特許第6371155号(P6371155)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6371155用紙自動折り装置、用紙自動折りシステムおよび用紙自動折り方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371155
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】用紙自動折り装置、用紙自動折りシステムおよび用紙自動折り方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/14 20060101AFI20180730BHJP
【FI】
   B65H45/14
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-153909(P2014-153909)
(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公開番号】特開2016-30674(P2016-30674A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 孝道
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−016767(JP,U)
【文献】 特開2011−093686(JP,A)
【文献】 特開2014−037092(JP,A)
【文献】 特開2013−184777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/00−45/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路において長方形の用紙を搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送路を搬送される前記用紙を搬送方向に凸な状態にたわませるカールガイドと、
前記用紙の一端と当接する突き当てガイドと、
前記カールガイドと固定され、前記カールガイドの一端が前記搬送路上に突出するよう回動可能なアクチュエータと、
前記搬送路に沿って搬送される前記凸な状態にたわんだ前記用紙を圧接して折り曲げる折曲部と、
前記アクチュエータの前記回動の制御を行う制御部
とを備え、
前記制御部は、前記搬送に伴い、前記用紙が前記カールガイド内側の形状に沿って密着又は略密着する状態となるのに応じて、前記アクチュエータを、前記カールガイドが前記搬送路から退避するよう回動させ
前記用紙の一端が前記突き当てガイドに当接して凸な状態でたわみ前記カールガイド内側に密接又は略密接した状態において、前記用紙の他端は前記搬送ローラと接触している
用紙自動折り装置。
【請求項2】
前記カールガイドと前記折曲部の間に配置され、前記カールガイドから搬送される前記搬送方向に凸な状態にたわんだ前記用紙を前記折曲部に導くペーパガイドを更に備える、請求項1に記載の用紙自動折り装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記用紙の長さに関する情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信する情報を基に、前記用紙の長さを計算する用紙長さ算出部と、
前記用紙の長さから、前記用紙が前記カールガイドに沿って密着又は略密着する状態となるタイミングを算出し、前記算出されたタイミングで、前記アクチュエータを、前記カールガイドの一端が前記搬送路上に突出しない方向に回動させるアクチュエータ制御部
とを含む、請求項1又は請求項2に記載の用紙自動折り装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記用紙に印字する情報を受信し、
前記用紙の長さに関する情報は、前記用紙に印字する情報の量である
請求項に記載の用紙自動折り装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記用紙の搬入を検知するセンサ部を含み、
前記用紙の長さに関する情報は、前記検知の時刻であり、
前記用紙長さ算出部は、前記検知の時刻と前記搬入の速度を基に、前記用紙の長さを計算する、
請求項に記載の用紙自動折り装置。
【請求項6】
前記用紙を前記搬送方向に凸な状態にたわませる、異なる形状を有する前記カールガイドを複数備え、
前記制御部は、前記用紙長さ算出部が算出した用紙の長さに適したカールガイドを前記複数のカールガイドから選択するアクチュエータ選択部
