(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)タンパク質ファミリーは、細胞分裂周期の重要な調節因子である構成員(細胞周期CDK)、遺伝子の転写の調節に関与している構成員(転写CDK)、および他の機能を有する構成員からなる。CDKは、活性化のために調節性サイクリンサブユニットとの会合を必要とする。細胞周期CDKであるCDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンDおよびCDK6/サイクリンDは、逐次的に順序正しく活性化状態になり、細胞が細胞分裂周期を行うことを推進する。転写CDKであるCDK9/サイクリンTおよびCDK7/サイクリンHは、RNAポリメラーゼIIの活性をカルボキシ末端ドメイン(CTD)のリン酸化によって調節する。正の転写因子b(P−TEFb)は、CDK9と4つのサイクリンパートナーのうちの1つ、サイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bとのヘテロ二量体である。
【0003】
CDK9(NCBI GenBank Gene ID 1025)は専ら転写の調節に関与するものであるが、CDK7はさらに、細胞周期の調節にCDK活性化キナーゼ(CAK)として関与している。
【0004】
RNAポリメラーゼIIによる遺伝子の転写は、プロモーター領域における開始前複合体集合ならびにCDK7/サイクリンHによるCTDのSer 5およびSer 7のリン酸化によって開始される。遺伝子の主要画分では、RNAポリメラーゼIIは、DNA鋳型に沿って20〜40ヌクレオチド移動した後、mRNAの転写を停止させる。RNAポリメラーゼIIのこのプロモーター近位の停止は負の伸長因子によって媒介され、さまざまな刺激に応答した急激誘導遺伝子の発現を調節するための主要な制御機構として認識されている(Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010)。P−TEFbは、RNAポリメラーゼIIのプロモーター近位の停止の克服、およびCTDのSer 2のリン酸化による、ならびに負の伸長因子のリン酸化および不活化による生成的伸長状態への移行に決定的に関与している。
【0005】
P−TEFbの活性自体は、いくつかの機構によって調節される。細胞内P−TEFbの約半数は、7SK核内低分子RNA(7SK snRNA)、La関連タンパク質7(LARP7/PIP7S)およびヘキサメチレンビス−アセトアミド誘導性タンパク質1/2との不活性な複合体で存在している(HEXIM1/2,He et al.,Mol Cell 29,588,2008)。P−TEFbの残りの半数は、ブロモドメインタンパク質Brd4を含む活性な複合体で存在している(Yang et al.,Mol Cell 19,535,2005)。Brd4はP−TEFbを、アセチル化ヒストンとの相互作用により、遺伝子転写のためにプライミングされたクロマチン領域に動員する。正および負の調節因子との交互の相互作用により、P−TEFbは機能的平衡状態に維持される:7SK snRNA複合体に結合しているP−TEFbはレザーバを表し、このリザーバから活性なP−TEFbが、細胞内での転写および細胞増殖の要求に応じて放出され得る(Zhou & Yik,Microbiol Mol Biol Rev 70,646,2006)。さらに、P−TEFbの活性は翻訳後修飾によって、例えば、リン酸化/脱リン酸化、ユビキチン化およびアセチル化によって調節される(Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010に概説)。
【0006】
P−TEFbヘテロ二量体のCDK9キナーゼ活性の活性脱調節は、さまざまなヒトの病理学的環境、例えば、過剰増殖性疾患(例えば、がん)、ウイルス誘導型感染性疾患または心血管疾患と関連している:
がんは、増殖と細胞死(アポトーシス)の不均衡によって媒介される過剰増殖性障害とみなされている。高レベルの抗アポトーシスBcl−2−ファミリータンパク質が種々のヒト腫瘍において見出されており、腫瘍細胞の長期生存および治療抵抗性の原因となっている。P−TEFbキナーゼ活性の阻害によってRNAポリメラーゼIIの転写活性が低下し、寿命の短い抗アポトーシスタンパク質、特にMcl−1とXIAPの減少がもたらされ、腫瘍細胞がアポトーシスを行う能力が回復することが示された。形質転換された腫瘍表現型と関連しているいくつかの他のタンパク質(例えば、Myc、NF−kB応答性遺伝子転写物、分裂期キナーゼ)は、寿命の短いタンパク質であるか、またはP−TEFb阻害によって媒介されるRNAポリメラーゼII活性の低下に感受性の寿命の短い転写物にコードされているかのいずれかである(Wang & Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008に概説)。
【0007】
多くのウイルスは、自身のゲノムの転写が宿主細胞の転写機構に依存している。HIV−1の場合、RNAポリメラーゼIIがウイルスのLTR内のプロモーター領域に動員される。ウイルス転写活性因子(Tat)タンパク質は、生成中のウイルス性転写物に結合し、P−TEFbの動員によってプロモーター近位のRNAポリメラーゼII停止を克服し、これによりさらに転写伸長を促進させる。さらに、Tatタンパク質は、7SK snRNA複合体内のP−TEFb阻害性タンパク質HEXIM1/2の置き換えにより、活性なP−TEFb画分を増加させる。最近のデータにより、P−TEFbのキナーゼ活性の阻害は、宿主細胞に対して細胞傷害性でないキナーゼ阻害薬濃度でHIV−1複製がブロックされるのに充分であることが示されている(Wang & Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008に概説)。同様に、ウイルスタンパク質によるP−TEFbの動員は、他のウイルス、例えば、B細胞がん関連エプスタイン‐バーウイルス(この場合、核抗原EBNA2タンパク質がP−TEFbと相互作用する)(Bark−Jones et al.,Oncogene,25,1775,2006)、およびヒトTリンパ好性ウイルス1型(HTLV−1)(この場合、転写活性因子TaxがP−TEFbを動員する)(Zhou et al.,J Virol.80,4781,2006)でも報告されている。
【0008】
機構的過負荷および圧力(血行力学的ストレス、例えば高血圧、心筋梗塞)に対する心臓の適応的応答である心臓肥大は、長期間で心不全および死に至ることがあり得る。心臓肥大は、心筋細胞内における転写活性およびRNAポリメラーゼII CTDリン酸化の増大と関連していることが示された。P−TEFbは、不活性な7SK snRNA/HEXIM1/2複合体からの解離によって活性化されることがわかった。この所見により、心臓肥大を治療するための治療的アプローチとしてのP−TEFbキナーゼ活性の薬理学的阻害が示唆される(Dey et al.,Cell Cycle 6,1856,2007に概説)。
【0009】
要約すると、数多くの一連の証拠により、P−TEFbヘテロ二量体(=CDK9と、4つのサイクリンパートナー、サイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bのうちの1つ)のCDK9キナーゼ活性の選択的阻害は、がん、ウイルス性疾患および/または心臓疾患などの疾患の治療のための革新的なアプローチであることが示唆される。CDK9は、少なくとも13種類の近縁キナーゼのファミリーに属しており、その細胞周期CDKサブグループは、細胞増殖の調節において数多くの役割を果たしている。したがって、細胞周期CDK(例えば、CDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK6/サイクリンD)とCDK9の同時阻害は、正常な増殖組織、例えば、腸粘膜、リンパ器官および造血器ならびに生殖器に影響を及ぼすことが予測される。CDK9キナーゼ阻害薬の治療幅を最大限にするためには、CDK9に対して高い選択性を有する分子が必要とされる。
【0010】
一般的なCDK阻害薬ならびにCDK9阻害薬がいくつかの異なる刊行物に報告されている:
国際公開第2008129070号および国際公開第2008129071号にはともに、一般的なCDK阻害薬としての2,4二置換アミノピリミジンが記載されている。また、これらにはそれぞれ、このような化合物の一部のものは選択的CDK9阻害薬として(国際公開第2008129070号)およびCDK5阻害薬として(国際公開第2008129071号)として作用し得ると主張されているが、具体的なCDK9 IC
50(国際公開第2008129070号)またはCDK5 IC
50(国際公開第2008129071号)データは示されていない。この化合物は、ピリミジンコアの5位にフルオロ原子を含有しているものではない。
【0011】
国際公開第2008129080号には、4,6二置換アミノピリミジンが開示されており、この化合物は、種々のタンパク質キナーゼ、例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK9のタンパク質キナーゼ活性に対して阻害効果を示すものであり、CDK9阻害に対して優先性を有すること(実施例80)が示されている。
【0012】
国際公開第2005026129号には、4,6二置換アミノピリミジンが開示されており、この化合物は、種々のタンパク質キナーゼ、特にCDK2、CDK4およびCDK9のタンパク質キナーゼ活性に対して阻害効果を示すことが示されている。
【0013】
国際公開第2009118567号には、タンパク質キナーゼ(特にCDK2、CDK7およびCDK9)阻害薬としてのピリミジンおよび[1,3,5]トリアジン誘導体が開示されている。
【0014】
国際公開第2011116951号には、選択的CDK9阻害薬としての置換トリアジン誘導体が開示されている。
【0015】
国際公開第2012117048号には、選択的CDK9阻害薬としての二置換トリアジン誘導体が開示されている。
【0016】
国際公開第2012117059号には、選択的CDK9阻害薬としての二置換ピリジン誘導体が開示されている。
【0017】
国際公開第2012143399号には、選択的CDK9阻害薬としての置換4−アリール−N−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミンが開示されている。
【0018】
欧州特許第1218360号明細書(これは、米国特許出願公開2004116388号明細書、米国特許第7074789号明細書および国際公開第2001025220号に対応する)には、キナーゼ阻害薬としてのトリアジン誘導体が記載されているが、強力な、または選択的なCDK9阻害薬は開示されていない。
【0019】
国際公開第2008079933号には、アミノピリジンおよびアミノピリミジン誘導体ならびにCDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8またはCDK9阻害薬としてのその使用が開示されている。
【0020】
国際公開第2011012661号には、CDK阻害薬として有用なアミノピリジン誘導体が記載されている。
【0021】
国際公開第2011026917号には、CDK9の阻害薬としての、置換4−フェニルピリジン−2−アミンから誘導されたカルボキサミドが開示されている。
【0022】
国際公開第2012066065号には、CDK9の阻害薬としてのフェニル−ヘテロアリールアミンが開示されている。他のCDKアイソフォームに比べてCDK9に対する選択性が好ましいが、CDK−阻害データの開示はCDK9に限定されている。ピリミジンコアのC4位に二環式の環系が結合しているものは開示されていない。ピリミジンコアのC4に結合される基にはアルコキシフェニルが包含されるとみなされ得るが、フルオロ原子がピリミジン環のC5に結合していること、およびピリミジンのC2にアニリンが存在することを特徴とし、メタ位の置換スルホニル−メチレン基を特長とする特定の置換パターンに関する示唆はない。実施例に示された化合物は、典型的にはR
1として置換シクロアルキル基を特長とするものであり、フェニルではない。
【0023】
国際公開第2012066070号には、CDK9の阻害薬としての3−(アミノアリール)−ピリジン化合物が開示されている。ビアリールコアは必須的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
【0024】
国際公開第2012101062号には、CDK9の阻害薬としての、2−アミノピリジンコアを特長とする置換ビ−ヘテロアリール化合物が開示されている。ビアリールコアは必須的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
【0025】
国際公開第2012101063号には、CDK9の阻害薬としての、置換4−(ヘテロアリール)−ピリジン−2−アミンから誘導されたカルボキサミドが開示されている。
【0026】
国際公開第2012101064号には、CDK9の阻害薬としてのN−アシルピリミジンビアリール化合物が開示されている。
【0027】
国際公開第2012101065号には、CDK9の阻害薬としてのピリミジンビアリール化合物が開示されている。ビアリールコアは必須的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
【0028】
国際公開第2012101066号には、CDK9の阻害薬としてのピリミジンビアリール化合物が開示されている。ヘテロ芳香族コアに結合しているアミノ基の置換基R
1は非芳香族基に限定されているが、置換フェニルは包含されていない。さらに、ビアリールコアは必須的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
【0029】
Wang et al.(Chemistry & Biology 17,1111−1121,2010)には、動物モデルにおいて抗がん活性を示す2−アニリノ−4−(チアゾル−5−イル)ピリミジン転写CDK阻害薬が記載されている。
【0030】
国際公開第2011077171号には、CDK9の阻害薬としての4,6−二置換アミノピリミジン誘導体が開示されている。
【0031】
国際公開第2014031937号には、CDK9の阻害薬としての4,6−二置換アミノピリミジン誘導体が開示されている。
【0032】
国際公開第2013037896号には、CDK9の選択的阻害薬としての二置換5−フルオロピリミジンが開示されている。
【0033】
国際公開第2013037894号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホキシイミン基を含む二置換5−フルオロピリミジン誘導体が開示されている。
【0034】
国際公開第2014060376号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホン基を含む置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体が開示されている。
【0035】
国際公開第2014060375号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホン基を含む置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体が開示されている。
【0036】
国際公開第2014060493号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホン基を含む置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体が開示されている。
【0037】
国際公開第2014076028号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホキシイミン基を含む置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体が開示されている。
【0038】
国際公開第2014076091号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホキシイミン基を含む置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体が開示されている。
【0039】
国際公開第2014076111号には、CDK9の選択的阻害薬としての、スルホキシイミン基を含む置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体が開示されている。
【0040】
国際公開第2004009562号には置換トリアジンキナーゼ阻害薬が開示されている。選択された化合物について、CDK1およびCDK4の試験データは示されているが、CDK9のデータは示されていない。
【0041】
国際公開第2004072063号には、タンパク質キナーゼ、例えばERK2、GSK3、PKAまたはCDK2の阻害薬としてのヘテロアリール(ピリミジン、トリアジン)置換ピロールが記載されている。
【0042】
国際公開第2010009155号には、ヒストンデアセチラーゼおよび/またはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害薬としてのトリアジンおよびピリミジン誘導体が開示されている。選択された化合物について、CDK2の試験データが記載されている。
【0043】
国際公開第2003037346号(米国特許第7618968号明細書、米国特許第7291616号明細書、米国特許出願公開2008064700号明細書、米国特許出願公開2003153570号明細書に対応)は、アリールトリアジンならびに例えば、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼβ(LPAAT−β)の活性および/または腫瘍細胞などの細胞の増殖を阻害するためのその使用に関するものである。
【0044】
国際公開第2005037800号には、VEGFRおよびCDKキナーゼ、特にVEGFR2、CDK1およびCDK2の阻害薬としてのスルホキシイミン置換アニリノ−ピリミジンが開示されており、該ピリミジンは、ピリミジン環に直接結合している芳香族環を有しておらず、アニリン基に直接結合しているスルホキシイミン基を有する。CDK9のデータは開示されていない。
【0045】
国際公開第2008025556号には、キナーゼ阻害薬として有用な、ピリミジンコアを有するカルバモイルスルホキシイミドが記載されている。CDK9のデータは示されていない。フルオロピリミジンコアを有する分子は例示されていない。
【0046】
国際公開第2002066481号には、サイクリン依存性キナーゼ阻害薬としてのピリミジン誘導体が記載されている。CDK9には言及されておらず、CDK9のデータは示されていない。
【0047】
国際公開第2008109943号は、フェニルアミノピリ(ミ)ジン化合物およびキナーゼ阻害薬としての、特にJAK2キナーゼ阻害薬としてのその使用に関するものである。具体例は主に、ピリミジンコアを有する化合物が中心である。
【0048】
国際公開第2009032861号には、JNKキナーゼ阻害薬としての置換ピリミジニルアミンが記載されている。具体例は主に、ピリミジンコアを有する化合物が中心である。
【0049】
国際公開第2011046970号は、TBKLおよび/またはIKKεの阻害薬としてのアミノ−ピリミジン化合物に関するものである。具体例は主に、ピリミジンコアを有する化合物が中心である。
【0050】
国際公開第2012142329号は、TBKLおよび/またはIKKεの阻害薬としてのアミノ−ピリミジン化合物に関するものである。
【0051】
国際公開第2012139499号には、種々のタンパク質キナーゼの阻害薬としての尿素置換アニリノ−ピリミジンが開示されている。
【0052】
種々のCDK阻害薬が知られているという事実にもかかわらず、依然として、過剰増殖性疾患、ウイルス性疾患、および/または心臓疾患などの疾患の治療に使用され、先行技術で知られた化合物と比べて1つ以上の利点、例えば:
・活性および/または有効性の改善
・それぞれの治療上の必要性に従う有益なキナーゼ選択性プロフィール
・副作用プロフィールの改善、例えば、望ましくない副作用の低減、副作用の強度の低下、または(細胞傷害性)毒性の低下
・物理化学的特性、例えば、水および体液への溶解度の改善
・例えば、用量低減またはより容易な投与スキームを可能にする薬物動態学的特性の改善
・例えば、より短い合成経路またはより容易な精製によるより容易な薬物物質の製造
がもたらされる選択的CDK9阻害薬の必要性が存在している。
【発明を実施するための形態】
【0068】
用語「生理学的に許容され得る塩」は、本発明の化合物の比較的無毒性の無機または有機酸付加塩をいい、例えば、S.M.Berge,et al.「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照のこと。
【0069】
本発明による化合物の生理学的に許容され得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸、硝酸の塩または有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンフルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸などとの塩が包含される。
【0070】
また、本発明による化合物の生理学的に許容され得る塩には、慣用的な塩基の塩、例えば一例として好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)ならびにアンモニアまたは1〜16個のC原子を有する有機アミン(例えば一例として好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、1,6−ヘキサジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基および1−アミノ−2,3,4−ブタントリオール)から誘導されるアンモニウム塩も包含される。さらに、本発明による化合物は、例えば、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル);硫酸ジアルキル(硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルなど)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(臭化ベンジルおよびフェネチルなど)などの薬剤および他のものを用いた塩基性窒素含有基の第4級化によって得られ得る第4級アンモニウムイオンと塩を形成し得るものであってもよい。好適な第4級アンモニウムイオンの例はテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−プロピル)アンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウムまたはN−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムである。
【0071】
本発明は、単独の塩または前記塩の任意の比率の任意の混合物としての本発明の化合物の考えられ得るすべての塩を包含している。
【0072】
溶媒和物は、本発明の解釈上、配位によって溶媒分子と錯体を形成している固形または液状状態の本発明による化合物の形態に対して用いている用語である。水和物は、配位が水によってなされた溶媒和物の特別な形態である。水和物は本発明の範囲に含まれる溶媒和物として好ましい。
【0073】
また、本発明は、本発明の化合物の適切なすべての同位体異形も包含している。本発明の化合物の同位体異形は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが自然界に通常または優勢にみられる原子量と異なる原子量を有する原子で置き換えられているものと定義する。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、
2H(ジューテリウム)、
3H(トリチウム)、
11C、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iおよび
131Iが挙げられる。本発明の化合物の一部の特定の同位体異形、例えば、1種類以上の放射性同位体、例えば
3Hまたは
14Cが組み込まれたものは薬物および/または基質の組織内分布試験において有用である。トリチウム化および炭素−14、すなわち、
14C同位体は、調製の容易性および検出可能性のため特に好ましい。さらに、ジューテリウムなどの同位体での置換は、代謝安定性が大きくなることによってもたらされる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減をもたらす場合があり得、したがって、一部の状況では好ましいことであり得る。本発明の化合物の同位体異形は一般的に、当業者に知られた慣用的な手順によって、例えば、実例を示した方法によって、または本明細書における以下の実施例に記載の調製によって適切な試薬の適切な同位体異形を用いて調製され得る。
【0074】
また、本発明は、本発明による化合物のプロドラッグも包含している。用語「プロドラッグ」には、それ自体は生物活性であっても生物活性でなくてもよいが、体内で滞留時間中に本発明による化合物に変換される(例えば、代謝または加水分解によって)化合物が包含される。
【0075】
本発明はさらに、本発明の化合物の考えられ得るすべての結晶性形態または多形体(単独の多形体もしくは1種類より多くの多形体の任意の比率の混合物のいずれかとして)を包含している。
【0076】
したがって、本発明は、単独の塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば:エステル)もしくはジアステレオ異性体形態としての、または1種類より多くの塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば:エステル)もしくはジアステレオ異性体形態の任意の比率の混合物としての本発明の化合物の考えられ得るすべての塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば:エステル)およびジアステレオ異性体形態を包含している。
【0077】
本発明の解釈上、置換基は、特に指定のない限り以下の意味を有する:
用語「ハロゲン原子」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特に塩素またはフッ素、好ましくはフッ素を表す。
【0078】
用語「アルキル」は、具体的に示した数の炭素原子、例えば、C
1〜C
10 1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する線状または分枝のアルキル原子団、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル−、デシル−、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチルを表す。炭素原子の数が具体的に示されていない場合、用語「アルキル」は、概して1〜9個、特に1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する線状または分枝のアルキル原子団を表す。特に、アルキル基は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
