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特許6371399インターフェースパラメーター同期方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6371399
(24)【登録日】2018年7月20日
(45)【発行日】2018年8月8日
(54)【発明の名称】インターフェースパラメーター同期方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/711 20130101AFI20180730BHJP
   H04L 12/723 20130101ALI20180730BHJP
【FI】
   H04L12/711
   H04L12/723
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-550915(P2016-550915)
(86)(22)【出願日】2014年6月17日
(65)【公表番号】特表2017-503440(P2017-503440A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】CN2014080138
(87)【国際公開番号】WO2015062285
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年4月24日
(31)【優先権主張番号】201310522567.0
(32)【優先日】2013年10月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,チュン
【審査官】 上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529398(JP,A)
【文献】 特表2015−526033(JP,A)
【文献】 L. Martini,Segmented Pseudowire,IETF RFC6073,2011年 1月
【文献】 Parveen Muley,Pseudowire Preferential forwarding Status Bit draft-ietf-pwe3-redundancy-bit-09.txt,Network Working group Internet Draft,2013年 1月 4日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/711
H04L 12/723
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MSPWアーキテクチャに応用されるインターフェースパラメーター同期方法であって、
SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された前記第1PWに関連する情報を受信して記録することと、
前記第1PWに関連する情報を前記SPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することと、を含み、
前記第1PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていて、
前記第1PWにシングルセグメントのPWの取り消しが発生した場合、
前記SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された前記第2PWに関連する情報を受信して記録することと、
前記第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除を指示するためのシグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することと、を更に含み、
前記第2PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていて、
前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信する前、
記録された前記第1PWに関連する情報と前記第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定し、一致しない場合、前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するインターフェースパラメーター同期方法。
【請求項2】
前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信した後、
前記第2PWに関連する情報を前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することを更に含む請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1PWに関連する情報を記録する前、
所定の戦略に基づいて、前記第1PWを決定することを更に含み、
前記所定の戦略は、
前記SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されていない場合、所定の設定に基づいて、前記第1セグメントのPWの中の1つのPWを前記第1PWとして決定すること、又は、
前記SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されている場合、前記第1セグメントのPWのうち、PW関連情報が先に受信された1つのPWを前記第1PWとして決定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記関連する情報には、対応するPWの、ネクストホップアドレス、PW識別子、PWタイプ、転送等価クラスFECタイプの中の少なくとも1つのパラメーターが含まれている請求項1乃至の中のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
MSPWアーキテクチャに応用されるインターフェースパラメーター同期装置であって、
SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された前記第1PWに関連する情報を受信して記録するように構成される第1受信モジュールと、
前記第1PWに関連する情報を前記SPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第1送信モジュールと、を含み、
前記第1PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていて、
前記SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された前記第2PWに関連する情報を受信して記録するように構成される第2受信モジュールと、
前記第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除を指示するためのシグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第2送信モジュールと、を更に含み、
前記第2PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていて、
