(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
密閉された空気室に加圧空気を供給することで前記空気室内に配置されたベローズを収縮動作させて移送流体を吐出するとともに、前記空気室から加圧空気を排出することで前記ベローズを伸長動作させて移送流体を吸入するベローズポンプ装置であって、
前記ベローズの収縮動作時において、前記空気室に供給する加圧空気の空気圧を、前記ベローズの収縮特性に対応して上昇させるように調整する電空レギュレータと、
移送流体の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部の検出値が低くなるほど、前記空気圧を上昇させるときの圧力増加係数が大きくなるように前記電空レギュレータを制御する制御部と、
を備えていることを特徴とするベローズポンプ装置。
前記制御部は、前記温度検出部の検出値に基づいて、前記空気圧の最大値が前記ベローズの許容耐圧を超えないように、前記空気圧の圧力増加係数を設定する請求項1に記載のベローズポンプ装置。
前記制御部は、複数の温度領域それぞれに対応して前記圧力増加係数が設定されたルックアップテーブルを有し、前記ルックアップテーブルに基づいて前記電空レギュレータを制御する請求項1又は2に記載のベローズポンプ装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るベローズポンプ装置を備えた流体送給システムの構成を示す模式図である。流体送給システムは、例えば半導体製造装置において薬液や溶剤等の移送流体を一定量送給するものである。この流体送給システムは、移送流体を溜めるタンク70と、タンク70に溜めた移送流体を外部に送給してタンク70に戻す循環路71と、この循環路71の途中部から分岐して移送流体を図示しないウエハに供給する複数の供給路72と、タンク70から移送流体を送給するベローズポンプ装置1とを備えている。
【0016】
循環路71には、ベローズポンプ装置1の下流側にフィルタ73が設けられている。また、循環路71には、供給路72との分岐点よりも下流側に、循環路71を開閉するための開閉バルブ74が設けられている。
供給路72には、移送流体を噴出する複数のノズル75が設けられている。
【0017】
流体送給システムは、タンク70内の移送流体の温度を検出する温度センサ76と、循環路71の途中部に配置された複数(図例では2個)のヒータ77とをさらに備えている。
ヒータ77は、温度センサ76により検出された移送流体の温度に基づいて、循環路71内の移送流体を加熱するものである。これにより、循環路71から供給路72を経てノズル75から噴出される移送流体の温度を適温に維持することができる。
なお、温度センサ76は、タンク70に設けられているが、循環路71の途中部や供給路72の途中部に設けられていても良い。
【0018】
[ベローズポンプ装置の構成]
図2は、ベローズポンプ装置1の概略構成図である。本実施形態のベローズポンプ装置1は、ベローズポンプ10と、当該ベローズポンプ10に加圧空気(作動流体)を供給するエアコンプレッサ等の空気供給装置2と、前記加圧空気の空気圧を調整する機械式レギュレータ3及び2個の第1及び第2電空レギュレータ51,52と、2個の第1及び第2電磁弁4,5と、ベローズポンプ10の駆動を制御する制御部6と、移送流体の温度を検出する温度検出部7とを備えている。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係るベローズポンプの断面図である。
本実施形態のベローズポンプ10は、ポンプヘッド11と、このポンプヘッド11の左右方向(水平方向)の両側に取り付けられる一対のポンプケース12と、各ポンプケース12の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる2個の第1及び第2ベローズ13,14と、各ベローズ13,14の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる4個のチェックバルブ15,16と、を備えている。
【0020】
[ベローズの構成]
第1及び第2ベローズ13,14は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂により有底筒形状に形成され、その開放端部に一体形成されたフランジ部13a,14aはポンプヘッド11の側面に気密状に押圧固定されている。第1及び第2ベローズ13,14の各周壁は蛇腹形状に形成され、互いに独立して水平方向に伸縮可能に構成されている。具体的には、第1及び第2ベローズ13,14は、後述する作動板19の外面がポンプケース12の底壁部12aの内方側面に当接する最伸長状態と、後述するピストン体23の内方側面がポンプケース12の底壁部12aの外方側面に当接する最収縮状態との間で伸縮するようになっている。
第1及び第2ベローズ13,14の底部の外面には、ボルト17及びナット18により作動板19が連結部材20の一端部とともに固定されている。
【0021】
[ポンプケースの構成]
