(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
視覚的に識別可能で、かつ1種または複数種の微量栄養素を含む1個または複数個の微量栄養素粒子を内部に組み込んだ状態で含む複数個のキブルで形成されたペットフード組成物であって、
前記微量栄養素は、抗酸化剤、ミネラル、ビタミン、カロテノイド、グルコサミン、硫酸コンドロイチン、栄養補助成分、栄養素サプリメント及び医薬品から選択される1種または複数種であり、
前記微量栄養素粒子が0.5〜5mmのサイズであり、
前記微量栄養素粒子が遅延放出粒子であり、
この遅延放出粒子が、押出成形物、または粉砕した押出成形物であって、栄養強化栄養素としての微量栄養素と、押出可能な結合剤とを含み、この押出可能な結合剤は、小麦グルテン、コーングルテン、及び/またはその他のグルテンを含み、
前記キブルが、押出成形物であり、
キブル材料の密度と、微量栄養素粒子の密度との比が、2:1〜1:2であり、
前記微量栄養素粒子が前記ペットフード組成物の1重量%〜10重量%を構成するペットフード組成物。
請求項1または2に記載のペットフード組成物を形成するキブルを生産するための方法であって、1種または複数種の微量栄養素を含む微量栄養素粒子を、微量栄養素粒子以外のキブルの原料を含む押出成形物と一緒に混合する工程と、その混合物を直ちに押出す工程とを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
可視微量栄養素粒子が内部に組み込まれているキブルを含有するペットフード組成物を製造することができることが、本発明によって見出された。本発明の方法では、微量栄養素粒子中の栄養素の活性を保持し、また、キブル中で別個に可視化し得るように上記粒子の色及び形状の完全性を維持する手法で、視覚的に識別可能な微量栄養素粒子(本明細書では、「可視栄養素ビット」または「VNB」とも称される)をペットフードキブルに組み込む。
【0016】
キブルへの可視化可能な微量栄養素粒子の組み込みによって、いくつかの重要な利点が得られる。例えば、ペットオーナーは、微量栄養素がペットフード組成物中に実際に存在していることを確信する。種類の異なるキブルを含有するフード組成物とは対照的に、組み込まれた粒子は、残りのキブルから物理的にかなり分離しにくい。さらに、コンパニオン動物が微量栄養素粒子中の微量栄養素の消費を選択的に忌避することもかなり難しく、微量栄養素の可視粒子の包含によって、フード組成物の嗜好性が増大する。微量栄養素を、厳密に管理されたレベルで提供し、フード全体に均一に分布させることができ、微量栄養素と他のフード成分との間の相互作用を低減する。
【0017】
したがって、一部の実施形態では、本発明は、視覚的に識別可能で、かつ1種または複数種の微量栄養素を包含する1個または複数個の微量栄養素粒子を内部に組み込んだ状態で包含するペットフードキブルを提供する。
【0018】
例示であって、限定ではないが、1種または複数種の抗酸化剤、ミネラル、ビタミン、カロテノイド、栄養補助成分及び栄養素サプリメント、例えば、グルコサミン及び/または硫酸コンドロイチンを含む広範囲の様々な微量栄養素を、本発明のキブルに組み込むことができる。
【0019】
一部の実施形態では、上記微量栄養素粒子は、医薬品を含んでもよい。ペットに医薬品を与えることは難しい。理想としては、健全栄養素を含有する維持規定食が、医薬品送達のための担体として適しているであろう。VNB技術の定量精度によって、正確な投薬量の薬物を包含するように、ペットフードキブルを配合することができる。薬物を含むVNBを含有するキブルは、定量的にペットに医薬品を送達するための実現可能で簡便な方法である。
【0020】
本発明のペットフード組成物の一部の実施形態では、上記微量栄養素粒子は遅延放出粒子である。そのような遅延放出粒子は、例えば、コーングルテンミール及び酵母などのタンパク質リッチな成分をターゲット栄養素及び微量栄養素粒子の他の成分と一緒に加工することによって製造することができる。加工の後に、これらの微量栄養素粒子は、動物の消化系内で、典型的なペットフードよりもゆっくりと消化され得るため、微量栄養素または他の成分の放出時間が延長される。
