特許第6371394号(P6371394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371394
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】車体の浸漬処理用のプラント
(51)【国際特許分類】
   B05C 3/09 20060101AFI20180730BHJP
   B05C 9/10 20060101ALI20180730BHJP
   B65G 47/248 20060101ALN20180730BHJP
   B65G 49/04 20060101ALN20180730BHJP
【FI】
   B05C3/09
   B05C9/10
   !B65G47/248 G
   !B65G49/04 H
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-541589(P2016-541589)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2017-503644(P2017-503644A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】IB2014066978
(87)【国際公開番号】WO2015092685
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年7月31日
(31)【優先権主張番号】MI2013A002152
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512141781
【氏名又は名称】ガイコ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンパオロ コヴィッズィ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ コロンバローリ
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−016642(JP,A)
【文献】 特表2004−516136(JP,A)
【文献】 特開2010−285264(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10054366(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00−21/00
B65G 47/22−47/32
B65G 49/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理されるボデーを支持するように意図された少なくとも1つのスキッド(11、111、211)と、
少なくとも1つの処理液の槽(13、113、213)と、
スキッド移送ライン(14、114、214)と、
該スキッド移送ライン(14、114、214)によって前記槽(13、113、213)の上方に位置付けられ、前記スキッド上の前記ボデーを反転および浸漬させるためのシステム(20、21、23、120、121、123、220、221、223)と、
を備えるボデーの浸漬処理用のプラントであって、
前記スキッド移送ライン(14、114、214)は、前記槽の2つの側縁の外側に沿って配された平行な移動路(40、41;140、141;241、240)を含み、前記スキッドは、その2つの対応する側部に側部取り付けエレメント(18、19;118、119;218、219)を含み、該取り付けエレメントは、前記槽の上方で前記スキッドを支持および移動させるために前記移動路(40、41;140、141;241、240)に載置され、
前記反転および浸漬システムは、前記スキッド(11、111、211)上に前記ボデーのための支持体(20、120、220)を含み、該支持体は、上方に進んだ第1位置と前記槽の内側に浸漬させる下方の第2位置との間で前記ボデーを反転させるように、前記スキッド移送ラインを横切る方向に配されたシャフト(21、121、221)に堅固に接続されるとともに軸(22、122、222)のまわりに回転可能であり、前記反転および浸漬システムはさらに、前記スキッドではなく前記槽の2つの側縁の一方に沿って配されて、前記シャフト(21、121、221)の回転を制御するためのモータユニット(23、123、223)を含み、
前記モータユニット(23、123、223)と前記シャフト(21、121、221)をともに連結するための手段が、前記スキッド上の第1の連結エレメント(25、125、225)および前記モータユニット(23、123、223)上の第2の連結エレメント(24、124、224)を含み、前記第1および第2の連結エレメントは、前記回転の軸(22、122、222)を横切る所定の方向から互いに向かって移動するときに互いに係合することで、ともに回転可能にロックされ、それによって前記モータユニットの回転移動が前記シャフトに伝達されるようにした、
ことを特徴とするプラント。
【請求項2】
前記第1および第2の連結エレメントの一方は、前記回転の軸(22、122、222)を横切る方向に開放された進退チャネルを形成する座(26、126)を含み、前記第1および第2の連結エレメントの他方は、前記所定の方向に沿って接近移動して前記進退チャネルに進入するように意図された挿入体(28、128)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記所定の方向は、前記移動路上の前記スキッドの移動方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