を更に備える請求項3又は請求項5に記載の用紙自動折り装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれかに記載の用紙自動折り装置と、
前記用紙自動折り装置と通信可能に接続され、前記用紙の長さを前記用紙自動折り装置に通知する印字装置
を備える用紙自動折りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を自動的に折りたたむ用紙自動折り装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙を自動的に所望の形状の折り曲げる装置が開発されている。例えば、特許文献1は、連続用紙をジグザグに自動的に折り曲げる技術を開示している。
【0003】
顧客の商品購入の際に決算処理を行うレジスタ装置(キャッシャー装置)がある。このレジスタ装置にはレシート印字装置が内蔵又は接続されており、レシート用紙の長手方向に対し垂直に決済情報を印字する。この時、多くの場合印字されたレシート用紙は、印字面を上にした状態で搬出される。顧客の中には、レシートに印字された顧客の商品購入情報が周囲の第三者の目に触れることを、プライバシー保護の観点から好ましく思わない者もいる。このため、排出されるレシートを折り曲げることで、周囲の第三者から印字物を閲覧不可能とするための技術が考案されている。例えば、特許文献2は、先端がカールした用紙を同じ長さに折り曲げる技術を開示している。
【0004】
この他、特許文献3は、連続用紙をジグザグに折りたたみ可能な装置等について開示している。特許文献4は、記録紙を、その裏表の任意の面を上に向けた状態で排出する記録紙処理装置等について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−231778号公報
【特許文献2】特開2006−335500号公報
【特許文献3】特開平07−002425号公報
【特許文献4】特開平06−080297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1〜特許文献3に開示された用紙の折り曲げ技術および特許文献4に開示された記録用紙の処理技術においては、複数のアクチュエータおよび複数のセンサを用いる必要があるので、大型で、製作コストも高い。また、上記に係る技術においては、用紙自動折り装置のみの、レジスタ装置への後付けはできない。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するべくなされた。本発明は、用紙を機械的に折り曲げるときに、複数のアクチュエータおよび複数のセンサを用いる必要がなく、小型で、製作コストが安く、レジスタ装置への後付けが可能な用紙自動折り装置等を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為、本発明の第1の観点は、搬送路を搬送される長方形の用紙を搬送方向に凸な状態にたわませるガイドと、ガイドと固定され、ガイドの一端が搬送路上に突出するよう回動可能なアクチュエータと、搬送路に沿って搬送される凸な状態にたわんだ用紙を圧接して折り曲げる折曲部と、アクチュエータの回動の制御を行う制御部とを備え、制御部は、搬送に伴い、用紙がガイド内側の形状に沿って密着又は略密着する状態となるのに応じて、アクチュエータを、ガイドが搬送路から退避するよう回動させる、用紙自動折り装置である。
【0009】
本発明の第2の観点は、上記に記載の用紙自動折り装置と、用紙自動折り装置と通信可能に接続され、用紙の長さを用紙自動折り装置に通知する印字装置
を備える用紙自動折りシステムである。
【0010】
本発明の第3の観点は、搬送路を搬送される長方形の用紙を搬送方向にたわませるガイドの一端を搬送路上に突出させることで用紙を凸な状態にたわませ、搬送に伴い、用紙がガイド内側の形状に沿って密着又は略密着する状態となるのに応じて、ガイドを搬送路から退避させ、搬送路に沿って搬送される凸な状態にたわませられた用紙を圧接して折り曲げる、用紙自動折り方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用紙を機械的に折り曲げる時に、複数のアクチュエータおよび複数のセンサを用いる必要がなく、小型で、製作コストが安く、レジスタ装置への後付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一の実施形態に係る用紙自動折り装置の構成図である。
図2】第一の実施形態に係る用紙自動折り装置のカールガイドとペーパガイドの位置関係を示す図である。
図3】第一の実施形態に係る制御部の内部ブロック構成図である。