6−アルキル」)、例えば、メチル、エチル、n−プロピル−、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルまたは1,2−ジメチルブチルである。好ましくは、アルキル基は1、2または3個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
3−アルキル」)、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである。
【0079】
用語「C
3〜C
7−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4、5、6または7個の炭素原子を含む飽和または部分不飽和の一価の単環式の炭化水素環を意味していると理解されたい。前記C
3〜C
7−シクロアルキル基は、例えば単環式の炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基である。前記シクロアルキル環は、非芳香族であるが1つ以上の二重結合を含んでいてもよく、例えばシクロアルケニル、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルまたはシクロヘプテニル基であり得、ここで、前記環と分子の残部との結合は前記環のいずれの炭素原子に対するものであってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。特に、前記シクロアルキル基はC
4〜C
6−シクロアルキル、C
5〜C
6−シクロアルキルまたはシクロヘキシル基である。
【0080】
用語「C
3〜C
5−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4または5個の炭素原子を含む飽和型の一価の単環式の炭化水素環を意味していると理解されたい。特に、前記C
3〜C
5−シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチル基などの単環式の炭化水素環である。好ましくは、前記「C
3〜C
5−シクロアルキル」基はシクロプロピル基である。
【0081】
用語「C
3〜C
6−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4、5または6個の炭素原子を含む飽和型の一価の単環式の炭化水素環を意味していると理解されたい。特に、前記C
3〜C
5−シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基などの単環式の炭化水素環である。
【0082】
用語「ヘテロシクリル」は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含み、さらに、酸素、イオウ、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有している基を含む飽和または部分不飽和の一価の単環式または二環式の炭化水素環を意味していると理解されたい。特に、用語「ヘテロシクリル」は「4〜10員の複素環式の環」を意味していると理解されたい。
【0083】
用語「4〜10員の複素環式の環」は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含み、さらに、酸素、イオウ、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有している基を含む飽和または部分不飽和の一価の単環式または二環式の炭化水素環を意味していると理解されたい。C
3〜C
9−ヘテロシクリルは、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子と、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を環内原子として含むヘテロシクリルを意味していると理解されたい。したがって、ヘテロ原子が1個の場合、環は4〜10員であり、ヘテロ原子が2個の場合、環は5〜11員であり、ヘテロ原子が3個の場合、環は6〜12員である。
【0084】
前記複素環式の環は、例えば単環式の複素環式の環、例えば、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、1,3−ジオキソラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、1,4−ジオキサニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、1,3−ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニルまたはチヌクリジニル(chinuclidinyl)基である。選択肢として、前記複素環式の環は、1つ以上の二重結合を含むもの、例えば、4H−ピラニル、2H−ピラニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、1,3−ジオキソリル、4H−1,3,4−チアジアジニル、2,5−ジヒドロフラニル、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロチエニル、2,3−ジヒドロチエニル、4,5−ジヒドロオキサゾリル、4,5−ジヒドロイソオキサゾリルまたは4H−1,4−チアジニル基であってもよく、ベンゾ縮合型であってもよい。
【0085】
特に、C
3〜C
7−ヘテロシクリルは、3、4、5、6または7個の炭素原子と、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を環内原子として含むヘテロシクリルを意味していると理解されたい。したがって、ヘテロ原子が1個の場合、環は4〜8員であり、ヘテロ原子が2個の場合、環は5〜9員であり、ヘテロ原子が3個の場合、環は6〜10員である。
【0086】
特に、C
3〜C
6−ヘテロシクリルは、3、4、5または6個の炭素原子と、さらに少なくとも1個のヘテロ原子を環内原子として含むヘテロシクリルを意味していると理解されたい。したがって、ヘテロ原子が1個の場合、環は4〜7員であり、ヘテロ原子が2個の場合、環は5〜8員であり、ヘテロ原子が3個の場合、環は6〜9員である。
【0087】
特に、用語「ヘテロシクリル」は、3、4または5個の炭素原子と、上記の1、2または3個のヘテロ原子を含有している基を含む複素環式の環(「4〜7員の複素環式の環」)であると理解されたく、より特別には、前記環は、4または5個の炭素原子と、上記の1、2または3個のヘテロ原子を含有している基を含むもの(「5〜7員の複素環式の環」)であり得、より特別には、前記複素環式の環は「6員の複素環式の環」であり、これは、4個の炭素原子と上記の2個のヘテロ原子を含有している基または5個の炭素原子と上記の1個のヘテロ原子を含有している基、好ましくは4個の炭素原子と上記の2個のヘテロ原子を含有している基を含むものであると理解されたい。
【0088】
用語「C
1〜C
6−アルコキシ−」は、好ましくは、式−O−アルキル(ここで、用語「アルキル」は上記に定義したものである)の線状または分枝の飽和型の一価の炭化水素基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソ−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ基またはその異性体を意味していると理解されたい。特に、「C
1〜C
6−アルコキシ−」基は「C
1〜C
4−アルコキシ−」、「C
1〜C
3−アルコキシ−」、メトキシ、エトキシまたはプロポキシ基、好ましくはメトキシ、エトキシまたはプロポキシ基である。さらに好ましいのは「C
1〜C
2−アルコキシ−」基、特にメトキシまたはエトキシ基である。
【0089】
用語「C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−」は、好ましくは、線状または分枝の飽和型の一価のC
1〜C
3−アルコキシ−基(上記に定義したとおり)であって、1個以上の水素原子が1個以上のフルオロ原子で同一または異なるように置き換えられているものを意味していると理解されたい。前記C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−基は、例えば、1,1−ジフルオロメトキシ−、1,1,1−トリフルオロメトキシ−、2−フルオロエトキシ−、3−フルオロプロポキシ−、2,2,2−トリフルオロエトキシ−、3,3,3−トリフルオロプロポキシ−、特に「C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−」基である。
【0090】
用語「アルキルアミノ−」は、好ましくは、上記に定義した線状または分枝のアルキル基を1つ有するアルキルアミノ基を意味していると理解されたい。例えば(C
1〜C
3)−アルキルアミノ−は1、2または3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味し、(C
1〜C
6)−アルキルアミノ−は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味する。用語「アルキルアミノ−」には、例えば、メチルアミノ−、エチルアミノ−、n−プロピルアミノ−、イソプロピルアミノ−、tert−ブチルアミノ−、n−ペンチルアミノ−またはn−ヘキシルアミノ−が包含される。
【0091】
用語「ジアルキルアミノ−」は、好ましくは、上記に定義した線状または分枝のアルキル基を2つ(これらは互いに独立している)有するアルキルアミノ基を意味していると理解されたい。例えば(C
1〜C
3)−ジアルキルアミノ−は、各々が1〜3個の炭素原子/アルキル基を有するアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基を表す。用語「ジアルキルアミノ−」には、例えば:N,N−ジメチルアミノ−、N,N−ジエチルアミノ−、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ−、N−t−ブチル−N−メチルアミノ−、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ−およびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−が包含される。
【0092】
用語「環状アミン」は、好ましくは、4〜10個、好ましくは4〜7個の環内原子を有し、そのうち少なくとも1個の環内原子が窒素原子である単環式の飽和基を意味していると理解されたい。好適な環状アミンは特に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンであり、これらは1つまたは2つのメチル基で置換されていてもよい。
【0093】
用語「ハロ−C
1〜C
3−アルキル−」は、好ましくは、用語「C
1〜C
3−アルキル」が上記に定義したものであり、1個以上の水素原子が同一または異なるハロゲン原子(すなわち、あるハロゲン原子は別のハロゲン原子と独立している)で置き換えられている線状または分枝の飽和型の一価の炭化水素基を意味していると理解されたい。特に、前記ハロゲン原子はフッ素である。好ましくは、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−基はフルオロ−C
1〜C
3−アルキル−基、例えば、−CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3または−CH
2CF
3などであり、より好ましくは−CF
3である。
【0094】
用語「フェニル−C
1〜C
3−アルキル−」は、好ましくは、水素原子のうちの1個が、該フェニル−C
1〜C
3−アルキル−基を分子と連結させるC
1〜C
3−アルキル基(上記に定義したとおり)で置き換えられているフェニル基を意味していると理解されたい。特に、「フェニル−C
1〜C
3−アルキル−」はフェニル−C
1〜C
2−アルキル−であり、好ましくはベンジル−基である。
【0095】
用語「ヘテロアリール」は、好ましくは、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の環内原子(「5〜14員のヘテロアリール」基)、特に5個(「5員のヘテロアリール」)または6個(「6員のヘテロアリール」)または9個(「9員のヘテロアリール」)または10個の環内原子(「10員のヘテロアリール」)を有する一価の芳香族環系であって、同一であっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子(前記ヘテロ原子は酸素、窒素またはイオウなどである)を含有しており、単環式、二環式または三環式であり得、また、各場合においてベンゾ縮合型であってもよい一価の芳香族環系を意味していると理解されたい。特に、ヘテロアリールは、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリルなど;またはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えば、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルなど;またはアゾシニル、インドリジニル、プリニルなど、およびそのベンゾ誘導体;またはシンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニルもしくはオキセピニルなどから選択される。好ましくは、ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール、5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールから選択される。
【0096】
用語「5員のヘテロアリール」は、好ましくは、5個の環内原子を有し、同一であっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子(前記ヘテロ原子は酸素、窒素またはイオウなどである)を含有している一価の芳香族環系を意味していると理解されたい。特に、「5員のヘテロアリール」は、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルから選択される。
【0097】
用語「6員のヘテロアリール」は、好ましくは、6個の環内原子を有し、同一であっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子(前記ヘテロ原子は酸素、窒素またはイオウなどである)を含有している一価の芳香族環系を意味していると理解されたい。特に、「6員のヘテロアリール」は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルから選択される。
【0098】
用語「ヘテロアリール−C
1〜C
3−アルキル−」は、好ましくは、水素原子のうちの1個が、ヘテロアリール−C
1〜C
3−アルキル−基を分子と連結させるC
1〜C
3−アルキル基(上記に定義したとおり)で置き換えられているヘテロアリール、5員のヘテロアリールまたは6員のヘテロアリール基(各々は上記に定義したとおり)を意味していると理解されたい。特に、「ヘテロアリール−C
1〜C
3−アルキル−」はヘテロアリール−C
1〜C
2−アルキル−、ピリジニル−C
1〜C
3−アルキル−、ピリジニルメチル−、ピリジニルエチル−、ピリジニルプロピル−、−ピリミジニル−C
1〜C
3−アルキル−、ピリミジニルメチル−、ピリミジニルエチル−、ピリミジニルプロピル−、好ましくは、ピリジニルメチル−もしくはピリジニルエチル−またはピリミジニルエチル−もしくはピリミジニルプロピル−基である。
【0099】
本明細書で使用されている場合、用語「脱離基」は、化学反応において、結合電子を誘引して安定な種として外れる原子または原子群をいう。好ましくは、脱離基は:ハロ、特に、クロロ、ブロモまたはヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−tertブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよび(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシを含む群から選択される。
【0100】
用語「C
1〜C
10」は、本文全体を通して、例えば「C
1〜C
10−アルキル」の定義との関連で使用されている場合、1〜10個の有限個数の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキル基を意味していると理解されたい。さらに、前記用語「C
1〜C
10」は、これに含まれる任意の下位範囲、例えば、C
1〜C
10、C
1〜C
9、C
1〜C
8、C
1〜C
7、C
1〜C
6 C
1〜C
5、C
1〜C
4、C
1〜C
3、C
1〜C
2、C
2〜C
10、C
2〜C
9、C
2〜C
8、C
2〜C
7、C
2〜C
6、C
2〜C
5、C
2〜C
4、C
2〜C
3、C
3〜C
10、C
3〜C
9、C
3〜C
8、C
3〜C
7、C
3〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
10、C
4〜C
9、C
4〜C
8、C
4〜C
7、C
4〜C
6、C
4〜C
5、C
5〜C
10、C
5〜C
9、C
5〜C
8、C
5〜C
7、C
5〜C
6、C
6〜C
10、C
6〜C
9、C
6〜C
8、C
6〜C
7、C
7〜C
10、C
7〜C
9、C
7〜C
8、C
8〜C
10、C
8〜C
9、C
9〜C
10と解釈されるべきであることを理解されたい。
【0101】
同様に、本明細書で使用されている場合、用語「C
1〜C
6」は、本文全体を通して、例えば「C
1〜C
6−アルキル」、「C
1〜C
6−アルコキシ」の定義との関連で使用されている場合、1〜6個の有限個数の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味していると理解されたい。さらに、前記用語「C
1〜C
6」は、これに含まれる任意の下位範囲、例えば、C
1〜C
6 C
1〜C
5、C
1〜C
4、C
1〜C
3、C
1〜C
2、C
2〜C
6、C
2〜C
5、C
2〜C
4、C
2〜C
3、C
3〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
6、C
4〜C
5、C
5〜C
6と解釈されるべきであることを理解されたい。
【0102】
同様に、本明細書で使用されている場合、用語「C
1〜C
3」は、本文全体を通して、例えば「C
1〜C
3−アルキル」、「C
1〜C
3−アルコキシ」または「C
1〜C
3−フルオロアルコキシ」の定義との関連で使用されている場合、1〜3個の有限個数の炭素原子、すなわち、1、2または3個の炭素原子を有するアルキル基を意味していると理解されたい。さらに、前記用語「C
1〜C
3」は、これに含まれる任意の下位範囲、例えば、C
1〜C
3、C
1〜C
2、C
2〜C
3と解釈されるべきであることを理解されたい。
【0103】
さらに、本明細書で使用されている場合、用語「C
3〜C
6」は、本文全体を通して、例えば「C
3〜C
6−シクロアルキル」の定義との関連で使用されている場合、3〜6個の有限個数の炭素原子、すなわち、3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味していると理解されたい。さらに、前記用語「C
3〜C
6」は、これに含まれる任意の下位範囲、例えば、C
3〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
6、C
4〜C
5、C
5〜C
6と解釈されるべきであることを理解されたい。
【0104】
さらに、本明細書で使用されている場合、用語「C
3〜C
7」は、本文全体を通して、例えば「C
3〜C
7−シクロアルキル」の定義との関連で使用されている場合、3〜7個の有限個数の炭素原子、すなわち3、4、5、6または7個の炭素原子、特に3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味していると理解されたい。さらに、前記用語「C
3〜C
7」は、これに含まれる任意の下位範囲、例えば、C
3〜C
7、C
3〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
7、C
4〜C
6、C
4〜C
5、C
5〜C
7、C
5〜C
6、C
6〜C
7と解釈されるべきであることを理解されたい。
【0107】
本明細書で使用されている場合、用語「1回以上」は、例えば、本発明の一般式の化合物の置換基の定義において、1回、2回、3回、4回または5回、特に1回、2回、3回または4回、より特別には1回、2回または3回、さらにより特別には1回または2回を意味していると理解されたい。
【0108】
化合物、塩、水和物、溶媒和物などの語が本明細書において複数形で使用されている場合、これは、単数の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物なども意味していると解釈されたい。
【0109】
別の実施形態において、本発明は、
R
1が、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
5−シクロアルキル−から選択される基を表し、
ここで、前記基は、ヒドロキシ、C
1〜C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい;
R
2が基
【化4】
【0110】
を表し、
R
3が水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子、C
1〜C
3−アルキル基またはフルオロ−C
1〜C
3−アルキル基を表し;
R
4が水素原子またはフルオロ原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基を表し、
ここで、前記C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい;
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8a、R
8bが互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
9が、C
1〜C
6−アルキル−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジルまたはヘテロアリールから選択される基を表し、
ここで、前記基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい;
R
10、R
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニルまたはヘテロアリールから選択される基を表し、
ここで、前記C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい、あるいは
R
10とR
11が、これらが結合している窒素原子と一体となって環状アミンを形成しており;
R
12が、水素またはC
1〜C
2−アルキルから選択される基を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0111】
好ましい一実施形態において、本発明は、
R
1がC
1〜C
6−アルキル−またはC
3〜C
5−シクロアルキル基を表し、
ここで、前記基は、ヒドロキシ、C
1〜C
6−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい;
R
2が基
【化5】
【0112】
を表し、
R
3が水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子、C
1〜C
3−アルキル基またはフルオロ−C
1〜C
3−アルキル基を表し;
R
4が水素原子またはフルオロ原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2またはC
1〜C
3−アルキル−から選択される基を表し、
ここで、前記C
1〜C
3−アルキル基は、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−または環状アミンから選択される1つの置換基で置換されていてもよい;
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し;
R
8a、R
8bが互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロ−メチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表し;
R
9が、C
1〜C
3−アルキル−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−またはベンジル基(そのフェニル基は、ハロゲン、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から選択される同一または異なる1つもしくは2つの置換基で置換されていてもよい)から選択される基を表し;
R
10、R
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表すか、あるいは
R
10とR
11が、これらが結合している窒素原子と一体となって環状アミンを形成しており;
R
12が、水素またはメチルから選択される基を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0113】
別の好ましい実施形態において、本発明は、
R
1がC
1〜C
6−アルキル基を表し、
ここで、前記基は、C
1〜C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−または環状アミンの群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい;
R
2が基
【化6】
【0114】
を表し、
R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子またはフルオロ原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し;
R
9がC
1〜C
3−アルキル基、ベンジル基またはトリフルオロメチルを表し;
R
10、R
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
2−アルキル−から選択される基を表す、
一般式(I)の化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
【0115】
別の好ましい実施形態において、本発明は、
R
1がC
1〜C
6−アルキル基を表し、
ここで、前記基は、C