前記槽の各側部には、2つの前記移動路(140a、141a;140b、141b)が互いに平行且つ上下に配されて、前記スキッドを前記槽の上で支持および移動させるための上方の一対の移動路(140a、141a)および下方の一対の移動路(140b、141b)を形成しており、前記移動路は、前記下方の一対の移動路(140b、141b)または前記上方の一対の移動路(140a、141a)が、前記槽(113)の上流側および下流側にある前記移送ライン(114)の入口セクション(114a)および出口セクション(114b)に交互に整列するよう、垂直方向に移動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項5】
前記所定の方向が前記移動路の前記垂直移動方向であることを特徴とする請求項4に記載のプラント。
【請求項6】
前記モータユニット(223)は前記移動路と平行な経路に沿って移動可能であり、前記スキッドの前記シャフト(221)との係合時に、前記移動路に沿った前記槽にわたる移動に追従するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項7】
前記モータユニット(223)は有利には横方向の移送システム(260)によって支持され、該移送システムは、前記槽に沿った前記スキッドの移動と平行な方向に且つその移動に同期して、前記モータユニットを変位させることが可能であることを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項8】
少なくとも2つの前記モータユニット(223)が、関連する環状の移動経路に沿って間隔を置き、前記槽に並んで配置され、前記移動路に沿って離隔したスキッド連結位置と解放位置との間の一のモータユニット(223)の能動経路の終端で、他のモータユニット(223)が、後続のスキッドの前記シャフト(221)と係合する連結位置に到達することを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項9】
前記連結エレメントが、前記所定の接近方向の相対的摺動を行うためにアイドルローラ(36)に対する面を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項10】
前記スキッドは、平面視したときに略H型の形状をもつベースフレームを有し、前記側部取り付けエレメント(18、19;118、119;218、219)が前記H型の両側線をなし、前記回転可能シャフト(21、121、221)が前記H型の横線をなし、前記回転シャフトから前記ボデーのための前記支持体(20、120、220)を形成するV形状のエレメントが突出していることを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体、特にスキッドによって1以上の処理槽に沿って順次移送される自動車のボデーの浸漬処理用のプラントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば抗腐食および電気泳動前処理を行う目的で、適切な液体の内部で車体の浸漬処理を行うシステムがよく知られている。長い時間、処理槽内で車体の順次の移送および浸漬を可能にする様々なタイプのプラントが提案されている。
【0003】
しかしながら、種々の公知のシステムでは、移送および浸漬システムの存在によって比較的広い槽が必要となり、プラント内のスペースおよび処理液の浪費をもたらすものとなっている。さらに、槽の上方および内側に移送および浸漬システムが配置されることによって、信頼性および清浄度の双方の問題が引き起こされ(システムが処理液に対して露出するからである)、また、同じスキッド移送システムによって槽の上方および内側で移送され得る汚れ粒子が存在することで、プロセス液体の汚染の問題が引き起こされる。移送システムが通常摩耗することも、システムが処理槽の上を通過するときに処理液内に落下し得る粒子を産生する。
【0004】
例えば、公知のプラントは、1以上の処理槽に完全に浸漬されるように、その移動経路に沿って異なる高さを有するスキッド移送ラインの使用を想定している。この方法では、ボデーは、移送ラインの進行に従い、段階的な態様で経路に沿って槽に対して出入りする。上述した槽内部の液体の汚染および清浄性の問題に加えて、このシステムは、移送されるボデーの進入、退出および浸漬処理を可能にするために、非常に長大な槽を要し且つ緩慢であるという欠点を有し、その結果として、プラントの規模および大量の処理液の必要性の双方に関して問題が生じる。
【0005】
特許文献1には、ボデーを反転させ、これによって浸漬されつつ槽に沿ってボデーを進行させる目的で、槽の横に位置するモータに係合された回転可能な部分を槽の開始点に有する、比較的複雑な移送フレームを持つシステムが記載されている。槽の終点では、第2のモータが回転可能な部分に係合しており、ボデーの姿勢を再び整えるようになっている。プラントに沿ったフレームの移送はチェーンによって行われ、モータの係合は、特別なアクチュエータを介したモータ全体の軸方向の移動によって正面向きに生じる。回転軸のセンタリングは比較的困難であり、且つ不正確である。また、回転部分は、さらなる制御装置によって所定の位置にロックされなければならない。したがって、作動に関して、システムは比較的複雑で柔軟性がなく、且つ信頼性のないものである。