記録された前記第1PWに関連する情報と前記第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定するように構成される判定モジュールを更に含み、
前記第2送信モジュールは、前記判定モジュールによって一致しないと判定された場合、前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するインターフェースパラメーター同期装置。
【請求項6】
前記第2PWに関連する情報を前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第3送信モジュールを更に含む請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的に、インターフェースパラメーター同期方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットプロトコル(Internet Protocol、IPと略称)データネットワークの発展に伴って、IPネットワーク自体の拡張可能性、アップグレード可能性、両立できる相互の通信能力も非常に強くなった。しかし、既存の通信ネットワーク、例えばフレームリレー(Frame Relay、FRと略称)ネットワーク、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATMと略称)ネットワークのアップグレーディング、拡張、相互の通信の融通性は相対的に悪い。伝送方式やサービスタイプの制限を受けるので、新しく構築されるネットワークの共用性も比較的に悪く、互換管理に不便である。擬似ワイヤエミュレーションエッジツーエッジ(Pseudo−Wire Emulation Edge−to−Edge、PWE3と略称)技術は、通信事業者のエッジ機器(Provider Edge、PEと略称)の間に擬似ワイヤ(Pseudo−Wire、PWと略称、仮想リンクとも呼ばれる)を配置して、パケット交換ネットワークでユーザのイーサネット、フレームリレー、非同期転送モード等のレイヤ−2メッセージを伝送するサービスを提供する。PWE3技術によると、通信事業者の異なるサービスを同一ネットワークで伝送することができるので、元のアクセス方式と既存のIPバックボーンネットワークとを統合させることができ、ネットワークの重複構築を減少し、経営コストを節約できる。同時に、IPバックボーンネットワークが多様なアクセスネットワークに接続可能であるので、元のデータネットワークを改善し補強することができる。よって、PWE3技術は上記メリットを有するので、通信事業者の各種の需要やネットワークの構築においてますます汎用されている。
【0003】
図1は、既存技術に係る代表的なPWEネットワークの参照モデルを示す図で、図1に示すように、あるユーザのローカルエリアネットワーク1のユーザエッジ機器(Customer Edge、CEと略称)1が接続回線(Attachment Circuit、ACと略称)1を介して通信事業者のマルチプロトコルラベルスイッチング(Multi−Protocol Label Switching、MPLSと略称)バックボーンネットワークのエッジ機器PE1にアクセスし、該ユーザのローカルエリアネットワーク2のユーザエッジ機器CE2は接続回線AC2を介して通信事業者のMPLSバックボーンネットワークのエッジ機器PE2にアクセスし、通信事業者はPE1とPE2との間で該サービスのために1つの擬似ワイヤを配置する。擬似ワイヤは、方向が相反する1対の単方向のラベルスイッチパス(Label Switch Path、LSPと略称)の集合である。接続回線AC1から送信される該ユーザのローカルエリアネットワーク1内のメッセージは擬似ワイヤのプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDUと略称)としてカプセル化されて、該擬似ワイヤを介して相手側のPE2機器に透き通って伝送される。メッセージは、PE2機器に達した時、PE2によるローカル処理を経て、再びローカル形式に回復され、AC2を介して該ユーザのローカルエリアネットワーク2のネットワークに転送される。CE2からCE1へのメッセージの転送は上記プロセスに類似する。
【0004】
ネットワーク環境において、異なるネットワーク通信事業者はそれぞれの原因で各自のドメイン中の擬似ワイヤ終端における通信事業者エッジ機器(PW Terminating Provider Edge、TPEと略称)間にシングルセグメント擬似ワイヤ(Single−Segment Pseudo−Wire、SSPWと略称)を確立(establish)することができず、例えば、セキュリティ方面の原因で通信事業者は各自のドメイン中のTPE間に直接に接続されるPW制御通路を形成することができないことや、拡張可能性の方面の原因で通信事業者は各自のドメインにおいて異なるパケット交換ネットワーク(Packet Switched Network、PSNと略称)カプセル化技術を利用すること、通信事業者は異なるネットワーク間のトラフィックの交換を制御するため、各自のネットワークにおいて異なるPWE3シグナルプロトコルを用いることなどである。従って、異なるネットワーク通信事業者間でマルチセグメント擬似ワイヤ(Multi−Segment Pseudo−Wire、MSPWと略称)によってTPE間の相互接続を実現しなければならない。そして、大型サービス提供者ネットワークにおいて、ネットワークエッジに多くの集合(aggregation)機器を含み、各機器が1つのPEである可能性があって、ネットワーク中のPWは帯域幅が明確に保証されているので、トラフィックエンジニアリング(Traffic Engineering、TEと略称)をPWのPSNトンネルとする。このような状況下、SSPWアーキテクチャを用いると、TEトンネルのオーバーヘッドが増加し、更に、これらのトンネルをサポートするPEとコアネットワークPEの数量が増加することになるので、サービス提供者は、該ネットワークを複数のPWE3ドメインに分割し、各PWE3ドメイン間でMSPWアーキテクチャを用いる可能性がある。アクセスネットワークとメトロポリタン・エリア・ネットワークにおいて、サービス提供者は、メンテナンス可能性を向上させ、運行コストを低減するため、MSPWアーキテクチャを使用することもある。
【0005】
MSPWの確立メカニズムは以下のような3種類がある:
(1)静的配置:擬似ワイヤの交換ノードの通信事業者エッジ機器(PW Switching Provider Edge、SPEと略称)で手動で各セグメントのPWを配置する。
【0006】
(2)経路を予め設定:PW経路を予め設定し、エッジツーエッジシグナルプロトコルを用いてSPE間で自動的に各セグメントのPWを継ぎ合わせる。
【0007】
(3)シグナルによる動的な経路の選択:PW経路の確立は、エッジツーエッジシグナルプロトコルによって1つ又は複数の動的ルーティングプロトコルを用いて動的に確定され、SPE間で自動的に各セグメントのPWが継ぎ合わせられる。
【0008】
