(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371301
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】表面を対象とする、紫外光硬化系ベンゾフェノン末端第4級アンモニウム抗菌剤
(51)【国際特許分類】
C07C 217/22 20060101AFI20180730BHJP
C07C 311/41 20060101ALI20180730BHJP
C07C 213/02 20060101ALI20180730BHJP
C07C 303/40 20060101ALI20180730BHJP
A01N 35/04 20060101ALI20180730BHJP
A01N 41/06 20060101ALI20180730BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20180730BHJP
A01N 25/34 20060101ALI20180730BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20180730BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
C07C217/22CSP
C07C311/41
C07C213/02
C07C303/40
A01N35/04
A01N41/06 Z
A01N25/10
A01N25/34 A
A01P1/00
A01P3/00
【請求項の数】29
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2015-545607(P2015-545607)
(86)(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公表番号】特表2015-536352(P2015-536352A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】CA2013001026
(87)【国際公開番号】WO2014089680
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】61/735,890
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515154908
【氏名又は名称】ナノ セーフ コーティングス インコーポレイテッド(ア フロリダ コーポレーション 3 ピー14000024914)
【氏名又は名称原語表記】NANO SAFE COATINGS INCORPORATED(A FLORIDA CORPORATION 3 P14000024914)
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ポロサ,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】モセラ,アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルファード,ギデオン
(72)【発明者】
【氏名】フーシェ,ダニエル
【審査官】
前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表平09−508158(JP,A)
【文献】
特開昭63−239253(JP,A)
【文献】
特開昭59−134756(JP,A)
【文献】
International Journal of Cosmetic Science ,1988年,10(3),p.99-109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 217/00
A01N 25/00
A01N 35/00
A01N 41/00
C07C 213/00
C07C 303/00
C07C 311/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(I)で表わされる第4級アンモニウム化合物:
(式中R
3、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素、炭素原子数が1〜6の線状アルキルまたは分岐アルキル、あるいは炭素原子数が6〜10のアリールである)であり、そして
Xはクロロ、ブロモおよびヨードからなる群から選択されるハロゲンであるが、Xがブロモの場合、nは1であり、そしてR
1およびR
2はメチルであり、mは
13、15又は17であってならない。
【請求項2】
R1およびR2がメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xがブロモか、あるいはヨードである請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R3およびR4がそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルであり、そしてR5が水素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
【請求項6】
nが1であり、Xがブロモであり、そしてR1およびR2がメチルである場合を除いて、mが13、15又は17である請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Zが次の式で表わされる基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
【請求項8】
第4級アンモニウム化合物の生成方法であって、次式(I)で表わされる第4級アンモニウム化合物:
(式中R
3、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素、炭素原子数が1〜6の線状アルキルまたは分岐アルキル、あるいは炭素原子数が6〜10のアリールである)であり、そして
Xはクロロ、ブロモおよびヨードからなる群から選択されるハロゲンである生成方法であって、この生成方法が
(a)次式(II)で表わされる化合物:
を式(III)のアルキルハロゲン化物:
(式中、nは上記に定義したものであり、そしてYはブロモまたはクロロである)と炭酸アルカリ金属の存在下で反応させて、式(IV):
(式中、nおよびYは上記に定義したものである)
で表わされる化合物を生成する工程、
(b)式(IV)の化合物を適宜式(V):
で表わされる化合物に変換する工程、および
(c)式(IV)または式(V)の化合物を式(VIa)または(VIb):
(式中、m、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は上記に定義したものである)で表わされる化合物と反応させて式(I)の化合物を生成させる工程からなる。
【請求項9】
R1およびR2がメチルである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Xがブロモおよびヨードからなる群から選択される請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
R3およびR4がそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルであり、そしてR5が水素である請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
【請求項13】
mが17である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
Zが次の式で表わされる
基である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法:
【請求項15】
上記炭酸アルカリ金属が炭酸カリウムである請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
次式(I)で表わされる化合物および環境にやさしいキャリヤーからなる抗菌性表面被膜組成物
であって:
(式中R
3、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素、炭素原子数が1〜6の線状アルキルまたは分岐アルキル、あるいは炭素原子数が6〜10のアリールである)
であり、そして
Xはクロロ、ブロモおよびヨードからなる群から選択されるハロゲンである
ものと、
環境的にやさしいキャリヤーと、
からなり、該組成物は上記表面に適用されたとき、照射可能であり、硬化可能であるもの。
【請求項17】
R1およびR2がメチルである請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
Xがブロモおよびヨードからなる群から選択される請求項16または請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
R3およびR4がそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルであり、そしてR5が水素である請求項16〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
【請求項21】
mが17である請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
Zが次の式で表わされる基である請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物:
【請求項23】
上記キャリヤーが水とアルコールとの混合物である請求項16〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