【0006】
特許文献2および特許文献3、槽の上方を移動するオーバーヘッド移送アセンブリの使用を提案している。これには上昇アームを有する複数のキャリッジが装備されており、上昇アームは下方に延在し、その終端は水平軸のまわりに回転可能で、ボデーが取り付けられる支持部となっている。よって移送ラインは液体には入らないが、プラントは嵩高となり、どのような場合でも平均的な生産性しか持ち得ない。さらに、懸架された回転支持部に対するボデーの着脱操作をゆっくり行う必要があり、移送システムアセンブリは槽の鉛直軸上を通過し続けている。
【0007】
特許文献4は、独立した昇降部をそれぞれ有する4本の柱のコーナによって支持されたプラットフォームを提案しており、そのプラットフォームは、垂直方向にのみ移動し、4つの昇降部用の独立した制御システムによって傾斜することができるようになっている。プラットフォームの着脱のために水平移送システムが槽の上方で突出および後退し、4つの昇降部を個別に制御することによって、プラットフォームは、処理されるべきボデーに従って変化する様々な傾きにしてボデーを垂直方向に浸漬させることができる。
【0008】
特許文献5には同様なステーションが記載されているが、これは、ボデーを上昇させ、回転させる上下動用プラットフォームを回転させるためのモータ駆動シャフトを支持する柱を1本または2本のみ有したものである。
【0009】
これらの解決策は有効であるものの、4つの独立した昇降部または1本あるいは2本の柱と、槽の垂直軸に沿って位置決めすることができるものでなくてはならない着脱用の移送システムとによって、相応のコストおよび規模を要する。
【0010】
特許文献6には、処理槽と反対側にボデーを下方に回転させるための領域を有する水平移送ラインを持つプラントが記載されている。各ボデーは、横方向の移動路を備える移送ユニットから突出して取り付けられる。しかしながら、このプラントでは浸漬の制御が困難である。また、移送ユニットは複雑、大型且つ重量があり、突出構造のために無視できない応力を受けるものとなる。移送ユニットの形態を考慮すると、スペースや材料の無駄を生じずにプラント全体に沿ってボデーを移送するために使用することが容易でなく、したがってボデーを槽の近傍で着脱するためのシステムを要するものとなる。
【0011】
特許文献7には、ボデーの移送キャリッジ全体に係合し、槽内へとボデーを前方に回転させ、その後、処理の終了時にボデーを引き揚げるプラットフォームを備えるステーションが記載されている。そのシステムは複雑であり、ボデーの高速連続処理のためのインライン移送システムには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許10054366号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/083081号公報
【特許文献3】国際公開第2009/103400号公報
【特許文献4】欧州特許第2192989号明細書
【特許文献5】国際公開第2012/146487号公報
【特許文献6】国際公開第2003/070545号公報
【特許文献7】米国特許出願公開2012/006260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の一般的な目的は、良好な柔軟性、処理の品質および信頼性を備え、比較的低廉で小規模化を保証する浸漬処理プラントを提供することによって、従来技術の問題点を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的の観点から生じているアイデアは、本発明に従って、処理されるべきボデーを支持するべく企図された少なくとも1つのスキッドと、少なくとも1つの処理液槽と、スキッドを移送するためのラインと、移送ラインによって槽の上に位置付けられているスキッド上のボデーを反転および浸漬するためのシステムと、を備えたボデーの浸漬処理用プラントであって、移送ラインが槽の2つの側縁部に沿って外側に配置された平行な移動路を含み、スキッドがその2つの対向する側部に側部取り付けエレメントを含み、当該エレメントが槽の上方でスキッドを支持および移動させるために平行な移動路に載置されていることを特徴とするプラントを提供する。
【0015】
有利には、反転および浸漬システムは、スキッド上にボデーの支持部を備え、これは、移送ラインを横切って配置されるシャフトに強固に接続されるとともに軸のまわりに回転可能であり、上方に進んだ第1位置と槽内に浸漬される下方の第2位置との間でボデーを反転させるようになっている。反転および浸漬システムはさらに、シャフトに制御された回転を行わせるためのモータユニットを備え、このモータは、軸まわりのシャフトの外旋動作を行わせるために、槽の2つの側縁の一方に沿って槽の外側に配置されるとともに、スキッドのシャフトに接続するための連結手段を備えることで、第1および第2位置間のボデーの移動を生成するようになっている。
【0016】
本発明に係るプラントは、請求項1に従って提供される。
従来技術との比較において、本発明の革新的な諸原理およびその利点をより明確に説明するために、それらの原理を適用する実施形態の例を添付の図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明による処理プラントの第1の実施形態の模式的側面図である。
