【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の根底にある課題は、請求項1の特徴によって解決される。別の有利な形成は、従属請求項及び図面からわかる。
【0006】
ホイールを収容するためのホイールキャリヤと、ホイールキャリヤをそのために設けられた構造部と関節式に結合するためのホイールガイドリンクと、ホイールを操舵するための操舵手段とを有する、自動車用のホイールサスペンション、特に後輪用サスペンションを提案する。ホイールガイドリンクは、直接的に構造部と関節式に結合することができる。しかしながら選択的に、ホイールガイドリンクは、補助フレームに関節式に取り付けることもでき、この補助フレームが、更にまた構造部と結合されている。操舵手段とは、ホイールを、バウンド又はリバウンド時のホイールストロークによるトーリンクの形式により受動的に回転させる、又は、サーボモータを介して所定の操舵角だけ能動的に回転させるために適した装置であると理解すべきである。操舵された状態で、ホイールは、車両長手方向に対して、ほぼ車両高さ方向に延在するホイール側の操舵軸を中心とする正又は負の傾斜位置を備える。
【0007】
ホイールサスペンションを操舵可能に形成するために、ホイールキャリヤ及びホイールガイドリンクは、ホイールキャリヤがホイールガイドリンク、特にトーガイドリンクに対して操舵軸を中心として旋回可能であるように関節式に互いに結合されている。操舵軸は、好ましくは実質的に車両高さ方向に整向されている。ホイールキャリヤは、特に第1の結合領域でインテグラルリンクを介して間接的にホイールガイドリンクと結合されている。これにより、有利には非常にコンパクトな操舵可能なホイールサスペンションを得ることができる。従って、これにより得られる設置スペースは、ホイールサスペンションを付加的に駆動可能に形成するために利用することができる。このため、ホイールキャリヤに回転可能に収容されたホイールは、駆動ユニット、特にホイールハブモータと連結することができる。しかしながら選択的に、駆動すべきホイールは、駆動軸を介して間接的に駆動ユニットと結合することもできる。駆動ユニットは、内燃機関又は電気モータとすることができる。インテグラルリンクを介したホイールガイドリンクとホイールキャリヤの間接的な連結により、ホイールサスペンションは、更に非常に安価に形成することができる。
【0008】
ホイールキャリヤが、第2の結合領域で、直接的に特にボールジョイントを介してホイールガイドリンクと結合されている場合が有利である。従って、第2の結合領域でホイールキャリヤは、付加的なリンク支持なしで実質的に自由に旋回もしくは回転できるように、ホイールガイドリンクと結合されている。しかしながら、第2の結合領域から間隔を置いて第1の結合領域に配置されたインテグラルリンクは、ホイール軸を介するホイールキャリヤの回転を防止する。インテグラルリンクを介して形成される第1の結合領域内の間接的な関節式結合部と、ボールジョイントを介して形成される第1の結合領域から間隔を置いた第2の結合領域内の直接的な関節式結合部により、ホイールキャリヤは、ホイールガイドリンク、特にトーインガイドリンクと、このリンクが、一方でそのために設けられた構造部及び/又は補助フレームに対して関節式にバウンド及びリバウンドでき、他方で操舵運動を実施するためにホイールガイドリンクもしくは構造部に対して操舵軸を中心として回転できるように、関節式に結合されている。
【0009】
ホイール軸を中心とするホイールキャリヤの回転を回避するため、両結合領域が、互いに特に車両長手方向に間隔を置いている場合が、更に有利である。これにより、第1の結合領域に配置されたインテグラルリンクが支持要素として作用するので、ホイール軸を中心とするホイールキャリヤの回転が回避される。
【0010】
更に、両結合領域の一方、特に第1の結合領域が、ホイール中心の後に形成され、他方が、ホイール中心の前に形成されている場合が有利である。これにより、第1の結合領域と第2の結合領域の間に十分大きい間隔を実現することができるので、インテグラルリンクに作用する支持力を低減することができる。
【0011】
ホイールサスペンションは、インテグラルリンクが、ホイールの不操舵状態で実質的に車両高さ方向に又は少なくとも車両高さ方向軸に対してほぼ平行に整向されている場合に、非常にコンパクトに形成することができる。更にこれにより、正もしくは負の最大操舵角をほぼ等しい大きさに形成することができる。