上記アルコールがメタノールである請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
抗菌性被膜を対象表面に被覆処理する方法であって、この方法が、
i)上記表面を請求項16〜24のいずれか1項の組成物で被覆処理する工程、および
ii)上記の被覆処理された表面を照射する工程
からなる方法。
【請求項26】
上記表面がポリマーまたは繊維からなる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
さらに、iii)水とイソプロパノールとの混合物を使用する洗浄工程を有する請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記照射工程で、上記の被膜処理表面に紫外光を照射する請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の第4級アンモニウム化合物であって、Zが
である第4級アンモニウム化合物によ
る抗菌処理表面の抗菌処理作用を評価する方法であって、該抗菌処理表面を照射することからなる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療界が直面している主な課題は感染症の制御であり、真菌類、細菌類やウィルスなどの微生物の拡散の抑制である。いくつかの微生物には、例えば多孔性表面などの表面に付着し、増殖してバイオフィルム(biofilm)と呼ばれるコロニーを形成する能力がある。バイオフィルムを原因とする感染症の治療に抗生物質を使用することは、医療の歴史において最も画期的なもののうちの一つである。ところが、これら抗生物質や殺菌を目的として使用される他の化学製剤が普及している間に、いくつかの微生物株(細菌など)がこれらに対して耐性を発現するようになってきている。臨床上重要な多数の微生物(例えば病原体など)に対して有効な治療法が見当たらず、一つか二つの抗生物質があるにはあるが、投与が難しく、高価であり、毒性のある副作用が強い。さらに、微生物の場合、バイオフィルムとして表面上で増殖するさいに、全体としてより耐性が強くなり、多くの感染症にバイオフィルムが関与しているものと現在は認識されている。バイオフィルムは食品加工施設における食品汚染という大きな脅威の原因になるものであり、また微生物の侵襲に弱い他の食品の腐敗の原因にもなる。
【0002】
バイオフィルムの形成を防止し、従って腐敗または感染につながる危険性を抑制する一つの方法は、ターゲットの微生物が耐性を発現しにくい抗菌被膜を表面に使用する方法である。これら被膜は制菌性または殺菌性を呈するため、ある腐敗や感染が発生した後に見られることが多い反応性になる殺菌消毒と比較した場合予防的な対処法を担保するものである。従来の抗生物質とは対照的に、細菌は、微生物を化学的ではなく機械的に抑制する抗菌被膜に対して耐性を容易には発現しない。この重要な特質が、そして実効的な抗生物質数の不安を感じさせる減少率が、近年におけるこれら抗菌被膜への関心が急速に高まっている一つの大きな理由である。
【背景技術】
【0003】
第4級アンモニウム化合物(QAC)については、抗菌活性を呈する表面活性剤として既に認識されている。QACは不可逆的に正荷電された第4級窒素原子からなり、少なくとも一つの置換基が脂肪族長鎖であることが多い。これら化合物を合成する場合、Menshutkin反応(即ち第3級アミンとアルキルハロゲン化物との反応)後第3級アミンの第4級化を行う。
【0004】
ある個別の理論によって制限されるものではないが、QACの殺菌作用モードは多工程である。最初に、QACが細菌の細胞壁に吸着する。次に、QACの長い疎水性アルキル鎖が細菌の細胞膜を構成するリン脂質二重層と相互作用し、細胞壁に応力を加えるその流動性および構造を改変する。最後に、細胞壁に付加された応力がリン脂質二重層をひっくり返し、細胞質物質を追い出し、最終的に細胞死に至る。
【0005】
重合した抗菌被膜の場合、化学的に安定で、毒性を示さず、揮発性を示さないため、基体からの化学物質の浸出に依存する従来の抗菌被膜よりも効率が高く、選択性も高い上に環境的により安全である。過去35年にわたって熱可塑性ポリマー溶液に抗菌被膜を利用することが常識であった。さらに、抗菌剤を熱可塑性ポリマーに利用するために通常使用されている溶剤は、例示するとテトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)である。これら溶剤は、ポリウレタン、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポリカーボネートなどの表面を始めする重合体表面を攻撃する能力をもつ。この攻撃によって表面が歪むことが多く、表面における溶剤の一体性が変化する。この変化によって、抗菌成分の濃度が抑制に必要な閾値を下回った時に、抗菌成分に対して耐性がある微生物細胞、そして後工程での他の成分による付着度が強くなる。また、従来の被膜の場合、表面への被覆後、この表面から溶剤を完全に蒸発させるためにほぼ24時間程度の乾燥時間が必要になる。
【0006】
抗菌性被膜の開発は、熱可塑性ポリマーに利用することができる好適な抗菌剤の入手性によって制限を受ける。銀は元素形態および塩形態の両形態で使用される一つの代表的な試剤であるが、銀を重合した物質に利用する技術は手間がかかる上に、コストも高く、環境にやさしくない。さらに、銀は性能が弱く、微生物に対して有効なレベルに達するためには8時間もの時間が必要であり、銀で処理した物質には通常退色が見られる。このように、微生物を根絶するともに、バイオフィルムの形成を防止する、コストが低く、耐久性もあり、有効な上に有害な副作用のない組成物が長い間求められている。
【0007】
抗菌性被膜のポリマー表面上における安定性をレベルアップするさいには、抗菌剤の不可逆的な共有付着が望ましい。通常官能基化した表面および/または抗菌性分子を使用する抗菌剤をポリマー表面にグラフトする方法が開発されている。これら官能基化技術の一部の場合、コストが高い上に、広い範囲から合成方法論を選択する必要がある。近年、光反応基が関与する光活性化系について報告がある。ベンゾフェノンは普及している光反応性基であり、一般に芳香剤や化粧品として利用されている。現在、ベンゾフェノン基をQACに導入すると、QACを重合した面に永続的に結合できる可能性があることが分かっている。
【0008】
USP3,697,402には、光硬化性チオールキャップ化ポリアルケンポリマーが開示されている。このポリアルケンポリマーの場合、対象表面に被覆され、紫外(UV)光に暴露されると、特に密閉剤、被覆剤や接着剤として使用できる固形生成物が得られる。
USP4,948,819には、UV硬化ラッカー被膜として使用される、光活性結合分子を有する水溶性の第4級アンモニウムメタクリレート被膜が開示されている。
USP5,714,360には、化学的架橋剤X−Y−X(Xは光反応性ラジカル、そしてYはある化合物を他の化合物または基体に結合するために使用される窒素含有基である)が開示されている。
J.C.Tillerなどは、(Proceedings of the National Academy of Sciences、2001、
98、5981)において、ポリビニルピロリドン(PVP)−QACからなる表面被膜組成物であって、表面が予め官能基化されたガラス表面で、PVP−QACが官能基に結合した表面被膜組成物を記載している。この表面の場合、塩化アシル化合物を使用して予め官能基化し、被膜がガラス表面に結合できるようにしておく必要がある。
米国特許出願公開第2006/0147413号には、蛋白質、遺伝子、ベクトルや細胞などの分子治療剤を効果的に利用するために使用する反応性基バイオマテリアルを介して結合した水溶性の光活性ポリマーが開示されている。
米国特許出願公開第2007/0231291号には、表面を細菌攻撃や真菌攻撃から保護するために使用する重合したQAC−ポリエチレンイミンが開示されている。
国際特許出願公開第WO2010/065421号には、レオロジー改良剤または抗菌剤を含有し、抗菌剤が被膜ポリマーに共有結合していないUV硬化性被膜が開示されている。
国際特許出願公開第WO2010/096444号には、予め官能基化された表面に結合し、この表面に抗菌活性を付与できるUV硬化性ポリエチレンイミンポリマーが開示されている。上記表面を7−オクテニルトリクロロシランと反応させることによって官能基化を行う。
V.P.Dhende等は(Application of Material Interfaces、2001、
3、2830)において、予め官能基化された表面に結合し、この表面に抗菌活性を付与できるUV硬化性ポリエチレンイミン共重合体が開示されている。上記表面をオクチルトリクロロシランと反応させることによって官能基化を行う。
国際特許出願公開第WO2011/139817号には、予め官能基化された表面に結合し、この表面に抗菌活性を付与できるUV硬化性ビニル置換ポリエチレンイミンが開示されている。上記表面を7−オクテニルトリクロロシランと反応させることによって官能基化を行う。
Mustafa Baris Yagciは(“Self−Stratifying Antimicrobial Coatings”、Ph.D.dissertation、January 16、2012)において、特にQAC−結合ポリウレタン表面被膜を記載している。
このように、細菌耐性を最小化するか、あるいは細菌耐性を排除できる耐久性がある上に環境的に安全な抗菌表面被膜が長い間求められてきていることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】USP3,697,402
【特許文献2】USP4,948,819
【特許文献3】USP5,714,360
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0147413号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0231291号