図2図2は、図1に記載のプラントの模式的平面図である。
図3図3は、図2のIII−III線に沿った模式的断面図である。
図4図4は、図1に記載のプラントにおける連結・回転装置の1つの姿勢を拡大して示す模式図である。
図5図5は、図1に記載のプラントにおける連結・回転装置の他の1つの姿勢を拡大して示す模式図である。
図6図6は、図1に記載のプラントにおける回転ロック用装置を拡大して示す模式図である。
図7図7は、本発明による処理プラントの第2の実施形態の模式的側面図である。
図8図8は、本発明による処理プラントの第2の実施形態の模式的側面図である。
図9図9は、図8のIX−IX線に沿った模式的断面図である。
図10図10は、図9に記載のプラントにおける連結・回転装置を拡大して示す模式図である。
図11図11は、本発明による処理プラントの第3の実施形態の模式的側面図である。
図12図12は、図11のXII−XII線に沿った模式的断面図である。
図13図13は、連結・回転装置の実施形態の変形例を一部破断して示す模式的側面図である。
図14図14は、図13のXIV−XIV線に沿った模式的形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照するに、図1は、本発明に従って提供されたボデーの浸漬処理用プラント(全体的に10で示されている)の第1例を模式的な形態で示している。
【0019】
プラント10は、処理されるボデー12を支持するように意図された少なくとも1つのスキッド11を含む。通常、スキッドは複数設けられ、プラントに沿って循環する。各スキッドはそれ自身、処理対象のボデーをもつ。
【0020】
プラントはまた、例えば抗腐食および電気泳動(cataphoresis)前処理のためにボデーが内部に浸漬されるべき少なくとも1つの処理液槽13を備える。説明のために1つの槽についての参照を行うが、プラントに沿って複数の槽が配置されてもよいことは明らかである。
【0021】
プラントはまた、プラントに沿って槽の上方でスキッドの順次移送を行うための移送ライン14を備える。移送ラインは、例えば、スキッドを載置して摺動させる電動ローラを有するものとして設計されていてもよい。図2に明示されるように、移送ライン14は、槽の一端の上流側にある入口部14aと、槽の他端の下流側にある出口部14bとを有するとともに、少なくとも槽と一致する部分に沿って平行な移動路40および41を備え、これらの移動路は槽の2つの側縁部15,16の外側に配置されている。
【0022】
次に、スキッド11は、側部取り付けエレメントないしは走行器18,19を有するベースフレーム17を含む。走行器18,19はベースフレーム17の2つの対応する両側部に配置され、スキッドを支持しつつ槽に沿って移動させるために電動式の平行移動路40,41に載置される。したがってスキッドは槽よりも広くなるように設計される。移送ライン全体は単一の幅を有するものとして設計してもよく、また、スキッドは槽を有する領域の外側でも走行器18,19とともに移送ラインに載置されるようにしてもよい。
【0023】
移動路は、有利には一連の電動ローラを有するものとして設計され得る。各案内路のこれらのローラは、当業者であれば容易に推測することができるように、また図から推測することができるように、例えば、チェーンシステムによって単一のモータにすべてが接続されていてもよい。入口部14aおよび出口部14bもまた、前記構造上に存在するものとすることができる。
【0024】
ステーションの前、後および/または内側で個別にモータ駆動されるセクションを有するローラのシステムによって、複数のボデーの非同期移送状態を得ることが可能となるとともに、複数のボデーは、可変の速度および可変のボデー間隔をもって、ローラ路上で独立に移動することができる。
【0025】
プラントはさらに、移送ライン14を介して槽の上方に位置付けられたスキッド上でボデーの反転および浸漬を行うためのモータ駆動システムを含む。
反転システムは各スキッド11上に支持体20を含み、支持体20は、処理対象のボデーの底部に取り付けを行うための公知のシステムを備えるとともに、ベースフレーム17上を横切る方向に支持されたシャフト21に強固に接続され、移送ラインを横切る方向の反転軸22のまわりに軸方向回転が可能となっている。図1および図3に明示されているように、支持体20の軸22のまわりの回転によって、ボデーは、通常プラントに沿って前進する上方の第1位置から、槽内にボデーを浸漬させるように反転した下方の第2位置へと変位することができる。
【0026】
図2に明示されるように、有利には、スキッドのベースフレームは、平面視したときに、ランナー18および19によって形成されるH型の両側線と、回転可能シャフト21およびフレーム上における関連支持体を含むかまたはそれによって形成される交差方向線と、をもつH型の形状を有し、ランナー18および19間の距離より狭い範囲でのボデーの並進および回転が容易となるようになっている。図2に明示されるように、有利にはV形状である支持エレメントが回転可能シャフトから延在しており、通常の移送姿勢では上方に向く支持体20を形成している。
【0027】
