(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外形が円筒型の缶の軸線方向両端部が封止された状態で前記缶の軸線を上下方向に向けて搬送し、前記搬送される缶に付着している水滴を除去する缶水滴除去装置であって、
前記軸線が上下方向に向いている缶の下端部底面を帯状体で支持して搬送し、前記帯状体は加圧空気が通過する通気性を有するコンベヤと、
前記コンベヤの帯状体越しに前記缶の下端部底面に加圧空気を吹き付けて当該缶の下端部底面に付着している水滴を吹き飛ばす下端部底面水滴除去部と、
前記缶の下端部外周面に加圧空気を吹き付けて当該缶の下端部外周面に付着している水滴を吹き飛ばす下端部外周面水滴除去部と、
前記軸線方向にわたって前記缶の外周面に加圧空気を吹き付けて当該缶の外周面に付着している水滴を吹き飛ばす外周面水滴除去部と
を備え、
前記下端部底面水滴除去部、下端部外周面水滴除去部、及び外周面水滴除去部は、前記缶の搬送方向上流側から前記下端部底面水滴除去部、下端部外周面水滴除去部、外周面水滴除去部の順に配置され、
前記外周面水滴除去部は、加圧空気の吹き出し口が予め設定された方向に連続する外周面エアナイフを有し、前記缶の搬送に伴って、前記外周面エアナイフの吹き出し口から吹き出される加圧空気が前記缶外周面の下方から上方に移動するように前記外周面エアナイフを配置するとともに、前記外周面エアナイフの吹き出し口から加圧空気が斜め上方向きに吹き出されるように前記外周面エアナイフを配置したことを特徴とする缶水滴除去装置。
前記下端部底面水滴除去部は、加圧空気の吹き出し口が単一の底面エアノズルを有し、前記底面エアノズルの吹き出し口から吹き出される加圧空気が前記缶の搬送方向上流側に向けて斜め上方向きに吹き出されるように前記底面エアノズルを配置したことを特徴とする請求項1に記載の缶水滴除去装置。
前記下端部外周面水滴除去部は、加圧空気の吹き出し口が予め設定された方向に連続する下端部エアナイフを有し、前記缶の搬送に伴って、前記下端部エアナイフの吹き出し口から吹き出される加圧空気が前記缶下端部外周面に連続して吹き出されるように前記下端部エアナイフを配置したことを特徴とする請求項1に記載の缶水滴除去装置。
【背景技術】
【0002】
例えば缶ビールの製造工程では、ビールが充填された缶を洗浄してからケースに収納する。例えば24缶入りのケースに缶ビールを収納する場合には、6缶ずつ、紙パックに収納されたパックを4パック収納する場合と、パックされていない缶ビールを24缶ケースに収納する場合とがある。何れの場合も、ケースへの缶ビールの収納は、ケーサーと呼ばれる同一の収納装置で行われ、紙パックに収納された6缶入りパックもパックされていない缶もステーの上面を滑らせてケースに収納する。周知のように缶ビールの缶は、外形が円筒型であり、缶は、例えば、プルタブ側が常時上向きになるように軸線を上下方向に向けて搬送される。このとき、缶の下端部底面に水滴が付着していると、パック化された紙パックの下端部底面が水分でふやけ、紙成分が収納装置のステー上面に付着する。紙パックの紙成分は、色の他に紙の繊維を含んでいるので、紙成分が収納装置のステー上面に付着すると凹凸ができ、バラバラの缶ビールを滑らせるときに缶が転倒してしまう。現状では、紙パックのケースへの収納終了後、パックされていない缶をケースに収納する前に、ステーに付着した紙成分を手作業で除去している。
【0003】
こうした不具合を回避するためには、洗浄後の缶に付着している水滴、特に缶の下端部底面に付着している水滴を除去する必要がある。このような缶水滴除去装置としては、例えば下記特許文献1に記載されるものを応用することができる。この水滴除去装置は、蓋側が上向きになるように搬送される瓶の下端部側面の水滴を除去するものであり、タイミングスクリューで間隔を空けて瓶を搬送しながら複数のエアノズルから瓶の下端部側面に加圧空気を吹き付けて水滴を吹き飛ばすようにしている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の缶水滴除去装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、この実施形態の缶水滴除去装置が適用された缶ビール製造工程を示す。