(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凹所外周部の底面から立ち上がる凹壁面から前記凹所開口外周部までに開口面積が広がる方向に傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のベース板。
前記凹所外周部との境となる凹所中央部の外周側面に、周方向に凹凸とする凹所中央外周凹部及び凹所中央外周凸部のいずれか一方または両方が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のベース板。
前記凹所外周部の窪みの深さと凹所中央部の窪みの深さの差が0.0mmよりも大きく0.4mmよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のベース板。
一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材の外周部に対面する、前記一方の実装面の位置に環状の溝部を備え、前記環状の溝部の溝内周縁及び溝外周縁において、周方向に凹凸とする複数の開口外周凹部及び複数の開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成されている前記溝部に設けた前記接合材を介して前記被接合部材が接合されることを特徴とするベース板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のベース板及び半導体装置では、以下に示すような問題点が存在した。
従来の応力緩和を目的とした特許文献1、2では、半導体素子が位置ずれを発生することが避けられない。また、特許文献3では、凹所及び凸所を互いに嵌め合わせる部分における応力増加が避けられない。さらに、特許文献4では、ダイオードを設置する窪み端部での応力増加が発生することに対応できない。したがって、前記のような従来のベース板及び半導体装置では、応力緩和効果と位置ずれの防止を両立することはできていないのが現状である。
【0009】
本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたもので、被接合部材の位置ずれを防止することができると共に、半導体素子等の被接合部材が発熱することによって生じる応力が緩和できるベース板及びそのベース板を用いた半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するために本発明に係るベース板及び半導体装置では、以下のような構成とした。すなわち、ベース板は、一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材が接合される前記実装面の接合位置に、前記接合材を介して前記被接合部材を接合するための凹所を備え、前記凹所は、凹所開口面積が前記被接合部材よりも大きく、前記被接合部材の外周縁が対面する凹所外周部において凹所中央部よりも窪みの深さが深くなり、
前記凹所は、平面視が矩形に形成され、その矩形の角及び辺に、凹所開口外周部を周方向に凹凸とする開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成されているように構成した。
また、一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材が接合される前記実装面の接合位置に、前記接合材を介して前記被接合部材を接合するための凹所を備え、前記凹所は、凹所開口面積が前記被接合部材よりも大きく、前記被接合部材の外周縁が対面する凹所外周部において凹所中央部よりも窪みの深さが深くなり、前記凹所は、複数設けられ、前記凹所の凹所開口外周部を周方向に凹凸とする開口外周凹部及び開口外周凸部が形成され、一方の前記開口外周凹部と、他の前記開口外周凸部とが互い違いになるように前記凹所開口外周部が隣り合うように設けられた構成としてもよい。
【0011】
かかる構成により、ベース板は、半導体素子あるいは絶縁基板を設けた半導体素子である被接合部材の外周を、前記凹所の凹所外周部に対面するようにして接合材を介して設けることができる。そのため、ベース板では、被接合部材の接合時に接合材が溶融して液状になっても凹所内に接合材が止まり、被接合部材の位置ずれが発生し難い状態となる。また、ベース板では、被接合部材が接合材で接合された後に、実際に使用されたときに被接合部材である例えば半導体素子が導通して動作することで熱を発生した場合、当該熱による応力が部材間に発生しても、凹所外周部が凹所中央部よりも深く形成されている分、応力を吸収することができる。
【0012】
ま
た、ベース板の被接合部材が例えば半導体素子であり導通して動作して熱が発生したときに、凹所外周部の深さ方向の接合材と、開口外周凹部、開口外周凸部となる凹凸まで充填された接合材とが、当該熱により部材間に発生する応力を吸収する。したがって、ベース板では、被接合部材が接合時に移動する(ずれる)ことがあっても、その移動した位置において開口外周凸部が被接合部材の外周縁より外側に位置することで応力にも対応することが可能となる。
【0013】
また
、ベース板は、被接合部材よりも大きな面積となる凹所を設ける構成としても、一方の凹所開口外周部の開口外周凹凸部の凹と他方の凹所開口外周部の開口外周凹凸部の凸とを交互に近接させた状態で対向することができるので、凹所のスペースが効率よく形成することができる。
【0014】
そして、ベース板において、前記凹所外周部と前記凹所中央部との底面が傾斜面で接続されていることや、あるいは、前記凹所外周部の縦断面形状が前記凹所中央部まで曲線となるように形成されていることや、さらには、前記凹所外周部の底面から立ち上がる凹壁面から前記凹所開口外周部までに開口面積が広がる方向に傾斜面が形成された、いずれであっても、あるいは傾斜面で曲線のように組合せた構成であっても構わない。
【0015】
かかる構成により、ベース板は、被接合部材の外周側に大きくかかる応力を、凹所外周部を中心として吸収し、凹所の傾斜面の部分あるいは曲線の部分があることで、接合材にかかる応力の伝達をスムーズにして、接合材での応力緩和をより行い易くすることができる。
【0016】
また、前記したベース板は、凹所外周部の窪みの深さと凹所中央部の窪みの深さの差が0.0mmよりも大きく0.4mmよりも小さい構成とすることが望ましい。
さらに、前記ベース板において、前記凹所外周部との境となる凹所中央外周面に、周方向に凹凸とする凹所中央外周凹部及び凹所中央外周凸部のいずれか一方または両方が形成されている構成としても構わない。
【0017】
また、本発明に係るベース板は、一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材が接合される前記実装面の接合位置に、前記接合材を介して前記被接合部材を接合するための凹所を備え、前記凹所は、凹所開口面積が前記被接合部材よりも大きく、
前記凹所は、平面視が矩形に形成され、その矩形の角及び辺に、凹所開口外周部を周方向に凹凸とする開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成されている構成としても構わない。また、