モータユニット23は、前記槽の側縁に沿って槽13の外側に配置されており、スキッドが槽上の適切な位置に達したときに、スキッドのシャフト21の相補的な連結エレメント25に接続するための連結エレメント24を含む連結手段が設けられ、槽の外側から、反転軸まわりにシャフト21の回転を行わせることができるようになっている。有利には、連結手段と反転シャフトとが所定方向から互いに向かって移動したときに、連結手段が反転シャフトを自動的にモータユニットに接続する。
【0028】
この態様では、シャフト21がモータユニット23に係合するまで、スキッドを電動走行路40および41によって移送することができる。そしてモータユニットを動作させ、所定の速度および所定の移動量をもって(それらは複合的でもある)、ボデーを反転させることができる。
【0029】
例えば、その移動を、ボデーの完全な反転および反転したボデーの振動の双方からなるものとすることで、気泡の排出と処理液に対するボデーの完全な接触とに有利となるようにすることができる。当業者であれば容易に推測できるように、移動はさらに、360°の移動からなるものでもよいし(必要に応じ、ボデーが完全に浸漬される所定時間の休止を有して)、また、上方および下方の2つの位置間でのボデーの外側移動と復帰移動からなるものでもよいし、あるいはまたこれらの移動を組み合わせたものであってもよい。
【0030】
図1に示す実施形態では、スキッドのシャフトが槽の長さに沿った途中の位置に達したときに、モータユニットがスキッドのシャフトと係合することが有利である。これにより、槽の長さをできるだけ短くすることが可能となる。
【0031】
浸漬処理が終了すると、ボデーは上方位置に戻され、さらなる任意の処理操作のためにスキッドを移送ラインに沿って進めることができる。
【0032】
図4は、モータユニットとスキッドの回転軸とを互いに連結するための連結エレメント24,25の好適な実施形態の拡大図を示している。
【0033】
特に、モータユニットが存在している槽の側部では、シャフト21の終端はシャフトの軸を横切る方向に開放された座となっている。これは、ボデーの支持体20が上方位置にあるときに移動路上のスキッドの摺動方向と平行な向きとなるように配向される直線状のチャネルを確定するためである。
【0034】
モータユニット23は駆動シャフト27を有し、その自由端には座26と相補形状となるように設計された係合挿入体またはエレメント28を有している。
【0035】
係合エレメント28および座26は、移動路に沿ったスキッドの移動(図4において矢印で示す)に伴って、エレメント28が座26の開口部(スキッドの移動方向に対して前方にある)を介して座26内に摺動するように配置される。したがってこの場合、係合の上記所定方向は、移動路上のスキッドの移動方向に平行である。ボデーの反転軸22が駆動シャフト27の軸線と整列配置されると、スキッドの移送を中断することができ、図5に模式的に示すように、モータユニット23はスキッドのシャフトを回転させることができる。
【0036】
浸漬処理が完了すると、モータユニットは上部の移送位置にボデーを再配置し、座の横方向開口部がスキッドの移動方向に対して後方に位置するようになることで、移送システムの再起動に伴い、スキッドは出口部14bに向かい移動経路に沿って進み、係合エレメント28は自動的に座26から離脱することができる。
【0037】
シャフトがモータユニットと係合していないときのシャフト21の制御されない回転を防止するために、有利にはシャフトの回転をロックするための装置を備えることができる。前記装置は、シャフトがモータユニットと係合したときには無効にされる。
【0038】
例えば、図6は、可能性のある有利な機械的ロック装置29を示しており、これは、スキッドのフレームに31で示す部位に回動可能に取り付けられるとともに係合指部32が設けられたレバー30を備える。指部32はばね33の作用によって、シャフト21に存在する相補的な外周の座に挿入され、それをロックする。座34および指部32は、スキッドがその上方位置に支持されるときに係合が生じるように互いに対して構成配置される。
【0039】
槽の一方の側部にはカムエレメント35が配置され(例えばモータユニットの支持体に取り付けられる)、レバー30をばね33の作用に抗して変位させ、エレメント24および25が互いに係合しているときに座34から指部32を解放するようになっている。
【0040】
このように、スキッドが槽上の反転位置に到達したときに、反転シャフトはモータユニットに係合し、自動的にロック装置から解放され、スキッドが反転位置を離れると、反転シャフトが完全にモータユニットから解放されるのに先立って、シャフト21はロック装置によって再び自動的にロックされる。
【0041】
図7は、本発明に係るプラントの第2の実施形態を示し、これは、全体的に110によって示されている。
【0042】
説明をより簡単にするために、第1の実施形態と同様の第2の実施形態の部分は、同じ番号を100だけ増加させたものとして示されている。
【0043】
プラント10と同様に、プラント110は処理されるボデー112を支持するように意図された少なくとも1つのスキッド111(有利には複数のスキッド)と、ボデーが内部に浸漬されるべき少なくとも1つの処理液槽113と、プラントに沿って槽の上方でスキッドの順次移送を行うための移送ライン114と、を備える。例えば、移送ラインはスキッドを載置して摺動させる電動ローラを有するものとして設計されていてもよい。スキッド111はスキッド11と同様である。
【0044】