ポンプケース12は、有底円筒状に形成されており、その開口周縁部は、対応するベローズ13(14)のフランジ部13a(14a)に気密状に押圧固定されている。これにより、ポンプケース12の内部には、気密状態が保持された吐出側空気室21が形成されている。
ポンプケース12には吸排気ポート22がそれぞれ設けられており、吸排気ポート22は、電磁弁4(5)、電空レギュレータ51(52)及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(
図2参照)。これにより、空気供給装置2から機械式レギュレータ3、電空レギュレータ51(52)及び電磁弁4(5)及び吸排気ポート22を介して吐出側空気室21の内部に加圧空気を供給することで、ベローズ13(14)が収縮するようになっている。
【0022】
また、各ポンプケース12の底壁部12aには、前記連結部材20が水平方向に摺動可能に支持されており、この連結部材20の他端部にはピストン体23がナット24により固定されている。ピストン体23は、前記底壁部12aの外方側面に一体に設けられた円筒状のシリンダ体25の内周面に対して、気密状態を保持しながら水平方向へ摺動可能に支持されている。これにより、前記底壁部12a、シリンダ体25、及びピストン体23とによって囲まれた空間は、気密状態が保持された吸込側空気室26とされている。
【0023】
前記シリンダ体25には吸込側空気室26に連通する吸排気口25aが形成されており、この吸排気口25aは、前記電磁弁4(5)、電空レギュレータ51(52)及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(
図2参照)。これにより、空気供給装置2から機械式レギュレータ3、電空レギュレータ51(52)及び電磁弁4(5)及び吸排気口25aを介して吸込側空気室26の内部に加圧空気を供給することで、ベローズ13(14)が伸長するようになっている。
各ポンプケース12の底壁部12aの下方には、移送流体の吐出側空気室21への漏洩を検知するための漏洩センサ40が取り付けられている。
【0024】
以上の構成により、
図3左側の吐出側空気室21が形成されたポンプケース12と、
図3左側の吸込側空気室26を形成するピストン体23及びシリンダ体25とにより、第1ベローズ13を最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第1エアシリンダ部(第1駆動装置)27が構成されている。
また、
図3右側の吐出側空気室21が形成されたポンプケース12と、
図3右側の吸込側空気室26が形成されたピストン体23及びシリンダ体25とにより、第2ベローズ14を最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第2エアシリンダ部(第2駆動装置)28が構成されている。
【0025】
第1エアシリンダ部27のシリンダ体25には、一対の近接センサ29A,29Bが取り付けられ、ピストン体23には各近接センサ29A,29Bにより検知される被検知板30が取り付けられている。被検知板30は、ピストン体23とともに往復動することで、近接センサ29A,29Bに交互に近接することにより検知される。
【0026】
近接センサ29Aは、第1ベローズ13の最収縮状態を検知する第1最収縮検知部であり、第1ベローズ13が最収縮状態のときに被検知板30を検知する位置に配置されている。近接センサ29Bは、第1ベローズ13の最伸長状態を検知する第1最伸長検知部であり、第1ベローズ13が最伸長状態のときに被検知板30を検知する位置に配置されている。各近接センサ29A,29Bの検知信号は制御部6に送信される。本実施形態では、上記一対の近接センサ29A,29Bにより、第1ベローズ13の伸縮状態を検知する第1検知手段29が構成されている。
【0027】
同様に、第2エアシリンダ部28のシリンダ体25には、一対の近接センサ31A,31Bが取り付けられ、ピストン体23には各近接センサ31A,31Bより検知される被検知板32が取り付けられている。被検知板32は、ピストン体23とともに往復動することで、近接センサ31A,31Bに交互に近接することにより検知される。
【0028】
近接センサ31Aは、第2ベローズ14の最収縮状態を検知する第2最収縮検知部であり、第2ベローズ14が最収縮状態のときに被検知板32を検知する位置に配置されている。近接センサ31Bは、第2ベローズ14の最伸長状態を検知する第2最伸長検知部であり、第2ベローズ14が最伸長状態のときに被検知板32を検知する位置に配置されている。各近接センサ31A,31Bの検知信号は制御部6に送信される。本実施形態では、一対の近接センサ31A,31Bにより、第2ベローズ14の伸縮状態を検知する第2検知手段31が構成されている。
【0029】
空気供給装置2によって生成された加圧空気は、第1検知手段29の一対の近接センサ29A,29Bが被検知板30を交互に検知することで、第1エアシリンダ部27の吸込側空気室26と吐出側空気室21とに交互に供給される。これにより、第1ベローズ13は連続して伸縮動作する。
【0030】
