(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複合シートからなる表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記複合シートは、積層された第1シート及び第2シートが複数の接合部において互いに接合されており、且つ第1シートが、前記接合部以外の部位において第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出した凸部を形成しており、
複数の前記接合部が前記長手方向及び前記幅方向の両方向に対して傾斜する第1方向に沿って並んだ第1傾斜接合部列、及び複数の前記接合部が前記長手方向及び前記幅方向の両方向に対して傾斜し且つ第1方向と交差する第2方向に沿って並んだ第2傾斜接合部列がそれぞれ複数列形成されており、
第1傾斜接合部列と第2傾斜接合部列との交差部に、前記長手方向に長い形状の長接合部が形成されており、
前記凸部として、前記幅方向に長い形状の横長凸部が、前記長手方向及び前記幅方向に分散した状態に形成されており、
前記横長凸部は、2本の第1傾斜接合部列及び2本の第2傾斜接合部列に囲まれた状態に形成されており、且つ前記幅方向において隣り合う横長凸部間に前記長接合部が形成されている、吸収性物品。
第1傾斜接合部列及び第2傾斜接合部列は、前記交差部間に、前記長手方向の長さが、前記長接合部より短い短接合部を有している、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
前記横長凸部と前記長接合部が、前記幅方向に沿って交互に配されている複合列が、前記長手方向に複数列形成されており、該長手方向に隣り合う前記複合列どうしは、前記長接合部の位置が、前記幅方向に半ピッチ分ずれている、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
前記複合シートは、平面方向において隣り合う横長凸部どうしが、それぞれを囲む接合部のうちの一つ以上を共用している、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
前記複合シートは、前記横長凸部及び該横長凸部を囲む接合部が形成された中央領域及び該中央領域の両側に位置する一対のサイド領域を有し、前記サイド領域のそれぞれには、前記中央領域の前記横長凸部よりも前記幅方向の長さが短い凸部が千鳥配置で形成されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び
図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ100(以下、単におむつ100ともいう)の基本的な構造が示されている。
おむつ100は、
図1及び
図2に示すように、液透過性の表面シート12、液不透過性の裏面シート13、及び両シート12,13間に配置された吸収体14を具備する。裏面シート13に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、裏面シート13が液を全く通さない場合の他、撥水性のシート等からなる場合等も含まれる。
【0010】
おむつ100は、着用者の前後方向に対応する長手方向Xと、おむつ100を、
図1に示すように平面状に広げた状態において、該長手方向Xと直交する幅方向Yとを有している。また、おむつ100は、長手方向Xに、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、着用時に着用者の背側に配される背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に位置する股下部C
を有している。おむつ100は、展開型の使い捨ておむつであり、背側部Bの両側縁部にファスニングテープ17が設けられており、腹側部Aの外表面に、そのファスニングテープ17を止着するランディングゾーン18が設けられている。
【0011】
おむつ100における吸収体14は、吸収性コア14aと該吸収性コア14aを包むコアラップシート14bとを備えている。吸収性コア14aは、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維の積繊体や、吸液性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体から構成することができる。吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維が挙げられる。セルロース系の親水性繊維以外に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる繊維を界面活性剤等により親水化したものを用いることもできる。コアラップシート14bとしては、例えば、ティッシュペーパーや透水性の不織布が用いられる。コアラップシート14bは、1枚で吸収性コア14aの全体を包んでいても良いし、2枚以上を組み合わせて吸収性コア14aを包んでいても良い。裏面シート13としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等が用いられる。
【0012】
おむつ100の長手方向Xの両側には、弾性部材15aを有する立体ギャザー形成用のシート15が配されており、その弾性部材15aの収縮により、着用状態における股下部Cに、着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザーが形成される。また、股下部Cにおける脚周りに配される部位には、レッグ部弾性部材16が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
【0013】
第1実施形態の使い捨ておむつ100における表面シート12は、
図3に示す複合シート10から構成されている。
複合シート10は、