先の実施形態と同様、移送ライン114は、入口部114aおよび出口部114bを有するとともに、少なくとも槽と一致する部分に沿って平行な移動路140および141を備え、これらの移動路は槽の2つの側縁部115,116の外側に沿って配置されている。
【0045】
次に、スキッド111は、側部取り付けエレメントないしは走行器118,119を有するベースフレーム117を含む。走行器118,119は、スキッドを支持しつつ槽に沿って移動させるために平行移動路に載置される。
【0046】
先の実施形態と比較して、それぞれ140a,140bおよび141a,141bによって示されるように、槽の各側には上下に配置された2つの移動路140,141があり、垂直移動フレームに一体的に取り付けられることで、上下に配置された二対の移動路140a,141aおよび140b,141bを形成している。それらの移動路も、例えばモータ駆動ローラの列を整列させたものとして設計することができる。
【0047】
フレーム150は、コマンドに応じて垂直に移動することができ、これによって下方の移動路140b,141b(図7)または上方の移動路140a,141a(図8)を移送ラインの入口セクション114aおよび出口セクション114bに整列させることができるようになっている。
【0048】
よって、入来するスキッドを、図7および図8に見られるように、下方の移動路または上方の移動路に選択的にロードすることができる。
【0049】
下方の移動路は、第1の実施形態に関して記載したものと同様の方法で、槽内のボデーを浸漬するためにスキッドが到着する動作経路を形成する。
【0050】
これに対し上方の移動路は到着するスキッドが槽をバイパスする経路を形成する。この経路によって、処理を受けるボデーで槽が既に占有されていても、スキッドが槽の上方を通過し、出口セクション114b内に進むことができるようになる。
【0051】
この結果、例えば、移送ラインに沿って順次に配置された2つの槽を持つことが可能であり、第1の槽が既に占有されている場合にスキッドを第2の槽に向けることができる。
【0052】
スキッド上のボデーを反転および浸漬するためのシステムは、いずれの場合も、先に説明したのと同様に有利であり、各スキッド111には、処理対象のボデーを取り付ける支持体120を備える。支持体120は、ベースフレーム117の上方でスキッドを横切る方向に支持されたシャフト121に堅固に接続され、移送ラインを横切る反転軸122を中心に回転可能となっている。
【0053】
モータユニット123は、槽の側縁に沿って槽の外側に配置されており、反転位置に達したスキッドのシャフト121の相補的な連結エレメント125と互いに接続するための連結エレメント124を含む連結手段が設けられる。連結エレメントは図4および図5を参照して説明したものと同様のものとすることができる。
【0054】
有利には、モータユニットをスキッド反転用シャフトに係合させるために、図7および8の比較から推測できるように、移動路の垂直移動を用いることができる。換言すれば、この場合係合の所定方向は垂直方向である。
【0055】
この場合には、図10に明示されるように、連結システムは、図4に示す結合システムに対し、90°の回転を行うように形成され、したがって連結エレメント125の座126により形成される横方向チャネルは、スキッド支持フレームが上方に進んだ位置にあるとき、垂直に位置する。
【0056】
したがって、駆動シャフト127の係合エレメント128は、支持フレーム150によって行われる変位により生じる走行路の垂直方向移動によって、座126の内部に入ることができる。
【0057】
図7に模式的に示されるように、使用中、上方に位置する移動路に対して、スキッドは、シャフト121の連結エレメントが垂直に位置付けられてモータユニット123の連結エレメントと整列するまで、下方に位置する移動路にロードされて前進する。そして移動路は下降し、それによって反転シャフトはモータユニットのシャフトの内側に係合する。この状態でモータユニットは、プログラムされた処理サイクルに従って軸122の周りのボデーの反転を実行することができる。
【0058】
ボデーが下向きに反転すると、上方の移動路は解放され、移送システムの入口セクション114aおよび出口セクション114bに整列するようにされる。したがって、移送システムに沿って他のスキッドが到着した場合、これらのスキッドは、移動路140aの上に導かれ、槽の上を通過し、図8に模式的に示すように、出口に向かって進むことができる。
【0059】
上方の移動路が解放されており、下方の移動路に存在するスキッドのボデーの処理が完了した後、ボデーがその上方位置に再び回転し、移動路が再び上昇して、反転シャフトとモータユニットとの接続が断たれる。よって、処理されたボデーとともにスキッドが出口114bに向かって移送されるように、移動路を操作することができる。
【0060】
シャフトがモータユニットと係合していないときのシャフト121の制御されない回転を防止するために、有利にはシャフトの回転をロックするための装置を備えることもでき、該装置は、モータユニットが反転シャフトと係合したときには無効にされる。例えばこの装置は先の実施形態で用いたものと同様のものとすることができるが、無効化されると、モータユニットと係合するための反転シャフトの垂直移動によって制御される。かかる装置は当業者であれば容易に推測でき、したがってこれ以上の詳細については本明細書では説明しない。例えば、前記システムは図6に示したのと同様のものとすることができるが、レバーの相対的な垂直移動およびカムの作動によって作動するように、90°回転するものとすることができる。