図4】第一の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示すフロー図である。
図5】第一の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示す図である。
図6】第一の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示す図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係る用紙自動折り装置の構成図である。
図8】第二の実施形態に係る制御部の内部ブロック構成図である。
図9】第二の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示すフロー図である。
図10】本発明の第三の実施形態に係る用紙自動折り装置の構成図である。
図11】第三の実施形態に係る制御部の内部ブロック構成図である。
図12】第三の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示すフロー図である。
図13】本発明の第四の実施形態に係る用紙自動折り装置の構成図である。
図14】第四の実施形態に係る制御部の内部ブロック構成図である。
図15】第四の実施形態に係る用紙自動折り装置の動作を示すフロー図である。
図16】本発明の第五の実施形態に係る用紙自動折り装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を模式的に表している。更に以下に記載される実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
<第一の実施形態>
本発明の第一の実施形態に係る用紙自動折りシステム100は、図1に示すように、用紙自動折り装置10とレジスタ装置22を備えている。用紙自動折り装置10は、製造時からレジスタ装置22の一部として構成されていてもよい。又、市場に流通するレジスタ装置22に対して後付可能に、個別に製造されてもよい。
【0014】
レジスタ装置22は、例えばPOS(point of sale)システムの一部を成すよう構成されており、バーコード読み取り端末、決済処理部、印字部および切断部(何れも図1には不図示)を有する。決済処理部は、バーコード読み取り端末等を介して顧客の商品購入情報を入力された際に決済処理を行うこととする。印字部は、決済処理の内容をレシート用紙11に印字することとする。印字部は、通常、レシート用紙11の長手方向に対し垂直方向に決済情報を印字することとする。このレシート用紙11は通常円筒形状に沿ってロール状に巻かれた状態でレジスタ装置22内に格納されていることとする。切断部は、印字部による決済情報の印字終了後に、最終印字箇所より所定の間隔を空けて、レシート用紙11を所定の長さに切断することとする。
(用紙自動折り装置)
用紙自動折り装置10は、搬送ローラ12aおよび12b、制御部13、搬送ガイド14、搬送ローラ15、羽根車16、カールガイド17、アクチュエータ18、突き当てガイド19、ペーパガイド20、搬送ローラ21を備えている。
【0015】
搬送ガイド14は、レシート用紙11を搬送する搬送路14aを備える。搬送ガイド14は、レジスタ装置22から搬送されてくるレシート用紙11が搬送路14aに沿って水平かつ一方向(本実施形態では紙面右から左方向)に搬出されるようガイドする。
【0016】
搬送ローラ12は、紙面垂直方向に回転軸を有する一組のローラ対12aおよび12bによって構成される。搬送ローラ12は、レジスタ装置22から搬送されてくるレシート用紙11を、搬送ガイド14に沿って用紙自動折り装置10内部へ搬送する。
【0017】
カールガイド17は、搬送方向に対して、レシート用紙11のたわみを包み込むよう、例えば、湾曲に丸みを帯びた形状に形成されており、搬送されてきたレシート用紙11の先端をこの丸みに沿わせてレシート用紙11全体をカールさせた状態で、突き当てガイド19まで導く。尚、レシート用紙11のたわみを考慮すると図1に示すような円弧状ガイドが適切であるが、これは円弧状に限られたものではなく、例えば多角形状や矩形状のガイドもこれに含まれるものとする。
【0018】
突き当てガイド19は、カールガイド17を沿って搬送されてきたレシート用紙11の先端が当接(干渉)するのに応じて、レシート用紙11の搬送を停止させる。搬送ローラ12からのレシート用紙11の搬出に伴い、突き当てガイド19にその先端を停止されたレシート用紙11は、図1に例示する如くカールガイド17に沿ってたわみ、搬出方向に対して凸な円弧を描く形状となり、最終的に、カールガイド17内側にその殆どの部分が密着(当接)する。