【0021】
一般に、本発明のペットフード組成物のキブルは、VNBを、ペットフード組成物の最高10重量%、または最高5重量%、または1重量%〜5重量%、または1重量%〜4重量%、または2重量%から4重量%の量で含有することができる。
【0022】
上記VNBが、組み込まれているキブルから識別可能である色を有するように、本発明のペットフード組成物のVNBを好ましくは、1種または複数種の着色剤を包含するように配合する。好ましくは、上記微量栄養素粒子が、コンパニオン動物及びそのオーナーの両方によって別個に可視化されるような色、特定の影もしくは色、またはその両方の微量栄養素粒子を選択する。
【0023】
押出プロセスを経ても、その粒子の色及び形状の完全性が保存されて、得られたキブルにおいて可視であるVNBの組み込みが生じる手法で、本発明のペットフード組成物へのVNBの組み込みを達成する。例えば、一実施形態では、原料ミックスをその中に供給するライブボトムホールディングビン(live bottom holding bin)を備えた典型的なペットフード加工装置を使用する。次いで、原料ミックスを、変速フィーダースクリューを介してプレコンディショナーに輸送し、そこで、これだけに限定されないが、水、脂質または油、栄養素、添加剤及び蒸気を含む液体を添加し、原料ミックスをプレコンディショニングする。プレコンディショニングの後に、コンディショニングされた混合物(部分的に水和されたホットミックス)を押出機バレルに送る。本発明の方法では、ミックスが押出機バレルに入る直前に、上記微量栄養素粒子をホットミックスの流に添加する。プレコンディショニング後の時点で、ミックスに上記微量栄養素粒子を加えることで、VNBが、プレコンディショニングの高温及び比較的厳しい条件に掛けられることはないことが完全に保証され、また、過度の水和または機械的応力への曝露が最小限になり、したがって、それらの物理的完全性が保存される。
【0024】
上記VNBを、任意の有効な手段によって上記ミックスに添加することができる。好ましい添加方法の1つは、エアアシスト注入による方法、例えば、VNBを運ぶ空気流を上記ミックスに直接添加することを可能にする側方供給デバイスを使用することによる方法である。そのようなデバイスの1種は、一方の末端に(a)管内で空気流を作り出すように構成された圧縮空気のための入り口及びその流れを調節するためのバルブ;他方の末端に(b)押出バレルのヘッドにまたはその付近でミックスラインに挿入される注入ノズル;ならびに(c)(a)と(b)との間に位置する、微量栄養素粒子を保持するためのホッパーを備えた管を用い、その際、上記粒子は、ホッパーから空気流に供給される。一実施形態では、ホッパー底部から粒子を出すホッパーの垂直軸に対してほぼ直角を成す非常に集束した空気流を作り出すために、圧縮空気流のための入り口の直径を、ホッパーの底部付近で出口パイプを開放する前に10%〜60%狭める。押出機に供給するVNBの量は、例えば、Acrison,Inc.、Moonachie、N.Jによって製造されたものなどのフィーダデバイスによって定量的に制御することができる。上記VNBを、フィーダによって、側方供給デバイスのホッパーに分与し、次いで、圧縮空気の流を介して、押出機へと注入するため、VNBに影響が及ぶ熱水及び機械的応力を低減し、流へのそれらの混合を促進することができる。
【0025】
本発明はまた、視覚的に識別可能で、かつ1種または複数種の微量栄養素を包含する1個または複数個の微量栄養素粒子を内部に組み込んだ状態で包含するキブルを生産する方法であって、1種または複数種の微量栄養素を含む微量栄養素粒子を押出材料と一緒に混合する工程と、その混合物を直ちに押出す工程とを含む方法を提供する。一部のそのような実施形態では、上記押出材料を、上記微量栄養素粒子と混合する前にプレコンディショニングする。
