(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371379
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】ヒドロコルチゾンを含有する組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/573 20060101AFI20180730BHJP
A61P 5/44 20060101ALI20180730BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20180730BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20180730BHJP
A61K 9/50 20060101ALI20180730BHJP
【FI】
A61K31/573
A61P5/44
A61K47/12
A61K47/38
A61K9/50
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-513431(P2016-513431)
(86)(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公表番号】特表2016-518439(P2016-518439A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】GB2014051442
(87)【国際公開番号】WO2014184525
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2017年4月19日
(31)【優先権主張番号】1308933.9
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510285724
【氏名又は名称】ダイアーナル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DIURNAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100149294
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 直人
(72)【発明者】
【氏名】ファーダン,ヒエップ
(72)【発明者】
【氏名】ロス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウィタカー,マーチン
(72)【発明者】
【氏名】ポーリンガー,ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】グラーベ,アネット
【審査官】
澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2005/105045(WO,A1)
【文献】
特表2007−533698(JP,A)
【文献】
特表2014−533679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K9/00−9/72,
A61K31/33−31/80,
A61K47/00−47/69,
A61P1/00−43/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)微粒子担体と
ii)有効量のヒドロコルチゾンおよび結合剤を含む薬剤層と、
iii)前記薬剤層と味覚マスキングポリマー層とを分離し、少なくとも14%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび少なくとも1.0%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、密封ポリマー層と、
iv)少なくとも0.14%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび少なくとも0.58%w/wのエチルセルロースを含み、前記密封ポリマー層と接触している、味覚マスキング層
を含んでなる、経口投与に適した薬学的組成物。
【請求項2】
ヒドロコルチゾンの有効量が、1単位用量当たりおよそ0.25mg w/w〜30mg w/wのヒドロコルチゾンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記担体が微結晶性セルロース粒子を含み、前記粒子の直径が350〜500μmである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記結合剤が組成物の0.60〜0.70%w/wである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記密封層が組成物の12〜25%w/wである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記密封層が、組成物のおよそ15%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースとおよそ1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記味覚マスキングポリマー層が、組成物の0.5%〜1.5%w/wで提供される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースがおよそ0.15%w/wで提供され、エチルセルロースが組成物のおよそ0.60%w/wで提供される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
