【実施例】
【0064】
以下の実施例により、本発明の実施方法についてさらに説明するが、それらに限定されるものではない。
【0065】
装置:
HPLCクロマトグラムおよび質量スペクトルは全て、溶出液として0.01%TFAを含む15〜99%CH
3CN−H
2Oの勾配で5分間にわたって、2mL/分の流速により、分析用C18カラム(250×4.6mm、5ミクロン)を用いて、HP1100LC−MSアジレント機器(Agilent instrument)で記録した。
【0066】
実施例1:置換フェニル酢酸化合物の調製。
化合物I:改変薗頭法を用いた(3−ペンチルフェニル)酢酸のナトリウム塩の合成:
【化13】
【0067】
ステップ1:室温のエタノール(100mL)中の3−ブロモフェニル酢酸(5.02g、23.33mmol)の溶液/懸濁液に、濃硫酸(1mL)を添加した。次いで、その無色の溶液を80℃で一晩撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(25mL)、水(25mL)で希釈し、2つの層を分離した。水層を酢酸エチル(2×25mL)およびブライン(20mL)で抽出した。まとめた有機層を飽和NaHCO
3溶液(2×25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶液のろ過後、それを蒸発させて乾燥した。こうして薄黄色の油(5.4g、95%)を得た。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ1.26(t、J=4.7Hz、3H)、3.57(s、2H)、4.15(Q、J=7.0および14.3Hz、2H)、7.17−7.26(m、2H)、7.38−7.44(m、1H)、7.44(d、J=1.56Hz、1H)。
【0068】
ステップ2:(3−ブロモフェニル)酢酸エチル(0.3g、1.24mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(0.97g、3.72mmol)の混合物を、密閉管中、PdCl
2(PPh
3)
2(26mg、0.037mmol;3モル%)および1−ペンチン(367μL、3.72mmol)で処理した。管を80℃で2時間加熱した。混合物を水で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空で蒸発させて粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)25Mカラム(シリカ)を用いて酢酸エチル/ヘキサン0:1〜2:98で溶出して精製し、淡黄色の油(0.23g、79%)として、(3−(ペンチン−1−イル)フェニル)酢酸エチルを得た。
【0069】
ステップ3:窒素雰囲気下、エタノール(5mL)中の[3−[ペンチン−1−イル]フェニル]−酢酸エチル(0.23g、0.98mmol)に、パラジウム炭素(10%、25mg、10%w/w)を添加した。水素雰囲気下、混合物を室温で一晩激しく撹拌した。溶液をろ過し、パラジウム/炭素をエタノール(20mL)で洗浄した。ろ液をシリカゲルで濃縮した。10%ヘキサン/酢酸エチルの混合物を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製した。透明の油が得られた(0.21g、90%)。
【0070】
ステップ4:テトラヒドロフラン(5mL)、メタノール(1.5mL)および水(1.5mL)中のエステル(0.2g、0.9mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.09g、3.6mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。不溶性物質をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。次いで残渣を2M HClで処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。溶出液として酢酸エチル/ヘキサン(0:10〜4:6)を用いて、40Lバイオタージ(Biotage)(商標)カラム(シリカ)で粗物質を精製した。こうして白色のゴム状の固体として、純粋な(3−ペンチルフェニル)酢酸(0.19g、99%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ0.90(t、J=7.0Hz、3H)、1.28−1.38(m、4H)、1.61(qt、J=7.6Hz、15.0Hz、2H)、2.58(t、J=7.6Hz、2H)、3.56(s、2H)、7.07(m、3H)、7.20(m、1H);LRMS(ESI):m/z207(MH
+);HPLC:4.3分。
【0071】
ステップ5:撹拌したエタノール(4mL)および水(1mL)中の該酸(0.19g、0.82mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.07g、0.82mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、白色のゴム状の固体を水に溶解し、溶液を凍結乾燥した。こうして白色の固体として、(3−ペンチルフェニル)酢酸の純粋なナトリウム塩(0.17g、92%)を得た。融点124−126℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ0.89(t、J=6.8Hz、3H)、1.28−1.37(m、4H)、1.60(qt、J=7.4Hz、15.0Hz、2H)、2.56(t、J=7.6Hz、2H)、3.43(s、2H)、6.96(m、1H)、7.12(m、3H);LRMS(ESI):m/z207((MH
+);HPLC:4.3分。
【0072】
化合物II、3−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩。
3−オキソ−3−ブロモフェニルプロピオン酸エチルエステルから始めて、化合物Iと同様に上記化合物を調製した。ケトン基および二重結合は、水素圧条件下、エタノール中パラジウム/炭素を用いて同時に還元した。白色の固体;
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.14−7.10(m、1H)、7.04−7.00(m、2H)、6.95−6.93(m、1H)、2.88−2.84(m、2H)、2.55(t、J=7.4Hz、2H)、2.44−2.40(m、2H)、1.63−1.55(m、2H)、1.35−1.28(m、4H)、0.90(m、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ179.3、141.2、140.8、126.7、126.4、124.0、123.8、38.6、34.2、31.2、29.9、29.8、20.9、11.7;LRMS(ESI):m/z203(MH
+−CO−NaOH);HPLC:4.5分。
【0073】
化合物IV、E−(3−ペンタ−1−エニル−フェニル)酢酸のナトリウム塩。
E−(3−ペンタ−1−エニル−フェニル)酢酸メチルエステルから始めて、化合物Iと同様に上記化合物を調製した。E−(3−ペンタ−1−エニル−フェニル)酢酸メチルエステルは、鈴木条件(Suzuki conditions)で3−ブロモフェニル酢酸メチルエステルをトランス−1−ペンテニルボロン酸ピナコールエステルと反応させることにより調製した。白色の固体;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ=7.32(s、1H)、7.11−7.18(m、3H)、6.35(d、J=15.7Hz、1H)、6.20−6.27(m、1H)、3.44(s、2H)、2.19(m、2H)、1.45−1.54(m、2H)、0.96(t、J=7.4、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ=179.26、138.25、137.92、130.32、130.04、128.06、127.59、126.60、123.52、45.21、35.06、22.52、12.89;LRMS(ESI):m/z205(MH
+);HPLC:4.1分。
【0074】
化合物V、E/Z−(3−ペンタ−3−エニルフェニル)酢酸のナトリウム塩。
【化14】
【0075】
ステップ1:メタノール(150mM)中の(3−ブロモフェニル)酢酸(12.2g、56.8mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(5.4g、28.4mmol)を添加した。反応混合物を還流状態で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル/水(3:2)の混合物に溶解した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し濃縮した。シリカパッドを用いてヘキサン/酢酸エチル(9:1)の混合物で溶出し、残渣を精製した。こうして無色の油として、(3−ブロモフェニル)酢酸メチルエステル(11.7g、90%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ=7.46(m、1H)、7.41(m、1H)、7.22(m、2H)、3.68(s、3H)、3.65(s、2H);LRMS(ESI):m/z=229(MH
+);HPLC:3.8分。
【0076】
ステップ2:tert−ブタノール(24mL)中のエステル(6.0g、26.2mmol)の溶液に、窒素下でヨウ化ナトリウム(7.8g、52.4mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.3mL、2.6mmol)およびヨウ化銅(0.3g、1.3mmol)を添加した。反応混合物を、マイクロ波装置で145℃で1時間加熱した。水(100mL)を添加し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(8:2)の混合物を用いて、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製した。こうして無色の油として、3−ヨウ化フェニル酢酸メチルエステル(6.6g、86%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.63(m、1H)、7.58−7.61(m、1H)、7.23−7.26(m、1H)、7.05(dd、J=7.8Hz、1H)、3.69(s、3H)、3.56(s、2H);LRMS(ESI):m/z=277(MH
+)。
【0077】
ステップ3:ヨウ化エステル(6.2g、22.5mmol)を、窒素下で塩化パラジウム(0.16g、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(59.0mg、0.22mmol)およびジエチルアミン(60mL)と混合した。この混合物に、ヨウ化銅(I)(43mg、0.22mmol)およびプロパルギルアルコール(1.57g、28.1mmol)を添加し、反応混合物を一晩45℃で撹拌した。ジエチルアミンを減圧下で除去し、100mLの水を添加した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、酢酸エチル/ヘキサン(30%)の混合物を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製した。こうして茶色がかった油として、純粋な[3−(3−ヒドロキシプロパ−1−イニル)フェニル]酢酸メチルエステル(3.8g、84%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.33−7.37(m、2H)、7.23−7.30(m、2H)、4.49(d、J=6.1Hz、2H)、3.69(s、3H)、3.60(s、2H)、1.68(t、J=6.3Hz、1H);LRMS(ESI):m/z=227(MNa
+);HPLC:2.7分。
【0078】
ステップ4:エタノール(70mL)中のメチルエステル(3.8g、18.7mmol)に、窒素下で10%パラジウム/炭素(0.30g)を添加した。雰囲気を水素に変えた。混合物を室温で一晩激しく撹拌した。溶液をろ過し、パラジウム/炭素をエタノール(50mL)で洗浄した。ろ液を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(3:2)の混合物を用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製した。こうして無色の油として、純粋な3−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]酢酸メチルエステル(3.20g、82%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ=7.21(t、J=7.6Hz、1H)、7.11(s、1H)、7.07(m、2H)、3.67(s、3H)、3.61(s、2H)、3.56(t、J=7.6Hz、2H)、2.66(t、J=7.6Hz、2H)、1.78−185(m、2H);LRMS(ESI):m/z=209(MH
+);HPLC:2.6分。
【0079】