また、前記加圧空気は、第2検知手段31の一対の近接センサ31A,31Bが被検知板32を交互に検知することで、第2エアシリンダ部28の吸込側空気室26と吐出側空気室21とに交互に供給される。これにより、第2ベローズ14は連続して伸縮動作する。その際、第2ベローズ14の伸長動作は主に第1ベローズ13の収縮動作時に行われ、第2ベローズ14の収縮動作は主に第1ベローズ13の伸長動作時に行われる。このように、第1ベローズ13及び第2ベローズ14は、交互に伸縮動作を繰り返すことで、各ベローズ13,14の内部への移送流体の吸込と吐出とが交互に行われ、当該移送流体が移送されるようになっている。
【0031】
[ポンプヘッドの構成]
ポンプヘッド11は、PTFEやPFA等のフッ素樹脂から形成されている。ポンプヘッド11の内部には、移送流体の吸込通路34と吐出通路35とが形成されており、この吸込通路34及び吐出通路35は、ポンプヘッド11の外周面において開口し、当該外周面に設けられた吸込ポート及び吐出ポート(いずれも図示省略)に接続されている。吸込ポートは移送流体のタンク70に接続され、吐出ポートは移送流体の移送先に接続される。また、吸込通路34及び吐出通路35は、それぞれポンプヘッド11の左右両側面に向けて分岐するとともに、ポンプヘッド11の左右両側面において開口する吸込口36及び吐出口37を有している。各吸込口36及び各吐出口37は、それぞれチェックバルブ15,16を介してベローズ13,14の内部と連通している。
【0032】
[チェックバルブの構成]
各吸込口36及び各吐出口37には、チェックバルブ15,16が設けられている。
吸込口36に取り付けられたチェックバルブ15(以下、「吸込用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース15aと、このバルブケース15aに収容された弁体15bと、この弁体15bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ15cとを有している。バルブケース15aは有底円筒形状に形成されており、その底壁にはベローズ13,14の内部に連通する貫通孔15dが形成されている。弁体15bは、圧縮コイルバネ15cの付勢力により吸込口36を閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮に伴う移送流体の流れによる背圧が作用すると吸込口36を開放(開弁)するようになっている。
これにより、吸込用チェックバルブ15は、自身が配置されているベローズ13,14が伸長したときに開弁して、吸込通路34からベローズ13,14内部に向かう方向(一方向)への移送流体の吸引を許容し、当該ベローズ13,14が収縮したときに閉弁して、ベローズ13,14内部から吸込通路34に向かう方向(他方向)への移送流体の逆流を阻止する。
【0033】
吐出口37に取り付けられたチェックバルブ16(以下、「吐出用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース16aと、このバルブケース16aに収容された弁体16bと、この弁体16bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ16cとを有している。バルブケース16aは有底円筒形状に形成されており、その底壁にはベローズ13,14の内部に連通する貫通孔16dが形成されている。弁体16bは、圧縮コイルバネ16cの付勢力によりバルブケース16aの貫通孔16dを閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮に伴う移送流体の流れによる背圧が作用するとバルブケース16aの貫通孔16dを開放(開弁)するようになっている。
【0034】
これにより、吐出用チェックバルブ16は、自身が配置されているベローズ13,14が収縮したときに開弁して、ベローズ13,14内部から吐出通路35に向かう方向への移送流体の流出を許容し、当該ベローズ13,14が伸長したときに閉弁して、吐出通路35からベローズ13,14内部に向かう方向への移送流体の逆流を阻止する。
【0035】
[ベローズポンプの動作]
次に、本実施形態のベローズポンプ10の動作を
図4及び
図5を参照して説明する。なお、
図4及び
図5においては第1及び第2ベローズ13,14の構成を簡略化して示している。
図4に示すように、第1ベローズ13が収縮し、第2ベローズ14が伸長した場合、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第1ベローズ13内の移送流体から圧力を受けて各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉じるともに、吐出用チェックバルブ16が開き、第1ベローズ13内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ排出される。
【0036】
一方、ポンプヘッド11の図中右側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第2ベローズ14による吸引作用によって各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が開くとともに、吐出用チェックバルブ16が閉じ、吸込通路34から第2ベローズ14内に移送流体が吸い込まれる。