【0026】
一部の実施形態では、上記方法は、a)その粒径が押出しに適しているペットフード原料を含む組成物を得る工程と;b)上記ペットフード組成物をプレコンディショニングして、押出材料を生産する工程と;c)1種または複数種の微量栄養素を含む微量栄養素粒子を、上記押出材料と一緒に混合する工程と;d)混合物を直ちに押出す工程とを含む。
【0027】
上述したとおり、原料ペットフードミックス組成物を典型的には、ミックスを高温で湿潤条件に付すことができるプレコンディショニングプロセスに付す。そのようなプレコンディショニングは、ビタミン、カロテノイド、抗酸化剤などの多くの栄養素の栄養価を損なうかもしれない。事前加工後に、好ましくは、可能な限り押出機バレルのヘッド近くで、供給ミックスに、そのような栄養素を含有するVNBを添加することにより、上記VNB中の栄養素を、高温及び加水分解条件に対する過度の曝露から保護し、微量栄養素の保持を改善する。
【0028】
本発明は、一実施形態では、視覚的に識別可能で、かつ1種または複数種の微量栄養素を包含する1個または複数個の微量栄養素粒子を内部に組み込んだ状態で包含する複数個のキブルを含むペットフード組成物(組成物1)を提供する。例えば:
1.1.上記微量栄養素粒子が、抗酸化剤、ミネラル、ビタミン、カロテノイド、グルコサミン、硫酸コンドロイチン、栄養補助成分及び栄養素サプリメントから選択される1種または複数種の微量栄養素を包含する、組成物1。
1.2.上記微量栄養素粒子が、抗酸化剤、ミネラル、ビタミン、カロテノイド、グルコサミン、硫酸コンドロイチン、栄養補助成分、栄養素サプリメント及び/または医薬品から選択される1種または複数種の微量栄養素を包含する、任意の上述の組成物。
1.3.上記微量栄養素が、キブルの製造において通常生じる高温及び/または湿潤条件下で不安定である化合物である、任意の上述の組成物。
1.4.上記微量栄養素粒子が、押出可能な結合剤を含む、例えば、グルテン及び/またはコメを含む、任意の上述の組成物。
1.5.上記微量栄養素粒子が、1種または複数種の微量栄養素、1種または複数種の顔料及び押出可能な結合剤を含む、任意の上述の組成物。
1.6.上記微量栄養素粒子が遅延放出粒子である、任意の上述の組成物。
1.7.上記微量栄養素粒子が、上記租背物中に均一に分布している、例えば、上記組成物中の上記微量栄養素粒子中に提供される微量栄養素の分布についての変異係数(CV)が10%未満である、任意の上述の組成物。
1.8.上記微量栄養素粒子がカプセル封入されている任意の上述の組成物。
1.9.方法1(下記参照)のいずれかによって製造される任意の上述の組成物。
1.10.上記微量栄養素粒子が、上記キブルとほぼ同じ密度を有し、例えば、上記キブル材料の密度と上記マイクロ粒子の密度との比が、2:1〜1:2、例えば、約1:1である、任意の上述の組成物。
1.11.上記キブルが、上記微量栄養素粒子を上記ペットフード組成物の1重量%〜10重量%、例えば、2重量%〜5重量%の量で含有する、任意の上述の組成物。
1.12.上記微量栄養素粒子が、上記キブルとは異なる色、例えば、赤色である、任意の上述の組成物。
1.13.上記微量栄養素粒子が0.5〜10mmのサイズ、例えば、1〜4mmのサイズである、任意の上述の組成物。
1.14.上記微量栄養素粒子がアスコルビン酸及び/またはチアミンを含む、任意の上述の組成物。
1.15.上記微量栄養素粒子がコメ及び/または小麦グルテンを含む、任意の上述の組成物。
1.16.上記微量栄養素粒子が香料及び着色料を含む、任意の上述の組成物。
1.17.上記微量栄養素粒子が、1種または複数種の経口許容される顔料、例えば、酸化鉄を、上記微量栄養素粒子に色を付与するために有効な量で含む、任意の上述の組成物。
1.18.上記微量栄養素粒子が、着香料または嗜好性増強剤、例えば、ベーコン香味剤を含む、任意の上述の組成物。
1.19.上記微量栄養素粒子が、酒米、小麦グルテン、アスコルビン酸、及びチアミンを含む、任意の上述の組成物。