1〜C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−または環状アミンの群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい;
R
2が基
【化7】
【0116】
を表し、
R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子またはフルオロ原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し;
R
9がC
1〜C
3−アルキル基、ベンジル基またはトリフルオロメチルを表し;
R
10、R
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
2−アルキル−から選択される基を表す、
一般式(I)の化合物またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩に関する。
【0117】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、
R
1がC
1〜C
3−アルキル基を表し;
R
2が基
【化8】
【0118】
を表し、
R
3が水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
6が、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し、
R
7が水素原子を表し;
R
9がメチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し;
R
10がC
1〜C
3−アルキル基を表し;
R
11が水素原子を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0119】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、
R
1がC
1〜C
3−アルキル基を表し、;
R
2が基
【化9】
【0120】
を表し、
R
3がフルオロ原子またはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子を表し;
R
5が、水素原子、−C(O)R
9から選択される基を表し;
R
6が、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し、
R
7が水素を表し;
R
9がトリフルオロメチル−基を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0121】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、
R
1がメチル基を表し;
R
2が基
【化10】
【0122】
を表し、
R
3が水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子を表し;
R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
9がメチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し;
R
10がエチル−基を表し;
R
11が水素原子を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0123】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、
R
1がメチル基を表し;
R
2が基
【化11】
【0124】
を表し、
R
3がフルオロ原子またはトリフルオロメチル−基を表し;
R
4が水素原子を表し;
R
5が、水素原子、−C(O)R
9から選択される基を表し;
R
9がトリフルオロメチル−基を表す、
一般式(I)の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0125】
別の実施形態において、本発明は、R
1が、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1〜C
3−アルキル−またはヘテロアリール−C
1〜C
3−アルキル−から選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
6−アルコキシ−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される同一または異なる1つまたは2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0126】
別の実施形態において、本発明は、R
1がC
1〜C
3−アルキル−、C
3〜C
5−シクロアルキル−、4〜7員の複素環式の環、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1〜C
2−アルキル−またはヘテロアリール−C
1〜C
2−アルキル−基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミンの群から選択される同一または異なる1つまたは2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0127】
別の実施形態において、本発明は、R
1が、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
5−シクロアルキル−から選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ヒドロキシ、C
1〜C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0128】
別の実施形態において、本発明は、R
1が、メチル、エチル、プロパン−2−イル、tert ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシルまたはフェニルから選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ヒドロキシまたはメトキシの群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0129】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
1がC
1〜C
6−アルキル基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ヒドロキシ、C
1〜C
6−アルコキシ−、−NH
2、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0130】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
1が、メチル、エチル、プロパン−2−イル、シクロプロピル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニルから選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、C
1〜C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−または環状アミンの群から選択される1つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0131】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
1がC
1〜C
3−アルキル基を表す一般式(I)の化合物に関する。
【0132】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
1がメチル基を表す一般式(I)の化合物に関する。
【0133】
別の実施形態において、本発明は、R
2が基
【化12】
【0134】
を表し、
式中、
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8a、R
8bが互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す
式(I)の化合物に関する。
【0135】
別の実施形態において、本発明は、R
2が基
【化13】
【0136】
を表し、
式中、
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8a、R
8bが互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す
式(I)の化合物に関する。
【0137】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
2が基
【化14】
【0138】
を表し、
式中、
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表し;
R
8a、R
8bが互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロ−メチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表す
式(I)の化合物に関する。
【0139】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
2が基
【化15】
【0140】
を表し、
式中、
R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表す
式(I)の化合物に関する。
【0141】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
2が基
【化16】
【0142】
を表し、
式中、
R
6が、水素、フルオロまたはクロロ原子から選択される基を表し、
R
7が水素を表す
式(I)の化合物に関する。
【0143】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
2が基
【化17】
【0145】
別の実施形態において、本発明は、R
3およびR
4が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0146】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子、C
1〜C
3−アルキル基またはフルオロ−C
1〜C
3−アルキル基を表し、R
4が水素原子またはフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0147】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子またはフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0148】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子またはフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0149】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0150】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子またはフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0151】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0152】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子またはフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0153】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し、R
4が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0154】
別の実施形態において、本発明は、R
3が、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0155】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子、C
1〜C
3−アルキル基またはフルオロ−C
1〜C
3−アルキル基を表す式(I)の化合物に関する。
【0156】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子、C
1〜C
2−アルキル基またはフルオロ−C
1〜C
2−アルキル基を表す式(I)の化合物に関する。
【0157】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0158】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0159】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3が水素原子、フルオロ原子またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0160】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0161】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−またはエチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0162】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−またはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0163】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がエチル−またはトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0164】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0165】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がトリフルオロメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0166】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がメチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0167】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
3がエチル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0168】
別の実施形態において、本発明は、R
4が、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0169】
別の実施形態において、本発明は、R
4が、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0170】
別の実施形態において、本発明は、R
4が、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
2−アルキル−、C
1〜C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0171】
別の実施形態において、本発明は、R
4が、水素、フルオロまたはクロロ原子から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0172】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
4が、水素原子またはフルオロ原子から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0173】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
4がフルオロ原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0174】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
4が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0175】
別の実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニルまたはヘテロアリール基が、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0176】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2またはC
1〜C
3−アルキル−から選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記C
1〜C
3−アルキル基が、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−または環状アミンから選択される1つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0177】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0178】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子またはシアノから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0179】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子、−C(O)OR
9または−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0180】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子または−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0181】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子または−C(O)OR
9から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0182】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子、シアノ、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0183】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5がシアノ基を表す式(I)の化合物に関する。
【0184】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が−C(O)R
9基を表す式(I)の化合物に関する。
【0185】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が−C(O)OR
9基を表す式(I)の化合物に関する。
【0186】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
5が−C(O)NR
10R
11基を表す式(I)の化合物に関する。
【0187】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
5が、水素原子または−C(O)R
9から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0188】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
5が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0189】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
5が−C(O)R
9を表す式(I)の化合物に関する。
【0190】
別の実施形態において、本発明は、R
6、R
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0191】
別の実施形態において、本発明は、R
6およびR
7が互いに独立して、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0192】
別の実施形態において、本発明は、R
6およびR
7が互いに独立して、水素またはフルオロ原子から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0193】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
6が水素、パラ−フルオロまたはパラ−クロロ(この場合、パラは分子の残部とのR
2の結合点をいう)を表し、R
7が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0194】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
6がパラ−フルオロ(この場合、パラは分子の残部とのR
2の結合点をいう)を表し、R
7が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0195】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
6がパラ−フルオロ(この場合、パラは分子の残部とのR
2の結合点をいう)を表す式(I)の化合物に関する。
【0196】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
7が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0197】
別の実施形態において、本発明は、R
8a、R
8bが互いに独立して、水素、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0198】
別の実施形態において、本発明は、R
8a、R
8bが互いに独立して、水素、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロ−メチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0199】
別の実施形態において、本発明は、R
9が、C
1〜C
6−アルキル−、C
1〜C
3−ハロアルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジルまたはヘテロアリールから選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記基が、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい化合物に関する。
【0200】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
9が、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−ハロアルキル、ベンジル基(そのフェニル基は、ハロゲン、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から選択される同一または異なる1つもしくは2つの置換基で置換されていてもよい)から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0201】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
9が、C
1〜C
3−アルキル−、ベンジルまたはトリフルオロメチルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0202】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
9が、メチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0203】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
9が、メチル−またはエチル−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0204】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
9が、メチル−またはトリフルオロメチル−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0205】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
9が、エチル−またはトリフルオロメチルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0206】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
9がトリフルオロメチル基を表す式(I)の化合物に関する。
【0207】
別の実施形態において、本発明は、R
10、R
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
6−アルキル−、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジルまたはヘテロアリールから選択される基を表す式(I)の化合物であって、
前記C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジルまたはヘテロアリール基が、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1〜C
3−アルキル−、C
1〜C
3−フルオロアルコキシ−から選択される同一または異なる1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていてもよい、あるいは
R
10とR
11が、これらが結合している窒素原子と一体となって環状アミンを形成している
化合物に関する。
【0208】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
10およびR