エチルセルロースのヒドロキシプロピルメチルセルロースに対する比率が味覚マスキング層において4:1である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
i)少なくとも80〜81%w/wの微粒子から基本的になる担体であって、該微粒子が直径350〜500μmである担体と、
ii)少なくとも0.64〜0.66%w/wのヒドロコルチゾンおよび少なくとも0.64〜0.66%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースから基本的になり、前記担体と接している薬剤層と、
iii)少なくとも14〜16%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび少なくとも1.0〜2.0%w/wのステアリン酸マグネシウムから基本的になり、前記薬剤層と接している密封層と、
iv)少なくとも0.14〜0.16%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース、少なくとも0.58〜0.62%w/wのエチルセルロースおよび少なくとも0.20〜0.25%w/wのステアリン酸マグネシウムから基本的になり、前記密封層と接している味覚マスキング層と
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、
i)81%w/wの微粒子からなる担体と、
ii)0.66%w/wのヒドロコルチゾンおよび0.66%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースからなり、前記担体と接している薬剤層と、
iii)15%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび1.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記薬剤層と接している密封層と、
iv)0.15%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース、少なくとも0.61%w/wのエチルセルロースおよび少なくとも0.23%w/wのステアリン酸マグネシウムからなり、前記密封層と接している味覚マスキング層と
を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物に含まれる少なくとも70%のヒドロコルチゾンが、嚥下後15分に放出される、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物に含まれる少なくとも90%のヒドロコルチゾンが、嚥下後60分に放出される、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
副腎不全の治療に使用するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
副腎不全が、原発性または二次性または三次性の副腎機能障害、先天性副腎過形成、遅発性先天性副腎過形成、多嚢胞性卵巣機能障害、グルココルチコイド奏功性アルドステロン症(GRA)からなる群から選択される症状によって生じる、請求項15に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロコルチゾンを含有する薬学的組成物ならびに小児または高齢の対象者における副腎機能不全の治療への該組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
副腎障害は成人人口のおよそ10,000分の1、乳児のおよそ16,000分の1に起こる。これは原発性副腎障害(例えば、一般的に副腎への自己免疫障害の後に生じるアジソン病)ないしは結核症、または二次性副腎障害(これは下垂体腫瘍または手術によって引き起こされうる下垂体障害によって起こる)によるものと考えられる。原発性副腎障害においては下垂体からのACTHのレベルが高くなり、二次性副腎障害においてはACTHレベルは不適切に低い。三次副腎不全は副腎不全の別の一般的な原因であり、化学療法、関節リウマチおよび喘息に用いられるものなどのステロイド治療による正常な下垂体−副腎軸の抑制を引き起こす。副腎不全から生じる他の状態は、アルドステロンの分泌が増加した結果として生じるグルココルチコイド奏功性アルドステロン症(GRA)である。よって、副腎障害は比較的一般的な症状であり、長期ステロイド補充療法を受ける必要がある患者が多い。
【0003】