図3に示すように、接合部3及び凸部4が相互に異なるパターンで形成された中央領域M及び該中央領域Mの両側に位置する一対のサイド領域S,Sを有している。中央領域Mは、おむつ100の幅方向Yの中央部に位置し、一対のサイド領域S,Sは、中央領域Mを挟んでその幅方向Yの両外側に形成されている。一対のサイド領域S,Sは、複合シート10におけるおむつ100の長手方向Xに沿う両側部に形成されている。
【0014】
図4は、複合シート10の一部を示す拡大平面図である。
図5(a)は、複合シート10の中央領域Mの一部を更に拡大して示す拡大平面図であり、
図5(b)は、複合シート10のサイド領域Sの一部を更に拡大して示す拡大平面図であり、
図4には、複合シート10の、股下部Cに配される一部分が示されている。なお、サイド領域Sは、おむつ100の長手方向Xに延びる長手方向中央線CLに対して左右対称の位置に形成されており、各サイド領域Sそれぞれに、同様のパターンで凹凸が形成されている。
【0015】
複合シート10は、
図5及び
図6に示すように、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、積層された第1シート1及び第2シート2がエンボス加工により部分的に接合されて複数の接合部3が形成され、積層された第1シート1及び第2シート2が複数の接合部3において互いに接合されている。そして、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、第1シート1が、前記の接合部3以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する凸部4を形成している。複合シート10は、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、第2シート2側の面がほぼ平坦であり、第1シート1側に起伏の大きな凹凸が形成されている。
【0016】
第1シート1及び第2シート2は、シート材料から構成されている。シート材料としては、例えば不織布、織布及び編み地などの繊維シートや、フィルムなどを用いることができ、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に不織布を用いることが好ましい。第1シート1と第2シート2を構成するシート材料の種類は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0017】
第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として不織布を用いる場合の不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらのなかでも、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として用いる不織布の坪量は、好ましくは10g/m
2以上、より好ましくは15g/m
2以上であり、また好ましくは40g/m
2以下、より好ましくは35g/m
2以下である。不織布の坪量は10g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましく、15g/m
2以上35g/m
2以下であることが更に好ましい。
【0018】
不織布を構成する繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上のブレンド物として用いることができる。また、芯鞘型やサイド・バイ・サイド型などの複合繊維の形態で用いることができる。
【0019】
複合シート10の中央領域Mには、
図4に示すように、第1シート1と第2シート2との接合部3によって、長手方向X及び幅方向Yの両方向に対して傾斜した第1方向D1に沿って複数の接合部3が並んだ第1傾斜接合部列S1、及び長手方向X及び幅方向Yの両方向に対して傾斜し且つ第1方向D1と交差する第2方向D2に沿って複数の接合部3が並んだ第2傾斜接合部列S2が、それぞれ複数列形成されている。
そして、第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2との交差部に、長手方向Xに長い形状の長接合部31が形成されている。本実施形態における第1傾斜接合部列S1及び第2傾斜接合部列S2については、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに一定の間隔で交差部を有しており、各交差部に長接合部31が配置されている。第1方向D1は、長手方向中央線CLに対する傾斜角度θ1が、45°以上80°以下が好ましく、より好ましくは50°以上70°以下である。第2方向D2は、長手方向中央線CLに対する傾斜角度θ2が、45°以上80°以下が好ましく、より好ましくは50°以上70°以下である。第1方向D1及び第2方向D2は、長手方向中央線CLと平行な直線を対
称線として線対称であることが好ましい。
【0020】
また、複合シート10には、凸部4として、幅方向Yに長い形状の横長凸部41が、長手方向X及び幅方向Yに分散した状態に形成されている。
横長凸部41は、千鳥状に配置されている。より詳細には、横長凸部41は、
図4に示すように、複数の横長凸部41が一定の間隔で長手方向Xに沿って直列した長手方向凸部列R3と、複数の横長凸部41が一定の間隔で幅方向Yに沿って直列した幅方向凸部列R4と、複数の横長凸部41が一定の間隔で、第1方向D1に沿って直列した第1方向凸部列R5と、複数の横長凸部41が一定の間隔で、第2方向D2に沿って直列した第2方向凸部列R6とを有するように配置されている。
幅方向Yにおいて隣り合う長手方向凸部列R3どうしは、横長凸部41の配置位置が、長手方向Xに半ピッチ分ずれており、長手方向Xにおいて隣り合う幅方向凸部列R4どうしは、横長凸部41の配置位置が、幅方向Yに半ピッチ分ずれている。
【0021】
また、第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2のそれぞれにおける長接合部31どうし間には、長手方向Xの長さが、長接合部31より短い短接合部32を有している。長接合部31どうし間に配された短接合部32は、
