【実施例】
【0022】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、生成物の分析に当たっては、下記装置を使用した。
NMR:バリアン社製NMR System 400HFX
IR:パーキン・エルマー社製Spectrum 2000 FT−IR spectrometer
GC−MS:アジレント社製5975C spectrometer
元素分析:ヤナコ社製CHNコーダー MT−6
〔参考例1〕 (3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−イル)フェニルスルフィド(4)の調製
【0023】
【化3】
【0024】
撹拌子を備えた300mLの二口ナスフラスコを乾燥アルゴン置換後、水素化ナトリウム(50%油性,1.55g,38.2mmol,1.5eq)を入れ、適当量のヘキサンで3回洗浄し鉱油を除いた後、1,4−ジオキサン(30mL)を加え、超音波洗浄機を用い超音波で10分間分散させた。次いで、ベンゼンチオール(3.0mL,29.4mmol)を添加し、5分程撹拌の後、3−ブロモ3,3−ジフルオロプロペン(4.5mL,44.1mmol,1.5eq)を添加し、撹拌しながら室温下、1時間反応を行った。反応終了後、反応液に飽和の塩化アンモニウム水溶液を添加、ヘキサン/酢酸エチル混合溶剤(3/1 vol/vol)で3回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮し、粗製物を得た。
【0025】
得られた粗製物は、シリカゲルkラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的物の(3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−イル)フェニルスルフィド(4)を無色透明液体として得た(5.39g,29.4mmol,収率99%)。
なお、生成物は物性測定の結果、下記文献に記載の物性値と一致し目的物であることを確認した。
【0026】
Yuan-yao Xu, et. al., J. Fluorine Chem., 70(1995), 5-6。
〔参考例2〕 [(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]フェニルスルフィド(5)の調製
【0027】
【化4】
【0028】
撹拌子を備えた300mLの二口ナスフラスコを乾燥アルゴン置換後、参考例1で調製した(3,3−ジフルオロ−2−プロペニル)フェニルスルフィド(4)(5.32g,28.6mmol)及びジメチルスルホキシド(10mL)を入れ、撹拌した。次いで、tert−ブトキシカリウム(163.2mg,1.43mmol,0.05eq)を添加し、撹拌しながら室温下、1時間反応を行った。反応終了後、反応液に水を添加、ヘキサンで3回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮し、目的物の[(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]フェニルスルフィド(5)を褐色液体として得た(4.95g,26.6mmol,収率93%)。
IR(ART):2925,1616,1376,1130,1060,1108,936,828,742,690cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=7.47−7.41(m,2H),7.41−7.34(m,3H),6.84(dtd,J=15.3,3.2,0.6Hz,1H),6.09(tdd,J=56.2,5.5,0.6Hz,1H),5.60−5.53(m,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=136.1(t,J=12.4Hz),132.5,131.2,129.5,128.7,119.2(t,J=24.9Hz),114.3(t,J=234.3Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−110.4(ddd,J=56.0,8.3,3.6Hz,2F)。
GC−MS(m/z):186(92,M
+),165(25),147(12),135(100),134(19),109(21),91(35),77(25),65(12),51(24)。
【0029】
〔実施例1〕 [(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニ ルスルホニウム トリフルオロメタンスルホナート(6)の調製
【0030】
【化5】
【0031】
乾燥アルゴンで置換した300mLの二口ナスフラスコに、室温下、参考例2で調製した[(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]フェニルスルフィド(5)(4.83g,25.9mmol,1.05eq)及び1,2−ジクロロエタン(30mL)を入れ、撹拌しながら溶解させた後、次いでこれにジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホナート(10.60g,24.7mmol,1.0eq)及び銅粉末(7.90g,123.5mmol,5.0eq)を添加した。油浴上で80℃に加熱し、2時間反応を行った後、室温まで冷却、固形物をセライトろ過のよりろ別し、濃縮することにより粗製物を得た。得られた粗製物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/アセトン=2/1 vol/vol)で精製することにより、目的物(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホナート(6)を白色結晶として得た(9.62g,24.3mmol,収率94%)。
融点:51.3−52.4℃。
IR(ATR):3046,1709,1448,1253,1151,1027,746,682,625,573,516,500cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=7.94−7.90(m,4H),7.82(dt,J=14.8,2.3Hz,1H),7.77−7.72(m,2H),7.70−7.65(m,4H),7.04−6.90(m,1H),65.8(td,J=54.0,4.3Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=143.3(t,J=26.4Hz),135.0,131.7,130.7,124.2, 123.3(t,J=24.1Hz),120.6(q,J=320.7Hz),111.0(t,J=239.8Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−79.6(s,3F),−117.5(ddd,J=53.6,8.3,2.3Hz,2F)。