11が互いに独立して、水素、C
1〜C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表すか、あるいは
R
10とR
11が、これらが結合している窒素原子と一体となって環状アミンを形成している
式(I)の化合物に関する。
【0209】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
10およびR
11が互いに独立して、水素またはC
1〜C
2−アルキル−から選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0210】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
10 およびR
11が互いに独立して、水素またはC
1〜C
6−アルキル−を表す式(I)の化合物に関する。
【0211】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
10およびR
11が水素を表す式(I)の化合物に関する。
【0212】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
10がC
1〜C
2−アルキル−基を表し、R
11が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0213】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
10がエチル−基を表し、R
11が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0214】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、R
10がメチル−基を表し、R
11が水素原子を表す式(I)の化合物に関する。
【0215】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
10が、水素、C
1〜C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0216】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
10がC
1〜C
2−アルキル−基を表す式(I)の化合物に関する。
【0217】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
10が水素を表す式(I)の化合物に関する。
【0218】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
11が、水素またはC
1〜C
2−アルキルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0219】
特に好ましい一実施形態において、本発明は、R
11が水素を表す式(I)の化合物に関する。
【0220】
別の実施形態において、本発明は、R
12が、水素、C
1〜C
4−アルキルまたはベンジルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0221】
好ましい一実施形態において、本発明は、R
12が、水素またはC
1〜C
2−アルキルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0222】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
12が、水素またはメチルから選択される基を表す式(I)の化合物に関する。
【0223】
別の好ましい実施形態において、本発明は、R
12が水素を表す式(I)の化合物に関する。
【0224】
本発明は、上記の式(I)の化合物の本発明の実施形態のいずれかに含まれる任意の下位の組合せに関するものであることを理解されたい。
【0225】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法1aによる測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べたとき、CDK9に対して低いIC
50を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0226】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法1bによる測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べたとき、高ATP濃度においてCDK9に対して低いIC
50を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0227】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法1a(CDK9)および2(CDK2)による測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べたとき、CDK2よりもCDK9に有利な高選択性を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0228】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法3による測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べたとき、HeLaなどの腫瘍細胞株における高い抗増殖活性を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0229】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法3による測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べたとき、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などの腫瘍細胞株における高い抗増殖活性を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0230】
別の好ましい実施形態において、本発明は、以下の材料および方法のセクションに記載の方法4による測定時、それぞれの化合物の他の立体異性体と比べてCaco−2細胞単層全体において高くて増大した明白なCaco−2透過性(P
app A−B)を特長とする式(I)の化合物の特定の立体異性体に関する。
【0231】
さらにより特別には、本発明は、以下の本文の実施例のセクションに開示した式(I)の化合物を包含するものである。
【0232】
非常に特別に好ましいのは、上記の好ましい実施形態の2つ以上の組合せである。
【0233】
特に、本発明の好ましい主題は化合物:
・(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
・(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−フルオロ−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
・(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
・(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]アセトアミド
・(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
・(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
・(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
・(rac)−N−{6−エチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン
・(rac)−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}シアナミド
・(rac)−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
・(rac)−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カルバミン酸エチル
・(rac)−1−エチル−3−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}尿素
・(rac)−1−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素
・(+)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
・(−)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物もしくは溶媒和物の塩である。
【0234】
一般用語または好ましい範囲において詳述した原子団の上記の定義はまた、式(I)の最終生成物にも適用され、同様に、各場合において調製のために必要とされる出発物質または中間体にも適用される。
【0235】
さらに、本発明は、R
5が水素を表す式(I)のN−非保護スルホキシイミンを適切な薬剤と反応させて、R
5は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりであるが水素とは異なる式(I)のN−官能基化スルホキシイミンを得、
【化18】
【0236】
得られた化合物を、適切な場合は、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換させてもよい、
本発明による式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0237】
本発明はさらに、式(5)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりである)の化合物
【化19】
【0238】
をトリフルオロアセトアミドおよび1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインと、塩基としてアルカリアルコキシドの存在下、溶媒として環状エーテル中で反応させ、式(6)の化合物
【化20】
【0239】
を得、
得られた化合物を、適切な場合は、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換させてもよい、
式(6)の化合物の調製方法に関する。
【0240】
本発明はさらに、式(6)の化合物
【化21】
【0241】
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりである)
をペルオキソモノスルフェート系酸化剤を用いて11より下のpHで、好ましくは中性pH範囲で酸化させ、R
5がトリフルオロアセチル−(F
3C−C(O)−)を表す式(I)の化合物を得(これは、同時に形成されるNH−スルホキシイミン(式中のR
5が水素を表す)からクロマトグラフィーによって分離することができる)、前記トリフルオロアセチル基の完全な切断は、アルコール性溶媒中にてアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩で処理し、R
5が水素である式(I)の化合物を得ることによって行われ得、
【化22】
【0242】
得られた化合物を、適切な場合は、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換させてもよい、
式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0243】
本発明はさらに、式(5)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりである)の化合物
【化23】
【0244】
をトリフルオロアセトアミドおよび1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインと、塩基としてアルカリアルコキシドの存在下、溶媒として環状エーテル中で反応させ、式(6)の化合物
【化24】
【0245】
を得、
続いて、式(6)の前記化合物を、ペルオキソモノスルフェート系酸化剤を用いて11より下のpHで、好ましくは中性pH範囲で酸化させ、R
5がトリフルオロアセチル−(F
3C−C(O)−)を表す式(I)の化合物を得(これは、同時に形成されるNH−スルホキシイミン(式中のR
5が水素を表す)からクロマトグラフィーによって分離することができる)、前記トリフルオロアセチル基の完全な切断は、アルコール性溶媒中にてアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩で処理し、R
5が水素である式(I)の化合物を得ることによって行われ得
【化25】
【0246】
得られた化合物を、適切な場合は、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換させてもよい、
式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0247】
本発明はさらに、式(5)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりである)
【化26】
【0248】
の化合物およびその塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0249】
本発明はさらに、式(6)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は本発明による式(I)の化合物について規定したとおりである)
【化27】
【0250】
の化合物およびそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
【0251】
本発明による化合物は、予測され得なかった有益な薬理学的および薬物動態学的作用域を示す。
【0252】
したがって、該化合物は、ヒトおよび動物の障害の治療および/または予防のための医薬としての使用に適している。
【0253】
本発明の範囲内において、用語「治療」は予防を包含している。
【0254】
本発明による化合物の医薬活性は、CDK9の阻害薬としてのその作用によって説明され得る。したがって、一般式(I)による化合物ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物および溶媒和物の塩はCDK9に対する阻害薬として使用される。
【0255】
さらに、本発明による化合物は、CDK9活性の阻害に対して特に高い効力(CDK9/CycT1アッセイにおける低IC
50値によって示される)を示す。
【0256】
本発明との関連において、CDK9に対するIC
50値は、以下の方法のセクションに記載の方法によって測定され得る。好ましくは、これは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法1a.(「CDK9/CycT1キナーゼアッセイ」)に従って測定される。
【0257】
驚くべきことに、一般式(I)による化合物ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物および溶媒和物の塩は、他のサイクリン依存性タンパク質キナーゼと比べて、好ましくはCDK2と比べてCDK9を選択的に阻害することがわかった。したがって、一般式(I)による化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩は、CDK9に対する選択的阻害薬として好ましく使用される。
【0258】
一般式(I)による本発明の化合物は、CDK2阻害よりも有意に強力なCDK9阻害を示す。
【0259】
本発明との関連において、CDK2に対するIC
50値は、以下の方法のセクションに記載の方法によって測定され得る。好ましくは、これは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法2.(「CDK2/CycEキナーゼアッセイ」)に従って測定される。
【0260】
さらに、先行技術において報告されたCDK9阻害薬と比較した場合、一般式(I)による本発明の好ましい化合物は、高ATP濃度においてCDK9活性の阻害に対して驚くべき高い効力を示し、これは、CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイにおける低IC
50値によって示される。したがって、このような化合物は、高い細胞内ATP濃度により、CDK9/CycT1キナーゼのATP結合ポケットで競合的に排除される確率が低い(R.Copeland et al.,Nature Reviews Drug Discovery 2006,5,730−739)。この特性により、本発明の化合物は特に、従来のATP競合的キナーゼ阻害薬と比較した場合、細胞内のCDK9/CycT1をより長期間、阻害することができる。これにより、患者または動物への投与後の該阻害薬の薬物動態学的排出媒介性漸減血清濃度での抗腫瘍細胞有効性が増大する。
【0261】
本発明との関連において、高ATP濃度におけるCDK9に対するIC
50値は、以下の方法のセクションに記載の方法によって測定され得る。好ましくは、これは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法1b(「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」)に従って測定される。
【0262】
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などの腫瘍細胞株において、先行技術において報告されたCDK9阻害薬と比べて改善された抗増殖活性を示す。
【0263】
本発明との関連において、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などの腫瘍細胞株における抗増殖活性は好ましくは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法3.(「増殖アッセイ」)に従って測定される。
【0264】
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は驚くべきことに、先行技術において報告された化合物と比べてpH6.5の水への溶解度の増大を示す。
【0265】
本発明との関連において、pH6.5の水への溶解度は好ましくは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法4.(「平衡振盪フラスコ溶解度アッセイ」)に従って測定される。
【0266】
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、先行技術により知られた化合物と比べて、Caco−2細胞単層全体における明白なCaco−2透過性(P
app A−B)の増大などの薬物動態学的特性の改善を特徴とする。
【0267】
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、先行技術により知られた化合物と比べて、Caco−2細胞単層全体における基底側区画から頂端側区画への流出比(流出比=P
app B−A/P
app A−B)の低下などの薬物動態学的特性の改善を特徴とする。
【0268】
本発明との関連において、基底側区画から頂端側区画への明白なCaco−2透過性値(P
app A−B)または流出比(比((P
app B−A)/(P
app A−B))と定義する)は好ましくは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法5.(「Caco−2透過アッセイ」)に従って測定される。
【0269】
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、カルボニックアンヒドラーゼ−1または−2の有意な阻害を示さず(10μMより高いIC
50値)、したがって、カルボニックアンヒドラーゼ−1または−2を阻害する先行技術において報告されたスルホンアミド基を含むCDK阻害薬と比較した場合、副作用プロフィールの改善を示す。本発明との関連において、カルボニックアンヒドラーゼ−1および−2阻害は好ましくは、以下の材料および方法のセクションに記載の方法6.(「カルボニックアンヒドラーゼアッセイ」)に従って測定される。
【0270】
本発明のさらなる主題の1つは、障害、好ましくは、CDK9活性と関連している、またはCDK9活性によって媒介される障害、特に過剰増殖性障害、ウイルス誘導型感染性疾患および/または心血管疾患、より好ましくは過剰増殖性障害の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
【0271】
本発明の化合物は、CDK9の活性または発現を阻害するために使用され得る。したがって、式(I)の化合物は、治療用薬剤として有益であることが予測される。したがって、別の実施形態において、本発明により、有効量の上記に規定した式(I)の化合物を患者に投与することを含む、CDK9活性と関連している、またはCDK9活性によって媒介される障害の治療をかかる治療を必要とする患者において行う方法を提供する。一部の特定の実施形態において、CDK9活性と関連している障害は過剰増殖性障害、ウイルス誘導型感染性疾患および/または心血管疾患、より好ましくは過剰増殖性障害、特にがんである。
【0272】
本文書全体を通して記載している用語「治療する」または「治療」は慣用的に使用されているもの、例えば、疾患または障害、例えば癌の状態の対処、緩和、低減、軽減、改善の目的のための被験体のマネージメントまたは医療である。
【0273】
用語「被験体」または「患者」には、細胞増殖性障害にり患し得る生物体または低下した、もしくは不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)と関連している障害にり患し得る生物体あるいは別の様式で本発明の化合物の投与の恩恵を被り得る生物体、例えば、ヒトおよび非ヒト動物が包含される。好ましいヒトとしては、本明細書に記載の細胞増殖性障害もしくは関連する状態にり患している、または該障害もしくは状態にり患する傾向にあるヒト患者が挙げられる。用語「非ヒト動物」には、脊椎動物、例えば哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコおよび齧歯類、例えばマウス、ならびに非哺乳動物、例えば、ニワトリ、両生類、爬虫類などが包含される。
【0274】
用語「CDK9と関連している、またはCDK9によって媒介される障害」には、CDK9活性(例えば、CDK9の過剰活性)と関連している疾患または該活性が関与している疾患、およびこのような疾患に伴う病状が包含されるものとする。「CDK9と関連している、またはCDK9によって媒介される障害」の例としては、CDK9活性を調節する遺伝子、例えば、LARP7、HEXIM1/2もしくは7sk snRNAの変異によるCDK9活性の増大に起因する障害、またはウイルスタンパク質、例えばHIV−TATもしくはHTLV−TAXによるCDK9/サイクリンT/RNAポリメラーゼII複合体の活性化によるCDK9活性の増大に起因する障害、またはマイトジェンシグナル伝達経路の活性化によるCDK9活性の増大に起因する障害が挙げられる。
【0275】
用語「CDK9の過剰活性」は、非疾患正常細胞と比較した場合のCDK9の増大している酵素活性をいうか、あるいは不要な細胞増殖をもたらすCDK9活性の増大、または低下した、もしくは不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)をもたらすCDK9活性の増大、あるいはCDK9の構成的活性化をもたらす変異をいう。
【0276】
用語「過剰増殖性障害」には、望ましくない、または無制御な細胞増殖を伴う障害が包含され、また、低下した、もしくは不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)を伴う障害が包含される。本発明の化合物は、細胞増殖および/または細胞分裂を抑制、抑止、阻止、低減、減少、制御するためなど、および/またはアポトーシスをもたらすために使用され得る。この方法は、それを必要とする被験体、例えば哺乳動物、例えばヒトに、該障害が治療または予防されるのに有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、水和物もしくは溶媒和物を投与することを含むものである。
【0277】
本発明との関連における過剰増殖性障害としては、限定されないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚を冒す他の過形成、子宮内膜症、骨格の障害、血管新生性または血管増殖性障害、肺高血圧、線維化障害、メサンギウム細胞増殖性障害、結腸ポリープ、多発性嚢胞腎症、良性前立腺肥大(BPH)、ならびに充実性腫瘍、例えば、乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺のがん、および遠隔転移がんが挙げられる。また、該障害にはリンパ腫、肉腫および白血病も包含される。
【0278】
乳がんの例としては、限定されないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、腺管上皮内癌および小葉上皮内癌ならびにイヌまたはネコの乳癌が挙げられる。
【0279】
気道のがんの例としては、限定されないが、小細胞肺癌および非小細胞肺癌ならびに気管支腺腫、肺芽腫ならびに中皮腫が挙げられる。
【0280】
脳のがんの例としては、限定されないが、脳幹および視床下部のグリオーマ、小脳および大脳の星状細胞腫、膠芽細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫、ならびに神経外胚葉および松果体の腫瘍が挙げられる。
【0281】
男性生殖器の腫瘍としては、限定されないが、前立腺および精巣のがんが挙げられる。女性生殖器の腫瘍としては、限定されないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰のがん、ならびに子宮の肉腫が挙げられる。
【0282】
消化管の腫瘍としては、限定されないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺のがんが挙げられる。肛門腺の腺癌、肥満細胞腫。
【0283】
尿路の腫瘍としては、限定されないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道口のがんならびに遺伝性および散発性の乳頭状腎がんが挙げられる。
【0284】
目のがんとしては、限定されないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられる。
【0285】
肝臓がんの例としては、限定されないが、肝細胞癌(線維性層板状変化を伴う、または伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合型肝細胞胆管癌が挙げられる。