一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材が接合される前記実装面の接合位置に、前記接合材を介して前記被接合部材を接合するための凹所を備え、前記凹所は、凹所開口面積が前記被接合部材よりも大きく、前記凹所は、凹所開口外周部を周方向に凹凸とする開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成され、前記凹所は、複数設けられ、前記凹所の凹所開口外周部を周方向に凹凸とする開口外周凹部及び開口外周凸部が形成され、一方の前記開口外周凹部と、他の前記開口外周凸部とが互い違いになるように前記凹所開口外周部が隣り合うように設けられた構成としてもよい。
【0018】
かかる構成により、ベース板は、凹所に開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成されているため、半導体素子等の被接合部材の接合時に被接合部材の位置ずれを防止することができると共に、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を緩和することができる。
【0020】
かかる構成により、ベース板は、被接合部材である例えばチップについて予め設定された位置ずれ量よりも、凸面部の面積と被接合部材の面積との差が大きくなるようにすることで、被接合部材が動作時に発熱により発生する応力を緩和する。
【0021】
また、本発明に係るベース板は、一方の実装面に、被接合部材が接合材を介して接合されるベース板であって、前記被接合部材の外周部に対面する、前記一方の実装面の位置に環状の溝部を備え、
前記環状の溝部の溝内周縁及び溝外周縁において、周方向に凹凸とする複数の開口外周凹部及び複数の開口外周凸部のいずれか一方または両方が形成されている前記溝部に設けた前記接合材を介して前記被接合部材が接合されるように構成してもよい。
【0022】
かかる構成により、ベース板は、被接合部材である例えばチップについて予め設定された位置ずれ量よりも広い溝幅とする溝部にすることで、被接合部材が動作時に発熱により発生する応力を緩和する。
【0023】
本発明に係る半導体装置は、被接合部材が接合材を介して設けられたベース板と、前記ベース板が設けられた絶縁性部材と、前記絶縁性部材が設けられた放熱性部材と、を有する半導体装置であって、前記した構成のいずれかのベース板を用いたこととした。または、半導体装置は、被接合部材を備える絶縁性部材と、前記絶縁性部材が接合材を介して設けられたベース板と、前記ベース板が設けられた放熱性部材と、を有する半導体装置であって、前記した構成のいずれかのベース板を用いたこととした。
かかる構成により、半導体装置は、被接合部材の接合時の位置ずれを接合材が凹所に設けられていることで防ぎ、かつ、被接合部材が導通して動作するときに熱を発生して応力が部材間にかかっても、その応力を凹所中央部よりも深く形成した凹所外周部の接合材により吸収することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るベース板及び半導体装置は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
ベース板は、半導体素子等の被接合部材の接合時に被接合部材の位置ずれを防止することができると共に、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、凹所中央部より凹所外周部の窪みの深さを大きくすることで緩和することができる。
【0025】
ベース板は、凹所の外周縁となる位置に、開口外周凹部あるいは開口外周凸部またはその両方を形成することで、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、さらに吸収することが可能となる。
ベース板は、凹所を複数形成し、一方の前記開口外周凹部と、他の前記開口外周凸部とが互い違いになるように前記凹所開口外周部が隣り合うように配置しているため、実装密度を高めることができる。
ベース板は、凹所の凹所中央部及び凹所外周部の連続する底あるいは縦断面形状にした凹所の一部に傾斜面や、曲線部分があることで、接合材に係る応力を効率よく吸収することが可能となる。
【0026】
ベース板は、凹所中央部の外周側面に凹所中央外周凸部あるいは凹所中央外周凹部の一方または両方を形成することでも、被接合部材の位置ずれを防止することができると共に、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、緩和することができる。
【0027】
なお、ベース板は、開口外周凹部あるいは開口外周凸部の一方または両方を設けることで、例えば、凹所の深さは一定としても、開口外周に凹部あるいは凸部がない構成と比較して、例えば、ハンダのミーゼス応力に優位な差がある。したがって、ベース板は、被接合部材の位置ずれを防止し、かつ、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、緩和することができる。
【0028】
半導体装置は、凹所を備えるベース板を使用することで、被接合部材の接合時の位置ずれを防止し、接合後に被接合部材が動作に伴い熱を発生して応力が部材間にかかっても、その応力を凹所外周部の接合材により吸収することができる。したがって、半導体装置の製造時の歩留まりを向上し、かつ、使用寿命を延ばすことができる。
また、ベース板は、一方の実装面に被接合部材の投影面積よりも面積の小さな凸面部を設け、その凸面部に接合材を介して被接合部材を実装することで、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、緩和することができる。
さらに、ベース板は、一方の実装面に被接合部材の外周部に対面する位置に環状の溝部を設け、その溝部の範囲内に被接合部材の外周部を位置させることで、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、緩和することができる。
また、半導体装置は、一方の実装面に凹面部あるいは環状の溝部を備えるベース板を使用することで、被接合部材の接合後に被接合部材が動作に伴い熱を発生して応力が部材間にかかっても、その応力を被接合部材の外周部に対面する位置の接合材により吸収することができる。したがって、半導体装置の製造時の歩留まりを向上し、かつ、使用寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係るベース板及び半導体装置について、図面を参照して説明する。なお、ベース板の板厚や凹所の構成等、部材間の寸法等について、分かり易くするために部分的に誇張して記載されている場合がある。
【0031】
(ベース板)
図1(a)、(b)に示すように、ベース板1は、一方の実装面に被接合部材Wを接合するように設けられるとともに、被接合部材から伝わった熱を放熱させる部材である。このベース板1は、平面視矩形状に形成された板本体2と、この板本体2の被接合部材Wの接合位置に設けた凹所3と、を備えている。例えば、ベース板1は、被接合部材Wを、ハンダペーストなどの接合材S(
図13及び
図14参照)を介して支持固定し、外部配線との接続を行うリードフレームや、発熱体の発する熱を放熱するヒートシンクとして使用されるものである。また、ベース板1とは発熱体とヒートシンクとの間で熱の伝導路となる介在板であっても構わない。そして、ベース板1は、その材質について、例えば、銅やアルミニウム、またはこれらの合金、セラミックなど、熱伝導性の高い材料を使用することが好ましいが特に限定されるものではない。