この実施形態では、外形が円筒型の缶を用い、缶はプルタブ側又は開口側が常時上向きになるようにして軸線を上下方向に向けて搬送される。缶は、蓋をするまで、有底円筒型で、軸方向一端部が開口しており、その開口部を、プルタブの付いた蓋で覆う。即ち、缶は、蓋をするまで有底円筒型の底部が下向きになり、蓋をした後も、同じ底部が下向きになる。この缶の下端部底面は、周知のように、中央部が曲面状に内側に窪んでいる。また、蓋をした缶の上端部頂面も、最上端縁部より内側に窪んでいる。
【0010】
この缶ビール製造工程では、まずデパレタイザー1で蓋をしていない空缶状態の缶をライン上に供給し、次いで空缶インクジェットプリンタ(図ではIJP)で必要事項を缶底部に印刷し、空缶インクジェットプリンタチェッカー3で、必要事項が適正に印刷されているか否かの判定を行う。必要事項が適正に印刷された缶は、内面検査機4で缶内部の検査を行い、リンザー5で洗浄される。洗浄された缶にはフィラー6で内容物、つまりビールが充填され、シーマ7によって蓋が覆われる(巻締めともいう)。蓋をした缶は洗缶水滴除去装置8によって洗浄・水滴除去され、バルブモニター9を経て加温機10で常温程度に加温される。加温された缶は缶口水滴除去装置11によって上端部頂面の水滴が除去され、巻締検査機12で蓋が適正に巻締められているか検査される。蓋が適正に巻締められている缶にはシールラベラー13でシール類を貼り、入味検査機14で内容物、つまりビールが適正に封入されているか検査され、缶底水滴除去装置15で缶の下端部底面の水滴が除去される。下端部底面の水滴が除去された缶は、必要に応じてマルチパックケーサー16によって例えば6缶ずつ紙パックにパックされ、次いでケーサー17によって24缶入りのケースに収納される。ケースに収納された缶はカートン検査機18によって適正にケースに収納されていることが検査され、函内異物検査機19でケース内に異物が混入していないことが検査された後、パレタイザー20によってケースが積みつけられ搬出される。
【0011】
この実施形態の缶ビール製造工程では、
図1の缶底水滴除去装置15に本発明の缶水滴除去装置が適用されている。この缶底水滴除去装置15の説明の前に、
図1のケーサー17について説明する。
図2は、蓋巻締め後、ケーサー17によって、パックされていない缶CをケースBに収納する状態の平面図、
図3は、紙パックMでパックされた缶のパック(マルチパックともいう)PをケースBに収納する状態の平面図である。紙パックMでパックされた缶のパックPは、例えば
図4に示すように、紙パックM1個当たり6缶の缶Cをパックしている。ケースBは、例えば段ボールで形成された直方体の容器であり、開口された一面を横向きにして配置される。このケースBの開口面には、缶C又はパックPの底面をガイドするステー21が対向配置され、プッシャー22で押される缶C又はパックPはステー21の上面を滑りながらケースB内に収納される。
【0012】
図5には、展開された紙パックMの一部を示す。この紙パックMは、規格化されたものであり、図中の一点鎖線を山折りして、その山折り部よりも図の下側部分がパックPの底面をなす。この紙パックMの底面の隅部に、孔部Hが形成されている。飲料を封入する缶は、例えば
図7に示すように、軽量化と強度確保の両立のため、外周面の下端部がテーパ状にすぼまっており、このテーパ面に連続する底面は中央部が球面状に窪んでいる。紙パックMの孔部Hは、缶Cの外周面下端部のテーパ面と底面球面状の窪みの接続部に位置する。缶Cの外周面下端部のテーパ面と底面球面状の窪みの接続部は、缶Cの最下端部になるので、缶Cの外周面や底面に水滴が付着していると、それら水滴は、そのテーパ面と窪みの接続部に流れ落ちてくる。そして、その水滴が紙パックMの孔部Hの周縁部に付着すると、孔部Hの周縁部がふやけ、紙成分がケーサー17のステー21の上面に付着する。前述のように、紙成分は、紙パックの色の他に繊維が含まれているので、それが固化すると、ステー21の上面に凹凸ができる。この凹凸ができているステー21の上面に、今度はパックされていない缶Cを滑らせると、凹凸の抵抗や不安定性のために缶Cが転倒してしまう。この問題を回避するためには、缶Cの外周面や底面に付着している水滴を除去することが重要となる。