元素分析 計算値C,46.60、H,3.18、測定値C,46.68,H,3.23。
【0032】
〔実施例2〕 [(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート(7)の調製
【0033】
【化6】
【0034】
アルゴン気流下、撹拌子を備えた50mlのナフ型二口フラスコに、実施例1で調製した[(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホナート(6)(433mg,1.05mmol,1.05eq.)及びアセトニトリル(4mL)を入れ、溶解させた後、次いで、カリウム ヘキサフルオロホスフェート(184mg,1.00mmol)を添加し、室温下、2時間反応を行った。反応終了後、濃縮し得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン=2/1 vol/vol)で精製し、目的物の[(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート(7)を白色固体として得た(394.6mg,0.960mmol,収率96%)。
白色結晶。
融点:92.5−93.7℃。
IR(ATR):3078,1449,1359,1134,1053,842,822,746,730,555cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=7.90(d,J=7.5Hz,4H),7.83(t,J=7.4Hz,4H),7.75(t,J=7.5Hz,2H),7.53(d,J=15.1Hz,1H),6.89(m,1H),6.55(t,J=53.9Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=143.1(t,J=24.9Hz),134.9,131.6,130.4,123.4,122.1(t,J=11.6Hz),110.6(t,J=239.8Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−73.2(d,J=71.4Hz,6F),−118.9(d,J=7.1Hz,1F),−119.1(d,J=7.2Hz,1H)。
【0035】
〔実施例3〕 1−(フェニルスルホニル)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボニトリル(8)の調製
【0036】
【化7】
【0037】
撹拌子を備えた25mLの丸底フラスコに、室温、大気下、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)、塩基として炭酸カリウム(124.4mg,0.9mmol,3.0eq)及びアセトン(3.0mL)を仕込み、溶解させた後、次いでこれに実施例1で調製した(1E)−3,3−ジフルオロ−1−プロペン−1−イル]ジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホナート(6)(129.90mg,0.315mmol,1.05eq)を添加し、1時間反応を行った。
【0038】
反応終了後、反応液をセライトろ過により固形物をろ別、濃縮し、粗製物を得た。
得られた粗製物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=1/1 vol/vol)で精製し、目的物の1−(フェニルスルホニル)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボニトリル(8)を白色固体として得た(73.0mg,0.283mmol,収率98%)。
融点:62.8−63.1℃。
IR(ATR):3109,3048,2248,2236,1977,1334,1146,1078,1055,762,728,685,608,561cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=8.02−7.96(m,2H),7.83−7.75(m,1H),7.71−7.64(m,2H),5.83(td,J=54.8,4.3Hz,1H),2.71−2.63(m,1H),2.22−2.15(m,1H),1.92(t,J=6.8Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=136.0,135.5,129.9,129.0,112.8,112.5(t,J=242.9Hz),35.1(d,J=3.2Hz),28.0(t,J=30.4Hz),16.5(t,J=4.7Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−115.8(ddd,J=295.7,54.9,9.8Hz,1F),
−118.8(ddd,J=295.6,56.0,9.5Hz,1F)。
GC−MS(m/z):257(17,M
+),143(4),142(7),141(85),77(100),51(25),50(6)。
元素分析 計算値C,51.36、H,3.53、N,5.44、測定値C,51.39,H,3.23、N,5.42。
【0039】
〔実施例4〕 エトキシエチル 1−シアノ−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(9)の調製
【0040】
【化8】
【0041】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えて2−エトキシエチル シアノ酢酸を(42.1μL,0.29mmol)を用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=1/1 vol/vol)で単離精製し、目的物のエトキシエチル 1−シアノ−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(9)を無色透明液体として得た(61.5mg,0.264mmol、収率91%)。
IR(ATR):2978,2874,2252,1740,1293,1176,1103,1043,862,759cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=5.81(td,J=48.5,5.2Hz,1H),4.48−4.22(m,2H),37.1(t,J=3.4Hz,2H),3.57,3.62−3.43(m,2H),2.58−2.48(m,1H),2.02−1.95(m,1H),1.85(t,J=6.5Hz,1H),1.23(t,J=5.7Hz,3H)。
