の切欠部91が形成されている。さらに、これら接続腕部75,75と本体部74との間には、接続部68を回動させるための回動用切欠部92が区画されている。
【0037】
回転管カバー72は、回転管本体71とともに接続部68を回動可能に軸支するためのもので、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、回転管本体71に例えばねじなどの固定部材94(
図7)によって一体的に取り付けられて接続腕部75,75間の下部を覆っている。また、この回転管カバー72には、回転管本体71の接続腕部75,75に対向して突出する突出壁部96,96が両側に離間されて設けられている。これら突出壁部96,96には、回転管本体71と対向する上部に、それぞれ半円弧状の切欠部97,97が形成されている。そして、各切欠部97,97が、回転管本体71と回転管カバー72とを一体的に取り付けた状態で、回転管本体71の各接続腕部75の切欠部91と対向して、接続部68を回動可能に軸支する円形状の軸支部をそれぞれ構成している。
【0038】
接続部68は、延長管22の上流端(先端)に着脱可能に接続される部分であり、前後方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成され、回転管67の軸方向と直交する方向に沿う回動軸99,99(
図9)が回転管67の軸支部にそれぞれ軸支されていることにより、回動用切欠部92側および反回動用切欠部92側に回動可能となっている。したがって、例えば中立位置では、接続部68は上下方向に回動可能であり、回転管67が固定管38(ケース体31)に対して例えば90°、軸心回り(軸心C1,C2の周囲)に回動した位置では、接続部68は左右方向に回動可能となる。また、各回動軸99は、円筒状に形成されており、一方の回動軸99には、掃除機本体12側と電気的に接続されたリード線65が内部に挿通されて導出され、連通孔86に対して後方から挿入されている。
【0039】
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
【0040】
掃除の際には、まず、使用者は、掃除機本体12の本体吸込口19に、接続管部26を介してホース体21を連通接続し、このホース体21の先端側の手元操作部27に、延長管22および床ブラシ23を順次連通接続する。
【0041】
次いで、床ブラシ23を床面上に載置し、電源部から本体制御部および電動送風機18へと給電可能な状態として、把持部28を把持した使用者が所定の設定ボタン29を操作すると、この設定ボタン29により設定された動作モードに応じて本体制御部が電動送風機18の入力を制御して、電動送風機18が駆動される。
【0042】
さらに、使用者は、床ブラシ23を床面上で前後に走行させることで、電動送風機18の駆動による負圧によって、床ブラシ23の先端側の吸込口41から塵埃を空気とともに吸い込む。このとき、床ブラシ23は、床面上での操作により、回転管67(接続管32)が固定管38(ケース体31)に対して、例えば軸心回り(軸心C1,C2の周囲)、あるいは軸心C1,C2に対して交差する方向に回動することで、床ブラシ23を挿入する隙間と使用者の立ち位置との間の角度や隙間の高さに応じて接続管32を介して延長管22をケース体31に対して適宜傾けることができる。
【0043】
また、使用者は、床面の種類に応じて、回転ブラシ43を適宜回転させる。このとき、使用者が所定の設定ボタン29を操作すると、この設定ボタン29の操作に応じて、掃除機本体12側から配線を介して給電される電動機44が制御部45により駆動されて回転ブラシ43が回転し、床面の塵埃を掻き出したり、床面を磨いたりなどの掃除補助をする。
【0044】
そして、床ブラシ23から塵埃とともに吸い込まれた空気は吸込風となり、延長管22およびホース体21を介して、塵埃を本体吸込口19から集塵部へと運び、この集塵部にて塵埃を捕集する。
【0045】
この後、塵埃が除去された吸込風は電動送風機18へと吸い込まれ、この電動送風機18を通過して排気風となり、掃除機本体12の後部などに設けられた図示しない排気口から掃除機本体12の外部へと排気される。
【0046】
掃除が終了し、電気掃除機11を収納する際には、設定ボタン29を操作することで、本体制御部が電動送風機18を停止させる。このとき、回転ブラシ43が動作している場合には、制御部45が電動機44も停止させる。
【0047】
また、例えば床ブラシ23の回転ブラシ43を手入れする場合には、床ブラシ23を上下反転させ、カバー部47,48をそれぞれ取り外す。このとき、
図8に示すように、床ブラシ23を上下反転させた状態で床面などの平面上に載置する場合には、作業性を向上するために接続管32(延長管22)を床面に沿わせるように、まず接続管32(延長管22)を軸心回りの左右いずれかに回動させることで接続管32(延長管22)をケース体31と略同等の高さの平坦状に倒して寝かせ(