【0013】
そこで、この実施形態の缶ビール製造工程では、紙パックで缶をパックするマルチパックケーサー16の缶搬送方向上流側に缶底水滴除去装置15が配置されている。
図6は、缶底水滴除去装置15の近傍における缶Cの搬送状態を示す平面図、
図7は、
図6における缶Cの搬送状態の正面図である。この実施形態では、缶Cの外周面や底面に付着している水滴を缶底水滴除去装置15によって効率的に除去するために、缶底水滴除去装置15の缶搬送方向上流側では複列(二列)で搬送されていた缶Cを単列(一列)で搬送する。また、搬送される缶Cは、その外周面の上部と下部がガイド23でガイドされる。そのため、単列化された後の缶Cは、ガイド23に当接することで外周面の周方向一方向に回転する。
【0014】
図8は、缶底水滴除去装置15の正面図、
図9は、
図8の底面図である。缶底水滴除去装置15では、コンベヤ24の帯状体25によって缶Cの下端部底面が支持されて搬送される。帯状体25は、図示しない駆動源によって回転駆動され、
図8の右から左へ缶Cを搬送する。この缶底水滴除去装置15は、缶搬送上流側から、缶Cの下端部底面に付着している水滴を吹き飛ばす下端部底面水滴除去部26、缶Cの下端部外周面に付着している水滴を吹き飛ばす下端部外周面水滴除去部27、缶Cの外周面に付着している水滴を吹き飛ばす外周面水滴除去部28が順に形成されている。下端部底面水滴除去部26は、コンベヤ24の帯状体25越しに缶Cの下端部底面に加圧空気を吹き付けて缶Cの下端部底面に付着している水滴を吹き飛ばす。下端部外周面水滴除去部27は、缶Cの下端部外周面に加圧空気を吹き付けて缶Cの下端部外周面に付着している水滴を吹き飛ばす。外周面水滴除去部28は、軸線方向にわたって缶Cの外周面に加圧空気を吹き付けて缶Cの外周面に付着している水滴を吹き飛ばす。
【0015】
下端部底面水滴除去部26では、コンベヤ24の帯状体25越しに加圧空気を吹き付けて缶Cの下端部底面に付着している水滴を吹き飛ばすために、この実施形態の帯状体25は加圧空気が通過する通気性を有する。
図10aは、この実施形態で用いられたコンベヤ24の帯状体25の平面図、
図10bは、その正面図である。この帯状体25は、樹脂製のコマ29を互いに回転可能にピン30で連結して帯状に形成されたものであり、コマ29同士が回転することで可撓性を有する。この帯状体25のうち、図に網掛けされている部分がコマ29で、白抜き状態の部分は孔部31である(椿本チェイン製:開口率53%)。従って、この孔部31を通じて加圧空気が通過し、缶Cの下端部底面に吹き付けられる。
【0016】
図11は、
図8の下端部底面水滴除去部26の右側面図である。下端部底面水滴除去部26は、加圧空気の吹き出し口32が単一の底面エアノズル33を備える。この底面エアノズル33には、図示しない加圧空気の供給配管が接続される。そして、この底面エアノズル33の吹き出し口32から吹き出される加圧空気が缶搬送方向上流側に向けて斜め上方向きに吹き出されるように底面エアノズル33を配置している。前述したように、缶Cの底面は中央部が曲面状に窪んでおり、この窪みに付着した水滴を加圧空気で吹き飛ばすためには加圧空気の吹き付け速度が重要である。そこで、底面エアノズル33の吹き立ち口32から吹き出される加圧空気を缶搬送方向上流側に向けることで、加圧空気の吹き出し速度に加えて缶搬送速度が加味され、加圧空気の吹き付け速度が大きくなる。また、加圧空気の吹き付け方向を缶搬送方向上流側に向けることで、缶Cの下端部底面から吹き飛ばされた水滴が、既に下端部底面水滴除去部26を通過した缶Cに再付着するのを回避することもできる。
【0017】
図12は、
図8の下端部外周面水滴除去部27の右側面図、
図13は、
図8の外周面水滴除去部28の右側面図である。このうち、下端部外周面水滴除去部27は下端部エアナイフ34、外周面水滴除去部28は外周面エアナイフ35という加圧空気吹き出し機構を備える。この実施形態における下端部エアナイフ34、外周面エアナイフ35は、同じ構成である。