【0032】
(ベース板の凹所)
凹所3は、接合材Sを介して被接合部材Wが接合される部分である。この凹所3は、接合される被接合部材Wよりも大きな凹所開口面積となるように設けられている。そして、凹所3は、中央側に形成された凹所中央部4と、この凹所中央部4に連続してその外側に形成された凹所外周部5とを備えている。凹所中央部4と凹所外周部5とは底面側が段状に連続するよう形成されている。そして、凹所外周部5は、開口上端から底面までの窪み深さD2が、凹所中央部4の窪みの深さD1より深くなるように形成されている。また、凹所外周部5は、接合される被接合部材Wの外周縁Wpが対面する位置となるように形成されている。凹所外周部5の凹所開口外周部6は、ここでは平面視が矩形(長方形あるいは正方形)となるように形成されている。そして、凹所中央部4は、その面積サイズが、放熱性、及び被接合部材Wの接合するときの傾きを防止する観点から、被接合部材Wの接合面の面積の50%以上〜100%未満のとなるように構成されている。
【0033】
つまり、
図2(a)、(b)で示すように、凹所3では、被接合部材Wの外周縁Wpの位置が凹所外周部5の内側壁面と略同位置(被接合部材Wの当接面の面積と凹所中央部4の面積が略同等)から凹所外周部5の外側壁面の内側位置までの間(被接合部材Wの接合面の面積の50%と凹所中央部4の面積とが同等)になるように構成されている。凹所3の構成を前記したようにすることで凹所内に被接合部材を収めることができるため、接合材Sの溶融による位置ずれが抑制される。このとき、
図2(b)に示すように、ベース板1では、凹所3の一辺の長さL1、L2が被接合部材Wの一辺の長さW1、W2よりも長ければ、特に制限されない。ただし、ベース板1では、放熱性や高密度実装、後工程となるワイヤーボンディングなどにおける(位置ずれによる)歩留まりの観点から、凹所3の一辺の長さL1、L2と凹所3に設置する被接合部材Wの一辺の長さW1、W2の差は小さいほうが好ましく、1mm以下であることが望ましい。
【0034】
なお、従来構造において、発熱体である被接合部材Wとベース板(放熱体)1との間のハンダ(接合材S)の応力は、被接合部材Wの端部において大きくなることが知られている。そのため、ベース板1では、
図1(b)に示すように、凹所外周部5の窪み深さD2が凹所中央部4の窪み深さD1よりも深くなるように設けられ、凹所中央部4の窪み深さD1となる位置の面積サイズが、発熱体のサイズよりも小さくなるように形成されている。したがって、ベース板1では、凹所外周部5の窪みにより、緩衝材となる接合材S(例えば、ハンダ)の量が外周部分で多くなることから応力緩和効果が中央よりも発現し易くなる。
なお、凹所3は、例えば、金型を用いたプレス加工、または切削加工、エッチング等により凹所中央部4及び凹所外周部5の形状となるように加工することができるが、加工にあたってその加工法は特に限定さるものではない。また、ベース板1の大きさ、形状及び厚みは、使用される用途や被接合部材Wの種類に対応するように予め設定されることになる。
【0035】
ベース板1では、凹所3内にハンダ等の接合材Sを充填して被接合部材Wを接合すると、加熱されて溶融した接合材Sは凹所3内にある。したがって、接合材Sが接合時に加熱されて液状化したときに、その液状化に伴う被接合部材Wの位置ずれを最小限に抑制することが可能となる。また、ベース板1に接合材Sを介して被接合部材Wが接合され、図示しない基板等に実装されて動作するときに、被接合部材Wは、発熱して応力が部材間に発生する。このとき、被接合部材Wの外周縁Wpは、凹所外周部5に対面した状態で接合されているので、凹所外周部5に充填されている接合材Sにより、その応力が緩和されることになる。
【0036】
つぎに、
図3を参照して、ベース板11の他の構成について説明する。なお、既に説明した構成は同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図3(a)に示すように、ベース板11は、板本体2と、この板本体2の被接合部材Wの接合位置に設けた凹所13と、を備えている。
凹所13は、凹所中央部4と、この凹所中央部4の外周に設けた凹所外周部15とを備えている。そして、凹所中央部4と凹所外周部15とは、段差を介して底面が連続するように形成されている。また、凹所外周部15は、凹所開口外周部16が周方向に凹凸となるように開口外周凹部16a及び開口外周凸部16bが形成されている。なお、開口外周凹部16a及び開口外周凸部16bは、その窪み深さが、凹所外周部15と同じ窪み深さに形成されている。
【0037】
開口外周凹部16aは、凹所開口外周部16から内側に凹状に形成される部分である。開口外周凹部16aは、
図4(a)に示すように、被接合部材Wの外周縁Wpよりも外側になるように形成されている。凹所開口外周部16は、ここでは、開口外周凹部16aがその凹所の一辺に2つ形成される一例として説明する。なお、凹所開口外周部16は、開口外周凹部16aがその凹所の一辺に2つ形成されることで、開口外周凹部16a以外の部分を開口外周凸部16bとしてもよい。また、凹所開口外周部16は、
図3(a)に示すように、開口外周凸部16bを四隅と、辺中央にそれぞれ設けることで、開口外周凸部16b以外の部分に開口外周凹部16aを設ける構成としても構わない。さらに、開口外周凹部16aは、凹所の一辺に少なくとも2か所以上設けられることで、その開口外周凹部16a以外の部分を開口外周凸部16bとして形成されることとしてもよい。
【0038】
開口外周凹部16aと開口外周凸部16bとは、凹所3内での被接合部材Wの微小な位置ずれが発生した際、ずれた方向では被接合部材Wと凹所開口外周部16との距離が近くなり、本来応力に対応するためのハンダ量が減少することになる。しかし、ベース板11では、例えば、被接合部材Wがスライドしてその一辺が凹所13の凹所開口外周部16のいずれか一辺側に近接した場合、開口外周凹部16aあるいは開口外周凸部16bがあることで、接合材Sに係る応力が分散して緩和し易くなる。
【0039】
なお、
図1乃至
図4で示すベース板1の凹所中央部4及び凹所外周部5あるいはベース板11の凹所中央部4及び凹所外周部15では、縦断面における窪み形状が矩形として形成される構成として説明したが、
図5(a)〜(e)に示すような窪み形状としても構わない。なお、
図5(a)〜(e)では、
図1(a)のベース板1の他の構成として紙面左側において実線でベース板1A〜1Eまでを示すと共に、ベース板11の他の構成として仮想線と併せて紙面右側において凹所開口外周部16A〜16Eの部分を示してベース板11A〜11Eについても説明する。また、ベース板11A〜11Eにおいて凹所開口外周部16A〜16Eの平面視形状は、
図4(a)と同じ形状であるとして説明する。
【0040】
図5(a)の紙面左側に示すように、ベース板1Aとして、凹所外周部5Aの底面から凹所開口外周部6A及び凹所中央部4Aの底面まで立ち上がる壁面を傾斜面7A,8Aとして形成するように構成しても構わない。なお、
図5(a)の紙面右側に示すように、ベース板11Aとして、凹所開口外周部16Aに凹凸(