【0286】
皮膚がんとしては、限定されないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、および非黒色腫皮膚がんが挙げられる。肥満細胞腫瘍。
【0287】
頭頸部がんとしては、限定されないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、口腔咽頭のがん、唇および口腔のがん、ならびに扁平上皮がんが挙げられる。口腔内黒色腫。
【0288】
リンパ腫としては、限定されないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられる。
【0289】
肉腫としては、限定されないが、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫が挙げられる。悪性組織球増殖症、線維肉腫、血管肉腫、血管外皮細胞腫、平滑筋肉腫。
【0290】
白血病としては、限定されないが、急性骨髄性(myeloid)白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性(myelogenous)白血病およびヘアリー細胞白血病が挙げられる。
【0291】
本発明の化合物および方法で治療され得る線維性増殖性障害、すなわち細胞外マトリックスの異常な形成としては、肺線維症、アテローム性動脈硬化、再狭窄、肝硬変、ならびにメサンギウム細胞増殖性障害、例えば腎疾患、例えば、糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症症候群、移植片拒絶および糸球体症(glomerulopathies)が挙げられる。
【0292】
本発明の化合物を投与することにより治療され得るヒトまたは他の哺乳動物の他の病状としては、腫瘍の成長、網膜症、例えば糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞、未熟児の網膜症および加齢性黄斑変性、関節リウマチ、乾癬ならびに表皮下水疱形成と関連している水疱性障害、例えば、水疱性類天疱瘡、多形性紅斑および疱疹状皮膚炎が挙げられる。
【0293】
また、本発明の化合物は、気道および肺の疾患、胃腸管の疾患ならびに膀胱および胆管の疾患を予防および治療するためにも使用され得る。
【0294】
上記の障害は、ヒトにおいて充分に特性評価されているが、同様の病因で他の動物、例えば哺乳動物にも存在し、本発明の医薬組成物を投与することにより治療され得る。
【0295】
本発明のさらなる一態様において、本発明による化合物は、感染性疾患、特にウイルス誘導型感染性疾患を予防および/または治療するための方法に使用される。ウイルス誘導型感染性疾患(日和見疾患を含む)は、レトロウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、フラビウイルス科および/またはアデノウイルスによって引き起こされる。この方法のさらに好ましい一実施形態では、レトロウイルスは、レンチウイルスまたはオンコレトロウイルスから選択され、ここで、レンチウイルスは:HIV−1、HIV−2、FIV、BIV、SIV、SHIV、CAEV、VMVまたはEIAV、好ましくはHIV−1またはHIV−2を含む群から選択され、オンコレトロウイルスは:HTLV−I、HTLV−IIまたはBLVの群から選択される。この方法のさらに好ましい一実施形態では、ヘパドナウイルスは、HBV、GSHVまたはWHVから選択され、好ましくはHBVであり、ヘルペスウイルスは:HSV I、HSV II、EBV、VZV、HCMVまたはHHV 8を含む群から選択され、好ましくはHCMVであり、フラビウイルス科は、HCV、西ナイルまたは黄熱病から選択される。
【0296】
一般式(I)による化合物はまた、心血管疾患、例えば心臓肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、血管神経性浮腫、大動脈弁狭窄、大動脈瘤、不整脈、不整脈原性右室異形成、動脈硬化、動静脈奇形、心房細動、ベーチェット症候群、徐脈、心タンポナーデ、心肥大、鬱血性心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、心血管疾患予防、頸動脈狭窄、脳出血、チャーグ・ストラウス症候群、糖尿病、エプスタイン奇形、アイゼンメンゲル複合、コレステロール塞栓症、細菌性心内膜炎、線維筋性形成異常、先天性心欠陥、心臓疾患、鬱血性心不全、心臓弁疾患、心臓発作、硬膜外血腫、血腫、硬膜下、ヒッペル・リンドウ病、充血、高血圧、肺高血圧、肥大性成長、左心室肥大、右心室肥大、左心低形成症候群、低血圧、間欠性跛行、虚血性心疾患、クリッペル・トレノニー・ウェーバー症候群、外側髄症候群、QT延長症候群 僧帽弁逸脱、モヤモヤ病、粘膜皮膚リンパ節症候群、心筋梗塞、心筋虚血、心筋炎、心膜炎、末梢血管病、静脈炎、結節性多発性動脈炎、肺動脈閉鎖、レイノー病、再狭窄、スネドン症候群、狭窄、上大静脈症候群、X症候群、頻脈、高安動脈炎、遺伝性出血性毛細血管拡張症、毛細血管拡張症、側頭動脈炎、ファロー四徴症、閉塞性血栓血管炎、血栓症、血栓塞栓症、三尖弁閉鎖症、静脈瘤、血管疾患、血管炎、血管痙攣、心室細動、ウィリアムズ症候群、末梢血管疾患、静脈瘤および下腿潰瘍、深部静脈血栓症、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の予防および/または治療にも有用である。
【0297】
好ましいのは心臓肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、アンギナ、狭心症、不整脈、心血管疾患予防、心筋症、鬱血性心不全、心筋梗塞、肺高血圧、肥大性成長、再狭窄、狭窄、血栓症および動脈硬化である。
【0298】
本発明のさらなる主題の1つは、医薬としての本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
【0299】
本発明のさらなる主題の1つは、障害、特に上記の障害の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
【0300】
本発明の好ましい主題の1つは、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
【0301】
本発明のさらなる主題の1つは、医薬としての使用のための本発明による化合物である。
【0302】
本発明のさらなる主題の1つは、上記の障害の治療および/または予防のための本発明による化合物である。
【0303】
本発明の好ましい主題の1つは、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による化合物である。
【0304】
本発明のさらなる主題の1つは、上記の障害の治療および/または予防のための方法における使用のための本発明による化合物である。
【0305】
本発明の好ましい主題の1つは、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療方法および/または予防方法における使用のための本発明による化合物である。
【0306】
本発明のさらなる主題の1つは、障害、特に上記の障害の治療および/または予防のための医薬の製造における本発明による化合物の使用である。
【0307】
本発明の好ましい主題の1つは、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための医薬の製造における本発明による化合物の使用である。
【0308】
本発明のさらなる主題の1つは、有効量の本発明による化合物を用いた、障害、特に上記の障害の治療および/または予防のための方法である。
【0309】
本発明の好ましい主題の1つは、有効量の本発明による化合物を用いた、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための方法である。
【0310】
本発明の別の態様は、本発明による一般式(I)の化合物を少なくとも1種類またはそれ以上のさらなる活性成分との組合せで含む医薬合剤に関する。
【0311】
本明細書で使用されている場合、用語「医薬合剤」は、活性成分としての本発明による一般式(I)の少なくとも1種類の化合物を少なくとも1種類の他の活性成分と、さらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒とともに、またはなしで一緒に組み合わせたものをいう。
【0312】
本発明の別の態様は、本発明による一般式(I)の化合物を不活性で無毒性の医薬に適した佐剤との組合せで含む医薬組成物に関する。
【0313】
本明細書で使用されている場合、用語「医薬組成物」は、少なくとも1種類の医薬活性薬剤を少なくとも1種類のさらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒と一緒にしたガレヌス製剤をいう。
【0314】
本発明の別の態様は、障害、特に上記の障害の治療および/または予防のための本発明による医薬合剤および/または医薬組成物の使用に関する。
【0315】
本発明の別の態様は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による医薬合剤および/または医薬組成物の使用に関する。
【0316】
本発明の別の態様は、障害、特に上記の障害の治療および/または予防のための本発明による医薬合剤および/または医薬組成物に関する。
【0317】
本発明の別の態様は、肺癌、特に非小細胞肺癌、前立腺癌、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌、子宮頚癌、例えば多剤耐性ヒト子宮頚癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌または白血病、特に急性骨髄性白血病の治療および/または予防のための本発明による医薬合剤および/または医薬組成物に関する。
【0318】
式(I)の化合物は、単独の医薬用薬剤として投与してもよく、または1種類以上のさらなる治療用薬剤と併用して投与してもよく、この場合、併用は許容され得ない有害効果を引き起こすものではない。この医薬合剤は、式(I)の化合物と1種類以上のさらなる治療用薬剤を含む単一の医薬投薬製剤の投与、ならびに式(I)の化合物および各さらなる治療用薬剤のその別々の医薬投薬製剤での投与を包含している。例えば、式(I)の化合物と治療用薬剤は患者に、単一の経口投薬組成物、例えば錠剤またはカプセル剤で一緒に投与してもよく、または各薬剤を別々の投薬製剤で投与してもよい。
【0319】
別々の投薬製剤を使用する場合、式(I)の化合物と1種類以上のさらなる治療用薬剤は、本質的に同時に(例えば、並行して)投与してもよく、別々に時差的に(例えば、逐次)投与してもよい。
【0320】
特に、本発明の化合物は、他の抗腫瘍剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗薬、植物由来抗腫瘍剤、ホルモン療法剤、トポイソメラーゼ阻害薬、カンプトテシン誘導体、キナーゼ阻害薬、標的化薬、抗体、インターフェロンおよび/または生物学的応答調節薬、抗血管新生化合物ならびに他の抗腫瘍薬と固定または個別の組合せで使用され得る。これに関して、以下のもの:
131I−chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン(arglabin)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY 80−6946、BAY 1000394、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリニン酸カルシウム、レボホリニン酸カルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファララビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンα、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキン・ディフティトックス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium)、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム(elliptinium)、エルトロムボパグ(eltrombopag)、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンα、エポエチンβ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、ホルメスタン、フォテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム(glutoxim)、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブ・チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、イムプロスルファン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミゾール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン、ミトタン、ミトザントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン(nitracrine)、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子療法薬、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガスパルガーゼ、PEG−エポエチンβ(メトキシPEG−エポエチンβ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピシバニル、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、多糖−K、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、塩化ラジウム−223、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスミクロスフィア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシンが、本発明の化合物と併用して使用され得る第二薬剤の非限定的な例の一覧である。
【0321】
また、本発明の化合物を、がんの治療において、放射線療法および/または外科的介入とともに使用してもよい。
【0322】
一般的に、本発明の化合物または組成物との併用での細胞傷害性のおよび/または細胞増殖抑制剤の使用は:
(1)いずれかの薬剤単独の投与と比べて、腫瘍の成長の低減においてより良好な有効性を得る、もしくはさらに腫瘍を消失させる、
(2)投与される化学療法剤がより少ない量での投与を提供する、
(3)患者における耐容性が良好であり、単独薬剤での化学療法および特定の他の併用療法で観察される場合よりも有害な薬理学的合併症が少ない化学療法治療を提供する、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて、より広域の種々のがんの型の治療を提供する、
(5)治療患者間で、より応答率を得る、
(6)治療患者間で、標準的な化学療法治療と比べて、より長期の生存期間を得る、
(7)腫瘍が進行する時間をより長くする、および/または
(8)他のがん併用薬剤で拮抗作用がもたらされる既知の場合と比べて、単独使用される薬剤のものと少なくとも同等に良好な有効性および耐容性の結果を得る
ために有用である。
【0323】
さらに、式(I)の化合物をそのままで、または組成物で、研究および診断において、または分析の参照標準(当該技術分野でよく知られている)などとして使用してもよい。
【0324】
本発明による化合物は、全身および/または局所的に作用するものであり得る。この目的のため、該化合物は適切な様式で、例えば、経口、非経口、経肺、経鼻、舌下、経舌、口腔内、直腸、経真皮、経皮、経結膜もしくは経耳経路などによって、または埋入物もしくはステントとして投与され得る。
【0325】
これらの投与経路のために、本発明による化合物を適切な適用形態で投与することが可能である。
【0326】
経口投与に好適なのは、先行技術において報告されているように奏功し、本発明による化合物を速やかに、および/または修飾形態で送達する投与形態、結晶性および/または非晶質および/または溶解形態の本発明による化合物を含む投与形態、例えば、錠剤(コートまたは非コート、例えば、腸溶性コーティングまたは溶解が遅いか、もしくは不溶性であり、本発明による化合物の放出を制御するコーティングが施された錠剤)、口腔内で速やかに分解する錠剤、あるいはフィルム剤/オブラート剤、フィルム剤/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、硬または軟ゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳濁剤、懸濁剤、エーロゾル剤または液剤などである。
【0327】
非経口投与は、吸収工程を回避して行ってもよく(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内または管腔内)、吸収を含めて行ってもよい(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、液剤、懸濁剤、乳濁剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤の形態の注射および輸注用調製物である。
【0328】
その他の投与経路に好適な例は、吸入用医薬形態(とりわけ、粉末吸入器、ネブライザ)、鼻用の滴剤/液剤/スプレー剤;経舌、舌下もしくは口腔内投与される錠剤、フィルム剤/オブラート剤またはカプセル剤、坐剤、目または耳用の調製物、経膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振って使用する混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム剤、経皮治療系(例えば、湿布薬など)、乳剤、ペースト剤、フォーム剤、粉剤、埋入物またはステントである。
【0329】
本発明による化合物は、記載の投与形態に変換することができる。これは、それ自体は既知の様式で、不活性で無毒性の医薬に適した佐剤と混合することにより行うことができる。このような佐剤としては、とりわけ、担体(例えば、微晶質セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液状ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散化剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然のポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸など)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄など)ならびに矯味剤および/または矯臭剤が挙げられる。
【0330】
さらに、本発明により、少なくとも1種類の本発明による化合物を、通常、1種類以上の不活性で無毒性の医薬に適した佐剤と一緒に含む医薬、および上記の目的のためのその使用を提供する。
【0331】
本発明の化合物を医薬品としてヒトまたは動物に投与する場合、単独で投与してもよく、または、例えば、0.1%〜99,5%(より好ましくは0.5%〜90%)の活性成分を1種類以上の不活性で無毒性の医薬に適した佐剤との組合せで含む医薬組成物として投与してもよい。
【0332】
選択される投与経路に関係なく、一般式(I)の本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は薬学的に許容され得る投薬形態に、当業者に知られた慣用的な方法によって製剤化される。
【0333】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルおよび投与期間は、具体的な患者に対して該患者に毒性とならずに所望の治療応答が得られるのに有効な活性成分の量が得られるように変更され得る。
【0334】
材料および方法:
以下の試験および実施例におけるパーセンテージデータは、特に記載のない限り、重量基準のパーセンテージである;部は重量部である。溶媒の比、希釈比および液/液溶液の濃度データは、各場合において容量ベースである。
【0335】
実施例を、選択した生物学的アッセイにおいて1回以上試験した。1回より多く試験する場合、データは平均値または中央値のいずれかとして報告しており、ここで
・平均値は、算術平均値とも称され、得られた値の合計を試験回数で除算したものを表す、
・中央値は、昇順または降順に並べたとき、値の群の真ん中の数値を表す。データセット内の値の数が奇数である場合、中央値は真ん中の値である。データセット内の値の数が偶数である場合、中央値は真ん中の2つの値の算術平均である。
【0336】
実施例は1回以上合成した。1回より多く合成した場合、生物学的アッセイのデータは、1つ以上の合成バッチの試験で得られたデータセットを用いて計算した平均値または中央値を表す。
【0337】
化合物のインビトロ薬理学的特性は以下のアッセイおよび方法に従って測定され得る。
【0338】
1a.CDK9/CycT1キナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載のCDK9/CycT1 TR−FRET アッセイを用いて定量した:
組換え完全長Hisタグ化ヒトCDK9およびCycT1(昆虫細胞において発現させ、Ni−NTAアフィニティクロマトグラフィーによって精製したもの)はInvitrogenから購入した(カタログ番号PV4131)。キナーゼ反応の基質として、ビオチン標識ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド形態のC末端)を使用した。これは、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin,Germany)から購入することができる。
【0339】
アッセイのため、試験化合物の50nlの100倍濃縮溶液(DMSO中)を黒色の小容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)内にピペッティングし、水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0,10mM MgCl
2,1.0mMジチオトレイトール,0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム,0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中、CDK9/CycT1の2μlの溶液を添加し、混合物を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予備結合させた。次いで、キナーゼ反応を、アッセイバッファー中、アデノシン三リン酸(ATP,16.7μM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.67μM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は1μMである)の3μlの溶液の添加によって開始させ、得られた混合物を22℃で25分の反応時間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて(depending of)調整し、アッセイが線形範囲になるように適切に選択し、典型的な濃度は1μg/mLの範囲にした。反応を、水性EDTA水溶液(100mM EDTA,100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中、TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays,Codolet,France]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)−抗体(BD Pharmingen[# 558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer,製品番号AD0077])の5μlの溶液の添加によって停止した。
【0340】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン標識ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。続いて、リン酸化基質の量を、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー転移の測定によって評価した。したがって、350nmでの励起後の620nmおよび665nmにおける蛍光発光を、HTRFリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies,Offenburg,Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)において測定した。665nmおよび622nmにおける発光の比をリン酸化基質の量の測量値とみなした。データを正規化した(阻害薬なしの酵素反応=0%阻害、酵素以外すべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続希釈物は、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3.4の連続希釈によって別々に調製)で、各濃度について二連の値で試験し、IC
50値を、所内ソフトウェアを用いた4パラメータフィッティングによって計算した。
【0341】
1b.CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ
酵素と試験化合物のプレインキュベーション後の本発明の化合物の高ATP濃度におけるCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載のCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量した。
【0342】
組換え完全長Hisタグ化ヒトCDK9およびCycT1(昆虫細胞において発現させ、Ni−NTAアフィニティクロマトグラフィーによって精製したもの)はInvitrogenから購入した(カタログ番号PV4131)。キナーゼ反応の基質として、ビオチン標識ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド形態のC末端)を使用した。これは、例えば、JERINI peptide technologies社(Berlin,Germany)から購入することができる。
【0343】
