特許第6371372号(P6371372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371372
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】集合管及び集合管を有する熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20180730BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
   F28F9/02 301D
   F28D1/053 A
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-503527(P2016-503527)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-514822(P2016-514822A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】CN2014072985
(87)【国際公開番号】WO2014146544
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2016年11月4日
(31)【優先権主張番号】201310089314.9
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515258882
【氏名又は名称】ダンフォス・マイクロ・チャンネル・ヒート・エクスチェンジャー・(ジャシン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジャンロン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リウフア
(72)【発明者】
【氏名】ルー,シャンシュン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ヨンドン
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,ジェフリー・リー
(72)【発明者】
【氏名】リー,カイクアン
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0023183(US,A1)
【文献】 特開2006−170598(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102384692(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0061844(US,A1)
【文献】 実開平03−021664(JP,U)
【文献】 実開平02−007492(JP,U)
【文献】 特開2009−041876(JP,A)
【文献】 特開2010−112695(JP,A)
【文献】 特開2001−059692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00 − 9/26
F28D 1/00 − 13/00
F25B 39/00 − 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに分離されかつ互いに流体連通する冷媒入口室(18)と冷媒分配室(19)とを備える軸方向に延びる内室(20)であって、冷媒が前記冷媒入口室(18)に入りかつ前記冷媒分配室(19)にて熱交換管に分配される、内室(20)と、
軸方向に延びる個々の第1及び第2の構成要素とを備えた集合管であって
前記冷媒入口室(18)及び冷媒分配室(19)の少なくとも一方又は前記集合管が、前記軸方向に延びる個々の第1及び第2の構成要素を軸方向に対して垂直の方向に連続して配置しかつ接続されている集合管であって、
前記第1の構成要素は、第1のU字形壁部(111)とこれに対向する仕切り壁部(114)と前記第1のU字形壁部(111)の2つの端部から外側方向にそれぞれ延びる段部(112)とこの段部の外端から前記第1のU字形壁部から離れた側面に向かって延びる第2の壁部(113)とを備えるとともに、前記仕切り壁部(114)の前記第1のU字形壁部(111)側の表面に一体に設置された、前記冷媒入口室(18)となる冷媒パイプライン(115)を有し、
前記第2の構成要素は、逆さのU字形壁部(12)を備え、該逆さのU字形壁部の2つの端部が前記第1の構成要素の前記第2の壁部(113)の内側に配置されて、前記逆さのU字形壁部(12)と前記仕切り壁部(114)との間に設けられる前記冷媒分配室(19)を有し、さらに、
前記冷媒入口室(18)と前記冷媒分配室(19)とを流体連通するための穴(14)を前記仕切り壁部(114)に形成した、集合管。
【請求項2】
前記仕切り壁部(114)は、前記段部の内端の間に延びる、請求項に記載の集合管。
【請求項3】