小児、成人および高齢者の治療のための投薬計画は、発達段階や生理状態などの多くのパラメーターに応じて変化することは明らかである。
【0004】
例えば、副腎不全を患う小児の治療は多くの理由で問題が多く、副腎障害を患う成人を治療する際に用いる投薬計画は成人以外(例えば、新生児、乳児、幼児および思春期前の小児)に適用する際と同じではない。小児の副腎不全の治療は特に問題があり、投薬する乳児の薬物動態学的および薬力学的な問題に対処しうる製剤が必要である。肝ミクロソーム酵素プロセスは乳児では完全に開発されておらず、代替的な用法や1または2以上の薬剤用量の投薬計画を必要としうる。肝臓で消化される薬剤の中には、小児期から完全に成熟した成人になるまでの過程で薬剤クリアランス率が徐々に増加するものがあり、用法および用量の投薬計画を注意して再度モニタリングする必要がある。
【0005】
従来の調製物は(低)用量ヒドロコルチゾンの適応によってはコルチゾルの生理的レベルを補うことができないので、現在のヒドロコルチゾン調製物では、特に小児のコルチゾル欠乏を十分に補うことができない。例えば、通常出生時に副腎不全と診断されると、英国で処方される一般的なヒドロコルチゾンの用量は1日当たり7.5mgを3回の等量に分けて投与するものである(すなわち1日に2.5mgを3回)。しかしながら、英国およびほとんどの欧州国で現在市販される最小のヒドロコルチゾン錠は10mgのヒドロコルチゾンである(米国では5mg、Cortef(登録商標))。これらの錠剤は半分や四分の一に割ったり、砕いたりして再包装し、所望の用量とされることがしばしばである。10mgのヒドロコルチゾン錠が入手できる場合、錠剤を四分割より多くに正確に分割することは難しいので、2.5mgの用量が通常達成可能な最小の用量である。5mgのヒドロコルチゾン錠が入手できる場合、1.25mgの用量が通常達成可能な最小の用量である。
【0006】
英国では、小児科医および患者は、1日7.5mgの用量は、新生児(0〜28日齢)、乳児(1〜24か月齢)および幼児(2〜6歳)には多すぎであり、疾患が十分にコントロールされていないというよりも過剰治療であると、考えている。例えば、ヒドロコルチゾンなどのグルココルチコイドによる過剰治療により、小児は、発達段階において低成長、低体重コントロールおよび代謝問題に苦しむこととなる。この小児初期でのグルココルチコイド過剰治療の結果の一つとして、小児は思春期(および成人期)でも遺伝的可能性のある身長に到達することなく、低骨密度を患い、肥満および低代謝のリスクがあるので、成人期には心血管の危険因子が増加することとなる。
【0007】
乳児では、砕いたヒドロコルチゾン錠の溶解度が低く、用量の不一致が生じやすいので、均一に投与するためには懸濁液送達方法の使用が必要となる。個々の症例は先天性副腎過形成のコントロールが難しく、砕いた錠剤の経口投与後のアンドロゲンの不十分な制御によりコルチゾルが過剰レベルとなったり、低レベルとなったりすることが報告されている。加えて、乳児および小児はヒドロコルチゾンの風味を好まないので摂取が困難であり、コンプライアンスが得られない。これら錠剤の分割した場合の安定性についての生物学的利用能/薬物動態を調査した研究では、特に新生児および乳児すべての最も脆弱な患者へこの実務を行うことに対して有効性および倫理を疑問視する不十分な治療であると述べている。
【0008】
小児の正常および健康な成長に必要なレベルに応じたヒドロコルチゾンの送達における共通の問題は、(a)現在入手可能な錠剤では正確に低用量力価のヒドロコルチゾンを得ることができないこと、(b)錠剤が砕かれて懸濁液の送達が促された場合には用量の均一性が劣り、冷蔵保存を必要とする保存可能期間が限定され(4℃で1か月未満)、さらに複雑な最終利用となることである。さらに、薬剤を摂取する対象者は摂取時に活性剤の味覚を感じてしまった場合、所定の投薬計画に従わない場合がある。これは、錠剤やカプセル剤の嚥下障害を持つ小児や高齢者の患者に特に重大である。また、1日に複数の投薬をしている場合にも問題である。
【0009】
現在、副腎不全を有するすべての患者は、用量の設定の技術が限られているので過剰なグルココルチコイドが投与されているという認識が増えている。この過剰なグルココルチコイドは副腎不全を有する患者の死亡率増加と関連している。成人では、適正な治療のためには、体重に比例した用量を少なくとも1日に3度投与する必要がある。1日当たりの用量合計は10〜30mgの間で変化するが、午前に必要な用量が多いので、現在の投薬製剤では、日中の異なる時間帯に治療後あるいは治療中のリスクにある患者に十分な力価を示すことができない。
【0010】
発明者らによる国際出願(国際公報2013/072707)では、実質的に即効型であるヒドロコルチゾン製剤は、風味が良く、小児患者の副腎不全の治療に有用であることが開示されている。本開示内容は、国際公報2013/072707に開示されておらず、改善した特性を有する製剤に関する。また、小児または高齢者の対象者における疾患コントロールを改善し、コンプライアンスの良い、副作用が低減される投薬方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開公報第2013/072707号
【発明の概要】