【0037】
次に、
図5に示すように、第1ベローズ13が伸長し、第2ベローズ14が収縮した場合、ポンプヘッド11の図中右側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第2ベローズ14内の移送流体から圧力を受けて各バルブケース15a,16aの図中左側に移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉じるともに、吐出用チェックバルブ16が開き、第2ベローズ14内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ排出される。
【0038】
一方、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第1ベローズ13による吸引作用によって各バルブケース15a,16aの図中左側に移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が開くとともに、吐出用チェックバルブ16が閉じ、吸込通路34から第1ベローズ13内に移送流体が吸い込まれる。
以上の動作を繰り返し行うことで、左右のベローズ13,14は、交互に移送流体の吸引と排出とを行うことができる。
【0039】
[電磁弁の構成]
図2において、第1電磁弁4は、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21及び吸込側空気室26のうち、一方の空気室への加圧空気の給排、及び他方の空気室内への加圧空気の給排を切り換えるものである。第1電磁弁4は、例えば一対のソレノイド4a,4bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド4a,4bは制御部6から指令信号を受けて励磁されるようになっている。なお、本実施形態の第1電磁弁4は、三位置の電磁切換弁からなるが、中立位置を有しない二位置の電磁切換弁であっても良い。
【0040】
第1電磁弁4は、両ソレノイド4a,4bが消磁状態のときには中立位置に保持されており、空気供給装置2から第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21(吸排気ポート22)及び吸込側空気室26(吸排気口25a)への加圧空気の供給は遮断され、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21及び吸込側空気室26は、いずれも大気と連通して開放されている。
【0041】
また、第1電磁弁4は、ソレノイド4aが励磁されると、図中の下位置に切り換わり、空気供給装置2から第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21に加圧空気が供給される。その際、第1エアシリンダ部27の吸込側空気室26は大気と連通して開放されている。これにより、第1ベローズ13を収縮させることができる。
【0042】
さらに、第1電磁弁4は、ソレノイド4bが励磁されると、図中の上位置に切り換わり、空気供給装置2から第1エアシリンダ部27の吸込側空気室26に加圧空気が供給される。その際、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21は大気と連通して開放されている。これにより、第1ベローズ13を伸長させることができる。
【0043】
第2電磁弁5は、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21及び吸込側空気室26のうち、一方の空気室への加圧空気の給排、及び他方の空気室内への加圧空気の給排を切り換えるものである。第2電磁弁5は、例えば一対のソレノイド5a,5bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド5a,5bは制御部6から指令信号を受けて励磁されるようになっている。なお、本実施形態の第2電磁弁5は、三位置の電磁切換弁からなるが、中立位置を有しない二位置の電磁切換弁であっても良い。
【0044】
第2電磁弁5は、両ソレノイド5a,5bが消磁状態のときには中立位置に保持されており、空気供給装置2から第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21(吸排気ポート22)及び吸込側空気室26(吸排気口25a)への加圧空気の供給は遮断され、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21及び吸込側空気室26は、いずれも大気と連通して開放されている。
【0045】
また、第2電磁弁5は、ソレノイド5aが励磁されると、図中の下位置に切り換わり、空気供給装置2から第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21に加圧空気が供給される。その際、第2エアシリンダ部28の吸込側空気室26は大気と連通して開放されている。これにより、第2ベローズ14を収縮させることができる。
【0046】