13C−NMR(100MHz):δ=165.6,114.7(t,J=240.6Hz),113.8,67.3,66.5,66.4,30.0(t,J=30.3Hz),19.3(t,J=2.3Hz),16.7(d,J=6.2Hz),14.8。
19F−NMR(376MHz):δ=−113.9(dd,J=296.9,54.9Hz,1F),−118.0(dd,J=294.4,54.8Hz,1F)。
GC−MS(m/z):188(33),162(8),144(26),116(19),89(10),80(12),72(28),59(100),51(9)。
【0042】
〔実施例5〕 ジエチル [1−シアノ−2−(ジフルオロメチル)シクロプロピル]ホスフェート(10)の調製
【0043】
【化9】
【0044】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えてジエチル (シアノメチル)リン酸エステル(47.2μL,0.29mmol)を用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン=10/1 vol/vol)で単離精製し、目的物のジエチル [1−シアノ−2−(ジフルオロメチル)シアノプロピル]ホスフェート(10)を無色透明液体として得た(57.4mg,0.154mmol、収率53%)。
IR(ATR):2988,2920,2241,1263,1165,1100,1012,982,796,602,553cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=5.79(td,J=54.7,5.6Hz,1H),4.26(quin,J=7.0Hz,4H),2.44−2.29(m,1H),1.89−1.80(m,1H),1.74−1.66(m,1H),1.46−1.38(m,6H)。
13C−NMR(100MHz):δ=115.4,114.4(td,J=240.5,2.4Hz),64.4(t,J=6.2Hz),26.1(t,J=30.4Hz),16.2(t,J=5.1Hz),15.3(quin,J=3.1Hz),8.31(dd,J=195.4,3.9Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−114.2(ddd,J=294.5,54.9,9.6Hz,1F),−116.8(ddd,J=293.2,54.8,6.0Hz,1H)。
GC−MS(m/z):226(77),198(100),180(53),178(24),157(36),146(35),132(13),116(18),109(49),97(20),81(42),65(17)。
【0045】
〔実施例6〕 tert−ブチル 1−メトキシカルボニル−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(11)の調製
【0046】
【化10】
【0047】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えてマロン酸tert−ブチルメチル(49.0μL,0.29mmol)を用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=5/1 vol/vol)で単離精製し、目的物のtert−ブチル 1−メトキシカルボニル−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(11)を無色透明液体として得た(67.3mg,0.287mmol、収率99%)。
IR(ATR):2981,1705,1370,1328,1252,1210,1160,1222,1091,1042,840cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=5.69(td,J=55.8Hz,1H),2.40(s,3H),2.42−2.29(m,1H),1.71−1.65(m,1H),1.51(s,9H),1.44−1.38(m,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=200.6,167.1,115.1(dd,J=237.4,236.6Hz),83.4,39.9(d,J=4.7Hz),28.94,28.90(t,J=30.4Hz),27.8,18.1(dd,J=6.2,1.5Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−110.9(dd,J=293.2,57.1Hz,1F),−116.9(ddd,J=292.1,56.0,10.7Hz,1F)。
GC−MS(m/z):179(29),161(63),119(29),114(15),90(7),57(100)。
【0048】
〔実施例7〕 1−フェニルスルホニル−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(12)の調製
【0049】
【化11】
【0050】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えてフェニルスルホニル酢酸メチル(74.7μL,0.45mmol)を用い、他の試剤を1.55倍のスケールで用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=1/1 vol/vol)で単離精製することにより目的物の1−フェニルスルホニル−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸エステル(12)を無色透明液体として得た(112.5mg,0.387mmol,収率86%)。
IR(ATR):2959,1736,1447,1310,1135,1082,1048,929,743,686,602,564cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=79.4(d,J=7.4Hz,2H),75.8(t,J=7.4Hz,2H),57.7(td,J=55.5,6.4Hz,1H),3.68(s,3H),2.78−2.66(m,1H),2.32−2.24(m,1H),2.17(s,1H),2.06−1.99(m,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=164.8,138.8,134.1,129.0,128.9,113.9(t,J=238.2Hz),53.3,47.4(t,J=6.2Hz),29.6(dd,J=35.8,30.3Hz),16.2(d,J=7.0Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−111.5(dd,J=296.8,54.8Hz,1F),−117.2(ddd,J=296.8,54.8,10.7Hz,1F)。