【0012】
本発明の態様によると、有効量のヒドロコルチゾンを含有する微粒子担体と、結合剤とを含み、当該微粒子担体と密封ポリマー層を接触させる、経口投与に適した薬学的組成物であって、当該密封ポリマー層が微粒子担体と味覚マスキングポリマー層を分離するものである薬学的組成物が提供される。
【0013】
小児対象者には、新生児(0〜28日齢)、乳児(1〜24か月齢)、幼児(2〜6歳)および思春期前小児(7〜14歳)が含まれる。高齢の対象者には、およそ60歳を超えた高齢者が含まれる。
【0014】
本発明の好適な実施形態では、ヒドロコルチゾンの有効量は、1単位用量当たりおよそ0.25mg w/w〜30mg w/wのヒドロコルチゾンである。
【0015】
好適には、前記有効量は、1単位用量当たりおよそ0.25mg w/w、0.5mg w/w、1.0mg w/w、2.0mg w/w、5.0mg w/w、10mg w/w、20mg w/wまたは30mg w/wである。
【0016】
本発明の好適な実施形態では、前記担体は微結晶性セルロース粒子を含み、前記粒子の直径は350〜500μmである。
【0017】
好適には、前記粒子の直径は、350μm、375μm、400μm、425μm、450μm、475μmまたは500μmからなる群から選択される。
【0018】
好適には、結合剤は組成物の0.60〜0.70%w/w、好ましくはおよそ0.67%w/wである。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0020】
好適には、密封層はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0021】
本発明の好適な実施形態では、密封層は組成物の15〜25%w/wである。
【0022】
好適には、前記密封層は、組成物の15%w/w、16%w/w、17%w/w、18%w/w、19%w/w、20%w/w、21%w/w、22%w/w、23%w/w、24%w/wまたは25%w/wである。
【0023】
好適には、密封層は組成物のおよそ20%w/wである。
【0024】
本発明の好適な実施形態では、前記密封層は、およそ18%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースとおよそ2%のステアリン酸マグネシウムを含むか、または基本的にそれらからなる。
【0025】
医薬の味覚マスキングや風味増強は、当該技術分野で知られており、典型的には、活性剤の味を覆い隠す分子/ポリマーの使用、または風味の付いた食品や飲料に医薬を追加することによって味を偽装することを伴う。味覚マスキング分子の例は、小児への使用に適合し、共通の一般的な知識を代表する「Handbook of Excipients」(2010)から選択されうる。あるいはまたはそれに加えて、活性剤の味覚をマスキングすることには、風味の付いた飲料または食品を用いること、例えば、加糖飲料、例えばフルーツジュース、風味の付いた水またはコーディアル、ソースなどの半固形食品、例えばリンゴソース、野菜抽出物、例えばMarmite(登録商標)、ヨーグルト、クレームフレーシュ、クリームなどの乳製品と製剤を組み合わせることが含まれうる。新生児、乳児および幼児に投与する際には、カプセルを開け、水溶液または半水溶液の媒体に懸濁液として添加することによって組成物が投与される。組成物および媒体混合物は、計量スプーン(使い捨て/再利用可能)、予め充填されたスプーン、シリンジ、点滴器、ストロー、または用量に応じた方法によって投与することができる。
【0026】
本発明の好適な実施形態では、味覚マスキングポリマー層はヒドロキシプロピルメチルセルロースとエチルセルロースとの組み合わせである。
【0027】
本発明の好適な実施形態では、味覚マスキングポリマー層は、組成物の0.5%〜1.5%w/wである。好ましくは、味覚マスキングポリマー層は、組成物のおよそ1%w/wで提供される。
【0028】
本発明の好適な実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはおよそ0.2%w/wで提供され、エチルセルロースは組成物のおよそ0.8%w/wで提供される。
【0029】
本発明の他の好適な実施形態では、エチルセルロースのヒドロキシプロピルメチルセルロースに対する比率は味覚マスキング層において4:1である。
【0030】
本発明の好適な実施形態では、前記組成物は、
i)少なくとも80〜81%w/wの微粒子から基本的になる担体であって、該微粒子が直径350〜500μmである担体、
ii)少なくとも0.64〜0.66%w/wのヒドロコルチゾンおよび少なくとも0.64〜0.66%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースから基本的になり、前記担体と接している薬剤層、
iii)少なくとも14〜16%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび少なくとも1.0〜2.0%w/wのステアリン酸マグネシウムから基本的になり、前記薬剤層と接している密封層、および