さらに、第2電磁弁5は、ソレノイド5bが励磁されると、図中の上位置に切り換わり、空気供給装置2から第2エアシリンダ部28の吸込側空気室26に加圧空気が供給される。その際、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21は大気と連通して開放されている。これにより、第2ベローズ14を伸長させることができる。
【0047】
図2において、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21(吸排気ポート22)と第1電磁弁4との間には、第1急速排気弁61が吐出側空気室21に隣接して配置されている。第1急速排気弁61は、加圧空気を排出する排気口61aを有しており、第1電磁弁4から吐出側空気室21への加圧空気の流れを許容するとともに、吐出側空気室21から流れ出た加圧空気を排気口61aから排出するようになっている。これにより、吐出側空気室21内の加圧空気を、第1電磁弁4を介することなく、第1急速排気弁61から迅速に排出することができる。
【0048】
同様に、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21(吸排気ポート22)と第2電磁弁5との間には、第2急速排気弁62が吐出側空気室21に隣接して配置されている。第2急速排気弁62は、加圧空気を排出する排気口62aを有しており、第2電磁弁5から吐出側空気室21への加圧空気の流れを許容するとともに、吐出側空気室21から流れ出た加圧空気を排気口62aから排出するようになっている。これにより、吐出側空気室21内の加圧空気を、第2電磁弁5を介することなく、第2急速排気弁62から迅速に排出することができる。
【0049】
なお、各エアシリンダ部27,28の吸込側空気室26(吸排気口25a)と、対応する電磁弁4,5との間には急速排気弁は配置されていない。吸込側に急速排気弁を取り付けた場合、吐出側に急速排気弁を取り付けた場合と同様の効果が得られるが、その効果は吐出側ほど大きくない。そのため、吸込側の急速排気弁は、コスト面より実施例としては設置していない。
【0050】
[制御部の構成]
制御部6は、第1検知手段29及び第2検知手段31(
図3参照)の検知信号に基づいて、各電磁弁4,5を切り換えることで、ベローズポンプ10の第1エアシリンダ部27及び第2エアシリンダ部28の各駆動を制御するものである。
【0051】
具体的には、制御部6は、第1検知手段29及び第2検知手段31の検知信号に基づいて、第1ベローズ13が最収縮状態となる手前で第2ベローズ14を最伸長状態から収縮させるとともに、第2ベローズ14が最収縮状態となる手前で第1ベローズ13を最伸長状態から収縮させるように、第1及び第2エアシリンダ部27,28を駆動制御する。
【0052】
これにより、一方のベローズの収縮(吐出)から伸長(吸い込み)への切り換えタイミングにおいて、他方のベローズは既に収縮して移送流体を吐出しているので、前記切り換えタイミングにおいて移送流体の吐出圧力が大きく落ち込むのを低減することができる。その結果、ベローズポンプ1の吐出側の脈動を低減することができる。
【0053】
なお、本実施形態の制御部6は、一方のベローズ13(14)が最収縮状態となる手前で他方のベローズ14(13)を最伸長状態から収縮させているが、一方のベローズ13(14)が最収縮状態となったときに、他方のベローズ14(13)を最伸長状態から収縮させるように制御しても良い。但し、ベローズポンプ1の吐出側の脈動を低減するという観点では、本実施形態のように制御するのが好ましい。
【0054】
[電空レギュレータの構成]
図2において、第1電空レギュレータ51は、機械式レギュレータ3と第1電磁弁4との間に配置されている。第1電空レギュレータ51は、第1ベローズ13の収縮動作時において、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21に供給する加圧空気の空気圧を、第1ベローズ13の収縮特性に対応して上昇させるように調整する。
【0055】
第2電空レギュレータ52は、機械式レギュレータ3と第2電磁弁5との間に配置されている。第2電空レギュレータ52は、第2ベローズ14の収縮動作時において、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21に供給する加圧空気の空気圧を、第2ベローズ14の収縮特性に対応して上昇させるように調整する。
【0056】
図6は、第1及び第2電空レギュレータ51,52の空気圧の調整の一例を示すグラフである。
図6において、第1ベローズ13が伸長している伸長時間T1の間(伸長動作時)、第1電空レギュレータ51は、加圧空気の空気圧が常に一定の空気圧cとなるように調整する。この空気圧cは制御部6から指示される。そして、第1ベローズ13が収縮している収縮時間T2の間(収縮動作時)、第1電空レギュレータ51は、制御部6が単位時間(例えば10ms)ごとに下記の式を用いて算出した加圧空気の空気圧となるように、制御部6からの指示に従って当該空気圧を調整する。
P=aX+b