【0019】
ペーパガイド20は、カールガイド17の開放後に搬出方向に対して凸な円弧状にたわんだレシート用紙11を、二つに折り曲げることが可能なガイドである。尚、カールガイド17とペーパガイド20の位置関係の一例を図2に示す。図2はカールガイド17より手前(図1のカールガイド17より紙面右側)から搬送方向(紙面右から左)側を、ペーパガイド20およびカールガイド17の高さ付近から見た場合の、ペーパガイド20とカールガイド17の位置関係を示す図である。ペーパガイド20は、ある程度の強度と弾力性を備えたプラスチック等の部材を凹形状に形成したものである。ペーパガイド20は、その一端をカールガイド17と交差するように、他端を搬送ガイド14の搬送路14aと平行となるように固定される。ペーパガイド20は、その凹部にスリット部20aを有する。カールガイド17はこのスリット部20aを貫通するよう配置される。このためカールガイドの横幅はスリット部20aより狭い。ペーパガイド20の横幅は、レシート用紙11の横幅とほぼ同じか、レシート用紙11の横幅より若干狭くなるよう形成される。
【0020】
搬送ローラ15は、搬送ローラ21と共に紙面垂直方向に回転軸を有する対をなし、搬送されてくるレシート用紙11の先端からの所定長さ部分を、印字面同士が重なり合うように折り曲げる。搬送ローラ15は、その周囲、即ち周方向の全周に亘って、一端が搬送ローラ15に固定され、他端が拘束されていない弾性部材を複数有する羽根車16を備える。搬送時に、羽根車16の弾性部材は、ペーパガイド20に対して紙面下方向に圧力を加えて、レシート用紙11を内側に折り曲げる。また搬送ローラ15と搬送ローラ21は、折り曲げられたレシート用紙11を、搬送ガイド14に沿って搬出方向(用紙自動折り装置10外部)へ搬送する。
【0021】
アクチュエータ18は、カールガイド17と固定されており、紙面垂直方向を回転軸として、自身が左右に回動することで、カールガイド17に閉鎖(閉口)および開放(開口)の動作を行わせる。
【0022】
制御部13は、アクチュエータ18およびレジスタ装置22と通信可能に接続されている。制御部13は図3に示すように、印字情報受信部13a、用紙長さ算出部13b、アクチュエータ制御部13cおよび搬送ローラ制御部13dを備える。
【0023】
印字情報受信部13aは、レジスタ装置22の印字部から、印字情報および搬入時刻を受信する。尚、搬入時刻は予めレジスタ装置22から用紙自動折り装置10の所定箇所への長さおよび搬出スピードから予め計算されていてもよい。この場合、印字情報受信部13aは印字情報を受信後、予め計算された時間の経過後に、用紙自動折り装置10の所定箇所にレシート用紙11の先端が到達したと推定する。又、印字情報から求められるレシート用紙11の長さも予めレジスタ装置22で計算され、印字情報受信部13aが計算された長さのみを受信するように設定してもよい。
【0024】
用紙長さ算出部13bは、受信した印字情報からレシート用紙11の長さを算出する。例えば、行間を含め一行の縦幅4mm(ミリメータ)で、30文字の印字ができる印字設定があるとする。この場合、300文字の印字情報を印刷する場合、10行×4mmで、40mmの印字スペースが必要となる。これに店舗情報等を含むヘッダー部とフッダー部の長さ(例えば80mm)を追加し、120mmが長さとして算出される。
【0025】
アクチュエータ制御部13cは、搬入時刻と算出されたレシート用紙11の長さから、カールガイド17を開放すべきタイミングを求め、このタイミングでアクチュエータ18を回動させる制御を行う。
(用紙自動折り装置の動作)
次に用紙自動折り装置10の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
まずステップS101において、図3に示される制御部13の印字情報受信部13aが、レジスタ装置22より搬入時刻および印字情報を受信したか判定する。印字情報等を受信したと判定した場合、ステップS102において、印字情報受信部13aは、この印字情報等を受信する。
【0027】
ステップS103において、用紙長さ算出部13bは、受信した印字情報を基にレシート用紙11の長さを算出する。レシート用紙11の長さは、印字情報にヘッダー部およびフッター部を加えた長さであることが好ましい。
【0028】