1.20.上記微量栄養素粒子が、残りの上記キブルとは有意に異なる組成を有し、例えば、少なくとも100倍濃度の特定の微量栄養素を含む、任意の上述の組成物。
1.21.上記微量栄養素粒子が、
酒米45%〜55%;
小麦グルテン35%〜45%;
アスコルビン酸1%〜5%;及び
塩酸チアミン1%〜5%を含む、任意の上述の組成物。
【0029】
また別の実施形態では、本発明は、視覚的に識別可能で、かつ1種または複数種の微量栄養素を包含する1個または複数個の微量栄養素粒子を内部に組み込んだ状態で包含するペットフード組成物、例えば、組成物1(上記参照)のいずれかによるペットフード組成物において使用するためのキブルを製造するための方法であって、1種または複数種の微量栄養素を含む微量栄養素粒子を押出材料と一緒に混合する工程と、その混合物を直ちに押出す工程とを含む方法(方法1)を提供する。例えば、
1.1.上記微量栄養素粒子と混合する前に、上記押出材料をプレコンディショニングする方法1。
1.2.a)その粒径が押出しに適しているペットフード原料を含む組成物を得る工程と;
b)上記ペットフード組成物をプレコンディショニングして、押出材料を生産する工程と;
c)1種または複数種の微量栄養素を含む微量栄養素粒子を、上記押出材料と一緒に混合する工程と;
d)混合物を押出す工程とを含む、任意の上述の方法。
1.3.工程d)における混合物を、工程c)による混合の後に直ちに押出
す1.2の方法。
1.4.上記微量栄養素粒子と上記押出材料との混合を、プレコンディショニングの温度未満の温度で行う任意の上述の方法。
1.5.上記微量栄養素粒子を、エアアシスト注入によって押出材料と混合する任意の上述の方法。
1.6.1種または複数種の微量栄養素、1種または複数種の顔料及び押出可能な結合剤を含む成分を混合し、そうして得た微量栄養素混合物を押出し、得られた微量栄養素押出材料を粉砕して所望のサイズの微量栄養素粒子を得、上記微量栄養素粒子を乾燥させることによって、上記微量栄養素粒子を製造する任意の上述の方法。
【0030】
以下の実施例で、本発明の特徴をさらに例示するが、本発明は、実施例に限定されないことは理解されるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において言及されるすべての量及び割合は、別段に示さない限り、重量によるものである。
【0031】
実施例1 微量栄養素粒子を含有するペットフードの製造
本発明のペットフード組成物の重要な特徴の1つは、ペットフードキブルにおける微量栄養素含有粒子の可視性である。微量栄養素粒子を、典型的なフードキブルとは異なる色で作製し、微量栄養素粒子を含有するミックスの熱及び加水分解加工を最小限にするための本明細書に記載の方法を使用して、キブルに組み込んだ。ペットフード組成物を、微量栄養素粒子2%または4%のいずれかを市販の成犬用乾燥配合物に組み込んで調製した。次の組成を有する微量栄養素粒子を製造した。
成分 重量パーセント
酒米 49
コムギグルテン 40
アスコルビン酸(usp、微粒子) 2.5
塩酸チアミン 2.5
スイートベーコン香味剤 3
赤色酸化鉄溶液 3
【0032】
微量栄養素粒子を、乾燥ペットフードに典型的な押出しプロセスを使用して加工する。押出しの後に、半乾燥キブルを押出しラインから収集し、次いで、粗く粉砕する。得られた粒子をふるい掛けし、1mm〜4mmスクリーンに収集し、すなわち、粒子が1〜4mmのサイズとした。収集したポーションを、熱風炉を使用して乾燥させ、次いで、使用するまで、周囲条件下で貯蔵した。これらの微量栄養素粒子(乾燥着色ビット)を本明細書では、「可視栄養素ビット」または「VNB」と称する。
【0033】
上記のとおりのエアアシスト送達デバイスを使用して、プレコンディショナーと押出機バレルとの間の連結ダクト内のウィンドウを介して供給ラインに添加されたVNB2重量%または4重量%を含む成犬用乾燥配合物を製造した。押出機に供給されるVNBの量を、Acrisonフィーダによって定量的に制御した。VNBを、Acrisonフィーダによって側方供給デバイスのホッパーに供給し、次いで、圧縮空気の流を介して押出機に注入した。