【0012】
本発明の有利な発展形では、インテグラルリンクが、特にその両端の一方の端部の領域でホイールキャリヤと、また特にその他方の端部の領域でホイールガイドリンクと、それぞれピボットジョイントを介して結合されている。好ましくは、両ピボットジョイントの回転軸が、互いに平行に及び/又は実質的に車両長手方向に整向されている。これにより、ホイールサスペンションは、非常にコンパクトで省設置スペースに形成することができる。更に、操舵手段は、インテグラルリンクの操作のために車両横方向にしか移動可能に形成する必要がないので、構造的に簡単に形成することができる。これにより、ホイールサスペンションの製造コストを低減することができる。
【0013】
有利には、ホイールガイドリンクは、少なくとも部分的にラテラルリンク及び/又はトレーリングリンクとして形成されている。従って、ホイールガイドリンクは、好ましくは、実質的に車両横方向に延在する、及び/又は、車両長手方向でホイール中心の後、ホイール中心、又はホイール中心の前に位置するラテラルリンク領域を備える。ラテラルリンク領域が、好ましくは車両長手方向でホイール中心の後に配置されている場合、ホイール中心の領域に、特に全輪駆動車両の場合には、駆動手段、特にモータ及び/又はギヤユニットのために十分に自由な設置スペースを得ることができる。ホイール中心及び/又はホイール中心の近くに、特に走行方向に配置されたラテラルリンク領域は、例えばボディもしくは構造部に対するトレーリングリンクの結合部における横力及びモーメントのような、ホイール横力によって惹起される負の影響を回避できる。ラテラルリンク領域により、特にラテラルリンク領域がホイール中心の近くに配置されている場合には、十分に高いキャンバー剛性を保証することができる。付加的又は選択的に、ホイールガイドリンクは、実質的に車両長手方向に延在するトレーリングリンク領域を備える。好ましくは、ラテラルリンク領域は、車両長手方向にラテラルリンク領域から始まりホイール中心の前まで延在する。従って、トレーリングリンク領域の自由端、即ち構造部に関節式に固定するために設けられた端部は、車両長手方向で見てホイール中心の前に位置する。トレーリングリンク領域により、有利には、生じる制動モーメント及び加速モーメントを支持することができる。
【0014】
ホイールガイドリンクが実質的にL字型に形成されている場合に、良好な力の分配を保証することができる。何故なら、これにより、特にトレーリングリンク領域により、ホイール縦力を良好に支持できるからである。好ましくはこの場合、ラテラルリンク領域がL字型の短い脚を構成し、トレーリングリンク領域がL字型の長い脚を構成する。好ましくは、L字型のホイールガイドリンクは、そのトレーリングリンク領域がラテラルリンク領域から、特にその端部から始まり実質的に走行方向を示すように、ホイールキャリヤに対して配置されている。
【0015】
有利には、第1の結合領域が、ラテラルリンク領域のホイールキャリヤ側の端部の領域に形成されている。付加的又は選択的に、第2の結合領域が、トレーリングリンク領域の領域に形成されている。これにより、車両の所望のトーイン特性に関する操舵軸の位置及び向きに影響を与えることができる。従って更に、ホイールサスペンションは、非常に省スペースに形成することができる。何故なら、インテグラルリンクも、操舵手段も、ホイール中心の後に配置することができる。これにより、特に駆動されるホイールサスペンションバリエーションの場合には、駆動装置構成要素用の設置スペースを十分に得ることができる。従って更に、特にステアリングロッドによって能動的に枢着される実施形態の場合には、ステアリングロッドを移動させるアクチュエータ、好ましくはサーボモータを、問題なく補助フレーム又は構造部に取り付けることができる。
【0016】
ホイールガイドのため、ホイールサスペンションが、好ましくは横力を受け止めるために形成されたホイールガイドラテラルリンクを備える場合が有利である。
【0017】