アッセイのため、試験化合物の50nlの100倍濃縮溶液(DMSO中)を黒色の小容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)内にピペッティングし、水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0,10mM MgCl
2,1.0mMジチオトレイトール,0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム,0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中、CDK9/CycT1の2μlの溶液を添加し、混合物を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予備結合させた。次いで、キナーゼ反応を、アッセイバッファー中、アデノシン三リン酸(ATP,3.3mM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は2mMである)および基質(1.67μM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は1μMである)の3μlの溶液の添加によって開始させ、得られた混合物を22℃で25分の反応時間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲になるように適切に選択し、典型的な濃度は0.5μg/mLの範囲にした。反応を、EDTA水水溶液(100mM EDTA,100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中、TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays,Codolet,France]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)−抗体(BD Pharmingen[# 558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer,製品番号AD0077])の5μlの溶液の添加によって停止した。
【0344】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン標識ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。続いて、リン酸化基質の量を、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー転移の測定によって評価した。したがって、350nmでの励起後の620nmおよび665nmにおける蛍光発光を、HTRFリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies,Offenburg,Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)において測定した。665nmおよび622nmにおける発光の比をリン酸化基質の量の測量値とみなした。データを正規化した(阻害薬なしの酵素反応=0%阻害、酵素以外すべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続希釈物は、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3.4の連続希釈によって別々に調製)で、各濃度について二連の値で試験し、IC
50値を、所内ソフトウェアを用いた4パラメータフィッティングによって計算した。
【0345】
2.CDK2/CycE キナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、以下の段落に記載のCDK2/CycE TR−FRETアッセイを用いて定量した:
GSTとヒトCDK2およびGSTとヒトCycEの組換え融合タンパク質(昆虫細胞(Sf9)において発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティクロマトグラフィーによって精製したもの)はProQinase GmbH(Freiburg,Germany)から購入した。キナーゼ反応の基質として、ビオチン標識ペプチドであるビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド形態のC末端)を使用した。これは、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin,Germany)から購入することができる。
【0346】
アッセイのため、試験化合物の50nlの100倍濃縮溶液(DMSO中)を黒色の小容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)内にピペッティングし、水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH8.0,10mM MgCl
2,1.0mMジチオトレイトール,0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム,0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中、CDK2/CycEの2μlの溶液を添加し、混合物を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予備結合させた。次いで、キナーゼ反応を、アッセイバッファー中、アデノシン三リン酸(ATP,16.7μM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.25μM=>5μlアッセイ容量中の終濃度は0.75μMである)の3μlの溶液の添加によって開始させ、得られた混合物を22℃で25分の反応時間インキュベートした。CDK2/CycEの濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲になるように適切に選択し、典型的な濃度は130ng/mLの範囲にした。反応を、EDTA水水溶液(100mM EDTA,100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中、TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays,Codolet,France]および1nM抗RB(pSer807/pSer811)−抗体(BD Pharmingen[# 558389])および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer,製品番号AD0077])の5μlの溶液の添加によって停止した。
【0347】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン標識ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。続いて、リン酸化基質の量を、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー転移の測定によって評価した。したがって、350nmでの励起後の620nmおよび665nmにおける蛍光発光を、TR−FRETリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies,Offenburg,Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)において測定した。665nmおよび622nmにおける発光の比をリン酸化基質の量の測量値とみなした。データを正規化した(阻害薬なしの酵素反応=0%阻害、酵素以外すべての他のアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、連続希釈物は、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3.4の連続希釈によって別々に調製)で、各濃度について二連の値で試験し、IC
50値を、所内ソフトウェアを用いた4パラメータフィッティングによって計算した。
【0348】
3.増殖アッセイ:
培養腫瘍細胞(HeLa,ヒト子宮頚部腫瘍細胞,ATCC CCL−2;NCI−H460,ヒト非小細胞肺癌細胞,ATCC HTB−177;A2780,ヒト卵巣癌細胞,ECACC # 93112519;DU 145,ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞,ATCC HTB−81;HeLa−MaTu−ADR,多剤耐性ヒト子宮頚癌細胞,EPO−GmbH Berlin;Caco−2,ヒト結腸直腸癌細胞,ATCC HTB−37;B16F10,マウス黒色腫細胞,ATCC CRL−6475)を、5,000細胞/ウェル(DU145,HeLa−MaTu−ADR)、3,000細胞/ウェル(NCI−H460,HeLa)、2,500細胞/ウェル(A2780)、1,500細胞/ウェル(Caco−2)または1,000細胞/ウェル(B16F10)の密度で、96ウェルマルチタイタープレート内の200μLのそれぞれの増殖培地(10%ウシ胎仔血清を補給)中にプレーティングした。24時間後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞をクリスタルバイオレットで染色し(下記参照)、一方、その他のプレートの培地は新鮮培養培地(200μl)で置き換え、これに、試験物質を種々の濃度(0μM、ならびに0.001〜10μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの終濃度は0.5%であった)で添加した。細胞を試験物質の存在下で4日間インキュベートした。細胞増殖を、細胞をクリスタルバイオレットで染色することにより測定した:細胞を、20μl/測定点の11%グルタルアルデヒド溶液の添加によって室温で15分間固定した。固定細胞の水での3回の洗浄サイクル後、プレートを室温で乾燥させた。細胞を、100μl/測定点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH3.0)の添加によって染色した。染色細胞の水での3回の洗浄サイクル後、プレートを室温で乾燥させた。染料を、100μl/測定点の10%酢酸溶液の添加によって溶解させた。吸光度を595nmの波長での測光によって測定した。細胞数の変化(単位:パーセント)を、ゼロ点プレートの吸光度値(=0%)および未処理(0μm)細胞の吸光度(=100%)に対する測定値の正規化によって計算した。IC
50値(最大効果の50%の阻害濃度)を4パラメータフィッティングによって求めた。
【0349】
非接着MOLM−13ヒト急性骨髄性白血病細胞(DSMZ ACC 554)を5,000細胞/ウェルの密度で、96ウェルマルチタイタープレート内の100μLの増殖培地(10%ウシ胎仔血清を補給)中に播種した。24時間後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞バイアビリティをCell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)で測定し、一方、50μLの試験化合物含有培地をその他のプレートのウェルに添加した(0.001〜10μMの範囲の終濃度およびDMSO対照;溶媒ジメチルスルホキシドの終濃度は0.5%であった)。72時間の曝露後、Cell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)で細胞バイアビリティを評価した。IC
50値(最大効果の50%の阻害濃度)を、ビヒクル(DMSO)処理細胞(=100%)および化合物曝露の直前に得た測定示度(=0%)に対して正規化した測定データに対する4パラメータフィッティングによって測定した。
【0350】
物質は、記載の適応症である以下の細胞株において例示的な様式で試験した:
【表1】
【0351】
[実施例]
調製例
化合物の合成
本発明による5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体の合成は、好ましくは、スキーム1に示す一般合成シーケンスに従って行われる。
【化28】
【0352】
第1工程では、2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(1;CAS#884494−49−9)を式(2)のボロン酸誘導体R
2−B(OR)
2と反応させて式(3)の化合物を得る。ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)もしくはボロン酸のエステル、例えばそのイソプロピルエステル(R=−CH(CH
3)
2)、またはボロン酸中間体がベンゾフラン−7−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH
3)
2−C(CH
3)
2−)を形成するピナコールから誘導されるエステルであり得る。
【0353】
カップリング反応はパラジウム触媒によって、例えば、Pd(0)触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd
2(dba)
3]など)、またはPd(II)触媒(ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh
3)
2Cl
2]、酢酸パラジウム(II)とトリフェニルホスフィンなど)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドによって触媒される。
【0354】
反応は好ましくは、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、DME、THFまたはイソプロパノールと水などの溶媒混合物中で、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなどの塩基の存在下にて行われる(概説:D.G.Hall,Boronic Acids,2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim,ISBN 3−527−30991−8およびこれに挙げられた参考文献)。
【0355】
反応は、室温(すなわち、およそ20℃)からそれぞれの溶媒の沸点までの範囲の温度で行われる。この先、反応は、該沸点より上の温度で圧力管およびマイクロ波加熱炉を用いて行われ得る。反応は好ましくは1〜36時間の反応時間後に終了する。
【0356】
第2工程では、式(3)の化合物を式(4)(式中、R
1、R
3およびR
4は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)の適切なピリジン−2−アミンと反応させて式(5)の化合物を得る。式(4)の前記ピリジン−2−アミンは、当業者によく知られた市販の出発物質、例えば適切なピリジン−4−カルボン酸から、標準的な官能基の変換によって、例えば、前記カルボン酸を対応するヒドロキシメチル基に還元した後、例えばナトリウムメタンチオラートを用いて例えば塩素化および求核置換を行うこと(C−4に結合させるチオエーテル部分を導入するための本実験セクションに詳細に記載のとおり)によって調製され得る。式(4)の化合物に存在するアミノ基は、例えば2,6−ジフルオロピリジンとアンモニアとの反応によって導入され得る(本実験セクションおよび国際公開第2006/076131号参照)。(3)と(4)のカップリング反応は、パラジウム触媒型C−Nクロスカップリング反応によって行われ得る(C−Nクロスカップリング反応に関する概説については、例えば:a)L.Jiang,S.L.Buchwald in「Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions」,第2版.:A.de Meijere,F.Diederich編:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照のこと)。
【0357】
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)および炭酸セシウム(ジオキサン中)の本明細書における記載の使用が好ましい。反応は好ましくは、アルゴン下で3〜48時間、100℃にてマイクロ波加熱炉内または油浴中で実施される。
【0358】
第3工程では、式(5)の化合物のイミン化によって対応する式(6)のスルフィルイミンを得る(例えば:a)C.Bolm et al,Organic Letters,2004,6,1305;b)J.Krueger et al,国際公開第2012/038411号参照)。前記イミン化は、式(5)の化合物をトリフルオロアセトアミドおよび適切な酸化剤(1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインなど)と、塩基(アルカリアルコキシド、好ましくはナトリウムtert−ブトキシドなど)の存在下、適切な溶媒(環状エーテルなど、例えばジオキサンまたはテトラヒドロフラン)中で反応させることにより行われる。
【0359】
式(6)のスルフィルイミンの酸化の後、トリフルオロアセチル基の脱保護を行ってもよく、式(I)のN−非保護スルホキシイミンが得られる(例えば:a)A.Plant et al,国際公開第2006/037945号;b)J.Krueger et al,国際公開第2012/038411号参照)。前記酸化は、式(6)の化合物を好ましくはペルオキソモノスルフェート系酸化剤(Oxone(登録商標)(CAS番号37222−66−5)など)と11より下のpHで、好ましくは中性pH範囲で反応させ、R
5がトリフルオロアセチル(−C(O)CF
3)を表す式(I)の化合物(これは、同時に形成されるNH−スルホキシイミン(式中のR
5が水素を表す)からクロマトグラフィーによって分離することができる)を得ることによって行われ、該方法において、前記トリフルオロアセチル基の完全な切断は、適切なアルコール(例えば、脂肪族アルコールC
1〜C
6−アルキル−OH)中、好ましくはメタノール中に入れたアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは炭酸カリウムでの処理によって行われ得る。代替の酸化方法としては、限定されないが、アセトンなどの低級脂肪族ケトン中に入れた過マンガン酸カリウムの使用が挙げられる。
【0360】
式(I)のN−非保護スルホキシイミンを反応させると式(I)のN−官能基化誘導体が得られ得る。スルホキシイミン基の窒素の官能基化によるN−官能基化スルホキシイミンの調製方法は数多く存在する:
−アルキル化:例えば:a)U.Luecking et al,米国特許出願公開2007/0232632号明細書;b)C.R.Johnson,J.Org.Chem.1993,58,1922;c)C.Bolm et al,Synthesis 2009,10,1601を参照のこと。
【0361】
−アシル化:例えば:a)C.Bolm et al,Chem.Europ.J.2004,10,2942;b)C.Bolm et al,Synthesis 2002,7,879;c)C.Bolm et al,Chem.Europ.J.2001,7,1118を参照のこと。
【0362】
−アリール化:例えば:a)C.Bolm et al,Tet.Lett.1998,39,5731;b)C.Bolm et al.,J.Org.Chem.2000,65,169;c)C.Bolm et al,Synthesis 2000,7,911;d)C.Bolm et al,J.Org.Chem.2005,70,2346;e)U.Luecking et al,国際公開第2007/71455号を参照のこと。
【0363】
−イソシアネートとの反応:例えば:a)V.J.Bauer et al,J.Org.Chem.1966,31,3440;b)C.R.Johnson et al,J.Am.Chem.Soc.1970,92,6594;c)S.Allenmark et al,Acta Chem.Scand.Ser.B 1983,325;d)U.Luecking et al,米国特許出願公開2007/0191393号明細書を参照のこと。
【0364】
−スルホニルクロリドとの反応:例えば:a)D.J.Cram et al,J.Am.Chem.Soc.1970,92,7369;b)C.R.Johnson et al,J.Org.Chem.1978,43,4136;c)A.C.Barnes,J.Med.Chem.1979,22,418;d)D.Craig et al,Tet.1995,51,6071;e)U.Luecking et al,米国特許出願公開2007/191393号明細書を参照のこと。
【0365】
−クロロホルミエート(chloroformiate)との反応:例えば:a)P.B.Kirby et al,DE2129678;b)D.J.Cram et al,J.Am.Chem.Soc.1974,96,2183;c)P.Stoss et al,Chem.Ber.1978,111,1453;d)U.Luecking et al,国際公開第2005/37800号を参照のこと。
【0366】
−臭化シアンとの反応:例えば:a)D.T.Sauer et al,Inorganic Chemistry 1972,11,238;b)C.Bolm et al,Org.Lett.2007,9,2951;c)U.Luecking et al,国際公開第2011/29537号を参照のこと。
【0367】
あるいはまた、式(5)の中間体は、スキーム1aに概略を示したようにして、式(3)の中間体(これはスキーム1において上記に概略を示したようにして得られ得る)をヘキサメチルジシラザンリチウムと反応させて対応する式(3a)のピリジン−2−アミンを得ることによって得られ得る。続いて、式(3a)の前記ピリジン−2−アミンを式(4a)(式中、R
1、R
3およびR
4 は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)の2−クロロピリジンと、式(3)と(4)の化合物のカップリングについて上記のC−Nカップリング反応において反応させて式(5)のビス−ピリジンアミン中間体を得、これはさらに、スキーム1に概略を示したようにして本発明の化合物に変換され得る。式(4a)の2−クロロピリジンは、市販の出発物質から当業者に知られた方法を用いて、例えば、式(4)の化合物の合成について記載のようにして、より詳細には実験のセクションに記載のようにして調製され得る。
【化29】
【0368】
本発明による5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体の代替のさらなる合成アプローチの一例をスキーム2に示す。
【化30】
【0369】
第1工程において、式(3)(式中、R
2は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)の化合物を式(7)(式中、R
3およびR
4は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)の適切なピリジン−2−アミンと反応させると式(8)の化合物が得られ得る。このカップリング反応は、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)および炭酸セシウム(ジオキサン中)を使用するパラジウム触媒型C−Nクロスカップリング反応によって行われ得る(C−Nクロスカップリング反応に関する概説については、例えば:a)L.Jiang,S.L.Buchwald in「Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions」,第2版.:A.de Meijere,F.Diederich編:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照のこと)。
【0370】
式(7)のピリジン−2−アミンは一部の特定の場合において市販のものであるか、または当業者に知られた方法によって、例えば、対応するカルボン酸もしくはそのエステルの還元によって調製され得る。
【0371】
第2工程では、式(8)(式中、R
2、R
3およびR
4は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)の化合物が式(9)(式中、R
2、R
3およびR
4は一般式(I)の化合物について規定したとおりであり、LGは脱離基、好ましくはクロロまたはブロモを表す)の化合物に、例えば、塩化ベンジル誘導体(LG=Cl)の形成のためには塩化チオニル(NMPまたはDMFとDCM中)を用いて変換され得る。臭化ベンジル誘導体(LG=Br)の形成は、テトラブロモメタンとトリフェニルホスファン(DCM中)の使用により可能である(例えば:Polla et al,Bioorganic and Medicinal Chemistry,2004,12,1151参照)。
【0372】
第3工程では、式(9)の化合物が式(5)(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は一般式(I)の化合物について規定したとおりである)のチオエーテルに、式(10)(式中、R
1は式(I)の化合物について規定したとおりである)の適切なチオールとの塩基性条件下での反応によって変換され、式(5)の対応するチオエーテルが得られ得る(例えば:Sammond et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.2005,15,3519参照)。式(10)のチオールは当業者に知られており、かなり多様な種類が市販されている。
【0373】
最終工程では、式(5)のチオエーテルがスキーム1に記載の式(I)の対応するスルホキシイミンに変換される。
【0374】
化合物の調製:
化学反応の説明および以下の実施例に使用している略号は:
br(ブロード);CDCl
3(重水素化クロロホルム);cHex(シクロヘキサン);d(二重項);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジ−イソ−プロピルエチルアミン);DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);eq(当量);ES(エレクトロスプレー);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);iPrOH(イソ−プロパノール);mCPBA(メタ−クロロペルオキシ安息香酸)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール);MS(質量分析);NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NMR(核磁気共鳴);p(五重項);Oxone(登録商標)(三重塩2KHSO
5*KHSO
4*K
2SO
4)、Pd(dppf)Cl
2(ジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)錯体);iPrOH(イソ−プロパノール);q(四重項);RT(室温);s(一重項);sat.aq.(飽和水性);SiO