iv)少なくとも0.14〜0.16%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース、少なくとも0.58〜0.62%w/wのエチルセルロースおよび少なくとも0.20〜0.25%w/wのステアリン酸マグネシウムから基本的になり、前記密封層と接している味覚マスキング層
を含む。
【0031】
好ましくは、前記組成物は、
i)81%w/wの微粒子からなる担体、
ii)0.66%w/wのヒドロコルチゾンおよび0.66%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースからなり、前記担体と接している薬剤層、
iii)15%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび1.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記薬剤層と接している密封層、および
iv)0.15%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース、少なくとも0.61%w/wのエチルセルロースおよび少なくとも0.23%w/wのステアリン酸マグネシウムからなり、前記密封層と接している味覚マスキング層
を含む。
【0032】
本発明の好適な実施形態では、組成物はヒドロコルチゾンの実質的な即時放出に適する。
【0033】
好ましくは、ヒドロコルチゾンは口腔内の水性条件下におよそ5分より前には実質的に放出されない。
【0034】
本発明の好適な実施形態では、ヒドロコルチゾンは嚥下後に放出される。
【0035】
本発明の他の態様によると、副腎不全の治療に使用するための本発明に係る組成物が提供される。
【0036】
好ましくは、副腎不全は、原発性または二次性または三次性の副腎機能障害、先天性副腎過形成、遅発性先天性副腎過形成、多嚢胞性卵巣機能障害、グルココルチコイド奏功性アルドステロン症(GRA)からなる群から選択される症状によって生じる。
【0037】
本発明の好適な実施形態では、副腎不全は先天性副腎機能不全によって生じる。
【0038】
経口投与に適する組成物は、カプセル剤、錠剤、ミニ錠剤、トローチ剤などの個別単位として提供され、それぞれが所定量の活性剤を含むものであってよい。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、前記組成物は錠剤またはカプセル剤であり、好ましくはカプセル剤である。
【0040】
他の組成物は、水溶液または非水溶液の懸濁液を含む。経口投与用の液体用量形態には、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。活性な化合物に加えて、液体用量形態には、当分野で一般的に用いられる不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合が含まれてよい。不活性希釈剤以外には、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤などのアジュバント、甘味剤、香味剤および香料も含んでよい。活性な化合物に加えて、懸濁液は、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステルなどの懸濁化剤、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、およびこれらの混合を含んでよい。
【0041】
投与される場合、ヒドロコルチゾン製剤は薬学的に許容される製剤で投与される。そのような製剤は、常法により薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存剤および適合性のある担体を含み得る。
【0042】
その量はもちろん、治療される特定の状態、状態の重篤度、年齢、身体状態、体格および体重等の個別の患者パラメータ、治療期間、併用療法の性質(もしあれば)、ならびに医療従事者の知識および専門技術内にある同様の要因に依存することになる。これらの要因は当業者には周知であり、単なる日常的実験の範囲内で対処することができる。個別の成分またはそれらの組み合わせの最大用量、すなわち正しい医学的判断による最大安全用量を用いることが一般には好ましい。
【0043】
用いるヒドロコルチゾン製剤は、患者への投与に適した重量または体積の単位で所望の反応を得るために効果的な量の薬剤を含む。
【0044】
対象に投与されるヒドロコルチゾンの用量は種々のパラメータ、特に対象の状態、体表面積およびまたその体重に従って選択され得る。その他の要因としては、所望の治療期間が挙げられる。適用した初期用量において対象の反応が不十分な場合には、患者の耐性が許容する程度まで、より高い用量(または異なった、より局所化した送達ルートによる効果的な高用量)が用いられ得る。
【0045】
ヒト以外の哺乳類へのヒドロコルチゾン製剤の投与(たとえば試験目的または獣医学的治療目的のため)は、上記と実質的に同一の条件下で行なわれるが、用量は処置する動物の大きさによって変化することになる。ステロイド治療は副腎不全のいかなる場合にも、さらに炎症、関節疾患および癌のいかなる場合にも動物に用いられる。本明細書において用いる対象は、好ましくはヒト、そしてヒト以外の霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたは齧歯類を含む哺乳類動物である。