図5(a)に示すように、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3の長接合部31どうしを最短距離で結ぶ直線Lsと重なる部分を有することが好ましい。
本実施形態における短接合部32は、
図5(a)に示すように、複数の短接合部32が一定の間隔で長手方向Xに沿って直列した長手方向短接合部列S4と、複数の短接合部32が一定の間隔で幅方向Yに沿って直列した幅方向短接合部列S5とが、それぞれ複数列形成されている。
また、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向短接合部列S4は、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3どうし間に位置している。
【0022】
幅方向Yにおいて隣り合う長手方向短接合部列S4と長手方向長接合部列S3との間隔a1、及び長手方向長接合部列S3どうし間に、2列以上の長手方向短接合部列S4を有する場合における長手方向短接合部列S4どうし間の間隔a2は、等間隔であることが好ましい。
また、長手方向長接合部列S3どうし間に位置する長手方向短接合部列S4は、長手方向Xにおける短接合部32の中央位置32cが、一方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の一端31aと、他方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の他端31bとの間に位置している。
【0023】
本実施形態における個々の横長凸部41は、
図4に示すように、2本の第1傾斜接合部列S1,S1及び2本の第2傾斜接合部列S2,S2に囲まれた状態に形成されている。より具体的には、第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2との交差部に位置する4つの長接合部31と、それら4つの長接合部31どうし間に位置する4つ以上の短接合部32、より具体的には8つの短接合部32とに囲まれた領域内に、横長凸部41が形成されている。
また
図5(a)に示すように、本実施形態における個々の横長凸部41は、幅方向Yにおいて隣り合う横長凸部41,41間に、長手方向Xに長い形状の長接合部31が形成されている。
より詳細には、複合シート10においては、
図4に示すように、横長凸部41と長接合部31が、幅方向Yに交互に配されている幅方向複合列R9が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う幅方向複合列R9どうしは、横長凸部41及び長接合部31の位置が、それぞれ、幅方向Yに半ピッチ分ずれている。
【0024】
複合シート10の一対のサイド領域S,Sには、中央領域Mに形成された凸部4とは異なるパターンで凸部4が形成されている。凸部のパターンが異なるという表現には、凸部の配置のみが異なる場合と、凸部の形態が異なる場合と、それらの両方が異なる場合の何れもが含まれる。凸部の配置が異なる態様には、凸部間の距離が異なる場合も含まれる。また凸部の形態が異なる態様には、凸部の平面視形状が異なる場合も含まれる。本実施形態の複合シート10においては、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとで、凸部の配置及び形態が異なっている。
【0025】
また、中央領域M及びサイド領域Sにおける接合部3のそれぞれにおいては、第1シート1及び第2シート2の一方又は双方の構成繊維の構成樹脂が溶融固化した状態となっており、また、接合部3のそれぞれにおいては、第1シート1及び第2シート2は、何れも他の部分(接合部以外の部分)に比して高密度化している。即ち、複合シート10における接合部3は、好ましくは、第1シート1と第2シート2とが一体的に加熱及び加圧されて形成された熱融着部であり、一方又は両方のシートの構成繊維の構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シートが互いに結合されている。接合部3のそれぞれにおいては、それぞれ、第1シート1及び第2シート2の両方が溶融固化していることが好ましい。また、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、接合部3は、第1シート1と第2シート2との間が、熱融着以外の接合手段、例えばホットメルト接着剤等の接着剤によって形成されていても良い。
【0026】
第1実施形態のおむつ100においては、表面シート12として、第1シート1が、接合部3以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出した凸部4を形成している複合シート10を用いているため、また、肌対向面が柔軟でありながら、第2シート2の存在による凸部4の保形性も良好であり、吸収体14に吸収された液が着用者の肌に液戻りすることを防止する液戻り防止効果や、通気性に優れている。
【0027】
また、第1実施形態のおむつ100は、通常のおむつと同様に、おむつの着用中に、脚を動かす動作を行うこと等によって、おむつの幅方向中央部における表面シート12と着用者の肌との間に、長手方向Xに沿う方向のズレが生じ易い。しかし、第1実施形態のおむつ100においては、そのおむつ幅方向中央部に、前述した複合シート10の中央領域Mが配されており、肌の相対位置の変化に伴い、横長凸部41が長手方向Xに倒れるように追従変形するため、横長凸部41によって肌が擦られる程度を軽減することができる。
しかも、幅方向Yにおいて隣り合う横長凸部41どうし間に、長手方向Xに長い形状の長接合部31を形成することによって、幅方向Yに連続して延びる連続凸部や、その形成のために形成した幅方向Yに延びるエンボス領域を形成した場合に比較し、尿等の排泄液が多い時などに生じやすい幅方向Yへの液の過度の拡散による不都合の発生を低減させることができる。例えば、排泄液が幅方向に過度に拡散することにより生じやすい、脚周りに湿った感覚を与えることや、横漏れの発生等を効果的に防止することができる。