ステップ5:0℃、窒素下で、クロロクロム酸ピリジニウム(1.44g、6.70mmol)および分子篩を、乾燥ジクロロメタン(20mL)中のメチルエステル(0.9g、4.4mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で20分、室温で3時間撹拌した。エーテル(20mL)を添加し、沈殿物をろ過し、エーテル(40mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させ、茶色がかった油として、[3−(3−オキソプロピル)フェニル]酢酸メチルエステル(0.9g、97%)を得た。該アルデヒドを、さらなる精製をせずに次のステップで使用した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=9.82(t、J=1.4Hz、1H)、7.24−7.28(m、2H)、7.11(m、2H)、3.69(s、3H)、3.60(s、2H)、2.95(t、J=7.6Hz、2H)、2.80(t、J=7.0Hz、2H)。
【0080】
ステップ6:該アルデヒド(0.9g、4.3mmol)をテトラヒドロフラン(9mL)に溶解した。−10℃の無水テトラヒドロフラン(17mL)中の(エチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(2.1g、5.6mmol)の溶液を含む別のフラスコに、2.3M n−ブチルリチウム(1.94mL、5.8mmol)の溶液を添加した。このオレンジ色の溶液をこの温度で20分、0℃で40分撹拌した。この溶液に該アルデヒドを添加し、混合物を1時間0℃で、室温で一晩撹拌した。水(30mL)を添加し、有機層をエーテル(3×30mL)で抽出した。まとめたエーテル層をブラインで洗浄し、乾燥した。溶媒を蒸発させ、溶出液として石油エーテル/酢酸エチル(95%)の混合物を用いて、残渣を精製した。こうして無色の油として、純粋なE/Z−(3−ペンタ−3−エニル−フェニル)酢酸メチルエステル(0.25g、27%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=7.13−7.18(m、1H)、7.06−7.08(m、3H)、5.31−5.44(m、2H)、3.62(s、3H)、3.52(d、J=7.2Hz、2H)、2.57(t、J=7.8Hz、2H)、2.25−2.31(m、2H)、1.57(dd、J=3,3、1.4Hz、3H)。
【0081】
ステップ7:テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(1.5mL)および水(1.5mL)中の該オレフィン(0.13g、0.60mmol)の溶液に、水酸化リチウム(73mg、3.1mmol)を0℃で添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を濃縮し、2M塩酸で酸性化し、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。有機相を乾燥し、高真空下で蒸発させた。酢酸エチル/ヘキサン(20%)を用いてシリカパッドで、粗生成物を精製した。こうして無色の油として、純粋なE/Z−(3−ペンタ−3−エニルフェニル)酢酸(0.12g、100%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ=10.70−11.50(br s、1H)、7.26−7.30(m、1H)、7.13−7.20(m、3H)、5.44−5.53(m、2H)、3.65(s、2H)、2.67−2.71(m、2H)、2.33−2.42(m、2H)、1.58−1.68(m、3H)。
【0082】
ステップ8:撹拌したエタノール(3mL)および水(2mL)中の該酸(0.12g、0.6mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(50mg、0.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を濃縮し、残渣を水(70mL)で希釈し、溶液を凍結乾燥した。こうして白色の固体として、純粋なE/Z−(3−ペンタ−3−エニルフェニル)酢酸のナトリウム塩(0.14g、90%)を得た。
1HNMR(400MHz、D
2O):(メジャー、E−異性体)δ=7.12(dd、J=7.4Hz、1H)、7.00(s、1H)、6.99(d、J=7.4Hz、1H)、6.95(d、J=7.6Hz、1H)、5.27−5.38(m、2H)、3.33(s、2H)、2.53−2.48(m、2H)、2.13−2.24(m、2H)、1.35−1.44(m、3H)。
【0083】
化合物VII、3−(4−フルオロ−3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩。
E−メチル3−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)アクリレートから始めて、化合物Iと同様に上記化合物を調製した。E−メチル3−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)アクリレートは無水ジクロロメタン中の3−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒドおよびエトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホランの溶液を室温で混合することにより調製した。白色の固体;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ=6.67−6.74(m、2H)、6.58(m、1H)、2.49(t、J=7.6Hz、2H)、2.23(t、J=7.4Hz、2H)、2.15(m、2H)、1.25(m、2H)、0.99−1.06(m、4H)、0.61(t、J=6.7Hz、3H);
13C NMR(101MHz、D
2O):δ=182.38、160.69、158.28、137.37、130.34、129.58、126.84、114.99、39.68、31.51、29.92、28.90、22.31、16.66;LRMS(ESI):m/z221(MH
+−H
2O);HPLC:4.5分。
【0084】
化合物VIII、[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸のナトリウム塩。
【化15】
【0085】
ステップ1:アセトン(100mL)中の[3,5−ジヒドロキシフェニル]酢酸メチル(2.1g、11.5mmol)の溶液を、炭酸カリウム(2.4g、17.4mmol)、ヨウ化カリウム(0.38g、2.31mmol)およびベンジルブロミド(1.5mL、12.7mmol)で処理し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水で希釈し、ジクロロメタン(×3)で抽出した。あわせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で蒸発させた。粗物質をバイオタージ(Biotage)(商標)40Mカラム(シリカ)を用いて40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、[3−ベンジルオキシ−5−ヒドロキシフェニル]酢酸メチル(1.0g、33%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.32−7.42(m、5H)、6.48(d、J=1.4Hz、1H)、6.38−6.39(m、2H)、4.99(s、2H)、3.69(s、3H)、3.53(s、2H)。
【0086】
ステップ2:0℃のジクロロメタン(15mL)中のベンジルエーテル(1.04g、3.8mmol)の溶液をN−フェニル−ビス(トリフルオロスルホニル)イミド(1.40g、3.9mmol)で処理し、次いでトリエチルアミン(0.6mL、4.1mmol)をゆっくりと添加した。反応物を0℃で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、次いでジエチルエーテル(×2)で抽出した。あわせた有機抽出物を1M水酸化ナトリウム水溶液、水(×2)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)40Mカラム(シリカ)を用いて酢酸エチル/ヘキサン0:1〜1:4で溶出して精製し、[3−ベンジルオキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル]酢酸メチル(1.2g、79%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.36−7.46(m、5H)、6.98(s、1H)、6.97(s、1H)、6.84(s、1H)、5.06(s、2H)、3.72(s、3H)、3.63(s、2H)。
【0087】
ステップ3:ジメトキシエタン(5mL)中のE−1−ペンテン−1−イルボロン酸ピナコールエステル(0.8g、3.9mmol)の溶液を、ジメトキシエタン(5mL)中のトリフラート(1.2g、3.0mmol)の溶液で処理した。溶液をパラジウムゼロ(0.7g、0.6mmol)および2M炭酸ナトリウム水溶液(1.3mL、2.6mmol)で処理した。次いで混合物を90℃で3日加熱した。反応物を室温まで冷却し、セライトでろ過した。ろ液を真空中で蒸発させ、粗物質をバイオタージ(Biotage)(商標)25Mカラム(シリカ)を用いて、酢酸エチル/ヘキサン0:1〜5:95で溶出して精製し、[3−ベンジルオキシ−5−[ペンタ−1−エニル]フェニル]酢酸メチル(0.4g、40%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.36−7.47(m、5H)、6.90−6.92(m、2H)、6.79(dd、J=2.0、2.0Hz、1H)、6.35(d、J=15.9Hz、1H)、6.24(dt、J=15.9、6.8Hz、1H)、5.07(s、2H)、3.70(s、3H)、3.59(s、2H)、2.20(td、J=7.4、6.8Hz、2H)、1.51(dt、J=7.4Hz、2H)、0.98(t、J=7.4Hz、3H)。
【0088】
ステップ4:エタノール(13mL)中の該アルケン(0.4g、1.2mmol)の溶液を1%パラジウム炭素(40mg)で処理した。混合物を1気圧の水素下、室温で一晩撹拌した。反応物をろ過し、真空中で蒸発させ、バイオタージ(Biotage)(商標)25Sカラム(シリカ)を用いて、酢酸エチル/ヘキサン0:1〜15:85で溶出して精製し、[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸メチル(0.3g、93%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ6.64(s、1H)、6.58−6.60(m、2H)、3.70(s、3H)、3.55(s、2H)、2.51(t、J=7.7Hz、2H)、1.55−1.59(m、2H)、1.28−1.34(m、4H)、0.88(t、J=7.0Hz、3H)。
【0089】
ステップ5:エタノール(12mL)中の該エステル(0.3g、1.3mmol)の溶液を水(3mL)および水酸化リチウム(155mg、6.4mmol)で処理し、混合物を室温で一晩激しく撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し;ジクロロメタンで洗浄し;次いで1M塩酸でpH1に酸性化し、ジクロロメタン(×3)で抽出した。あわせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥した(0.3g、95%)。この物質をさらなる精製をせずに用いた。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ6.66(s、1H)、6.58−6.59(m、2H)、3.55(s、2H)、2.52(t、J=7.7Hz、2H)、1.55−1.59(m、2H)。
【0090】
ステップ6:エタノール(6mL)および水(6mL)中の該酸(0.27g、1.23mmol)の溶液を炭酸水素ナトリウム(0.1g、1.2mmol)で処理し、反応物を室温で数時間撹拌した。溶媒を真空中で濃縮し、溶液を水で希釈し、ろ過し(0.2μm)、凍結乾燥して、白色の固体として、[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸ナトリウム(0.3g、95%)を得た。融点263−266℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ6.63(s、1H)、6.58(s、1H)、6.42(s、1H)、3.36(s、2H)、2.48(t、J=7.6Hz、2H)、1.55−1.62(m、2H)、1.26−1.38(m、4H)、0.89(t、J=6.8Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ177.79、155.31、142.36、137.62、119.08、111.66、111.18、43.70、34.17、29.95、29.56、20.87、11.64;LRMS(ESI):m/z445.2(2M−2Na
++3H
+)、m/z223(M−Na
++2H
+);HPLC:3.5分。
【0091】
化合物IX、2−[4−ヒドロキシ−3−ペンチルフェニル]酢酸ナトリウム
【化16】
【0092】