2(シリカゲル);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン);tr(三重項)である。
【0375】
実施例のIUPAC名は、プログラム「ACD/Name batchバージョン12.01」(ACD LABS製)を用いて作成した。
【0376】
[実施例1]:
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化31】
【0377】
[実施例2]:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−フルオロ−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
【化32】
【0378】
中間体1.1の調製:
2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン
【化33】
【0379】
アルゴン雰囲気下、2−クロロ−5−フルオロ−4−ヨードピリジン(614mg;2.26mmol;Manchester Organics,CAS番号884494−49−9)、(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ボロン酸(472mg;2.49mmol;ABCR,CAS番号1204580−77−7)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(185mg;0.23mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)と炭酸カリウム(3.39mL)の2M水溶液および1,2−ジメトキシエタン(11.78mL)との混合物を40℃で90分間撹拌した。冷却した後、バッチを水に注入し、酢酸エチルで希釈した。相分離後、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を希釈塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。エバポレーション後、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)によって精製し、標題化合物(257mg;0.97mmol)を得た。
【0380】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=8.63(d,1H),8.17(d,1H),7.90(d,1H),7.61(dd,1H),7.31(dd,1H),7.22(d,1H)。
【0381】
中間体1.2の調製:
(2,6−ジフルオロピリジン−4−イル)メタノール
【化34】
【0382】
2,6−ジフルオロピリジン−4−カルボン酸(5.32g;32.8mmol;Matrix Scientific,CAS番号88912−23−6)のTHF(85mL)撹拌溶液に0℃で、THF(13.2mL;131.2mmol)中ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1M溶液を添加した。混合物をRTで一晩反応させた。次いで、MeOH(15.9mL)を撹拌混合物に、氷浴で冷却しながら注意深く添加した。バッチを酢酸エチルで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N)と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮し、標題化合物(4.85g)を得た。
【0383】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=7.06(s,2H),5.68(t,1H),4.62(d,2H)。
【0384】
中間体1.3の調製:
(2−アミノ−6−フルオロピリジン−4−イル)メタノール
【化35】
【0385】
(2,6−ジフルオロピリジン−4−イル)メタノール(330mg;2.27mmol,中間体1.2)とアンモニアの33%w/w水溶液(19.8ml)の混合物をマイクロ波管内に入れた。混合物を110℃で6時間、密封管内でマイクロ波照射下にて反応させた。次いで、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。エバポレーション後、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、標題化合物(209mg,1.41mmol)を得た。
【0386】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.28(dd,1H),6.22(s,2H),5.99(s,1H),5.28(t,1H),4.37(d,2H)。
【0387】
中間体1.4の調製:
4−(クロロメチル)−6−フルオロピリジン−2−アミン
【化36】
【0388】
(2−アミノ−6−フルオロピリジン−4−イル)メタノール(194mg;1.36mmol,中間体1.3)のDCM(6.6ml)/NMP(0.44ml)撹拌溶液に0℃で、塩化チオニル(0.25mL;3.41mmol)を滴下した。混合物を室温で一晩反応させた。バッチを重炭酸ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機相を濾過し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、所望の生成物(161mg;0.94mmol)を得た。
【0389】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.45(s,1H),6.34(d,1H),6.13(s,1H),4.61(s,2H)。
【0390】
中間体1.5の調製:
6−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン
【化37】
【0391】
ナトリウムメタンチオラート(99mg;1.34mmol)を、4−(クロロメチル)−6−フルオロピリジン−2−アミン(110mg;0.67mmol,中間体1.4)のエタノール(5.5mL)撹拌溶液(0℃)に添加した。冷却浴を外し、バッチを室温で3時間撹拌した。バッチを飽和塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮し、所望の生成物(117mg)を得た。
【0392】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.29(s,2H),6.24(d,1H),6.04(s,1H),3.54(s,2H),1.97(s,3H)。
【0393】
中間体1.6の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化38】
【0394】
6−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(206mg;1.2mmol;中間体1.5について記載のとおりに調製)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(255mg;0.96mmol;中間体1.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(79mg;0.096mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(45.7mg;0.096mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(1.01g;4.8mmol)のトルエン(25.4ml)およびNMP(2.5mL)中混合物をアルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却した後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(295mg;0.68mmol)を得た。
【0395】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.13(s,1H),8.41(d,1H),8.15(d,1H),7.93(d,1H),7.58(s,1H),7.53(dd,1H),7.30(dd,1H),7.21(d,1H),6.53(s,1H),3.71(s,2H),2.02(s,3H)。
【0396】
中間体1.7の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−フルオロ−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド
【化39】
【0397】
アルゴン雰囲気下、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(29mg;1.34mmol)のジオキサン(3mL)溶液をナトリウムtert−ブトキシド(66.5mg;0.67mmol)のジオキサン(3mL)溶液に、混合物の温度が10℃より下に維持されるように滴下した。続いて、新たに調製した1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(144mg;0.5mmol)のジオキサン(3mL)溶液を撹拌混合物に、混合物の温度が10℃より下に維持されるように滴下した。次いで、混合物を周囲温度で10分間撹拌した。最後に、5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(290mg;0.67mmol,中間体1.6)のジオキサン(3mL)溶液を撹拌混合物に滴下した。混合物を30分間撹拌した。バッチを酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)を添加した。バッチを酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を塩化ナトリウムの水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(287mg;0.53mmol)を得た。
【0398】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.30(s,1H),8.39(d,1H),8.16(d,1H),7.87(d,1H),7.69(s,1H),7.54(dd,1H),7.33−7.26(m,1H),7.22(d,1H),6.54(s,1H),4.67−4.44(m,2H),2.82(s,3H)。
【0399】
最終生成物の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−フルオロ−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド(100mg;0.183mmol,中間体1.7)のメタノール(7mL)水(0.2mL)溶液に、Oxone(登録商標)(95.8mg;0.156mmol)の水(0.58mL)溶液を添加した。必要であれば、水酸化カリウムの水溶液(5%)の添加によってpHを6.8〜7.2に維持した。混合物を60分間撹拌した。さらに2回の分割量のOxone(登録商標)(2×45mg;2×0.074mmol)を90分間および120分間の反応時間後に添加した。混合物のpHを常時6.8〜7.2に維持した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−フルオロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(17.4mg;0.04mmol;実施例1)と(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−フルオロ−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
4−スルファニリデン}アセトアミド(42.8mg;0.08mmol;実施例2)を得た。
【0400】
実施例1:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.21(s,1H),8.40(d,1H),8.15(d,1H),7.93(d,1H),7.63(s,1H),7.53(dd,1H),7.30(dd,1H),7.21(d,1H),6.64(s,1H),4.45(s,2H),3.87(br.s.,1H),2.91(s,3H)。
【0401】
実施例2:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.35(s,1H),8.39(d,1H),8.16(d,1H),7.88(d,1H),7.78(s,1H),7.54(dd,1H),7.31(dd,1H),7.22(d,1H),6.64(s,1H),5.17(s,2H),3.56(s,3H)。
【0402】
[実施例3]:
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化40】
【0403】
[実施例4]:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]アセトアミド
【化41】
【0404】
中間体3.1の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン
【化42】
【0405】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF溶液(1M;2.03mL;2.03mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(270mg;1.02mmol,中間体1.1について記載のとおりに調製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18.6mg;0.02mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(19.3mg;0.04mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)のTHF(2mL)中混合物に、アルゴン雰囲気下で室温にて添加した。混合物を60℃で6時間撹拌した。混合物を−20℃まで冷却し、水(10ml)を添加した。混合物を撹拌下で室温までゆっくり昇温させ、固体塩化ナトリウムを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機相をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(133mg;0.47mmol)を得た。
【0406】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=8.13(d,1H),8.01(d,1H),7.44(ddd,1H),7.24(dd,1H),7.18(d,1H),6.67(d,1H),5.99(s,2H)。
【0407】
中間体3.2の調製:
2−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン
【化43】
【0408】
ナトリウムメタンチオラート(254mg;3.6mmol)を、2−クロロ−4−(クロロメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(490mg;1.18mmol;Anichem LLC;CAS番号1196154−47−8)のエタノール(15mL)撹拌溶液(0℃)に添加した。冷却浴を外し、バッチを室温で3時間撹拌した。バッチを飽和塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2回)。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮し、粗製生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)による精製により標題化合物(446mg;1.68mmol)を得た。
【0409】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=7.91(s,1H),7.82(s,1H),3.84(s,2H),1.97(s,3H)。
【0410】
中間体3.3の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化44】
【0411】
2−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(100mg;0.35mmol,中間体3.2)、5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン(125mg;0.442mmol,中間体3.1)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(29mg;0.035mmol;ABCR GmbH & CO.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(16.8mg;0.035mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(375mg;1.76mmol)のトルエン(9.4ml)およびNMP(0.94mL)中混合物をアルゴン雰囲気下、110℃で180分間撹拌した。冷却した後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(140mg;0.29mmol)を得た。
【0412】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.35(s,1H),8.43(d,1H),8.25(d,1H),8.13(d,1H),7.80(s,1H),7.53(dd,1H),7.33−7.27(m,2H),7.21(d,1H),3.78(s,2H),2.02(s,3H)。
【0413】
中間体3.4の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド
【化45】
【0414】
アルゴン雰囲気下、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(61.4mg;0.527mmol)のジオキサン(2mL)溶液をナトリウムtert−ブトキシド(26.1mg;0.26mmol)のジオキサン(2mL)溶液に、混合物の温度が10℃より下に維持されるように滴下した。続いて、新たに調製した1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(56.5mg;0.198mmol)のジオキサン(2mL)溶液を撹拌混合物に、混合物の温度が10℃より下に維持されるように滴下した。次いで、混合物を周囲温度で10分間撹拌した。最後に、5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(128mg;0.264mmol,中間体3.3)のジオキサン(2mL)溶液を撹拌混合物に滴下した。混合物を30分間撹拌した。バッチを酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)を添加した。バッチを酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を塩化ナトリウムの水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(109mg;0.18mmol)を得た。
【0415】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.52(s,1H),8.41(d,1H),8.16(d,1H),8.13(d,1H),7.93(s,1H),7.53(dd,1H),7.31(dd,1H),7.25(d,1H),7.21(d,1H),4.77−4.48(m,2H),2.83(s,3H)。
【0416】
最終生成物の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド(98mg;0.162mmol,中間体3.4)のメタノール(7mL)/水(0.2mL)溶液に、Oxone(登録商標)(84.6mg;0.137mmol)の水(0.58mL)溶液を添加した。必要であれば、水酸化カリウムの水溶液(5%)の添加によってpHを6.8〜7.2に維持した。混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(40.2mg;0.08mmol;実施例3)と(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン]アセトアミド(20.3mg;0.04mmol;実施例4)を得た。
【0417】
実施例3:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.43(s,1H),8.42(d,1H),8.24(d,1H),8.13(d,1H),7.88(s,1H),7.53(dd,1H),7.41(s,1H),7.35−7.27(m,1H),7.21(d,1H),4.53(s,2H),3.91(s,1H),2.92(s,3H)。
【0418】
実施例4:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.58(s,1H),8.41(d,1H),8.18(d,1H),8.13(d,1H),8.03(s,1H),7.54(dd,1H),7.36(s,1H),7.31(t,1H),7.22(d,1H),5.29−5.20(m,2H),3.60(s,3H)。
【0419】
[実施例5]:
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化46】
【0420】
[実施例6]:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
【化47】
【0421】
中間体5.1の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化48】
【0422】
4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(1.3g;8.47mmol;UkrOrgSynthesis Ltd.,CAS番号179554−98−4)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(1.8g;6.77 mmol;中間体1.1参照)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(560mg;0.678mmol;ABCR GmbH & Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(323mg;0.678mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)およびリン酸カリウム(7.19g;33.87mmol)のトルエン(180mL)およびNMP(18mL)中混合物をアルゴン雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。冷却した後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(2.63g;6.52mmol)を得た。
【0423】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.85(s,1H),8.37(d,1H),8.18−8.08(m,3H),7.56−7.47(m,2H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.82(dd,1H),3.65(s,2H),2.01(s,3H)。
【0424】
中間体5.2の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド
【化49】
【0425】
アルゴン雰囲気下、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(1.513g;12.98mmol)のジオキサン(50mL)溶液をナトリウムtert−ブトキシド(643.1mg;6.49mmol)のジオキサン(50mL)溶液に滴下した。続いて、新たに調製した1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(1.39g;0.5mmol)のジオキサン(50mL)溶液を撹拌混合物に滴下した。次いで、混合物を周囲温度で10分間撹拌した。最後に、5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(2.62g;6.49mmol;中間体5.1)のジオキサン(50mL)溶液を撹拌混合物に滴下した。混合物を60分間撹拌した。バッチを酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)を添加した。バッチを酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を塩化ナトリウムの水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、標題化合物(2.2g;3.84mmol)を得た。
【0426】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.01(s,1H),8.35(d,1H),8.21(d,1H),8.16(d,1H),8.05(d,1H),7.66(s,1H),7.52(dd,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.83(dd,1H),4.62−4.40(m,2H),2.80(s,3H)。
【0427】
最終生成物の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ4−スルファニリデン]アセトアミド(2.01g;3.82mmol,中間体5.2)のメタノール(280mL)水(5mL)溶液に、Oxone(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウムを含む)(2.93g;4.77mmol)の水(14mL)溶液を添加した。必要であれば、水酸化カリウムの水溶液(5%)の添加によってpHを7.5に維持した。混合物を25分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機相を亜硫酸ナトリウムの水溶液(10%)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/MeOH)によって精製し、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(121mg;0.21mmol;実施例5)と(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}−アセトアミド(1.09g;2.14mmol;実施例6)を得た。