MSPWの確立が第1種のメカニズムである場合には、MSPWシグナル中において、各セグメントのPWの転送等価クラス(Forwarding Equivalence Class、FECと略称)のタイプが全て同じである場合に、SPEはPWE3シグナルメッセージをリモート機器へ自発的にトリガーすることができず、必ず、少なくともあるセグメントのPWリモート機器からのPWE3シグナルメッセージを受信した時に次のセグメントのPWのリモート機器へPWE3シグナルメッセージをトリガーするしかできない。図2は既存技術による代表的なMSPWネットワークの参照モデルを示す図で、図2に示すように、TPE1とTPE2との間にMSPWを確立するため、SPEで手動でリンクPW1とPW2を配置し、且つPW1とPW2は同様なPW FECタイプである。TPE1とTPE2はPW関連情報(インターフェースパラメーターを含む)を手動で配置し、TPE1はPWE3シグナルメッセージをSPEに送信し、SPEはTPE1からのPWE3シグナルメッセージを受信した後、解析してメッセージ中の関連データ(インターフェースパラメーターを含む)を保存し、そして、SPEはTPE2にTPE1インターフェースパラメーターを含むPWE3シグナルメッセージを送信し、TPE2はSPEから送信されたPWE3シグナルメッセージを受信した後、解析して該シグナルメッセージ中の関連データ(インターフェースパラメーターを含む)を保存し、また、ローカル構成パラメーターと協商し、協商に成功した後、当該PWを確立してLSPを形成する。TPE2からTPE1へのPWE3シグナルメッセージの送信プロセスは上記プロセスに類似する。
【0009】
ネットワーク信頼性に対するユーザの要求が高まっているに伴って、通信事業者は、あるPWリンクが失効した時、候補PWリンクを早速探してその前のPWリンクの代わりに動作を継続するように、PWサービスに保護措置をとる必要がある。伝統的なPWサービス保護は、PSNトンネルレベルに基づくものであり、即ち、PWの外層トンネルに、冗長保護技術、例えばラベル配布プロトコル(Label Distribution Protocol、LDPと略称)による高速再ルート(Fast Reroute、FRRと略称)技術又はリソース保留プロトコル−トラフィックエンジニアリング(ReSource Reservation Protocol−Traffic Engineering、RSVP−TEと略称)によるFRR技術をとる。しかし、これらによると、PWに基づくエッジツーエッジのサービスに対する保護は不充分である。例えば、擬似ワイヤサービスアクセス側の失効、TPEノードの失効、SPEノードの失効等について、PSN層の冗長保護措置は作用を果たすことができない。よって、当該分野において擬似ワイヤサービスレベルに基づく冗長保護メカニズムが提案されている。
【0010】
MSPWシナリオにおけるAC失効、TPEノード失効、SPEノード失効、PW失効等の状況を保護するため、関連技術において、CEデュアルホーミングMSPW冗長保護案を採用しており、図3は既存技術によるデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオを示す図で、図3に示すように、CE1はTPE1とTPE2に、CE2はTPE3とTPE4にデュアルホーム(dual−home)される。PW11はTPE1をSPE1に、PW21、PW22はそれぞれTPE2をSPE1、SPE2に、PW13、PW14はそれぞれSPE1をTPE3、TPE4に、PW23、PW24はそれぞれSPE2をTPE3、TPE4にリンクする。同様に、PW13、PW23はそれぞれTPE3をSPE1、SPE2に、PW14、PW24はそれぞれTPE4をSPE1、SPE2に、PW11、PW21はそれぞれSPE1をTPE1、TPE2に、PW22はSPE2をTPE2にリンクする。PWE3シグナルがLSPの形成を完成した後、CE1からCE2へ形成される利用可能なデータ転送経路は、
CE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2、
CE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW14―TPE4―AC4―CE2、
CE1―AC2―TPE2―PW21―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2、
CE1―AC2―TPE2―PW21―SPE1―PW14―TPE4―AC4―CE2、
CE1―AC2―TPE2―PW22―SPE2―PW23―TPE3―AC3―CE2、
CE1―AC2―TPE2―PW22―SPE2―PW24―TPE4―AC4―CE2である。
【0011】
いずれのACも失効していない安定的な状態において、CE1からCE2へはただ1つのLSPのみを選択してトラフィックの転送を行い、トラフィックの転送用として選択された経路は、CE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2であるとする。該トラフィック転送経路において、CE1とCE2のノード以外に、各ノードが単独に失効すると、いずれも有効に保護されることができ、いずれも局所収束を行うことができる。例えば、SPE1ノードが失効すると、トラフィック経路はCE1―AC2―TPE2―PW22―SPE2―PW23―TPE3―AC3―CE2に切り替えられる。PW13に失効故障が発生すると、SPE1はトラフィックをPW14に切り替えると共に、CE2はトラフィックをAC4に切り替え、CE1からCE2へのトラフィック転送経路がCE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW14―TPE4―AC4―CE2に切り替えられる。従って、当該シナリオにおいて、単一のTPE又はSPEノードの失効又はPWのシングルセグメントの失効によって、CE1からCE2への転送経路全体の切り替えが行われるのではなく、局部的な切り替えのみが発生し、トラフィック転送経路の局所収束が実現され、切り替え効率が向上する。トラフィック転送経路に複数のTPEとSPEの失効が発生しても、トラフィック転送経路の全局的な切り替えを行うことができる。例えば、TPE1、SPE1、TPE3が全部失効すると、トラフィック転送経路はCE1―AC2―TPE2―PW22―SPE2―PW24―TPE4―AC4―CE2に切り替えられる。
【0012】
本発明の発明者らは、研究中に、以下の発見をした。即ち、図3に示すMSPW冗長シナリオにおいて、TPE1とTPE2がそれぞれAC1とAC2を介して同一のCE機器にリンクされるので、同一サービスの場合、TPE1とTPE2のアクセス側のインターフェースパラメーターは同じく設定されるはずである。しかし、TPE1とTPE2のアクセス側のインターフェースパラメーターがユーザにより設定されるので、ユーザによる設定が一致しないことでSPEの同一側におけるマスター/スタンバイSSPWのリモートインターフェースパラメーターが一致しないことが発生し、最終的にLSP転送経路で正しくないインターフェースパラメーターを使用することが発生する。
【0013】
以下、PWインターフェースパラメーターのうち、仮想回線接続性検証(Virtual Connection Connectivity Verification、VCCVと略称)パラメーターを選択して上記欠陥を説明する。図4aは、既存技術によるVCCVパラメーターのローカル設定の修正時のデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオでのシグナル相互通信を示す図で、図4aに示すシグナル相互通信プロセスは以下のステップを含む。
【0014】
ステップ41:TPE1、TPE2、TPE3、TPE4は、一致するVCCVパラメーターをローカルに設定し、ここで、CCTYPEは0x01で、CVTYPEは0x04である。