アセトン(25mL)中の2−[3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル]酢酸(2.0g、8.7mmol)、炭酸カリウム(3.7g、26.7mmol)およびヨウ化カリウム(577mg、3.5mmol)の混合物をベンジルブロミド(2.6mL、22.0mmol)で処理し、反応物を室温で3日撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)および1M塩酸(100mL)に分配し;次いで有機相を飽和塩酸ナトリウム(50mL)で洗浄し;硫酸ナトリウム上で乾燥し;ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)SP1システム(40Mシリカ;25CVの0〜50%酢酸エチルで溶出)を用いて精製し、無色の油として、2−[4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェニル]酢酸ベンジル(3.4g、94%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.47−7.52(m、3H)、7.32−7.42(m、8H)、7.15(d、J=8.2Hz、1H)、6.89(d、J=8.4Hz、1H)、5.15(s、2H)、5.14(s、2H)、3.59(s、2H)。2−[4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェニル]酢酸ベンジル(3.1g、7.5mmol)の標準的なプロトコルに従った鈴木カップリング(Suzuki coupling)により、(E)−2−[4−ベンジルオキシ−3−[ペンタ−1−エニル]フェニル]酢酸ベンジル(2.2g、72%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.32−7.47(m、11H)、7.08(dd、J=8.3、2.2Hz、1H)、6.89(d、J=8.4Hz、1H)、6.77(d、J=16.0Hz、1H)、6.23(dt、J=16.0、7.0Hz、1H)、5.15(s、2H)、5.10(s、2H)、3.62(s、2H)、2.21(tdd、J=7.2、7.2、1.4Hz、2H)、1.50(qt、J=7.4、7.2Hz、2H)、0.97(t、J=7.4Hz、3H)。次いで、酢酸エチル(20mL)中の該エステル(2.2g、5.4mmol)の溶液を、パラジウム炭素(10%w/wPd;215mg)で処理した。混合物を水素下、完全に真空脱気した。反応物を1気圧の水素下、室温で17時間撹拌し、次いでセライトでろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)SP1システム(25Mシリカカートリッジ;30CVの0〜50%酢酸エチルで溶出)を用いて精製し、2−[4−ヒドロキシ−3−ペンチルフェニル]酢酸(1.1g、91%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.02(d、J=2.3Hz、1H)、6.97(dd、J=8.1、2.2Hz、1H)、6.63(d、J=8.0Hz、1H)、3.34(s、2H)、2.53(t、J=7.8Hz、2H)、1.56−1.63(m、2H)、1.31−1.37(m、4H)、0.89(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ178.60、153.19、131.34、129.40、127.98、125.32、115.61、40.55、32.01、30.17、29.64、22.80、14.29。次いで得られた酸(1.1g、5.1mmol)を標準的なプロトコルによりナトリウム塩に変換し、白色の固体として、2−[4−ヒドロキシ−3−ペンチルフェニル]酢酸ナトリウム(1.3g、定量的収量)を得た。融点193−197℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.01(d、J=2.0Hz、1H)、6.93(dd、J=8.1、2.3Hz、1H)、6.71(d、J=8.0Hz、1H)、3.55(s、2H)、2.56(t、J=7.8Hz、2H)、1.54−1.59(m、2H)、1.28−1.38(m、4H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ180.18、153.17、130.54、128.83、128.74、127.08、114.45、44.44、31.83、30.08、29.72、22.51、13.28;LRMS(ESI):m/z445.6(2M−2Na
++3H
+)、223.2(M−Na
++2H
+)、177.2(トロピリウムイオン);HPLC:2.2分。
【0093】
化合物X、(2−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル)酢酸のナトリウム塩。
5−ブロモ−2−メトキシフェニル酢酸メチルエステルから始めて、化合物Iと同様に上記化合物を調製した。メトキシ基の脱メチル化は三臭化ホウ素の溶液(1M/CH
2Cl
2)を用いて−78℃で1時間、次いで0℃で20分間行った。白色の固体;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ=6.88(m、2H)、6.71(d、J=8.6Hz、1H)、3.50(s、2H)、2.49(t、J=7.6Hz、2H)、1.54−1.62(m、2H)、1.29−1.38(m、4H)、0.91(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ=180.08、154.04、134.03、130.26、127.36、124.15、116.57、42.48、34.91、31.60、31.42、22.45、13.24;LRMS(ESI):m/z177(MH
+−CO−NaOH);HPLC:3.7分。
【0094】
化合物XI、4−ペンチル安息香酸のナトリウム塩。
4−ペンチル安息香酸から始めて、化合物Iと同様に上記化合物を調製した。白色の固体;1H NMR(400MHz、D
2O):δ7.61(d、J=8.3Hz、2H)、7.12(d、J=8.5Hz、2H)、2.46(t、J=7.5Hz、2H)、1.38−1.45(m、2H)、1.04−1.15(m、4H)、0.65(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、D
2O):δ175.79、147.29、133.55、129.15、128.47、35.07、30.81、30.45、22.00、13.42;LRMS(ESI):m/z193(M−Na
++2H
+);HPLC:4.3分。
【0095】
化合物XIII、3−ヘキシル安息香酸のナトリウム塩
3−ヘキシル安息香酸を標準的な手順によりナトリウム塩に変換した。融点197−199℃;
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.79(s、1H)、7.75(ddd、J=7.0、1.7、1.7Hz、1H)、7.25(dd、J=7.6、7.0Hz、1H)、7.21(ddd、J=7.6、1.8、1.8Hz、1H)、2.63(t、J=7.5Hz、2H)、1.63(tt、J=7.5、7.0Hz、2H)、1.27−1.38(m、6H)、0.89(t、J=7.5Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ174.64、142.29、137.65、130.28、129.13、127.47、126.50、35.73、31.74、31.55、28.89、22.52、13.28;LRMS(ESI):m/z207.2(M−Na
++2H
+);HPLC:3.0。
【0096】
実施例2:置換フェニルプロピオン酸化合物の調製。
一般的なスキーム:
【化17】
【0097】
化合物XIV、(±)3−(4−[4−メトキシフェニル)メトキシ]フェニル)−ヘキサ−4−イン酸。
n=1、Z=−C≡C−CH
3、X=OおよびY=3−O−CH
2−C
6H
5−O−C
6H
5である代表的な手順。
【化18】
【0098】
2リットルのフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(50g、409mmol)および水(400mL)を入れた。反応の温度を75℃に保ち、水(400mL)中のスラリーとしてメルドラム酸(62g、430mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで氷浴で2時間冷却した。生成物をろ過し、冷水ですすぎ、真空下で乾燥した。こうして黄色の固体として、5−(4−ヒドロキシベンジリデン)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(95g、94%)を得た。
1H NMR(500MHz)(DMSO−d
6)δ9.75(br、s、1H);8.27(s、1H);8.24(d、2H、J=10Hz);6.98(d、2H、J=10Hz);1.76(s、6H)。MS ESIm/e:519(2M+Na)。この化合物を無水テトラヒドロフラン(350mL)に溶解し、テトラヒドロフラン(0.5N、600mL)中の1−プロピルマグネシウムブロミドの溶液にゆっくりと添加した。反応混合物は黄色の懸濁液に変化し、それを15分撹拌した。これを塩化アンモニウム水溶液(0.6N、750mL)でクエンチし、ヘキサン(800mL)で希釈した。次いで水層を飽和硫酸水素カリウムでpH2に酸性化し、酢酸エチル(2×400mL)で抽出した。まとめた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、淡黄色の固体として、(±)−5−[1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−2−イニル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(37.0g、91%)を得た。
1H NMR(500MHz)(アセトン−d
6)δ8.26(s、1H);7.39(d、2H、J=8.5Hz);6.76(d、2H、J=8.4Hz);4.73(br、s、1H);4.46(d、1H、J=2.4Hz);1.82(s、3H);1.81(s、3H);1.64(s、3H)。MS ESIm/e:599(2M+Na)。該フェノール誘導体(37g)をジエチルケトン(160mL)および水(80mL)の混合物に懸濁し、次いで48時間加熱還流した。水層を塩化ナトリウムで飽和させ、分離した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して薄茶色の油とし、これを熱い酢酸エチル:ヘキサン(1:2)から結晶化した。こうして白色の粉末として、(±)3−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサ−4−イン(20.0g、77%)を得た。
1H NMR(500MHz)(DMSO−d
6)δ12.2(s、1H);9.27(s、1H);7.12(d、2H、J=8.5Hz);6.67(d、2H、J=8.6Hz);3.87(m、1H);2.54(m、2H);1.82(d、3H、J=2.4Hz);MS ESIm/e:205(M+H);227(M+Na)。該酸(23.5g、115mmol)をアセトン(230mL)に溶解し、炭酸水素カリウム(11.5g、115mmol)で処理した。15分後、ヨウ化メチル(5mL、80mmol)を添加し、反応物を40℃で一晩撹拌した。さらにヨウ化メチル(3mL、48mmol)を添加し、24時間加熱を続けた。不溶性物質をろ過により除去し、アセトンですすいだ。ろ液を濃縮して油を得、それをジクロロメタン中の2.5%メタノールを溶出液として用いて、シリカゲルで精製した。こうして淡黄色の油として、3−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ−4−イン酸メチルエステル(21.5g、85%)を得た。
1H NMR(500MHz)(アセトン−d
6)δ8.2(br、s、1H);7.20(d、2H、J=9.5Hz);6.77(d、2H、J=9.0Hz);3.98(m、1H);3.60(s、3H);2.65(m、2H);1.78(d、3H、J=2.5Hz)。MS ESIm/e:219.1(M+H);241(M+Na)。該フェノール(0.96g、4.4mmol)および4−メトキシベンジルクロリド(0.72mL、5.3mmol)をアセトン(9mL)に溶解し、炭酸セシウム(1.45g、4.4mmol)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。不溶性物質をろ過し、溶液を減圧下で蒸発させた。こうして白色の粉末として、3−[4−(4−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−ヘキサ−4−イン酸メチルエステル(1.67g、95%)を得、これをさらなる精製をせずに用いた。メタノール(30mM)中のエステル(1.7g、4.25mmol)の溶液に2N水酸化カリウム(水溶液、3.2mL)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。該水溶液を1N HCl(水溶液)でpH2に調整し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機層を水、ブラインで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。こうして灰白色の固体を得た。エタノールからの再結晶化により、白色の粉末として、純粋な(±)3−(4−[4−メトキシフェニル)メトキシ]フェニル)−ヘキサ−4−イン酸(1.2g、73%)を得た。
1H NMR(500MHz)(D
2O)δ7.34−7.18(m、6H);6.95(d、2H、J=6.5Hz);5.05(s、2H);3.88(m、1H);2.47(d、2H、J=8.5Hz);2.28(s、3H);1.72(d、3H、J=2.5Hz)。MS ESIm/e:309.1(M+H);331.0(M+Na)。