図4(a)の開口外周凹部16a、開口外周凸部16b参照)が形成されている場合にも傾斜面17A、18Aが形成されている構成としてもよい。
【0041】
また、
図5(b)の紙面左側に示すように、ベース板1Bとして、凹所外周部5Bの底面から凹所中央部4Bの底面まで立ち上がる壁面を緩やかな(45度以下)傾斜面8Bとして形成するように構成しても構わない。なお、
図5(b)の紙面右側に示すように、ベース板11Bとして、凹所開口外周部16Bに凹凸(
図4(a)の開口外周凹部16a、開口外周凸部16b参照)が形成されている場合にも緩やかな傾斜面18Bが形成されている構成としてもよい。
【0042】
さらに、
図5(c)の紙面左側に示すように、ベース板1Cとして、凹所外周部5Cの底面から凹所中央部4Cの底面まで立ち上がる壁面を緩やかな(45度以下)傾斜面8Cとして形成する共に、凹所外周部5Cの底面から垂直に立ち上げた壁面7Cを凹所開口外周部6Cが広がる方向に傾斜した傾斜面9Cを形成するように構成しても構わない。なお、
図5(c)の紙面右側に示すように、ベース板11Cとして、傾斜面18Cと、凹所開口外周部16Cに凹凸(
図4(a)の開口外周凹部16a、開口外周凸部16b参照)が形成されている場合にも、底面から垂直に立ち上げた壁面17Cを凹所開口外周部16Cが広がる方向に傾斜した傾斜面19Cを形成するように構成しても構わない。
【0043】
そして、
図5(d)の紙面左側に示すように、ベース板1Dとして、凹所外周部5Dの底面から凹所開口外周部6D及び凹所中央部4Dの底面まで曲線的に立ち上げて垂直な壁面7D、8Dを形成するように構成しても構わない。なお、
図5(d)の紙面右側に示すように、ベース板11Dとして、凹所開口外周部16Dに凹凸(
図4(a)の開口外周凹部16a、開口外周凸部16b参照)が形成されている場合でも、凹所外周部15Dの底面から凹所開口外周部16D及び凹所中央部14Dの底面まで曲線的に立ち上げて垂直な壁面17D、18Dを形成するように構成しても構わない。
【0044】
また、
図5(e)の紙面左側に示すように、ベース板1Eとして、凹所外周部5Eの底面からの立上部分と、凹所開口外周部6Eとの接続部分を曲線として接続する壁面7E、及び、凹所外周部5Eの底面からの立上部分と、凹所中央部4Eとの接続部分とを曲線として接続する壁面8Eをそれぞれ形成するように構成しても構わない。なお、
図5(e)の紙面右側に示すように、ベース板11Eとして、凹所開口外周部16Eに凹凸(
図4(a)の開口外周凹部16a、開口外周凸部16b参照)が形成されている場合でも、凹所外周部15Eの底面からの立上部分と凹所開口外周部16E及び凹所中央部14Eとの接続部分とを曲線として接続する壁面17E、18Eを形成するように構成しても構わない。
【0045】
図5(a)〜(e)に示すように、ベース板1A〜1E、11A〜11Eでは、凹所3A〜3Eあるいは凹所13A〜13Eに、曲線部分あるいは傾斜面が存在することで、被接合部材Wを接合するハンダ等の接合材Sの応力緩和に対する作用が向上する。
また、
図6及び
図7に示すように、ベース板11、11A〜11Eでは、凹所開口外周部21〜30で示す形状としてもよい。すなわち、
図6(a)に示すように、凹所開口外周部21は、矩形(長方形状)に形成した開口外周凹部21A及び開口外周凸部21Bにより構成されている。この凹所開口外周部21は、同じ間隔で開口外周凹部21Aと開口外周凸部21Bとが連続するように形成されている。
【0046】
また、
図6(b)に示すように、凹所開口外周部22は、台形状に各辺で連続するように形成された開口外周凹部22A及び開口外周凸部22Bにより構成されている。
さらに、
図6(c)に示すように、凹所開口外周部23は、半円形状となる開口外周凸部23Bと、両裾が半円弧となる台形状の開口外周凹部23Aと、により構成されている。なお、凹所開口外周部23は、各辺における開口外周凹部23A及び開口外周凸部23Bを一定の大きさとしているので、開口四隅となる位置では、3/4円弧状となる開口外周凸部が形成されている。
【0047】
そして、
図6(d)に示すように、凹所開口外周部24は、角を丸くした矩形状の開口外周凹部24Aと、開口外周凹部24Aよりも横長な角を丸くした矩形状の開口外周凸部24Bとにより構成されている。
また、
図6(e)に示すように、凹所開口外周部25は、一辺の2か所に二等辺三角形状に形成された開口外周凹部25Aと、2つの開口外周凹部25A、25Aの間に形成された開口外周凸部25Bとして構成されている。
さらに、
図6(f)に示すように、凹所開口外周部26は、一辺の2か所に直角三角形状に形成された開口外周凹部26Aと、2つの開口外周凹部26A、26Aの間に形成された開口外周凸部26Bとにより構成されている。なお、開口外周凹部26A、26Aは、一辺に2か所均等な位置で、隣り合う方向に互いに直角部分を向けて形成されている。
【0048】
そして、
図7(a)に示すように、凹所開口外周部27は、一辺に3か所均等に形成された半楕円形状の開口外周凹部27Aと、この開口外周凹部27A、27Aの間に形成された開口外周凸部27Bとから構成されている。なお、開口外周凸部27Bは、基端側が楕円の1/4円弧となる台形状に形成されている。
また、
図7(b)に示すように、凹所開口外周部28は、四角形の開口における開口四隅を半円形状の開口外周凹部28Aとし、その他の部分では開口外周直線部28aとすることで構成されている。したがって、凹所開口外周部28では、開口外周凸部がない状態の構成を示している。
【0049】
さらに、
図7(c)に示すように、凹所開口外周部29は、半楕円形状の開口外周凹部29Aを四角形における対向する角部を挟む位置に形成し、その他の部分では開口外周直線部29aとすることで構成されている。この凹所開口外周部29では、開口外周凸部がない状態の構成を示している。
そして、
図7(d)に示すように、凹所開口外周部30は、四角形の各辺に開口面積の異なる矩形に形成した開口外周凸部30Bが形成され、その他の部分では開口外周直線30aとすることで構成されている。この凹所開口外周部30では、開口外周凹部がない状態の構成を示している(なお、
図7(d)では各辺の中心に開口外周凸部30Bは全て同じ矩形状としても構わない)。
【0050】
以上説明したように、凹所開口外周部21〜30では、開口外周凹部のみの構成と、開口外周凸部のみの構成と、開口外周凹部及び開口外周凸部とのいずれの組み合わせとしても構わない。なお、凹所開口外周部21〜30では、被接合部材Wが中央に接合されたと仮定したときに、その被接合部材Wの外側となるように凹所外周凹部が形成されている。
ベース板では、凹所開口外周部21〜30を設けることで微小位置ずれ発生時にも緩衝材となるハンダ等の接合材Sが充分に存在することにより、被接合部材Wが熱により応力が増大してもその応力を抑制できる。
【0051】
なお、
図6及び
図7では、それぞれ具体的な形状として凹所開口外周部21〜30を示したが、開口外周凹部あるは開口外周凸部を設ける位置としては、四角形の凹所の角の位置のほかに、外周辺に設けることが好ましいが、その数や形状は特に制限されない。そのため、
図6〜