図7)、その後に上下を反転させて床面上に載置する。この状態で、第1ストッパ55の一側55aまたは他側55bと第1ストッパ部82の一方の当接部82aまたは他方の当接部82bが当接し、かつ、第2ストッパ61の他側61bまたは一側61aと第2ストッパ部85または第2ストッパ部84が当接する。そして、カバー部47,48を取り外すためにケース体31(ケース本体35)を床面に固定するように床面に押し付けると、ケース体31から露出して床面と接する回転管67の位置に軸方向と交差する方向の外力F(
図2(a))が加わり、固定管38の軸心C1に対して回転管67の軸心C2が傾く。この動作は、例えば
図1(b)のように回転管67が固定管38に対して回動した状態で、第2ストッパ61が第2ストッパ部84から軸方向に離間されて乗り越えようとする動作となる(
図2(a)の想像線)一方で、第1ストッパ55は第1ストッパ部82の一方の当接部82aに対して軸方向に接近してより当接が大きくなる動作となるので、これら第1ストッパ55の一側55aと第1ストッパ部82の一方の当接部82aとの当接が維持されて回転管67(接続管32)が固定管38(ケース体31)に対して確実に回り止めされる。また、反対方向に外力Fが加わった場合(
図2(b))も同様の作用を奏し、第1ストッパ55が第1ストッパ部82の一方の当接部82aから軸方向に離間されて乗り越えようとする動作となる一方で、第2ストッパ61は第2ストッパ部84に対して軸方向に接近してより当接が大きくなる動作となるので、これら第2ストッパ61の一側61aと第2ストッパ部85または第2ストッパ部84との当接が維持されて回転管67(接続管32)が固定管38(ケース体31)に対して確実に回り止めされる。なお、この動作は、
図1(c)のように回転管67が固定管38に対して回動した状態でも、上記動作中の第1ストッパ55の一側55aが他側55bに置き換わり、第2ストッパ61の一側61aが他側61bに置き換わり、第1ストッパ部82の一方の当接部82aが他方の当接部82bに置き換わり、第2ストッパ部84が第2ストッパ部85に置き換わるだけであり、同様の作用効果を奏する。
【0048】
すなわち、以上説明した一実施形態では、回転管67を固定管38に対して軸心回り方向の一側方および他側方のそれぞれに回動させた状態で、第1ストッパ55の側部である一側55aおよび他側55bと第1ストッパ部82の一方および他方の当接部82a,82bとの当接位置と、第2ストッパ61の側部である他側61bおよび一側61aと他方および一方の第2ストッパ部85,84との当接位置とが、軸心方向から見て第1ストッパ55と軸心C1,C2とを通る第1仮想線L1と直交し軸心C1,C2を通る第2仮想線L2に対して互いに反対側に位置する。このため、第1ストッパ55または第2ストッパ61が第1ストッパ部82の当接部82a,82bまたは第2ストッパ部84,85を乗り越えるように回転管67が固定管38に対して相対的に傾くと、第2ストッパ61または第1ストッパ55と第2ストッパ部84,85または第1ストッパ部82の当接部82a,82bとの当接がより大きくなるので、第1ストッパ55および第2ストッパ61が第1ストッパ部82の当接部82a,82bおよび第2ストッパ部84,85を同時に乗り越えず、接続管32の回転管67をケース体31の固定管38に対して、より確実に軸心回り方向に回り止めできる。
【0049】
特に、回転ブラシ43を駆動させる電動機44を備える床ブラシ23の場合には、掃除機本体12側からの給電用や信号用のリード線65が回転管67の連通孔86および固定管38の配線挿通孔62などを通じて配置されるので、回転管67を固定管38に対して確実に回り止めすることで、連通孔86と配線挿通孔62との連通を確実に維持し、リード線65を痛めることがない。
【0050】
そして、この床ブラシ23を備えることで、手元操作部27を用いた床ブラシ23の操作性が良好で、かつ、接続管32(延長管22)の回転操作によって断線などが生じない、高信頼性の電気掃除機11を提供できる。
【0051】
なお、上記一実施形態において、第1ストッパ55と第1ストッパ部82とを固定管38と回転管67との互いに反対に設け、第2ストッパ61と第2ストッパ部84,85とを固定管38と回転管67との互いに反対に設ければ、固定管38と回転管67とのいずれに設けてもよい。すなわち、第1ストッパ55および第2ストッパ61を回転管67に設け、第1ストッパ部82および第2ストッパ部84,85を固定管38に設けてもよいし、第1ストッパ55または第2ストッパ61を固定管38または回転管67に設け、第1ストッパ部82または第2ストッパ部84,85を回転管67または固定管38に設けてもよい。
【0052】
さらに、第1ストッパ55、第2ストッパ61および第1ストッパ部82は、それぞれ1つずつの突起状としたが、軸心回り方向に分割し、軸心回り方向の一側方および他側方に回動させたときの第1ストッパ部82、第2ストッパ部84,85および第1ストッパ55と当接する部分をそれぞれ別体としてもよい。同様に、第2ストッパ部84,85は別個に設けたが、一体に連続させてもよい。
【0053】
また、固定管38に対する回転管67の軸心回りの回動角度は、必要に応じて360°未満に任意の角度に設定できる。
【0054】
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。