【0028】
また本実施形態の使い捨ておむつ100は、長接合部31に加えて短接合部32を有しており、第1シート1と第2シート2とを接合している接合部3として、長手方向Xの長さが異なる複数種類の接合部3を有している。これにより、表面シート12の単位面積当たりの凸部4の面積比率が高まるため、風合いが向上する。
【0029】
上述した一又は二以上の効果が一層確実に奏されるようにする観点から、複合シート10の凸部は、以下の構成を有することが好ましい。
横長凸部41は、幅方向Yの長さL1〔
図6(a)参照〕の長手方向Xの長さL2〔
図6(b)参照〕に対する比(L1/L2)が、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上であり、また好ましくは6.0以下、より好ましくは4.0以下であり、また好ましくは1.1以上6.0以下、より好ましくは1.5以上4.0以下である。横長凸部41の幅方向Yの長さL1は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは3mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
横長凸部41の幅方向Yの長さL1は、幅方向複合列R9中の長接合部31間の距離であり、横長凸部41の長手方向Xの長さL2は、長手方向長接合部列S3中の長接合部31間の距離と同じである。
【0030】
横長凸部41の高さH1〔
図6(a)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上5.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以上4.0mm以下である。またサイド領域Sに形成する凸部43の高さH3〔
図6(c)参照〕は、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.6mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上4.0mm以下、更に好ましくは0.6mm以上3.0mm以下である。
複合シートの凸部4に関し、高さとは、
図6(a)及び
図6(c)に示すとおり、第2シート2の下面から、第1シート1の上面までの距離と定義される。また高さは、デジタルマイクロスコープ(Keyence製)を用いて各凸部断面を観察し、第2シート2の下面と凸部の頂部との最短距離を計測して得られた値とする。
【0031】
また長接合部31は、長手方向Xの長さbが、横長凸部41の長手方向Xの長さL2に対して、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは40%以上100%以下、より好ましくは50%以上80%以下である。
【0032】
また長接合部31は、長手方向Xの長さbの幅方向Yの長さaに対する比(b/a)が、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、また好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下であり、また好ましくは1.2以上5.0以下、より好ましくは1.5以上3.0以下である。
また長接合部31は、長手方向Xの長さbが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは6.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上6.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上4.0mm以下である。
【0033】
また第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2のそれぞれにおける長接合部31どうし間に位置する短接合部32は、幅方向Yの長さcの長手方向Xの長さdに対する比(c/d)が、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、また好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下であり、また好ましくは0.8以上1.2以下、より好ましくは0.9以上1.1以下である。
短接合部32は、長手方向Xと幅方向Yの長さが略同じであることが好ましい。ここで、長手方向Xと幅方向Yの長さが略同じであるとは、前述した前記比(c/d)が0.8以上1.2以下であることをいう。
また、横長凸部41を挟んでその長手方向Xの両側に位置する短接合部32どうし間の距離(
図5の上下方向の距離)は、長手方向長接合部列S3中の長接合部31間の距離L2〔
図6(b)参照〕の30%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは30%以上100%以下、より好ましくは40%以上70%以下である。
【0034】
また本実施形態においては、長手方向Xにおいて個々の横長凸部41を挟んでいる接合部3は、
図5(a)に示すように、片側5個ずつの合計10個であり、幅方向Yの両側に位置する2個の長接合部31を含めて合計12個の接合部3が、横長凸部41を囲んでいるが、横長凸部41を囲んでいる接合部3の数は、好ましくは4個以上、より好ましくは8個以上であり、また好ましくは20個以下、より好ましくは16個以下である。これらの個数の接合部3は、横長凸部41を長手方向Xの両側から挟む対として設けられていることが好ましい。
【0035】
また、本実施形態の複合シート10においては、
図5(a)に示すように、接合部3が長手方向Xに間隔を開けて直列した長手方向接合部列S3,S4が、幅方向Yに複数列形成されており、その幅方向Yにおいて隣り合う長手方向接合部列どうしの接合部3は、長手方向Xの一部又は全部が重なっているか、又は長手方向Xの端部の位置が一致している。