【0099】
化合物XV、3−(4−(3−フェノキシ−ベンジルアミノ)フェニル)プロピオン酸。
n=1、Z=H、X=NHおよびY=3−C
6H
5−O−C
6H
5である代表的な手順。
【化19】
【0100】
ジクロロエタン(60mL)中の3−フェノキシベンズアルデヒド(3.2mL、18.5mmol)の溶液に3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸(3.0g、18.5mmol)を添加した。混合物を超音波処理し、マイクロ波バイアル(20mL)に移した。反応にマイクロ波装置で100℃で10分照射した。溶液を500mL丸底フラスコに移し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(7.8g、36.9mmol)を混合物に少量ずつ添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。得られたスラリーに水(100mL)を添加し、有機層を分離した。後者を水(100mL)で2回抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。次いで溶媒を除去し、粗生成物を微量の酢酸を含むヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用いてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製した。こうして低融点固体として、純粋な3−(4−(3−フェノキシ−ベンジルアミノ)フェニル)プロピオン酸(5.5g、86%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ2.40(t、2H);2.63(t、2H);4.21(s、2H);6.09(bs、1H);6.44−6.47(m、2H);6.81−6.83(m、1H);6.87−6.89(m、2H);6.94−6.97(m、2H);7.07(bs、1H);7.11−7.18(m、2H);7.29−7.33(m、1H);7.35−7.38(m、2H);12.09(bs、1H);MSm/z=348(M+H
+)。
【0101】
化合物XVI、3−(4−ブトキシフェニル)−3−(3−フルオロフェニル)−プロピオン酸。
n=4、Z=3−F−C
6H
5、X=0およびY=ゼロである代表的な手順。
【化20】
【0102】
テトラブチルアンモニウムブロミド(1.6g)を135℃で溶解した。エチル−4−メトキシ桂皮酸(0.6g、3.0mmol)、1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(0.8g、4.5mmol)、酢酸パラジウム(20mg、0.1mmol)、次いで酢酸テトラブチルアンモニウム(2.3g、7.5mmol)をアンモニウム塩に添加した。反応混合物を135℃で30時間撹拌した。水を冷却した混合物に添加し、それをヘキサンで3回抽出した。まとめた抽出物を水およびブラインで2回洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を10:1ヘキサン/酢酸エチルを溶出液として用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製した。こうして純粋なラセミ体の3−(3−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸エチルエステル(0.8g、88%)を得た。この化合物をPd/C(10%w/w、450mg)と共にエタノール(50mL)に溶解し、次いで水素下パールシェーカー(parr shaker)で一晩振盪した。不溶性物質をろ過し、溶媒を真空下で濃縮した。粗生成物を20:1ヘキサン/酢酸エチルを溶出液として用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製した。こうして無色の油として、純粋な3−(3−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−プロピオン酸エチルエステル(0.4g、46%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.26−7.20(m、1H);7.14(d、J=8.0Hz、2H);7.01(d、J=8.0Hz、1H);6.92−6.84(m、2H)、6.83(d、J=8.0Hz、2H);4.49(t、J=7.8Hz、1H);4.04(q、J=8.0Hz、2H)、3.77(s、3H)、2.99(d、J=7.8Hz、2H)、1.12(t、J=8.0Hz、3H);MS(ES)m/z325(M+Na
+)。メチルエーテル(ジクロロメタン(6mL)中160mg、0.53mmol、−78℃を三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1.0M、0.8mL、0.8mmol)で処理した。混合物を0℃で2時間、次いで室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウムを冷却した混合物に添加した。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。まとめた抽出物を水およびブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥した。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を4:1 ヘキサン/酢酸エチルを用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。こうして無色の油として、純粋な3−(3−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル(132mg、87%)を得た。DMF(0.6mL)中のこの化合物(22mg、0.07mmol)をフッ化セシウム(30mg、0.2mmol)およびヨウ化n−ブチル(15mg、0.08mmol)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。不溶性物質をろ過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。次いで粗生成物を20:1ヘキサン/酢酸エチルを溶出液として用いて、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。こうして無色の油として、純粋な 3−(4−ブトキシフェニル)−3−(3−フルオロフェニル)プロピオン酸エチルエステル(18mg、78%)を得た。テトラヒドロフラン/メタノール/水(4:1:1v/v/v、6mL)中の該ブトキシエーテル(46mg、0.12mmol)の溶液を水酸化リチウム(1mL、1mmol、1N)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌した。1N塩酸水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。まとめた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を20:1塩化メチレン/メタノールを溶出液として用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。こうして白色の固体として、純粋な3−(4−ブトキシフェニル)−3−(3−フルオロフェニル)−プロピオン酸(25mg、58%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ7.26−7.20(m、1H);7.11(d、J=8.0Hz、2H);7.00(d、J=8.0Hz、1H);6.90−6.83(m、2H)、6.82(d、J=8.0Hz、2H);4.45(t、J=7.8Hz、1H);3.92(t、J=8.0Hz、2H)、3.02(d、J=7.8Hz、2H)、1.78−1.69(m、2H);1.52−1.40(m、2H)、0.96(t、J=8.0Hz、3H);MS(ES)m/z339(M+Na
+)。
【0103】
実施例3:置換オクタノイルフェニル化合物の調製。
化合物XVII、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸ナトリウム。
【化21】
【0104】
アセトン(100mL)中の1−[4−ヒドロキシフェニル]オクタン−1−オン(10.0g、45.4mmol)、K
2CO
3(9.4g、68.1mmol)およびヨウ素(1.5g、9.1mmol)の混合物を2−ブロモデカン酸エチル(13.9g、49.9mmol)で処理し、反応物を室温で、窒素下で一晩撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させた。粗物質をシリカゲルパッドで5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、無色の油として、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸エチル(11.9g、62%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.92(d、J=9.0Hz、2H)、6.89(d、J=9.0Hz、2H)、4.66(dd、J=7.5、5.2Hz、1H)、4.21(q、J=7.0Hz、2H)、2.89(t、J=7.4Hz、2H)、1.90−2.03(m、2H)、1.66−1.74(m、2H)、1.43−1.56(m、2H)、1.24−1.37(m、18H)、1.24(t、J=7.2Hz、2H)、0.85−0.89(m、6H)。テトラヒドロフラン(360mL)、メタノール(90mL)および水(90mL)の混合物中のエチルエステル(11.9g、28.3mmol)の溶液を水酸化リチウム一水和物(5.9g、141.5mmol)で処理し、混合物を室温で20時間撹拌した。水酸化リチウム一水和物(2.3g、54.8mmol)をもう一度添加し、反応物を室温でさらに3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。シリカゲルパッドで、40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し;ヘキサンから再結晶化することにより、白色の固体として、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸(9.46g、86%)を得た。融点45−47℃;
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.93(d、J=9.0Hz、2H)、6.91(d、J=9.0Hz、2H)、4.72(dd、J=6.8、5.7Hz、1H)、2.90(t、J=7.4Hz、2H)、1.98−2.04(m、2H)、1.67−1.74(m、2H)、1.46−1.59(m、2H)、1.24−1.37(m、18H)、0.87(t、J=6.9Hz、3H)、0.88(t、J=6.9Hz、3H)。エタノール(200mL)中の該酸(9.4g、24.1mmol)の溶液を、水(50mL)中の炭酸水素ナトリウム(2.0g、24.1mmol)の溶液で処理し、反応物を室温で5時間撹拌した。溶媒を真空中で濃縮し、溶液を水(950mL)で希釈し、ろ過し(0.2μm)、凍結乾燥して、白色の固体として、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸ナトリウム(8.8g、88%)を得た。融点275−280℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.96(d、J=9.0Hz、2H)、6.97(d、J=9.0Hz、2H)、4.72(dd、J=6.2、5.9Hz、1H)、2.95(t、J=7.4Hz、2H)、1.94−1.99(m、2H)、1.64−1.72(m、2H)、1.49−1.57(m、2H)、1.28−1.40(m、18H)、0.90(t、J=6.9Hz、3H)、0.89(t、J=6.9Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ200.72、177.83、163.37、130.20、129.61、114.70、79.55、37.94、33.19、31.87、31.76、29.45、29.38、29.24、29.22、29.16、25.74、24.85、22.57、22.52、13.29、13.28;LRMS(ESI):m/z391(M−Na
++2H
+);HPLC:6分。
【0105】
化合物Iのエナンチオマーの分離。
【化22】
同様の手順を(S)異性体について繰り返した。
【0106】
(R)−&(S)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸のナトリウム塩
1)(S)−ラクトアミドエステルの生成と分離:ジクロロメタン(20mL)中の(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]デカン酸(0.9g、2.4mL)の溶液を塩化オキサリル(0.26mL、3.1mmol)で滴下処理し、反応物を室温で1時間撹拌した。トリエチルアミン(0.51mL、3.7mmol)、続いて(S)−ラクトアミド(0.5g、6.1mmol)を添加し、反応物を室温で20時間撹拌した。次いで溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1M HCl水溶液(100mL)、水(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で蒸発させた。2つのジアステレオマーをバイオタージ(Biotage)(商標)40Lカラム(シリカ)でジエチルエーテル/ヘキサン1:4〜1:1、次いで酢酸エチル/ヘキサン1:4〜1:1で溶出して分離した。こうして分離した純粋なジアステレオマーを得た。