【0046】
投与される際には、ヒドロコルチゾン製剤は薬学的に許容される量で、また薬学的に許容される組成物で投与される。「薬学的に許容される」という用語は、活性成分の生物活性の効果に干渉しない非毒性物質を意味する。そのような製剤は通常、塩、緩衝剤、保存剤、適合性のある担体および任意選択で他の治療剤を含み得る。医療用に用いる場合には塩は薬学的に許容されるべきであるが、薬学的に許容されない塩も、その薬学的に許容される塩を調製するために便利に用いることができ、本発明の範囲から除外されない。そのような薬理学的および薬学的に許容される塩としては、これだけに限らないが、下記の酸から調製されるものが挙げられる:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸など。また、薬学的に許容される塩はナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩等のアルカリ金属またはアルカリ土類塩として調製することができる。
【0047】
ヒドロコルチゾン製剤は、所望であれば薬学的に許容される担体と組み合わせることができる。本明細書に使用する場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、ヒトに投与するのに適し、典型的には不活性である、1つまたは複数の適合性のある固体もしくは液体フィラー、希釈剤またはカプセル化物質を意味する。
【0048】
「担体」という用語は天然もしくは合成の、有機または無機の成分で、活性成分がそれに組み合わされて適用を容易にするものを意味する。薬学的組成物の成分はまた、所望の薬学的効果を実質的に損なう相互作用がないようにヒドロコルチゾンと、および相互に、混合することができる。
【0049】
多粒子コアマトリックスは、(a)ラクトース、マニトース、リン酸二カルシウム、微結晶セルロース、デンプン、アルファ化デンプン等のフィラー、(b)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート等のバインダー、(c)コロイダル二酸化ケイ素等の粉末流動促進剤、(d)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム等の滑剤、(e)ナトリウムデンプングリコレートおよびポリビニルピロリドン等の崩壊剤、ならびに(f)タルク等の粘着防止剤、(g)スクロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリメタリレート類を含み得る薬学的に許容される賦形剤と組み合わされる。
【0050】
本発明の他の態様によると、小児被検体の副腎不全のコントロールのための治療投薬計画であって、本発明に係る組成物の有効量を副腎不全の治療を必要とする被検体に少なくとも1日に1回投与することを含む治療投薬計画が提供される。
【0051】
本発明の好適な方法では、前記組成物は、およそ6時間の間隔で1日に3〜4回投与される。
【0052】
定義
「結合剤」とは、錠剤化において粉末粒子の接着を引き起こすために用いられる物質であり、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、圧縮可能糖ナトリウム、エチルセルロースゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、ポビドン、アルファ化デンプンなどがある。
【0053】
「微粒子担体」とは、1〜1000μmの範囲の大きさの微粒子分散物または固形の粒子として定義され、担体上で所望の薬剤が微粒子マトリクスに接着され、カプセル化され、封入され、または溶解される。
【0054】
「密封ポリマーコート」は、水分バリアと固い錠剤表面を提供し、摩擦作用を防ぐ。被覆材料には、糖、ワックス、シェラック、セルロース誘導体、ゼラチン、有機酸、アミノアルキルアリールポリマー類、またはポリビニルスチレン化合物が含まれる。
【0055】
「即効型(即時放出)」とは、放出効果が改善、遅延または延長することなく、投与時あるいはしばらくの後に活性剤を放出する傾向がある投薬形態である。
【0056】
本明細書の記載および特許請求の範囲全体にわたって、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という語、ならびにこれらの語の変化形、たとえば「comprising」および「comprises」は、「含むが限定されない」を意味し、他の部分、添加物、成分、整数またはステップを除外することを意図しない(除外しない)。
【0057】
本明細書の記載および特許請求の範囲全体にわたって、文脈によって他が要求されない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が用いられる場合には、文脈によって他が要求されない限り、本明細書は単数と同じく複数を意図していると理解されたい。
【0058】