ただし、Pは出力ポートから出力される加圧空気の空気圧、aは圧力増加係数、Xは第1ベローズ13の伸縮位置、bは初期空気圧である。本実施形態では、圧力増加係数aは第1ベローズ13の収縮特性を示しており、上記初期空気圧bは、上記空気圧cよりも大きい値に設定されている。また、上記伸縮位置Xは、例えば、
図4に示すように第1ベローズ13の最伸長状態をX
0(=0mm)、
図5に示すように第1ベローズ13の最収縮状態をX
maxとし、X
0からの変位として設定されている。
【0057】
同様に、第2ベローズ14が伸長している伸長時間T3の間(伸長動作時)、第2電空レギュレータ52は、加圧空気の空気圧が常に一定の空気圧cとなるように調整する。この空気圧cは制御部6から指示される。そして、第2ベローズ14が収縮している収縮時間T4の間(収縮動作時)、第2電空レギュレータ52は、制御部6が単位時間(例えば10ms)ごとに上記式を用いて算出した加圧空気の空気圧となるように、制御部6からの指示に従って当該空気圧を調整する。ただし、この場合、Xは第2ベローズ14の伸縮位置であり、圧力増加係数aは第2ベローズ14の収縮特性を示している。
【0058】
以上のように、上記式のXをベローズ13(14)の伸縮位置とすることで、例えば吐出流体抵抗が増加して吐出時間が増えた場合であっても、後述するルックアップテーブルの圧力増加係数aの数値を固定値として使用することができる。
また、ベローズ13(14)の現在の伸縮位置は、例えば、予め位置計測によって取得されたベローズ13(14)の最伸長状態から最収縮状態までに要する時間差に基づいて算出することができる。当然ながら、ベローズ13(14)の現在の伸縮位置は変位センサ等で検出することも可能である。
【0059】
なお、本実施形態では、制御部6において両電空レギュレータ51,52が調整する空気圧を算出する際に用いる圧力増加係数a及び初期空気圧b,cは、いずれも同じ値に設定されているが、各電空レギュレータによって異なる値に設定されていても良い。
【0060】
[電空レギュレータの制御]
図2において、制御部6は、温度検出部7が検出した移送流体の温度に基づいて各電空レギュレータ51,52を制御する。本実施形態では、上述の循環路71内の移送流体を温度調整するための温度センサ76(
図1参照)が、温度検出部7として利用されている。したがって、本実施形態の制御部6は、温度センサ76の検出値に基づいて各電空レギュレータ51,52を制御する。
【0061】
なお、本実施形態では、電空レギュレータ51,52を制御するための温度検出部7として、循環路71内の移送流体を温度調整するための温度センサ76を利用しているが、ベローズポンプ10に移送流体の温度を検出する専用の温度センサを設けるようにしても良い。
【0062】
本実施形態の制御部6は、温度センサ76の検出値が低くなるほど、加圧空気の空気圧を上昇させるときの圧力増加係数aが大きくなるように各電空レギュレータ51,52を制御する。具体的には、制御部6は、複数の温度領域それぞれに対応して圧力増加係数aが設定されたルックアップテーブルを有し、このルックアップテーブルに基づいて各電空レギュレータ51,52に対して、当該各電空レギュレータ51,52が調整する空気圧を指示する。
【0063】
図7は、制御部6が有するルックアップテーブル6aの一例である。本実施形態のルックアップテーブル6aは、低温領域(10〜20℃)、中温領域(20〜60℃)、および高温領域(60〜80℃)の3種類の温度領域それぞれに対応する圧力増加係数a1、a2およびa3を示している。圧力増加係数a1〜a3は、いずれも実験的に決定される係数であり、a1>a2>a3の関係を満たすように設定される。
【0064】
なお、本実施形態の制御部6は、ルックアップテーブル方式を用いて各電空レギュレータ51,52を制御しているが、温度センサ76の検出値等から演算式を用いて圧力増加係数を算出するようにしても良い。また、温度領域は4種類以上に設定されていても良い。
【0065】
図8は、複数の温度領域それぞれに対応して制御部6により制御される電空レギュレータ51(52)の空気圧の変化を示すグラフである。
図8に示すように、低温領域、中温領域および高温領域それぞれに対応するベローズ13(14)の収縮開始時点の開始空気圧Ps1,Ps2,Ps3は、同一の値である初期空気圧bに設定されている。
そして、各温度領域に対応する空気圧は、ベローズ13(14)が収縮するに従って、圧力増加係数a1〜a3(増加直線の傾き)の違いによって互いの圧力差が大きくなり、温度領域が低いほど高い値となる。
なお、各温度領域に対応する開始空気圧Ps1〜Ps3は、例えば、温度領域が低くなるほど高い値に設定されるなど、互いに異なる値に設定されていても良い。
【0066】
図9は、移送流体の温度とベローズ13(14)の許容耐圧との関係を示すグラフである。ベローズ13(14)の「許容耐圧」とは、ベローズ13(14)の外側(吐出側空気室21)の圧力と、ベローズ13(14)の内側の圧力との差圧であって、ベローズ13(14)が変形・破損しない最大差圧である。
【0067】
図9に示すように、ベローズ13(14)の許容耐圧は、移送流体の温度が高くなるに従って低下しているのが分かる。そこで、ベローズ13(14)を保護するために、開始空気圧Ps1〜Ps3(本実施形態では初期空気圧b)、又はルックアップテーブル6a(