ステップS104において、アクチュエータ制御部13cは、搬入時刻と算出されたレシート用紙11の長さから、カールガイド17を開放すべきタイミングを算出する。アクチュエータ制御部13cは、算出されたタイミングでアクチュエータ18を、図5に示すように、反時計回りに所定角度回動し、カールガイド17を開放する。尚、搬送時刻は印字情報受信後から数秒後等に予め設定されていてもよい。開放のタイミング制御の一例を挙げる。搬送ローラ12がレシート用紙11の先端を搬送する時刻を搬入時刻とする。この搬入時刻は、予めレジスタ装置22のレシート排出部から搬送ローラまでの距離およびレシート排出の速度から計算されているものとする。ペーパガイド20の円弧長さと突き当てガイド19の左斜面長さの合計が100mmで、レシート用紙11が毎秒10mmの速さで搬送されるとする。この場合、搬入時刻から10秒経過後に、アクチュエータ制御部13cは、図1の反時計回り方向に所定角度回動し、搬送ガイド14内部に格納される。この結果、搬出方向に凸な円弧状にたわんだレシート用紙11がペーパガイド20に搬送される。搬送されたレシート用紙11は図6に示すように、印字面を重ね合わせた状態で二つ折りとなり、搬送方向に搬送される。
【0029】
ステップS105において、アクチュエータ制御部13cは、レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出された後、カールガイド17を時計回りに所定角度回動させ図1に示す閉鎖状態に戻す。レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出されたか否かは、搬送ローラ制御部13dが保持する搬送ローラの速度と、用紙長さ算出部13bが算出したレシート用紙11の長さとを基にアクチュエータ制御部13cが判断する。
【0030】
本発明の第一の実施形態に係る用紙自動折り装置10によると、用紙を機械的に折り曲げる場合であっても、複数のアクチュエータおよび複数のセンサを用いる必要がない。これにより、用紙自動折り装置10を小型でき、更に製作コストが安く、レジスタ装置への後付けが可能となる。
<第二の実施形態>
次に第一の実施形態を基本とする第二の実施形態について説明する。以下の第二の実施形態において、第一の実施形態と同一の装置及び部等には同一の符号が付してある。
(用紙自動折り装置)
本発明の第二の実施形態に係る用紙自動折り装置30は、図示しないレジスタ装置から搬送されるレシート用紙11を折り曲げることができる。用紙自動折り装置30は、図7に示すように、搬送ローラ12a、12b、制御部33、搬送ガイド14、搬送ローラ15、羽根車16、カールガイド17、アクチュエータ18、突き当てガイド19、ペーパガイド20、搬送ローラ21およびセンサ部35を備えている。
【0031】
センサ部35は、光センサ等のレシート用紙11の搬送を検知可能なセンサである。
【0032】
制御部33は、アクチュエータ18およびセンサ部35と通信可能に接続されている。制御部33は図8に示すように、センサ情報受信部33a、用紙長さ算出部33b、アクチュエータ制御部33cおよび搬送ローラ制御部33dを備える。
【0033】
センサ情報受信部33aは、センサ部35より、レシート用紙11の検知結果を受信する。
【0034】
用紙長さ算出部33bは、センサ部35のレシート用紙11検知時刻と、搬送ローラ12の回転速度から、レシート用紙11の長さを算出する。
【0035】
アクチュエータ制御部33cは、用紙長さ算出部33bが算出したレシート用紙11の長さから、カールガイド17を開放すべきタイミングを制御する。
【0036】
その他の装置および部においては、第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
(用紙自動折り装置の動作)
次に用紙自動折り装置30の動作について図9のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まずステップS201において、図8に示される制御部33のセンサ情報受信部33aが、レシート用紙11を検知したか判定する。
【0038】
検知したと判定した場合、ステップS202において、用紙長さ算出部33bは、受信した印字情報を基にレシート用紙11の長さを算出する。レシート用紙11の長さは印字情報にヘッダー部およびフッター部を加えた長さであることが好ましい。
【0039】
ステップS203において、アクチュエータ制御部33cは、検知時刻と算出されたレシート用紙11の長さを基に、カールガイド17を開放すべきタイミングを算出し、算出されたタイミングでアクチュエータ18を反時計回りに所定角度回動させ、この結果、カールガイド17を開放させる。
【0040】