図14aには、下端部エアナイフ34及び外周面エアナイフ35の正面図を、
図14bには、その右側面図を示す。このエアナイフ34、35は、例えば金属製の板材を凡そ断面形状で7角形に折り曲げてパイプ36を形成し、板材の折り曲げ方向両端部をフランジ状に突き出して接合し、その接合部に僅かに隙間を設けて加圧空気の吹き出し口37とする。このパイプ36の軸線方向一端部を蓋部材38で閉塞し、他端部には個別の円筒パイプ39を気密に接続する。この円筒パイプ39に図示しない加圧空気の供給配管を接続すれば、吹き出し口37から加圧空気が一連に連続して吹き出す。つまり、このエアナイフ34、35は、加圧空気の吹き出し口37が予め設定された方向に連続している。
【0018】
下端部外周面水滴除去部27の下端部エアナイフ34は、缶搬送方向の両側方において、吹き出し口37を缶Cの下端部外周面に向けて、全体を缶搬送方向と平行に配置している。即ち、缶Cの搬送に伴って、吹き出し口37から吹き出される加圧空気が缶Cの下端部外周面に連続して吹き出されるように下端部エアナイフ34を配置している。また、下端部エアナイフ34の吹き出し口37から加圧空気が斜め下方向きに吹き出されるように下端部エアナイフ34を配置している。前述したように、飲料を封入する缶Cは外周面の下端部がテーパ状にすぼまっている。この外周面下端部テーパ面に付着している水滴、場合によっては下端部底面水滴除去部26で吹き飛ばされて外周面下端部テーパ面に再付着した水滴に対し、下端部エアナイフ34の吹き出し口37から吹き出される加圧空気が缶Cの搬送に伴って缶Cの外周面下端部に連続して吹き付けられ、且つ吹き出し口37から吹き出される加圧空気が斜め下方向きに缶Cの外周面下端部に吹き付けられることで、水滴は缶Cの最下端部から離間するように吹き飛び、これにより缶Cの外周面下端部に付着している水滴を効果的に除去することができる。
【0019】
一方、外周面水滴除去部28の外周面エアナイフ35は、缶搬送方向両側方において、吹き出し口37を缶Cの外周面に向けて、缶搬送方向上流側が下方、缶搬送方向下流側が上方になるように本体を斜めに配置している。即ち、缶Cの搬送に伴って、吹き出し口37から吹き出される加圧空気が缶Cの外周面の下方から上方に移動し、その結果、缶Cの軸線方向にわたって缶Cの外周面に加圧空気が吹き付けられる。また、外周面エアナイフ35の吹き出し口37から加圧空気が斜め上方向きに吹き出されるように外周面エアナイフ35を配置している。従って、缶Cの外周面に付着している水滴、場合によっては下端部底面水滴除去部26や下端部外周面水滴除去部27で缶Cの下端部底面や下端部外周面から再付着した水滴は、缶Cの外周面から上向きに吹き飛ばされたり、缶Cの外周面の下方から上方に移動するように吹き飛ばされたりし、これにより缶Cの外周面に付着している水滴を効果的に除去することができる。
【0020】
図15は、内容物、即ちビールが封入され且つ缶底水滴除去装置15に搬送される前の缶Cの断面図であり、この状態では、缶Cの底面や外周面に水滴Dが付着している。
図16は、下端部底面水滴除去部26における缶Cの断面図であり、缶Cの下端部底面に吹き付けられる加圧空気で缶Cの曲面状に窪んだ下端部底面の水滴Dが窪みから飛び散るように吹き飛ばされ、缶Cの下端部底面の水滴Dが効率よく除去される。
図17は、下端部外周面水滴除去部27における缶Cの断面図であり、缶Cの下端部外周面に下方向きに吹き付けられる加圧空気で缶Cのテーパ状にすぼまった下端部外周面の水滴Dがテーパ面及び底面から離間するように吹き飛ばされ、缶Cの下端部外周面の水滴Dが効率よく除去される。
図18は、外周面水滴除去部28における缶Cの断面図であり、缶Cの側面の下方から上方の順に上向きに吹き付けられる加圧空気で缶Cの外周面の水滴Dが上向きに吹き飛ばされたり、下方から上方に移動するように吹き飛ばされたりし、缶Cの外周面の水滴Dが効率よく除去される。
【0021】