【0015】
ステップ42:PWE3シグナル中において、PW11、PW22、PW13、PW14は協商に成功してLSPを形成し、そのVCCV協商値はCCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x04である。
【0016】
ステップ43:CE1からCE2へのトラフィック転送経路をCE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2とすると、この時、応用の需要に応じて、ユーザは転送LSP経路のVCCV協商値を0x01のCCTYPE、0x08のCVTYPEに修正することを希望している。ユーザは、TPE1ローカルで設定を削除し、VCCV値を、CCTYPEが0x01、CVTYPEが0x08であるように再び設定する。
【0017】
ステップ44:TPE1はSPE1にPWE3シグナル取り消しメッセージをトリガーし、PW11のシングルセグメントLSPをローカルで取り消す。SPE1はTPE1からのPWE3シグナル取り消しメッセージを受信して、PW11のローカルシングルセグメントLSPを取り消し、ローカルでの切り替えをトリガーして、トラフィックをPW11からPW21へ切り替えると共に、CE1はPW11の失効を感知し、トラフィックをAC2に切り替える。この時、トラフィック転送経路はCE1―AC2―TPE2―PW21―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2である。当該過程において、SPE1の右側では左側のトラフィック切り替えを感知できない。
【0018】
ステップ45:TPE1はVCCVの新しいパラメーター値を用いてローカル協商を行い、PW11のシングルセグメントLSPを形成し、ここで、TPE1は、協商時に、ローカルVCCV値とリモートVCCV値を用いて「AND(&)」操作をとり、TPE1のVCCVの新規協商値はCCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x00であり、その同時に、TPE1はSPE1へのPWE3シグナルメッセージをトリガーし、SPE1はTPE1からのPWE3シグナルメッセージを受信し、PW11のシングルセグメントLSPをローカルで形成する。
【0019】
ステップ46:ユーザは継続してTPE2ローカルでPW21設定を削除し、VCCV値を、CCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x08であるように改めて設定する。TPE2はSPE1へPWE3シグナル取り消しメッセージをトリガーし、ローカルでPW21のシングルセグメントLSPを取り消し、SPE1はTPE2からのPWE3シグナル取り消しメッセージを受信し、ローカルでのPW21のシングルセグメントLSPを取り消し、ローカルでの切り替えをトリガーし、トラフィックをPW21からPW11に切り替えると共に、CE1はPW21の失効を感知し、トラフィックをAC1に切り替える。この時、トラフィック転送経路はCE1―AC1―TPE1―PW11―SPE1―PW13―TPE3―AC3―CE2である。当該過程において、SPE1の右側では左側のトラフィック切り替えを感知できない。
【0020】
ステップ47:TPE2はVCCVの新しいパラメーター値を用いてローカル協商を行い、PW11のシングルセグメントLSPを形成し、ここで、TPE2は、協商時に、ローカルVCCV値とリモートVCCV値を用いて「&」操作をとり、TPE2の新規VCCV協商値はCCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x00であり、同時に、TPE2はSPE1へのPWE3シグナルメッセージをトリガーし、SPE1はTPE2からのPWE3シグナルメッセージを受信し、PW11のシングルセグメントLSPをローカルで形成する。
【0021】
このように、プロセス全般において、SPEの右側機器TPE3、TPE4はTPE1、TPE2機器のローカルパラメーターの変更を感知できない。図4bは、既存技術に係るInterfaceパラメーターのローカル設定の修正時のデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオでのシグナル相互通信を示す図で、図4bに示すように、同様に、ユーザはそれぞれTPE3上のPW13とTPE4上のPW14に同じ設定操作を行い、上記設定プロセスを経て、最終的に、TPE1上のPW11、TPE2上のPW21、TPE3上のPW13、TPE4上のPW14のVCCV設定値はいずれも、CCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x08である一方、記録されたリモートVCCV値は常に、CCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x04である。これにより、VCCV値の協商結果として、CCTYPEが0x01で、CVTYPEが0x00であるため、相手側の機器は正確なインターフェースパラメーター値を使用して協商してPWを確立することができなくなる。
【0022】
既存技術において相手側の機器がローカル機器のインターフェースパラメーターの更新を即時に感知できないことによる問題について、未だに有効な解決案が提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の実施例は、少なくとも相手側の機器がローカル機器のインターフェースパラメーターの更新を即時に感知できないことによる問題を解決できるインターフェースパラメーター同期方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の実施例の一態様によると、SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された前記第1PWに関連する情報を受信して記録することと、前記第1PWに関連する情報を前記SPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することと、を含み、前記第1PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれているインターフェースパラメーター同期方法を提供する。
【0025】
前記第1PWにシングルセグメントのPWの取り消し(withdraw)が発生した場合、前記方法は、前記SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された前記第2PWに関連する情報を受信して記録することと、前記第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除(除去)を指示するためのシグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することと、を更に含み、前記第2PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていることが好ましい。
【0026】
前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信する前、前記方法は、記録された前記第1PWに関連する情報と前記第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定し、一致しない場合、前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することを更に含むことが好ましい。