【0107】
第一のジアステレオマー(0.51g、45%)、白色でワックス状の固体:
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.93(d、J=9.0Hz、2H)、6.91(d、J=8.8Hz、2H)、5.68(br s、1H)、5.54(br s、1H)、5.22(q、J=6.8Hz、1H)、4.77(dd、J=7.3、5.2Hz、1H)、2.88(t、J=7.5Hz、2H)、1.92−2.08(m、2H)、1.69、(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.46−1.56(m、2H)、1.47、(d、J=6.8Hz、3H)、1.23−1.38(m、18H)、0.86(t、J=6.6Hz、6H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.15、172.34、170.09、161.35、131.47、130.82、114.56、76.70、71.16、38.59、32.90、32.00、31.93、29.57、29.52、29.35(3C)、25.26、24.68、22.84(2C)、17.85、14.29(2C)。
【0108】
第二のジアステレオマー(0.5g、42%)、粘性で無色の油:
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.90(d、J=9.0Hz、2H)、6.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.25(br s、1H)、6.15(br s、1H)、5.20(q、J=6.9Hz、1H)、4.79(dd、J=6.6、5.9Hz、1H)、2.88(t、J=7.5Hz、2H)、1.95−2.01(m、2H)、1.68、(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.47−1.55(m、2H)、1.39、(d、J=6.8Hz、3H)、1.22−1.37(m、18H)、0.86(t、J=6.8Hz、6H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.43、172.71、170.29、161.52、131.31、130.60、114.84、76.48、71.13、38.59、32.80、32.00、31.93、29.58、29.53、29.36(3C)、25.36、24.76、22.84、17.69、14.29(2C)。
【0109】
2)ジアステレオマーの対応するナトリウム塩への変換:
一般的な手順:
アセトニトリル(72mL)中のジアステレオマーのエステル(1.7g、3.7mmol)の溶液を、水(18mL)中の水酸化リチウム(0.5g、18.7mmol)の溶液で処理し、反応物を室温で17時間撹拌した。1M HCl水溶液(150mL)を添加して反応をクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。あわせた抽出物を水(150mL)および飽和塩化ナトリウム(150mL)で洗浄し;次いで硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗酸を得た。
第一のエナンチオマー(高いR
f値、シリカゲル):
【0110】
バイオタージ(Biotage)(商標)40Lカラム(シリカ)を用い、酢酸エチル/ヘキサン1:9〜7:3で溶出して精製し、白色の固体として、精製酸エナンチオマー(1.3g、87%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ11.50(s、1H)、7.92(d、J=8.8Hz、2H)、6.90(d、J=9.0Hz、2H)、4.71(dd、J=6.4、5.9Hz、1H)、2.89(t、J=7.4Hz、2H)、1.97−2.03(m、2H)、1.69、(tt、J=7.1、7.1Hz、2H)、1.45−1.59(m、2H)、1.21−1.38(m、18H)、0.862(t、J=7.0Hz、3H)、0.859(t、J=6.8Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ200.20、176.59、161.76、131.00、130.77、114.83、76.15、38.59、32.80、32.03、31.93、29.59、29.53、29.39、29.37(2C)、25.38、24.91、22.89(2C)、14.30(2C)。エタノール(20mL)中の該酸(1.3g、3.2mmol)の溶液を、水(5mL)中の炭酸水素ナトリウム(0.3g、3.2mmol)の溶液で処理し、反応物を室温で3日撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、白色でワックス状の固体として粗塩を得た。この物質を水(130mL)に溶解し、ろ過し(0.2ミクロン;ナイロン)、凍結乾燥して、白色の固体として、純粋なエナンチオマー(1.1g、97%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(d、J=8.6Hz、2H)、6.96(d、J=8.8Hz、2H)、4.46(t、J=6.2Hz、1H)、2.92(t、J=7.3Hz、2H)、1.90−1.95(m、2H)、1.66、(tt、J=7.2、7.2Hz、2H)、1.44−1.61(m、2H)、1.24−1.39(m、18H)、0.890(t、J=6.7Hz、3H)、0.882(t、J=6.7Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ200.66、177.83、163.37、130.24、129.64、114.73、79.59、37.96、33.20、31.87、31.76、29.46、29.40、29.26、29.22、29.16、25.75、24.86、22.57、22.53、13.32、13.29;他のデータは収集される。
【0111】
第二のエナンチオマー(低いR
f値、シリカゲル):
バイオタージ(Biotage)(商標)40Lカラム(シリカ)を用い、酢酸エチル/ヘキサン1:9〜7:3で溶出して精製し、白色の固体として、精製酸エナンチオマー(1.1g、87%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ11.51(s、1H)、7.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.90(d、J=9.0Hz、2H)、4.71(dd、J=6.6、5.9Hz、1H)、2.89(t、J=7.5Hz、2H)、1.97−2.03(m、2H)、1.69、(tt、J=7.1、7.1Hz、2H)、1.45−1.58(m、2H)、1.21−1.37(m、18H)、0.862(t、J=7.0Hz、3H)、0.858(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ200.16、176.47、161.77、131.03、130.76、114.84、76.18、38.58、32.79、32.02、31.93、29.58、29.52、29.37、29.36(2C)、25.36、24.91、22.84(2C)、14.35、14.28。エタノール(16mL)中の該酸(1.1g、2.7mmol)の溶液を、水(4mL)中の炭酸水素ナトリウム(0.2g、2.7mmol)の溶液で処理し、反応物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、透明で無色のシロップとして粗塩を得た。この物質を水(100mL)に溶解し、ろ過し(0.2ミクロン;ナイロン)、凍結乾燥して、白色の固体として、純粋なエナンチオマー(1.1g、99%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.96(d、J=9.0Hz、2H)、4.46(t、J=6.2Hz、1H)、2.92(t、J=7.4Hz、2H)、1.90−1.95(m、2H)、1.66、(tt、J=7.1、7.1Hz、2H)、1.45−1.61(m、2H)、1.24−1.39(m、18H)、0.890(t、J=6.8Hz、3H)、0.881(t、J=6.9Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ200.65、177.82、163.37、130.20、129.65、114.74、79.58、37.96、33.19、31.87、31.76、29.46、29.40、29.26、29.22、29.16、25.75、24.86、22.57、22.53、13.32、13.29。
【0112】
化合物XVIII、3−オクタノイル安息香酸ナトリウム。
【化23】
【0113】
テトラヒドロフラン(40mL)中の3−ホルミル安息香酸メチル(2.0g、12.2mmol)の溶液を、窒素下で−78℃まで冷却した。テトラヒドロフラン(1M;12.2mL、12.2mmol)中のn−ヘプチルマグネシウムブロミドの溶液を30分かけて滴下して加え、反応物を−78℃で3時間撹拌した。塩酸水溶液(1M)を加えることで反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。抽出物をまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させた。バイオタージ(Biotage)(商標)40Mカラム(シリカ)を用い、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して粗物質を精製し、無色の油として、(RS)−3−[1−ヒドロキシオクチル]安息香酸メチル(2.2g、69%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.98(s、1H)、7.91(d、J=7.8Hz、1H)、7.53(d、J=7.8Hz、1H)、7.39(dd、J=7.8、7.8Hz、1H)、4.65−4.71(s、1H)、3.89(s、3H)、2.33(d、J=3.1Hz、1H)、1.62−1.80(m、2H)、1.18−1.41(m、10H)、0.85(t、J=6.9Hz、3H)。ジクロロメタン(50mL)中の第二のアルコール(2.0g、7.5mmol)の溶液をシリカゲル(16g)およびクロロクロム酸ピリジニウム(3.2g、15.0mmol)で処理し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をシリカゲルでろ過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。あわせたろ液および洗浄液を真空中で蒸発させ、3−オクタノイル安息香酸メチル(9.5g、86%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ8.58−8.59(m、1H)、8.20−8.23(m、1H)、8.14−8.17(m、1H)、7.53−7.57(m、1H)、3.95(s、3H)、3.00(t、J=7.3Hz、2H)、1.74(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.24−1.40(m、8H)、0.88(t、J=6.9Hz、3H)。テトラヒドロフラン(30mL)中の該メチルエステル(1.0g、3.8mmol)の溶液を、水(7mL)中の水酸化リチウム一水和物(800mg、19.1mmol)の溶液で処理した。次いでメタノール(7mL)を添加し、混合物を室温で24時間撹拌した。pHが5を下回るまで反応混合物をHCl水溶液(1M)で処理し、次いで、酢酸エチル(×3)で抽出した。有機抽出物をまとめ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させ、3−オクタノイル安息香酸(919mg、97%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ8.59(dd、J=1.7、1.2Hz、1H)、8.18−8.24(m、2H)、7.61(ddd、J=7.8、7.8、0.4Hz、1H)、3.05(t、J=7.3Hz、2H)、1.71(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.27−1.41(m、8H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H)。該酸(919mg、3.7mmol)および炭酸水素ナトリウム(311mg、3.7mmol)の混合物を水(20mL)で処理し、反応物を超音波処理しながら加熱し、固体がほとんど溶解するまで撹拌した。アセトニトリルを添加し、混合物をろ過し(0.45μm)、凍結乾燥して、白色の固体として、3−オクタノイル安息香酸ナトリウム(1.0g、100%)を得た。
1H NMR(400MHz、D
2O):δ8.14(s、1H)、7.81(d、J=7.8Hz、1H)、7.61(d、J=8.0Hz、1H)、7.18(dd、J=8.0、7.8Hz、1H)、2.69(t、J=6.8Hz、2H)、1.33(tt、J=7.0、7.0Hz、2H)、0.88−1.03(m、8H)、0.54(t、J=7.0Hz、3H)。