この実施形態における缶底水滴除去装置15に搬送される前と後で、350mLの缶1缶当たりの水滴重量を比較すると、装置前の176mg/缶に対し、装置後では56mg/缶と、水滴の付着量を1/3以下に低減することができた。また、その結果、ケーサー17のステー21には、紙パックMの紙繊維が付着することがなくなり、缶底水滴除去装置15の導入以前に行っていた紙繊維除去の作業が皆無となった。なお、この効果には、缶底水滴除去装置15内で、缶Cが外周面に沿って周方向一方向に回転していることも関与していると考えられる。
【0022】
このように、この実施形態の缶水滴除去装置では、軸線が上下方向に向いている缶Cの下端部底面をコンベヤ24の帯状体25で支持して搬送する。この帯状体25は、加圧空気が通過する通気性を有する。そのため、下端部底面水滴除去部26では、コンベヤ24の帯状体25越しに加圧空気を吹き付けて缶Cの下端部底面に付着している水滴を吹き飛ばす。また、下端部外周面水滴除去部27では、缶Cの下端部外周面に加圧空気を吹き付けて缶Cの下端部外周面に付着している水滴を吹き飛ばす。また、外周面水滴除去部28では、軸線方向にわたって缶Cの外周面に加圧空気を吹き付けて缶Cの外周面に付着している水滴を吹き飛ばす。その結果、軸線が上下方向に向いている缶Cの下端部底面を含め、缶Cに付着している水滴を除去することができる。
【0023】
また、缶Cの搬送方向上流側から下端部底面水滴除去部26、下端部外周面水滴除去部27、外周面水滴除去部28の順に配置することにより、軸線が上下方向に向いている缶Cの下端部底面から効果的に水滴を除去することができる。
また、下端部底面水滴除去部26に設けられた底面エアノズル33は、加圧空気の吹き出し口32が単一であり、その吹き出し口32から吹き出される加圧空気が缶Cの搬送方向上流側に向けて斜め上方向きに吹き出されるように底面エアノズル33を配置する。これにより、底面エアノズル33の吹き出し口32から吹き出される加圧空気の速度に缶Cの搬送速度が加味されて効果的に水滴を吹き飛ばすことができると共に、下端部底面水滴除去部26を通過した缶に下端部底面水滴除去部26で吹き飛ばした水滴が付着するのを回避することができ、より効果的に缶Cの下端部底面に付着している水滴を除去することができる。
【0024】
また、下端部外周面水滴除去部27に設けられた下端部エアナイフ34は、加圧空気の吹き出し口37が予め設定された方向に連続し、その吹き出し口37から吹き出される加圧空気が缶Cの搬送に伴って缶Cの下端部外周面に連続して吹き出されるように下端部エアナイフ34を配置する。これにより、缶Cの下端部外周面に付着している水滴は、缶Cの下端部底面から離間するように吹き飛ばされ、缶下端部底面への新たな水滴の付着を回避して、より効果的に缶Cの下端部底面に付着している水滴を除去することができる。
また、下端部エアナイフ34の吹き出し口37から加圧空気が斜め下方向きに吹き出されるように下端部エアナイフ34を配置することにより、缶Cの下端部外周面に付着している水滴は、より効果的に缶Cの下端部底面から離間するように吹き飛ばされ、更に効果的に缶Cの下端部底面に付着している水滴を除去することができる。
【0025】
また、外周面水滴除去部28に設けられた外周面エアナイフ35は、加圧空気の吹き出し口37が予め設定された方向に連続し、その吹き出し口37から吹き出される加圧空気が缶Cの搬送に伴って外周面の下方から上方に移動するように外周面エアナイフ35を配置する。これにより、缶Cの外周面に付着している水滴は、缶外周面から上向きに吹き飛ばされたり、缶外周面の下方から上方に移動するように吹き飛ばされたりすることで、缶下端部底面への新たな水滴の付着を回避して、より効果的に缶Cの下端部底面に付着している水滴を除去することができる。
また、外周面エアナイフ35の吹き出し口37から加圧空気が斜め上方向きに吹き出されるように外周面エアナイフ35を配置することにより、缶Cの外周面に付着している水滴は、より効果的に缶外周面から上向きに吹き飛ばされたり、缶外周面の下方から上方に移動するように吹き飛ばされたりし、更に効果的に缶Cの下端部底面に付着している水滴を除去することができる。