図7に示すような四角形状、台形状、円形状等の形状、及び、形成位置によってこれらを組み合わせて用いた形状などを取ることができる。また、開口外周凹部及び開口外周凸部の形状、数は各外周辺で同一である必要は無い。一方、複数の被接合部材Wを実装される基板に高密度に実装する観点からは、被接合部材Wの外周縁Wpから開口外周凸部(開口最外周)までの距離は、ベース板の厚み程度であることが好ましい。
【0052】
つぎに、
図8を参照して凹所をベース板に複数設ける構成について説明する。なお、
図8では、説明を簡単にするために凹所を2か所とした例として説明するが、凹所を形成する数は3〜9あるいは10以上であっても構わない。また、
図8で示す各構成はすでに説明したものと形状は異なるが同じ機能を備えることとして適宜説明を省略する。
【0053】
ベース板41は、長方形状に形成された板本体42と、この板本体42の2つの被接合部材Wを接合する接合位置に形成した2か所の凹所43A、43Bとを備えている。そして、ベース板41に形成された凹所43A、43Bは、それぞれ同じ形状となる凹所開口外周部46を備えている。凹所開口外周部46は、各辺に2か所の開口外周凸部46bと、開口外周凸部46b、46bの間に形成された開口外周凹部46aとで構成されている。
【0054】
なお、開口外周凸部46bは、矩形状に形成されている。そして、開口外周凸部46bは、1辺に2つあるうちの一方が、隣り合う辺の直線を延長して矩形状の一部となるように形成されている。さらに、凹所43Aと凹所43Bとは、凹所43Aの開口外周凸部46bと凹所43Bの開口外周凹部46aとが近接して対向するように配置されている。このように、ベース板41では、開口外周凹部46aと対向するように開口外周凸部46bとが設置されていることで、実装密度を高めることができる。
【0055】
なお、
図8(b)に示すように、対向する開口外周凹部56cと開口外周凸部56fとを予め嵌り合うように形成するようにしてもよい。すなわち、ベース板51は、板本体52に形成された凹所53Aと凹所53Bとが、隣接する位置に形成されている。そして、凹所53A及び凹所53Bのそれぞれの凹所開口外周部56、56では、対向しない3辺に一定間隔で形成された矩形状の開口外周凹部56aと開口外周凸部56bとが形成されている。そして、凹所53A及び凹所53Bのそれぞれの凹所開口外周部56,56では、対向する辺の位置において、隣接して互いに凹凸が嵌り合うように、開口外周凹部56cと開口外周凸部56dとが形成されると共に、開口外周凸部56fと開口外周凹部56eとが形成されている。この凹所53A及び凹所53Bでは、隣接して嵌り合うように開口外周凹部56cと開口外周凸部56fとが形成されると共に、隣接して嵌り合うように開口外周凸部56dと開口外周凹部56eとが形成されているので、実装密度を高めることができる。
【0056】
以上説明した
図1〜
図8に示すベース板1(11等)では、被接合部材Wをハンダ等の接合材Sを介して接合するときに、接合材Sが溶融されて液状になっても、凹所3(3A等)が形成されていることで接合材Sの液状化による被接合部材Wの位置のずれを抑制することができる。また、ベース板1(11等)では、被接合部材Wが実装された後に作動することで熱を発生しても、その熱により生じる部材間の応力を、被接合部材Wの外周縁Wpに位置する凹所外周部5(15等)の接合材Sが吸収することができる。
【0057】
なお、ここでベース板1(11等)に接合される被接合部材Wは、動作するときに熱を発生する部材単体あるいは、その部材と絶縁基板等とが接合されたものを接合部材という。例えば、熱を発生する部材とは、IGBT、パワーMOSFET、整流ダイオード、トランジスタ等の半導体素子(素子)であり、通常、動作する際に熱を発生させる電子部品である。なお、熱を発生する部材の大きさや形状については特に限定されない。また、熱を発する部材を搭載した絶縁基板については特に限定されないが、例えば、DBC(Direct Bonded Copper)基板やAMC(Active Metal Brazed Copper)基板などが用いられる。
【0058】
また、ここで使用される接合材Sとは、熱を発生する部材(被接合部材)、ベース板1等を互いに接合する部材である。接合材Sは、部材間(熱を発生する部材とベース板との間、ベース板とヒートシンク等の他部材との間)に封入され、接合層を形成する。なお、接合材Sは、例えば、ハンダ、ろう等であり、比較的軟化温度が低く軟らかいことから、応力に対して緩衝材的な役割を果たす。部材間に形成される接合層の厚さについては、熱を発生する部材の大きさ、発熱量等によって異なり特に限定されないが、熱伝導性の観点から10μm〜200μmが好ましい。さらに、
図8(a)、(b)で示す構成は、凹所開口外周部が直線の四角形の場合は、その一方の凹所の一辺が他方の方所の一辺と隣接して配置されることとなり、後記する
図9(a)〜(h)で示すものが複数配置されている構成であっても構わない。また、
図8(a)、(b)で示す構成に、
図9(a)〜(h)で示すものを組み合わせた構成であっても構わない。
【0059】
なお、すでに説明したベース板1、1A〜1E、11、11A〜11E、41,51(以下、ベース板1Zという)において、凹所外周部5等の窪みの深さと凹所中央部4等の窪みの深さの差が0.0mmよりも大きく0.4mmよりも小さい構成とすることで、ハンダ中のミーゼス応力最大値を規格化した値が1よりも小さくなりより好ましい。このベース板1Zの窪み深さの具体的な構成は後記する。
【0060】
また、ベース板1Zにおいて、
図9(a)〜(h)に示すように、凹所3、3A〜3E、13、13A、43A、43B(以下、凹所3Zという)において、凹所中央部4、4A〜4D、44,54(以下凹所中央部4Zという)の外周側面410〜417が、四角形の各直線の辺に対面して、周方向に凹状または凸状あるいは凹凸状となるように構成されても構わない。ここで示す外周側面410〜417は、ベース板1Zと同じ方向の四角形に対して、その四角形の各辺と平行な直線にならないように、凹状または凸状あるいは凹凸状となっていればよい。なお、
図9(a)〜(h)では、凹所開口外周部6を一例として
図1と同様に平面視が矩形(ここでは正方形)として説明する。また、
図9(a)〜(h)において、凹所中央部4Zは、被接合部材Wの面積よりも小さい面積となるように形成されている。
【0061】
図9(a)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zが、その外周側面410を円形に形成している。そして、外周側面410から凹所開口外周部6までの位置を窪みが深い凹所外周部510としている。したがって、凹所開口外周部6との各辺に対向する凹所中央部4Zの外周側面410とは、互いに平行となるような均等な状態ではなくなり、各辺の中央では、凹所外周部510の幅が狭く、各辺の端部側では、凹所外周部510の幅が広くなっている。そのため、凹所中央部4Zの外周側面410は、各辺の中央では、凹所開口外周部6に向かって凸の状態が最大となり、各辺の端部側では凸の状態が小さくなって、周方向に凹凸を形成している。したがって、凹所中央部4Zの外周側面410は、凹所開口外周部6の各辺の中央に対向する位置が外周凸部(凹所中央外周凸部)410Aとなっている。
【0062】
また、