【0061】
図11および図12は、本発明に係る実施形態のさらなる他のプラントの例を示し、これは全体的に210で示されている。
【0062】
便宜上、このさらなる本実施形態の、第1の実施形態の部分と同様の部分は、同じ番号を200だけ増加させたものとして示されている。
【0063】
プラント10と同様に、プラント210は処理されるボデー212を支持するように意図された少なくとも1つのスキッド211(有利には複数のスキッド)と、ボデーが内部に浸漬されるべき少なくとも1つの処理液槽213と、プラントに沿って槽の上方でスキッドの順次移送を行うための移送ライン214と、を備える。例えば、移送ラインはスキッドを載置して摺動させる電動ローラを有するものとして設計されていてもよい。スキッド211はスキッド11と同様である。
【0064】
先の実施形態と同様、移送ライン214は、入口部214aおよび出口部214bを有するとともに、少なくとも槽と一致する部分に沿って平行な移動路240および241を備え、これらの移動路は槽の2つの側縁部215,216の外側に沿って配置されている。
【0065】
次に、スキッド211は、側部取り付けエレメントないしは走行器218,219を有するベースフレーム217を含む。走行器218,219は、スキッドを支持しつつ槽に沿って移動させるために平行移動路に載置される。
【0066】
スキッド上のボデーを反転および浸漬するためのシステムは、少なくとも一部が、第1の実施形態について前述したものと同様であることが有利であり、各スキッド111には、ボデーの支持体220を備える。支持体220は、ベースフレーム217の上方でスキッドを横切る方向に支持されたシャフト221に堅固に接続され、移送ラインを横切る反転軸222を中心に回転可能となっている。
【0067】
少なくとも1つのモータユニット223が槽の側縁に沿って槽の外側に配置されており、反転位置に達したスキッドのシャフト221の相補的な連結エレメント225と互いに接続するための連結エレメント224を含む連結手段が設けられる。この場合もまた、所定方向に沿って連結エレメントが互いに向かって移動したときに互いの係合が生じるよう、連結手段を設計することができる。
【0068】
先の実施形態とは異なり、槽213はより長く、また処理を受けるボデーは浸漬中に水平に移動し得るものとなっているか、あるいはまた出現時の移動および浸漬時の移動が組み合わされた複合的な移動を実行し得るものとなっている。この目的のために、モータユニット223は固定されておらず、係合の間、移動路に沿ったスキッドのシャフトに追従するよう、移動路に平行な軌道に沿って移動可能となっている。この目的のために、モータユニットを移送システムによって支持し、槽の縁に沿って、槽に沿ったスキッド移送システムの移動と平行な方向に且つその移動に同期して、モータユニットを移動させるようにすることができる。
【0069】
有利には、図11に示すように、モータユニット223の数を少なくとも2つとし、循環経路に沿って離間して配置することによって、スキッドとの係合位置(図11において実線で示される)と解放位置(図11において立ち上がっているボデーの破線で示される)との間のモータユニットの能動的な経路の終了時に、他のモータユニットが次に入来するスキッドと既に係合しているようにする。モータが電気モータである場合には、例えば摺動接触によってモータに電力を供給することができる。あるいはまた、モータユニットは、グラウンドに固定されたモータに対し機械的に(その移動を可能にする適切な公知の駆動部を用いることによって)接続されたものであってもよい。
【0070】
図12に明示されるように、横方向コンベア260は、モータ262により駆動される駆動チェーン261と、適切なガイドに沿って摺動し、モータユニット263を支持するキャリッジ263と、をもつ無端式チェーンコンベアを備えることができる。また、図12を参照すればわかるように、上方および下方のガイド・チェーンセクションは互いに対し横方向にずらされていることで、上方の能動セクションに沿って移動するモータニットがスキッドラインに沿って移動する一方、下方の戻しセクションに沿って移動するモータユニットがスキッドラインから離れるように移動するようにすることができる。
【0071】
スキッド反転用シャフトとモータユニットとを係合させるために、スキッドの移動方向に平行な方向への水平移動に加えて、またはそれに代えて、接近および離脱移動を用いてもよい。係合および解除のために、コンベヤ260の退出および戻しの2つのセクション間でのモータユニットの昇降に従った移動を使用することもできる。
【0072】
係合のために選択された接近移動に従い、連結エレメントは、先の実施形態のいずれかを参照して説明したものと同様のものとすることができ、したがってここではこれ以上詳述しない。
【0073】
シャフトがモータユニットと係合していないときの反転シャフトの制御されない回転を防止するために、既に上述したように、有利にはシャフトの回転をロックするための装置を備えることができる。装置の無効化は、既に上述したのと同様、ここでもモータユニットと係合するための移動によって実行される。有利には、モータユニットとともに任意の無効化カムが変位するようにするべきである。
【0074】