【0027】
前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信した後、前記方法は、前記第2PWに関連する情報を前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することを更に含むことが好ましい。
【0028】
前記第1PWに関連する情報に基づいてラベルスイッチパスを確立する前、前記方法は、所定の戦略に基づいて、前記第1PWを決定することを更に含むことが好ましい。
【0029】
前記所定の戦略は、前記SPEのローカル設定(local configuration)にPWの唯一の識別情報が設定されていない場合、所定の設定(コンフィグレーション)に基づいて、前記第1セグメントのPWの中の1つのPWを前記第1PWとして決定すること、又は、前記SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されている場合、前記第1セグメントのPWのうち、PW関連情報が先に受信された1つのPWを前記第1PWとして決定することを含むことが好ましい。
【0030】
前記関連する情報には、対応するPWの、ネクストホップアドレス、PW識別子、PWタイプ、FECタイプの中の少なくとも1つのパラメーターが含まれていることが好ましい。
【0031】
本発明の他の一態様によると、SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された前記第1PWに関連する情報を受信して記録するように構成される第1受信モジュールと、前記第1PWに関連する情報を前記SPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第1送信モジュールと、を含み、前記第1PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれているインターフェースパラメーター同期装置を提供する。
【0032】
前記装置は、前記SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された前記第2PWに関連する情報を受信して記録するように構成される第2受信モジュールと、前記第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除を指示するためのシグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第2送信モジュールと、を更に含み、
前記第2PWに関連する情報には、ラベルスイッチパスを確立するための前記第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれていることが好ましい。
【0033】
前記装置は、記録された前記第1PWに関連する情報と前記第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定するように構成される判定モジュールを更に含み、前記第2送信モジュールは、前記判定モジュールによって一致しないと判定された場合、前記シグナル取り消しメッセージを前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することが好ましい。
【0034】
前記装置は、前記第2PWに関連する情報を前記第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第3送信モジュールを更に含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施例によれば、SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された該第1PWに関連する情報を受信して記録し、そして、該第1PWに関連する情報をSPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することで、相手側の機器がローカル機器のインターフェースパラメーターの更新を即時に感知できないことによる問題を解決し、相手側の機器が正確なインターフェースパラメーター値を用いて協商してPWを確立することができ、ここで、該第1PWに関連する情報にラベルスイッチパスを確立するための第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
ここで説明する図面は本発明を一層理解させるためのもので、本願の一部を構成し、本発明に示す実施例及びその説明は本発明を解釈するもので、本発明を限定するものではない。
図1】既存技術に係る代表的なPWEネットワークの参照モデルを示す図である。
図2】既存技術に係る代表的なMSPWネットワークの参照モデルを示す図である。
図3】既存技術に係るデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオを示す図である。
図4a】既存技術に係るVCCVパラメーターのローカル設定の修正時のデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオでのシグナル相互通信を示す図である。
図4b】既存技術に係るInterfaceパラメーターのローカル設定の修正時のデュアルホーミングMSPW冗長保護シナリオでのシグナル相互通信を示す図である。
図5】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の構成を示す図である。
図7】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の1である。
図8】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の2である。
図9】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の3である。
図10】本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の4である。
図11】本発明の好適な実施例に係るインターフェースパラメーターが一致しない時の処理メカニズムのシグナル相互通信を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
尚、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例中の特徴を組み合わせることができる。以下、図面を参照しつつ実施例を結合して本発明を詳しく説明する。
【0038】
図面に示すプロセスは例えば1セットのコンピューターが命令を実行可能なコンピューターシステムにおいて実行することができ、また、フローチャートに論理順を示しているが、場合によっては、当該順と異なる順で図面に示すステップ又は説明したステップを実行することができる。例えば、以下の実施例におけるステップS502とステップS504の実行順は限定されず、同時に実行することも可能である。
【0039】