13C NMR(101MHz、D
2O):δ203.93、173.62、137.25、136.27、133.92、130.27、128.59、128.48、38.58、31.41、28.82、28.79、24.25、22.32、13.60;LRMS(ESI):m/z249(M−Na
++2H
+);HPLC:4分。
【0114】
化合物XIX、(RS)−5−オクタノイルインダン−2−カルボン酸ナトリウム。
【化24】
【0115】
乾燥エタノール中のインダン−2−カルボン酸(504mg、3.1mmol)および硫酸(2mL)の溶液を75℃で3日加熱した。溶液を真空中で濃縮し、次いでジクロロメタンと水に分配した。水層のpHを、水酸化ナトリウム水溶液(5M)で13〜14に調整し、層を分離した。水層を飽和塩化ナトリウムで希釈し、ジクロロメタンで抽出した(2×)。あわせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)25Sカラム(シリカ)を用いて3%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、インダン−2−カルボン酸エチル(526mg、96%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.22−7.26(m、2H)、7.17−7.20(m、2H)、4.21(q、J=7.0Hz、2H)、3.19−3.39(m、5H)、1.31(t、J=7.0Hz、3H)。ジクロロメタン(4mL)中のインダン−2−カルボン酸エチル(100mg、0.5mmol)および塩化アルミニウム(164mg、1.2mmol)の混合物を、室温で塩化オクタノイル(0.1mL、0.5mmol)で処理し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷・塩酸水溶液(1M)の混合物中に流し入れ、ジクロロメタンで抽出した(3×)。あわせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させた。バイオタージ(Biotage)(商標)カラム(シリカ)を用いて5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して粗物質を精製し、(RS)−5−オクタノイル−インダン−2−カルボン酸エチル(110mg、65%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.69−7.77(m、2H)、7.29−7.32(m、1H)、4.07−4.17(m、2H)、3.15−3.36(m、5H)、2.84−2.90(m、2H)、1.62−1.70(m、2H)、1.19−1.34(m、8H)、0.80−0.87(m、3H)テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(1mL)および水(1mL)の混合物中の該エチルエステル(82mg、0.3mmol)の懸濁液を水酸化リチウム(43mg、1.8mmol)で処理し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水で希釈した。pHをHCl水溶液(1M)でpH4に調整し、混合物を酢酸エチルで抽出した(3×)。あわせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で蒸発させて、粗生成物を得た。バイオタージ(Biotage)(商標)12Mカラム(シリカ)を用いて2%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、(RS)−5−オクタノイル−インダン−2−カルボン酸(60mg、80%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.80(s、1H)、7.78(dd、J=7.8、1.4Hz、1H)、7.30(d、J=7.8Hz、1H)、3.36(tt、J=8.2、8.2Hz、1H)、3.24(d、J=8.2Hz、4H)、2.96(t、J=7.4Hz、2H)、1.67(tt、J=7.2、7.2Hz、2H)、1.26−1.39(m、8H)、0.89(t、J=6.9Hz、3H)。エタノール(4mL)および水(1mL)中の該酸(60mg、0.2mmol)の溶液を炭酸水素ナトリウム(18mg、0.2mmol)で処理し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空中で濃縮し、溶液を水で希釈し、ろ過し(20μm)、凍結乾燥し、白色の固体として、(RS)−5−オクタノイル−インダン−2−カルボン酸ナトリウム(54mg、87%)を得た。
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(s、1H)、7.76(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.28(d、J=7.8Hz、1H)、3.16−3.25(m、5H)、2.97(t、J=7.3Hz、2H)、1.68(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.28−1.40(m、8H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H);LRMS(ESI):m/z289(M−Na
++2H
+);HPLC:5分。
【0116】
化合物XXIV:(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]オクタン酸ナトリウム
1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−オクタノン(440mg、2.0mmol)および(RS)−2−ブロモオクタン酸エチル(552mg、2.2mmol)を、Iの調製に用いた手順に従って反応させ、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]オクタン酸エチル(605mg、78%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.88(d、J=9.0Hz、2H)、4.66(dd、J=5.1、7.4Hz、1H)、4.20(q、J=7.0Hz、2H)、2.88(t、J=7.5Hz、2H)、1.88−2.02(m、2H)、1.70(tt、J=7.2、7.2Hz、2H)、1.41−1.56(m、2H)、1.25−1.37(m、14H)、1.23(t、J=7.1Hz、3H)、0.87(t、J=7.2Hz、3H)、0.86(t、J=7.2Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.41、171.48、161.81、131.01、130.54(2C)、114.77(2C)、76.75、61.62、38.56、32.90、31.94、31.78、29.60、29.38、29.07、25.33、24.80、22.85、22.75、14.39、14.31、14.26。得られたエステル(605mg、1.6mmol)を、Iの調製に用いた手順に従って水酸化リチウム(186mg、7.8mmol)でけん化し、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]オクタン酸(487mg、87%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ9.70(br s、1H)、7.89(d、J=9.0Hz、2H)、6.89(d、J=9.0Hz、2H)、4.69(dd、J=5.9、6.6Hz、1H)、2.87(t、J=7.5Hz、2H)、1.95−2.01(m、2H)、1.67(tt、J=7.2、7.2Hz、2H)、1.43−1.58(m、2H)、1.24−1.37(m、14H)、0.851(t、J=6.8Hz、3H)、0.849(t、J=7.4Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ200.38、176.08、161.84、130.85、130.78(2C)、114.83(2C)、76.20、38.56、32.79、31.93、31.76、29.57、29.35、29.05、25.34、24.92、22.84、22.74、14.29、14.23。次いで該酸(500mg、1.4mmol)をIの調製に用いた手順に従ってナトリウム塩に変換し、白色の固体として、(RS)−2−[4−オクタノイルフェノキシ]オクタン酸ナトリウム(404mg、76%)を得た。融点165−170℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(d、J=8.8Hz、2H)、6.95(d、J=8.8Hz、2H)、4.58(dd、J=6.1、6.3Hz、1H)、2.91(t、J=7.3Hz、2H)、1.91−1.96(m、2H)、1.62−1.69(m、2H)、1.44−1.58(m、2H)、1.25−1.39(m、14H)、0.87−0.90(m、6H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ200.50、176.40、162.96、130.28(2C)、129.94、114.71(2C)、78.38、38.00、32.98、31.79、31.74、29.27、29.20、29.05、25.50、24.79、22.56、22.51、13.36、13.34;LRMS(ESI):m/z769(M
2H
+)、748(2M−Na
++2H
+)、363(M−Na
+ +2H
+);HPLC:3分。
【0117】
化合物XXV:(RS)−2−[4−ブチリルフェノキシ]デカン酸ナトリウム
1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−ブタノン(328mg、2.0mmol)および(RS)−2−ブロモデカン酸エチル(614mg、2.2mmol)をIの調製に用いた手順に従って反応させ、透明で無色の油として、(RS)−2−[4−ブチリルフェノキシ]デカン酸エチル(616mg、85%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.88(d、J=9.0Hz、2H)、6.86(d、J=9.0Hz、2H)、4.64(dd、J=5.7、6.8Hz、1H)、4.17(q、J=7.2Hz、2H)、2.83(t、J=7.3Hz、2H)、1.85−1.99(m、2H)、1.65−1.75(m、2H)、1.39−1.44(m、2H)、1.22−1.34(m、10H)、1.20(t、J=7.2Hz、3H)、0.94(t、J=7.4Hz、3H)、0.83(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.04、171.39、161.80、130.98、130.48(2C)、114.74(2C)、76.68、61.55、40.37、32.85、32.01、29.53、29.37(2C)、25.33、22.84、18.11、14.34、14.29、14.10。得られたエステル(616mg、1.70mmol)を、Iの調製に用いた手順に従って水酸化リチウム(203mg、8.5mmol)でけん化し、(RS)−2−[4−ブチリルフェノキシ]デカン酸(166mg、29%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ10.06(br s、1H)、7.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.90(d、J=9.0Hz、2H)、4.70(dd、J=5.9、6.4Hz、1H)、2.87(t、J=7.3Hz、2H)、1.96−2.02(m、2H)、1.68−1.77(m、2H)、1.44−1.59(m、2H)、1.24−1.37(m、10H)、0.97(t、J=7.4Hz、3H)、0.86(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.95、176.56、161.74、131.03、130.73(2C)、114.82(2C)、76.16、40.47、32.79、32.03、29.53、29.39、29.37、25.38、22.86、18.26、14.31、14.12。次いで該酸(166mg、0.5mmol)をIの調製に用いた手順に従ってナトリウム塩に変換し、白色の固体として、(RS)−2−[4−ブチリルフェノキシ]デカン酸ナトリウム(149mg、85%)を得た。融点262−278℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(d、J=9.0Hz、2H)、6.96(d、J=9.0Hz、2H)、4.70(dd、J=6.1、6.5Hz、1H)、2.90(t、J=7.3Hz、2H)、1.88−1.93(m、2H)、1.67(tq、J=7.4、7.4Hz、2H)、1.41−1.57(m、2H)、1.20−1.35(m、10H)、0.95(t、J=7.4Hz、3H)、0.83(t、J=6.9Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ201.82、178.07、163.36、130.53(2C)、129.54、114.83(2C)、79.46、39.99、33.11、31.80、29.40、29.27、29.15、25.72、22.54、18.30、14.46、14.15;LRMS(ESI):m/z713(M
2H
+)、669(2M−2Na
++3H