【特許文献6】国際特許出願公開第WO2010/065421号
【特許文献7】国際特許出願公開第WO2010/096444号
【特許文献8】国際特許出願公開第WO2011/139817
【0010】
【非特許文献1】J.C.Tiller et al.、Proceedings of the National Academy of Sciences、2001、98、5981
【非特許文献2】V.P.Dhende et al.、Application of Material Interfaces、2001、3、2830
【非特許文献3】Mustafa Baris Yagci、“Self−Stratifying Antimicrobial Coatings”、Ph.D.dissertation、January 16、2012
【非特許文献4】Wang、X&Schneider、H.Binding of dansylamide derivatives to nucleotides and nucleic acid、J.Chem.Soc.Perkin Trans.2、1998、1323−1328
【非特許文献5】Hillman G.R.et al.、Effects of Dansylated Acetylcholine Analogs on Schistosoma a Mansoni、J.Pharm.Sci.、1980、69(5)、516−520
【非特許文献6】Saettone et al.、International Journal of Cosmetic Science、1988、10、99−109
【非特許文献7】Acosta et al.、Polymer Degradation and Stability、1996、52,11−17
【非特許文献8】Markison C and Swan J.、“The effect of humidity on the Survival of MRSA on Hard Surfaces”、Indoor and Built Environment、2006、15(1)、85−91
【発明の概要】
【0011】
本発明の一つの態様は、下記の式(I)で表わされる新規な第4級アンモニウム化合物を提供するものである。
【0012】
本発明の別な態様は、式(I)で示される第4級アンモニウム化合物の製造方法を提供するものである。
この製造方法は、式(II)の化合物:
を式(III)のアルキルハロゲン化物:
(式中、Yはクロロまたはブロモから選択されるハロゲンであり、好ましくはブロモである)と炭酸アルカリ金属の存在下で反応させて、式(IV):
で表わされる化合物を生成する工程(a)、
式(IV)の化合物を適宜式(V):
で表わされる化合物に変換する工程(b)、および
式(IV)または式(V)の化合物を式(VIa)または式(VIb):
【0013】
上記製造方法の好適な実施態様では、DMF、THFまたはアセトニトリルなどの極性かつ非プロトン性の反応溶剤中で、好ましくはアセトニトリル中で上記製造方法を行う。また、この製造方法は反応溶剤の還流温度で実施することが可能である。製造方法時間については、約18時間〜約36時間であればよく、好ましくは24時間である。最終生成物については好ましくはクロマトグラフィーか再結晶化などによって適宜精製することが可能である。
【0014】
本発明の別な態様は、式(I)の化合物および環境にやさしいキャリヤーからなる抗菌性表面被膜組成物を提供するものである。
【0015】
本発明のさらに別な態様は、対象となる表面を抗菌性被膜で処理する方法に関する。この処理方法は、式(I)の化合物および環境にやさしいキャリヤーからなる組成物を上記表面に接触させる工程、このようにして被膜された表面を照射する工程および適宜この被膜された表面を洗浄する工程からなる。
【0016】
上記以外の他の態様については、当業者ならば読み取ることができるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ブロモフェニルブルーで染色した抗菌表面処理を示す図である。
【
図2】紫外光下で蛍光発光する抗菌処理を示す図である。
【
図3】実施例1の化合物1aの
1HNMRを示す図である。
【
図4】実施例1の化合物1aの
13CNMRを示す図である。
【
図5】実施例2の化合物1bの
1HNMRを示す図である。
【
図6】実施例2の化合物1bの
13CNMRを示す図である。
【
図7】実施例3の化合物2aの
1HNMRを示す図である。
【
図8】実施例3の化合物2aの
13CNMRを示す図である。
【
図9】実施例4の化合物3aの
1HNMRを示す図である。
【
図10】実施例4の化合物3aの
13CNMRを示す図である。
【
図11】実施例5の化合物3bの
1HNMRを示す図である。
【
図12】実施例5の化合物3bの
13CNMRを示す図である。
【
図13】実施例6の化合物1cの
1HNMRを示す図である。
【
図14】実施例6の化合物1cの
13CNMRを示す図である。
【
図15】実施例7の化合物2cの
1HNMRを示す図である。
【
図16】実施例7の化合物2cの
13CNMRを示す図である。
【
図17】実施例8の化合物3cの
1HNMRを示す図である。
【
図18】実施例8の化合物3cの
13CNMRを示す図である。
【
図19】実施例9の化合物4aの
1HNMRを示す図である。
【
図20】実施例9の化合物4aの
13CNMRを示す図である。
【
図21】実施例10の化合物4bの
1HNMRを示す図である。
【
図22】実施例10の化合物4bの
13CNMRを示す図である。
【
図23】実施例11の化合物4cの
1HNMRを示す図である。
【
図24】実施例11の化合物4cの
13CNMRを示す図である。
【
図25】実施例12の化合物5aの
1HNMRを示す図である。
【
図26】実施例12の化合物5aの
13CNMRを示す図である。
【
図27】実施例13の化合物5cの
1HNMRを示す図である。
【
図28】実施例13の化合物5cの
13CNMRを示す図である。
【
図29】実施例14の化合物6aの
1HNMRを示す図である。
【
図30】実施例14の化合物6aの
13CNMRを示す図である。
【
図31】実施例15の化合物6bの
1HNMRを示す図である。
【
図32】実施例15の化合物6bの
13CNMRを示す図である。
【
図33】実施例16の化合物6cの
1HNMRを示す図である。
【
図34】実施例16の化合物6cの
13CNMRを示す図である。
【
図35】実施例17の化合物7aの
13CNMRを示す図である。
【
図36】実施例17の化合物7aの
13CNMRを示す図である。
【
図37】実施例18の化合物7bの
1HNMRを示す図である。
【
図38】実施例18の化合物7bの
13CNMRを示す図である。
【
図39】実施例19の化合物7cの
1HNMRを示す図である。
【
図40】実施例19の化合物7cの
13CNMRを示す図である。
【
図41】実施例20の化合物8aの
1HNMRを示す図である。
【
図42】実施例20の化合物8aの
13CNMRを示す図である。
【
図43】実施例21の化合物8cの
1HNMRを示す図である。
【
図44】実施例21の化合物8cの
13CNMRを示す図である。
【
図45】実施例22の化合物9aの
1HNMRを示す図である。
【
図46】実施例22の化合物9aの
13CNMRを示す図である。
【
図47】実施例23の化合物9bの
1HNMRを示す図である。
【
図48】実施例23の化合物9bの
13CNMRを示す図である。
【
図49】実施例24の化合物9cの
1HNMRを示す図である。
【
図50】実施例24の化合物9cの
13CNMRを示す図である。
【0018】
本発明は、紫外光活性部分に結合した新規な第4級アンモニウム化合物、この化合物の製造方法、および対象表面をこの化合物で処理して耐久性を示す抗菌化処理物品を得る処理に関する。
【0019】
本発明の第4級アンモニウム化合物は、それぞれ独立して同じか異なる、2つのアルキル基に結合した正荷電の窒素中心、紫外光活性部分、長分子アルキル鎖、およびハロゲン対イオンからなる。2つのアルキル基としてそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはi−プロピルが好ましく、最も好ましいのはメチルである。アルキル鎖の炭素原子数としては少なくとも12以上であるのが好ましく、より好ましくは12〜36であり、最も好ましくは12、13、14、15、16、17、18のいずれかの炭素原子数
である。アルキル鎖は分岐状でもよく、あるいは線状でもよく、好ましいのは線状アルキル鎖である。紫外光活性部分は、好ましくは炭素原子数が3〜6のアルキル鎖を介して正荷電の窒素中心に結合している。アルキル鎖としては線状アルキル鎖が好ましく、紫外光活性部分としてはベンゾフェノンが好ましい。ハロゲン対イオンとしてはクロロ、ブロモおよびヨードからなる群から選択されるものが好ましく、そしてクロロまたはブロモから選択されるものが最も好ましい。ただし、ハロゲンがブロモの場合、紫外光活性部分を窒素中心に結合するアルキル鎖は炭素原子数が3であり、2つのアルキル基はメチルであり、長分子アルキル鎖の炭素原子数は18であってはならない。
【0020】
本発明の第4級アンモニウム化合物については、それぞれ独立して同じか異なる、2つのアルキル基に結合した正荷電の窒素部分、紫外光活性部分、および次式(VIb)のジ−N−置換−ジアルキルアミノプロピルナフタレン−1−スルホンアミド基から構成することもできる。
式中、R
3、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素、炭素原子数が1〜6の線状アルキルまたは分岐アルキルまたは炭素原子数が6〜10のアリールであり、R
3およびR
4についてはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルが好ましく、またR