具体的には、
図5(a)に示すように、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3及び長手方向短接合部列S4の長接合部31と短接合部32とは、長手方向Xの端部Ea,Ebの位置Pa,Pbが一致しており、また、幅方向Yにおいて隣り合う長手方
向短接合部列S
4の短接合部32どうしは、長手方向Xの全部が相互に重なっている。
また、
図7に示す実施形態においては、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3及び長手方向短接合部列S4の長接合部31と短接合部32とは、長手方向Xの一部である端部付近Ea,Ebが重なっており、また、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向
短接合部列S
4の短接合部32どうしは、長手方向Xの全部が相互に重なっている。
このように、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向接合部列の接合部どうしに関し、長手方向Xの一部又は全部が重なっているか、又は長手方向Xの端部の位置が一致していると、長手方向長接合部列S3と長手方向短接合部列S4の間、及び、長手方向短接合部列S4どうしの間において、長手方向Xに凹凸形状が形成されやすく、横長凸部41の長手方向Xへの動きやすさが向上し、おむつ1の着用中に、表面シート12と着用者の肌との間に、長手方向Xに沿う方向のズレが生じたときの、横長凸部41による肌の摩擦を一層軽減することができる。
なお、
図7に示す例においては、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3間に、長手方向短接合部列S4が形成されており、一方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の端部Ea,Ebのそれぞれと、該長手方向長接合部列S3に隣接する長手方向短接合部列S4の短接合部32の長手方向の一部である端部付近Ea,Ebが重なっており、他方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の端部Ec,Edのそれぞれと、該長手方向長接合部列S3に隣接する長手方向短接合部列S4の短接合部32の長手方向の一部である端部付近Ec,Edとが重なっている。
【0036】
また、本実施形態の複合シート10のように、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3どうしの間に、複数の長手方向短接合部列S4が存在する場合、その複数の長手方向短接合部列S4は、
図8に示すように、横長凸部41を挟む短接合部32どうし間の距離Fa,Fbが、相互に異なっていてもよい。このようなパターンにすることにより、第1傾斜接合部列S1及び第2傾斜接合部列S2に沿った凹部が、一層形成されやすく、横長凸部41の長手方向Xへの動きやすさがより向上し、着用中の肌との摩擦を一層低減することができる。
図8に示す実施形態においても、接合部3が長手方向Xに間隔を開けて直列した長手方向接合部列S3,S4が、幅方向Yに複数列形成されており、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3及び長手方向短接合部列S4の長接合部31と短接合部32とは、長手方向Xの一部Ea,Ebどうしが重なっており、幅方向Yにおいて隣り合う長手方
向短接合部列S
4の短接合部32どうしも、長手方向Xの一部どうしが相互に重なってい
る。
図5(a)や
図8に示す実施形態のように、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3の長接合部31どうし間に配された長手方向短接合部列S4の短接合部32は、幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3の長接合部31どうしを最短距離で結ぶ直線Lsと重なる部分を有することが好ましい。
【0037】
長手方向X及び幅方向Yに分散した状態に形成されている横長凸部41は、
図4に示すように、平面方向において隣り合う横長凸部どうしが、それぞれを囲む接合部31,32のうちの一つ以上を共用している。より具体的には、幅方向Yにおいて隣り合う横長凸部41どうしは、両者間に位置する長接合部31を共用しており、第1方向D1又は第2方向D2において隣り合う横長凸部41は、それぞれを囲む12個の接合部のうちの4個を共用している。長手方向凸部列R3において隣り合う横長凸部41どうしは、一つの長接合部31を共用している。
このように、平面方向において隣り合う横長凸部どうしが、それぞれを囲む接合部31,32のうちの一つ以上を共用するように、横長凸部41及びその周囲を囲む接合部31,32が形成されていると、表面シート12の単位面積当たりの凸部4の面積の比率が高まるため、風合いが向上する。また、横長凸部41及び長接合部31が同様のパターンが繰り返されることにより、液の均一拡散性がより向上する。ここで、液の均一拡散性とは、表面シート上をある特定の方向に集中して液が拡散してしまうことなく、排泄ポイントを中心に全方向に均一に拡散されることを意味する。
【0038】
本実施形態における複合シート10の一対のサイド領域S,Sには、
図4、
図5(b)及び
図6(c)に示すように、第1シート1が、接合部3以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出して形成された凸部4として、中央領域Mの横長凸部41よりも幅方向Yの長さが短い凸部43が千鳥配置で形成されている。複合シート10の各サイド領域Sには、前述した中央領域Mにおける長手方向短接合部列S4どうし間の間隔a2と同じ間隔で近接配置された一対の接合部35,35からなる接合部対34が、凸部43と接合部対34とが、幅方向Yにそれぞれ一定の間隔で交互に配された幅方向複合列J1及び凸部43と接合部対34とが、長手方向Xにそれぞれ一定の間隔で交互に配された長手方向複合列J2を、それぞれ複数形成されるように形成されている。