前記第1の構成要素が、さらに、前記第2の壁部(113)から所定距離だけ離間された前記仕切り壁部(114)の位置に設けられた突出部(116)を備える、請求項に記載の集合管。
【請求項4】
断面で見たとき、前記第1のU字形壁部(111)が略円弧状である、請求項に記載の集合管。
【請求項5】
断面で見たとき、前記第2の壁部(113)が略円弧状である、請求項に記載の集合管。
【請求項6】
前記第1の構成要素の前記第2の壁部(113)に重なる前記第2の構成要素の前記逆さのU字形壁部(12)の部分の幅が、3mm以上である、請求項に記載の集合管。
【請求項7】
断面で見たとき、前記第1の構成要素に対応する中心角度が、約180度以下である、請求項に記載の集合管。
【請求項8】
前記仕切り壁部(114)が前記冷媒分配室(19)に向かって突出する、請求項に記載の集合管。
【請求項9】
前記冷媒パイプライン(115)が前記第1のU字形壁部(111)から離間される、請求項に記載の集合管。
【請求項10】
前記集合管の内側が略円形である、請求項1に記載の集合管。
【請求項11】
熱交換器であって、
熱交換管と、
請求項1に記載の集合管と
を備え、前記熱交換管の端部部分が前記集合管の前記冷媒分配室と流体連通する、熱交換器。
【請求項12】
前記集合管が、前記集合管の管壁軸方向に配置され複数の開口部であって、前記熱交換管の前記端部部分に設けられた段部が挿入される開口部を有し、前記熱交換管の前記段部の少なくとも一部分が前記開口部の周縁に当接する、請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記仕切り壁部(114)の(14)の少なくとも1つが2つの隣接する熱交換管の間に設けられる、請求項11に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合管及び集合管を有する熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の集合管及び第2の集合管を備える熱交換器が、米国特許出願公開第2011/0315363A1号明細書に開示されている。分配プレートが長さ方向に第1の集合管内に配置されて、第1の集合管を冷凍媒体入口部分と冷凍媒体分配部分とに分割し、また多路扁平管が第1の集合管内に延びて、冷凍媒体分配部分の複数の冷媒分配室を形成する。各々の多路扁平管は、第1の集合管の分配プレートと接触する第1の端部と、第2の集合管に配置された第2の端部とを有し、また複数の略平行の流路が第1及び第2の集合管の間に形成され、分配プレートによって少なくとも部分的に遮断される。多路扁平管の一方の端部の外壁が取り除かれ、冷凍媒体が分配室から扁平管の内部に入ることを可能にする。
【0003】
高周波溶接された集合管が、米国特許出願公開第2011/0315363A1号明細書に開示された熱交換器になお使用されており、この結果、高周波溶接管の高コストの問題は解決されない。さらに、分配プレートが入口集合管内に挿入されるため、製造工程の複雑さが高まり、製品品質の制御が困難である。さらに、分配プレートと接触する扁平管の端部は、溶接による扁平管の遮断をもたらす傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、集合管及び集合管を有する熱交換器を提供し、これによって、高周波溶接管の高コストの問題を解決し、熱交換性能の改良を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、集合管であって、互いに分離されかつ互いに流体連通する冷媒入口室と冷媒分配室とを備える軸方向に延びる内室であって、冷媒が前記冷媒入口室に入りかつ前記冷媒分配室において熱交換管に分配される、内室と、軸方向に延びる複数の個々の構成要素とを備え、前記冷媒入口室及び冷媒分配室の少なくとも一方又は前記集合管が、軸方向に延びる複数の個々の構成要素を軸方向に対して垂直の組み立て方向に連続して配置しかつ接続することによって形成される、集合管が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、前記軸方向に延びる複数の個々の構成要素は、個々の第1及び第2の構成要素を備え、前記第1の構成要素は、冷媒入口室及び冷媒分配室の一方を備え、前記第1の構成要素及び第2の構成要素の壁部の少なくとも一部分は、第1及び第2の構成要素を前記組み立て方向に配置しかつ接続することによって前記冷媒入口室及び冷媒分配室の他方を形成する。
【0007】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1のU字形壁部と、第1のU字形壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1のU字形壁部から離れた側面に向かって延びる第2の壁部とを備える。
【0008】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1のU字形壁部と、第1のU字形壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1のU字形壁部から離れた側面に向かって延びる第2の壁部と、前記段部の内端の間に延びる仕切り壁部とを備える。