図7参照)における空気圧の圧力増加係数a1〜a3は、各温度領域に対応する空気圧(大気圧を含まないゲージ圧)の最大値がベローズ13(14)の許容耐圧を超えないように設定されている。
【0068】
すなわち、
図8に示すように、低温領域、中温領域および高温領域それぞれに対応する空気圧の最大値である、ベローズ13(14)の収縮終了時点の終了空気圧Pe1,Pe2,Pe3が、各温度領域の最高温度に対応するベローズ13(14)の許容耐圧を超えないように、開始空気圧Ps1〜Ps3又は圧力増加係数a1〜a3が設定されている。
例えば、高温領域(60〜80℃)の場合、終了空気圧Pe3が、高温領域の最高温度である80℃に対応するベローズ13(14)の許容耐圧(
図9では約0.6MPa)を超えないように、開始空気圧Ps3又は圧力増加係数a3が設定されている。
【0069】
制御部6による電空レギュレータ51(52)の制御は、以下のように行われる。
制御部6は、温度センサ76の検出値を取得すると、その検出値が含まれる温度領域を、ルックアップテーブル6a(
図7参照)を参照して選択する。
例えば、温度センサ76の検出値が15℃の場合、制御部6は、ルックアップテーブル6aを参照し、当該検出値が含まれる温度領域として低温領域(10〜20℃)を選択する。
【0070】
次に、制御部6は、選択した温度領域に対応する圧力増加係数aをルックアップテーブル6aを参照して決定する。例えば、選択した温度領域が低温領域の場合、制御部6は、ルックアップテーブル6aを参照し、低温領域に対応する圧力増加係数a1を圧力増加係数aとして決定する。
【0071】
次に、制御部6は、決定した圧力増加係数aを用いて上記式から空気圧を算出し、その算出した空気圧に調整するように電空レギュレータ51(52)に指示する。例えば、決定した圧力増加係数aが低温領域の圧力増加係数a1の場合、制御部6は、
図8の実線で示す低温領域に対応する圧力変化となるように、電空レギュレータ51(52)に対して調整空気圧を指示する。
【0072】
[実施例と比較例とによる効果検証]
本実施形態のベローズポンプ装置1により得られる効果を検証するために、本発明者らが行った検証試験について説明する。この検証試験は、本実施形態の電空レギュレータの制御による実施例と、従来の電空レギュレータの制御による比較例とについて、それぞれベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を比較評価することで効果を検証した。
【0073】
図10は、比較例1に係る電空レギュレータの制御によりベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を示すグラフである。
この比較例1では、移送流体の温度が低温領域に含まれる場合に、中温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したときのベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力を示すグラフである。
【0074】
図10に示す比較例1では、図中の矢印で示すように、ベローズが収縮している間に移送流体の吐出圧力が低下している。この吐出圧力の低下は、移送流体の温度低下により、ベローズが硬くなり収縮し難くなっているにも関わらず、ベローズの収縮動作時に、低温領域に対応する空気圧よりも低い、中温領域に対応する空気圧の加圧空気が空気室に供給され、ベローズに作用する空気圧が不足していることが原因と考えられる。
【0075】
図11は、実施例1に係る電空レギュレータの制御によりベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を示すグラフである。
この実施例1では、移送流体の温度が低温領域に含まれる場合に、低温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したときのベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力を示すグラフである。
【0076】
図11に示す実施例1では、ベローズが収縮している間、移送流体の吐出圧力はほとんど変化していない。したがって、
図10の比較例1と
図11の実施例1とを比較すると、移送流体の温度が低温領域に含まれる場合、中温領域に対応する圧力増加係数よりも低温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したほうが、ベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を抑制できるのが分かる。
【0077】
図12は、比較例2に係る電空レギュレータの制御によりベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を示すグラフである。
この比較例2では、移送流体の温度が高温領域に含まれる場合に、中温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したときのベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力を示すグラフである。