プラントの運転中、槽213の開始点の係合位置に到着したスキッドは、コンベア260に到達したモータユニットと係合し、ボデーを回転させ、また必要な場合は処理のために移動させ、槽の他端に向かう移動中に1以上の出現移動が生じることになる。
【0075】
槽の他端部に到達すると、ボデーは上方の移送位置に戻され、スキッドは反転モータユニットから解放され、スキッドは連続する任意の処理動作のために進むことになる。
【0076】
図13および図14は、スキッド上の回転シャフトと互いに連結するエレメントおよび回転モータの有利な実施形態を示している。本実施形態では、連結エレメントは、連結エレメントと互いに係合している間に回転するように配置されたアイドルローラ36に対して相対移動するための表面を含んでいる。好ましくは、ローラは、他の連結エレメントの溝内に挿入される連結エレメント上に位置していることが有利であり、また有利には連結の回転軸に平行な回転軸を有するものとすることができる。ローラによって、他方のエレメントの内側において一方の連結エレメントの容易な摺動が可能となる。
【0077】
これはまた、回転時におけるシャフト回転軸とモータ回転軸との容易な自己整列を可能にする。実際、上述の連結システムと同じ方法で、回転時において軸の僅かな位置ずれは補正される。その位置ずれは、整列状態が生じるまで、他方のエレメントの内側において一方の連結エレメントの僅かな変位を生じさせ得るからである。摩擦の少ない摺動面を使用することによって、これはより高い精度と速度で生じる。したがって、2つの連結エレメントの一方でローラを使用することはアライメント性を改善する。また、例えばヒンジ37およびばねユニット38を用いることによって、垂直方向に僅かなばね作用を有するようにモータを取り付けることもできるし、位置に関してモータが調整可能となるようにすることもできる。
【0078】
さらに、当業者が容易に推測できるように、移送ラインに沿った適切な移動終了係止部がスキッドとモータとの整列位置を検出するようにしてもよい。
【0079】
図13に示すように、有利には、ローラが互いに並んで配置された3つのローラから構成され、その1つは、それが取り付けられた連結エレメントの回転軸と整列し、他の2つは、その第1のローラの両側に対称的に配置されるものとすることができる。
【0080】
この時点で、事前に明示した目的がどのように達成されているかは明らかである。
【0081】
図面に明示されているように、処理槽は処理されるボデーの寸法より僅かに大きいだけであり、横方向に要求されるものは槽の壁とボデーの側壁との間の小さい遊びだけであって、前方および後方には、ボデーを反転させるための円形の移動、図11のような応用であれば、浸漬されているボデーの並進移動を可能とするだけの空間があればよい。したがって、処理液の量を、大幅に(ほとんどの従来のシステムと比較して例えば約15%減少するように)制限することができる。さらに、本発明のプラントによれば、幅方向の寸法削減、例えばボデー浸漬アームおよび/または昇降機を有するプラントと比較して約25%に等しいが削減が可能となる。
【0082】
スキッドは、すべての意図および目的のために、移送手段およびボデー反転手段の双方を構成し、したがって、従来技術で使用される従来のスキッドおよび従来のキャリッジの双方が削除される。
【0083】
スキッドは機械的部材を有したものとして(例えば電気または電子デバイスを必要としないものとして)設計することができるので、前処理および電気泳動プラント内だけでなく、下流にある乾燥炉および重合炉(polymerization oven)へとボデーを移送するために使用することもできる。
【0084】
さらに、移送および反転システムは完全に槽の垂直軸の外側にとどまっており、処理液との接触から容易に保護することができる。
【0085】
移送システムは、槽の垂直軸に沿って配置されていないため、プラントによって移送される、または可動部品の摩耗によって移送システムから落下し得るあらゆる不純物に起因した液体の汚染を回避することも可能となる。
【0086】
さらに、システムは、非常に簡単で少数の可動部品を有しており、前記部品は生産コストとメンテナンスコストが低廉なものである。
【0087】
本発明の革新的原理を適用した実施形態の上述の説明は、これらの革新的な原理の例として提供されたものであり、したがって、特許請求の範囲に記載の権利範囲を限定するものと見なすべきではないことは明らかである。
【0088】
例えば、本発明に係る処理槽と一致していないセクションに沿って、スキッド移送システムは、異なる公知のいかなるタイプのものであってもよい。複合された、および/または連続した処理タンク内でのボデーの浸漬を伴う処理を実行するために、上述した様々な実施形態を互いにどのように組み合わせることができるかを、推測することも可能である。モータユニットおよび反転シャフトのためのロック装置および連結手段は、例示したものと異ならせることも可能であり、また、例えば電気的、空気圧式または油圧式の機能を有する「アクティブな」作動システムを含んでいてもよい。説明した連結エレメントは、反転シャフトにあるものおよびモータユニットにあるものとが交換されてもよい。
【0089】
移送ラインはまた、スキッドが載置されて摺動する電動ローラとは異なるシステムを備えるように設計することができる。当業者であれば容易に推測することができるように、例えば、リニアモータや摩擦ローラのような他のシステムを使用することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14