【0428】
実施例5:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.92(s,1H),8.36(d,1H),8.20−8.15(m,2H),8.13(d,1H),7.60(s,1H),7.52(dd,1H),7.33−7.26(m,1H),7.21(d,1H),6.93(dd,1H),4.44−4.32(m,2H),3.75(s,1H),2.89(s,3H)。
【0429】
実施例6:
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.06(s,1H),8.35(d,1H),8.25(d,1H),8.16(d,1H),8.06(d,1H),7.76(s,1H),7.53(dd,1H),7.30(dd,1H),7.21(d,1H),6.93(dd,1H),5.10(s,2H),3.54(s,3H)。
【0430】
実施例5の調製のための代替の手順:
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化50】
【0431】
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド(335mg;0.657mmol;実施例6)のメタノール(50mL)溶液に、炭酸カリウム(454mg;3.28mmol)を添加した。バッチを周囲温度で1時間撹拌した。メタノールを減圧除去し、得られた残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール)によって精製した後、エタノールから晶出させ、標題化合物(179mg;0.43mmol)を得た。
【0432】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.92(s,1H),8.36(d,1H),8.20−8.15(m,2H),8.13(d,1H),7.60(s,1H),7.52(dd,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.93(dd,1H),4.43−4.33(m,2H),3.75(s,1H),2.89(s,3H)。
【0433】
[実施例7]:
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化51】
【0434】
中間体7.1の調製:
(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール
【化52】
【0435】
2−クロロ−6−メチルイソニコチン酸(2g;11.1mmol;ACROS Organics,CAS番号25462−85−5)のTHF(29mL)撹拌溶液に0℃で、THF(33.2mL;33.2mmol)中ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1M溶液を添加した。混合物をRTで一晩反応させた。次いで、バッチをEtOAc(350mL)で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N;330mL)を添加した。相分離後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮し、標題化合物(1.67g)を得た。
【0436】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=7.19(d,1H),5.48(t,1H),4.51(d,2H),2.43(s,3H)。
【0437】
中間体7.2の調製:
(2−アミノ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール
【化53】
【0438】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF溶液(1M;12.69mL;12.69mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を、(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール(1g;6.34mmol,中間体3.1)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(116.6mg;0.127mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(120.9mg;0.254mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)のTHF(12.5mL)中混合物に、アルゴン雰囲気下で室温にて添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。混合物を−20℃まで冷却し、4〜6のp
H値に達するまで1M塩酸を添加した。混合物を撹拌下で室温までゆっくり昇温させ、10〜11のp
H値に調整するために水酸化ナトリウム水溶液(5N)を添加した。ブライン(150mL)の添加後、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製し、標題化合物(600mg;4.34mmol)を得た。
【0439】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=11.08−11.05(m,1H),6.26(s,1H),6.22(s,1H),5.69(s,2H),5.12(t,1H),4.31(d,2H),2.19(s,3H)。
【0440】
中間体7.3の調製:
4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン−2−アミン
【化54】
【0441】
(2−アミノ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール(306mg;2.22mmol,中間体7.2)のDCM(10.8mL)/NMP(0.72mL)撹拌溶液に0℃で塩化チオニル(0.4mL;5.54mmol)を滴下した。混合物を室温で一晩反応させた。バッチを重炭酸ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで抽出した(3回)。合わせた有機相を濾過し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗製物質をシリカゲルでのクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)によって精製し、所望の生成物(360mg;1.77mmol)を得た。
【0442】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.36(s,1H),6.27(s,1H),5.94(br.s.,2H),4.53(s,2H),2.24−2.20(m,3H)。
【0443】
中間体7.4の調製:
6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン
【化55】
【0444】
中間体7.4を、中間体1.5の調製に記載のものと同様の条件下で4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン−2−アミン(中間体7.3)を用いて調製した。
【0445】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.28(s,1H),6.16(s,1H),5.79(s,2H),3.46(s,2H),2.19(s,3H),1.95(s,3H)。
【0446】
中間体7.5の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化56】
【0447】
中間体7.5を、中間体1.6の調製に記載のものと同様の条件下で6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(中間体7.4)と2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(中間体1.1)を用いて調製した。
【0448】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.79(s,1H),8.35(d,1H),8.21(d,1H),8.17(d,1H),7.53(dd,1H),7.42(s,1H),7.33−7.25(m,1H),7.21(d,1H),6.70(s,1H),3.61(s,2H),2.34(s,3H),2.00(s,3H)。
【0449】
中間体7.6の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−メチルピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド
【化57】
【0450】
中間体7.6を、中間体1.7の調製に記載のものと同様の条件下で5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(中間体7.5)を用いて調製した。
【0451】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.96(s,1H),8.33(d,1H),8.17(d,1H),8.11(d,1H),7.57−7.50(m,2H),7.33−7.26(m,1H),7.21(d,1H),6.69(s,1H),4.54(d,1H),4.39(d,1H),2.79(s,3H),2.35(s,3H)。
【0452】
最終生成物の調製:
実施例7を、実施例1の調製に記載のものと同様の条件下で(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}−6−メチルピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド(中間体7.6)を用いて調製した。
【0453】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.86(s,1H),8.34(d,1H),8.20(d,1H),8.17(d,1H),7.54(dd,1H),7.48(s,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.80(s,1H),4.39−4.27(m,2H),3.72(s,1H),2.89(s,3H),2.36(s,3H)。
【0454】
[実施例8]:
(rac)−N−{6−エチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン
【化58】
【0455】
中間体8.1の調製:
2−クロロ−6−エチルピリジン−4−カルボン酸
【化59】
【0456】
オキシ塩化リン(19.8mL;213.1mmol)を6−エチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸(2.5g;14.2mmol;Manchester Organics Ltd.;CAS番号54881−17−3)に添加した。混合物を100℃で30分間加熱した。次いで、バッチを減圧下でエバポレートし、得られた残渣を氷水に添加した。混合物をDCMと酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮し、標題化合物を褐色固形物(2.6g;13.31mmol)として得た。
【0457】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=13.89(br.s.,1H),7.69(d,1H),7.64(d,1H),2.82(q,2H),1.23(t,3H)。
【0458】
中間体8.2の調製:
(2−クロロ−6−エチルピリジン−4−イル)メタノール
【化60】
【0459】
中間体8.2を、中間体7.1の調製に記載のものと同様の条件下で2−クロロ−6−エチルピリジン−4−カルボン酸(中間体8.1)を用いて調製した。
【0460】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=7.19(d,1H),5.48(t,1H),4.51(d,2H),2.43(s,3H)。
【0461】
中間体8.3の調製:
(2−アミノ−6−エチルピリジン−4−イル)メタノール
【化61】
【0462】
中間体8.3を、中間体7.2の調製に記載のものと同様の条件下で(2−クロロ−6−エチルピリジン−4−イル)メタノール(中間体8.2)を用いて調製した。
【0463】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.27(s,1H),6.23(s,1H),5.69(s,2H),5.12(t,1H),4.32(d,2H),2.48−2.43(m,2H),1.14(t,3H)。
【0464】
中間体8.4の調製:
4−(クロロメチル)−6−エチルピリジン−2−アミン
【化62】
【0465】
中間体8.4を、中間体7.3の調製に記載のものと同様の条件下で(2−アミノ−6−エチルピリジン−4−イル)メタノール(中間体8.3)を用いて調製した。
【0466】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.37(d,1H),6.29(s,1H),5.92(s,2H),4.55(s,2H),1.15(t,3H)。
【0467】
中間体8.5の調製:
6−エチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン
【化63】
【0468】
中間体8.5を、中間体1.5の調製に記載のものと同様の条件下で4−(クロロメチル)−6−エチルピリジン−2−アミン(中間体8.4)を用いて調製した。
【0469】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=6.29(d,1H),6.18(s,1H),5.76(s,2H),3.47(s,2H),2.49−2.43(m,2H),1.96(s,3H),1.14(t,3H)。
【0470】
中間体8.6の調製:
N−{6−エチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン
【化64】
【0471】
中間体8.6を、中間体1.6の調製に記載のものと同様の条件下で6−エチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(中間体8.5)と2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン(中間体1.1)を用いて調製した。
【0472】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.79(s,1H),8.42(d,1H),8.36(d,1H),8.15(d,1H),7.53(dd,1H),7.33−7.25(m,2H),7.21(d,1H),6.69(s,1H),3.62(s,2H),2.61(q,2H),2.01(s,3H),1.14(t,3H)。
【0473】
中間体8.7の調製:
(rac)−N−[[(2−エチル−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化65】
【0474】
中間体8.7を、中間体1.7の調製に記載のものと同様の条件下でN−{6−エチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−アミン(中間体8.6)を用いて調製した。
【0475】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.96(s,1H),8.35(d,1H),8.30(d,1H),8.15(d,1H),7.53(dd,1H),7.42(s,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.68(s,1H),4.58−4.36(m,2H),2.79(s,3H),2.62(q,2H),1.15(t,3H)。
【0476】
最終生成物の調製:
実施例8を、実施例1の調製に記載のものと同様の条件下で(rac)−N−[[(2−エチル−6−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ4−スルファニリデン]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(中間体8.7)を用いて調製した。
【0477】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.86(s,1H),8.40(d,1H),8.35(d,1H),8.15(d,1H),7.53(dd,1H),7.37(s,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.79(s,1H),4.39−4.27(m,2H),3.72(s,1H),2.89(s,3H),2.63(q,2H),1.15(t,3H)。
【0478】
[実施例9]:
(rac)−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル]−(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}シアナミド
【化66】
【0479】
(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(60mg;0.145mmol;実施例5)をDCM(4mL)に溶解させた。この溶液に、臭化シアン(DCM中3M溶液;72.4μl;0.217mmol)とN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(19.4mg;0.159mmol)を添加した。バッチを室温で4.5時間反応させた。次いで、バッチを減圧下でエバポレートし、得られた残渣を分取用HPLCによって精製し、標題化合物(27.6mg;0.03mmol)を得た。
【0480】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.07(s,1H),8.37(s,1H),8.26(d,1H),8.16(d,1H),8.09(d,1H),7.74(s,1H),7.53(dd,1H),7.30(t,1H),7.21(d,1H),6.96(d,1H),5.10−5.00(m,2H),3.46(s,3H)。
【0481】
[実施例10]:
(rac)−N−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド
【化67】
【0482】
塩化アセチル(16.1mg;0.20mmol)を、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]−ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(90mg;0.185mmol;実施例5)とトリエチルアミン(46.7mg;0.46mmol)のDCM(4mL)撹拌溶液に0℃で添加した。氷浴を外し、混合物をRTで2時間撹拌した後、これを水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製し、標題の生成物(39.8mg;0.09mmol)を得た。
【0483】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.02(s,1H),8.36(d,1H),8.22(d,1H),8.16(d,1H),8.08(d,1H),7.69(s,1H),7.52(dd,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.92(dd,1H),4.91−4.82(m,2H),3.23(s,3H),1.95(s,3H)。
【0484】
[実施例11]:
(rac)−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル]−(メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}カルバミン酸エチル
【化68】
【0485】
クロロギ酸エチル(26.8mg;0.24mmol)を、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]−ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(90mg;0.185mmol;実施例5)のピリジン(3mL)撹拌溶液に0℃で滴下した。氷浴を外し、混合物をRTで2時間撹拌した後、これを減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、塩化ナトリウムの水溶液で洗浄した。有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製し、標題化合物(60.9mg;0.13mmol)を得た。
【0486】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.02(s,1H),8.36(d,1H),8.23(d,1H),8.16(d,1H),8.08(d,1H),7.69(s,1H),7.53(dd,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.93(dd,1H),4.92−4.83(m,2H),3.99(q,2H),3.27(s,3H),1.15(t,3H)。
【0487】
[実施例12]:
(rac)−1−エチル−3−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}尿素
【化69】
【0488】
イソシアン酸エチル(13.4mg;0.19mmol)を、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]−ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(90mg;0.185mmol;実施例5)とトリエチルアミン(19mg;0.19mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液にRTで添加した。混合物をRTで20時間撹拌した後、これを塩化ナトリウムの水溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製し、標題の生成物(49.3mg;0.10mmol)を得た。
【0489】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.95(s,1H),8.36(d,1H),8.20(d,1H),8.16(d,1H),8.07(d,1H),7.69(s,1H),7.52(dd,1H),7.29(dd,1H),7.21(d,1H),6.94(dd,1H),6.78(t,1H),4.84(s,2H),3.12(s,3H),3.03−2.94(m,2H),0.97(t,3H)。
【0490】
[実施例13]:
(rac)−1−{[(2−{[5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素
【化70】
【0491】
2,2,2−トリフルオロエチルイソシアネート(23.1mg;0.19mmol)を、(rac)−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]−ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(90mg;0.185mmol;実施例5)とトリエチルアミン(19mg;0.19mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液にRTで添加した。混合物をRTで20時間撹拌した後、これを塩化ナトリウムの水溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製し、標題の生成物(42.2mg;0.08mmol)を得た。
【0492】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=9.95(s,1H),8.37(d,1H),8.20(d,1H),8.16(d,1H),8.09(d,1H),7.68(s,1H),7.56−7.46(m,2H),7.33−7.26(m,1H),7.21(d,1H),6.94(d,1H),4.87(s,2H),3.82−3.68(m,2H),3.19(s,3H)。
【0493】
実施例14および15:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)−メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミンのエナンチオマー
【化71】
【0494】
1gのラセミ体(5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン(実施例5)を分取用キラルHPLCによってそのエナンチオマーに分離した:
【表2】
【0495】
以下の表1は、実施例のセクションに記載の化合物に関する概要を示す:
【表3】
【0496】
結果:
表2:CDK9およびCDK2に対する本発明による化合物の阻害
IC
50(最大効果の50%の阻害濃度)値を単位:nMで示しており、「n.t.」は、化合物をこのアッセイにおいて試験しなかったことを示す。
【0497】
(1):実施例番号
(2):IC
50(CDK9):材料および方法の方法1a.に記載のCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
(3):IC
50(CDK2):材料および方法の方法2.に記載のCDK2/CycEキナーゼアッセイ
(4):CDK2に対するCDK9の選択性:材料および方法の方法1a.および2a.によるIC
50(CDK2)/IC
50(CDK9)
(5):IC
50(高ATP CDK9):材料および方法の方法1b.に記載のCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
【表4】
【0498】
表3:材料および方法の方法3.に記載のようにして測定した、HeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780およびMOLM−13細胞の増殖の本発明による化合物による阻害。IC
50(最大効果の50%の阻害濃度)値はすべて単位:nMで示しており、「n.t.」は、化合物をそれぞれのアッセイにおいて試験しなかったことを示す。
【0499】
(1):実施例番号
(2):HeLa細胞の増殖の阻害
(3):HeLa−MaTu−ADR細胞の増殖の阻害
(4):NCI−H460細胞の増殖の阻害
(5):DU145細胞の増殖の阻害
(6):Caco−2細胞の増殖の阻害
(7):B16F10細胞の増殖の阻害
(8):A2780細胞の増殖の阻害
(9):MOLM−13細胞の増殖の阻害
【表5】