【0034】
成犬用乾燥配合物の乾燥キブルの表面にVNBが出現していることを視覚的に検査した。予測したとおり、VNBを包含しない対照は、キブル表面上に明らかな赤色ビットを全く示さなかったが、VNB2%または4%を含有するキブルの表面上には、赤色VNBが鮮やかに出現した。赤色VNBは、VNB4%を包含する配合物のすべてのキブル上に出現したが、VNB2%を包含する配合物のすべてのキブル上には必ずしも出現しなかったことが観察された。これらの結果から、ペットフード組成物の各キブル上に可視VNBを生じさせるためには、VNB約4%の包含で十分であると考えられる。
【0035】
実施例2 栄養素の分布
本発明のペットフード組成物の別の重要な特徴は、キブル全体に微量栄養素粒子を組み込むことにより、個々のキブル内に栄養強化微量栄養素を均一に分布させて、フード摂取量にからわらず、コンパニオン動物(例えば、ネコまたはイヌ)が、フードを消費する機会ごとに、微量栄養素を均一に摂取するようになることである。種々のペットにおける摂食挙動の相違(ペットのサイズ、品種、オーナーの給餌習慣及び一部のペットは日中に食事を少量ずつ食べる傾向がある一方で、他のペットは1回の食事の間に指定のフードをすべて消費するという傾向などの因子による)が、ペット用の微量栄養素の過少消費または過剰消費をもたらし得るため、このことは重要である。
【0036】
分離した栄養素含有粒子を含有するペットフードは公知である。しかし、種類の異なるキブルの間での物理的偏析または選択的消費が、栄養強化栄養素の不均一な摂取の原因となることがある。そのような外部的に組み込まれた栄養素ビットは、通常の乾燥ペットフードキブルに混合されると、密度の相違によって、輸送の際に他のものから分離する傾向があるかもしれない。加えて、一部のペットは、1種類のキブルを選択的に消費することがあり、オーナーは、一定量の栄養素含有粒子を包装から取り出すことができない。これらの状況は、フード消費の間の栄養強化栄養素の一定でない摂取につながるかもしれない。
【0037】
対照的に、本発明のペットフード組成物は、含まれている栄養素ビットの可視性をキブル表面上で維持する一方で、ペットの摂食挙動またはオーナーの給餌習慣にかかわらず、一口ごとの栄養強化微量栄養素の均一な配給の利点を提示する。
【0038】
ペットフード規定食中での微量栄養素分布の均一性は、試料二重反復試験物内での栄養素組み込みの精度及び確度によって表すことができる。
【0039】
微量栄養素を分布させるための本発明の方法の精度及び確度を、マンガン(Mn)を指示薬として使用して決定した。Mnは通常、規定食中に少量で栄養強化され、栄養素分布研究の感度を増大させるためである。成犬用乾燥配合物を、VNBを用いずに(対照)、またVNB3重量%を包含させて製造した。規定食を、上記のものと同様に加工した。各二重反復試験について、400gm試料サイズを有する非栄養強化規定食(対照)またはVNB3%包含規定食(試験)の10の二重反復試験物を、生産の間に無作為に収集した。栄養素分布について最高感度の検出を維持するために、最小量の試料のみをMn分析のために使用し、従って、それぞれ試料400gmから5gmのみを、Mn分析のために使用したが、これは、1試料当たり約12個のキブルであった。
【0040】
ペットフード規定食中での栄養強化微量栄養素の分布の均一性は、試料の二重反復試験物における微量栄養素の含有率の変異係数(CV)によって表すことができる。FDAガイドラインによれば、投薬量の二重反復試験において、高効力薬物でのCVの最大許容差は10%である。結果を表1に示す。
【表1】
【0041】