【0039】
幅方向の中央部に、前記接合部及び前記横長凸部が、前述した態様で形成された中央領域Mを形成する一方、当該中央領域Mの両側に位置する一対のサイド領域S,Sのそれぞれに、中央領域Mの横長凸部41よりも幅方向Yの長さL3が短い凸部43が千鳥配置で形成されていることによって、幅方向Yに液が過度に拡散することを一層確実に防止することができる。
【0040】
前述した構成の複合シート10を製造するには、特開2015−112343号公報や特許文献1に記載の方法と同様にして、帯状の第1シート1を、周面が互いに噛み合い形状となっている第1ロールと第2ロールとの間に供給して、第1シート1を凹凸形状に変形させた後、第1シート1を第1ロールの周面部に沿わせて噛み合い部分から移動させた後、第2シート2を第1シート1に重ね合わせるように供給して両シート1,2を、第1ロールにおける凸部とヒートロールとの間で加熱下に挟圧して部分的に接合させる。そして、その際、第1シートの中央部と側部とで、第1ロール及び第2ロールの凹凸形状、及び第1ロールとヒートロールで形成する接合部のパターンを異ならせる。なお、第1ロールと第2ロールとの噛み合い部に噛み込ませて第1シート1を凹凸形状に変形させる際には、第1シートをロール内部方向に向けて吸引して、第1シート1の凹凸形状への変形を促進させることが好ましい。
【0041】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前述した各実施形態に制限されず、適宜変更可能である。
例えば、中央領域Mとは異なるパターンで凸部が形成されたサイド領域S,Sを有しないものであっても良く、全域に亘って、中央領域Mと同様の構成を有する複合シート10を表面シート12として用いても良い。
また、前述した実施形態においては、
図3に示すように、相互に異なるパターンで形成された凸部を有する中央領域M及びその両側のサイド領域S,Sが、おむつ100の長手方向の全長に亘るように形成されていたが、本発明の吸収性物品においては、横長凸部41や横長凸部41の長接合部31を有する中央領域Mは、吸収性物品の長手方向の何れかの部位のみに形成されていても良く、例えば、股下部Cのみ、腹側部Aのみ、背側部Bのみ、あるいは股下部Cと腹側部A又は背側部Bのみ形成されていても良い。
【0042】
また横長凸部41を囲む接合部31,32や他の接合部の形状、それらの配置は、適宜に決定することができる。個々の接合部の形状は、
図3に示すような、長方形や正方形の他、正方形状の他、円形、楕円形、長円形、三角形、四角形、五角形、六角形、星形、ハート形、三角形等、任意の形状を採用し得る。
また、本発明の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつに代えて、パンツ型(プルオンタイプ)の使い捨ておむつであっても良く、また、パンツ型又は通常の非パンツ型の生理用ナプキンであっても良く、失禁パッド、パンティライナー等であっても良い。
【0043】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
複合シートからなる表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記複合シートは、積層された第1シート及び第2シートが複数の接合部において互いに接合されており、且つ第1シートが、前記接合部以外の部位において第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出した凸部を形成しており、
複数の前記接合部が前記長手方向及び前記幅方向の両方向に対して傾斜する第1方向に沿って並んだ第1傾斜接合部列、及び複数の前記接合部が前記長手方向及び前記幅方向の両方向に対して傾斜し且つ第1方向と交差する第2方向に沿って並んだ第2傾斜接合部列がそれぞれ複数列形成されており、
第1傾斜接合部列と第2傾斜接合部列との交差部に、前記長手方向に長い形状の長接合部が形成されており、
前記凸部として、前記幅方向に長い形状の横長凸部が、前記長手方向及び前記幅方向に分散した状態に形成されており、
前記横長凸部は、2本の第1傾斜接合部列及び2本の第2傾斜接合部列に囲まれた状態に形成されており、且つ前記幅方向において隣り合う横長凸部間に前記長接合部が形成されている、吸収性物品。
<2>
前記接合部として、前記長手方向の長さが異なる複数種類の接合部を有している、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
第1傾斜接合部列及び第2傾斜接合部列は、前記交差部間に、前記長手方向の長さが、前記長接合部より短い短接合部を有している、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
【0044】
<4>
前記接合部が前記長手方向に間隔を開けて直列した長手方向接合部列が、前記幅方向に複数列形成されており、
前記幅方向において隣り合う長手方向接合部列どうしの前記接合部は、前記長手方向の一部又は全部が重なっているか、又は前記長手方向の端部の位置が一致している、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記横長凸部と前記長接合部が、前記幅方向に沿って交互に配されている複合列が、前記長手方向に複数列形成されており、該長手方向に隣り合う前記複合列どうしは、前記長接合部の位置が、前記幅方向に半ピッチ分ずれている、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記複合シートは、平面方向において隣り合う横長凸部どうしが、それぞれを囲む接合部のうちの1つ以上を共用している、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