5については水素が好ましい。2つのアルキル基としてはそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはi−プロピルが好ましく、最も好ましいのはメチルである。紫外光活性部分は、好ましくは炭素原子数が3〜6のアルキル鎖を介して正荷電の窒素中心に結合している。アルキル鎖として線状アルキル鎖が好ましく、紫外光活性部分としてはベンゾフェノンが好ましい。ジ−N−置換−ジアルキルアミノプロピルナフタレン−1−スルホンアミド基は、紫外光の下で蛍光発光し、第4級アンモニウム化合物の存在を示す指標として作用する。
【0021】
本発明の第4級アンモニウム化合物は、QAC製造において公知な合成方法に改変を加えることによって製造できる。一般的には、第1工程で、還流条件下において極性非プロトン性溶剤中炭酸アルカリ金属の存在下においてベンゾフェノンをジハロアルカンと反応させる。ジハロアルカンは同じか異なるハロゲン基を含有し、好ましくはクロロ、ブロモおよびヨードから選択されるハロゲン基を含有する。ジハロアルカンは炭素原子数が3〜10であり、好ましい炭素原子数は4〜9であり、最適な炭素原子数は5〜8である。炭酸アルカリ金属は炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムから選択されるものであり、最適なのは炭酸カリウムである。極性、非プロトン性溶剤としては任意の溶剤を使用することができ、DMF、アセトン、THFおよびアセトニトリルからなる群から選択するのが好ましい。最適な溶剤はアセトニトリルである。反応混合物については、反応混合物が実質的に透明になり、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析によって出発物質が完全に消費されたことが判明する時間まで加熱する。反応混合物を加熱還流するのが好ましい。最終ハロアルキルベンゾフェノン生成物については、好ましくはCelite
TMを使用する濾過によって単離して副生成物のハロゲン化アルカリ金属を除去し、これを極性や非プロトン性溶剤で洗浄し、Celite
TMに保持されている最終生成物がある場合にはこれを抽出し、濾液が乾燥するまでこれを蒸発処理し、好ましくはクロマトグラフィー法、最適にはカラムクロマトグラフィーを使用して最終生成物を精製処理する。溶離溶剤としては酢酸エチル/ヘキサンからなる溶剤混合物が好ましい。この最終ハロアルキルベンゾフェノン生成物については、適宜再結晶化によってさらに精製処理を行うことができる。
【0022】
上記工程のハロアルキルベンゾフェノン生成物については、適宜、還流している極性、非プロトン性溶剤、好ましくはアセトン中でこのハロアルキルベンゾフェノンをヨウ化ナトリウムと反応させることによってヨードアルキルベンゾフェノンに転換することが可能である。
【0023】
上記製造方法の第2工程では、上記ハロとしてクロロ、ブロモまたはヨードから選択した上記工程のハロアルキルベンゾフェノンを還流極性溶剤中でトリアルキルアミンと反応させる。このトリアルキルアミンのアルキル基の一つは炭素原子数が少なくとも12、好ましくは12〜36であり、より好ましくは12、13、14、15、16、17および18からなる群から選択する。アルキル鎖としては分岐鎖でもよく、線状鎖でもよい。好ましいのは線状アルキル鎖である。残りの2つのアルキル基はそれぞれ独立してXチル、エチル、n−プロピルまたはi−プロピルであり、メチルが最適である。溶剤についてはDMF、アセトン、THF、エタノール、メタノールまたはアセトニトリルから選択できる。最適な溶剤はアセトニトリルである。反応については、出発物質が実質的に存在しなくなるまで続行する。反応の進行をモニターする一つの方法はTLCである。他の方法も利用可能である。第4級アンモニウム生成物については、クロマトグラフィー法によって精製するのが好ましく、カラムクロマトグラフィーによって精製するのが最適である。溶離溶剤としてはメタノールおよびアセトニトリル中に6%の臭化ナトリウムを含有する溶剤混合物が好ましい。最終第4級アンモニウム生成物については、混合溶剤、好ましくはエタノール/アセトンからの再結晶によって適宜さらに精製することができる。
【0024】
次式(VIb)のジ−N−置換−ジアルキルアミノプロピルナフタレン−1−スルホンアミド基でキャップした第4級アンモニウム化合物の合成については、
(式中、R
3、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素、炭素原子数が1〜6の線状アルキルまたは分岐アルキルまたは炭素原子数が6〜10のアリールであり、R
3およびR
4についてはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルが好ましく、またR
5については水素が好ましい)上記工程からのハロアルキルベンゾフェノンをアルキル基の一つが5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホンアミドプロピルで、残りの2つのアルキル基がそれぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはi−プロピルから選択されるもので、好適にはメチルであるトリアルキルアミンと反応させることによって実施できる。ハロアルキルベンゾフェノンのハロ基はクロロ、ブロモまたはヨードであればよい。この反応はDMF、アセトン、THF、メタノール、エタノールまたはアセトニトリルから選択する還流極性溶剤中で実施できる。最適な溶剤はアセトニトリルである。反応については、出発物質が実質的に存在しなくなるまで続行する。反応の進行をモニターする一つの方法はTLCである。第4級アンモニウム生成物については、冷たいジエチルエーテル、より好ましくは約−10℃〜約10℃の温度か、好ましくは約0℃の温度のジエチルエーテルの添加により反応混合物から沈殿させ、反応溶剤を蒸発させることによって単離する。
【0025】
別な実施態様における本発明の第4級アンモニウム化合物は、硬質表面の抗菌処理に使用できる。個別の理論に拘るものではないが、第4級アンモニウム化合物の紫外光活性部分は紫外光の存在下でジラジカル種に転換し、C−H結合をもつ表面と反応し、共有C−C結合を生成する。この結果、第4級アンモニウム化合物の固着した、耐久性のある抗菌被膜が得られる。
【0026】
硬質表面などの物品の処理については、本発明の第4級アンモニウム化合物の溶液を使用して表面を浸漬処理、塗布処理、噴霧処理または被膜処理することにより実施できる。処理対象表面としては、内面および/または外面でもよい。処理溶液は環境にやさしい溶液で、水または水/アルコール溶剤混合物キャリヤーからなる。好ましいのは水/メタノール、水/エタノールまたは水/イソプロパノールで、最適なのは水または水/イソプロパノールである。処理溶液中の第4級アンモニウム化合物量は、容量%で約0.01%〜約1%、好ましくは約0.05%〜約0.5%である。一つの実施態様では、予めイソプロパノールで洗浄し、乾燥処理したポリ塩化ビニルを使用し、紫外光活性部分が炭素原子数5のアルキル鎖で窒素中心に結合した炭素原子数18の第4級アンモニウム化合物の0.05%溶液または0.5%溶液でこれを処理する。キャリヤーは、水/メタノール溶液混合物である。予め洗浄し、乾燥処理したポリ塩化ビニル(PVC)基体に上記溶液を電気噴霧してから、十分な被膜が得られるまで紫外光照射を行う。一般的な紫外光波長は約200〜400nmであり、好適な紫外光波長は約345〜約365nmである。被膜処理したPVC基体については、適宜、水/イソプロパノール混合物でリンス処理し、乾燥処理する。
【0027】
図1を参照して説明すると、本発明の抗菌処理を示すために、紫外光活性部分が炭素原子数5のアルキル鎖で窒素中心に結合した炭素原子数18の第4級アンモニウム化合物を使用して処理したPVC基体を水洗し、ブロモフェニルブルーで処理した。また、本発明の抗菌処理を示すために、第2のPVC基体サンプルを同じ第4級アンモニウム化合物で処理し、イオン洗浄剤で洗浄し、水でリンス処理し、ブロモフェニルブルーで処理した。
【0028】
図2を参照して説明すると、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホンアミドプロピル第4級アンモニウム化合物で処理したシリコーンチューブ基体は、紫外光の下で蛍光発光し、本発明の抗菌処理の存在を示している。
【0029】
図3〜
図50について説明する。横軸はNMRの化学ピークの化学シフト(単位ppm)を示し、縦軸は化学シフトピークの強度を示す。
以下に非制限的な実施例を示す。
【0030】
出発物質
特に断らない限り、すべての試薬およびすべての溶剤は、Sigma−Aldrich社から入手したもので、入手状態のものをそのまま使用した。炭酸カリウムはFisher社から、N,N−ジメチルオクタデシルアミンはAcros社から、そしてヨウ化ナトリウムはBDH社から入手した。5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ナフタレン−1−スルホンアミド(化合物10)は文献:Wang、X&Schneider、H.Binding of dansylamide derivatives to nucleotides and nucleic acid、J.Chem.Soc.Perkin Trans.2、1998、1323−1328;Hillman G.R.et al.、Effects of Dansylated Acetylcholine Analogs on Schistosoma a Mansoni、J.Pharm.Sci.、1980、69(5)、516−520に記載されている方法に従って用意した。ポリ塩化ビニル(PVC)については、Oran Industries社(Woodbridge ON)から入手し、そしてシリコーンチューブについてはVWRブランドの精選シリコーン製チューブ(0.062×0.125×0.032cm)を使用した。使用した紫外光換気フードには、G30T8 30ワット殺菌蛍光球を装着したものを使用し、HanoviaユーティリティUV石英灯の出力は140ワットであった。抗菌性試験に使用したトリプチケースソイ寒天培地(Trypticase soy agar)は、Bio Basic Canada Inc.社のAgar Aであった。