図9(b)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面411を、頂角を丸くした菱形形状に形成している。そして、凹所中央部4Zは、外周側面411の頂角部分を、凹所開口外周部6の各辺において中央に向くように形成している。したがって、凹所開口外周部6との各辺と、この各辺に対向する凹所中央外周面411とは、互いに平行となるような均等な状態ではなくなり、各辺の中央では、凹所外周部511の幅が狭く、各辺の端部側では、凹所外周部511の幅が広くなっている。そのため、凹所中央部4Zの外周側面411は、各辺の中央では、凹所開口外周部6に向かって凸の状態が最大となり、各辺の端部では凸の状態が小さくなって、周方向に凹凸を形成している。したがって、凹所中央部4Zの外周側面411は、凹所開口外周部6の各辺の中央に対向する位置が外周凸部(凹所中央外周凸部)411Aとなっている。
【0063】
さらに、
図9(c)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面412に、外周凸部(凹所中央外周凸部)412A及び外周凹部(凹所中央外周凹部)412Bとが周方向に連続して形成されている。つまり、凹所中央部4Zの外周側面412は、周方向に凹凸となるように形成されている。したがって、外周凸部412Aと凹所開口外周部6との間では凹所外周部512の幅が狭く、外周凹部412Bと凹所開口外周部6との間では凹所外周部512の幅が広くなっている。なお、外周凸部412A及び外周凹部412Bは、その大きさが揃っていない状態の長方形状で形成されている。また、凹所中央外周面412では、凹所開口外周部6の頂角に対向する位置では、凹に形成されている。
【0064】
そして、
図9(d)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zが、その外周側面413に、外周凸部(凹所中央外周凸部)413A及び外周凹部(凹所中央外周凹部)413Bとが周方向に連続して凹凸となるように形成されている。この凹所中央部4Zの外周側面413は、凹所開口外周部6の頂角に対向する位置では、凸に形成されている。外周凸部413Aと外周凹部413Bとは、角部分以外は統一した四角形状に形成されている。なお、凹所外周部513は、外周凸部413A及び外周凹部413Bにより凹所開口外周部6までの間隔が異なるように構成されている。
【0065】
また、
図9(e)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面414に、外周凸部(凹所中央外周凸部)414Aを各辺の中央にしてその両側に外周凹部(凹所中央外周凹部)414Bが形成されている。つまり、凹所中央部4Zの外周側面414は、周方向に沿って形成される外周凸部414Aと外周凹部414Bにより周方向に凹凸が形成されている。この外周側面414は、凹所開口外周部6の頂角に対向する位置では、凸状に形成されている。また、外周凸部414Aと外周凹部414Bとが、角部分以外は統一した横長な四角形状に形成されている。なお、凹所外周部514は、外周凸部414A及び外周凹部414Bにより凹所開口外周部6までの間隔が異なるように構成されている。
【0066】
さらに、
図9(f)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面415において、各辺の中央に外周凹部(凹所中央外周凹部)415Bが形成され、その外周凹部415Bの両側に外周凸部(凹所中央外周凸部)415Aが形成されている。つまり、凹所中央部4Zの外周側面415は、周方向に沿って外周凸部415A及び外周凹部415Bが形成されることで、周方向に凹凸を形成している。この外周側面415は、凹所開口外周部6の頂角に対向する位置では、凹状に形成されている。また、外周凸部415Aが外周凹部415Bよりも長さが小さい長方形状に形成されている。なお、凹所外周部515は、外周凸部415A及び外周凹部415Bにより凹所開口外周部6までの間隔が異なるように構成されている。
【0067】
そして、
図9(g)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面416において、外周凹部(凹所中央外周凹部)416Bが所定の間隔を空けて形成されている。つまり、凹所中央部4Zの外周側面416は、周方向に沿って外周凹部416Bが形成されることで、凹所開口外周部6との間において周方向に凹凸を形成している。外周凹部416Bは、ここでは、半円形あるいは半楕円形に形成されている。なお、凹所外周部516は、外周凹部416Bにより凹所開口外周部6までの間隔が異なるように構成されている。
【0068】
そして、
図9(h)に示すように、ベース板1Zの凹所3Zでは、凹所開口外周部6を正方形とし、凹所中央部4Zは、その外周側面417において、外周凸部(凹所中央外周凸部)417Aが所定の間隔を空けて形成されている。つまり、凹所中央部4Zの外周側面416は、周方向に沿って外周凸部417Aが形成されることで、凹所開口外周部6との間において周方向に凹凸を形成している。外周凸部417Aは、ここでは、半円形あるいは半楕円形に形成されている。なお、この外周側面417は、凹所開口外周部6の頂角に対向する位置では、円弧の凸状に形成されている。また、凹所外周部517は、外周凸部417Aにより凹所開口外周部6までの間隔が異なるように構成されている。
【0069】
以上、
図9(a)〜(h)で示すように、凹所中央部4Zは、その外周側面410〜417を凹凸とすることができるものであれば、前記した形状以外であっても構わない。また、
図9(a)〜(h)において、凹所開口外周部6を正方形として説明したが、
図4、
図6及び
図7で示す形状として組み合せて使用しても構わない。つまり、凹所は、凹所開口外周部および凹所中央部の外周側面のそれぞれが凹凸となるように形成されても構わない。また、凹所中央部の外周側面は、
図5(a)〜(e)に示すような構成に凹凸となるように形成されることであっても構わない。
【0070】
なお、
図1から
図9では、凹所3Zは、深さの異なる構成として説明したが、
図10に示すように、凹所113において、深さが一定であっても、凹所開口外周部の位置に凹凸を形成するベース板100の構成としてもよい。なお、
図10では、凹所開口外周部16を、すでに説明した凹所開口部外周の一例として示しているが、他の形状である凹所開口外周部6A〜6D、16、16A〜16D、21〜30、46、56の構成であっても構わない。
このベース板100では、凹所開口外周部16(6A〜6D、16、16A〜16D、21〜30、46、56)があることで、接合材Sとして例えばハンダを使用する場合に凹凸がないものと比較してハンダのミーゼス応力が小さくなる。したがって、ベース板100のように、凹所深さが一定であっても、凹所開口外周部に凹凸が形成されることで、被接合部材Wの位置ずれを防止することができると共に、被接合部材が実際に動作して発熱することによって発生する応力を、緩和することができる。
なお、ベース板100は、凹所開口外周部16(6A〜6D、16、16A〜16D、21〜30、46、56)において凹所の底面から立ち上がる凹壁面が底面から垂直に形成されている構成であっても、底面から開口面積が広がるように傾斜面に形成されている構成であってもよい。さらに、当該凹壁面が湾曲していても構わない。
【0071】
また、