第1傾斜接合部列S1及び第2傾斜接合部列S2については、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに一定の間隔で交差部を有しており、各交差部に長接合部31が配置されている、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0045】
<8>
第1方向D1は、長手方向中央線CLに対する傾斜角度θ1が、45°以上80°以下が好ましく、より好ましくは50°以上70°以下である、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
第2方向D2は、長手方向中央線CLに対する傾斜角度θ2が、45°以上80°以下が好ましく、より好ましくは50°以上70°以下である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
第1方向D1及び第2方向D2は、長手方向中央線CLと平行な直線を対
称線として線対称であることが好ましい、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>
横長凸部41は、複数の横長凸部41が一定の間隔で長手方向Xに沿って直列した長手方向凸部列R3と、複数の横長凸部41が一定の間隔で幅方向Yに沿って直列した幅方向凸部列R4と、複数の横長凸部41が一定の間隔で、第1方向D1に沿って直列した第1方向凸部列R5と、複数の横長凸部41が一定の間隔で、第2方向D2に沿って直列した第2方向凸部列R6とを有するように配置されている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0046】
<12>
幅方向Yにおいて隣り合う長手方向凸部列R3どうしは、横長凸部41の配置位置が、長手方向Xに半ピッチ分ずれており、長手方向Xにおいて隣り合う幅方向凸部列R4どうしは、横長凸部41の配置位置が、幅方向Yに半ピッチ分ずれている、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
幅方向Yにおいて隣り合う長手方向短接合部列S4と長手方向長接合部列S3との間隔a1、及び長手方向長接合部列S3どうし間に、2列以上の長手方向短接合部列S4を有する場合における長手方向短接合部列S4どうし間の間隔a2は、等間隔であることが好ましい、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
長手方向長接合部列S3どうし間に位置する長手方向短接合部列S4は、長手方向Xにおける短接合部32の中央位置32cが、一方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の一端31aと、他方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の他端31bとの間に位置している、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>
第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2との交差部に位置する4つの長接合部31と、それら4つの長接合部31どうし間に位置する4つ以上の短接合部32、より具体的には8つの短接合部32とに囲まれた領域内に、横長凸部41が形成されている、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0047】
<16>
個々の横長凸部41は、幅方向Yにおいて隣り合う横長凸部41,41間に、長手方向Xに長い形状の長接合部31が形成されている、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
横長凸部41は、幅方向Yの長さL1の長手方向Xの長さL2に対する比(L1/L2)が、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上であり、また好ましくは6.0以下、より好ましくは4.0以下である、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>
横長凸部41の幅方向Yの長さL1は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
横長凸部41の幅方向Yの長さL1は、幅方向複合列R9中の長接合部31間の距離であり、横長凸部41の長手方向Xの長さL2は、長手方向長接合部列S3中の長接合部31間の距離と同じである、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
横長凸部41の高さH1は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下であり、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0048】
<21>
長接合部31は、長手方向Xの長さbが、横長凸部41の長手方向Xの長さL2に対して、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下である、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
長接合部31は、長手方向Xの長さbの幅方向Yの長さaに対する比(b/a)が、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、また好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下である、前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
長接合部31は、長手方向Xの長さbが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは6.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下である、前記<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