乾燥VNBは、乾物ベースでMn490ppmを含有する。従って、規定食にVNB3%を包含させることにより、規定食中にMn14.7ppmが送達されると予測され、その際、VNBは、個々のキブル中に均一かつ正確に分配される。表1における結果から、本発明の方法は、ペットフード規定食内に、少量の微量栄養素を均一かつ正確に分配し得ることが分かる。表1において示すとおり、対照規定食は、VNBを含む前に、試料の10の二重反復試験物において6.8%のCVで平均20.3ppmのMnを含有したが、試験規定食は、VNB3%を含んだ後に、7.9%のCVで平均37.3ppmのMnを含有した。対照規定食におけるMn分布での6.8%の固有CVに関して、VNBプロセスは、試験規定食に対して1.1%の追加変異性を加えただけであった。総じて、FDAガイドラインによれば、ペットフード規定食において微量栄養素を栄養強化するための従来の方法及びVNB方法の両方を、正確な方法として認めることができる。
【0042】
栄養素栄養強化の確度は、ほぼ意図した供給レベルで栄養強化栄養素の効力を送達するために重要であり、実際に送達された栄養素の量と、意図した栄養強化レベルまたは回収率との比によって表すことができる。VNB3%は、試験規定食に14.7ppmのMnを送達するため、完成試験規定食中のMnレベルは、35.0ppmであると予測される。試験規定食中の平均Mn含有率は37.3ppmであることを考慮すると、試験規定食におけるMn栄養強化の平均回収率は106.6%であり、ターゲット栄養強化レベルを超えるそのうちの6.6%は、栄養強化表示について十分にFDAの最大許容範囲(20%)内であるだけでなく、公称栄養強化の最低保証についてのFDAの要件を超えている。
【0043】
従って、これらの結果は、本発明の方法が、ペットフード製品に微細な量の微量栄養素を栄養強化するための厳密かつ正確な方法であることを示している。
【0044】
実施例3 栄養素保持
上述したとおり、本発明の方法は、栄養素の保護及び熱加工の低減によって、規定食中での栄養強化微量栄養素の保持を改善する。上記の管状デバイスなどの側方供給デバイスによって、規定食中にVNBを組み込むことによって、VNBは、プレコンディショナーにおける約1.5〜4.5分の高温で湿潤なプロセス条件を迂回するため、ビタミン、カロテノイド、抗酸化剤などの熱不安定な栄養素は、押出しの前に、熱及び加水分解条件に対する過剰な曝露から保護されて、微量栄養素の保持が改善されると予測される。
【0045】
栄養素保持研究を実施して、VNB2%または4%(試験規定食)を含有する乾燥キブル状ドッグフード配合物におけるアスコルビン酸(ビタミンC)の保持を、ビタミンCを栄養強化された市販の規定食(対照食)における保持と比較した。ビタミンCは、最も熱不安定なビタミンの1種であり、熱、加水分解、及び酸化分解に対して感受性があり、従って、栄養素保持に対する加工の作用を試験するための良好な指示薬である。
【0046】
対照またはVNB含有規定食に同量のビタミンCを栄養強化し、次いで、完成フードにおける残留ビタミンCの含有率を比較するように、研究を計画した。対照規定食を、市販の乾燥キブル配合物から、粉末添加剤として用意したビタミンC1,000ppmを栄養強化して製造した。試験規定食では、ビタミンCを、規定食にVNB2%または4%を包含させることによって栄養強化した。加工後の完成フードにおけるビタミンC含有率を、加工前の成分ミックスにおけるビタミンC含有率と比較することによって、ビタミンC保持率を決定した。結果を、下記の表2に示す。
【表2】
注:(a)この試験規定食は、VNB2%及び成分ミックス98%を含有した。
(b)この試験規定食は、VNB4%及び成分ミックス96%を含有した。
【0047】