【0031】
機器分析方法
溶剤として重水素化クロロホルム(CDCl
3)を使用して400MHz Bruker Avance分光計で核磁気共鳴(NMR)実験を行った。
1HNMR(400MHz)については残留プロトン化溶剤共鳴信号(CHCl
3:7.26ppm)を参照し、そして
13C(100.6MHz)については溶剤の中心炭素共鳴信号(CDCl
3:77.0ppm)を参照した。すべての化学シフトは、溶剤に対してδ(ppm)で示す。すべてのカラムクロマトグラフィー(TLC)については、特に断らない限り、EtOAc/ヘキサン(20:80)溶液を使用するシリカゲル60溶離法によって行った。融点については、Fischer Scientific melting point装置を使用して測定した。紫外光光源としては出力が140ワットの石英水銀灯を使用した。
【実施例】
【0032】
参考実施例:(1a−b;2a−b;3a−b)の合成
50mLの円形ボトムフラスコを使用して、ジハロアルカン(4当量)および炭酸カリウム(2当量)をアセトニトリル(10mL)に溶解した。滴下漏斗を使用して、アセトニトリル(10mL)に溶解した4−ヒドロキシベンゾフェノン(1当量)の溶液を用意し、これを還流下一滴ずつ添加した。透明な溶液が得られるまで、あるいはTLCによって出発物質4−ヒドロキシベンゾフェノンが消失したことが判明するまで、生成した黄色混合物を還流下加熱した。過剰な臭化カリウム塩をCelite
TMで濾別し、これをアセトン(10mL)で洗浄した。混合物を減圧下蒸発処理し、粗生成物を得た。
【0033】
粗生成物をシリカに充填し、乾式カラムクロマトグラフィー(4.5cm×5.0cmフリット、シリカ40g)によって精製し、EtOAc/ヘキサン(20:80)で溶離処理して、目的の生成物を得、これをさらにトルエン/ヘキサン(1:3)から再結晶化した。
【0034】
参考実施例2:4−O−(n−ヨードアルキル)ベンゾフェノン前駆体(1c、2c、3c)の合成
50mLの円形ボトムフラスコを使用して、4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノン(1当量)およびヨウ化ナトリウム(3当量)をアセトン(10mL)中で混合し、得られた混合物について24時間還流状態に維持するか、あるいはTLCによって出発物質(EtOAc/ヘキサン20:80)が消失したことが判明するまで還流状態を維持した。過剰なヨウ化ナトリウム塩および臭化ナトリウム塩をCelite
TMで濾別し、冷たいヘキサンで洗浄処理した。次に、溶剤抽出物を減圧蒸発処理し、粗生成物をシリカに乾式充填し、乾式カラムクロマトグラフィー(4.5cm×5.0cmフリット、シリカ40g)によって精製し、EtOAc/ヘキサン(20:80)で溶離し、目的の生成物を得た。さらに、トルエン/ヘキサン(1:2)からの再結晶を行った。
【0035】
参考実施例3:N−(n−(4−ベンゾフェノキシ)アルキル)−N,N−ジメチルオクタデカン−1−アンモニウムハライドの合成
20mLのスクリューキャップバイアルを使用して、N,N−ジメチルオクタデシルアミン(1.1当量)および4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノン(1.0当量)をアセトニトリル(1mL)中で混合した。得られた混合物について100℃の砂浴中で24時間撹拌状態を維持するか、あるいはTLCによって出発物質(アセトン/アンモニア15:1)が消失したことが判明するまで撹拌状態を維持した。次に、バイアルを除熱し、周囲条件で冷却し、粗生成物を得た。エタノール/アセトン(1:3)を使用して粗生成物を再結晶化させて真空下蒸発処理し、目的の生成物を得た。
【0036】
参考実施例4:n−(4−ベンゾフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルアルキル−1−アンモニウムハライドの合成
20mLのスクリューキャップバイアルを使用して、5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ナフタレン−1−スルホンアミド10(1.0当量)およびハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノン(1.0当量)をアセトニトリル(2mL)に溶解した。得られた溶液について100℃の砂浴中で24時間撹拌状態を維持するか、あるいはTLCによって出発物質(EtOAc/ヘキサン20:80)が消失したことが判明するまで撹拌状態を維持した。次に、冷たいジエチルエーテル(4mL)を一滴ずつ添加することによって得られた溶液から残留物を沈殿させ、真空下蒸発処理し、目的の生成物を得た。
【0037】
実施例1:4−O−(3−ブロモプロピル)ベンゾフェノン1a
文献:Saettone et al.、International Journal of Cosmetic Science、1988、10、99−109に記載されている4−ヒドロキシベンゾフェノンのハロゲン化物アルキル化の一般的な方法に従って、1,3−ジブロモプロパン(60.5mmol、6.14mL)、炭酸カリウム(30.2mmol、4.18g)および4−ヒドロキシベンゾフェノン(15.1mmol、3.0g)を還流下アセトニトリル(20mL)中で24時間撹拌し、4−O−(3−ブロモプロピル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン中で再結晶化させて、化合物1aを得た(収量3.22g、収率66.7%)。C
16H
15BrO
2;オフホワイト色粉末。融点54〜66℃、
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ2.35(m、−CH
2、2H)、3.62(m、−CH
2、2H)、4.21(m、−CH
2、2H)、6.95(s、Ar、2H)、7.55(m、Ar、2H)、7.60(m、Ar、1H)、7.75(m、Ar、2H)、7.80(m、Ar、2H)ppm;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ195.52(C5)、162.31(C9)、138.24(C4)、132.58(C3)、129.74(C1)、129.73(C6)、128.21(C2)、114.04(C8)、65.53(C10)、32.14(C12)、29.74(C11)ppm。HRMS−DART(m/z):C
16H
15BrO
2の[M
+]計算値319.0334;実測値319.0329。
【0038】
実施例2:4−O−(3−クロロプロピル)ベンゾフェノン1b
このグループから誘導される一般的な方法に従って、1−ブロモ−3−クロロプロパン(50.4mmol、5.00mL)、炭酸カリウム(25.3mmol、3.49g)および4−ヒドロキシベンゾフェノン(12.6mmol、2.50g)を還流下アセトニトリル(20mL)中で24時間撹拌し、4−O−(3−クロロプロピル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン中で再結晶化させて、化合物1bを得た(収量1.21g、収率34.9%)。C
16H
15ClO
2;オフホワイト色粉末。
1HNMR(CDCl
3、400
(Cl)、128.21(C2)、114.04(C8)、65.53(C10)、32.14(C12)、29.73(C11)ppm。なお、化学特性は、Saettoneet al.、International Journal of CosmeticScience、1988、10、99−109の記載に従って得られたものと一致する。
【0039】
実施例3:4−O−(4−ブロモブチル)ベンゾフェノン2a
文献:Saettone et al.、International Journal of Cosmetic Science、1988、10、99−109に記載されている4−ヒドロキシベンゾフェノンのハロゲン化物アルキル化の一般的な方法に従って、1,4−ジブロモブタン(50.4mmol、6.02mL)、炭酸カリウム(25.3mmol、3.49g)および4−ヒドロキシベンゾフェノン(12.6mmol、2.50g)を還流下アセトニトリル(20mL)中で24時間撹拌し、4−O−(4−ブロモブチル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン中で再結晶化させて、化合物2aを得た(収量3.846g、収率91.6%)。C
17H
17BrO
2;淡黄色粉末;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=1.99(m、−CH
2−、2H)、2.09(m、−CH
2−、2H)、3.51(m、−Br−CH
2、2H)、4.09(m、−O−CH
2、2H)、6.95(m、−Ar、2H)、7.45(m、−Ar、2H)、7.55(m、−Ar、1H)、7.75(m、−Ar、2H)、7.85(m、−Ar、2H)ppm;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ195.52(C5)、162.51(C9)、138.27(C4)、132.57(C3)、131.90(1)、129.72(C6)、128.20(2)、113.99(8)、67.13(C10)、33.31(C13)、29.36(C11)、27.76(C12)ppm。HRMS−DART(m/z):C