【0009】
本発明の別の態様によれば、前記第1の構成要素は、さらに、仕切り壁部に形成され、かつ所定距離だけ前記第2の壁部から離間される突出部を備える。
【0010】
本発明のなお別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1の円弧状壁部と、第1の円弧状壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1の円弧状壁部から離れた側面に向かって延びる第2の円弧状壁部とを備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1の円弧状壁部と、第1の円弧状壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1の円弧状壁部から離れた側面に向かって延びる第2の円弧状壁部と、前記段部の内端の間に延びる仕切り壁部とを備える。
【0012】
本発明の別の態様によれば、前記第1の構成要素は、仕切り壁部に形成され、かつ所定距離だけ前記第2の円弧状壁部から離間される突出部を備える。
【0013】
本発明のなお別の態様によれば、前記軸方向に延びる複数の個々の構成要素は、個々の第1、第2及び第3の構成要素を備え、及び第1の構成要素、第3の構成要素及び第2の構成要素を前記組み立て方向に連続して配置しかつ接続することによって、冷媒入口室が前記第1の構成要素と前記第3の構成要素との間に形成され、かつ冷媒分配室が第3の構成要素と第2の構成要素との間に形成される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1のU字形壁部と、第1のU字形壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1のU字形壁部から離れた側面に向かって延びる第2の壁部とを備える。
【0015】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第2の構成要素は逆さのU字形壁部を有し、及び前記第2の構成要素の逆さのU字形壁部の2つの端部が、前記第1の構成要素の第2の壁部の内側に配置される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、第1のU字形壁部は略円弧状である。
【0017】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第2の壁部は略円弧状である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第2の構成要素の逆さのU字形壁部は略円弧状である。
【0019】
本発明のさらに別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素は、第1の円弧状壁部と、第1の円弧状壁部の2つの端部から外側方向に延びる段部と、前記段部の外端から、第1の円弧状壁部から離れた側面に向かって延びる第2の円弧状壁部とを備える。
【0020】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第3の構成要素は第1の端部と第2の端部とを有し、及び前記第3の構成要素の第1及び第2の端部は、前記段部にそれぞれ配置されかつ接続される。
【0021】
本発明のなお別の態様によれば、断面で見たとき、前記第2の構成要素は円弧状壁部を有し、前記第2の構成要素の円弧状壁部の2つの端部は、前記第1の構成要素の第2の円弧状壁部の内側に配置される。
【0022】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、集合管の外壁を構成する前記軸方向に延びる複数の個々の構成要素の各々の構成要素に対応する中心角度は、360度未満であり、あるいは断面で見たとき、集合管の外壁を構成する前記軸方向に延びる複数の個々の構成要素の各々の構成要素の集合管の外面を形成する部分に対応する中心角度は、360度未満である。
【0023】
本発明の別の態様によれば、前記第1の構成要素の第2の壁部に重なる前記第2の構成要素の逆さのU字形壁部の部分の幅は、3mm以上である。
【0024】
本発明の別の態様によれば、断面で見たとき、前記第1の構成要素に対応する中心角度は、約180度以下である。
【0025】
本発明の別の態様によれば、前記仕切り壁部は前記冷媒分配室に向かって突出する。
【0026】
本発明の別の態様によれば、前記冷媒分配室から離れた側面の前記仕切り壁部の表面は、冷媒パイプラインと一体形成され、かつ冷媒パイプラインは前記第1のU字形壁部から離間される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、前記集合管の内側は略円形である。
【0028】