ステップS204において、アクチュエータ制御部33cは、レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出された後、アクチュエータ18を時計回りに所定角度回動させて、カールガイド17を閉鎖状態に戻す。レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出されたか否かは、搬送ローラ制御部33dが保持する搬送ローラの速度と、用紙長さ算出部33bが算出したレシート用紙11の長さからアクチュエータ制御部33cが判断する。
【0041】
本発明の第二の実施形態に係る用紙自動折り装置30によると、第一の実施形態の効果に加え、センサ部35によりレシート用紙11の搬入を検知する。これによりレジスタ装置と通信可能でない場合であっても、レシート用紙11を自動的に折り曲げることができる。
<第三の実施形態>
次に第一および二の実施形態を基本とする第三の実施形態について説明する。以下の第三の実施形態において、第一および二の実施形態と同一の装置及び部等には同一の符号が付してある。
(用紙自動折り装置)
本発明の第三の実施形態に係る用紙自動折り装置40は、通信可能に接続されるレジスタ装置22から搬送されるレシート用紙11を折り曲げる際に、複数のカールガイドから最適なものを選択して使用する。用紙自動折り装置40は、図10に示すように、搬送ローラ12a、12b、制御部43、搬送ガイド14、搬送ローラ15、羽根車16、カールガイド47aおよび47b、アクチュエータ48、突き当てガイド19、ペーパガイド20および搬送ローラ21を備えている。
【0042】
カールガイド47aおよび47bは、異なる曲率で形成された円弧状ガイド面を備える。図10において、用紙自動折り装置40はカールガイドを2つ備えているが、これはより多くの種類の曲率に形成されたカールガイドを備えていて構わない。曲率は浅いものから深いものに従って、円弧の距離が長くなるため、折り曲げるレシート用紙11の長さがより長くなることになる。
【0043】
アクチュエータ48は、カールガイド47aおよび47bと固定されており、自身が左右に回動することで、カールガイド47aおよび47bに閉鎖および開放の動作を行わせる。ここで、分離回動可能な1つのアクチュエータ48に対し複数のカールガイドを個々に回動可能に固定してもよいし、複数のアクチュエータ48に各々のカールガイドを固定してもよい。
【0044】
制御部43は、アクチュエータ48およびレジスタ装置22と通信可能に接続されている。制御部43は図11に示すように、印字情報受信部43a、用紙長さ算出部43b、アクチュエータ選択部43c、アクチュエータ制御部43dおよび搬送ローラ制御部43eを備える。
【0045】
印字情報受信部43aは、レジスタ装置22より、印字情報等を受信する。
【0046】
用紙長さ算出部43bは、受信した印字情報等からレシート用紙11の長さを算出する。
【0047】
アクチュエータ選択部43cは、用紙長さ算出部43bが算出したレシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択する。
【0048】
アクチュエータ制御部43dは、用紙長さ算出部43bが算出したレシート用紙11の長さから、カールガイド47a、47bを開放すべきタイミングを制御する。
【0049】
その他の装置および部においては、第一および二の実施形態と同様であるため説明を省略する。
(用紙自動折り装置の動作)
次に用紙自動折り装置40の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
まずステップS301において、制御部43の印字情報受信部43aが、レジスタ装置22より搬入時刻および印字情報を受信したか判定する。印字情報等を受信したと判定した場合、ステップS302において、印字情報受信部43aは、この印字情報等を受信する。
【0051】
検知したと判定した場合、ステップS303において、用紙長さ算出部43bは、受信した印字情報からレシート用紙11の長さを算出する。レシート用紙11の長さは印字情報にヘッダー部およびフッター部を加えた長さであることが好ましい。
【0052】
ステップS304において、アクチュエータ選択部43cは、用紙長さ算出部43bが算出したレシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択する。例えば、ここでは、レシート用紙11の長さが短く、曲率の低いカールガイド47aが選択されたものとして以下の説明を進める。
【0053】
ステップS305において、アクチュエータ制御部43dは、検知時刻と算出されたレシート用紙11の長さから、カールガイド47aを開放すべきタイミングを算出し、算出されたタイミングでアクチュエータ48を反時計回りに所定角度回動させ、この結果、カールガイド47aを開放させる。