本発明の特定の態様、実施形態または実施例に関連して記載された特性、整数、特徴、化合物、化学的部分または基は、それに適合しない場合以外には本明細書に記載された任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であることを理解されたい。
【0059】
ここで本発明の実施形態を例によってのみ、以下の図面を参照して記述する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】デキサメタゾン抑制型成人被検体に投与されたヒドロコルチゾンの用量比例を示す。
【
図2】用量が血漿濃度下の面積と直接比例することを示す。R
2=0.9972。
【
図3】用量がC
maxと直接比例することを示す。R
2=0.9966。
【実施例】
【0061】
材料および方法
溶出の方法
ヒドロコルチゾン即効型多粒子の溶出試験はUSP Apparatus II(Paddles)を用いて行い、2回の連続した培地交換を含み合計900mlの溶出培地と75rpmのパドル回転数とした。溶出は、初め700mlの疑似胃液(USP、pH 1.2)中で2時間行った。
【0062】
ヒドロコルチゾンのアッセイ
多粒子中のヒドロコルチゾンの濃度と溶出評価中の放出は以下の方法を用いて測定した。ヒドロコルチゾン溶液は、テトラヒドロフラン/水(20:80v/v)を含む移動相溶液に希釈した。その結果生じた溶液を、Phenomenex LunaカラムC18(2)、5μm、150mm×4.6mm、45℃平衡を備えたHPLCに置いた。試料は、テトラヒドロフラン/水(20:80v/v)を移動相として用いた等張条件により1.5ml/分の流量で実行した。254nmの波長の紫外線により検出した。
【0063】
小児患者のための用量投薬計画
乳児では、ヒドロコルチゾンは通常1日当たり12〜18mg/m
2体表面の用量で投与される。治療初期には、乳児は、著しい副腎ホルモンの上昇を下げるために最大25mg/m
2/日のヒドロコルチゾンとする必要があるかもしれない。この用量範囲は正常な乳児および小児の1日のコルチゾール分泌量を超えている。新生児では7〜9mg/m
2体表面であり、小児および青年期では6〜7mg/m
2体表面であると推定される。治療は通常、3ないし4用量に分けられる。早産時では6時間おきに0.25mgを1日4回用いる。正常な大きさの新生児では、0.5〜1.0mgを1日に3ないし4回(6時間ごと)用いられる。乳児および6歳までの小児には、1.0〜2.0mgの用量を、起床時に1回目、日中に2回目、夜に3回目、通常午前の用量を多くして1日3回とするであろう。青年期の小児にも同様とするが、1日当たりの合計用量は体表面積に応じて5〜20mgに増加しうる。表1に示すような1日3回の投薬が最も良いであろう。
【0064】
【表1】
【表2】
【表3】
【0065】
成人被検体の用量投薬計画
健康な成人被検体におけるコルチゾールレベルを研究するために、合成グルココルチコイドのデキサメタゾンを用いて、内因性コルチゾールレベルを抑制することが必要であった。デキサメタゾンは下垂体からのACTH放出を低減するので、副腎からのコルチゾール出量を抑制する。IMP投薬前にACTH試料を採取し、ACTH出量が抑制されていたことを確認した。デキサメタゾンの投与は5治療期間(少なくとも7日おいて)のそれぞれについて14時間間隔で1回行ったので、この非連続的投薬は副腎抑制のリスクを引き起こさず、デキサメタゾンの総量はコルチゾール分泌の試験の臨床試験で用いた量より少なくなると考えられた。
【0066】
最短7日の洗い出し期間(washout period)は、およそ100分であるヒドロコルチゾンの半減期(t
1/2)に基づいて十分であると考えた。また、この洗い出し期間はホルモンレベルを正常値に戻すためにも十分であると考えた。
【0067】
各試験医薬製品(IMP)は、無作為に交差様式で各被検体に投与した。各被検体は、計画されたIMPを2日目の午前、およそ7時間に(絶食状態)摂取した。治療は表4に示すように投与した。
【0068】
【表4】
【0069】
ヒドロコルチゾン即効型カプセルを開け、全内容物(多粒子顆粒)を用量スプーンに移し、被検体の舌の裏に投与し、200mlの水で呑み込ませた(100mlは呑み込むためであり、100mlはすすぐため)。ヒドロコルチゾン錠剤は200mlの水で完全に呑み込ませた。各被検体には、1日目のおよそ22時間目と2日目のおよそ6時間目と12時間目に1mgのデキサメタゾンも摂取した(内因性コルチゾールの産生を抑制するため)。すべての用量は200mlの水で投与した。
【0070】
試験における用量の選択
ヒドロコルチゾン即効型は、小児集団で使用するための即効型ヒドロコルチゾンの新開発製剤である。選択された製剤は、乾燥ヒドロコルチゾン多粒子製剤であり、カプセルに格納されてカプセル内容物(多粒子)が直接患者の口腔内へ投与されるか、スプーン上に(乾燥)置かれた後に患者の口腔内に投与される。
この製剤による利点は以下の通りである。
・多粒子により0.5mg、1mg、2mgおよび5mgの濃度での柔軟な投薬が可能となる。
・用量が異なるごとに多粒子を多色のカプセル剤として提供し、誤投薬のリスクを最小限とする。