本発明の一態様によれば、上述のような熱交換管と集合管とを備え、前記熱交換管の端部部分が集合管の冷媒分配室と流体連通する、熱交換器が提供される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、前記集合管は、前記集合管の管壁に形成されかつ軸方向に配置される複数の開口部を有し、前記熱交換管の端部部分は段部を有しかつ前記開口部内に挿入され、前記熱交換管の段部の少なくとも一部分は、前記開口部の周縁に当接する。
【0030】
本発明の別の態様によれば、前記冷媒入口室及び冷媒分配室は仕切り壁部によって分離され、かつ仕切り壁部の穴を通して互いに流体連通し、及び前記穴の少なくとも1つが2つの隣接する熱交換管の間に設けられる。
【0031】
本発明において、熱交換器の入口集合管は、複数の構成要素を溶接するか又はそれらを他の方法で接続することによって形成され、構成要素のあるものは集合管を2つ以上の分離された室に分割し、扁平管と連通する室は冷媒分配室であり、残りの室の1つは冷媒入口室であり、また冷媒入口室は、丸い穴又は他の形状の開口部を通して冷媒分配室と連通している。このようにして、冷凍媒体は、入口室から集合管に入り、次に2つの室の間の開口部を通して冷媒分配室に入り、複数の開口部は集合管の長さ方向に分布され、各々の扁平管又は複数の扁平管は、少なくとも1つの開口部に概ね対応し、次に、冷凍媒体を均一に分配する目的を達成するように、冷凍媒体は冷媒分配室から扁平管に入る。
【0032】
本発明の熱交換器の集合管は、集合管の断面が少なくとも2つの個々の室に分割されるように、2つ以上の個々の構成要素を溶接するかそれらを他の方法で接続することによって形成される。さらに、いくつかの個々の構成要素を組み立てることによって形成される集合管の断面の内側は円形である。集合管は、複数の構成要素を接続することによって形成されるため、高周波溶接管の高コストの問題を解決することができる。集合管の断面の内側は円形であるため、円形の端部カバーを使用することができ、この結果、処理が便利であり、信頼性が高い。集合管の内部への分配プレートの挿入工程が省略され、この結果、工程の複雑さが大幅に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1の実施形態による熱交換器の概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態による熱交換器の概略部分断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態による熱交換器の概略部分断面図である。
図4】本発明の第3の実施形態による熱交換器の概略部分断面図である。
図5】本発明の第4の実施形態による熱交換器の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施形態1
図1に示したように、本発明の実施形態による熱交換器100、例えば小流路熱交換器は、集合管1、7(例えば、入口集合管1及び出口集合管7)と、熱交換管2、例えば扁平管と、熱交換管2の間に配置されたフィン5と、側部プレート3とを備える。熱交換器は、暖房・換気・空調、車両、冷凍及び輸送の分野で使用され、熱交換器、例えば蒸発器、復水器及び水タンクとして使用することができる。熱交換管2の端部部分は、集合管の冷媒分配室19と流体連通している。集合管1は、前記集合管の管壁に形成されかつ軸方向に配置される複数の開口部を有し、熱交換管2の端部部分は、段部、例えば熱交換管1の軸方向に熱交換管1の端部部分の端面から所定距離に位置決めされた段部を有し、端部部分の端面と段部との間の熱交換管1の断面は、熱交換管1の残りの部分の断面よりも小さい。熱交換管2の端部部分は、前記開口部に挿入され、熱交換管2の段部の少なくとも一部は、前記開口部の周縁に当接する。このようにして、熱交換管1が集合管1、7に挿入される長さを制御することができ、熱交換管1を位置決めするための手段が低減され、熱交換管1が集合管1、7に挿入される長さの均一性も保証することができる。
【0035】
図1及び図2に示したように、本発明の第1の実施形態による集合管1は、軸方向に延びる内室20であって、互いに分離されかつ互いに流体連通する冷媒入口室18及び冷媒分配室19を備える軸方向に延びる内室20であって、冷媒が前記冷媒入口室18に入りかつ冷媒分配室19において熱交換管2に分配される、内室と、軸方向に延びる複数の個々の構成要素11と12とを備え、冷媒入口室18及び冷媒分配室19の少なくとも一方又は集合管1は、軸方向に延びる複数の個々の構成要素11及び12を軸方向に対して垂直の組み立て方向Aに連続して配置しかつ接続することによって形成される。構成要素11及び12は、溶接又は他の接続方法によって共に接続することができる。
【0036】
図2に示したように、内室20は、略円形の断面を有することが可能であり、さらに、オプションとして、内室20の断面は略楕円形又は他の形状でもよい。
【0037】