図11(a)、(b)に示すようなベース板110の構成であっても構わない。このベース板110は、一方の実装面110Aに、被接合部材Wが接合材Sを介して接合されるものであって、一方の実装面110Aに被接合部材Wの投影面積よりも小さい面積を持つ凸面部111を有している。
【0072】
凸面部111は、ここでは平面視で正方形に実装面110Aの中央において突出して形成されている。この凸面部111は、実装される被接合部材Wが接合材Sに接合される場合に移動する移動量を予め測定しておき、その移動量よりも、被接合部材Wと凸面部111との大きさの差が大きくなるように、その大きさが設定されている。また、凸面部111は、突出する面の突出高さが、被接合部材Wの種類により設定されるが、例えば、平面部分よりも0.5〜3mmの範囲であればよく、より好ましくは、0.7〜2mmの範囲であればより好ましい。なお、凸面部111に接合材Sである例えばハンダを介して被接合部材Wを接合する場合には、凸面部111からはみ出る被接合部材Wの下面と実装面110Aとの間にハンダが入り込むことで、被接合部材Wが安定する。つまり、接合材Sの状態では、既に説明した
図1〜
図8で示す構成同様に、中央の接合材Sよりも外周側の接合材Sが厚くなるように構成される。したがって、被接合部材Wは、すでに説明したような状態となり、被接合部材Wが実装された後に動作することで熱を発生しても、位置ずれによる応力を緩和することができる。また、このような構成のベース板110は、接合材Sの周囲に接合材Sを囲む部材がないため、被接合部材Wが実装された後に動作することで熱を発生しても、位置ずれによる応力をより緩和することができる。
【0073】
図11では、凸面部111は、平面視でその外周形状を直線とする正方形状として説明したが、例えば、既に説明した
図9(a)〜(h)に示すような外周側面410〜417となる形状を備えていても構わない。また、凸面部111は、平面から立ち上がる側壁が垂直、傾斜あるいは湾曲するように構成されていても構わない。
【0074】
さらに、
図12(a)、(b)に示すようなベース板120の構成であっても構わない。ベース板120は、一方の実装面120Aに、被接合部材Wが接合材Sを介して接合されるものであって、被接合部材Wの外周部に対面する、一方の実装面120Aの位置に環状の溝部121を備えている。ここでは、実装される被接合部材Wが接合材Sに接合される場合に移動する移動量を予め測定しておき、その移動量よりも、被接合部材Wから溝部121の溝外周縁123までの距離の差が大きくなるように、その溝部121の幅が設定されている。つまり、ベース板120は、被接合部材Wの外周部が溝部121の範囲内に位置して移動しても溝部121の溝外周縁123に到達しないような溝幅となるように溝部121を形成している。また、溝部121の深さは一様な深さとなるようにその断面形状が矩形となるようにここでは形成されている。なお、
図12で示すベース板120は、
図1で説明したベース板1の凹所中央部4の高さを板本体2の周縁高さと同じにした構成と同等な構成である。
【0075】
このように構成したベース板120では、被接合部材Wの下面に対面する中央側の実装面120Aと、溝部121内とに接合材Sが設けられ、その接合材Sを介して被接合部材Wが実装されることになる。このベース板120では、
図1と同様に、被接合部材Wの外周部に対面する部分の接合材Sが中央位置よりも窪みとして深くなっているので、
図1と同様に、被接合部材Wが実際に動作して発熱することによって発生する応力を、凹所中央部分より凹所外周部分(溝部121)の窪みの深さを大きくすることで緩和することができる。
【0076】
なお、溝部121は、その溝外周縁123及び溝内周縁124を
図12(a)に示すように、直線とする四角形としているが、直線に限定されるものではなく曲線であってもよい。あるいは、例えば、
図9(a)〜(h)に示すような形状となる溝内周縁としてもよく、さらに、
図4(a)、
図6(a)〜(f)、
図7(a)〜(d)で示すような形状となる溝外周縁としても構わない。また、溝部121は、その溝外周縁123及び溝内周縁124に、
図5で示すような傾斜面あるは曲面、または、図示しない傾斜面を曲面とする構成であっても構わない。
【0077】
つぎに、ベース板1(11等)を使用した半導体装置60,70について
図13及び
図14を参照して説明する。なお、既に説明したベース板1(11等、
図1〜
図12の構成)の各構成は適宜省略してベース板1を用いた場合を代表して説明する。
【0078】
図13に示すように、半導体装置60は、ベース板1と、このベース板1に接合材Sを介して接合される被接合部材Wと、ベース板1を接合材Sにより接合する絶縁部材Nと、この絶縁部材Nを接合材Sにより接合するヒートシンクHSとを備えている。
絶縁部材Nは、絶縁基板INと、この絶縁基板INの表裏に形成した金属箔Me,Meとにより構成されている。また、ヒートシンクHSは、アルミニウム等の放熱性に優れた金属により形成されている。
【0079】
この半導体装置60は、被接合部材Wが外部からの電力を図示しない接続電極から供給されることで動作し、被接合部材Wが熱を発生する。しかし、ベース板1は、凹所3の凹所外周部5が凹所中央部4よりも窪み深さが大きく形成されていることで、特に被接合部材Wの外周縁Wp(
図1参照)で発生する応力を吸収することができる。
【0080】
また、
図14に示すように、半導体装置70は、被接合部材Wを接合材Sにより接合したベース板1と、このベース板1を接合材Sにより接合したヒートシンクHSとを備えている。なお、被接合部材Wは、ここでは、半導体素子Seと、この半導体素子Seを接合した絶縁部材Nと、を備えている。そして、絶縁部材Nは、絶縁基板INと、この絶縁基板INの表裏面に設けた金属箔Me,Meとを備えている。
【0081】
この半導体装置70は、半導体素子Seが、外部からの電力を図示しない接続電極から供給されることで動作し発熱する。そして、半導体素子Seが発熱することで熱が伝導して絶縁部材Nも発熱する。したがって、被接合部材Wの外周縁となる絶縁部材Nの外周縁Wpに応力が発生するが、ベース板1の凹所3の凹所外周部5が凹所中央部4よりも窪み深さが大きく形成されていることで、発生する応力を吸収することができる。また、
図10のベース板100の場合には、凹所開口外周部に開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれかまたは両方が存在する構成を備えているので、凹所の深さが一定であっても、発生する応力を吸収することができる。さらに、
図11,12の構成であっても、発生する応力を吸収することができる。
【0082】
以上説明したようにベース板1(11等)及び半導体装置60,70では、
図5に示す凹所の断面形状にすることや、ベース板11のような凹所開口外周部に開口外周凹部及び開口外周凸部のいずれかまたは両方が存在する構成では、
図6,7に示すような構成とすること等であっても構わない。さらに、
図1〜
図9において、凹所中央部の底面に、放熱性を損なわない程度であれば溝を設けても構わない。なお、凹所3(13)に接合材Sを介して接合される被接合部材Wは、その下面側が凹所3(13)の凹中に入り込むか、あるいは、凹所3(13)の周面と同一平面になるように接合されることが好ましい。
【実施例】
【0083】