【0054】
ステップS306において、アクチュエータ制御部43dは、レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出された後、アクチュエータ48を時計回りに所定角度回動させて、カールガイド47aを閉鎖状態に戻す。レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出されたか否かは、搬送ローラ制御部43eが保持する搬送ローラの速度と、用紙長さ算出部43bが算出したレシート用紙11の長さからアクチュエータ制御部43dが判断する。
【0055】
本発明の第三の実施形態に係る用紙自動折り装置40によると、第一の実施形態の効果に加え、異なる曲率で形成された円弧状ガイド面を備えるカールガイド47a、47bを備え、アクチュエータ選択部43cが、レシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択することで、適切な長さでレシート用紙11を自動的に折ることが可能となる。
<第四の実施形態>
次に第一〜三の実施形態を基本とする第四の実施形態について説明する。以下の第四の実施形態において、第一〜三の実施形態と同一の装置及び部等には同一の符号が付してある。
(用紙自動折り装置)
本発明の第四の実施形態に係る用紙自動折り装置50は、センサ部55において搬送されるレシート用紙11を検知し、レシート用紙11を折り曲げる際に、複数のカールガイドから最適なものを選択して使用するものである。用紙自動折り装置50は、図13に示すように、搬送ローラ12aおよび12b、制御部53、搬送ガイド14、搬送ローラ15、羽根車16、カールガイド47a、47b、アクチュエータ48、突き当てガイド19、ペーパガイド20、搬送ローラ21およびセンサ部55を備えている。
【0056】
制御部53は、アクチュエータ48およびセンサ部55と通信可能に接続されている。制御部53は図14に示すように、センサ情報受信部53a、用紙長さ算出部53b、アクチュエータ選択部53c、アクチュエータ制御部53dおよび搬送ローラ制御部53eを備える。
【0057】
センサ情報受信部53aは、レジスタ装置22より、センサ情報を受信する。
【0058】
用紙長さ算出部53bは、受信したセンサ情報からレシート用紙11の長さを算出する。
【0059】
アクチュエータ選択部53cは、用紙長さ算出部53bが算出したレシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択する。
【0060】
アクチュエータ制御部53dは、用紙長さ算出部53bが算出したレシート用紙11の長さから、カールガイド47a、47bを開放すべきタイミングを制御する。
【0061】
その他の装置および部においては、第一〜三の実施形態と同様であるため説明を省略する。
(用紙自動折り装置の動作)
次に用紙自動折り装置50の動作について図15のフローチャートを参照して説明する。
【0062】
まずステップS401において、制御部53のセンサ情報受信部53aが、センサ情報を検知したか判定する。
【0063】
検知したと判定した場合、ステップS402において、用紙長さ算出部53bは、受信したセンサ情報と搬送速度を基に、レシート用紙11の長さを算出する。レシート用紙11の長さはセンサ情報にヘッダー部およびフッター部を加えた長さであることが好ましい。
【0064】
ステップS403において、アクチュエータ選択部53cは、用紙長さ算出部53bが算出したレシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択する。例えば、ここでは、レシート用紙11の長さが短く、曲率の低いカールガイド47aが選択されたものとして以下の説明を進める。
【0065】
ステップS404において、アクチュエータ制御部53dは、検知時刻と算出されたレシート用紙11の長さから、カールガイド47aを開放すべきタイミングを算出し、算出されたタイミングでアクチュエータ48を反時計回りに所定角度回動させ、この結果、カールガイド47aを開放させる。
【0066】
ステップS405において、アクチュエータ制御部53dは、レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出された後、アクチュエータ48を時計回りに所定角度回動させて、カールガイド47aを閉鎖状態に戻す。レシート用紙11がペーパガイド20に向かって完全に搬出されたか否かは、搬送ローラ制御部53eが保持する搬送ローラの速度と、用紙長さ算出部53bが算出したレシート用紙11の長さからアクチュエータ制御部53dが判断する。