図2に示したように、軸方向に延びる複数の個々の構成要素11及び12は、個々の第1の構成要素11及び第2の構成要素12を備える。第1の構成要素11は、冷媒入口室18及び冷媒分配室19の一方を備える。図2に示した実施例では、第1の構成要素11は、冷媒入口室18を備える。第1の構成要素11及び第2の構成要素12の壁部の少なくとも一部分は、第1の構成要素11及び第2の構成要素12を組み立て方向Aに配置しかつ接続することによって、冷媒入口室18及び冷媒分配室19の他方を形成し、図2に示した実施例では、第1の構成要素11及び第2の構成要素12の壁部の少なくとも一部分は、冷媒分配室19を形成する。
【0038】
図2に示したように、断面で、例えば図2に示した断面図で見たとき、第1の構成要素11は、第1の円弧状壁部111(第1のU字形壁部の例)と、第1の円弧状壁部111の2つの端部から外側方向に延びる段部112と、前記段部112の外端から、第1の円弧状壁部111から離れた側面に向かって延びる第2の円弧状壁部113(第2の壁部の例)と、前記段部112の内端の間に延びる仕切り壁部114とを備える。
【0039】
図2に示したように、断面で見たとき、第2の構成要素12は円弧状壁部(逆さのU字形壁部の例)を有し、第2の構成要素12の円弧状壁部の2つの端部は、第1の構成要素11の第2の円弧状壁部113の内側に配置される。第2の構成要素12の円弧状壁部及び第1の構成要素11の第2の円弧状壁部113の2つの端部は、溶接等によって共に接続することができる。
【0040】
図2に示したように、冷媒分配室19から離れた側面の前記仕切り壁部114の表面は、冷媒パイプライン115と一体形成され、冷媒パイプライン115は、第1の円弧状壁部111から離間される。冷媒入口室18は、冷媒パイプライン115によって画定される。室17は、仕切り壁部114、冷媒パイプライン115及び第1の円弧状壁部111の間に形成される。
【0041】
図2に示したように、仕切り壁部114は、冷媒分配室19に向かって突出する。図2に示したように、冷媒入口室18及び冷媒分配室19は、仕切り壁部114によって分離され、仕切り壁部114の穴14を通して互いに流体連通している。各々の熱交換管2は、1つの穴14に少なくとも対応し、すなわち、穴14の数は熱交換管2の数に少なくとも等しい。図1に示したように、例えば、各々の穴14の位置4は、集合管1の長さ又は軸方向に隣接する2つの熱交換管2の間にある。少なくとも1つの穴、例えば丸い穴又は開口部が、集合管1の長さ又は軸方向に隣接する2つの熱交換管1の間に設けられる。このようにして、冷凍媒体の熱交換管1内への進入の均一性を保証することができ、冷凍媒体は、冷媒入口室18から冷媒分配室19に流れ、次に冷媒分配室19の上方壁と衝突した後に、蒸気と液体が均一に混合され、次に、再び熱交換管1に入り、この結果、熱交換管1の冷凍媒体の均一性を保証して、熱交換性能を改良することが可能である。
【0042】
オプションとして、各々の熱交換管1は、集合管1の長さ又は軸方向の1つの穴14に少なくとも対応し、集合管1の長さ又は軸方向の各々の位置における穴14の数は、3未満である。
【0043】
図2に示したように、断面で見たとき、集合管1の外壁を構成する軸方向に延びる複数の個々の構成要素11、12の各々の構成要素に対応する中心角度は、360度又は270度未満であり、あるいは断面で見たとき、集合管1の外壁を構成する軸方向に延びる複数の個々の構成要素11、12の各々の構成要素の集合管1の外面を形成する部分に対応する中心角度は、360度又は270度未満である。図2に示したように、断面で見たとき、第1の構成要素11に対応する中心角度は、約180度以下であり、これによって、第2の構成要素12の取付けを容易にする。
【0044】
実施形態1では、熱交換器100の集合管1は、集合管1の断面が少なくとも2つの個々の室に分割されるように、2つ以上の個々の構成要素を溶接するかそれらを他の方法で接続することによって形成される。さらに、いくつかの個々の構成要素を組み立てることによって形成された集合管の断面の内側は円形である。集合管は、複数の構成要素を接続することによって形成されるため、高周波溶接管の高コストの問題を解決することができる。集合管の断面の内側は円形であるため、円形の端部カバーを使用することができ、この結果、処理が便利であり、信頼性が高い。さらに、集合管の内部への分配プレートの挿入工程が省略され、この結果、工程の複雑さが大幅に低減される。集合管1の内側は略円形であるため、組み込まれる端部カバーは円形であるように設計することを保証することが可能であり、この結果、集合管1の構造は単純であり、シール性能が優れている。
【0045】
さらに、図2に示したように、第2の円弧状壁部113の端部部分を接続する線119は、断面の内円の中心線を越えない。このようにして、製造工程の取付けは便利であり、工程の複雑さが低減され、信頼性が保証される。
【0046】
さらに、図2に示したように、第2の構成要素12の円弧状壁部に重なる各々の第2の円弧状壁部113の部分の幅は、3mm以上である。このようにして、溶接は、専門的な観点から容易に達成可能であり、集合管の溶接強度も高めることができ、これによって、多シートの集合管の低い圧縮強さの問題が軽減される。