17H
17BrO
2の[M
+]計算値333.0490;実測値333.0486。
【0040】
実施例4:4−O−(6−ブロモヘキシル)ベンゾフェノン3a
文献:Saettone et al.、International Journal of Cosmetic Science、1988、10、99−109に記載されている4−ヒドロキシベンゾフェノンのハロゲン化物アルキル化の一般的な方法に従って、1,6−ジブロモヘキサン(40.4mmol、6.21mL)、炭酸カリウム(20.2mmol、2.79g)および4−ヒドロキシベンゾフェノン(10.1mmol、2.00g)を還流下アセトニトリル(20mL)中で24時間撹拌し、4−O−(6−ブロモヘキシル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン中で再結晶化させて、化合物3aを得た(収量1.495g、収率42.7%)。C
19H
21BrO
2;白色粉末;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=1.55(m、−CH
2−、4H)、1.88(m、−CH
2−、4H)、3.45(m、−Br−CH
2、2H)、4.09(m、−O−CH
2、2H)、6.95(m、−Ar、2H)、7.45(m、−Ar、2H)、7.55(m、−Ar、1H)、7.79(m、−Ar、4H)ppm、;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ195.52(C5)、162.75(C9)、138.22(C4)、132.57(C3)、129.98(C7)、129.72(C1)、128.18(C2)、114.00(C8)、67.99(C10)、33.78(C15)、32.63(C14)、28.94(C11)、27.88(C13)、25.25(C12)ppm。HRMS−DART(m/z):C
19H
21BrO
2の[M
+]計算値361.0803;実測値361.0796。
【0041】
実施例5:4−O−(6−クロロヘキシル)ベンゾフェノン3b
4−ヒドロキシベンゾフェノンのハロゲン化物アルキル化の一般的な方法に従って、1−ブロモ-6−クロロヘキサン(13.9mmol、2.77mL)、炭酸カリウム(25.2mmol、3.49g)および4−ヒドロキシベンゾフェノン(12.6mmol、2.50g)を還流下アセトニトリル(20mL)中で24時間撹拌し、4−O−(6−クロロヘキシル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン中で再結晶化させて、化合物3bを得た(収量3.07g、収率76.8%)。C
19H
21ClO
2;オフホワイト色粉末;融点64〜67℃;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=1.55(m、−CH
2−、4H)、1.85(m、−CH
2−、4H)、3.51(m、−Cl−CH
2、2H)、4.06(m、−O−CH
2、2H)、6.95(m、−Ar、2H)、7.49(m、−Ar、2H)、7.52(m、−Ar、1H)、7.77(m、−Ar、4H)ppm、;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ195.54(C5)、162.74(C9)、138.34(C4)、132.57(C3)、129.72(C1)、128.18(C2)、114.00(C8)、67.99(C10)、30.32(C15)、30.20(C14)、28.92(C11)、25.02(C13)ppm。HRMS−DART(m/z):C
19H
21ClO
2の[M
+]計算値317.1308;実測値317.1311。
【0042】
実施例6:4−O−(3−ヨードプロピル)ベンゾフェノン1c
【0043】
実施例7:4−O−(4−ヨードブチル)ベンゾフェノン2c
化合物2cの合成については、既にAcosta et al.の報告:Polymer Degradation and Stability、1996、52,11−17がある。ハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノン化合物における臭素をヨウ素で置換するハロゲン化物置換の一般的な方法の応用合成アプローチに従って、4−(4−ブロモブトキシ)(フェニル)(フェニル)メタノン(3.00mmol、1.00g)およびヨウ化ナトリウム(6.00mmol、0.900g)を還流下アセトン(10.0mL)中で24時間混合し、4−O−(4−ヨードブチル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン(1:2)中で再結晶化させて、化合物2cを得た(収量1.03g、収率90.2%)。C
15H
16IO
2;淡黄色粉末;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=2.00(m、−CH
2−、4H)、3.39(m、I−CH
2−、2H)、4.05(m、−O−CH
2、2H)、6.95(m、−Ar、2H)、7.51(m、−Ar、3H)、7.79(m、−Ar、4H)ppm、;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ=195.52(C5)、162.51(C9)、138.27(C4)、132.58(C3)、131.90(C7)、129.72(C1)、128.20(C2)、113.99(C8)、66.92(C10)、30.05(C11)、30.01(C12)、6.21(C13)ppm。
1HNMR化学シフトは、上記のAcosta et al.が報告している化学シフトに一致する。
【0044】
実施例8:4−O−(6−ヨードヘキシル)ベンゾフェノン3c
この化合物の合成については、既にAcosta et al.の報告:Polymer Degradation and Stability、1996、52,11−17がある。ハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノン化合物における臭素をヨウ素で置換するハロゲン化物置換の一般的な方法に概略が記載されている応用合成アプローチに従って、4−((3−ブロモヘキシル)オキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(1.38mmol、0.500g)およびヨウ化ナトリウム(4.15mmol、0.622g)を還流下アセトン(10.0mL)中で24時間混合し、4−O−(6−ヨードヘキシル)ベンゾフェノンの粗生成物を得、これをトルエン/ヘキサン(1:2)中で再結晶化させて、化合物3cを得た(収量0.480g、収率85.0%)。C
19H
21IO
2;オフホワイト色粉末;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=1.55(m、−CH
2−、4H)、1.85(m、−CH
2−、4H)、3.21(m、−I−CH
2、2H)、4.05(m、−O−CH
2、2H)、6.95(m、−Ar、2H)、7.51(m、−Ar、3H)、7.77(m、−Ar、4H)ppm、;
13CNMR(CDCl
3、100MHz)δ195.54(C5)、162.74(C9)、138.34(C4)、132.57(C3)、130.00(C7)、129.72(C1)、128.17(C2)、114.00(C8)、67.99(C10)、33.32(C14)、30.20(C11)、28.92(C13)、25.02(C12)、6.89(C15)ppm。
1HNMR化学シフトは、上記のAcosta etal.が報告している化学シフトに一致する。
【0045】
実施例9:プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミド4a
この化合物については、既に文献:Saettone et al.、International Journal of Cosmetic Science、1988、10、99−109に報告がある。N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(3−ブロモフェニル)ベンゾフェノン(0.313mmol、0.100g)、N−ジメチルオクタデシルアミン(0.345mmol、0.103g)およびアセトニトリル(1mL)を100℃の砂浴中24時間撹拌し、プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミド4aの粗生成物を得た(粗収量:0.194グラム、粗収率:101%)。C
36H
58BrNO
2;淡黄色固体;融点58〜68℃(文献記載の融点81〜83℃);
1HNMRδ=
DART(m/z):C
36H
58BrNO
2の[M
+−Br]計算値536.4478;実測値536.4462。
【0046】
実施例10:プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムクロリド4b
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(3−クロロプロピル)ベンゾフェノン(0.910mmol、0.250g)、N−ジメチルオクタデシルアミン(1.00mmol、0.298g)およびアセトニトリル(1mL)を100℃の砂浴中24時間撹拌し、プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムクロリド4bの粗生成物を得た(粗収量:0.383g、粗収率:77.0%)C
36H
58ClNO
2;淡黄色粉末;
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ=0.88(m、−CH
3−、3H)、1.30(m、−CH
2−、34H)、