+)、335(M−Na
++2H
+);HPLC:3分。
【0118】
化合物XXVI:(RS)−2−[4−ヘキサノイルフェノキシ]デカン酸ナトリウム
1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−ヘキサノン(384mg、2.0mmol)および(RS)−2−ブロモデカン酸エチル(614mg、2.2mmol)をIの調製に用いた手順に従って反応させ、(RS)−2−[4−ヘキサノイルフェノキシ]デカン酸エチル(628mg、80%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.86(d、J=9.0Hz、2H)、6.84(d、J=9.0Hz、2H)、4.60−4.65(m、1H)、4.15(q、J=7.0Hz、2H)、2.83(t、J=7.3Hz、2H)、1.86−1.97(m、2H)、1.61−1.70(m、2H)、1.38−1.52(m、2H)、1.20−1.34(m、14H)、1.18(t、J=7.2Hz、3H)、0.78−0.87(m、6H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.17、171.36、161.78、130.95、130.46(2C)、114.72(2C)、76.66、61.51、38.41、32.84、32.00、31.76、29.52、29.35(2C)、25.31、24.41、22.83、22.74、14.33、14.26、14.14。得られたエステル(628mg、1.6mmol)を、Iの調製に用いた手順に従って水酸化リチウム(193mg、8.0mmol)でけん化し、(RS)−2−[4−ヘキサノイルフェノキシ]デカン酸(468mg、80%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.93(d、J=9.0Hz、2H)、6.91(d、J=9.0Hz、2H)、5.77(br s、1H)、4.70(dd、J=5.8、6.6Hz、1H)、2.89(t、J=7.4Hz、2H)、1.97−2.03(m、2H)、1.67−1.74(m、2H)、1.44−1.60(m、2H)、1.23−1.37(m、14H)、0.90(t、J=6.8Hz、3H)、0.87(t、J=7.0Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ199.76、176.29、161.56、131.20、130.70(2C)、114.81(2C)、76.12、38.56、32.78、32.03、31.80、29.53、29.40、29.36、25.36、24.51、22.87、22.76、14.33、14.20。次いで該酸(468mg、1.3mmol)をIの調製に用いた手順に従ってナトリウム塩に変換し、白色の固体として、(RS)−2−[4−ヘキサノイルフェノキシ]デカン酸ナトリウム(459mg、93%)を得た。融点275−280℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.91(d、J=8.8Hz、2H)、6.96(d、J=8.8Hz、2H)、4.44−4.48(m、1H)、2.89−2.96(m、2H)、1.88−1.96(m、2H)、1.63−1.71(m、2H)、1.44−1.61(m、2H)、1.24−1.38(m、14H)、0.84−0.93(m、6H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ200.89、177.86、163.36、130.27(2C)、129.60、114.75(2C)、79.54、37.94、33.18、31.86、31.49、29.44、29.38、29.21、25.73、24.55、22.58、22.45、13.36、13.23;LRMS(ESI):m/z769.8(M
2H
+)、747.8(2M−Na
++2H
+)、363.2(M−Na
++2H
+);HPLC:3.分。
【0119】
化合物XLI:(RS)−4−オクタノイルインダン−2−カルボン酸ナトリウム
(RS)−4−オクタノイル−2−カルボン酸メチル(71mg、4%)を、その異性体である(RS)−5−オクタノイル−2−カルボン酸メチルの調製の際の副産物として単離した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.66(d、J=7.6Hz、1H)、7.35(d、J=7.4Hz、1H)、7.24(dd、J=7.6、7.6Hz、1H)、3.69(s、3H)、3.64(ABXのA、J=18.0、9.4Hz、1H)、3.48(ABXのB、J=18.1、7.3Hz、1H)、3.13−3.34(m、3H)、2.90(t、J=7.5Hz、2H)、1.68(tt、J=7.2、7.2Hz、2H)、1.24−1.38(m、8H)、0.86(t、J=6.9Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3):δ203.01、176.79、144.82、143.67、134.73、129.30、128.35、127.83、52.91、44.06、40.82、38.71、36.44、32.73、30.34、30.19、25.36、23.64、15.10。該メチルエステル(71.0mg、0.24mmol)を標準的なプロトコルに従ってけん化し、灰白色の固体として、(RS)−4−オクタノイル−2−カルボン酸(66.0mg、96%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.69(d、J=7.6Hz、1H)、7.39(d、J=7.4Hz、1H)、7.26(dd、J=7.6、7.6Hz、1H)、3.67(ABXのA、J=18.0、9.0Hz、1H)、3.56(ABXのB、J=18.0、6.9Hz、1H)、3.19−3.39(m、3H)、2.93(t、J=7.4Hz、2H)、1.70(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.24−1.38(m、8H)、0.88(t、J=6.9Hz、3H)。次いで、得られた酸(66.0mg、0.23mmol)を標準的なプロトコルに従ってナトリウム塩に変換し、灰白色の固体として、(RS)−4−オクタノイル−2−カルボン酸ナトリウム(70.0mg、99%)を得た。融点106−110℃;
1H NMR(400MHz、CD
3OD):δ7.69(d、J=7.8Hz、1H)、7.38(d、J=7.4Hz、1H)、7.24(dd、J=7.6、7.6Hz、1H)、3.37−3.56(m、2H)、3.10−3.21(m、3H)、2.95(t、J=7.3Hz、2H)、1.66(tt、J=7.3、7.3Hz、2H)、1.26−1.39(m、8H)、0.89(t、J=6.8Hz、3H);
13C NMR(101MHz、CD
3OD):δ203.56、182.93、145.34、143.96、133.93、128.26、126.97、126.42、47.62、39.89、38.69、36.70、31.76、29.21、29.17、24.55、22.52、13.28;LRMS(ESI):m/z577(2M−2Na
++3H
+)、289(M−Na
++2H
+);HPLC:3.0分。
【0120】
実施例4:LPS刺激RAW264.7における、化合物のIL−12のin vitro産生に及ぼす効果。
選択した化合物のIL−12産生に及ぼす効果をRAW264.7(マクロファージ様)細胞においてで行った。RAW264.7細胞を、100ng/mLのLPSとともに、化合物の存在または非存在下で21時間、95%空気−5%二酸化炭素の加湿した大気中で37℃で培養した。培地中のIL−12濃度を、IL−12ELISAを用い、製造業者(BDバイオサイエンス(BD Biosciences))の推奨に従って測定した。
【0121】
表2は、代表的な化合物(他に記載がない限り0.5mM)の、LPS(炎症条件)の存在下でのIL−12産生に及ぼす効果を示す。全ての化合物が炎症条件下でIL−12産生を有意に増加させた。LPSの非存在下では、化合物はIL−12産生に何の影響も及ぼさない。
【0122】
表2:代表的な化合物の、LPSの存在下でのIL−12産生に及ぼす効果
【表4】
【表5】
【0123】
さらなる例として、非炎症条件下および炎症条件下ででの、化合物XVIIのIL−12産生に及ぼす効果を
図1に示す。
【0124】
これらの結果から、式I、式I.1、式I.2、式IA、式IB、式ICおよび式IIの化合物は、LPSの存在下(炎症条件)でIL−12の生成を誘導することが分かる。生じたIL−12がi)有意で直接的な抗腫瘍活性を示し、ii)細胞溶解性免疫細胞サブセットを刺激よることにより、有意で間接的な抗腫瘍活性を示す可能性があるため、IL−12の生成を促進する能力がみられたということは、本発明の化合物が癌の治療に役立つ可能性があるということを意味する。このことは上述の記載により支持されている(セクションC−IL−12および炎症を参照)。
【0125】
実施例5:TGF−β刺激を行ったNHDFまたはメサンギウム細胞におけるCTGF産生のin vitroでの阻害。
選択した化合物のCTGF産生に及ぼす効果を、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)またはヒトメサンギウム細胞にで行った。細胞を10ng/mLのTGF−βを加えた、または加えないDMEM(0.5%FBS)で48時間、95%空気−5%二酸化炭素の加湿した大気中で37℃で培養した。培地中のCTGF測定を、CTGF ELISAを用い、製造業者(Prepotech)の推奨に従って測定した。結果を表3に示す。
【0126】
表3:選択した代表的な化合物の、NHDFにおいてTGFにより誘導されたCTGF産生の阻害に及ぼす効果。
【表6】
【0127】
ヒトメサンギウム細胞におけるTGFにより誘導されたCTGF産生の阻害に関する化合物Iの別の例を
図2に示す。化合物Iは、CTGF産生を有意に(p<0.05)阻害する。
【0128】
これらの結果から、式I、式I.1、式I.2、式IA、式IB、式ICおよび式IIの化合物はCTGFの生成を阻害することが分かる。CTGF産生の減少は、血管形成および上皮間葉転換(EMT)を阻害する、および/または、腫瘍細胞移動およびそれに続く二次腫瘍の開始および確立もしくは転移を阻害する可能性があるため、CTGFの生成を阻害する能力がみられたということは、本発明の化合物が癌の治療に役立つ可能性があるということを意味する。このことは上述の記載により支持されている(セクションC−CTGFおよび癌の進行を参照)。
【0129】
実施例6:化合物の原発B16F10メラノーマ腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
6〜8週齢のC57BL/6雌マウスに0日目に50μLの3.75×10
4の生B16F10メラノーマ細胞(ATCCから入手(培養細胞の供給元、Dr. I.J. Fidler))を皮下注射した。14日目に、腫瘍は80mmに達し、動物を処置のために無作為化した。次いで4日目から、動物に生理食塩水(ネガティブコントロール)またはデカン酸ナトリウム(100mg/kg)または5mg/kgドキソルビシン(Dox、ポジティブコントロール)を連日経口投与した。マウスを12日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。
【0130】
図3は、デカン酸ナトリウム、治療用量以下のドキソルビシンおよび両方の化合物の併用の、原発腫瘍B16F10メラノーマ細胞に及ぼす効果を示す。デカン酸ナトリウムおよびドキソルビシン(治療用量以下)は、原発腫瘍をわずかに(約25%)減少させている。デカン酸ナトリウムをドキソルビシンと併用することにより、対照と比較して腫瘍体積のさらなる(約50%)減少がみられる。デカン酸ナトリウムはメラノーマ腫瘍増殖を減少させ、治療用量以下のドキソルビシンと相乗効果を生み出す。
【0131】
実施例7:Panc02マウス膵臓癌モデルにおけるゲムシタビンと併用した化合物XVの抗腫瘍効果の検証。
同系Panc02は、NCI(0507232)から入手した膵臓腺癌腫瘍細胞株である。Panc02細胞は、Ki−Ras、p53、HerNEUおよびCDKに対して陽性であった。Panc02を10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI−1640で培養した。0日目に、6〜8週齢のC57BL/6マウスの膵尾部に50μLの5×10
5生Panc02細胞を注射した。次いで、マウスに溶媒(生理食塩水、陰性対照)または化合物XVの経口投与を毎日行い、8日目に開始して週に1回、ゲムシタビン(50mg/kg)の腹腔内注射を行なった。
【0132】
図4は、膵臓Panc02癌におけるゲムシタビンと併用した化合物XV(200mg/kg)の経口投与およびゲムシタビン単独(腹腔内、50mg/kg)の抗腫瘍効果を表す。対照(50日)と比較して、平均生存期間は68.5日であり、ゲムシタビンは生存期間を有意に(p<0.05)延長している。併用療法により生存期間は30%、12日間延長し、平均生存期間は77日間に増加している。
【0133】
図16は、皮下注射して局所腫瘍を形成させた膵臓Panc02癌における、デカン酸ナトリウムをパクリタキセルと併用した経口投与およびパクリタキセル単独(腹腔内10mg/kg)の抗腫瘍効果を表す。デカン酸ナトリウムは、有意に(p<0.05)腫瘍増殖を減少させ、34〜39日目で処置/対照(T/C)は60〜70%である。パクリタキセルは有意に(p<0.05)腫瘍増殖を減少させ、29〜49日目でT/Cは40および55%である。デカン酸ナトリウムとパクリタキセルとの併用は有意に(p<0.05)腫瘍増殖を減少させ、23〜49日目でT/Cは40%未満である。