以下に本発明に係るベース板について、本発明の構成のベース板(実施例1−1、1−2)をモデルとして熱応力解析を行った結果と、本発明の構成ではないベース板Bb(比較例1)を用いて熱応力解析を行った結果とを対比して説明する。
【0084】
<第1実施例>
実施例1−1及び実施例1−2は、
図1及び
図3で示す構成であるCuで形成したベース板1,11を用いて、Si素子(被接合部材W:半導体素子)Seをハンダ(接合材S)により接合し、
図15(c)、(d)及び
図15(e)、(f)で示すような樹脂Rで封止した構成とした。また、比較例1は、
図15(a)、(b)に示すように、Cuで形成したベース板Bbとして凹所が形成されていない銅板に、ハンダ(接合材)Sを介してSi素子(被接合部材W)Seを接合して樹脂Rで封止した半導体装置の構成とした。
【0085】
図15(a)、(b)に示すベース板Bbは、銅板(縦8.0mm×横8.0mm×厚さ1.0mm)である構成とした。
図15(c)、(d)に示すベース板1は、銅板(縦8.0mm×横8.0mm×厚さ1.0mm)であるとともに、凹所は縦4.2mm×横4.2mm、凹所外周部の深さを0.4mm、凹所中央部の深さを0.1mmとした。また、凹所中央部は縦3.0mm×横3.0mmとした。
【0086】
図15(e)、(f)に示すベース板11は、銅板(縦8.0mm×横8.0mm×厚さ1.0mm)であるとともに、凹所は縦4.2mm×横4.2mm、凹所外周部の深さを0.4mm、凹所中央部の深さを0.1mmとした。また、凹所中央部は縦3.0mm×横3.0mmとした。さらに、4隅の開口外周凸部は、縦0.1mm×横0.1mm、各辺の開口外周凹部及び開口外周凸部は、短辺0.1mm×長辺2.0mmとし、開口外周凹部及び開口外周凸部の深さは凹所外周部と同じとした。
【0087】
被接合部材Wとして、平面視の形状が正方形のSi素子(縦4.0mm×横4.0mm×厚さ0.5mm)Seを、ベース板1,11の凹所中央及びベース板Bbの中央に搭載したと仮定した。
そして、Si素子の発熱は、素子全体で均一に生じると仮定した。Si素子Seと銅板であるベース板1,11,Bbの接合にはハンダを用い、凹所中央部又は板中央とSi素子の間隔(最薄部の厚み)を0.05mmとした。パッケージング(樹脂R)にはエポキシ樹脂を使用し、ベース板1,11,BbのSi素子Seを載せた面、及び、ベース板側部を覆うようにパッケージングするハーフモールド型とした。ベース板側部を覆うエポキシ樹脂厚み1.0mmとし、パッケージ全体厚みを4.5mmとした。表1に解析に用いたパラメータを示す。なお、表1にて降伏応力の欄に「なし」と記載した部材は弾性変形のみと仮定した。
【0088】
【表1】
【0089】
実施例1−1、1−2に係るベース板1,11を用いた半導体装置と、比較例1に係る放熱体であるベース板Bbを用いた半導体装置について、発熱体となるSi素子Seが発熱したときの定常応力分布のシミュレーションを「Abaqus」(Dassault Systemes社製)を用いて行った。シミュレーションは、175℃で隣接する部材の接点を結合した状態で25℃冷却、その後、Si素子Se全体が均一に100W発熱すると仮定した。また、ベース板1,11,Bb下面はヒートシンクに接していると仮定して25℃一定、樹脂に覆われたその他の端面は断熱条件と仮定した。
【0090】
シミュレーションによる解析結果を表2に示す。ここで、応力値の比較にはハンダ中のミーゼス応力最大値を用いた。半導体装置損傷は、ハンダ中の応力増大によるクラックの発生が起きやすく、本発明の効果を比較する指標として適していると考えられるからである。
【0091】
【表2】
【0092】
本発明の要件を満たす実施例1−1、実施例1−2では比較例1のハンダ中のミーゼス応力最大値が低減していることがわかった。つまり、本発明に係る放熱体は、ハンダ中の応力を緩和する効果があることがわかった。
【0093】
<第2実施例>
つぎに、第1実施例で使用した実施例1−1の構成を比較例2とし、実施例1−2の構成を実施例2の構成としてシミュレーションを行った。
実施例2に係るベース板11は、
図15(e)、(f)で示す構成のものが使用され、
図16(c)、(d)に示すように、Si素子Seをベース板11の凹所13の中央から0.05mm横にずらして設置した。一方、比較例2とし使用されるベース板1については、開口外周凹部あるいは開口外周凸部が形成されていない矩形開口となる
図15(c)、(d)に示すものを使用し、
図16(a)、(b)に示すように、Si素子Seをベース板1の凹所3の中央から0.05mm横にずらして設置した。
【0094】
この第2実施例においても。樹脂Rにより封止して第1実施例と同じ構成の半導体装置とした。ただし、微小な位置ずれの影響を評価するために、Si素子を放熱体凹所の中央から0.05mm横にずらして設置した状態において、第1実施例と同様のシミュレーション条件で行った。
シミュレーションによる解析結果を表3に示す。ここでも第1実施例と同様に応力値の比較には、接合材Sであるハンダ中のミーゼス応力最大値を用いた。
【0095】
【表3】
【0096】
表3より、第2実施例では、比較例2と実施例2とを比較して、ハンダ中のミーゼス応力最大値が低減することがわかった。つまりベース板11のように開口外周凹部、開口外周凸部あるいはその両方が形成されている構成では、位置ずれを防止するとともに、ハンダ中の応力を緩和する効果がより優れていることが明らかとなった。
以上、説明したように、ベース板Bbのように凹所が形成されていない構成に対して、
ベース板1,11で示す構成では、接合時に被接合部材(Si素子Se)Wの位置ずれを防止すると共に、被接合部材Wが作動するときに発熱しても接合材Sの応力を緩和することが明らかとなった。
【0097】
<第3実施例>
また、実施例3として、
図17に示すように、実施例1−1の構成(
図15(c)、(d))において開口上端から底面までの窪み深さD2と凹所中央部4の窪みの深さD1(D1、D2の定義は
図1の通り)の差をD3(=D2−D1)とし、D3の値を0.0mmから0.5mmの範囲で変化させて測定したものを測定した。つまり、各D3でのハンダ中ミーゼス応力最大値をD=0.0mmで規格化した結果を
図17に示す。
図17より、実施例3中のD3が0.0mmから0.4mmの範囲においてハンダ中のミーゼス応力最大値が低減することがわかった。つまり、本発明に係る被接合部材Wの外周縁が対面する凹所外周部において凹所中央部よりも窪みの深さが深くなることを特徴とするベース板において開口上端から底面までの窪み深さD2と凹所中央部4の窪みの深さD1の差D3を0.0よりも大きく、0.4mmよりも小さい範囲に制御することによって、ハンダ中の応力を緩和する効果があることがわかった。
【0098】
<第4実施例>
さらに、実施例4として、
図18に示すベース板B100(比較例4)と、
図10に示すベース板100(実施例4)とを比較したときの値を表3に合せた状態で、表4に示す。
【0099】
【表4】
【0100】
表4より、第4実施例では、比較例4と実施例4とを比較して、ハンダ中のミーゼス応力最大値が低減することがわかった。つまりベース板100のように、凹所113の深さが一定であっても、開口外周凹部16a、開口外周凸部16bあるいはその両方が形成されている構成では、位置ずれを防止するとともに、ハンダ中の応力を緩和する効果がより優れていることが明らかとなった。