しかしながら選択的に、ホイールサスペンションは、2点支承部を有するホイールガイド横方向板バネを備えることもでき、ホイールガイド横方向板バネが、その端部の領域で、それぞれ対応付けられたホイールキャリヤと関節式に結合されている。ホイールキャリヤもしくはそのために設けられたホイールのバウンド及びリバウンドのために、横方向板バネは、その両端の間の領域で、これら両端から間隔を置いて支承されている。好ましくは、横方向板バネは、この領域で直接的に構造部と関節式に結合可能であるか、これに対して選択的に補助フレームに支承され、この補助フレームが、構造部に取付け可能である。更に、横方向板バネは、その両端の領域でそれぞれ対応付けられたホイール距離やと結合されている。この場合、横方向板バネは、直接的又はしかしながらまたこれに対して選択的に間接的にホイールキャリヤと連結することができる。間接的な結合の場合、横方向板バネは、例えばホイールガイドリンクと結合することができ、このホイールガイドリンクが、更にまたそれぞれのホイールキャリヤに関節式に固定されている。
【0018】
車両高さ方向で下のリンク面内に、ホイールガイドリンクが配置され、その上に位置する上のリンク面内に、横方向板バネもしくはこれに対して選択的にラテラルリンクが配置されている場合が有利である。これにより、ホイールサスペンションは、非常にコンパクトに形成することができる。更に、特に横方向板バネのバリエーションにおいて、横方向板バネは、このような配置の場合に非常に良好に機械的及び熱的な影響から保護されている。従って、例えば、普通は下のリンク面の領域に配置される排気装置は、排気装置から間隔を置いて配置された横方向板バネへの影響を有しない。その結果、横方向板バネのために、温度に敏感な材料、特に繊維強化されたプラスチックを使用することもでき、この繊維強化されたプラスチックによって、ホイールサスペンションの重量を著しく低減することができる。
【0019】
更に、上に位置する横方向板バネにより、ストローク及び/又はロールの範囲を著しく拡大することができる。横方向板バネの拡大されたバネ行程に基づいて、ホイールサスペンションのはるかに良好なチューニングの可能性が開ける。また、ホイールサスペンションは、このように上に位置する横方向板バネによって非常に省スペースに、簡単に及び軽量に形成することができる。特にこの非常に省スペースの形成に基づいて、有利には、問題なく、駆動される軸を実現することもできる。
【0020】
横方向板バネがホイールガイドをするように形成されている場合が、有利である。従って、横方向板バネは、ホイールキャリヤによって特に車両横方向及び/又は車両長手方向に生じる力を吸収もしくは支持できるように、それぞれのホイールキャリヤと結合することができる。横方向板バネは、その配置並びに上の位置によって実質的に上のラテラルリンクとして形成されているか、もしくは実質的にその機能を引き受ける。従って有利には、付加的なリンクを削減することができるので、これにより、ホイールサスペンションは、簡単かつ安価に実現することができる。
【0021】
本発明の有利な発展形では、ホイールサスペンションが、ダブルウィッシュボーンホイールサスペンションであり、好ましくは、上のラテラルリンク(アッパーアーム)が横方向板バネによって形成されている。これにより、非常に軽量の、有利に製造及び取付け可能なサスペンションを実現することができる。
【0022】
付加的なリンクを削減できるように、横方向板バネが、その両端の領域で関節式に及び/又は直接的にそれぞれのホイールキャリヤと結合されている場合が有利である。これにより、横方向板バネは、ホイールサスペンションのバネ作用だけでなく、付加的に少なくとも部分的にホイールガイドも引き受ける。その結果、ホイールサスペンションの構築労力が低減される。これに関して、関節式の結合が、ピボットジョイントによって行なわれ、このピボットジョイントの回転軸が、好ましくは実質的に車両長手方向に整向されている場合も有利である。これにより、特に車両高さ方向の横方向板バネによるホイールガイドを実現することができる。
【0023】
横方向板バネのガイド特性については、特に捩り剛性を有するこの板バネが、車両長手方向に撓まず、車両高さ方向に撓むように形成されている場合が有利である。従って、横方向板バネによって、車両高さ方向に、バネ作用も両ホイールキャリヤのガイドも行なうことができる。その結果、付加的な部品、特にリンクは、この課題に対して必要ない。
【0024】