【0134】
実施例8:化合物の原発DA−3乳腺腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
同系腫瘍DMBA3(DA−3、乳癌モデル)は、7,12−ジメチルベンズアントラセンで処置したBALB/c雌マウスの前癌病変部由来であった。DA−3細胞は0.1mMの可欠アミノ酸、0.1μMのピルビン酸ナトリウム、2mMのL−グルタミンを含有するRPMI−1640で樹脂製のフラスコ内で単層培養した。これにさらに50μM 2−メルカプトエタノールおよび10%ウシ胎仔血清を加えた。6〜8週齢のBALB/cマウスに50μL(1×10
5)の生腫瘍細胞を皮下接種することにより局所腫瘍を形成させ、DA−3腫瘍をin vivoで継代培養した。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。マウスを11、18日目にシクロホスファミド(100mg/kg、腹腔内注射)で処置、または化合物XV(50mg/kg)の経口処置を毎日行った。マウスは22日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。腫瘍は概して接種後7〜10日で触知可能となった。
【0135】
図5は、化合物XVの経口投与(50mg/kg)およびシクロホスファミド(100mg/kg、腹腔内)の抗腫瘍効果を示す。化合物XVは、有意に(p<0.03)腫瘍体積を阻害(p<0.03)し、処置/対照(T/C)は43%から74%である。
【0136】
実施例9:化合物の原発P815肥満細胞腫に及ぼす抗腫瘍効果。
同系腫瘍P815は、ATCC(TIB64)から入手したDBA/2(H−2
d)由来の肥満細胞腫である。P815細胞は10%ウシ胎仔血清を含有するDMEMで培養した。0日目に、50μLの5×10
5生P815細胞を皮下注射して、6〜8週齢のDBA/2マウスに局所腫瘍を形成させた。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。次いで、マウスを溶媒(陰性対照)、アセチルサリチル酸(陽性対照、50mg/kg)またはデカン酸ナトリウム(40〜200mg/kg)の経口投与を毎日行った。マウスは約23日目(実験による)に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。腫瘍は概して接種後3〜5日で触知可能となった。
【0137】
図6は、デカン酸ナトリウムおよびアセチルサリチル酸(陽性対照)の経口投与の原発腫瘍P815細胞に及ぼす効果を示す。デカン酸ナトリウムは有意に(p<0.05)P815(肥満細胞腫)の腫瘍増殖を減少させている。その上、これらの用量での活性は、至適基準である化合物、可溶性アセチルサリチル酸よりも高い。
【0138】
他の実験を、200mg/kgのデカン酸ナトリウムおよび化合物XV(
図7);およびデカン酸ナトリウム、化合物IおよびII(
図8)の経口投与により行った。全ての化合物(200mg/kg)が、至適基準である化合物、可溶性アセチルサリチル酸と同様の効果を示し、有意に(p<0.05)腫瘍増殖を減少させている。化合物XVIIは、至適基準である化合物、可溶性アセチルサリチル酸よりも高い効果を示し、有意に(p<0.05)腫瘍増殖を減少させている。(
図17)。
【0139】
P815細胞は肝臓に転移する能力があることが知られている。
図9は、デカン酸ナトリウム(200mg/kg)を経口投与すると、肝転移したマウスが有意に(p<0.05)減少する(50%)ことを示している。化合物XV(200mg/kg)もまた、肝転移したマウスを有意に(p<0.05)減少(50%)させている(
図10)。別の実験においては、化合物XVII(50mg/kg)は肝転移したマウスの数を約20%減少させている(
図18)。
【0140】
実施例10:化合物のLL/2肺腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
同系腫瘍LL/2は、ATCC(CRL−1642)から入手した肺腫瘍細胞株である。LL/2細胞を10%ウシ胎仔血清を含有するDMEMで培養した。0日目に、50μLの3×10
5生LL/2細胞を皮下注射して、6〜8週齢のマウスに局所腫瘍を形成させた。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。次いで、マウスに溶媒(陰性対照)またはデカン酸ナトリウム(200mg/kg)の経口投与を毎日行い、1、8、15および22日目にゲムシタビン(50mg/kg)を腹腔内注射した。マウスは26日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。腫瘍は概して接種後3〜5日で触知可能となった。
【0141】
図11は、デカン酸ナトリウムおよびゲムシタビン(陽性対照)の経口投与が原発腫瘍LL/2細胞に及ぼす効果を示す。どちらの化合物も低い効果を示している。しかし併用すると、デカン酸ナトリウムおよびゲムシタビンは16日目から26日目に有意に(T/C約40%)腫瘍増殖を減少させている。
【0142】
実施例11:化合物の原発結腸CT−26WT腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
同系腫瘍CT−26WT(CT−26)は、ATCC(CRL−2638)から入手した結腸腫瘍細胞株である。CT−26細胞を10%ウシ胎仔血清を含有するRPMIで培養した。0日目に、50μLの5×10
6の生存可能CT−26細胞を皮下注射して、6〜8週齢のマウスに局所腫瘍を形成させた。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。次いで、マウスに溶媒(生理食塩水、陰性対照)またはデカン酸ナトリウム(200mg/kg)の経口投与を毎日行い、6、13および20日目に5−フルオロウラシル(40mg/kg)または両方の化合物を腹腔内注射した。マウスを25日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。腫瘍は概して接種後3〜5日で触知可能となった。
【0143】
図12は、デカン酸ナトリウムおよび5−フルオロウラシル(陽性対照)の経口投与の原発腫瘍CT−26細胞に及ぼす効果を示す。どちらの化合物も効果は低い。しかし併用すると、デカン酸ナトリウムおよび5−フルオロウラシルは16から26日目で腫瘍増殖を有意(T/C約40%)に減少させている。
【0144】
図13は、化合物XV、5−フルオロウラシル(陽性対照)および両方の化合物を併用した経口投与が、原発腫瘍CT−26細胞に及ぼす効果を示す。化合物XVは効果が低い(T/C=52%から73%)。5−フルオロウラシルは有意に(p≦0.02、T/C=52%から73%)減少させている。しかし併用すると、化合物XVおよび5−フルオロウラシルは16日目から26日目で腫瘍増殖を有意に(p≦0.01)減少(4%から31%のT/C)させている。
【0145】
実施例12:化合物の異種移植片ヒト前立腺PC−3腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
異種移植片ヒト前立腺腫瘍PC−3は、ATCC(CRL1435)から入手した。PC−3細胞を10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI−1640で培養した。0日目に、50μLの生PC−3(1.5〜2×10
6)細胞を皮下注射して、6〜8週齢のCD1nu/nu雄マウスに局所腫瘍を形成させた。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。腫瘍が十分な体積に達した時に、マウスを無作為化し、次いで生理食塩水(陰性対照)、シクロホスファミド(陽性対照、100mg/kg)またはデカン酸ナトリウム(200mg/kg)を連日経口投与した。マウスを56日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。
【0146】
図14は、デカン酸ナトリウム、シクロホスファミドおよび併用の、異種移植片ヒト前立腺PC−3腫瘍に及ぼす効果を表す。デカン酸ナトリウムは有意に(p<0.05%、T/C<40%、21〜56日目)腫瘍増殖を減少させている。シクロホスファミドは有意に(p<0.05%、T/C<40%、35〜56日目)腫瘍増殖を減少させている。デカン酸ナトリウムとシクロホスファミドとの併用は、腫瘍を退縮させている(相乗効果;p<0.05%、T/C<40%、21〜56日目)。異種移植片ヒト前立腺PC−3腫瘍において、デカン酸ナトリウムはシクロホスファミド相乗効果を生み出す(腫瘍の退縮)。
【0147】
図15は、シクロホスファミド(陽性対照)およびシクロホスファミドの化合物XVとの併用の経口投与の、異種移植片PC−3腫瘍に及ぼす効果を示す。シクロホスファミドは有意に(p≦0.05、T/C=42〜78%)を減少させている。しかし併用すると、化合物XVとシクロホスファミドは26日目から56日目で腫瘍増殖を有意に(p≦0.04)減少(27%から56%のT/C)させている。
【0148】
実施例13:化合物の異種移植片ヒト膵臓癌MiaPaca−2腫瘍に及ぼす抗腫瘍効果。
MiaPaca−2細胞を10%ウシ胎仔血清を含有するDMEMで培養した。0日目に、50μLの生MiaPaca−2(2×10
6)細胞を皮下注射して、6〜7週齢のNCRヌード/ホモ接合雌マウスに局所腫瘍を形成させた。次いで腫瘍を確認するために、徒手的触診により動物を連続的に観察した。腫瘍が十分な体積に達した時に、マウスを無作為化し、次いでデカン酸ナトリウム(400mg/kg)、アブラキサン(商標)(陽性対照、10〜50mg/kgの腹腔内投与)またはアブラキサン(商標)とデカン酸ナトリウムを併用して連日経口投与した。マウスを95日目に屠殺した。一連の腫瘍体積は、ノギスを使用して、二次元直径測定により、式0.4(a×b
2)(ここで「a」は腫瘍の長径、「b」は垂直方向の短径とした)を用いて求めた。
【0149】
図19は、アブラキサン(商標)とデカン酸ナトリウムの併用の効果が、ヒト膵臓癌MiaPaca−2の腫瘍増殖を減少させることを示す。
【0150】
実施例14:上皮間葉転換
癌細胞は上皮間葉転換(EMT)を起こし
て移動し、組織を浸潤している(転移)可能性があることが証拠により示唆されている。
【0151】
化合物のEMTに及ぼす効果を調べるために、さらなる分析を行った。化合物XVIIのTGF−βに誘導されたEMTに及ぼす効果をヒト上皮癌細胞(HK−2)において分析した。EMTの進行を調べるため、プロ上皮マーカーのE−カドヘリンおよび間葉系/プロ線維性マーカーのCTGFおよびコラーゲン1を定量的リアルタイムPCRにより分析した。TGF−βにより誘導されたEMTを阻害する化合物XVIIの効果を調べるために、HK−2細胞においてTGF−βがEMTを誘導する能力を検証した。
図20、21および22に示す通り、E−カドヘリンの転写発現低下とCTGFおよびコラーゲン1の転写発現上昇から分かるように、EMTはTGF−βにより誘導された。さらに、E−カドヘリンの発現上昇とCTGFおよびコラーゲン1の発現低下から示されるように、TGF−βに誘導されたEMTは、どちらの細胞においても化合物XVIIにより有意に阻害された。さらに、化合物XVII単独でCTGFおよびコラーゲン1の基礎発現を低下させることができた。これらの結果を
図20、21および22に示す。
【0152】
別の実験では、基礎およびTGF−β刺激を行ったCTGFおよびコラーゲン1の発現の低下により示されるように、デカン酸ナトリウムおよび化合物IはHK−2細胞において有意にEMTを阻害した(
図23および24)。
【0153】
見出しは、参照のために、および特定の節を見つけることを補助するために本明細書に含まれる。これらの見出しは、それより下に記載される概念の範囲を限定するものではなく、またこれらの概念は、本明細書全体にわたる他の節にも適用可能であり得る。したがって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一貫している最も広い範囲に一致させるべきである。
【0154】
「a」、「an」および「the」という単数形は、文脈から明らかに別の意味を示さない限り、対応する複数の指示対象を含む。
【0155】
特に指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件、濃度、特性等を表す全ての数は、全ての例において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁数を参照して、および通常の丸め手法を適用することによって、解釈されるべきである。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとしている特性に応じて異なり得る近似値である。本実施形態の広範囲を説明する数値的範囲およびパラメータは、近似値であるが、具体的な例で示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、実施例、試験測定、統計分析等における変形から生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0156】
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例証目的に過ぎないものであり、その内容を踏まえた種々の修正または変更が当業者に示唆され、本発明および添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることを理解されたい。