本実施例においてインターフェースパラメーター同期方法を提供し、図5は本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期方法を示すフローチャートで、図5に示すように、該プロセスは以下のステップを含む。
【0040】
SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された第1PWに関連する情報を受信して記録し(ステップS502)、ここで、第1PWに関連する情報にラベルスイッチパスを確立するための第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれている。
【0041】
第1PWに関連する情報をSPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信する(ステップS504)。
【0042】
上記ステップによると、SPEがラベルスイッチパスを確立する場合、第1PWに関連する情報を(例えば、PWE3シグナルを介して)第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することで、第2セグメントのPWのリモートTPEが第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターを感知することが可能になる。既存技術に比べ、上記実施例を、第1PWのリモートTPEをローカル機器とし、第2セグメントのPWのリモートTPEを相手側の機器とすることに応用した場合、相手側の機器がローカル機器のインターフェースパラメーターの更新を即時に感知できないことによる問題を解決し、相手側の機器が正確なインターフェースパラメーター値を用いて協商してPWを確立することができる。
【0043】
LSPが確立された第1PWにシングルセグメントのPWの取り消しが発生した場合、該方法は、SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された第2PWに関連する情報を受信して記録することと、第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除を指示するためのシグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することとを更に含み、ここで、第2PWに関連する情報にラベルスイッチパスを確立するための第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれることが好ましい。第1セグメントのPWに保護グループを構成する第1PWと第2PWが含まれることが好ましい。第2セグメントのPWに保護グループを構成する1つ又は複数のPWが含まれ、それぞれ1つ又は複数のリモートTPEに対応させることが好ましい。
【0044】
第2セグメントのPWのリモートTPEのインターフェースパラメーターを削除(除去)した後、該リモートTPEは、SPEから送信されたインターフェースパラメーター又はユーザが自発的に設定したインターフェースパラメーターを受信してパラメーターの設定を行う必要がある。ローカル側のインターフェースパラメーターと相手側のインターフェースパラメーターが変更されていない場合、即ち、初期設定が一致するインターフェースパラメーター設定である場合、シグナルリソースとシステムのオーバーヘッドを節約するため、シグナル取り消しメッセージを相手側のTPEに送信しないことが好ましい。例えば、シグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信する前、記録された第1PWに関連する情報と第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定し、一致しない場合、シグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信する。
【0045】
シグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信した後、更に、第2PWに関連する情報を第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することで、第2PWのインターフェースパラメーターを第2セグメントのPWの1つ又は複数のリモートTPEに伝達し、対応するTPEに対する設定を実現することが好ましい。
【0046】
第1PWに関連する情報を記録する前、所定の戦略に基づいて、第1セグメントのPWの保護グループの複数のPWから第1PWを決定することが好ましい。
【0047】
該所定の戦略は、第1セグメントのPWの中のPWに関連する情報を受信した後、ローカル設定を行う場合、設定において第1セグメントのPWのうち、1つのPWを第1PWとして決定すること、又は、ローカル設定を行った後、第1セグメントのPWの中の1つのPWに関連する情報を受信する場合、第1セグメントのPWのうち、PW関連情報がSPEにより先に受信された1つのPWを第1PWとして決定すること、を含むことが好ましい。例えば、SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されていない場合、先に行われた設定に基づいて、第1セグメントのPWの中の1つのPWを第1PWとして決定し、SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されている場合、第1セグメントのPWのうち、PW関連情報が先に受信された1つのPWを第1PWとして決定する。ここで、各PWはいずれも1つの唯一の識別情報を有し、当該唯一の識別情報はRFCにより定義されるもので、唯一の識別情報に含まれる内容もRFCにより定義されるものである。SPEは、PWの唯一の識別情報がローカルに設定されている場合、SPEに該PWのローカル設定が存在することを表し、PWの唯一の識別情報がローカルに設定されていない場合、SPEに該PWのローカル設定が存在しないことを表す。
【0048】
関連情報には、対応するPWのネクストホップアドレス、PW識別子、PWタイプ、FECタイプの中の少なくとも1つのパラメーターが更に含まれることが好ましい。
【0049】
本実施例において更にインターフェースパラメーター同期装置を提供し、該装置は上述したインターフェースパラメーター同期方法を実現するためのものであり、装置実施例で説明する装置の具体的な実現プロセスは、方法実施例で既に詳しく説明したので、ここでは説明を省略する。
【0050】
図6は、本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の構成を示す図で、図6に示すように、該装置は、第1受信モジュール62と、第1送信モジュール64と、を含み、ここで、第1受信モジュール62はSPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された第1PWに関連する情報を受信して記録するように構成され、ここで、第1PWに関連する情報にラベルスイッチパスを確立するための第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれ、第1送信モジュール64は第1受信モジュール62にカップリングされ、第1PWに関連する情報をSPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される。
【0051】