(C11)、22.75(C23)、14.11(C24)ppm。HRMS−DART(m/z):C
36H
58ClNO
2の[M
+−Cl]計算値536.4461;実測値536.4462。
【0047】
実施例11:プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージド4c
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(3−ヨードプロピル)ベンゾフェノン1c(0.575mmol、0.211g)およびN−ジメチルオクタデシルアミン(0.633mmol、0.188g)を100℃の砂浴においてアセトニトリル(1mL)中24時間撹拌し、プロピル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージドの粗生成物を得、目的の生成物4c(収量:0.363g、収率:95.1%)を得た。C
36H
58INO
2;白色粉末。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):0.87(m、H20、3H)、1.24(m、
DART(m/z):C
36H
58INO
2の[M
+−I]計算値536.4449;実測値536.4462。
【0048】
実施例12:ブチル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミド5a
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(4−ブロモブチル)ベンゾフェノン(0.752mmol、0.251g)、N−ジメチルオクタデシルアミン(0.827mmol、0.246g)およびアセトニトリル(1mL)を100℃の砂浴中24時間撹拌し、粗生成物ブチル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミド5a得た(粗収量:0.551g、粗収率:100%)を得た。C
36H
61BrNO
2;白色粉末;融点83〜87℃;
1HNMR(CDCl
3、400MHz)δ=0.88(m、−CH
3−、3H)、1.30(m、−
14.12(C27)ppm。HRMS−DART(m/z):C
37H
60BrNO
2の[M
+−Br]計算値550.4632;実測値550.4618。
【0049】
実施例13:ブチル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージド5c
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(4−ヨードブチル)ベンゾフェノン2c(0.660mmol、0.250g)およびN−ジメチルオクタデシルアミン(0.720mmol、0.215g)100℃の砂浴においてアセトニトリル(1.00mL)中24時間撹拌し、粗生成物ブチル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージドを得、これを精製して化合物5c得た(収量:0.207g、収率:46.3%)。C
37H
60INO
2;白色粉末;
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):0.85(m、H27、3H)、1.21(m、
(C16)、22.86(C25)、22.67(C26)、19.81(C12)、14.11(C27)ppm。HRMS−DART(m/z):C
37H
60INO
2の[M
+−Cl]計算値550.4635;実測値550.4618。
【0050】
実施例14:ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミド6a
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(6−ブロモヘキシル)ベンゾフェノン3a(0.692mmol、0.250g)およびN−ジメチルオクタデシルアミン(0.761mmol、0.227g)を100℃の砂浴においてアセトニトリル(1mL)中24時間撹拌し、粗生成物ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムブロミドを得、目的の化合物6a(収量:0.429g、収率:94.1%)を得た。C
39H
64BrNO
2;オフホワイト色粉末;
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):0.89(m、H25、3H)、
29.68(C21)、29.63(C20)、29.58(C19)、29.38(C11)、29.34(C22)、26.27(C13、C15OVERLAPPING)、25.68(C12)、25.36(C18)、22.81(C23)、22.68(C24)、18.46(C14)、14.12(C25)ppm。HRMS−DART(m/z):C
39H
64BrNO
2の[M
+−Br]計算値578.4958;実測値578.4931。
【0051】
実施例15:ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムクロリド6b
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(6−クロロヘキシル)ベンゾフェノン3b(0.789mmol、0.250g)およびN−ジメチルオクタデシルアミン(0.868mmol、0.258g)を100℃の砂浴においてアセトニトリル(1mL)中24時間撹拌し、粗生成物ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウム塩化物を得、これを精製して目的の化合物6b得た(収量:0.311g、収率:64.1%)。C
39H
64ClNO
2;淡黄色粉末;
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ)0.86(m、
14.12(C27)ppm。HRMS−DART(m/z):C
39H
64ClNO
2の[M
+−Cl]計算値578.4948;実測値578.4931。
【0052】
実施例16:ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージド6c
N−ジメチルオクタデシルアミンの4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、4−O−(6−ヨードヘキシル)ベンゾフェノン3c(0.612mmol、0.250g)およびN−ジメチルオクタデシルアミン(0.674mmol、0.200g)を100℃の砂浴においてアセトニトリル中(1mL)24時間撹拌し、粗生成物ヘキシル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)オクタデシルアンモニウムヨージドを得、これを精製して目的の化合物6c得た(収量:0.373g、収率:86.3%)。C
39H
64INO
2;白色粉末;
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):0.86(m、H21、3H)、
22.81(C25)、22.68(C20)、18.46(C14)、14.12(C27)ppm。HRMS−DART(m/z):C
39H
64INO
2の[M
+−I]計算値578.4938;実測値578.4931。
【0053】
実施例17:3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド7a
化合物10の4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.712mmol、0.239g)および4−O−(3−ブロモプロピル)ベンゾフェノン1a(0.783mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド7aを得た(収量:0.345g、収率:74.0%)。C
33H
40BrN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):1.78(m、H15、H16、4H)、2.22(m、H11、2H)、2.82(s、H23、6H)、3.10(m、H17、
(C12)、51.37(C13)、45.36(C23)、22.91(C11)ppm。HRMS−DART(m/z):C
33H
40BrN
3O
4Sの[M
+−Br]計算値574.2749;実測値574.2734。
【0054】
実施例18:3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド7b
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.870mmol、0.291g)および(4−(3−クロロプロポキシ)フェニル)(フェニル)メタノン1b(0.790mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド7bを得た(収量:0.250g、収率:51.9%)。C
33H
40ClN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):1.55(m、H16、H15、4H)、1.99(m、H11、2H)、2.82(m、H12、2H)、2.85(s、H23、6H)、
(m/z):C
33H
40ClN
3O
4Sの[M
+−Cl]計算値574.2751;実測値574.2734。
【0055】
実施例19:3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムヨージド7c