板バネが直接的に構造部と結合されているか、第1の支承部及び第2の支承部を介して間接的に補助フレームと結合されている場合も有利である。これにより、ストロークバネ装置もロールバネ装置も実現することができる。従って有利には、横方向板バネによって、付加的なスタビライザを省略することができ、これにより、ホイールサスペンションのコスト及び構築労力を低減することができる。このようなストロークバネ装置並びにロールバネ装置を保証できるように、第1の支承部及び第2の支承部が、特に、車両投げて方向に対して平行なそれぞれ1つの回転軸を備える場合が有利である。更に、両支承部が、好ましくは、エラストマー支承部、特にゴム支承部として形成されている、互いに間隔を置いている、及び/又は、車両長手方向に対して対称に配置されている場合が有利である。
【0025】
ラテラルリンク又は横方向板バネ及び/又はホイールガイドリンクのラテラルリンク領域が、ホイール中心の後に及び/又は実質的に車両高さ方向に重なり合うように配置されている場合が有利である。従ってこの場合も、ホイールサスペンションは、非常に省設置スペースに形成することができ、これにより、ホイール用の駆動装置は、予め構築された駆動ユニットの形態に問題なく統合することができる。
【0026】
操舵軸を中心とするホイールキャリヤの操舵のために、操舵手段が、ホイールストロークを介する受動的操舵のためにトーリンクとして形成されている場合が有利である。これにより、ホイールサスペンションは、非常に安価に形成することができる。しかしながら選択的に、操舵手段は、サーボモータもしくはアクチュエータを介する能動的操舵のためにタイロッドとして形成することもできる。この場合には、タイロッドは、その長さを変更可能なタイロッドとして形成されている。タイロッドは、ボディに支持されてホイールキャリヤに操舵運動を導入するために、例えば、運転動特性を検出もしくはコントロールする制御機器を介して、所望される運転体験に応じて変更すること、もしくは、走行状況に適合されるように変更する(短縮又は延長)ことができる。
【0027】
操舵手段が、特に直接的にホイールキャリヤと結合されている場合は、ホイールサスペンションは、非常にコンパクトに形成することができる。従って、ホイールキャリヤへの操舵手段の直接的な作用によって、ホイールキャリヤもしくはこれと回転可能に結合されたホイールの操舵軸を中心とする非常に正確な操舵を行なうことができる。
【0028】
ホイールを駆動するために十分な取付け容積を提供できるように、操舵手段が、ホイール中心の後に配置されている場合が有利である。
【0029】
ホイールサスペンションが、横方向板バネ又は横方向サポートを支承するための第1の保持部、特にそのラテラルリンク領域のホイールガイドリンクを関節式に収容するための第2の保持部、及び/又は、操舵手段を収容するための第3の保持部を有する、特に2部材で形成された取付けサポートを備える場合が有利である。取付けサポートの2部材の形成により、非常に迅速かつ簡単な横方向板バネの取付けを行なうことができる。有利には、横方向板バネは、取付けサポートの両部分の間で第1の支承部と第2の支承部の領域に挟持されている。更に、ホイールサスペンションの取付け労力は、このような取付けサポートによって低減することができる。何故なら、取付けサポートは、自動車の構造部又は補助フレームに非常に迅速かつ簡単にモジュール式に取り付けることができるからである。
【0030】
有利には、ホイールキャリヤは、駆動ユニットと結合可能である、特にホイールハブモータ、電気モータ及び/又は内燃機関によって駆動可能に形成されている、及び/又は、このような駆動ユニットと結合可能である。横方向板バネにより、付加的なリンクを削減することができるので、このような駆動可能な解決策のために十分な設置スペースを得ることができる。更に設置スペースは、ホイール中心の後に配置された操舵手段及び同様にそこに配置されたインテグラルリンクによって拡大することができる。付加的に、駆動ユニットの部分、さもなければ駆動ユニットを、完全に取付けサポートに固定することもできる。これにより、モジュールとして形成されたホイールサスペンションの駆動ユニットと一緒の取付け労力は、著しく低減することができる。
【0031】
以下で、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。