本発明の実施例に記載のモジュールや、ユニットはソフトウェアの方式で実現してもよいし、ハードウェアの方式で実現してもよい。本実施例で説明するモジュールや、ユニットはプロセッサに設置されることもでき、例えば、第1受信モジュール62と、第1送信モジュール64と、を含むプロセッサであることもできる。ここで、これらのモジュールの名称は当該モジュールそのものを限定するものではなく、例えば、第1受信モジュールを、「SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された第1PWに関連する情報を受信して記録するモジュール」と記載することもできる。
【0052】
また、本実施例の「第1受信モジュール」及び「第2受信モジュール」中の「第1」、「第2」等は対応するモジュールを識別し区別するためのものである。また、例えば、「第1受信モジュール」と「第2受信モジュール」は二つのモジュールを指すことができるが、その機能が類似している又は関連つけられているので、必ずしも二つであるとは限らなく、例えば、当該二つのモジュールを1つに統合させることもできる。
【0053】
図7は本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の1で、図7に示すように、該装置は、SPEの第1セグメントのPWの中の第2PWのリモートTPEから送信された第2PWに関連する情報を受信して記録するように構成される第2受信モジュール72と、第2受信モジュール72にカップリングされ、第2セグメントのPWのリモートTPEに受信したインターフェースパラメーターの削除を指示するためのシグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第2送信モジュール74と、を更に含み、ここで、第2PWに関連する情報にはラベルスイッチパスを確立するための第2PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれることが好ましい。
【0054】
図8は、本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の2で、図8に示すように、該装置は、第1送信モジュール64と第2送信モジュール74にカップリングされ、記録された第1PWに関連する情報と第2PWに関連する情報との中のリモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するか否かを判定するように構成される判定モジュール82を更に含み、第2送信モジュール74は、判定モジュール82によって一致しないと判定された場合、シグナル取り消しメッセージを第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することが好ましい。
【0055】
図9は、本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の3で、図9に示すように、該装置は、第2送信モジュール74にカップリングされ、第2PWに関連する情報を第2セグメントのPWのリモートTPEに送信するように構成される第3送信モジュール92を更に含むことが好ましい。
【0056】
図10は、本発明の実施例に係るインターフェースパラメーター同期装置の好適な構成を示す図の4で、図10に示すように、該装置は、第1受信モジュール62にカップリングされ、所定の戦略に基づいて、第1PWを決定するように構成される決定モジュール102を更に含むことが好ましい。
【0057】
所定の戦略は、第1セグメントのPWの中のPWに関連する情報を受信した後、ローカル設定を行う場合、設定において第1セグメントのPWのうち、1つのPWを第1PWとして決定すること、又は、ローカル設定を行った後、第1セグメントのPWの中の1つのPWに関連する情報を受信する場合、第1セグメントのPWのうち、PW関連情報が先に受信された1つのPWを第1PWとして決定すること、を含むことが好ましい。例えば、SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されていない場合、先に行われた設定に基づいて、第1セグメントのPWの中の1つのPWを第1PWとして決定し、SPEのローカル設定にPWの唯一の識別情報が設定されている場合、第1セグメントのPWのうち、PW関連情報が先に受信された1つのPWを第1PWとして決定する。
【0058】
関連情報には、対応するPWのネクストホップアドレス、PW識別子、PWタイプ、FECタイプの中の少なくとも1つのパラメーターが更に含まれることが好ましい。
【0059】
以下、好適な実施例を結合して説明する。
【0060】
この好適な実施例は、MSPW冗長においてSPEが1ホップ前のFEC情報を処理するメカニズムを提供し、MSPW冗長のシナリオでのSPE冗長のネットワーク構成環境において、SPEノードが受信したマスター/スタンバイ擬似ワイヤの1ホップ前のFEC情報中のインターフェースパラメーターが一致しない時の処理メカニズムに係っている。
【0061】
本好適な実施例で提供する処理メカニズムは以下のステップを含む。
【0062】
SPEがPWをローカルでバインドし(ステップ1)、
SPEの冗長なマスター/スタンバイPWのリモートTPEが、PWインターフェースパラメーターの設定を行い(ステップ2)、
TPEがPWE3シグナルを介して、それぞれ、ローカルに設定されたPWインターフェースパラメーターをSPEに報知し(ステップ3)、
SPEが、マスター/スタンバイPWのリモートTPEから報知されたPWE3シグナル情報を解析し、ローカル選択戦略1に基づいて、あるPWを選択して該PWに関連する情報を記録し(ステップ4)、
SPEが、PWE3シグナルメッセージを介して、記録されたPWのインターフェースパラメーターをそれぞれ、他のセグメントのマスター/スタンバイPWのリモートTPEに報知し(ステップ5)、
SPEに記録されたPWが何かの原因でシングルセグメントのPWの取り消しが発生した場合、SPEが保護グループ中の、該PWを保護するための他方のPWに関連する情報をローカルで再記録し(ステップ6)、
ステップ6を実行した後、SPEがローカル戦略2に基づいて、他のセグメントのマスター/スタンバイPWのリモートTPEにPWE3シグナル取り消しメッセージを送信し(ステップ7)、
ステップ7を実行した後、各リモートTPEのインターフェースパラメーターが一致するまで、上記ステップ5〜ステップ7を繰り返して実行する(ステップ8)。
【0063】
ステップ2中のPWインターフェースパラメーターは、RFC4446(IETFグループのIANA Allocations for Pseudowire Edge to Edge Emulation(PWE3)標準)に記載のインターフェース(Interface)最大伝送ユニット(Maximum Transmission Unit、MTUと略称)、非同期転送モードセルの最大接続数量(Maximum Number of concatenated ATM cells)、回路エミュレーションオーバーパケット(Circuit Emulation over Packet、CEPと略称)/時分割多重化モード(Time Division Multiplexing、TDMと略称)有効負荷ビット(Payload Bytes)、CEP選択肢(options)、要求された仮想ローカルエリアネットワーク身分識別子(Requested Virtual Local Area Network Identifier、Requested VLAN IDと略称)、CEP/TDMビットレート(bit−rate)、フレームリレーデータリンク接続識別子長さ(Frame−Relay Data Link Connection Identifier Length、FR DLCI Lengthと略称)、フラグメントインディケーター(Fragmentation indicator)、フレームチェックシーケンス保留インディケーター(Frame Check Sequence retention indicator、FCS retention indicatorと略称)、TDM options、VCCVパラメーター(parameter)を含むことが好ましい。