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.750mmol、0.252g)および(4−(3−ヨードプロポキシ)フェニル)(フェニル)メタノン1c(0.680mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルプロパン−1−アンモニウムヨージド7cを得た(収量:0.267g、収率:55.9%)。C
33H
40IN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):
62.09(C12)、51.37(C13)、45.36(C22)、22.91(C15)ppm。HRMS−DART(m/z):C
33H
40IN
3O
4Sの[M
+−I]計算値574.2753;実測値574.2734。
【0056】
実施例20:4−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルブタン−1−アンモニウムブロミド8a
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.717mmol、0.240g)および(4−(4−ブロモブトキシ)(フェニル)(フェニル)メタノン2a(0.721mmol、0.240g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物4−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルブタン−1−アンモニウムブロミド8aを得た(収量:0.168g、収率:35.0%)。C
34H
42BrN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。融点96〜104℃。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):1.84(m、H17、H16、H12、H11、8H)、2.84(s、H24、6H)、3.14(m、
(C12)ppm。HRMS−DART(m/z):C
34H
42BrN
3O
4Sの[M
+−Br]計算値588.2908;実測値588.2890。
【0057】
実施例21:4−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド8c
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.598mmol、0.201g)および(4−(4−ヨードブトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン2c(0.658mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物4−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド8cを得た(収量:0.244g、収率:56.9%)。C
34H
42IN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、CDCl
3、δ):
(C11)、25.65(C12)、19.65(C15)ppm。HRMS−DART(m/z):C
34H
42IN
3O
4Sの[M
+−I]計算値588.2904;実測値588.2890。
【0058】
実施例22:6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムブロミド9a
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.629mmol、0.211g)および(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)フェニル)(フェニル)メタノン3a(0.692mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムブロミド9aを得た(収量:0.385g、収率:87.8%)。C
34H
42BrN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400
(C12)、25.43(C14)ppm。HRMS−DART(m/z):C
34H
42BrN
3O
4Sの[M
+−Br]計算値616.3224;実測値616.3203。
【0059】
実施例23:6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムクロリド9b
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.870mmol、0.291g)および(4−(6−クロロヘキシル(オキシ))フェニル)(フェニル)メタノン3b(0.790mmol、0.250g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムクロリド9bを得た(収量:0.435g、収率:84.5%)。C
36H
46ClN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、
(C14)、25.46(C17)ppm。HRMS−DART(m/z):C
36H
46ClN
3O
4Sの[M
+−Cl]計算値616.3221;実測値616.3203。
【0060】
実施例24:6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムヨージド9c
化合物10のハロアルコキシ(フェニル)(フェニル)メタノンによる四級化の一般的な方法に従って、化合物10(0.366mmol、0.272g)および(4−((6−ヨードヘキシル)オキシ)フェニル)(フェニル)メタノン3c(0.333mmol、0.136g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、100℃の砂浴中24時間撹拌を続けた。得られた残留物を冷たいジエチルエーテル(4mL)を使用して沈殿処理し、目的の生成物6−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルヘキサン−1−アンモニウムヨージド9cを得た(収量:0.232g、収率:93.5%)。C
36H
46IN
3O
4S;ふわりとした黄色粉末。
1HNMR(400MHz、
28.71(C13)、25.47(C14)ppm。HRMS−DART(m/z):C
36H
46IN
3O
4Sの[M
+−I]計算値616.3217;実測値616.3203。
【0061】
表1:4−O−(n−ハロアルキル)ベンゾフェノン誘導体の生理化学データ
【0062】
表2:アルキル−ジメチル(ベンゾイルフェノキシ)アルキルアンモニウム塩の生理化学データ
【0063】
表3:n−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1-スルホンアミド)プロピル)−N,N−ジメチルアルキル−1−アンモニウムハライド誘導体の生理化学データ
【0064】
ポリ塩化ビニル(PVC)への自己集積化単層膜の形成
PVCを矩形に切断し、基体をイソプロピルアルコール(IPA)でリンス処理してから水洗し、オーブン中で30分間乾燥した。H
2O/MeOHを使用して化合物6aの0.05%溶液および0.5%溶液(w/v)を用意し、3回連続して不純物のない基体に電気噴霧し、換気フードを使用して各噴霧間に紫外光を5分間照射した。最後の噴霧後に、基体にさらに25分間もう一度紫外光を照射した。H
2Oを使用して、未結合物質を基体からリンス処理により除去した。
【0065】
シリコーンチューブへの自己集積化単層膜の形成
ぜん動ポンプの使用
ぜん動ポンプを使用して、シリコーンチューブをIPAおよびH
2Oでリンス処理してから、チューブに通気することによってこれを乾燥した。化合物8aの0.05%(w/v)H
2O溶液、および化合物4cの0.5%(w/v)H
2O/IPA溶液をそれぞれ用意した。ぜん動ポンプを使用してチューブを被膜処理し、被膜処理したチューブに紫外光換気フード中で25分間照射処理を行った。被膜処理したチューブにH
2Oでリンス処理を行い、未結合物質を除去した。
【0066】
シリンジの使用
化合物8aおよび4cの1.5%(w/v)ジクロロメタン(DCM)溶液を用意した。シリンジを使用して、不純物のないシリコーンチューブにこれら溶液を充填し、紫外光石英灯を使用して30分間照射を行った。
【0067】
抗菌試験方法
文献:Markison C and Swan J.、“The effect
of humidity on the Survival of MRSA on Hard Surfaces”、Indoor and Built Environ−
ment、2006、15(1)、85−91に記載のフローセル方法を使用して、抗菌効能を求めた。1%トリプチックソイブロスおよびPseudomonas spp.CT07の10×10
4cfu/mLの接種源を化合物8a、4cで被膜処理したシリコーンチューブにポンプにより30分送るとともに、対照チューブにも30分送った。チューブを2時間の間そのまま放置し、その後チューブに1%TSBのみを48時間流した。これら48時間中に100μLの流出サンプルを一定の間隔で集め、10×10
4までの希釈列で10%トリプチケースソイ寒天(TSA)上においてプレート培養した。サンプリング時間はゼロ時間、3時間、6時間、24時間、27時間、30時間および48時間に設定した。各プレートに成長したコロニー数を順次数え、抗菌活性を求めた。
【0068】
表4:化合物8aで被膜処理したシリコーンチューブにおけるPseudomonas細菌細胞数
表5:化合物4cで被膜処理したシリコーンチューブにおけるPseudomonas spp.CT07細菌細胞数
【0069】
特許請求の範囲は、実施例に記載した好適な実施態様によって制限を受けるものではなく、全体の記載に照らして最も広く解釈すべきものである。