【0067】
本発明の第四の実施形態に係る用紙自動折り装置50によると、第二の実施形態の効果に加え、異なる曲率で形成された円弧状ガイド面を備えるカールガイド47a、47bを備え、アクチュエータ選択部53cが、レシート用紙11の長さに適したカールガイド47a、47bを選択することで、適切な長さでレシート用紙11を自動的に折ることが可能となる。
<第五の実施形態>
次に第一の実施形態を基本とする第五の実施形態について説明する。
(用紙自動折り装置)
本発明の第五の実施形態に係る用紙自動折り装置60は、図16に示すように、カールガイド60a、アクチュエータ60b、制御部60cおよび折曲部60dを備える。
【0068】
ガイド60aは、搬送路を搬送される長方形の用紙を搬送方向に凸な状態にたわませる。アクチュエータ60bは、ガイド60aと固定され、一端が搬送路上に突出するよう回動する。
【0069】
折曲部60dは、搬送路に沿って搬送される凸な状態にたわんだ用紙を圧接して折り曲げる。折曲部60dは、用紙を重ねて圧接可能な機構を備えていればよい。例えば、ソレノイド機構を用いて、上下、縦横等の2面対が圧接可能に動作する、又はそのいずれか片方の面が圧接可能に動作し、圧力により折り曲げることができる。ローラ機構を用いて、上下、縦横等のローラ対が回転等して折り曲げ可能に圧力を加える、又はそのいずれか片方のローラが回転等してもう一方の面と圧接し、圧力により折り曲げることができる。クランクローラ機構を用いて、上下、縦横等の2面対が圧接可能に摺動する、又はそのいずれか片方の面が摺動等してもう一方の面と圧接し、圧力により折り曲げる。
【0070】
制御部60cは、搬送に伴い、用紙がガイド60a内側の形状に沿って密着又は略密着する状態となるのに応じて、アクチュエータ60bを、ガイド60aが搬送路から退避するよう回動させる。
【0071】
本発明の第五の実施形態に係る用紙自動折り装置60によると、用紙を機械的に折り曲げる場合であっても、複数のアクチュエータおよび複数のセンサを用いる必要がない。これにより、用紙自動折り装置50を小型できる。更に用紙自動折り装置50の製作コストが安くなり、レジスタ装置等の用紙の自動折り曲げを必要とする他装置への後付けが可能となる。
【0072】
尚、上述した制御部13、33、43、53、60c内の各部は、機能ブロック単位のプログラムを表している。これらは実際には、制御部がIC(Integrated Circuit)チップとして用紙自動折り装置に組み込まれていたり、又は、図示しないコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、図示しないROM(Read Only Memory)や図示しないRAM(Random Access Memory)などに格納されている。図示しないICチップやコンピュータがこれらのプログラムを適宜演算処理することでこれらの機能は実行される。
【0073】
上述した実施形態においては、搬入される用紙として、レシート用紙を使用しているがこれは一例であり、用紙の排出に伴い、当該用紙の折り曲げを必要とする機構において使用されるいずれの用紙にも適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 用紙自動折り装置
11 レシート用紙
12 搬送ローラ
12a、12b 搬送ローラ対
13 制御部
13a 印字情報受信部
13b 用紙長さ算出部
13c アクチュエータ制御部
13d 搬送ローラ制御部
14 搬送ガイド
14a 搬送路
15 搬送ローラ
16 羽根車
17 カールガイド
18 アクチュエータ
19 突き当てガイド
20 ペーパガイド
21 搬送ローラ
22 レジスタ装置
30 用紙自動折り装置
33 制御部
33a センサ情報受信部
33b 算出部
33c アクチュエータ制御部
33d 搬送ローラ制御部
35 センサ部
40 用紙自動折り装置
43 制御部
43a 印字情報受信部
43b 算出部
43c アクチュエータ選択部
43d アクチュエータ制御部
43e 搬送ローラ制御部
47a カールガイド
47b カールガイド
48 アクチュエータ
50 用紙自動折り装置
53 制御部
53a センサ情報受信部
53b 算出部
53c アクチュエータ選択部
53d 搬送ローラ制御部
53e 搬送ローラ制御部
55 センサ部
60 用紙自動折り装置
60a カールガイド
60b アクチュエータ
60c 制御部
100 用紙自動折りシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16