【0064】
ステップ4においてSPEにより記録されたPW関連情報は、ネクストホップアドレス、PW ID 、PWタイプ(type)、FECタイプを含むことが好ましい。
【0065】
ステップ4中のローカル選択戦略1は、SPEがマスター/スタンバイPWマッピング(Mapping)メッセージを受信した後、ローカル設定を行う場合、マスター/スタンバイPWの中のメインPWを優先的に選択し、SPEがローカル設定を行った後、マスター/スタンバイPW Mappingを受信する場合、マスター/スタンバイPWのうち、先にMappingが受信されたPWを優先的に選択することを含むことが好ましい。
【0066】
ステップ6中の何かの原因は、LDPセッション変動、緩やかな再起動(Graceful Restart、GRと略称)がオーバータイム、設定の削除を含むことが好ましい。
【0067】
ステップ7中のローカル戦略2は、SPEによりローカルに記録されたPWのリモートインターフェースパラメーターとSPEの他のセグメントのマスター/スタンバイPWから送信されたMapping中のインターフェースパラメーターとが一致しないことを含むことが好ましい。
【0068】
本好適な実施例に係るSPEノードが受信したマスター/スタンバイPWの1ホップ前のFEC情報中のインターフェースパラメーターが一致しない時の処理メカニズムによると、相手側の機器が即時にローカル機器のインターフェースパラメーターの更新変化を感知するようにし、最新のインターフェースパラメーターをPWE3シグナルを介して相手側に送信することで、相手側の機器が正確なインターフェースパラメーター値を用いて協商してPWを確立することができる。
【0069】
以下、図面を結合して上記好適な実施例を説明する。
【0070】
図11は、本発明の好適な実施例に係るインターフェースパラメーターが一致しない時の処理メカニズムのシグナル相互通信を示す図で、図11に示すように、TPE1上でまず、擬似ワイヤ関連パラメーターの設定が行われ、ローカルなPWインターフェースのパラメーター設定が含まれる。TPE1は、設定が完成した後、PWE3シグナルを発し、PW Mappingメッセージを介して、TPE1上の擬似ワイヤに関連する情報(インターフェースパラメーターを含む)をSPE1機器に報知する。SPE1は、TPE1からのMappingメッセージを受信し、解析してTPE1のPW関連情報(インターフェースパラメーターを含む)を保存し、同時に、SPE1はローカル戦略1に基づいて、TPE1とSPE1との間のPWを記録し、該PWのリモートインターフェースパラメーターであるTPE1のインターフェースパラメーターを受信してPW Mappingメッセージを構成し、TPE3とTPE4へ送信する。TPE3とTPE4はSPE1から送信されたPW Mappingメッセージを受信し、解析してインターフェースパラメーターを含む関連情報を保存する。そして、TPE2上で擬似ワイヤ関連パラメーターの設定が行われ、TPE2はSPE1へPWE3シグナルを発し、PW Mappingメッセージを介して、インターフェースパラメーターを含むTPE2の擬似ワイヤ関連情報をSPE1機器に報知し、SPE1はTPE2からのPW Mappingメッセージを受信し、解析してインターフェースパラメーターを含むTPE2のPW関連情報を保存する。SPE1により記録されたPW、即ちTPE1とSPE1との間のPWにPW取り消しが発生した時、SPE1はTPE2とSPE1との間のPWを再記録し、ローカル戦略2に基づいて、TPE3とTPE4へラベル取り消し(Label Withdraw )メッセージ(上述したシグナル取り消しメッセージに相当)をトリガーし、TPE3とTPE4はLabel Withdrawメッセージを受信した後、ローカルに保存されていたリモートインターフェースパラメーターを削除する。次に、SPE1は記録されたPWのリモートインターフェースパラメーターであるTPE2のインターフェースパラメーターを取得してPW Mappingメッセージを構成し、TPE3とTPE4に送信し、TPE3とTPE4はSPE1から送信されたPW Mappingメッセージを受信し、解析してインターフェースパラメーターを含む関連情報を保存する。
【0071】
上述のように、本発明の上記実施例又は好適な実施例によれば、SPEノードがマスター/スタンバイ擬似ワイヤの1ホップ前のFEC情報を受信した時、FEC情報中のインターフェースパラメーターが一致しない場合の処理メカニズムを提供し、TPE1とTPE2上のPWインターフェースパラメーターの設定が一致しない時、SPEは上述した処理メカニズムによって、TPE3とTPE4がリモートインターフェースパラメーターを即時に更新し、該インターフェースパラメーター値を用いて協商してPWを確立することを確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の実施例によれば、SPEの第1セグメントのPWの中の第1PWのリモートTPEから送信された該第1PWに関連する情報を受信して記録し、そして、該第1PWに関連する情報をSPEの第2セグメントのPWのリモートTPEに送信することで、相手側の機器がローカル機器のインターフェースパラメーターの更新を即時に感知できないことによる問題を解決し、相手側の機器が正確なインターフェースパラメーター値を用いて協商してPWを確立することができ、ここで、該第1PWに関連する情報にラベルスイッチパスを確立するための第1PWのリモートTPEのインターフェースパラメーターが含まれる。
【0073】
もちろん、当業者にとって、上記の本発明に係る各モジュール又は各ステップは汎用の演算装置によって実現することができ、単独の演算装置に集中させることができるし、或いは、複数の演算装置からなるネットワークに分布させることもでき、或いは、演算装置が実行可能なプログラムコードによって実現することで、それらを記憶装置に記憶させて演算装置によって実行することもでき、また、場合によって、ここで示した又は説明したステップを異なる順で実行することもでき、或いは、それらを夫々集積回路モジュールに作製し、或いはそのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールに作製して実現可能であることは明らかなことである。このように、本発明は如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせにも限定されない。
【0074】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での全ての修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11