表2に示したとおり、対照規定食の成分ミックスにおけるビタミンCは、押出しプロセス前に1,242ppmであり、加工後の完成食において711ppmであった。従って、対照規定食のビタミンC保持率は57.2%であった。VNBにおけるビタミンC含有率は7,987ppmであったため、VNB2%または4%を含有する試験規定食中のビタミンCの理論含有率は、それぞれ、試験規定食用の成分ミックスからのビタミンC98ppmの含有と合わせて、271または443ppmであると予測された。VNB2%または4%を含有する完成試験規定食中のビタミンC含有率はそれぞれ、321ppmまたは422ppmであったため、ビタミンC保持率は、それぞれ、VNB2%包含規定食では118.5%及びVNB4%包含規定食では95.3%であった。試験規定食の平均ビタミン保持率は106.9%であったが、これは、対照規定食の平均ビタミン保持率(57.2%)よりも高かった。試験試料での100%を超える平均保持値の測定が、多少の程度の実験変異性を示唆しているが、この結果は、VNBが、加工中の何らかの重大な分解からビタミンCを保護したことを裏付けている。これらの結果は、本発明の方法が、カプセル封入と、過剰な熱及び水和加工の回避とによって、微量栄養素の保持を改善していることを示す。
【0048】
実施例4 嗜好性
イヌは、非VNB包含規定食よりも、VNB4%を包含するフードを好む。規定食中にVNBが包含されることで嗜好性が改善されるかを調査するための研究を実施した。VNBを含有しないかまたはVNB2%もしくは4%を含有する成犬用乾燥フードを、上述のものと同様に加工した。先行研究のために、VNB2%または4%包含規定食を、2日間の給餌セッションの間に、25匹のイヌからなるイヌ味覚パネルに試験フードとして与えた一方で、非VNB包含規定食を対照フードとして与えた。2日間の給餌セッションの間に各イヌパネリストによって消費された対照または試験フードの量を収集して分析した。好まれるのは、それら2種の間で消費量のより多いフードとなる。摂取比(IR)を、各パネリストでの全消費量に対する試験フードの消費量の比によって決定した。摂取比を、スチューデントt検定モデルを使用して統計学的に分析した。フードの嗜好性は、T検定によって報告された確率(p)値と共に、試験フードの平均摂取比によって表された。その摂取比が、片裾T値の分布パターンによる95%信頼レベルに基づき対照の摂取比よりも有意に高いかまたは低いかで、試験フードに勝敗をつける。そのほかの点では、試験フードの嗜好性は、対照フードと同等である。
【0049】
上記先行研究から、イヌパネリストは、0.535の有意に高いIR及び0.007のp値で、24に対して72(または1に対して3)の比で対照フードよりもVNB4%を含有する試験フードを好んだ一方で、VNB2%包含規定食の嗜好性は、対照食の嗜好性と同等であったことが、興味深いことに観察された。
VNB4%包含規定食のこのような勝利を確認するために、50匹のイヌ味覚パネルによる2日間を使用して、確認研究を行って、異なるイヌパネリストが同様の選択をするかどうかを検証した。従って、異なるが、ただし大規模化された50匹のイヌパネリストからなる味覚パネルを、確認研究のために使用した。まったく同じフードを、2日間にわたって50匹のイヌパネリストに給餌した。イヌが、0.581の有意に高いIR、0.01のp値で、29に対して69(または1に対して2.4)の比で、VNB不含対照よりもVNB4%包含規定食を好むという結果によって、先行研究からの観察が確認された。両方の研究の結果を、下記の表3にまとめる。
【表3】
【0050】
上述の研究結果は、本発明の方法が、乾燥ペットフードキブルの表面または内部に可視で識別可能な栄養素ビットを包含させることによって、乾燥ペットフード規定食に微量栄養素を栄養強化し、それによって、計画された用量の微量栄養素を少量のキブルのそれぞれに正確かつ厳密に分布させるための新たな手法を提供することを示す。特に、加工が、押出しの間の高温及び湿潤プロセス条件に対する過剰な曝露を迂回するため、上記方法は、従来の方法よりも良好な微量栄養素の保持をもたらす。加えて、上記方法はまた、嗜好性が改善された乾燥ペットフード組成物を提供する。
【0051】
本発明を、実施形態を参照して記載してきたが、添付の特許請求の範囲において定義されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更形態及び変形形態を成すことができることは当業者によって理解されるであろう。