第1傾斜接合部列S1と第2傾斜接合部列S2のそれぞれにおける長接合部31どうし間に位置する短接合部32は、幅方向Yの長さcの長手方向Xの長さdに対する比(c/d)が、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、また好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0049】
<25>
短接合部32は、長手方向Xと幅方向Yの長さが略同じである、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
横長凸部41を挟んでその長手方向Xの両側に位置する短接合部32どうし間の距離は、長手方向長接合部列S3中の長接合部31間の距離L2の30%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは70%以下である、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
横長凸部41を囲んでいる接合部3の数は、好ましくは4個以上、より好ましくは8個以上であり、また好ましくは20個以下、より好ましくは16個以下である、前記<1>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
これらの個数の接合部3は、横長凸部41を長手方向Xの両側から挟む対として設けられていることが好ましい、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0050】
<29>
前記幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3及び長手方向短接合部列S4の長接合部31と短接合部32とは、長手方向Xの端部Ea,Ebの位置Pa,Pbが一致している、前記<1>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3及び長手方向短接合部列S4の長接合部31と短接合部32とは、長手方向Xの一部どうしが重なっている、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
<31>
前記幅方向Yにおいて隣り合う長手方向長接合部列S3間に、長手方向短接合部列S4が形成されており、一方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の端部Ea,Ebのそれぞれと、該長手方向長接合部列S3に隣接する長手方向短接合部列S4の短接合部32の長手方向の一部(好ましくは端部付近)Ea,Ebとが重なっており、他方の長手方向長接合部列S3の長接合部31の端部Ec,Edのそれぞれと、該長手方向長接合部列S3に隣接する長手方向短接合部列S4の短接合部32の長手方向の一部(好ましくは端部付近)Ec,Edとが重なっている、前記<1>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0051】
<32>
長手方向長接合部列S3どうしの間に複数の長手方向短接合部列S4が存在する場合、それぞれの長手方向短接合部列S4の長手方向の短接合部32どうし間の距離は異なっている、前記<1>〜<31>の何れか1に記載の吸収性物品。
<33>
幅方向Yにおいて隣り合う横長凸部41どうしは、両者間に位置する長接合部31を共用しており、第1方向D1又は第2方向D2において隣り合う横長凸部41は、それぞれを囲む12個の接合部のうちの4個を共用している、前記<1>〜<32>の何れか1に記載の吸収性物品。
<34>
長手方向凸部列R3において隣り合う横長凸部41どうしは、一つの長接合部31を共用している、前記<1>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>
中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとで、凸部の配置及び形態が異なっている、前記<1>〜<34>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0052】
<36>
前記複合シートは、前記横長凸部及び該横長凸部を囲む接合部が形成された中央領域及び該中央領域の両側に位置する一対のサイド領域を有し、前記サイド領域のそれぞれには、前記中央領域の前記横長凸部よりも前記幅方向の長さが短い凸部が千鳥配置で形成されている、前記<1>〜<35>の何れか1に記載の吸収性物品。
<37>
サイド領域Sに形成する凸部43の高さH3〔
図6(c)参照〕は、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.6mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である、前記<1>〜<36>の何れか1に記載の吸収性物品。
<38>
複合シート10の各サイド領域Sには、前述した中央領域Mにおける長手方向短接合部列S4どうし間の間隔a2と同じ間隔で近接配置された一対の接合部35,35からなる接合部対34が、凸部43と接合部対34とが、幅方向Yにそれぞれ一定の間隔で交互に配された幅方向複合列J1及び凸部43と接合部対34とが、長手方向Xにそれぞれ一定の間隔で交互に配された長手方向複合列J2を、それぞれ複数形成されるように形成されている、前記<1>〜<37>の何れか1に記載の吸収性物品。
<39>
第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として用いる不織布の坪量は、好ましくは10g/m
2以上、より好ましくは15g/m
2以上であり、また好ましくは40g/m
2以下、より好ましくは35g/m
2以下である、前記<1>〜<38>の何れか1に記載の吸収性物品。