【0047】
本発明の集合管1は、穴14、例えば丸い穴又は他の形態の開口部を通して互いに連通する冷媒入口室及び冷媒分配室を備える。このようにして、冷媒分配室に入る冷媒の量は、要件に従って決定することができ、これによって、冷媒の分配が改善される。
【0048】
熱交換管2、例えば扁平管の端部部分は、縮小開口部構造を採用し、端部部分は集合管1の開口部に挿入され、縮小開口部は、集合管1に対して位置決めするために使用され、図2に示したように、熱交換管2、例えば扁平管と集合管1の仕切り壁部114との間の接触によって引き起こされる溶接遮断を回避することが可能である。
【0049】
実施形態2
図3に示したように、本発明による実施形態2は、実施形態1に基づいてさらに改良される。具体的に、第1の構成要素11は、突出部116をさらに備え、突出部116は、仕切り壁部114、例えば冷媒分配室19に面する仕切り壁部114の表面に形成され、所定距離だけ第2の円弧状壁部113から離間される。その距離は、第2の構成要素12の円弧状壁部の2つの端部が、突出部116と第2の円弧状壁部113との間に挿入されるように、第2の構成要素12の円弧状壁部の2つの端部の厚さに略等しくてもよい。突出部116を設けることにより、2つの個々の構成要素11、12の優れた接触を保証することが可能であり、溶接強度が高められる。
【0050】
実施形態3
図4に示したように、軸方向に延びる複数の個々の構成要素11、12、13は、個々の第1の構成要素11、第2の構成要素12及び第3の構成要素13を備え、第1の構成要素11、第3の構成要素13及び第2の構成要素12は、連続して組み立て方向Aに配置されかつ共に接続され、例えば、第1の構成要素11、第3の構成要素13及び第2の構成要素12が溶接によって共に接続される。冷媒入口室18は、第1の構成要素11と第3の構成要素13との間に形成され、冷媒分配室19は、第3の構成要素13と第2の構成要素12との間に形成される。
【0051】
図4に示したように、断面で、例えば図4に示した断面図で見たとき、第1の構成要素11は、第1の円弧状壁部111と、第1の円弧状壁部111の2つの端部から外側方向に延びる段部112と、前記段部112の外端から、第1の円弧状壁部111から離れた側面に向かって延びる第2の円弧状壁部113とを備える。断面で見たとき、第3の構成要素13は第1の端部と第2の端部とを有し、第3の構成要素13の第1及び第2の端部は、段部112にそれぞれ配置されかつ接続される。
【0052】
図4に示したように、冷媒入口室18及び冷媒分配室19は、第3の構成要素13の穴14を通して互いに流体連通している。第3の構成要素13は、冷媒分配室19に向かって突出する。
【0053】
図4に示したように、集合管1を構成するこれらの個々の構成要素11、12、13は、互いに接触し、接触部分で、一方の構成要素11は、他方の2つの構成要素12、13を収容する。
【0054】
図4に示したように、熱交換管2、例えば扁平管の端部部分は、縮小開口部構造を採用し、端部部分は集合管の開口部に挿入され、縮小開口部は、集合管1に対して位置決めするために使用され、図4に示したように、熱交換管2、例えば扁平管と集合管1の第3の構成要素13との間の接触によって引き起こされる溶接遮断を回避することが可能である。
【0055】
実施形態4
本発明による実施形態4は、実施形態1に基づいてさらに改良される。具体的に、図5に示したように、集合管1は、図2に示した冷媒パイプライン115を有さず、冷媒入口室18は、第1の円弧状壁部111及び仕切り壁部114によって画定される。
【0056】
図2及び図3に示した実施形態は、図4及び図5に示した実施形態に対して、他の構成要素及び工程が同一であることを保証しつつ、冷媒入口室18をさらに縮小する利点を有し、この結果、冷凍媒体が集合管1に入った後に2段階の冷凍媒体の分離の問題を軽減し、冷凍媒体の分配を改良し、かつ熱交換器の熱交換性能を改良することが可能である。
【0057】
上述の実施形態では、集合管1は、入口集合管として使用されるが、明らかに、集合管1はまた、出口集合管としても使用することができる。
【0058】
上述のことから、本発明は、集合管及び熱交換器を提供し、この場合、複数の個々の構成要素が共に接続され、この結果、熱交換器、例えば小流路熱交換器の2段階の流れ分布の問題が軽減され、熱交換性能が改良されることが理解できる。さらに、簡単な組み立て工程のため、不安定な製品品質の問題を本発明で軽減することができる。さらに、高周波溶接管の高コストという現存する問題が本発明によって解決される。
【0059】
上述の実施形態では、円形集合管について説明されているが、上述の実施形態は、他の断面形状を有する集合管、例えば卵形集合管及び長方形集合管等にも適切である。任意の適切な形状である集合管の場合、上述の実施形態の第1の円弧状壁部は、第1のU字形壁部であり、第2の円弧状壁部は第2の壁部である。第2の構成要素の円弧状壁部は、第2の構成要素の逆さのU字形壁部である。
図1
図2
図3
図4
図5