GC−MS(m/z):259(10),226(24),175(6),159(18),147(29),141(20),125(12),77(100),59(12),51(25)。
【0051】
〔実施例8〕 ジベンジル 2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンジカルボン酸エステル(13)の調製
【0052】
【化12】
【0053】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えてマロン酸ジベンジル(71.7μL,0.3mmol)を用い、他の試剤を1.07倍のスケールで用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=3/1 vol/vol)で単離精製することにより目的物のジベンジル 2−(ジフルオロメチル)シクロプロパンジカルボン酸エステル(13)を無色透明液体として得た(99.9mg,0.291mmol,収率94%)。
IR(ATR):3036,2958,1726,1456,1379,1315,1266,1198,1127,1096,1032,961,905,736,695,584cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=7.40−7.20(m,10H),5.69(td,J=55.7,5.2Hz,1H),5.22−5.09(m,4H),2.45−2.34(m,1H),1.80(td,J=5.5,1.2Hz,1H),1.62−1.54(m,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=167.8,166.1,134.60,134.56,128.3,128.2,128.14,128.12,128.0,127.8,114.0(t,J=238.2Hz),67.7,67.5,32.0(dd,J=5.4,2.4Hz),28.0(t,J=31.1Hz),15.9(q,J=3.1Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−112.4(dd,J=292.0,56.0Hz,1F),−118.7(ddd,J=292.1,56.0,10.7Hz,1F)。
GC−MS(m/z):269(9),180(6),163(54),123(5),119(5),107(55),92(10),91(100),77(6),65(11),51(3)。
【0054】
〔実施例9〕 1,1−ビス(フェニルスルホニル)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパン(14)の調製
【0055】
【化13】
【0056】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えてビス(フェニルスルホニル)メタン(91.9mg,0.3mmol)を用い、他の試剤を1.03倍のスケールで用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=1/1 vol/vol)で単離精製することにより目的物の1,1−ビス(フェニルスルホニル)−2−(ジフルオロメチル)シクロプロパン(14)を無色透明液体として得た(112.2mg,0.291mmol,収率97%)。
IR(ATR):3104,3070,1730,1448,1325,1243,1155,1050,950,791,749,722,613cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=7.98(d,J=7.6Hz,2H),7.91(d,J=7.5Hz,2H),7.74−7.68(m,2H),7.59−7.55(m,4H),6.40(td,J=54.8,7.3Hz,1H),2.94−2.80(m,1H),2.38−2.31(m,1H),2.30−2.24(m,1H)。
13C−NMR(100MHz):δ=138.7,137.6,134.8,134.6,129.5,129.3,129.0,128.9,113.4(dd,J=240.6,236.7Hz),61.8(d,J=7.8Hz),32.3(dd,J=39.7,32.7Hz),16.9(t,J=7.0Hz)。
19F−NMR(376MHz):δ=−108.2(ddd,J=300.4,54.8,3.6Hz,1F),−111.2(dddd,J=299.2,54.9,11.9,3.6Hz,1F)。
GC−MS(m/z):308(6),183(13),167(11),163(17),147(15),141(23),125(45),105(9),97(10),77(100)。
【0057】
〔実施例10〕 5,7−ジメチル−1−(ジフルオロメチル)−5,7−ジアザスピロ[2,5]オクタン−4,6,8−トリオン(15)の調製
【0058】
【化14】
【0059】
実施例3と同じ反応装置に、フェニルスルホニルアセトニトリル(52.5mg,0.29mmol)に替えて1,3−ジメチルバルビツル酸(68.7mg,0.44mmol)を用い、他の試剤を1.52倍のスケールで用いた以外、実施例2と同じ操作により粗製物を得、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=1/1 vol/vol)で単離精製することにより目的物の5,7−ジメチル−1−(ジフルオロメチル)−5,7−ジアザスピロ[2,5]オクタン−4,6,8−トリオン(15)を白色結晶として得た(83.7mg,0.361mmol,収率82%)。
融点:89.6−91.2℃。
IR(ATR):3105,1667,1447,1386,1298,1227,1089,1036,852,752cm
-1。
1H−NMR(400MHz):δ=6.09(dt,J=55.4,7.5Hz,1H),3.339(s,3H),3.336(s,3H),2.74−2.62(m,1H),2.18(d,J=3.7Hz,1H),2.16(d,J=3.3Hz)。
13C−NMR(100MHz):δ=166.9,166.5,151.1,114.1(dd,J=238.2,236.7Hz),37.6(dd,J=38.9,30.4Hz),30.6(d,J=6.2Hz),28.997,28.904,25.0(d,J=9.4Hz)。
19F−NMR(376MHz)δ=−111.0(dd,J=299.2,54.9Hz,1F),117.4(ddd,J=299.2,56.0,9.5Hz,1F)。
GC−MS(m/z):232(23,M
+),212(60),181(100),174(20),147(17),124(27),99(23),90(35),56(21)。
元素分析 計算値C,46.56、H,4.34、N,12.07、測定値C,46.66,H,4.35、N,12.07。