【0078】
図12に示す比較例2では、図中の矢印で示すように、ベローズが収縮している間に移送流体の吐出圧力が上昇している。この吐出圧力の上昇は、移送流体の温度上昇により、ベローズが柔らかくなり収縮し易くなっているのにも関わらず、ベローズの収縮動作時に、高温領域に対応する空気圧よりも高い、中温領域に対応する空気圧の加圧空気が空気室に供給され、ベローズに過剰な空気圧が作用していることが原因と考えられる。
【0079】
図13は、実施例2に係る電空レギュレータの制御によりベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を示すグラフである。
この実施例2では、移送流体の温度が高温領域に含まれる場合に、高温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したときのベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力を示すグラフである。
【0080】
図13に示す実施例2では、ベローズが収縮している間、移送流体の吐出圧力はほとんど変化していない。したがって、
図12の比較例2と
図13の実施例2とを比較すると、移送流体の温度が高温領域に含まれる場合、中温領域に対応する圧力増加係数よりも高温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したほうが、ベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を抑制できるのが分かる。
【0081】
図14は、実施例3に係る電空レギュレータの制御によりベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を示すグラフである。
この実施例3では、移送流体の温度が中温領域に含まれる場合に、中温領域に対応する圧力増加係数を用いて電空レギュレータを制御したときのベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力を示すグラフである。
【0082】
図14に示す実施例3では、ベローズが収縮している間、移送流体の吐出圧力はほとんど変化していない。したがって、中温領域に対応する圧力増加係数は、
図10の比較例1や
図12の比較例2のように、移送流体の温度が低温領域または高温領域に含まれる場合よりも、移送流体の温度が中温領域に含まれる場合に用いたほうが、ベローズポンプから吐出される移送流体の吐出圧力の変化を抑制できるのが分かる。
【0083】
以上、本実施形態のベローズポンプ装置1によれば、制御部6は、温度センサ76で検出された移送流体の温度が低くなるほど、ベローズ13(14)の収縮動作時に吐出側空気室21に供給される加圧空気の空気圧の圧力増加係数aが大きくなるように電空レギュレータ51(52)を制御する。これにより、例えば、移送流体の温度が低下してベローズ13(14)が硬くなっても、吐出側空気室21に供給される加圧空気の空気圧の圧力増加係数が大きくなることで、移送流体の温度低下前の空気圧よりも高い空気圧でベローズ13(14)を収縮させることができる。したがって、移送流体の温度変化によりベローズ13(14)の硬さが変化しても、ベローズ13(14)が収縮している間に移送流体の吐出圧力が変化するのを抑制することができる。
【0084】
また、加圧空気の空気圧における開始空気圧Ps1〜Ps3又は圧力増加係数aは、温度センサ76の検出値に基づいて、空気圧の最大値がベローズ13(14)の許容耐圧を超えないように設定されているため、空気圧の圧力増加係数aが大きくなっても、その空気圧の最大値がベローズ13(14)の許容耐圧を超えることはない。したがって、空気圧の上昇によってベローズ13(14)が変形したり破損したりするのを防止することができる。
【0085】
また、制御部6は、複数の温度領域それぞれに対応して圧力増加係数aが設定されたルックアップテーブル6aを有するため、このルックアップテーブル6aに基づいて電空レギュレータ51(52)を容易に制御することができる。
【0086】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更できるものである。例えば、ベローズポンプ10は、上記実施形態以外に、左右一対のベローズがタイロッドにより一体に連結されたベローズポンプや、一対のベローズのうちの一方をアキュムレータに入れ替えて構成されたベローズポンプ、または一対のベローズのうちの一方のベローズのみから構成されたシングルタイプのベローズポンプなど、他のベローズポンプにも適用することができる。
【0087】
また、電空レギュレータ51,52は、電磁弁4,5の上流側に配置されているが、電磁弁4,5の下流側に配置されていても良い。但し、この場合には、電空レギュレータ51,52の一次側に、電磁弁4,5を切り換えたときに生じる衝撃圧力が作用するので、電空レギュレータ51,52の故障を防止するという観点では、電磁弁4,5の上流側に電空レギュレータ51,52を配置するのが好ましい。