・正確且つ完全な投薬−患者が必要量を完全に摂取する。
・多粒子には水溶性の層があり、摂取した後の即時溶出と味覚のマスキングが可能となる。
・液体媒体との相溶性の問題が生じない。
【0071】
0.5mg、1mg、2mgおよび5mgの4つの用量単位を想定する。この範囲は生後から6歳未満の小児に必要な用量をカバーするために適するとして選択した。ヒドロコルチゾン即効型は、小児集団で評価する前に、健康な成人被検体において試験し、評価する新規の製剤の相対的生物学的利用能と重要なPKパラメーターを可能とした。
【0072】
10mg用量のヒドロコルチゾン即効型を用いてこの新規製剤のPKと市販の即効型10mgヒドロコルチゾン錠剤のPKとを比較した。10mg用量のヒドロコルチゾンは、臨床環境で用いられる標準的な用量である。健康な成人被検体のコルチゾールレベルを試験するために、市販されている合成グルココルチコイドデキサメタゾンを用いて内因性のコルチゾールレベルを抑制する必要があった。1mg用量のデキサメタゾンは臨床環境で用いられる標準的な用量の最小量である。
【0073】
各被検体への投薬時期
IMPの投薬は、各治療期間(患者間の投薬間隔を考慮して)の間、2日目のおよそ7時間目に投与した。
デキサメタゾン1mgは、1日目のおよそ22時間目と2日目のおよそ6時間およびおよそ12時間目に経口投与した。
被検体は、各治療期間の1日目のおよそ19時間から2日目の8時間目まで絶食状態にする必要があった。
【0074】
血清コルチゾール測定
試験期間中、PK血液試料採取を行った。投薬2日前(−1時間および−0.5時間)と0時間(7時間目)、投薬後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、9、10、11および12時間に試料を採取した。
【0075】
血清コルチゾールレベルの測定のために、各時点で前腕静脈から簡素な血液採取チューブに血液試料(2.7ml)を採取し、分析の間およそ−20℃に凍結保存した。試料は有効な方法を用いて分析し、その特異度を同時に投与したデキサメタゾンに対して確認した。
【0076】
以下のPKエンドポイントを測定した。最大血漿濃度(Cmax);Cmaxが生じる時間(tmax);最終観測濃度の時点までの濃度−時間曲線下面積(AUC0−t)および無限大時間まで外挿した濃度−時間曲線下面積(AUC0−inf)。
【0077】
血漿ACTH
血漿ACTHレベルの測定のために、各時点で前腕静脈から氷冷Sarstedt K3エチレンジアミン4酢酸(EDTA)Monovette(登録商標)に血液試料(2.7ml)を採取し、分析まで−20℃で凍結保存した。血液試料は、有効な方法を用いて採取してから30日以内に分析した。ACTHレベルの測定のために2日目の0時間(およそ7時間目)に血液試料を採取した。
【0078】
統計方法
血清コルチゾール濃度−時間曲線は調整し、投与前のコルチゾールが不十分な抑制を示している被検体から個々の治療プロファイルを除外した。
【0079】
実施例1
ヒドロコルチゾン即効型がヒドロコルチゾンと生物学的に同等であるか否かを決定するために、10mg等量の用量を「材料および方法」に記載したように被検体に投与した。表5に示すように、10mgのヒドロコルチゾン即効型は参照ヒドロコルチゾン製剤と生物学的に同等であると考えられる。10mgヒドロコルチゾン即効型と参照ヒドロコルチゾンとの間でt
maxおよびt
1/
2も類似しており、類似する半減期(それぞれ1.34時間および1.31時間のt
1/
2)でそれぞれ中央値t
maxは0.75時間および1.0時間(p=0.4772)であり、吸収率およびt
1/
2に違いがなかった。
【0080】
【表5】
試験期間、順序および治療の固定効果と被検体のランダム効果(順序)(excl.t
max)を用いた混合効果ANOVAを用いて得られた結果。CampbellおよびGardnerの方法と[a]Wilcoxon符号順位検定を用いて得られたt
max結果。
【0081】
実施例2
ヒドロコルチゾン即効型の用量比例性は、異なる濃度のヒドロコルチゾン即効型を投与し、PK値およびACTH血清レベルを測定することによって試験した。表6および
図1のグラフに示すように、4つの用量のヒドロコルチゾン即効型を用量−比例性について試験した場合、0.5mg〜10mgの用量範囲についてのC
max、AUC
0−tおよびAUC
0−infは、直線的な増加を示した(表1、
図1)。同様に、ACTH血清レベルは直線的に経時的に減少した。
【0082】
【表6】
対数変換用量の固定効果と被検体のランダム効果による対数変換データ上のANOVAを用いて得られたC
maxとAUCについての結果。
【0083】
実施例3
クリアランスや生物学的利用能などの薬物動態パラメーターを決定するために、血漿濃度−時間曲線下面積(AUC)およびC
maxを経時的に測定した。
図2および
図3に示すように、AUCおよびC
maxはそれぞれ、値をタンパク質結合について調整した後の用量に直接比例する(R
2=0.9972およびR
2=0.9966)。
【0084】
ヒドロコルチゾン即効型微粒子顆粒は、ヒトボランティアに投与した場合に安全で、十分に忍容性があり、特別な味覚がなかった。